JP2007185788A - 電子ペン用帳票、処理装置及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】記入エリアと送信エリアを一体化させることで、利用者に記入情報の送信アクションを意識させることなく、誤操作や手間を削減することができる電子ペン用帳票を提供する。
【解決手段】処理システム100aが仕様する電子ペン用帳票3を構成する項目は、記入エリア及び送信エリアが一体化された一体化項目を有している。利用者が電子ペン10により一体化項目に記入を行うと、電子ペン10は、移動に伴って帳票3上のドットパターンを読み取り、利用者が記入した記入内容に関するストロークや座標に関するデータを取得する。これと同時に、電子ペン10は、取得したストロークデータや座標データを記入情報として端末装置25を介してサーバ5に送信する。このような一体化項目を帳票3上に設けることにより、利用者に送信アクションを意識させることなく、誤操作や手間を削減することが可能となる。
【選択図】図13
【解決手段】処理システム100aが仕様する電子ペン用帳票3を構成する項目は、記入エリア及び送信エリアが一体化された一体化項目を有している。利用者が電子ペン10により一体化項目に記入を行うと、電子ペン10は、移動に伴って帳票3上のドットパターンを読み取り、利用者が記入した記入内容に関するストロークや座標に関するデータを取得する。これと同時に、電子ペン10は、取得したストロークデータや座標データを記入情報として端末装置25を介してサーバ5に送信する。このような一体化項目を帳票3上に設けることにより、利用者に送信アクションを意識させることなく、誤操作や手間を削減することが可能となる。
【選択図】図13
Description
本発明は、電子ペン用帳票に記入された情報を送信し、所定の処理を行うための技術に関する。
近年、「電子ペン」、「デジタルペン」などと呼ばれるペン型入力デバイスが登場しており(以下、本明細書では「電子ペン」と呼ぶ。)、その代表的なものとしてスウェーデンのAnoto社が開発した「アノトペン(Anoto pen)」が知られている。アノトペンは、所定のドットパターンが印刷された専用紙(以下、「専用ペーパー」と呼ぶ。)とペアで使用される。アノトペンは、通常のインクタイプのペン先部に加えて、専用紙上のドットパターンを読み取るための小型カメラと、データ通信ユニットを搭載している。利用者が専用紙上にアノトペンで文字などを書いたり、専用紙上に図案化されている画像をチェックしたりすると、ペンの移動に伴って小型カメラが専用紙上のドットパターンを検出し、利用者が書き込んだ文字、画像などの記入情報(「ストロークデータ」ともいう)が取得される。この記入情報が、データ通信ユニットによりアノトペンから近くのパーソナルコンピュータや携帯電話などの端末装置に送信される。このアノトペンを利用したシステムは、キーボードに代わる入力デバイスとして利用することが可能であり、上述のパーソナルコンピュータやキーボードの使用に抵抗がある利用者にとっては非常に使いやすい。そのため、現在、各種ビジネス上の書類、申込書、契約書等に記入されたデータをデジタル化する手法として、電子ペンを利用したシステムが普及しつつある(例えば、特許文献1)。
上記のようなシステムにおいて、利用者は電子ペンを使用して所定の書類を作成し、記入内容に対応する記入情報を、ネットワークを通じて当該電子ペン近くの端末装置を介して所定のサーバに送信することができる。この場合、所定のサーバなどでは、受信した記入情報に基づいて様々な処理を行うことができる。
しかし、従来の専用紙は、電子ペンによって記入される記入エリアと、電子ペンに記憶された記入情報を送信する送信エリアが別々にデザインされていた。つまり、利用者は、記入情報を送信するため、専用紙上において本来記入する必要のない送信エリアにわざわざ記入を行わなければならなかった。そのため、記入エリア及び送信エリアの双方に記入を行うといったルールを利用者に徹底する必要があり、運用者の負荷が大きくなっていた。また、送信エリアへの記入漏れといったトラブルも発生していた。
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、記入エリアと送信エリアを一体化させることで、利用者に記入情報の送信アクションを意識させることなく、誤操作や手間を削減することができる電子ペン用帳票を提供することを課題とする。また、本発明は、一体化した記入エリア及び送信エリアに複数ストロークが記入された場合であっても、適切に1単位データを特定し、所定の処理を行うことができる処理システムを提供することを課題とする。
本発明の1つの観点では、インクペンユニット及び光学的にドットパターンを読み取る読取ユニットを備える電子ペンにより記入される複数の項目から構成される電子ペン用帳票であって、前記項目は、前記項目に記入された記入内容を認識するためのドットパターンが印刷された記入エリアと、前記項目の記入内容に対応する記入情報を送信するためのドットパターンが印刷された送信エリアとが一体化された構成となっている一体化項目を有する。
上記のように構成された電子ペン用帳票によれば、当該電子ペン用帳票を構成する項目は、一体化項目を有している。一体化項目とは、記入エリア及び送信エリアが一体となって構成された項目である。記入エリアとは、記入エリアとは、電子ペンによる記入内容をそのまま情報として取り扱うエリアである。一方、送信エリアとは、機能エレメントであり、利用者が電子ペンでチェックした際に、予め定義されている送信アクションを実行するエリアである。
具体的に、利用者が電子ペンのインクペンユニットにより一体化項目に記入を行うと、電子ペンは電子ペンの移動に伴って帳票上のドットパターンを読み取り、利用者が記入した記入内容に関するストロークや座標に関するデータを取得する。これと同時に、電子ペンは、取得したストロークや座標に関するデータを記入情報として端末装置等に送信する。つまり、このように、1つの項目内において記入エリアと送信エリアを一体化させることで、利用者に送信アクションを意識させることなく、誤操作や手間を削減することが可能となる。
なお、ストロークとは、1回の動作で記入された軌跡、即ち一筆で記入された軌跡のことである。よって、ストロークに関するデータとは、利用者が電子ペンを使用して帳票を構成する各項目に記入したストロークデータのことである。一方、座標に関するデータとは、利用者が電子ペンを使用して記入した軌跡に関するドットパターン上の位置座標を示す座標データである。
上記電子ペン用帳票の一態様では、前記項目は、前記一体化項目と、前記記入エリアのみから構成された記入項目とを有している。また、上記電子ペン用帳票の他の一態様では、1枚の前記帳票には、1つの前記一体化項目が設けられている。これによれば、電子ペンは、記入エリアのみから構成された記入項目への記入内容を一時的に保存した後、記入エリア及び送信エリアが一体化された一体化項目への記入がなされたタイミングで、一時的に保存された記入内容を記入情報として送信する。さらに、1枚の帳票上に1つの一体化項目が設けられていることで、一定の繋がりのある記入内容を1つの記入情報として送信することができる。
本発明の別の観点では、電子ペンにより認識可能なドットパターンが印刷された電子ペン用帳票に記入された情報を処理する装置において、前記電子ペン用帳票は、前記電子ペンにより記入される複数の項目から構成されており、前記項目は、前記項目に記入された記入内容を認識するためのドットパターンが印刷された記入エリアと、前記項目の記入内容に対応する記入情報を送信するためのドットパターンが印刷された送信エリアとが一体化された構成となっている一体化項目を有するものであって、前記処理装置は、前記一体化項目に記入が行われた際に、前記電子ペンから、前記帳票を構成する項目に記入された記入情報を取得する記入情報取得手段と、前記記入情報に基づいて、所定のデータ処理を行う処理実行手段と、を備える。
上記のように構成された処理装置において、電子ペン用帳票を構成する項目は、一体化項目を有している。一体化項目は、記入エリア及び送信エリアが一体化された構成となっている。ここで、記入エリアとは、電子ペンによる記入内容をそのまま情報として取り扱うエリアである。一方、送信エリアとは、機能エレメントであり、利用者が電子ペンでチェックした際に、予め定義されている送信アクションを実行するエリアである。
利用者が電子ペンのインクペンユニットにより一体化項目に記入を行うと、電子ペンは電子ペンの移動に伴って帳票上のドットパターンを読み取り、利用者が記入した記入内容に関するストロークや座標に関するデータを取得する。これと同時に、電子ペン10は、取得したストロークや座標に関するデータを記入情報として処理装置に送信する。処理装置は、電子ペンから取得した記入情報に基づいて所定のデータ処理を行う。このように、1つの項目内において記入エリア及び送信エリアを一体化させることで、利用者に送信アクションを意識させることなく、誤操作や手間を削減することが可能となる。
上記処理装置の一態様では、前記項目は、前記一体化項目と、前記記入エリアのみから構成された記入項目とを有している。また、上記処理装置の他の一態様では、1枚の前記帳票には、1つの前記一体化項目が設けられている。これによれば、電子ペンは、記入エリアのみから構成された記入項目への記入内容を一時的に保存した後、記入エリア及び送信エリアが一体化された一体化項目への記入がなされたタイミングで、一時的に保存された記入内容を記入情報として送信する。さらに、1枚の帳票上に1つの一体化項目が設けられていることで、一定の繋がりのある記入内容を1つの記入情報として送信することができる。
