JP2008111074A - ポリイミドフィルム及び太陽電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】芳香族ジアミンと芳香族テトラカルボン酸とを反応させて得られるポリアミド酸を支持体上に流延してポリイミド前駆体フィルムを得て、このポリイミド前駆体フィルムを熱処理及び/又はイミド化して得られるポリイミドフィルムであって、該フィルムの少なくとも片方の面が、Rtが0.3〜50μm、RSmが0.5〜40μmである凹凸構造を有しているポリイミドフィルムであり、太陽電池基板などに有用なポリイミドフィルム。
【選択図】なし
Description
そのため、有機材料からなるフィルムを電子部品の基材として用いる検討がなされ、ポリイミドからなるフィルムが提案されている。
しかし、可とう性があるためロールtoロールでの生産に対応でき、軽量で、使用時にも曲面が形成できることから、フィルム基板での太陽電池が期待されている。
太陽電池の基板としてポリイミドフィルムが使用されている、例えばポリイミドフィルムなどの高分子フィルムの電極層上にカルコパイライト系化合物薄膜を形成してa−Si薄膜を用いたものより変換効率の高いフレキシブル型太陽電池(特許文献1、参照)、ビフェニルテトラカルボン酸と、フェニレンジアミンを含む芳香族ジアミン成分との反応によって製造されたポリイミドで厚さが10〜250μmであって、少なくとも片方のフィルム表面の最大粗さが50nm以下であり、線膨張係数が5〜20×10−6cm/cm/℃であり、引張弾性率が450kg/mm2 以上であり、伸びが15%以上であり、比端裂抵抗値が11〜22kg/20mm/10μmでありかつ残揮発物量が0.5質量%以下である芳香族ポリイミドフィルム上にシリコン薄膜を基板とした太陽電池(特許文献2、参照)、粒子径0.1〜1μmの絶縁性微粒子が配合されたポリイミド系樹脂層を表層にした太陽電池(特許文献3、参照)、ピロメリット酸、オキシジアニリン類からなるランダム又はブロック又は混交ポリアミド酸から製造され、熱膨張係数が10ppm/℃以上であるポリイミドフィルムを基板とした太陽電池(特許文献4、参照)、ポリエーテルサルホンやポリイミドなどの透光性プラスチック基板上に、透明導電膜、光電変換層及び裏面電極層が順次積層されてなる薄膜太陽電池(特許文献5、参照)などが挙げられる。
本発明は、ポリイミドフィルムの耐熱性に優れていること、強靭な性状を保持して、安価に任意の表面凹凸構造をポリイミドフィルムに付与し、接着性に優れかつ任意表面構造を付与した太陽電池の基板などに有用なポリイミドフィルムを提供することを目的とする。
1. 芳香族ジアミンと芳香族テトラカルボン酸とを反応させて得られるポリアミド酸を支持体上に流延してポリイミド前駆体フィルムを得て、このポリイミド前駆体フィルムを熱処理及び/又はイミド化して得られるポリイミドフィルムであって、該フィルムの少なくとも片方の面が、Rtが0.3〜50μm、RSmが0.5〜40μmである凹凸構造を有していることを特徴とするポリイミドフィルム。
2. フィルムの凹凸構造を有している面の反対面が、凹凸構造を有さない前記1に記載のポリイミドフィルム。
3. ポリアミド酸が、ベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミンと、芳香族テトラカルボン酸とを反応させて得られるものである前記1.又は2.のポリイミドフィルム。
4. 前記1〜3に記載のいずれかのポリイミドフィルム上に光電変換層を設けたことを特徴とする太陽電池。
