JP2007197143A - 印刷装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】印刷スピードの低下を抑制すると共に、記録媒体を精度良く搬送することにより高画質の印刷が可能な印刷装置を提供すること。
【解決手段】画像記録装置1によれば、排紙ローラ21aのみで記録用紙Pが搬送される間は、第2パラメータに基づくフィードバック制御が行われるので、オーバーランの発生が抑制され、印刷終了間際の排紙ローラ21aのみで記録用紙Pが搬送される間においても、高い精度で記録用紙Pを搬送することができる。一方、それ以外の場合、すなわち搬送ローラ20aにより記録用紙Pが搬送される間は、多少のオーバーランが生じても高い位置精度で記録用紙Pを搬送することができるので、第1パラメータにもとづくフィードバック制御で記録用紙Pを搬送することにより、印刷スピードの低下を抑制することができる。
【選択図】図8

Description

本発明は、印刷装置に関し、特に、印刷速度の低下を抑制すると共に、記録媒体を精度良く搬送することにより高画質の印刷が可能な印刷装置に関するものである。
従来より、主走査方向に往復移動可能な記録ヘッドと主走査方向に対し垂直な副走査方向に用紙を搬送する搬送装置とを備えた印刷装置が知られている。このような印刷装置によれば、記録ヘッドにより主走査方向1行分の印刷が終わる毎に、搬送装置により記録用紙(記録媒体)を1行分搬送することにより、1行分ずつ画像を印刷する。
図10を参照して、上記記録ヘッドと搬送装置について説明する。図10は従来の印刷装置に設けられた記録ヘッド102と搬送装置を模式的に示す図であり、矢印は記録用紙の搬送方向またはローラの回転方向を示す。搬送ローラ120aは押さえローラ120bとの間で記録用紙Pを挟持し、排紙ローラ121aは押さえローラ121bとの間で記録用紙Pを挟持する。
図10に示すように、搬送ローラ120aを回転駆動するモータ142は、搬送ローラ120aの近傍に設けられる。そして、モータ142の回転駆動力は、ギヤやベルトで構成される動力伝達機構(図示せず)を介して、排紙ローラ121aにも伝達される。記録ヘッド102により1行分の画像が印刷される毎に、搬送ローラ120aと排紙ローラ121aとが同期してモータ142により回転駆動されて、記録用紙Pを1行分ずつ搬送する。
このような印刷装置において、各行毎に記録用紙の搬送量がばらつくと、印刷される画像に疎密が生じ画質が低下するので、高画質の印刷を行うためには、記録用紙Pが1行分ずつ正確に搬送されることが重要である。用紙搬送量を正確にコントロールするために、ロータリエンコーダにより搬送ローラ120aの回転量を検出し、その回転量が目的とする目標回転量に一致するように、フィードバック制御することが行われている(例えば、特許文献1参照)。
フィードバック制御では、予め定められた目標回転量と、ロータリエンコーダによって検出される搬送ローラ120aの回転量との差分を算出し、その差分が小さくなるように、モータ142を制御する。上述したように、搬送ローラ120aと排紙ローラ121aとは同期して回転駆動されるから、ロータリエンコーダにより搬送ローラ120aの回転量を検出し、その回転量をフィードバック値としてモータ142を制御することにより、搬送ローラ120aおよび排紙ローラ121aの回転量を適切に制御して、目標位置まで用紙を搬送させることができる。このフィードバック制御では、ロータリエンコーダにより検出される回転量が目標回転量に未到達の間は、搬送ローラ120aの回転量が目標回転量に到達するようにモータ142を制御する。一方、ロータリエンコーダにより検出される搬送ローラ120aの回転量が目標回転量を通り越すオーバーランが生じた場合には、モータ142を逆方向に回転制御する。モータ142の逆回転により、搬送ローラ120aおよび排紙ローラ121bが搬送方向の逆方向に回転し記録用紙が逆送されるので、記録用紙が一旦、目標とする位置を超えて搬送されたとしても、適切な目標位置に戻される。
特開2003−348878号公報
しかしながら、画像の印刷が進行し、記録用紙Pの後端が搬送ローラ120aを通り過ぎ、排紙ローラ102のみで記録用紙Pが搬送されている間に、上記のオーバーランが生じると、モータ142の逆回転では記録用紙Pが適切な目標位置に戻されないおそれがある。すなわち、モータ142と排紙ローラ121aとの間には、モータ142の回転駆動力を伝達する動力伝達部材が介在しているので、その動力伝達部材を構成するギヤのバックラッシュ、動力伝達部材を構成するベルトの伸び、排紙ローラ121a自体の偏心に起因して、モータ142を逆回転させても、排紙ローラ102が逆回転されず、搬送ローラ120aのみが逆回転される場合がある。このような状況が生じたとき、排紙ローラ102のみで記録用紙Pが搬送されていると、排紙ローラ102は実際には逆回転していないので、記録用紙Pは逆送りされていない。それにも関わらず、ロータリエンコーダでは搬送ローラ120aの逆回転が検出されるので、その検出結果に従って、記録用紙が目標位置に戻されたとの判断がされて印刷動作が開始されてしまい、高画質が得られないという問題点が生じる。
一方、このような問題点を解消するためには、オーバーランを防止すればよく、そのために、ローラが緩やかに加速するようにモータ142を制御することも考えられるが、そのようにすると、記録用紙Pが目標位置に到達するまでに長時間を要し、印刷スピードが低下するという問題点が生じる。
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、印刷スピードの低下を抑制すると共に、記録媒体を精度良く搬送することにより高画質の印刷が可能な印刷装置を提供することを目的としている。