上記処理装置の他の一態様では、前記記入情報取得手段は、前記一体化項目に記入が行われる度に、前記電子ペンから記入情報を取得するものであって、前記処理装置は、前記記入情報を取得する間隔を算出することで、所定時間以上の空白時間を特定する空白時間特定手段と、前記空白時間の直前に、前記記入情報取得手段が取得した記入情報に含まれるストロークから、1単位データの最終ストロークを特定する最終ストローク特定手段と、前記最終ストロークに基づいて、前記記入情報に含まれるストロークを結合することで1単位データを特定する単位データ特定手段と、をさらに備え、前記データ処理手段は、前記単位データ特定手段が特定した1単位データに対し、所定のデータ処理を行う。
上記のように構成された処理装置は、一体化項目に記入が行われる度に、電子ペンから記入情報を取得する。換言すると、一体化項目に複数のストロークが記入されると、記入したストロークの数だけ、電子ペン10は記入情報を処理装置に送信する。よって、一定の繋がりを持った1つの単位のデータ(1単位データ)が分割されてバラバラに送信される。そこで、処理装置は、記入情報を取得する間隔を算出し、所定時間以上の空白時間を特定する。所定時間以上の空白時間は、任意に設定することが可能である。さらに、処理装置は、特定した空白時間の直前に取得した記入情報に含まれるストロークを、1単位データの最終ストロークであると特定する。そして、処理装置は、最終ストロークより前に取得した記入情報に含まれるストロークを結合することで、1単位データを作成し、特定する。具体的に、処理装置は、最終ストロークより前に取得した記入情報に含まれる全てのストロークデータを結合することで、1単位データを作成し、特定する。なお、処理装置は、1単位データと特定する前の記入情報を一時的に保存しているものとする。そのため、処理装置は、最終ストロークより前に取得し、一時的に保存している記入情報に含まれる全てのストロークを容易に結合することができる。このように、処理装置は、特定した1単位データに対し所定のデータ処理を行うことで、複数単位のデータを混在させることなく適切な処理を行うことができる。
上記処理装置の他の一態様では、前記記入情報取得手段は、前記一体化項目に記入が行われる度に、前記電子ペンから記入情報を取得するものであって、前記処理装置は、前記項目を識別する項目識別情報と、前記項目に印刷されたドットパターン上の位置座標とが対応付けされた座標情報を取得する座標情報取得手段と、前記記入情報及び前記座標情報に基づいて、ストロークが記入された項目を特定する項目特定手段と、前記一体化項目以外に記入したストロークを含む記入情報の直前に、前記記入情報取得手段が取得した記入情報に含まれるストロークから、1単位データの最終ストロークを特定する最終ストローク特定手段と、前記最終ストロークに基づいて、前記記入情報に含まれるストロークを結合することで1単位データを特定する単位データ特定手段と、をさらに備え、前記データ処理手段は、前記単位データ特定手段が特定した1単位データに対し、所定のデータ処理を行う。
上記のように構成された処理装置は、一体化項目に記入が行われる度に、電子ペンから記入情報を取得する。よって、一定の繋がりを持った1単位データが分割されてバラバラに送信される。そこで、処理装置は、記入情報に基づいて座標情報を参照することにより、一体化項目以外に記入したストロークを含む記入情報を特定する。そして、処理装置は、一体化項目以外に記入したストロークを含む記入情報の直前に取得した記入情報に含まれるストロークを、1単位データの最終ストロークであると特定する。そして、処理装置は、最終ストロークより前に取得した記入情報に含まれるストロークを結合することで、1単位データを作成し、特定する。処理装置は、特定した1単位データに対し所定のデータ処理を行うことで、複数単位のデータを混在させることなく適切な処理を行うことができる。
上記処理装置の他の一態様では、前記帳票は、複数の一体化項目を有しており、前記記入情報取得手段は、前記一体化項目に記入が行われる度に、前記電子ペンから記入情報を取得するものであって、前記処理装置は、前記項目を識別する項目識別情報と、前記項目に印刷されたドットパターン上の位置座標と、前記項目に記入されたデータの処理に関する処理情報とが対応付けされた座標情報を取得する座標情報取得手段と、前記記入情報及び前記座標情報に基づいて、ストロークが記入された項目を特定する項目特定手段と、項目特定手段が特定した項目の中の1つの一体化項目以外に記入したストロークを含む記入情報の直前に、前記記入情報取得手段が取得した記入情報に含まれるストロークから、1単位データの最終ストロークを特定する最終ストローク特定手段と、前記座標情報に基づいて、前記最終ストロークが記入された項目に対応する処理情報を特定する処理情報特定手段と、前記最終ストロークに基づいて、前記記入情報に含まれるストロークを結合することで1単位データを特定する単位データ特定手段と、をさらに備え、前記データ処理手段は、前記単位データ特定手段が特定した1単位データに対し、前記処理情報特定手段が特定した処理情報に基づくデータ処理を行うことで、複数単位のデータを混在させることなく適切な処理を行うことができる。
上記のように構成された処理装置は、予め座標情報を取得する。この座標情報を参照することにより、処理装置は、記入情報に含まれる各ストロークが帳票上のいずれの項目に記入されたかを容易に特定することができる。そして、処理装置は、特定した項目の中の1つの一体化項目に注目し、当該一体化項目以外に記入したストロークを含む記入情報を特定する。さらに、処理装置は、当該一体化項目以外に記入したストロークを含む記入情報の直前に取得された記入情報に含まれるストロークを、1単位データの最終ストロークであると特定する。また、処理装置は、座標情報を参照することで、特定した最終ストロークが記入された項目に対応する処理情報を特定する。さらに、処理装置は、最終ストロークより前に取得した記入情報に含まれるストロークを結合することで、1単位データを作成し、特定する。そして、処理装置は、特定した1単位データに対し、特定した処理情報に基づくデータ処理を行う。これによれば、ストロークが記入された項目に応じて、1単位データ毎に様々なデータ処理を行うことができる。
上記処理装置のさらに他の一態様では、前記帳票は、複数の一体化項目を有しており、前記記入情報取得手段は、前記一体化項目に記入が行われる度に、前記電子ペンから記入情報を取得するものであって、前記処理装置は、前記項目を識別する項目識別情報と、前記項目に印刷されたドットパターン上の位置座標と、前記項目に記入されたストロークの処理に関する処理情報とが対応付けされた座標情報を取得する座標情報取得手段と、前記記入情報を取得する間隔を算出することで、所定時間以上の空白時間を特定する空白時間特定手段と、前記空白時間の直前に、前記記入情報取得手段が取得した記入情報に含まれるストロークから、1単位データの最終ストロークを特定する最終ストローク特定手段と、前記座標情報に基づいて、前記最終ストロークが記入された項目に対応する処理情報を特定する処理情報特定手段と、前記最終ストロークに基づいて、前記記入情報に含まれるストロークを結合することで1単位データを特定する単位データ特定手段と、をさらに備え、前記データ処理手段は、前記単位データ特定手段が特定した1単位データに対し、前記処理情報特定手段が特定した処理情報に基づくデータ処理を行う。
上記のように構成された処理装置は、記入情報を取得する間隔を算出することで、所定時間以上の空白時間を特定する。さらに、処理装置は、特定した空白時間の直前に取得された記入情報に含まれるストロークを、1単位データの最終ストロークであると特定する。また、処理装置は、座標情報を参照することで、特定した最終ストロークが記入された項目に対応する処理情報を特定する。さらに、処理装置は、最終ストロークより前に取得した記入情報に含まれるストロークを結合することで、1単位データを作成し、特定する。そして、処理投資は、特定した1単位データに対し、特定した処理情報に基づくデータ処理を行う。これによれば、ストロークが記入された項目に応じて、1単位データ毎に様々なデータ処理を行うことができる。
本発明のさらに別の観点では、電子ペンにより認識可能なドットパターンが印刷された電子ペン用帳票に記入された情報を処理するコンピュータにより実行されるプログラムであって、前記電子ペン用帳票は、前記電子ペンにより記入される複数の項目から構成されており、前記項目は、前記項目に記入された記入内容を認識するためのドットパターンが印刷された記入エリアと、前記項目の記入内容に対応する記入情報を送信するためのドットパターンが印刷された送信エリアとが一体化された構成となっている一体化項目を有するものであって、前記プログラムは、前記一体化項目に記入が行われた際に、前記電子ペンから、前記帳票を構成する項目に記入された記入情報を取得する記入情報取得手段、前記記入情報に基づいて、所定のデータ処理を行う処理実行手段、として前記コンピュータを機能させる。
上記プログラムをコンピュータにより実行することにより、上述の処理装置を実現することができる。また、上述の処理装置の各態様も同様に実現することができる。
本発明は、記入エリアと送信エリアを一体化させることで、利用者に記入情報の送信アクションを意識させることなく、誤操作や手間を削減することができる電子ペン用帳票を提供することを可能とする。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。まず、本発明のシステムにおいて入力デバイスとして使用される電子ペンの概要について説明する。
[電子ペン]
図1は電子ペンの使用形態を模式的に示す図であり、図2は電子ペンの構造を示す機能ブロック図である。図1に示すように、電子ペン10は、ドットパターンが印刷された専用ペーパー20と組み合わせて使用される。電子ペン10は、通常のインクペンと同様のペン先部17を備えており、利用者は通常のインクペンと同様に専用ペーパー20上に文字などを書くことになる。