5. 芳香族ジアミンと芳香族テトラカルボン酸とを反応させて得られるポリアミド酸を支持体上に流延してポリイミド前駆体フィルムを得て、このポリイミド前駆体フィルムを熱処理及び/又はイミド化して得られるポリイミドフィルムの製造方法であって、支持体にあらかじめ深さが0.5〜80μmである凹凸構造を形成し、該支持体上にポリアミド酸を流延してポリイミド前駆体フィルムを得て、このポリイミド前駆体フィルムを熱処理及び/又はイミド化して、フィルムの一面が、Rtが0.3〜50μm、RSmが0.5〜40μmである凹凸構造を有しているポリイミドフィルムを得ることを特徴とするポリイミドフィルムの製造方法。
6. ポリアミド酸が、ベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミンと、芳香族テトラカルボン酸とを反応させて得られるものである前記5に記載のポリイミドフィルムの製造方法。
芳香族ジアミンと芳香族テトラカルボン酸との組み合わせは、それらから高耐熱性ポリイミドフィルムが得られるものであれば特に限定されないが、好ましくは下記の芳香族ジアミン類と芳香族テトラカルボン酸(無水物)類との組み合わせが例として挙げられる。
A.ピロメリット酸残基を有する芳香族テトラカルボン酸類、ベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類との組み合わせ。
B.ジアミノジフェニルエーテル骨格を有する芳香族ジアミン類とピロメリット酸骨格を有する芳香族テトラカルボン酸類との組み合わせ。
C.フェニレンジアミン骨格を有する芳香族ジアミン類とピロメリット酸骨格を有する芳香族テトラカルボン酸類との組み合わせ。
D.上記のABCの一種以上の組み合わせ。
本発明においては、特にこれら芳香族ジアミンの中で、高引張弾性率、高引張破断強度、低線膨張係数などの性状が得られやすい、ベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類が好適なジアミンである。本発明で特に好適に使用されるベンゾオキサゾール構造を有するジアミン類としては以下のものが挙げられる。
本発明におけるポリアミド酸の還元粘度(ηsp/C)は、特に限定するものではないが2.0dl/g以上が好ましく、3.0dl/g以上がさらに好ましく、なおさらに5.0dl/g以上が好ましい。
重合反応により得られるポリアミド酸溶液から、ポリイミドフィルムを形成するためには、ポリアミド酸溶液を支持体上に塗布して乾燥するなどによりグリーンフィルムを得て、次いで、グリーンフィルムを熱処理に供することでイミド化反応させる方法が挙げられる。
また、適度な剛性を有する高分子フィルムを利用する方法も好ましい態様である。
金属支持体の表面にはCr、Ni、Snなどの金属メッキを施してもよい。
支持体表面はフィルムの必要表面凹凸構造に応じて、任意の表面凹凸構造を付与することができ、この支持体上の表面凹凸構造は支持体全面に付与してもよく、部分的に付与してもよく、またドラム又はベルト状回転体支持体に直接付与してもよく、フィルムや金属に付与したものを貼り合わせて使用してもよい。凹凸構造の深さは0.2〜80μmが好ましいが、より好ましくは0.2〜50μm、さらに好ましくは0.2〜40μmである。
支持体へのポリアミド酸溶液の塗布は、スリット付き口金からの流延、押出機による押出し、スキージコーティング、リバースコーティング、ダイコーティング、アプリケータコーティング、ワイヤーバーコーティング等を含むが、これらに限られず、従来公知の溶液の塗布手段を適宜用いることができる。
また、支持体上にポリアミド酸溶液を塗布した後に過熱により溶剤を一部放出させ、事故指示性のある程度になった段階で、凹凸のあるロール押し付けにより表面凹凸構造を付与することもできる。
これらの処方によって、本発明のRtが0.3〜50μm、RSmが0.5〜40μmである凹凸構造を有しているポリイミドフィルムが比較的容易に得られる。また、上記処方に限定されることなく、本発明の特定表面構造のポリイミドフィルムを作製してもよい。