この目的を達成するために、請求項1記載の印刷装置は、所定の搬送方向に搬送される記録媒体に画像を印刷する印刷ヘッドと、前記印刷ヘッドよりも搬送方向上流側で記録媒体を搬送する搬送ローラと、前記印刷ヘッドよりも搬送方向下流側で記録媒体を搬送する排紙ローラと、前記搬送ローラを回転駆動するモータと、前記モータの回転駆動力を前記排紙ローラに伝達する動力伝達手段と、前記搬送ローラの回転量を検出する回転量検出手段と、前記回転量検出手段により検出された回転量が予め定められた目標回転量と一致するように、前記回転量が前記目標回転量に未到達であるときは前記モータを正回転させて前記記録媒体を搬送方向下流側へ搬送し、且つ前記回転量が前記目標回転量を超過した場合には前記モータを逆回転させて記録媒体を搬送方向上流側へ逆送するフィードバック制御のための制御信号を、前記回転量検出手段により検出された回転量に基づいて生成する制御信号生成手段と、前記制御信号生成手段により生成された制御信号に基づいて制御された駆動電流を前記モータに出力し前記搬送ローラおよび前記排紙ローラを回転駆動する駆動手段とを備えたものであって、前記回転量検出手段により検出される回転量が前記目標回転量に到達するまでの時間を制御するためのパラメータとして予め設定された第1パラメータと、前記第1パラメータに比較して前記回転量検出手段により検出される回転量が前記目標回転量に到達するまでの時間が長くなるように予め設定された第2パラメータとを記憶するパラメータ記憶手段を備え、前記制御信号生成手段は、少なくとも前記排紙ローラのみにより記録媒体が搬送される間は、前記パラメータ記憶手段から読み込んだ第2パラメータと前記回転量検出手段により検出された回転量とに基づく制御信号を生成し、それ以外の場合には、前記パラメータ記憶手段から読み込んだ第1パラメータと前記回転量検出手段により検出された回転量とに基づく制御信号を生成するものである。
請求項2記載の印刷装置は、請求項1記載の印刷装置において、前記回転量検出手段は、前記搬送ローラと同軸に設けられている。
請求項3記載の印刷装置は、請求項1または2に記載の印刷装置において、前記制御信号生成手段は、前記記録媒体の後端が前記搬送ローラよりも搬送方向上流側の所定位置を通過した後に、前記パラメータ記憶手段から第2パラメータを読み込み、前記回転量検出手段により検出された回転量と前記第2パラメータとに基づく制御信号を生成するものである。
請求項4記載の印刷装置は、請求項1から3のいずれかに記載の印刷装置において、前記動力伝達手段は、前記モータの回転駆動力を伝達するために互いに噛み合い回転する少なくとも、一対の歯車または前記モータの回転駆動力を伝達する伝達ベルトを有する。
請求項1記載の印刷装置によれば、排紙ローラのみにより記録媒体が搬送される間は、パラメータ記憶手段から読み込んだ第2パラメータと回転量検出手段により検出された回転量とに基づく制御信号が生成され、その制御信号に基づいて制御された駆動電流がモータに出力されて搬送ローラおよび排紙ローラが回転駆動される。一方、それ以外の場合には、パラメータ記憶手段から読み込んだ第1パラメータと回転量検出手段によりに検出された回転量とに基づく制御信号が生成され、その制御信号に基づいて制御された駆動電流がモータに出力されて搬送ローラおよび排紙ローラが回転駆動される。
ここで、第2パラメータは第1パラメータに比較して、回転量検出手段により検出される回転量が目標回転量に到達するまでの時間が長くなるように設定された値である。よって、排紙ローラのみにより記録媒体が搬送される間は、それ以外の場合に比較して、回転量検出手段により検出される回転量が目標回転量に到達するまでの時間が長くなる。すなわち、回転量検出手段により検出される回転量が目標搬送量に緩やかに近づく。よって、排紙ローラのみにより記録媒体が搬送される間は、搬送ローラの回転量が目標回転量を超過するオーバーランが生じ難く、記録媒体を搬送方向の逆方向に搬送するためのモータの逆回転が抑制されるので、記録媒体を精度良く搬送でき、高画質の印刷が可能となるという効果がある。
一方、搬送ローラのみにより記録媒体が搬送される場合以外の場合には、回転量検出手段により検出される回転量が目標回転量に相対的に早く到達する。よって、印刷スピードの低下が抑制されるという効果がある。
請求項2記載の印刷装置によれば、請求項1記載の印刷装置の奏する効果に加え、前記回転量検出手段は、前記搬送ローラと同軸に設けられているので、回転量検出手段の検出精度を向上させることができ、延いては、記録媒体をさらに精度良く搬送することができ、さらに高画質の印刷が可能となるという効果がある。
請求項3記載の印刷装置によれば、請求項1または2に記載の印刷装置の奏する効果に加え、前記制御信号生成手段は、前記記録媒体の後端が前記搬送ローラよりも搬送方向上流側の所定位置を通過した後に、前記パラメータ記憶手段から第2パラメータを読み込み、前記回転量検出手段により検出された回転量と前記第2パラメータとに基づく制御信号を生成するので、上記所定位置として最適な位置を予め設定しておくことにより、第1パラメータに基づく制御信号を生成する期間を可能な限り長くし、印刷スピードの低下を抑制しつつ、且つ、排紙ローラのみにより記録媒体が搬送される間は、より確実に、記録媒体を精度良く搬送でき、高画質の印刷が可能となるという効果がある。
請求項4記載の印刷装置によれば、請求項1から3のいずれかに記載の印刷装置と同様の効果を奏する。特に、排紙ローラのみにより記録媒体が搬送される間にオーバーランが生じると、動力伝達部材を構成する歯車のバックラッシュ、動力伝達部材を構成するベルトの伸びに起因して、モータを逆回転させても、排紙ローラが逆回転されず記録媒体が正確な位置に搬送されないおそれがあるが、排紙ローラのみにより記録媒体が搬送される間は、オーバーランの発生を抑制することにより、排紙ローラのみにより記録媒体が搬送される間も記録媒体を精度良く搬送できるので、高画質の印刷が可能となるという効果がある。