図1は電子ペンの使用形態を模式的に示す図であり、図2は電子ペンの構造を示す機能ブロック図である。図1に示すように、電子ペン10は、ドットパターンが印刷された専用ペーパー20と組み合わせて使用される。電子ペン10は、通常のインクペンと同様のペン先部17を備えており、利用者は通常のインクペンと同様に専用ペーパー20上に文字などを書くことになる。
図2に示すように、電子ペン10は、その内部にプロセッサ11、メモリ12、データ通信ユニット13、バッテリー14、LED15、カメラ16及び圧力センサ18を備える。また、電子ペン10は通常のインクペンと同様の構成要素としてインクカートリッジ(図示せず)などを有する。
電子ペン10は、ペン先部17により専用ペーパー20上に描かれたインクの軌跡をデータ化するのではなく、専用ペーパー20上で電子ペン10が移動した軌跡座標をデータ化する。LED15が専用ペーパー20上のペン先部17近傍を照明しつつ、カメラ16が専用ペーパー20に印刷されているドットパターンを読み取り、データ化する。つまり、電子ペン10は専用ペーパー20上で利用者が電子ペン10を移動させることにより生じるストロークを画像データ又はベクトルデータとして取得することができる。
圧力センサ18は、利用者が電子ペン10により専用ペーパー上に文字などを書く際にペン先部17に与えられる圧力、即ち筆圧を検出し、プロセッサ11へ供給する。プロセッサ11は、圧力センサ18から与えられる筆圧データに基づいて、LED15及びカメラ16のスイッチオン/オフの切換を行う。即ち、利用者が電子ペン10で専用ペーパー20上に文字などを書くと、ペン先部17には筆圧がかかる。よって、所定値以上の筆圧が検出されたときに、利用者が記述を開始したと判定して、LED15及びカメラ16を作動する。
カメラ16は専用ペーパー20上のドットパターンを読み取り、そのパターンデータをプロセッサ11に供給する。プロセッサ11は、供給されたドットパターンから、専用ペーパー20上でのX/Y座標を算出する。
プロセッサ11は、利用者の記述が行われる間に、筆圧の配列データ及びX/Y座標データを取得し、タイムスタンプ(時間情報)と関連付けてメモリ12に記憶していく。よって、メモリ12内には利用者の記述内容に対応するデータが時系列で記憶されていく。メモリ12の容量は例えば1Mバイト程度とすることができる。
利用者により送信指示がなされるまでは、取得された全てのデータはメモリ12内に保持される。そして、利用者が送信指示を行うと、データ通信ユニット13により、電子ペン10と所定距離内にある端末装置25へメモリ12内のデータが送信される。基本的には、一度送信指示がなされると、電子ペン10はメモリ12内に記憶していた全てのデータを端末装置25へ送信するため、メモリ12内はクリアされる。よって、送信後にもう一度同じ情報を端末装置25へ送信したい場合には、利用者は専用ペーパー20上に再度記述を行う必要がある。なお、この場合、利用者は専用ペーパー20上にインクペンで書かれた文字などをなぞればよいことになる。
電子ペン10自体は、送信ボタンなどの機能ボタンを備えておらず、送信指示その他の指示は、利用者が専用ペーパー20上の所定位置に設けられた専用ボックスを電子ペン10でチェックすることにより実行される。専用ボックスの位置座標には、予め送信指示が対応付けられており、プロセッサ11は専用ボックスの位置座標を受信すると、データ通信ユニット13にメモリ12内のデータを供給し、端末装置25への送信を行わせる。なお、電子ペン10は、データの送信完了を電子ペンの振動により示すことができる。
バッテリー14は電子ペン10内の各要素に電源供給するためのものであり、例えば電子ペンのキャップ(図示せず)により電子ペン10自体の電源のオン/オフを行うことができる。
このように、電子ペン10は利用者が専用ペーパー20上に記述した文字などに対応する座標データ及び筆圧データを取得して近傍の端末装置25へ送信する機能を有するが、電子ペン10のペン先部17は通常のインクペンとなっているため、専用ペーパー20上に記述した内容はオリジナルの原本として残るという特徴がある。即ち、紙の原本に対して記述するのと同時に、その内容を座標データなどの形態でリアルタイムに電子化することができる。
なお、電子ペン10の標準機能によれば、電子ペン10により得られるデータは、原則として座標データ又はベクトルデータの形態であり、テキストデータではない。但し、電子ペン10は標準機能として、専用ペーパー20上に設けられた専用エリアに記述することにより、英数字に限りテキスト化する機能は備えている。
また、電子ペン10内には、ペン自体及びその所有者に関するプロパティ情報(ペン情報及びペン所有者情報)を保持することができ、アプリケーションから参照することができる。ペン情報としては、バッテリーレベル、ペンID、ペン製造者番号、ペンソフトウェアのバージョン、サブスクリプションプロバイダのIDなどを保持できる。また、ペン所有者情報としては、国籍、言語、タイムゾーン、emailアドレス、空きメモリ容量、名称、住所、ファックス/電話番号、携帯電話番号などを保持することができる。
なお、上記の例におけるデータ通信ユニット13では、Bluetooth(登録商標)の無線伝送、USBケーブルを使用した有線伝送、端子などの接触によるデータ伝送など、各種の方法によって電子ペン10から端末装置25へのデータ送信を行うことが考えられる。
次に、電子ペンにより利用者が記述した内容のX/Y座標データを取得する方法について説明する。前述のように専用ペーパー20には、所定のドットパターンが印刷されている。電子ペン10のカメラ16は、利用者が専用ペーパー20上に記述したインクの軌跡を読み取るのではなく、専用ペーパー20上のドットパターンを読み取る。実際、図1に示すように、LED15による照明エリア及びカメラ16の撮影エリア(照明エリア内に位置する)は、ペン先部17が専用ペーパー20に接触する位置とはずれている。
ドットパターンはカーボンを含む専用インキなどで印刷されており、カメラ16はその専用インキによるパターンのみを認識することができる。専用インキ以外のインキ(カーボンを含まない)により、専用ペーパー上に罫線や枠などを印刷しても、電子ペンはそれらを認識することはない。よって、専用ペーパーを利用して各種申込書などの帳票を作成する際は、専用インキ以外のインキで入力枠や罫線、注意書きなどを印刷する。
ドットパターンは、図3に例示するように、各ドットの位置がデータに対応付けされている。図3の例では、ドットの位置を格子の基準位置(縦線及び横線の交差点)から上下左右にシフトすることにより、0〜3の2ビット情報を表示した例である。このようにして表現された情報の組合せにより、専用ペーパー上の位置座標が決定される。図4(a)に例示するように、縦横2mmの範囲内に36個のドットが格子状に配置され、これらのドットにより示されるデータの配列(図4(b))が、その専用ペーパー上の位置座標と対応付けされている。よって、電子ペン10のカメラ16が図4(a)に示すようなドットパターンを撮影すると、プロセッサ11はカメラ16から入力されるドットパターンのデータに基づいて図4(b)に示すデータ配列を取得し、それに対応する専用ペーパー上の位置座標(即ち、そのドットパターンがその専用ペーパー上のどの位置にあるのか)をリアルタイムで算出する。なお、ドットパターンを認識する最小単位は2mm×2mmであり、カメラ16は毎秒100回程度の撮影を行う。
次に、専用ペーパーについて説明する。専用ペーパーの構造の一例を図5に示す。図示のように、専用ペーパー20は、台紙30上にドットパターン32が印刷され、その上に罫線などの図案34が印刷されている。台紙30は通常は紙であり、ドットパターン32は前述のようにカーボンを含んだ専用インキにより印刷される。また、通常のインキなどにより図案34が印刷される。ドットパターンと図案とは同時に印刷してもよいし、いずれかを先に印刷してもよい。
図案34の例を図6に示す。図6は、ある申込書36の例であり、複数の記入欄38や送信ボックス39が印刷されている。図6には明確に図示されておらず、詳細は後述するが、実際にはドットパターンが申込書36の全面に印刷されており、その上に記入欄38や送信ボックス39が通常のインキにより印刷されている。利用者は、ドットパターンを意識することなく、従来からある申込書と同様に、電子ペン10を使用して必要事項を申込書36の各記入欄38に記入すればよい。
専用ペーパー20上のエリアは大きく2種類のエリアに分けることができる。1つは記入エリアであり、電子ペン10による記述内容をそのまま情報として取り扱うエリアである。図6の例では複数の記入欄38がこれに該当する。もう1つは機能エレメントであり、対応するエリア内を電子ペン10でチェックした際に、予めそのエリアに対して定義されているアクション、指示などを実行するようになっている。図6の例における送信ボックス39がこれに該当する。
送信ボックス39は前述したように電子ペン10内に記憶されているデータを近傍の端末装置25へ送信するための指示を行う際に使用される。利用者が送信ボックス39内に電子ペン10でチェックを入れると、電子ペン10が送信ボックス内のドットパターンを読み取る。当該パターンは送信指示に対応付けられており、電子ペン10内のプロセッサ11はデータ通信ユニット13にメモリ12内の記憶データの送信命令を発する。
ドットパターンの割り当ては、通常、アプリケーション(用紙の種類)毎に行われる。即ち、ある申込書内のドットパターンは1枚の用紙の中で重複することはないが、同一の申込書には全て同じドットパターンが印刷されている。よって、利用者が電子ペン10で必要事項を入力すると、その入力事項がその申込書のどの項目に対するものであるかを、申込書上の座標データから特定することができる。