また、表層に滑剤を高密度に充填したポリアミド酸溶液を塗布することにより、表面凹凸構造は支持体全面に付与してもよく、部分的に付与してもよく、凹凸構造の深さは0.3〜50μmが好ましいが、より好ましくは0.3〜40μm、さらに好ましくは0.3〜30μmである。
滑剤としては、無機や有機の0.03〜1μm程度の平均粒子径を有する微粒子が使用でき、具体例として、酸化チタン、アルミナ、シリカ、炭酸カルシウム、燐酸カルシウム、燐酸水素カルシウム、ピロ燐酸水素カルシウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、粘土鉱物などが挙げられる。これらのポリイミドフィルムとしては、無延伸フィルムが好ましく適用されるが、1軸又は2軸に延伸したフィルムでも使用することができる。
ここで無延伸フィルムとは、テンター延伸、ロール延伸、インフレーション延伸などによってフィルムの面拡張方向に機械的な外力を意図的に加えずに得られるフィルムをいう。
以下、フィルム状太陽電池を構成するよう形成される上記積層体の典型例として、光電変換層を一対の電極層で挟んでなる積層構造を説明する。しかし、本発明で形成される積層構造は以下に記載される態様に限定されず、従来技術の太陽電池が有する積層体の構成を適宜参照してよく、保護層や公知補助手段を付加してもよいものである。
上記一対の電極層における一方の電極層(以下、裏面電極層とも記載する)は、好ましくは、フィルム基材の一主面上に形成される。裏面電極層は自体公知の方法、例えばプラズマCVD(ケミカル・ベ−パ−・デポジション)法やスパッタ法によって、導電性無機材料を積層することによって得られる。導電性無機材料としては、Al、Au、Ag、Cu、Ni、ステンレス鋼などの金属薄膜や、In2O3、SnO2、ZnO、Cd2SnO4、ITO(In2O3 にSnを添加したもの)などの酸化物半導体系の導電材料などが挙げられる。裏面電極層の厚さは特に限定はなく、通常、30〜1000nm程度である。好ましくは、裏面電極層は金属箔膜である。
薄膜シリコン層は、プラズマCVD法、熱CVD法、スパッタリング法、クラスタイオンビーム法、蒸着法などによって得られるシリコン層である。
無定形シリコン層は、実質的に結晶性をもたないシリコンからなる層である。実質的に結晶性をもたないことは、X線を照射しても回折ピークを与えないことによって確かめることができる。無定形シリコン層を得る手段は公知であり、そのような手段には、例えば、プラズマCVD法や熱CVD法などが含まれる。
多結晶シリコン層は、シリコンからなる微小結晶の集合体からなる層である。上述の無定形シリコン層とは、X線の照射により回折ピークを与えることによって区別される。多結晶シリコン層を得る手段は公知であり、そのような手段には、無定形シリコンを熱処理する手段などが含まれる。
本発明で用いる光電変換層は、シリコン系半導体層に限られず、例えば、厚膜半導体層であってもよい。厚膜半導体層とは酸化チタン、酸化亜鉛、ヨウ化銅などのペーストから形成される半導体層である。
半導体材料を光電変換層として構成する手段は公知の方法を適宜参照してよい。例えば、200〜500℃の温度下で、SiH4にフォスフィン(PH3)を添加したガス中で高周波プラズマ放電を行うことで約20nmのa−Si(n層)を形成し、続いてSiH4ガスのみで約500nmのa−Si(i層)を形成し、続いてSiH4にジボラン(B2H6)を添加して、約10nmのp−Si(p層)を形成することができる。
かくして、本発明の好適な態様例である、透明電極/p型a−Si/i型a−Si/n型a−Si/金属電極/表面凹凸構造面のポリイミドベンゾオキサゾールフィルムの順で積層されてなるフィルム状太陽電池が得られる。また、p層をa−Si、n層を多結晶シリコンとして、両者の間に薄いアンド−プa−Si層を挿入した構造にしてもよい。特に、a−Si/多結晶シリコン系のハイブリッド型にすると、太陽光スペクトルに対する感度が改善される。