以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施例である画像記録装置1の全体斜視図である。図1に示す画像記録装置1は、ファクシミリ機能、プリンタ機能、複写機能、スキャナ機能等を備えている。多機能装置(Multi Function
Device )である画像記録装置1は、上面開放の略箱状の本体ケース2と、この本体ケース2の一側(図1の実施形態では左側)に対して、蝶番、ヒンジ部等の回動軸線部(図示せず)を介して上下回動可能に枢着された上部ケース3とを有する。なお、以下の説明において、図1の画像記録装置1の手前側を前側とし、左右方向(主走査方向、Y軸方向)や、前後方向(副走査方向、X軸方向)、上下方向に関しても図1の画像記録装置1の向きを基準に説明する。本体ケース2及び上部ケース3は合成樹脂製の射出成形品である。
上部ケース3の上面前部には操作パネル30が配置されている。操作パネル30には、数字ボタンやスタートボタン、機能操作ボタン等の各種のボタンが設けられており、これらのボタンを押下することにより、各種の操作が行われる。操作パネル30には液晶(LCD)等のディスプレイ部31が設けられ、画像記録装置1の設定状態や各種の操作メッセージ等が必要に応じて表示される。
上部ケース3には、操作パネル30の後部側にスキャナ装置(画像読取部)33が配置されている。即ち、ファクシミリ機能時に相手ファクシミリ装置に送信すべきファクシミリ原稿や、複写機能時に複写すべき原稿の画像を読取るためのスキャナ装置33は、大判のガラス板上の原稿の画像を読取るフラットベッド読取部と、このフラットベッド読取部の上面を覆う回動可能なカバー体34とからなる。
図示しないが、フラットベッド読取部におけるガラス板の直下には、ガラス板に当接させた原稿の画像面を読取るための光電変換素子の一例としてのライン型の密着型イメージセンサ(CIS:Contact Image
Sensor)が、後述するキャリッジの移動方向(主走査方向、Y軸方向)と平行な方向に延びるガイド軸に沿って往復移動可能に設けられている。
なお、カバー体34は、画像記録装置1の背面側(図1の奥側)を中心にしてヒンジを介して開閉回動可能に構成されている。
図1に示すように、本体ケース2内の左右方向中央部には、その底部に複数枚の被記録媒体としての用紙Pをほぼ水平状にて堆積状態で載置する給紙カセット5が配置され、この給紙カセット5は本体ケース2の前面の開口部2aに対して引き出し可能に構成されている。この給紙カセット5の載置された用紙Pは、後述する給紙ローラ7(図3参照)により1枚ずつ繰り出されて印刷位置に給紙される。
図2を参照して、本体ケース2内に設けられ、給紙カセット5から給紙された用紙Pを搬送する搬送装置について説明する。図2(a)は、搬送装置の斜視図であり、図2(b)は、搬送装置の側面図である。
図2に示すように、搬送装置は、主な構成として、搬送ローラ20aと、排紙ローラ21aと、LFモータ42と、LFモータの回転駆動力を排紙ローラ21aに伝達する動力伝達機構43とを備える。動力伝達機構43は、正逆回転可能なLFモータ42の駆動軸に取付けられたピニオン43aと、これに噛み合う伝動ギヤ43bと、伝動ギヤ43bに噛み合う中間ギヤ43cと、この中間ギヤ43cと排紙ギヤ43dとの間に架け渡された伝達ベルト43eとからなり、伝動ギヤ43bは搬送ローラ20aの一側(左端部)に取り付けられている。他方の排紙ギヤ43eは排紙ローラ21aの一端(左端部)に取付けられている。
本実施形態では、DCモータであるLFモータ42が搬送ローラ20aを回転させる。そしてLFモータ42の回転駆動力は、動力伝達機構43であるピニオン43a、伝動ギヤ43b、中間ギヤ43c、伝達ベルト43e、排紙ギヤ43dとを介して排紙ローラ21aに伝達され、排紙ローラ21aを回転させる。後述するように、搬送ローラ20aは対向する押さえローラ20b(図3参照)との間で用紙Pを挟持し、排紙ローラ21aは対応する押さえローラ21b(図3参照)との間で用紙Pを挟持する。そして、LFモータ42が正回転して搬送ローラ20aと排紙ローラ21aとを回転駆動すると、用紙Pが搬送方向(図2において矢印Bで示す)の下流側へ搬送される。一方、LFモータ42が逆回転して搬送ローラ20aと排紙ローラ21aとを逆方向に回転駆動すると、用紙Pは搬送方向の上流側(図2において矢印Bで示す方向の反対方向)に逆送りされる。
また、図2(b)には、LF用エンコーダ8(図4参照)の回転スリット板8aを図示する。回転スリット板8aには、円周に沿って所定間隔毎にスリットが形成されている。LF用エンコーダ8は、光センサ8bを通過する回転スリット板8aのスリット数(搬送ローラ20aの回転量に相当)を検出し、搬送ローラ20aの回転量に応じたパルス信号を出力するように構成されている。本実施例においては、図2(b)に示すように、この回転スリット板8aは、搬送ローラ20aと同軸回転するものである。
図3は、かかる画像記録装置1の内部構成を概略的に示した側面図であり、図中の矢印は記録用紙Pの搬送方向を示している。図3に示すように、画像記録装置1内には、給紙カセット5より上部に給紙ローラ7と、画像記録装置1の後端部(図3右側)で給紙カセット5から上向きに給紙され、Uターンされて前向きほぼ水平状に送り込まれた記録用紙Pを支持するプラテン11上の記録用紙Pの表面にインクを吐出して画像記録するインクジェット方式の記録ヘッド12とが設けられている。
記録ヘッド12は、画像記録装置1のフレームに横架されたガイドバーに沿って図3の紙面垂直方向に移動可能なキャリッジ(図示せず)に搭載されている。また、記録ヘッド12のプラテン11側には、プラテン11に支持された記録用紙Pへインクの吐出を行うためのノズルが形成されている。