このように、ドットパターンを印刷した専用ペーパー上に所定の図案を印刷することにより、専用ペーパーを利用した各種申込書が作成できる。利用者は電子ペン10を使用して通常の要領で必要事項を記入すれば、その電子データが自動的に取得される。
上記の例では、ドットパターンは専用ペーパー上にカーボンを含むインキにより印刷されているが、プリンタ及びカーボンを含むインクを使用してドットパターンを通常の紙上にプリントすることも可能である。さらに、専用ペーパー上の図案も印刷ではなく、プリンタにより形成することも可能である。ドットパターンをプリンタにより紙上に形成する場合には、1枚1枚に異なるドットパターンを形成することが可能である。よって、形成されたドットパターンの違いにより、それらの用紙1枚1枚を識別し、区別することが可能となる。
なお、本明細書においては、「印刷」の語は、通常の印刷のみならず、プリンタによるプリントも含む概念とする。
次に、電子ペンにより取得したデータの送信処理について図2を参照して説明する。電子ペン10が取得したデータは、主として利用者が入力した事項のデータであるが、通常はそのデータの送信先であるサービスサーバがどこであるかの情報は含まれていない。その代わりに、その専用ペーパーに関するアプリケーションやサービスを特定する情報が専用ペーパー上のドットパターンに含まれており、利用者の入力作業中に専用ペーパーからその情報が取得されている。よって、電子ペン10から記入情報を受け取った端末装置25は、まず、問い合わせサーバ26に対して、その専用ペーパーに対して入力されたデータをどのサービスサーバ27へ送信すべきかの問い合わせを行う。問い合わせサーバ26は、専用ペーパー毎に、対応するサービスサーバの情報を有しており、端末装置25からの問い合わせに応じて、当該専用ペーパーに関するサービスなどを行うサービスサーバ27の情報(URLなど)を端末装置25へ回答する。それから、端末装置25は、電子ペンから取得した記入情報をそのサービスサーバ27へ送信することになる。
なお、上記の例では端末装置25、問い合わせサーバ26及びサービスサーバ27が別個に構成されているが、これらの幾つか又は全てを1つの装置として構成することも可能である。本実施形態において後述するサーバは、問い合わせサーバ26及びサービスサーバ27を兼ねていることとしている。また、本実施形態では、記入情報には、ストロークデータ、時間情報及びペンIDが含まれているものとする。
[処理システム]
次に、本発明の処理システムについて説明する。図7に処理システム100の概略構成を示す。図7に示す処理システム100は、電子ペン10により電子ペン用帳票(以下、「帳票」と呼ぶ。)3に記入された情報を取得し、所定の処理を行うシステムである。
次に、本発明の処理システムについて説明する。図7に処理システム100の概略構成を示す。図7に示す処理システム100は、電子ペン10により電子ペン用帳票(以下、「帳票」と呼ぶ。)3に記入された情報を取得し、所定の処理を行うシステムである。
図7に示すように、処理システム100は、端末装置25及びサーバ5がネットワーク2を通じて接続されることにより構成される。ここで、ネットワーク2の1つの好適な例はインターネットである。また、端末装置25とは、利用者が使用するパーソナルコンピュータ(以下、「PC」と呼ぶ。)や携帯電話といったネットワーク2を介してデータの授受が可能な端末である。電子ペン10により帳票3に記入された記入内容は、記入情報として端末装置25を介し、サーバ5へ送信される。サーバ5は、取得した記入情報に基づいて、所定の処理を行う。
ここで、図8を参照し、帳票への記入内容が記入情報としてサーバ5へ送信されるまでの従来の過程を説明する。図8は、従来の帳票の例である。
従来の帳票は、図示のように、電子ペン10を使用して名前、住所、自署等が記入される記入項目と、上述のような送信ボックス39とを有している。記入項目は、当該記入項目に記入された記入内容を認識するためのドットパターンが印刷された記入エリアから構成されている。記入エリアは、電子ペン10による記入内容をそのまま情報として取り扱うエリアである。一方、送信ボックス39は、記入項目の記入内容に対応する記入情報を送信するためのドットパターンが印刷された送信エリアから構成されている。送信エリアとは、機能エレメントであり、利用者が電子ペン10でチェックした際に、予め定義されている送信アクションを実行するエリアである。つまり、従来の帳票では、電子ペン10で記入項目に記入をした後、送信ボックス39にチェックをすることで初めて、記入内容が記入情報としてサーバ5へ送信されていた。
このように、従来の帳票は、電子ペン10によって記入される記入エリアと、電子ペンに記憶された記入情報を送信する送信エリアが別々にデザインされていた。そのため、利用者は、記入情報を送信するため、帳票上において本来記入する必要のない送信エリアにわざわざ記入を行わなければならなかった。換言すると、記入エリア及び送信エリアの双方に記入を行うといったルールを利用者に徹底する必要があり、システム運用者の負荷が大きくなっていた。また、送信エリアへの記入漏れといったトラブルも発生していた。
上述のような従来の問題を解消するため、記入エリアと送信エリアを一体化させ、兼用にする方法が考えられる。ここで、図9を参照し、記入エリアと送信エリアを一体化させた場合における、記入情報送信の過程を説明する。図9(a)は、本発明で使用する帳票3の例である。
本発明で使用する帳票3は、図示のように、名前項目や住所項目のような記入項目と、自署項目のような記入項目兼送信ボックスの一体化項目とを有している。記入項目は、上述と同様に、記入エリアのみから構成される項目である。一方、一体化項目は、記入エリアと送信エリアが一体化された構成となっている項目である。つまり、一体化項目に記入がなされると、電子ペン10は、当該一体化項目に記入された内容を取得すると共に、それまでに電子ペン10に記憶された記入内容と併せて記入情報としてサーバ5へ送信する。
なお、本実施形態では、自署項目が一体化項目となっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、帳票3を構成するいずれの項目が一体化項目であってもよい。ただし、一体化項目に記入をすると送信アクションが発生するため、帳票3において最後に記入する項目1つにすることが望ましい。
このように、本発明で使用する帳票3は、記入エリアと送信エリアが一体化されてデザインされている。そのため、従来の問題を解消し、利用者やシステム運用者の手間を大幅に削減することが可能となる。しかし、記入エリアと送信エリアを一体化することで、一体化項目に複数のストロークが記入された場合、図9(b)に示すように、利用者本人の署名(自署)であっても各ストロークが分割されバラバラの記入情報として送信されるという新たな問題が発生する。ここで、ストロークとは、1回の動作で記入された軌跡、即ち一筆で記入された軌跡のことである。
具体的に、自署項目に記入した1ストローク目では、電子ペン10内にまだ記入項目に対する記入情報が記憶されているため、当該電子ペン10により、氏名項目への記入内容(以下、「氏名項目記入内容」と呼ぶ。)、住所項目への記入内容(以下、「住所項目記入内容」と呼ぶ。)及び自署項目への記入内容(以下、「自署項目記入内容」と呼ぶ。)に対応する記入情報が1回目送信内容としてサーバ5へ送信される。このとき、自署項目記入内容としては、「川上」という自署の1ストローク目のみが含まれている。さらに、自署項目に記入した2ストローク目乃至6ストローク目では、図示のように、自署項目記入内容のみがそれぞれ送信される。つまり、1枚の帳票3に記入した記入内容に対応する記入情報であっても、図9(b)に示すように、バラバラの送信内容としてサーバ5へ送信される。
そのため、サーバ5は、自署項目への記入により送信される複数の送信内容を結合することにより、1単位データの作成する処理を行う。1単位データとは、一定の繋がりを持つデータの集合体であり、本実施形態では、1枚の帳票3に記入された記入内容に対する記入情報であるものとする。サーバ5は、図10に示すように、1回目送信内容乃至5回目送信内容に含まれるストロークを一時的に保存する。換言すると、サーバ5は、1単位データの最終ストロークが含まれない送信内容を全て一時的に保存する。そして、サーバ5は、1単位の最終ストロークが含まれた送信内容を取得すると、一時的に保存していた送信内容も含め1回目送信内容乃至6回目送信内容に含まれる全てのストロークを結合し、1単位データを作成する。送信内容とは、具体的には、電子ペン10から取得する記入情報である。よって、換言すると、サーバ5は、一時的に保存していた記入情報も含め全ての記入情報に含まれるストロークを結合し、1単位データを作成する。
ここで、図11及び図12を参照して、1単位データの基準となる最終ストロークを特定する方法について説明する。図11は、空白時間に基づいて最終ストロークを特定する方法を説明する図である。一方、図12は、別単位データに基づいて最終ストロークを特定する方法を説明する図である。
まず、図11を参照し、空白時間に基づいて最終ストロークを特定する方法について詳しく説明する。なお、帳票3は、同一のドットパターンが印刷され、同一のデザインが施された複数枚の帳票から構成されているものとする。
1人目の利用者(川上)は、図11(a)左側に示すように、電子ペン10を使用して、帳票3の1枚目に名前、住所及び自署を記入する。そして、2人目の利用者(田中)は、図11(a)右側に示すように、電子ペン10を使用して、帳票3の2枚目に名前、住所及び自署を記入する。この場合、サーバ5は、一体化項目である自署項目に記入が行われたタイミングで複数の記入情報を取得する。図11(b)は、2人の利用者による記入で送信される記入情報を模式的に示す図である。