太陽電池の作製においては、上記構成に加えて、反射防止層、表面保護層などを付加せしめてもよい。
1.ポリアミド酸の還元粘度(ηsp/C)
ポリマー濃度が0.2g/dlとなるようにN−メチル−2−ピロリドンに溶解した溶液をウベローデ型の粘度管により30℃で測定した。
2.フィルム基材の厚さ
マイクロメーター(ファインリューフ社製、ミリトロン1254D)を用いて測定した。
測定対象の基材フィルムを、長手方向(MD方向)及び幅方向(TD方向)にそれぞれ100mm×10mmの短冊状に切り出したものを試験片とした。引張試験機(島津製作所製、オートグラフ(商品名)、機種名AG−5000A)を用い、引張速度50mm/分、チャック間距離40mmの条件で、MD方向、TD方向それぞれについて、引張弾性率、引張破断強度及び引張破断伸度を測定した。
測定対象のフィルム基材について、下記条件にてMD方向及びTD方向の伸縮率を測定し、30〜45℃、45〜60℃、…と15℃の間隔での伸縮率/温度を測定し、この測定を300℃まで行い、全測定値の平均値をCTEとして算出した。MD方向、TD方向の意味は上述のとおりである。
装置名 ; MACサイエンス社製TMA4000S
試料長さ ; 20mm
試料幅 ; 2mm
昇温開始温度 ; 25℃
昇温終了温度 ; 400℃
昇温速度 ; 5℃/min
雰囲気 ; アルゴン
変換効率をAM=1に調節したオリエル社のソーラーシュミレータで測定した。
9.Rt、RSm、RΔq
JIS B601に準じて、触針式表面粗さ計(ミツトヨ社製、SV−C3100S4)にて測定した。rtip2μm、λc0.8mmにて測定を行った。
<ベンゾオキサゾール構造を有するジアミンからなるポリアミド酸の重合>
窒素導入管,温度計,攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール(DAMBO)500質量部を仕込んだ。次いで、N、N−ジメチルアセトアミド8000質量部を加えて完全に溶解させた後,ピロメリット酸二無水物(PMDA)485質量部を加え,25℃の反応温度で48時間攪拌すると,淡黄色で粘調なポリアミド酸溶液(A)が得られた。得られた溶液のηsp/Cは4.0dl/gであった。
ピロメリット酸無水物545質量部、4,4’ジアミノジフェニルエーテル(ODA)500質量部を8000質量部のN、N−ジメチルアセトアミド(DMAC)に溶解し、温度を20℃以下に保ちながら同様に反応させてポリアミド酸溶液(B)を得た。得られた溶液のηsp/Cは2.2でdl/gあった。
窒素導入管,温度計,攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール279質量部と、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル28質量部を4446質量部のN,N−ジメチルアセとアミドに完全に溶解させた後、ピロメリット酸二無水物300質量部を加え,20℃の反応温度で24時間攪拌すると,淡黄色で粘調なポリアミド酸溶液(C)が得られた。得られた溶液のηsp/Cは4.0dl/gであった。
ジアミン類の比率と混合時間を変え、参考例3と同様にして作製した。ジアミン類の比率はDAMBO:50mol%、ODA:50mol%であった。ポリアミド酸溶液(D)が得られた。得られた溶液のηsp/Cは3.6dl/gであった。
テトラカルボン酸二無水物として3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)398質量部、パラフェニレンジアミン(PDA)147質量部を4600質量部のN、N−ジメチルアセトアミドに溶解し、温度を20℃以下に保ちながら同様に反応させてポリアミド酸溶液(E)を得た。得られた溶液のηsp/Cは3.0dl/gであった。