カラー記録用の記録ヘッド12にインクを供給するためのインクカートリッジは、本体ケース2内の収容部(図示せず)に対して上方から着脱可能に構成されている。インクカートリッジは、複数色毎のインクが収納されており、実施形態ではブラック、シアン、マゼンタ、イエローの四色であるが、それ以上の色のインクを収納しても良い。各インクカートリッジから記録ヘッド12へは可撓性を有するインクチューブを接続してインク供給する。
プラテン11上を搬送される記録用紙Pの搬送方向における上流側には、搬送ローラ20aと、その搬送ローラ20aへ記録用紙Pを押圧するためのおよび押さえローラ20bとが設けられている。また、プラテン11及び記録ヘッド12の搬送方向下流側には、プラテン11から排出された記録用紙Pを排紙部へ向かって(図1の矢印B方向参照)搬送するための排紙ローラ21aと、その排紙ローラ21aへ記録用紙Pを押圧するための押さえローラ21bとが設けられている。上記搬送される用紙Pは、その上面側に位置する搬送ローラ20aと、下面側に位置する従動ローラ20bと間にニップ(挟持)される。また、排紙ローラ21aは排出される用紙Pの下面に当接し、押さえローラ21bは用紙Pの上面に当接するようにしてニップ(挟持)する。
また、搬送ローラ20aと押さえローラ20bとの配置位置よりも搬送方向上流側には、記録用紙PがUターンして記録ヘッド12側に近づくように給紙されたときに、その用紙Pの先端位置及び後端位置を検出するための用紙センサ117が設けられている。
図3(a)に示すように、LFモータ42(図2参照)の逆回転時には、搬送ローラ20aおよび排紙ローラ21aが逆回転され、給紙ローラ7は給送方向(図3(a)で反時計回り、正回転)に回転駆動される。それにより、給紙カセット5に堆積された複数枚の記録用紙Pの最上層の1枚のみが分離され上向きに給送される。このとき、搬送ローラ20aが逆回転(図3(a)で反時計回り回転)しているので、押さえローラ20bと搬送ローラ20aとのニップ部に記録用紙Pの先端縁を突き当てて斜行を補正する作用を受けさせることができる。
次いで、LFモータ42(図2参照)を適宜な回転量だけ正回転させて、搬送ローラ20aを正回転(図3(b)で時計回り回転)させ、押さえローラ20bと搬送ローラ20aとのニップ部で挟持された用紙Pを記録ヘッド12の下方に送り込む(頭出し動作)。頭出し動作とは、搬送ローラ20aで挟持された記録用紙Pの先端が、用紙センサ117の箇所を通過してから所定位置まで前進させて印刷の開始可能位置にセットされることをいう。なお、LFモータ42を正回転させるとき、給紙ローラ7は給紙方向と反対方向に逆回転(図3(b)で反時計回り回転)するが、搬送ローラ20aと押さえローラ20bとでのニップ力を給紙ローラ7による給紙力(給紙ローラ7の用紙への押圧力等による給紙ローラ7の用紙への食いつき力)よりも大きく設定することで、搬送ローラ20aと押さえローラ20bとでニップされた用紙Pは給紙ローラ7の周面に対して滑るので、給紙カセット5に戻されることがない。
続いて、図示しない外部コンピュータ等から印刷指令があると、図3(b)に示すように、記録用紙Pを搬送方向に目標量ずつ間欠的に前進させながら、図示しないキャリッジを主走査方向(図3紙面垂直方向)に往復移動させつつ記録ヘッド12のノズルから記録用紙Pの片面(表面)にインクを吐出させて印刷を開始する。
なお、以下の説明では、記録用紙Pが頭出し位置に到達するまで記録用紙Pを送る動作を給紙と称し、記録用紙Pが頭出し位置から印刷動作が終了する位置まで目標量ずつ間欠的に送られる動作を搬送と称し、記録用紙Pが搬送される区間を搬送区間と称する。本実施例では、記録ヘッド12によって主走査方向(図3における紙面垂直方向)に一行分の印刷がなされると、次の一行を印刷するために記録用紙Pが搬送方向に一行分(目標量に相当)紙送りされて停止し、記録ヘッド12によって次の一行分の記録がなされる。それが終わると、さらに次の一行分の搬送と印刷とが繰り返される。
このようにして、1枚分の記録用紙Pに対する印刷が終了すると、印刷済みの記録用紙Pの排紙を開始する。その場合、印刷済みの記録用紙Pを搬送方向下流側に排紙するために搬送ローラ20a及び排紙ローラ21aを連続的に正回転させるべくLFモータ42を適宜正回転させた後、LFモータ42を停止する。
図4は、画像記録装置1の電気的構成を示すブロック図である。なお、図4においては、画像記録装置1のうち印刷動作に関わる主要な構成のみを図示し、他の構成の図示は省略する。画像記録装置1は、本体に搭載されている本体側制御基板10と、キャリッジに搭載されているキャリッジ基板13とを備えている。本体側制御基板10には、主に、1チップ構成のマイクロコンピュータ(CPU)32と、ROM33と、RAM34と、EEPROM35と、ゲートアレイ36と、イメージメモリ37とが搭載されている。
CPU32は、ROM33に予め記憶された制御プログラムに従い、印刷処理を実行したり、タイミング信号およびリセット信号を生成し、各信号をG/A36へ転送するものである。また、CPU32には、CRモータ駆動回路39、LFモータ駆動回路41、モータ制御装置44などが接続されており、各デバイスの動作はCPU32により制御されている。
ROM33は、CPU32により実行される各種制御プログラムや、それらの制御プログラムをCPU32により実行する上で必要なデータなどを格納した書き換え不能なメモリである。なお、図7のフローチャートで示す印刷処理を実行するプログラムは、このROM33内に格納されている。RAM34は、CPU32により実行される各種処理に必要なデータやプログラムを一時的に記憶するためのメモリである。