具体的に、サーバ5は、まず1人目の利用者(川上)が名前項目、住所項目及び自署項目に記入した内容を最初の記入情報として取得する。このとき、自署項目記入内容としては、自署項目に記入された1ストローク目のストロークのみが含まれる。さらに、サーバ5は、1人目の利用者(川上)が自署項目に記入した内容をストローク毎に複数取得する。このとき、自署項目記入内容としては、自署項目に記入された1ストローク目乃至6ストローク目のストロークのみがそれぞれ含まれている。続いて、サーバ5は、2人目の利用者(田中)が名前項目、住所項目及び自署項目に記入した内容を取得する。そして、サーバ5は、2人目の利用者(田中)が自署項目に記入した内容に対応する記入情報を複数取得する。つまり、サーバ5は、複数の記入情報を続けて取得する。
ここで、本発明では、所定時間以上の空白時間に注目する。1人目の利用者(川上)が帳票3の1枚目の記入を完了してから、2人目の利用者(田中)が帳票3の2枚目に記入をするまでには、原則として所定時間以上の空白時間が存在するはずだからである。ここで、所定時間以上の空白時間とは、秒単位であっても分単位であってもよい。即ち、所定時間以上の空白時間は、帳票3を構成する項目等に基づいて、システム運用者等が任意に設定することが可能である。
サーバ5は、電子ペン10から記入情報を取得する間隔を算出し、当該間隔が所定時間以上の空白時間を特定する。間隔の算出方法としては、サーバ5が記入情報取得時刻を記憶しておく方法、記入情報に含まれる一体化項目への記入時刻に基づく方法等任意の方法とすることができる。さらに、サーバ5は、特定した空白時間の直前の記入情報を特定する。そして、サーバ5は、特定した記入情報に含まれるストロークを1単位データの最終ストロークと特定する。もし、特定した記入情報に複数のストロークが含まれる場合には、記入時刻を示す時間情報に基づいて、当該記入情報に含まれるストロークのうち時系列的に最後に記入されたストロークを最終ストロークと特定する。
サーバ5は、このように空白時間に基づいて最終ストロークを特定すると、当該最終ストローク以前に送信された記入情報に含まれる全てのストロークを結合し、1単位データを作成・特定する。また、サーバ5は、最終ストロークより後に送信された記入情報に含まれる全てのストロークを結合し、1単位データを作成・特定する。これにより、サーバ5は、一体化項目である自署項目に複数のストロークが記入されることで、複数の記入情報を取得した場合であっても、空白時間に基づいて容易に1単位データを特定することができる。また、これにより、1単位データに基づいて、適切に所定の処理を行うことができる。
次に、図12を参照し、別単位データに基づいて最終ストロークを特定する方法について詳しく説明する。なお、1人目の利用者(川上)が帳票3の1枚目に記入を行った後、2人目の利用者(田中)が帳票3の2枚目に記入を行うという流れは上述と同様であるため、便宜上説明を省略する。
ここで、本発明では、一体化項目である自署項目以外に記入したストロークを含む記入情報に注目する。1人目の利用者(川上)が帳票3の1枚目の記入を完了した後、2人目の利用者(田中)が帳票3の2枚目に記入をした場合、原則として2枚目に関する最初の記入情報には、自署項目以外の記入項目に記入したストロークが含まれているはずだからである。
なお、サーバ5は、詳細は後述するが、各項目の識別情報と、各項目に印刷されたドットパターン上の位置座標とを対応付けた座標テーブルを予め取得しているものとする。
サーバ5は、電子ペン10から取得した記入情報と、予め取得している座標テーブルとに基づいて、利用者によりストロークが記入された項目を特定する。さらに、サーバ5は、一体化項目である自署項目以外に記入したストロークを含む記入情報を特定する。ここで、特定した記入情報は、別単位データである。そこで、サーバ5は、別単位データの直前の記入情報を特定する。そして、サーバ5は、特定した記入情報に含まれるストロークを1単位データの最終ストロークと特定する。特定した記入情報に複数のストロークが含まれる場合には、時間情報に基づいて、当該記入情報に含まれるストロークのうち時系列的に最後に記入されたストロークを最終ストロークと特定する。
サーバ5は、このように別単位データに基づいて最終ストロークを特定すると、当該最終ストローク以前に送信された記入情報に含まれる全てのストロークを結合し、1単位データを作成・特定する。また、サーバ5は、最終ストロークより後に送信された記入情報に含まれる全てのストロークを結合し、1単位データを作成・特定する。これにより、サーバ5は、一体化項目である自署項目に複数のストロークが記入されることで、複数の記入情報を取得した場合であっても、別単位データに基づいて容易に1単位データを作成し、特定することができる。また、これにより、1単位データに基づいて、適切に所定の処理を行うことができる。
なお、本実施形態では、図12(b)に示すように、自署項目以外、即ち記入項目に記入したストロークを含む記入情報は、1人目の利用者(川上)によるものと、2人目の利用者(田中)によるものが存在する。しかし、1人目の利用者(川上)による別単位データは直前のストロークが特定できないため、サーバ5は、2人目の利用者(田中)によるものに基づいて1つの単位のデータを特定する処理を行う。
また、本実施形態では、複数の利用者がそれぞれ帳票3に記入をする場合について説明しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、1人の利用者が帳票3に記入する場合にも適用することができる。例えば、利用者が、1枚の帳票3上で記入項目及び一体化項目に記入を行った後、同一帳票3上で再度記入項目及び一体化項目に記入を行ったとする。この場合、サーバは、後半最初の送信内容を別単位データであると特定し、前半と後半2単位のデータであると特定する。
また、本実施形態では、図11及び図12に示すように、便宜上2人の利用者のみが帳票3に記入することとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、2人以上の利用者が帳票3に記入することとしてもよい。この場合であっても、サーバ5は、空白時間又は別単位データに基づいて、それぞれの単位データにおける最終ストロークを特定し、1単位データを特定することができる。
[サーバ]
(i)空白時間に基づくデータ処理を行うサーバ
次に、空白時間に基づくデータ処理を行うサーバ5aについて詳しく説明する。図13は、処理システム100aにおける、特にサーバ5aの内部構成を示す。図示のように、サーバ5aは、データ処理プログラム101、記入情報取得機能102、空白時間特定機能103、最終ストローク特定機能104、データ特定機能105及びデータ処理機能106を有する。なお、各機能は、サーバ5aが有するCPUが予め用意されたプログラムを実行することにより実現される。
[サーバ]
(i)空白時間に基づくデータ処理を行うサーバ
次に、空白時間に基づくデータ処理を行うサーバ5aについて詳しく説明する。図13は、処理システム100aにおける、特にサーバ5aの内部構成を示す。図示のように、サーバ5aは、データ処理プログラム101、記入情報取得機能102、空白時間特定機能103、最終ストローク特定機能104、データ特定機能105及びデータ処理機能106を有する。なお、各機能は、サーバ5aが有するCPUが予め用意されたプログラムを実行することにより実現される。
データ処理プログラム101は、端末装置25を介して電子ペン10から取得した記入情報に基づいて、1単位データを特定し、所定の処理を行うプログラムである。
記入情報取得機能102は、データ処理プログラム101を実行することにより、利用者が電子ペン10を使用して帳票3に記入した記入情報を取得する機能である。なお、記入情報取得機能102は、一体化項目に記入される度に記入情報を取得するため、サーバ5aは複数の記入情報を取得することとなる。
空白時間特定機能103は、記入情報取得機能102が記入情報を取得する間隔を算出することにより、所定時間以上の空白時間を特定する機能である。
最終ストローク特定機能104は、空白時間特定機能103が特定した空白時間の直前の記入情報に含まれるストロークの中から最終ストロークを特定する機能である。
データ特定機能105は、最終ストローク特定機能104が特定した最終ストロークに基づいて、記入情報に含まれるストロークを結合することで、1単位データを作成し、特定する機能である。
データ処理機能106は、データ特定機能105が特定した1単位データに基づいて、所定の処理を行う機能である。
(ii)別単位データに基づくデータ処理を行うサーバ
次に、別単位データに基づくデータ処理を行うサーバ5bについて詳しく説明する。図14は、処理システム100bにおける、特にサーバ5bの内部構成を示す。図示のように、サーバ5bは、データ処理プログラム111、記入情報取得機能112、座標テーブル113、項目特定機能114、最終ストローク特定機能115、データ特定機能116及びデータ処理機能117を有する。なお、各機能は、サーバ5bが有するCPUが予め用意されたプログラムを実行することにより実現される。
(ii)別単位データに基づくデータ処理を行うサーバ
次に、別単位データに基づくデータ処理を行うサーバ5bについて詳しく説明する。図14は、処理システム100bにおける、特にサーバ5bの内部構成を示す。図示のように、サーバ5bは、データ処理プログラム111、記入情報取得機能112、座標テーブル113、項目特定機能114、最終ストローク特定機能115、データ特定機能116及びデータ処理機能117を有する。なお、各機能は、サーバ5bが有するCPUが予め用意されたプログラムを実行することにより実現される。
データ処理プログラム111は、端末装置25を介して電子ペン10から取得した記入情報に基づいて、1単位データを特定し、所定の処理を行うプログラムである。