全ジアミン成分に対して75モル%のODAをN,N’−ジメチルアセトアミド溶媒に溶かし、次にピロメリット酸二無水物を全量投入する(すなわち、すでに投入されているジアミン成分に対して約133%の酸無水物を投入する)ことで、酸末端プレポリマーを得る。次いでこの酸末端プレポリマー溶液に、残りのジアミン成分(すなわちパラフェニレンジアミン)を、全酸成分と実質的に等モルになるように、不足分のジアミンを添加し、反応させて重合溶液を得た。この重合溶液を約0℃に冷却した上で、約0℃に冷却したポリアミド酸有機溶媒溶液のアミック酸1モルに対して2.0モル%の無水酢酸及び0.5モル%のイソキノリンを添加し、充分に攪拌し、ポリアミド酸溶液(F)を得た。得られた溶液のηsp/Cは3.5dl/gであった。
<ポリアミド酸の重合−7>
芳香族テトラカルボン酸二無水物成分としてPMDAとBPDAを用い、ジアミン成分としてODAとPDAの4種のモノマーをPMDA/BPDA/ODA/PDAとが0.5/0.5/0.5/0.5のモル比でDMF中重合し、モノマー仕込濃度が、16質量%となるようにして、ポリアミド酸溶液(G)を作製した。
窒素導入管,温度計,攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン930質量部を入れ、N,N−ジメチルアセトアミド1500質量部を導入し、均一になるようによく攪拌した後、コロイダルシリカをジメチルアセトアミドに分散してなるスノーテックス(商品名)DMAC−Zl(日産化学工業株式会社製)40.5質量部(シリカを8.1質量部含む)を加え,この溶液を0度まで冷やし、4,4’−オキシジフタル酸無水物990質量部を添加、17時間攪拌した。薄黄色で粘調なポリアミド酸溶液(H)が得られた。得られた溶液のηsp/Cは3.1dl/gであった。
グリーンフィルムに凹凸のあるロール押し付けを行った。凹凸は、金属ロールのエッチングによって形成されている。それぞれ凹凸形状の違うロールを使い形状を形成した後イミド化を行った。イミド化後のフィルム形状は表1〜3にそれぞれ示す。
グリーンフィルムへの凹凸のあるロール押し付けを行った。ロールの凹凸は高さ40μm底面40μm×40μmの正方形である四角錐を密接して形成した形状であった。イミド化後のフィルム形状は表1から3にそれぞれ示す。
凹凸のあるフィルムへのキャスティングを行った。フィルムとともに、乾燥炉で乾燥して、その後に、フィルムから剥がして、グリーンフィルムを得た。イミド化後のフィルム形状は表1から3にそれぞれ示す。
グリーンフィルムに凹凸のあるロール押し付けを行った。凹凸は、金属ロールのエッチングによって形成されている。形状付与例1とは異なる凹凸を持っている。形状を形成した後イミド化を行った。イミド化後のフィルム形状は表1から3にそれぞれ示す。
グリーンフィルムへの凹凸のあるロール押し付けを行った。ロールの凹凸は高さ40μm底面200μm×200μmの正方形である四角錐を密接して形成した形状であった。イミド化後のフィルム形状は表1から3にそれぞれ示す。
(ポリイミド前駆体フィルムの製造、形状付与とポリイミドフィルムの製造)
重合例1のポリアミド酸溶液を、ステンレスベルトにコーティングして、3つのゾーンを有する連続式の乾燥炉を用いて、雰囲気温度で90℃×7分、90℃×7分、90℃×7分間乾燥した。乾燥後に自己支持性となったポリアミド酸フィルムをステンレスベルトから剥離して、ポリイミド前駆体フィルムを得た。
得られたグリーンフィルムに形状付与例1の工程により、ポリイミド前駆体フィルムに形状を作った後、このポリイミド前駆体フィルムを、熱風式乾燥ゾーンにて雰囲気温度150℃で10分間、両面乾燥を行った。
得られたポリイミド前駆体フィルムの残留溶媒量は35.5質量%であった。
得られたポリイミド前駆体フィルムを、連続式の乾燥炉に通し、200℃にて3分間熱処理した後、450℃まで、約20秒間にて昇温し、450℃にて7分間熱処理し、5分間かけて室温まで冷却、褐色のポリイミドフィルムを得た。