EEPROM35には、パラメータメモリ35aが割り当てられている。パラメータメモリ35aには、LF用エンコーダ8により検出される搬送ローラ20aの回転量が目標回転量rに到達するまでの時間を調整するためのパラメータとして、第1パラメータと第2パラメータとが記憶される。後述する印刷処理(図8参照)では、この第1パラメータまたは第2パラメータに基づいて、LFモータ42がフィードバック制御される。なお、第1パラメータと第2パラメータの詳細については後述する。
CRモータ駆動回路39は、キャリッジを往復移動させるキャリッジモータ(CRモータ)16を駆動する回路である。キャリッジモータ16には、キャリッジモータ16の回転を検出するCR用エンコーダ17が接続されており、CR用エンコーダ17の検出信号はCPU32に帰還されている。LFモータ駆動回路41は、後述するモータ制御装置44により生成された制御信号に基づいて制御された駆動電流をLFモータ42に出力することにより、LFモータ42を駆動する回路である。LFモータ42には、LFモータ42の回転量を検出するLF用エンコーダ8が接続されており、LF用エンコーダ8の検出信号はCPU32に帰還されている。
モータ制御装置44は、目標回転量rと、LF用エンコーダ8によって検出される搬送ローラ20aの回転量との偏差に基づいて制御信号を生成し、LFモータ駆動回路41に出力することにより、LFモータ42をフィードバック制御するためのものである。LFモータ42のフィードバック制御により、搬送ローラ20aおよび排紙ローラ21aは目標回転量の分だけ回転させられ、記録用紙Pを正確な位置まで搬送する。
G/A36は、CPU32から転送されるタイミング信号と、イメージメモリ37に記憶されている画像データとに基づいて、その画像データを記録媒体に印刷するための記録データ(駆動信号)と、その記録データと同期する転送クロックと、ラッチ信号と、基本駆動波形信号を生成するためのパラメータ信号と、一定周期で出力される吐出タイミング信号とを出力し、それら各信号を、ヘッドドライバが実装されたキャリッジ基板13へ転送する。
また、G/A36は、コンピュータなどの外部機器からUSB・インターフェース(I/F)46を介して転送されてくる画像データを、イメージメモリ37に記憶させる。そして、G/A36は、コンピュータなどからI/F44を介して転送されてくるセントロ・データに基づいてセントロ・データ受信割込信号を生成し、その信号をCPU32へ転送する。なお、G/A36とキャリッジ基板13との間で通信される各信号は、両者を接続するハーネスケーブルを介して転送される。また、CPU32と、ROM33、RAM34、EEPROM35及びG/A36とは、バスライン45を介して接続されている。
キャリッジ基板13は、実装されたヘッドドライバ(駆動回路)によって記録ヘッド12を駆動するための基板である。記録ヘッド12とヘッドドライバとは、厚さ50〜150μmのポリイミドフィルムに銅箔配線パターンを形成したフレキシブル配線板19により接続されている。ヘッドドライバは、本体側制御基板10に実装されたG/A36を介して制御され、記録モードに合った波形の駆動パルスを圧電アクチュエータに印加するものである。これにより、インクが記録ヘッド12に穿設されているノズルから記録用紙Pに向けて吐出される。
図5を参照して、上述した搬送装置の動作を制御するモータ制御装置44について説明する。但し、以下の説明では、搬送区間における制御に絞って説明する。
図5は、モータ制御装置44の概略構成を示すブロック図である。モータ制御装置44は、画像記録装置1の制御を統括するCPU32(図4参照)からの信号を受けて、LFモータ42の回転量や回転方向などを制御する各種制御指令(特許請求の範囲に記載の制御信号に相当)を生成して、LFモータ駆動回路41に出力する。
なお、モータ制御装置44からの各種制御指令を受けると、LFモータ駆動回路41はその動作を開始し、モータ制御装置44からの駆動方向指令に応じた駆動方向(LFモータ42を回転すべき方向)にてLFモータ42を回転させる。また、LFモータ42の回転量の制御は、モータ制御装置44からの目標電流指令に基づいて行われる。
モータ制御装置44は、LFモータ駆動回路41に対する制御指令を生成するための主要素として、回転量演算回路44aと、減算器44bと、目標回転速度演算回路44cと、回転速度演算回路44dと、減算器44eと、比例手段としての比例要素44fと、積分手段としての積分要素44gと、微分手段としての微分要素44hと、加算器44iと、PWM回路44jとが示されている。
回転量演算回路44aは、LF用エンコーダ8の出力パルスの各々の立ち上がりエッジ、立ち上がりエッジを検出し、検出されたエッジの個数を計数し、この計数値に基づいて、搬送ローラ20aの回転量に相当する出力パルス数を演算する。この計数はLFモータ1が正回転しているときは1個のエッジが検出されると「+1」を加算し、逆回転しているときは、1個のエッジか検出されると、「−1」を加算する。
減算器44bは、CPU32(図4参照)から送られてくる目標回転量rと、回転量演算部44aによって求められた搬送ローラ20aの回転量との偏差を演算する。なお、CPU32から出力される目標回転量rは、記録用紙Pが移動すべき目標量に相当する回転量である。
目標回転速度演算回路44cは、減算器44bの出力である偏差に基づいて搬送ローラ20aの目標回転速度を演算する。この演算は減算器44bの出力である偏差にゲインKpを乗算することにより行われる。
回転速度演算回路44dは、LF用エンコーダ8の出力パルスに基づいて搬送ローラ20aの回転速度を演算する。