記入情報取得機能112は、データ処理プログラム111を実行することにより、利用者が電子ペン10を使用して帳票3に記入した記入情報を取得する機能である。なお、記入情報取得機能112は、一体化項目に記入される度に記入情報を取得するため、サーバ5bは、複数の記入情報を取得することとなる。
ここで、座標テーブル113について、図15を参照して説明する。図15は、座標テーブル113のデータ構造を模式的に示す図である。図示のように、座標テーブル113は、項目ID、項目名及び座標データから構成されている。項目IDは、帳票3を構成する項目を識別する情報である。項目名は、各項目の名称である。例えば、氏名を記入する項目は氏名項目、住所を記入する項目は住所項目となる。座標データは、各項目に印刷されたドットパターン上の位置座標である。サーバ5bは、記入情報に基づいて、図示のような座標テーブル113を参照することにより、容易に利用者が記入したストロークがどの項目に記入されたかを特定することができる。
項目特定機能114は、記入情報取得機能112が取得した記入情報に基づいて座標テーブル113を参照することにより、記入情報に含まれる各ストロークが帳票3上のどの項目に記入されたものであるかを特定する機能である。
最終ストローク特定機能115は、一体化項目である自署項目以外に記入されたストロークを含む記入情報を別単位データであると特定する機能である。また、最終ストローク特定機能115は、別単位データの直前の記入情報に含まれるストロークの中から最終ストロークを特定する機能である。
データ特定機能116は、最終ストローク特定機能115が特定した最終ストロークに基づいて、記入情報に含まれるストロークを結合することで、1単位データを作成し、特定する機能である。
データ処理機能117は、データ特定機能116が特定した1単位データに基づいて、所定の処理を行う機能である。
[データ処理]
(i)第1データ処理
次に、上記の処理システム100aにより実行される第1データ処理について説明する。図16は、第1データ処理のフローチャートである。
(i)第1データ処理
次に、上記の処理システム100aにより実行される第1データ処理について説明する。図16は、第1データ処理のフローチャートである。
まず、1人目の利用者(川上)は、電子ペン10を使用して帳票3の1枚目に、図11(a)左側に示すような記入を行う。次に、2人目の利用者(田中)は、電子ペン10を使用して帳票3の2枚目に、図11(a)右側に示すような記入を行う。帳票3の自署項目は、記入エリア及び送信エリアが一体化された一体化項目であるため、電子ペン10は、当該自署項目への記入の度に、記入情報を、端末装置25を介してサーバ5aへ送信する。
サーバ5aは、電子ペン10から端末装置25を介して記入情報を取得する(ステップS1)。そして、サーバ5aは、電子ペン10から記入情報を取得する間隔を算出することにより、空白時間が特定できたか否かを判定する(ステップS2)。所定時間以上の空白時間が特定できない場合(ステップS2;No)、サーバ5aは、当該記入情報を一時的に保存する。そして、サーバ5aは、ステップS1及びS2の処理を繰り返し行う。一方、所定時間以上の空白時間が特定できた場合(ステップS2;Yes)、サーバ5aは、当該空白時間に基づいて最終ストロークを特定する(ステップS3)。具体的に、サーバ5aは、空白時間の直前に取得した記入情報に含まれるストロークの中から最終ストロークを特定する。
さらに、サーバ5aは、特定した最終ストロークに基づいて、記入情報に含まれるストロークを結合することで、1単位データを作成し、特定する(ステップS4)。具体的に、サーバ5aは、最終ストローク以前に取得して、一時的に保存してある記入情報に含まれるストロークを結合することで、1単位データを作成し、特定する。そして、サーバ5aは、特定した1単位データに基づいて、所定の処理を行う(ステップS5)。
このように、本発明によれば、送信ボックスを兼ねた一体化項目に複数のストロークが記入された場合であっても、所定時間以上の空白時間に基づいて1単位データを特定することで、複数の単位データを混在させることなく適切な処理を行うことができる。
(ii)第2データ処理
次に、上記の処理システム100bにより実行される第2データ処理について説明する。図17は、第2データ処理のフローチャートである。
次に、上記の処理システム100bにより実行される第2データ処理について説明する。図17は、第2データ処理のフローチャートである。
まず、1人目の利用者(川上)は、電子ペン10を使用して帳票3の1枚目に、図11(a)左側に示すような記入を行う。次に、2人目の利用者(田中)は、電子ペン10を使用して帳票3の2枚目に、図11(a)右側に示すような記入を行う。帳票3の自署項目は、記入エリア及び送信エリアが一体化された一体化項目であるため、電子ペン10は、当該自署項目への記入の度に、記入情報を、端末装置25を介してサーバ5bへ送信する。
サーバ5bは、電子ペン10から端末装置25を介して記入情報を取得する(ステップS11)。そして、サーバ5bは、記入情報に基づいて座標テーブル113を参照することにより、各ストロークが記入された項目を特定する(ステップS12)。このように、各ストロークが記入された項目を特定することで、サーバ5bは、取得した記入情報が、一体化項目である自署項目以外に記入したストロークを含む記入情報であるか否かを判定する(ステップS13)。一体化項目以外に記入したストロークを含む記入情報でない場合(ステップS13;No)、サーバ5bは、当該記入情報を一時的に保存する。そして、サーバ5bは、ステップS11乃至S13の処理を繰り返し行う。一方、一体化項目以外に記入したストロークを含む記入情報である場合(ステップS13;Yes)、サーバ5bは、当該記入情報を別単位データと特定する。さらに、サーバ5bは、別単位データに基づいて最終ストロークを特定する(ステップS14)。具体的に、サーバ5bは、別単位データの直前に取得した記入情報に含まれるストロークの中から最終ストロークを特定する。
さらに、サーバ5bは、特定した最終ストロークに基づいて、記入情報に含まれるストロークを結合することで、1単位データを作成し、特定する(ステップS15)。具体的に、サーバ5bは、最終ストローク以前に取得した、一時的に保存してある記入情報に含まれるストロークを結合することで、1単位データを作成し、特定する。そして、サーバ5bは、特定した1単位データに基づいて、所定の処理を行う(ステップS16)。
このように、本発明によれば、記入エリア及び送信エリアを一体化させた一体化項目を帳票3上に設けることで、利用者が送信アクションを意識することなく、通常通りに記入したタイミングでサーバ等へ記入情報を送信することが可能となる。さらに、これにより、利用者の誤操作や手間を大幅に削減することができる。
また、本発明によれば、一体化項目に複数ストロークが記入されることにより1単位データが分割されてしまう場合であっても、空白時間又は別単位データを特定することにより、容易に1単位データを特定することができる。よって、複数の単位データを混同させることなく、1単位データに基づいて適切な処理を行うことができる。
なお、電子ペン10がバージョンアップし、インタラクティブペンとなる可能性がある。インタラクティブペンとは、どのドットパターン上に記入しても、常に電子ペン及び通信媒体間でデータの送信を行う仕様の電子ペンのことである。このようなインタラクティブペンにおいては、送信エリアという概念がなくなるが、データの送信が終了したか否かをアプリケーション側で判断することとなる。そこで、本発明を適用することにより、このようなインタラクティブペンであっても、容易にデータの送信が終了したか否かを判断することが可能となる。
また、最終ストロークの特定において、空白時間に基づく方法と別単位データに基づく方法は併用することとしてもよい。
また、本実施形態では、端末装置25とサーバ5とは別々であって、ネットワーク2を介して接続されたものとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、それぞれの機能を備えた1つの端末装置であることとしてもよい。
[変形例]
上記実施形態では、1枚の帳票3上に1つの一体化項目が設けられている例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、1枚の帳票3上に複数の一体化項目が設けられていることとしてもよい。さらに、一体化項目に基づいて、サーバ5cが特定した1単位データの処理方法を任意に設定することも可能である。換言すると、記入する一体化項目に応じて、1単位データの処理方法を変化させることも可能である。
上記実施形態では、1枚の帳票3上に1つの一体化項目が設けられている例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、1枚の帳票3上に複数の一体化項目が設けられていることとしてもよい。さらに、一体化項目に基づいて、サーバ5cが特定した1単位データの処理方法を任意に設定することも可能である。換言すると、記入する一体化項目に応じて、1単位データの処理方法を変化させることも可能である。
上述のような場合について、図18乃至図22を参照して詳しく説明する。なお、便宜上、上記実施形態と同様の場合、説明は省略する。