スパッタリング装置でステンレスのターゲットを使用して、上記フィルム上に厚さ1000nmのステンレス層を形成した。次いで、真空反応器中の対向電極と支持電極の間にステンレス層を形成したフィルムを設置して、反応器内を一旦10−5Torrに排気し、支持電極の温度を350℃に高めた。その後、対向電極と支持電極に30Wの15MHzの高周波電圧を印加しつつ、アルゴンガスを反応器内に導入して3mTorrのアルゴン雰囲気下でプレスパッタし、次いで水素ガスで10%に希釈したSiH4、同様に水素ガ
スで1%に希釈したPH3ガスを同時に導入して、1Torrの雰囲気下で上記ステンレ
ス層上に25nmのn型アモルファスシリコン層を形成した。次いで、SiH4のみを導
入して、前記n型アモルファスシリコン層の上に、厚さ500nmのi型アモルファスシリコン層を積層し、さらにSiH4ガス中に1%のB2H6を含有する混合ガスを導入する
ことで、前記i型アモルファスシリコン層の上に、厚さ25nmのp型アモルファスシリコン層を形成した。
次いでこのpin型アモルファスシリコン層を形成したフィルムを真空蒸着装置内に装着し、電子ビーム法で100nmの厚さの酸化インジウム錫層を蒸着してヘテロ電極層とした。最後にその上に100nmのパラジウム層を櫛形に真空蒸着した。以上のようにして実施例のフィルム状太陽電池を得た。フィルム状太陽電池の製造工程において、フィルム基材が熱で変形したり、シワが生じたりするなどの問題はなく、平面性の優れた太陽電池が得られた。
ポリイミドフィルムの厚さを10μmとなるようにギャップを調整した。これ以外は実施例1と同じようにしてフィルム状太陽電池を得た。
ポリイミドフィルムの厚さを50μmとなるようにギャップを調整した。これ以外は実施例1と同じようにしてフィルム状太陽電池を得た。
重合例2の樹脂を使用し、ポリイミドフィルムの厚さを50μmとなるようにギャップを調整した以外は実施例1と同じようにしてフィルム状太陽電池を得た。
ポリアミド酸溶液(8)を、厚さ188μmのポリエチレンテレフタレート製フィルムA−4100(東洋紡績株式会社製)の無滑剤面上に、コンマコーターを用いてコーティングし(塗工幅700mm)、110℃にて5分間乾燥後、支持体から剥がさずにポリアミド酸フィルム(ポリイミド前駆体フィルム)を巻き取った。この時点でポリアミド酸フィルムの厚さは5μmであった。
得られたポリアミド酸フィルムを製膜機の巻きだし部に取り付け、上記のポリアミド酸溶液(1)を、コンマコーターを用いて支持体としてのポリアミド酸フィルム面にコーティングし(塗工幅700mm)、110℃にて20分間乾燥後、支持体から剥がさずに積層ポリアミド酸フィルムを巻き取った。この時点で積層ポリアミド酸フィルムの厚さは75μmであった
得られた積層ポリアミド酸フィルムを再度製膜機の巻きだし部に取り付け、上記のポリアミド酸溶液(3)を、コンマコーターを用いて積層ポリアミド酸フィルム(3)が積層されている面と異なる他面にコーティングし(塗工幅700mm)、110℃にて5分間乾燥することで、厚さが80μmの(a)/(b)/(a)の3層構成の多層ポリアミド酸フィルムを得た。
このフィルムを以後の工程は実施例1と全く同じようにしてフィルム状太陽電池を得た。
重合例3の樹脂を使用した以外は実施例1と同じようにしてフィルム状太陽電池を得た。
〔実施例7〕
重合例4の樹脂を使用した以外は実施例1と同じようにしてフィルム状太陽電池を得た。
〔実施例8〕
重合例5の樹脂を使用した以外は実施例1と同じようにしてフィルム状太陽電池を得た。
〔実施例9〕
重合例6の樹脂を使用した以外は実施例1と同じようにしてフィルム状太陽電池を得た。
〔実施例10〕
重合例7の樹脂を使用した以外は実施例1と同様にフィルム状太陽電池を得た。
〔実施例11〕