減算器44eは、目標回転速度演算回路44cから出力される目標回転速度と、回転速度演算部44dによって演算された搬送ローラ20aの回転速度との偏差を演算する。比例要素44fは、上記偏差に定数Gpを乗算し、乗算結果を出力する。積分要素44gは、偏差に定数Giを乗じたものを積算し、積算結果を出力する。微分要素44hは、現在の偏差と、1つ前の偏差との差に定数Gdを乗算し、乗算結果を出力する。比例要素44f、積分要素44g及び微分要素44hの演算は、LF用エンコーダ8の出力パルスの1周期ごとに、例えば出力パルスの立ち上がりエッジに同期して行う。
比例要素44f、積分要素44g及び微分要素44hの出力を、加算器44iにおいて加算することにより、操作量uが演算される。本実施例では、この操作量uは、LFモータ42に流すべき電流の目標値である。この操作量uがPWM回路44jに送られて、PWM回路44jにて操作量uに応じた各種制御指令が生成される。この生成された各種制御指令がLFモータ駆動回路41に出力され、LFモータ駆動回路41によりLFモータ42が駆動される。
なお、本実施例では、目標回転速度演算回路44cにて回転量偏差に乗算されるゲインKp、比例要素44fにて偏差に乗算される定数Gp、積分要素44gにて偏差に乗算される定数Gi、微分要素44hにおいて偏差の差に乗算される定数Gdからなる定数群をパラメータと称する。これらパラメータとして、本実施例では第1パラメータと第2パラメータとが、パラメータメモリ35a(図4参照)に予め格納されている。
図6を参照して、第1パラメータと第2パラメータとについて説明する。図6(a)は、モータ制御装置44からの制御指令に基づいてLFモータ42に流される駆動電流を示したグラフであり、図6(b)は、LF用エンコーダ8により検出される搬送ローラ20の回転量(詳細には回転量演算回路44aにより演算されたLF用エンコーダ8の出力パルス数)を示したグラフである。なお、図6において、第1パラメータを用いた場合の値を実線で示し、第2パラメータを用いた場合の値を破線で示す。
図6(a)に示すように、モータ制御装置44からの制御指令に基づいてLFモータ42に流される駆動電流は、LFモータ42の回転駆動開始直後には一旦正方向へ増大してその後負側に変化し、最終的には「0」付近の極めて小さい値に収束する。駆動電流のこのような変化に伴って、図6(b)に示すように、搬送ローラ20aの回転量は徐々に増加し、目標回転量rに到達する。
また、図6(a)に示すように、第1パラメータが用いられる場合(実線で示す)は、第2パラメータが用いられる場合(破線で示す)に比較して、駆動電流のピーク値、すなわち最大電流が大きい。その結果、図6(b)に示すように、LF用エンコーダ8により検出される搬送ローラ20aの回転量は目標回転量rに急速に接近し、時間t1において、搬送ローラ20aの回転量が目標回転量rを超過するオーバーランが発生する。
オーバーランが発生した場合は、LFモータ42を逆回転させることにより、搬送ローラ20aを逆回転させ、LF用エンコーダ8により検出される搬送ローラ20aの回転量を目標回転量rに到達させることができる。図6(b)には、一旦、目標回転量rを超過した回転量が、LFモータ42の逆回転により減少し、時間t2において、目標回転量rに到達した状態を示す。
一方、第2パラメータが用いられた場合について説明する。図6(b)に示すように、第2パラメータが用いられた場合、LF用エンコーダ8により検出される搬送ローラ20aの回転量は目標回転量rに緩やかに到達するので、オーバーランの発生は抑制されるが、第1パラメータが用いられる場合の到達時間t2よりも遅い時間t3において、LF用エンコーダ8により検出される搬送ローラ20aの回転量が目標回転量rに到達する。
このように、LFモータ42へ出力される駆動電流が急激に増大または減少する第1パラメータが用いられる場合、搬送ローラ20aの回転量は目標回転量rまで高速に到達するので、記録用紙Pは目標位置まで素早く搬送されるが、搬送ローラ20aの回転量が目標回転量rを超過するオーバーランが生じやすい。
一方、LFモータ42へ出力される駆動電流が、相対的に緩やかに増大または減少する第2パラメータが用いられる場合、搬送ローラ20aの回転量が目標回転量rに到達するまでの時間が長くなるが、搬送ローラ20aの回転量が目標回転量rに緩やかに近づく。よって、オーバーランの発生が抑制される。すなわち第1パラメータと第2パラメータとを適宜使い分けることにより、LF用エンコーダ8により検出される搬送ローラ20aの回転量が目標回転量rに到達する時間を調整することができる。
図7のフローチャートを参照して、上記のように構成される画像記録装置1において実行される、印刷処理について説明する。図7は、画像記録装置1で実行される印刷処理のフローチャートである。この印刷処理は、コンピュータなどの外部機器から印刷すべきデータが入力されると起動する処理である。
印刷処理では、まず、LFモータ42を逆回転させ、給紙ローラ7により給紙カセット5から記録用紙Pを繰り出して給紙し、記録用紙Pを頭出しさせる(S2)。次に、パラメータメモリ35a(図4参照)から第1パラメータを読み込む(S4)。次に、記録ヘッド12により1行分の印刷をさせ、その1行分の印刷を終了すると、記録用紙Pを一行分搬送する(S6)。次に、用紙センサ117が記録用紙Pの後端を検出したか否かを判断する(S8)。用紙センサ117が未だ記録用紙Pの後端を検出しない場合(S8:No)、S6の処理に戻り、一行分の印刷と搬送とを繰り返す。
そして一行分の印刷と搬送とを繰り返すうちに、用紙センサ117が記録用紙Pの後端を検出した場合(S8:Yes)、さらに、所定行分だけ、印刷と搬送を続行する(S10)。