図18に示すように、処理システム100cは、端末装置25、サーバ5c、脳神経外科端末70a及び整形外科端末70bがネットワーク2を通じて接続されることにより構成される。ここで、ネットワーク2の1つの好適な例はインターネットである。また、端末装置25とは、利用者が使用するPCや携帯電話といったネットワーク2を介してデータの授受が可能な端末である。電子ペン10により帳票60に記入された記入内容は、記入情報として端末装置25を介し、サーバ5cへ送信される。サーバ5cは、取得した記入情報に基づいて1単位データを特定する。さらに、サーバ5cは、ストロークが記入された一体化項目に応じて、各専門病院の窓口となる端末装置へ、特定した1単位データを振り分けて送信する。各専門病院の端末装置とは、例えば、脳神経外科専門病院が使用する脳神経外科端末70aや、整形外科専門病院が使用する整形外科端末70b等が挙げられる。なお、処理システム100cでは、脳神経外科端末70aや整形外科端末70bを構成要素としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、任意の端末を構成要素とすることができる。各専門病院の端末は、サーバ5cから取得した1単位データに基づいて所定の処理を行う。
ここで、処理システム100cにおいて使用する帳票60の例を図19に示す。図19(a)に示すように、帳票60は、模式的に人体がデザインされており、当該人体の頭部を囲むように頭部項目61が、当該人体の足部を囲むように足部項目63が設けられている。頭部項目61及び足部項目63は、共に記入エリア及び送信エリアが一体化された一体化項目である。即ち、頭部項目61又は足部項目63に記入を行うと、電子ペン10は、記入内容を認識すると同時に、当該記入内容に対応する記入情報をサーバ5cへ送信する。
なお、図19(a)に示す帳票60は、説明の便宜上、項目として頭部項目61及び足部項目63のみを有することとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、手部項目や腹部項目等任意の項目を設けることができる。
利用者である救急隊員等は、電子ペン10を使用して患者の状態を帳票60に記入する。具体的に、利用者は、電子ペン10を使用して図19(b)に示すように、患者の負傷箇所をレ点等でチェックすると共に、当該患者の状態を文章で記入する。このとき、利用者は、患者の負傷箇所が頭部であれば、頭部項目61内に当該患者の状態を記入する。また、足部にも負傷をしていれば、側部項目63内に当該患者の状態を記入する。
なお、本変形例における1単位データとは、1つの一体化項目内に記入されたデータの集合体であるものとする。
次に、処理システム100cにおいてデータ処理を行うサーバ5cについて詳しく説明する。図20は、処理システム100cにおける、特にサーバ5cの内部構成を示す。図示のように、サーバ5cは、データ処理プログラム121、記入情報取得機能122、座標テーブル123、項目特定機能124、最終ストローク特定機能125、送信先端末特定機能126、データ特定機能127及びデータ送信機能127を有する。なお、各機能は、サーバ5cが有するCPUが予め用意されたプログラムを実行することにより実現される。
データ処理プログラム121は、端末装置25を介して電子ペン10から取得した記入情報に基づいて、1単位データを特定するプログラムである。また、データ処理プログラム121は、ストロークが記入された一体化項目に応じた送信先端末に、特定した1単位データを送信するプログラムである。
記入情報取得機能122は、データ処理プログラム121を実行することにより、利用者が電子ペン10を使用して帳票3に記入した記入情報を取得する機能である。なお、記入情報取得機能122は、一体化項目に記入される度に記入情報を取得するため、サーバ5cは、複数の記入情報を取得することとなる。
ここで、座標テーブル123について、図21を参照して説明する。図21は、座標テーブル123のデータ構造を模式的に示す図である。図示のように、座標テーブル123は、項目ID、項目名、座標データ及び送信先端末から構成されている。項目IDは、帳票3を構成する項目を識別する情報である。項目名は、各項目の名称である。座標データは、各項目に印刷されたドットパターン上の位置座標である。送信先端末は、各項目に記入されたストロークに基づく1単位データを送信する送信先端末、即ち専門病院端末を示す情報である。
サーバ5cは、記入情報に基づいて、図示のような座標テーブル123を参照することにより、容易に利用者が記入したストロークがどの項目に記入されたかを特定することが可能となる。また、サーバ5cは、最終ストロークが記入された項目に応じて、容易に送信先端末を特定することができる。
項目特定機能124は、記入情報取得機能122が取得した記入情報に基づいて座標テーブル123を参照することにより、記入情報に含まれる各ストロークが帳票60上のどの項目に記入されたものであるかを特定する機能である。
最終ストローク特定機能125は、項目特定機能124が特定した項目の中の1つの一体化項目以外に記入したストロークを含む記入情報を別単位データであると特定する機能である。ここで、1つの一体化項目とは、帳票60上に設けられた複数の一体化項目の中の1つであって、項目特定機能124が特定した項目である。具体的に、本変形例では、頭部項目61等が挙げられる。この場合、最終ストローク特定機能125は、頭部項目61以外に記入したストロークを含む記入情報を別単位データであると特定する。また、最終ストローク特定機能125は、別単位データの直前の記入情報に含まれるストロークの中から最終ストロークを特定する機能である。
送信先端末特定機能126は、座標テーブル123に基づいて、最終ストローク特定機能125が特定した最終ストロークが記入された項目に対応する送信先端末を特定する機能である。
データ特定機能127は、最終ストローク特定機能125が特定した最終ストロークに基づいて、記入情報に含まれるストロークを結合することで、1単位データを作成し、特定する機能である。
データ送信機能128は、データ特定機能127が特定した1単位データを、送信先端末特定機能126が特定した送信先端末に送信する機能である。送信先端末は、サーバ5から取得した1単位データに基づいて所定の処理を行う。
次に、上記の処理システム100cにより実行される第3データ処理について説明する。図22は、第3データ処理のフローチャートである。
まず、利用者である救急隊員は、電子ペン10を使用して帳票60に、図19(b)に示すような記入を行う。帳票60の頭部項目61及び足部項目62は、それぞれ一体化項目であるため、電子ペン10は、当該一体化項目への記入の度に記入情報を、端末装置25を介してサーバ5cへ送信する。
サーバ5cは、電子ペン10から端末装置25を介して記入情報を取得する(ステップS21)。そして、サーバ5cは、記入情報に基づいて座標テーブル123を参照することにより、各ストロークが記入された項目を特定する(ステップS22)。さらに、サーバ5cは、取得した記入情報が、特定した項目の中の1つの一体化項目(例えば、頭部項目61)以外に記入したストロークを含む記入情報であるか否かを判定する(ステップS23)。頭部項目61以外に記入したストロークを含む記入情報でない場合(ステップS23;No)、サーバ5cは、当該記入情報を一時的に保存する。そして、サーバ5cは、ステップS21乃至S24の処理を繰り返し行う。一方、頭部項目61以外(例えば、足部項目63)に記入したストロークを含む記入情報である場合(ステップ23;Yes)、サーバ5cは、当該記入情報を別単位データと特定する。さらに、サーバ5cは、別単位データに基づいて最終ストロークを特定する(ステップS24)。具体的に、サーバ5cは、別単位データの直前に取得した記入情報に含まれるストロークの中から最終ストロークを特定する。
そして、サーバ5cは、座標テーブル123を参照することにより、特定した最終ストロークが記入された項目に対応する送信先端末を特定する(ステップS25)。さらに、サーバ5cは、特定した最終ストロークに基づいて、記入情報に含まれるストロークを結合することで、1単位データを作成し、特定する(ステップS26)。具体的に、サーバ5cは、最終ストローク以前に取得した、一時的に保存してある記入情報に含まれるストロークを結合することで、1単位データを作成し、特定する。そして、サーバ5cは、特定した1単位データを、特定した送信先端末に送信する(ステップS27)。これにより、第3データ処理は完了する。
送信先端末では、例えば、取得した1単位データに基づいて応急処置の情報を作成し、利用者である救急隊員に通知する等といった所定の処理を行う。
このように、本発明によれば、電子ペン用帳票上に記入エリア及び送信エリアが一体化されたユーザエリアを設けることで、電子ペン10による記入、記入情報送信及び処理を行う場合、処理のランタイム時間を短縮することができる。また、ストロークが記入された項目に応じて、特定した1単位データに施す処理を任意に設定することが可能である。よって、人命を扱う医療業務といった緊急性を要す業務において、患者の負傷状況等を電子ペン用帳票に記入して処理を行う場合、特に本発明は有用である。
なお、本変形例のように、1枚の帳票60上に複数の一体化項目を設けるには、異なるライセンスのドットパターンを配置する必要がある。
また、本変形例では、最終ストロークの特定について、別単位データに基づいて行うこととしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、空白時間に基づいて行うこととしてもよい。空白時間に基づいて最終ストロークの特定及び1単位データの特定を行うこととすれば、例えば図19(a)に示すような帳票60において、頭部項目61にのみ記入が行われた場合であっても、適切に最終ストロークを特定し、1単位データを特定することが可能となる。
また、本変形例では、サーバ5cは、座標テーブル123に予め各項目に対応する送信先端末を定義することで、特定した1単位データをそれぞれ対応する送信先端末に送信し、各送信先端末が所定の処理を行うこととしている。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、座標テーブルに予め各項目に対応する処理に関する情報を定義することで、サーバ5が、特定した1単位データに対し、それぞれ対応する処理を施すこととしてもよい。