凹凸を形成する為の押し付けロールを変えたこと以外は実施例1と同様にフィルム状太陽電池を得た。
(ポリイミド前駆体フィルムの製造、形状付与とポリイミドフィルムの製造)
重合例1のポリアミド酸溶液を、形状作製例3のとおりに、凹凸のあるフィルムへのキャスティングを行った。このときポリイミドフィルムの厚さを50μmとなるようにギャップを調整した。3つのゾーンを有する連続式の乾燥炉を用いて、雰囲気温度で90℃×7分、90℃×7分、90℃×7分間乾燥した。乾燥後に自己支持性となったポリアミド酸フィルムを凹凸のあるフィルムから剥離して、ポリイミド前駆体フィルムを得た。
このポリイミド前駆体フィルムを、熱風式乾燥ゾーンにて雰囲気温度150℃で10分間、両面乾燥を行った。
得られたポリイミド前駆体フィルムの残留溶媒量は35.5質量%であった。
得られたポリイミド前駆体フィルムを、連続式の乾燥炉に通し、200℃にて3分間熱処理した後、450℃まで、約20秒間にて昇温して、450℃にて7分間熱処理し、5分間かけて室温まで冷却、褐色のポリイミドフィルムを得た。このフィルムを以後の工程は実施例1と全く同じようにしてフィルム状太陽電池を得た。
前記した実施例1における、形状形成のためのローラー押し付けを行わなかったこと以外は、実施例1と同様にしてポリイミドベンゾオキサゾールフィルムを得て、フィルム状太陽電池を得た。
凹凸を形成する為の押し付けロールを変えたこと以外は実施例1と同様にして作製した。押し付けに使ったロールは形状作製例4に従う。このフィルムを以後の工程は実施例1と全く同じようにしてフィルム状太陽電池を得た。
凹凸を形成する為の押し付けロールを変えたこと以外は実施例1と同様にして作製した。押し付けに使ったロールは形状作製例5に従う。このフィルムを以後の工程は実施例1と全く同じようにしてフィルム状太陽電池を得た。
Claims (6)
- 芳香族ジアミンと芳香族テトラカルボン酸とを反応させて得られるポリアミド酸を支持体上に流延してポリイミド前駆体フィルムを得て、このポリイミド前駆体フィルムを熱処理及び/又はイミド化して得られるポリイミドフィルムであって、該フィルムの少なくとも片方の面が、Rtが0.3〜50μm、RSmが0.5〜40μmである凹凸構造を有していることを特徴とするポリイミドフィルム。
- フィルムの凹凸構造を有している面の反対面が、凹凸構造を有さない請求項1記載のポリイミドフィルム。
- ポリアミド酸が、ベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミンと、芳香族テトラカルボン酸とを反応させて得られるものである請求項1又は2に記載のポリイミドフィルム。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のポリイミドフィルム上に光電変換層を設けたことを特徴とする太陽電池。
- 芳香族ジアミンと芳香族テトラカルボン酸とを反応させて得られるポリアミド酸を支持体上に流延してポリイミド前駆体フィルムを得て、このポリイミド前駆体フィルムを熱処理及び/又はイミド化して得られるポリイミドフィルムの製造方法であって、支持体にあらかじめ凹凸構造を形成し、該支持体上にポリアミド酸を流延してポリイミド前駆体フィルムを得て、このポリイミド前駆体フィルムを熱処理及び/又はイミド化して、フィルムの一面が、Rtが0.3〜50μm、RSmが0.5〜40μmである凹凸構造を有しているポリイミドフィルムを得ることを特徴とするポリイミドフィルムの製造方法。
- ポリアミド酸が、ベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミンと、芳香族テトラカルボン酸とを反応させて得られるものである請求項5記載のポリイミドフィルムの製造方法。
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