ここで、記録用紙Pを正確に一行分ずつ搬送するために、上述したフィードバック制御により、LFモータ42が制御されるが、用紙センサ117による記録用紙Pの後端が検出され、その後、所定行分の印刷と搬送がされるまでの間、モータ制御装置44(図4参照)は、S4の処理において読み込まれた第1パラメータに基づいて制御指令を生成し、その制御指令に基づいてLFモータ42がフィードバック制御される。よって、この間は、LF用エンコーダ8により検出される搬送ローラ20aの回転量が目標回転量rを超過するオーバーランが生じる可能性はあるが、記録用紙Pを高速に搬送することができる。
一方、記録用紙Pに対する印刷が進行し、用紙センサ117が記録用紙Pの後端を検出した後(S8:Yes)、所定行分の印刷と搬送とが終了すると(S12:Yes)、高速で記録用紙Pを搬送できる第1パラメータに基づくフィードバック制御から、相対的に低速に記録用紙Pが搬送される第2パラメータに基づくフィードバック制御に移行する。
そして、1ページ分の印刷が終了するまで1行分の印刷と搬送とを繰り返す(S16)。ここで、第2パラメータが読み込まれた後は、モータ制御装置44(図4参照)は、第2パラメータに基づいて制御指令を生成し、その制御指令に基づいてLFモータ42がフィードバック制御される。そして、1ページ分の印刷を終了すると(S18:Yes)、排紙ローラ21aの回転駆動により、記録用紙Pを排紙する。
図8を参照して、記録用紙Pの位置と用紙センサ117との関係について説明する。図8(a)は、搬送ローラ20aのみで記録用紙Pが搬送される状態を示す図であり、図8(b)は、(a)に示す状態よりも印刷が進行し、記録用紙Pが搬送ローラ20aを通り過ぎる直前の状態を示す図であり、図8(c)は、(b)に示す状態よりも印刷が進行し、排紙ローラ21aのみで記録用紙Pが搬送される状態を示す図である。図8において、矢印は搬送方向を示す。図8(a)に示すように、用紙センサ117は、搬送ローラ20aの搬送方向上流側に位置して記録用紙Pの後端の通過を検出することができる。よって、記録用紙Pの後端が用紙センサ117を通過してから所定行分の搬送がされたことに基づいて、記録用紙Pの後端が搬送ローラ20aを通り過ぎる直前の状態であることを判断できるのである。
本実施例では、搬送ローラ20aと押さえローラ20bとによる記録用紙Pの挟持力は、排紙ローラ21aと押さえローラ21bとによる記録用紙Pの挟持力よりも大きく設定される。その結果、図8(a)に示す状態から図8(b)に示す状態までのように、記録用紙Pが搬送ローラ20aを通り過ぎる直前までは、主に搬送ローラ20aの搬送力で記録用紙Pが搬送され、排紙ローラ21aの搬送力は従属的に作用する。このように、主に搬送ローラ20aの搬送力により記録用紙Pが搬送される間に、オーバーランが生じる場合、搬送ローラ20aおよび排紙ローラ21aの逆回転により、記録用紙Pを逆送りすることができる。このときの逆送量は、LF用エンコーダ8により検出される搬送ローラ20aの回転量に基づいて正確に判断できるから、記録用紙Pは正確な位置に戻される。
一方、図8(c)に示すように、記録用紙Pに対する印刷が進行し、記録用紙Pの後端が搬送ローラ20aを通り過ぎた後は、記録用紙Pは排紙ローラ21aのみで一行ずつ搬送され、印刷と搬送とが繰り返される。ここで、図8(c)に示すように、記録用紙Pが排紙ローラ21aのみで一行ずつ搬送される間に、オーバーランが生じると、排紙ローラ21aを逆回転するために、LFモータ42が逆回転される。
しかし、図2を参照して説明したように、LFモータ42と排紙ローラ21aとの間には、動力伝達機構43が介在しているので、その動力伝達機構43を構成するピニオン43a、伝動ギヤ43b、中間ギヤ43cのバックラッシュや、伝達ベルト43eの伸び、さらには、排紙ローラ21a自体の偏心に起因して、LFモータ42の逆回転にも関わらず、排紙ローラ21aは逆回転されず、一方、上記要因の影響を受けにくい搬送ローラ20aのみが逆回転される場合が起こりうる。そうすると、排紙ローラ21aが実際には逆回転されておらず、記録用紙Pが逆送りされていないのにも拘わらず、搬送ローラ20aの逆回転がLF用エンコーダ8により検出され、その検出結果に基づいて、記録用紙Pが正確な位置に戻されたとの判断がされて、次の一行が不正確な位置に印刷されることとなり、画像品質が低下する。
そこで、本実施例では、搬送ローラ20aのみ、または搬送ローラ20aと排紙ローラ21aとで記録用紙Pが搬送される間は、第1パラメータに基づくフィードバック制御でLFモータ42を制御することとし、一方、記録用紙Pの後端が搬送ローラ20aを通り過ぎ、記録用紙Pが排紙ローラ21aのみで搬送される間は、第2パラメータに基づくフィードバック制御でLFモータ42を制御することとした。
本実施例の画像記録装置1によれば、排紙ローラ21aのみで記録用紙Pが搬送される間は、第2パラメータに基づくフィードバック制御が行われるので、オーバーランの発生が抑制され、印刷終了間際の排紙ローラ21aのみで記録用紙Pが搬送される間においても、高い精度で記録用紙Pを搬送することができる。
一方、それ以外の場合、すなわち搬送ローラ20aにより記録用紙Pが搬送される間は、多少のオーバーランが生じても高い位置精度で記録用紙Pを搬送することができるので、第1パラメータにもとづくフィードバック制御で記録用紙Pを搬送することにより、印刷スピードの低下を抑制することができる。図6を参照して説明したように、第1パラメータを用いた場合は、第2パラメータを用いた場合に比較して、一回分の搬送で、例えば0.01秒程度早く目標回転量まで到達する。したがって、例えば、印刷開始時から100行分の搬送において第1パラメータを用いると、全て第2パラメータを用いたフィードバック制御を行う場合に比較して、全体として約1秒程度、印刷スピードが向上するのである。
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、本実施例の画像記録装置1では、記録用紙Pの後端が搬送ローラ20aを通り過ぎる直前にパラメータを変更するものとして説明したが、記録用紙Pの後端が搬送ローラ20aを通り過ぎるよりも所定行分前に、パラメータを第2パラメータに変更するものであっても良い。