また、本変形例では、サーバ5cが送信先端末を特定し、1単位データをそれぞれ対応する送信先端末に送信することとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、端末装置25がサーバ5cの機能を有しており、送信先端末の特定及び1単位データの送信を行うこととしてもよい。
また、最終ストロークの特定において、空白時間に基づく方法と別単位データに基づく方法を併用することとしてもよい。
本発明によれば、記入エリアと送信エリアを一体化させることで、利用者に記入情報の送信アクションを意識させることなく、誤操作や手間を削減することができる電子ペン用帳票として利用することができる。
2…ネットワーク
3…電子ペン用帳票
5…サーバ
10…電子ペン
11…プロセッサ
12…メモリ
13…データ通信ユニット
14…バッテリー
25…端末装置
26…問い合わせサーバ
27…サービスサーバ
100…処理システム
3…電子ペン用帳票
5…サーバ
10…電子ペン
11…プロセッサ
12…メモリ
13…データ通信ユニット
14…バッテリー
25…端末装置
26…問い合わせサーバ
27…サービスサーバ
100…処理システム
Claims (11)
- インクペンユニット及び光学的にドットパターンを読み取る読取ユニットを備える電子ペンにより記入される複数の項目から構成される電子ペン用帳票であって、
前記項目は、前記項目に記入された記入内容を認識するためのドットパターンが印刷された記入エリアと、前記項目の記入内容に対応する記入情報を送信するためのドットパターンが印刷された送信エリアとが一体化された構成となっている一体化項目を有することを特徴とする電子ペン用帳票。 - 前記項目は、前記一体化項目と、前記記入エリアのみから構成された記入項目とを有していることを特徴とする請求項1に記載の電子ペン用帳票。
- 1枚の前記帳票には、1つの前記一体化項目が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子ペン用帳票。
- 電子ペンにより認識可能なドットパターンが印刷された電子ペン用帳票に記入された情報を処理する処理装置において、
前記電子ペン用帳票は、前記電子ペンにより記入される複数の項目から構成されており、
前記項目は、前記項目に記入された記入内容を認識するためのドットパターンが印刷された記入エリアと、前記項目の記入内容に対応する記入情報を送信するためのドットパターンが印刷された送信エリアとが一体化された構成となっている一体化項目を有するものであって、
前記処理装置は、
前記一体化項目に記入が行われた際に、前記電子ペンから、前記帳票を構成する項目に記入された記入情報を取得する記入情報取得手段と、
前記記入情報に基づいて、所定のデータ処理を行う処理実行手段と、を備えることを特徴とする処理装置。 - 前記項目は、前記一体化項目と、前記記入エリアのみから構成された記入項目とを有していることを特徴とする請求項4に記載の処理装置。
- 1枚の前記帳票には、1つの前記一体化項目が設けられていることを特徴とする請求項4又は5に記載の処理装置。
- 前記記入情報取得手段は、前記一体化項目に記入が行われる度に、前記電子ペンから記入情報を取得するものであって、
前記処理装置は、
前記記入情報を取得する間隔を算出することで、所定時間以上の空白時間を特定する空白時間特定手段と、
前記空白時間の直前に、前記記入情報取得手段が取得した記入情報に含まれるストロークから、1単位データの最終ストロークを特定する最終ストローク特定手段と、
前記最終ストロークに基づいて、前記記入情報に含まれるストロークを結合することで1単位データを特定する単位データ特定手段と、をさらに備え、
前記データ処理手段は、前記単位データ特定手段が特定した1単位データに対し、所定のデータ処理を行うことを特徴とする請求項4乃至6のいずれか一項に記載の処理装置。 - 前記記入情報取得手段は、前記一体化項目に記入が行われる度に、前記電子ペンから記入情報を取得するものであって、
前記処理装置は、
前記項目を識別する項目識別情報と、前記項目に印刷されたドットパターン上の位置座標とが対応付けされた座標情報を取得する座標情報取得手段と、
前記記入情報及び前記座標情報に基づいて、ストロークが記入された項目を特定する項目特定手段と、
前記一体化項目以外に記入したストロークを含む記入情報の直前に、前記記入情報取得手段が取得した記入情報に含まれるストロークから、1単位データの最終ストロークを特定する最終ストローク特定手段と、
前記最終ストロークに基づいて、前記記入情報に含まれるストロークを結合することで1単位データを特定する単位データ特定手段と、をさらに備え、
前記データ処理手段は、前記単位データ特定手段が特定した1単位データに対し、所定のデータ処理を行うことを特徴とする請求項4乃至6のいずれか一項に記載の処理装置。 - 前記帳票は、複数の一体化項目を有しており、
前記記入情報取得手段は、前記一体化項目に記入が行われる度に、前記電子ペンから記入情報を取得するものであって、
前記処理装置は、
前記項目を識別する項目識別情報と、前記項目に印刷されたドットパターン上の位置座標と、前記項目に記入されたデータの処理に関する処理情報とが対応付けされた座標情報を取得する座標情報取得手段と、
前記記入情報及び前記座標情報に基づいて、ストロークが記入された項目を特定する項目特定手段と、
項目特定手段が特定した項目の中の1つの一体化項目以外に記入したストロークを含む記入情報の直前に、前記記入情報取得手段が取得した記入情報に含まれるストロークから、1単位データの最終ストロークを特定する最終ストローク特定手段と、
前記座標情報に基づいて、前記最終ストロークが記入された項目に対応する処理情報を特定する処理情報特定手段と、
前記最終ストロークに基づいて、前記記入情報に含まれるストロークを結合することで1単位データを特定する単位データ特定手段と、をさらに備え、
前記データ処理手段は、前記単位データ特定手段が特定した1単位データに対し、前記処理情報特定手段が特定した処理情報に基づくデータ処理を行うことを特徴とする請求項4乃至6のいずれか一項に記載の処理装置。 - 前記帳票は、複数の一体化項目を有しており、
前記記入情報取得手段は、前記一体化項目に記入が行われる度に、前記電子ペンから記入情報を取得するものであって、
前記処理装置は、
前記項目を識別する項目識別情報と、前記項目に印刷されたドットパターン上の位置座標と、前記項目に記入されたストロークの処理に関する処理情報とが対応付けされた座標情報を取得する座標情報取得手段と、
前記記入情報を取得する間隔を算出することで、所定時間以上の空白時間を特定する空白時間特定手段と、
前記空白時間の直前に、前記記入情報取得手段が取得した記入情報に含まれるストロークから、1単位データの最終ストロークを特定する最終ストローク特定手段と、
前記座標情報に基づいて、前記最終ストロークが記入された項目に対応する処理情報を特定する処理情報特定手段と、
前記最終ストロークに基づいて、前記記入情報に含まれるストロークを結合することで1単位データを特定する単位データ特定手段と、をさらに備え、
前記データ処理手段は、前記単位データ特定手段が特定した1単位データに対し、前記処理情報特定手段が特定した処理情報に基づくデータ処理を行うことを特徴とする請求項4乃至6のいずれか一項に記載の処理装置。 - 電子ペンにより認識可能なドットパターンが印刷された電子ペン用帳票に記入された情報を処理するコンピュータにより実行されるプログラムであって、
前記電子ペン用帳票は、前記電子ペンにより記入される複数の項目から構成されており、
前記項目は、前記項目に記入された記入内容を認識するためのドットパターンが印刷された記入エリアと、前記項目の記入内容に対応する記入情報を送信するためのドットパターンが印刷された送信エリアとが一体化された構成となっている一体化項目を有するものであって、
前記プログラムは、
前記一体化項目に記入が行われた際に、前記電子ペンから、前記帳票を構成する項目に記入された記入情報を取得する記入情報取得手段、
前記記入情報に基づいて、所定のデータ処理を行う処理実行手段、として前記コンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006003739A JP2007185788A (ja) | 2006-01-11 | 2006-01-11 | 電子ペン用帳票、処理装置及びプログラム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006003739A JP2007185788A (ja) | 2006-01-11 | 2006-01-11 | 電子ペン用帳票、処理装置及びプログラム |
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JP2006003739A Pending JP2007185788A (ja) | 2006-01-11 | 2006-01-11 | 電子ペン用帳票、処理装置及びプログラム |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013175147A (ja) * | 2011-04-28 | 2013-09-05 | Ricoh Co Ltd | 情報管理システム及び情報処理装置 |
-
2006
- 2006-01-11 JP JP2006003739A patent/JP2007185788A/ja active Pending
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