また、本実施例では、LF用エンコーダ8の回転スリット板8aが搬送ローラ20aと同軸に設けられる場合について説明したが、同軸に設けられていない場合においても本発明を適用することができる。
図9は、画像記録装置1内部に設けられる搬送装置の変形例を示す側面図であり、図2(b)に相当する図である。なお、図9において、図2(b)と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。図9に示すLF用エンコーダ18は、その回転スリット板18aが搬送ローラ20aとは同軸に設けられていない。このような構成の搬送装置においても、上述した実施例と同様に、LF用モータ42と排紙ローラ21aとの間には動力伝達機構43が介在しているので、搬送ローラ20aのみが逆回転され、排紙ローラ21aは逆回転されない場合が生じ得る。そして、LF用エンコーダ18では、搬送ローラ20aの逆回転のみが検出され、その検出結果に基づいて、記録用紙Pが逆送りされたとの判断がされてしまう。よって、本発明を適用することにより、上述した実施例の場合と効果と同様の作用効果を奏する。
本発明の一実施例である画像記録装置の全体斜視図である。 (a)は搬送装置の斜視図であり、(b)は搬送装置の側面図である。 画像記録装置の内部構成を概略的に示した側面図である。 画像記録装置の電気的構成を示すブロック図である。 モータ制御装置の概略構成を示すブロック図である。 (a)は、モータ制御装置からの制御指令に基づいてLFモータに流される駆動電流を示したグラフであり、(b)は、LF用エンコーダにより検出される搬送ローラの回転量を示したグラフである。 画像記録装置で実行される印刷処理のフローチャートである。 (a)は搬送ローラのみで記録用紙Pが搬送される状態を示す図であり、(b)は記録用紙Pが搬送ローラを通り過ぎる直前の状態を示す図であり、(c)は排紙ローラのみで記録用紙Pが搬送される状態を示す図である。 画像記録装置内部に設けられる搬送装置の変形例を示す側面図である。 従来の印刷装置に設けられた記録ヘッドと搬送装置とを模式的に示す図である。
符号の説明
1 画像記録装置(印刷装置)
8 LF用ロータリエンコーダ(回転量検出手段)
12 記録ヘッド(印刷ヘッド)
20a 搬送ローラ
21a 排紙ローラ
35a パラメータメモリ(パラメータ記憶手段)
41 LFモータ駆動回路(駆動手段)
42 LF用モータ
43 動力伝達機構(動力伝達手段)
43a ピニオン43a(歯車)
43b 伝動ギヤ(歯車)
43c 中間ギヤ(歯車)
43e 伝達ベルト
44 モータ制御装置(制御信号生成手段)
P 記録用紙(記録媒体)

Claims (4)

  1. 所定の搬送方向に搬送される記録媒体に画像を印刷する印刷ヘッドと、
    前記印刷ヘッドよりも搬送方向上流側で記録媒体を搬送する搬送ローラと、
    前記印刷ヘッドよりも搬送方向下流側で記録媒体を搬送する排紙ローラと、
    前記搬送ローラを回転駆動するモータと、
    前記モータの回転駆動力を前記排紙ローラに伝達する動力伝達手段と、
    前記搬送ローラの回転量を検出する回転量検出手段と、
    前記回転量検出手段により検出された回転量が予め定められた目標回転量と一致するように、前記回転量が前記目標回転量に未到達であるときは前記モータを正回転させて前記記録媒体を搬送方向下流側へ搬送し、且つ前記回転量が前記目標回転量を超過した場合には前記モータを逆回転させて記録媒体を搬送方向上流側へ逆送するフィードバック制御のための制御信号を、前記回転量検出手段により検出された回転量に基づいて生成する制御信号生成手段と、
    前記制御信号生成手段により生成された制御信号に基づいて制御された駆動電流を前記モータに出力し前記搬送ローラおよび前記排紙ローラを回転駆動する駆動手段とを備えた印刷装置であって、
    前記回転量検出手段により検出される回転量が前記目標回転量に到達するまでの時間を制御するためのパラメータとして予め設定された第1パラメータと、前記第1パラメータに比較して前記回転量検出手段により検出される回転量が前記目標回転量に到達するまでの時間が長くなるように予め設定された第2パラメータとを記憶するパラメータ記憶手段を備え、
    前記制御信号生成手段は、少なくとも前記排紙ローラのみにより記録媒体が搬送される間は、前記パラメータ記憶手段から読み込んだ第2パラメータと前記回転量検出手段により検出された回転量とに基づく制御信号を生成し、それ以外の場合には、前記パラメータ記憶手段から読み込んだ第1パラメータと前記回転量検出手段により検出された回転量とに基づく制御信号を生成するものであることを特徴とする印刷装置。
  2. 前記回転量検出手段は、前記搬送ローラと同軸に設けられていることを特徴とする請求項1記載の印刷装置。
  3. 前記制御信号生成手段は、前記記録媒体の後端が前記搬送ローラよりも搬送方向上流側の所定位置を通過した後に、前記パラメータ記憶手段から第2パラメータを読み込み、前記回転量検出手段により検出された回転量と前記第2パラメータとに基づく制御信号を生成するものであることを特徴とする請求項1または2に記載の印刷装置。
  4. 前記動力伝達手段は、前記モータの回転駆動力を伝達するために互いに噛み合い回転する少なくとも、一対の歯車または前記モータの回転駆動力を伝達する伝達ベルトを有することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の印刷装置。
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