JP4629303B2 - 計算処理システム、計算処理システムのサーバ装置、計算処理プログラム、及び電子ペン用帳票 - Google Patents
計算処理システム、計算処理システムのサーバ装置、計算処理プログラム、及び電子ペン用帳票 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷物、電子ペン及び携帯電話、PDAなどの端末装置を利用し、特殊な計算処理を含むシミュレーション処理を実行するシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
官公庁や金融機関、保険会社などに提出する書類には、例えば所得税の確定申告書、保険料の計算書など、金額などの数値情報の記入を要するものがある。そのような場合、利用者は一般的に電卓を使用することで、必要な数値計算を行っている。
【0003】
金融機関や保険会社などは、業務上、多種多様な契約条件に従って、多種多様な計算をする必要がある場合がある。金融機関や保険の外交員などは、専用に開発した特殊な計算機能を有する計算装置を使用することにより計算結果を取得することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、金融機関や保険会社などの契約条件に従って行う各種の計算は複雑な場合が多く、計算を実行する外交員などはそのための十分な知識を有する必要がある。また、特殊な計算を自動的に実行する機能を有する専用の電卓や計算装置などを使用する場合でも、外交員などはその装置を正しく操作するための知識を必要とする。よって、そのような知識を習得させるためにそれなりの訓練が要求される。
【0005】
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、入力デバイスとして電子ペンを利用し、専用帳票に計算条件を書き込むことにより、計算方法などについての深い知識を有しない者であっても、迅速かつ正確に計算結果を得ることが可能な計算処理システムを提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の1つの観点では、電子ペンと、前記電子ペンにより認識可能に印刷されたドットパターンと、計算条件指示エリアとを有する計算帳票と、利用者が前記電子ペンにより行った前記計算指示エリアの指定を含む計算条件データを受信してサーバ装置へ送信する端末装置と、計算条件データに基づいて計算を実行するサーバ装置と、を備える計算処理システムにおいて、前記サーバ装置は、前記計算帳票上の各計算条件指示エリアに対応する計算内容を記憶したテーブルと、前記テーブルを参照して、前記計算条件データから計算内容を決定する計算内容決定手段と、前記計算内容に対応する計算を実行して計算結果を生成する計算手段とを備える。
【0007】
また、本発明の同様の観点では、電子ペンにより認識可能に印刷されたドットパターンと、計算条件指示エリアとを有する計算帳票に対して、利用者が前記電子ペンにより行った前記計算指示エリアの指定を含む計算条件データを、端末装置を経由して受信する受信手段と、前記計算帳票上の各計算条件指示エリアに対応する計算内容を記憶したテーブルと、前記テーブルを参照して、前記計算条件データから計算内容を決定する計算内容決定手段と、前記計算内容に対応する計算を実行して計算結果を生成する計算手段と、を備える。
【0008】
上記の計算処理システム又は計算処理システムのサーバ装置によれば、利用者は、電子ペンと、電子ペン専用の計算帳票を使用して例えば保険料のシミュレーションなどの計算を行う。計算帳票には、保険料の計算条件などの計算条件指示エリアが設けられ、利用者はそこに必要事項を記入することにより、計算条件データが生成されて電子ペン内に蓄積される。計算条件指示エリアは、例えば上記の保険料のシミュレーションの場合、契約条件や契約内容を記入する記入欄と、保険料の計算を指示するための計算指示欄とを含む。電子ペンはその計算条件データを端末装置へ送信し、端末装置はサーバ装置へ送信する。サーバ装置は、テーブルを参照して計算条件データから計算内容を決定し、計算を実行し、その結果を端末装置へ送信する。よって、利用者は電子ペンと計算帳票により計算条件指示を入力すると、その計算をサーバが行って結果を利用者の端末装置へ送信する。よって、利用者は電子ペンにより計算条件を記入するだけで、正しく計算を行うことができる。
【0009】
上記の計算処理システム又はそのサーバ装置の一態様は、前記計算結果を前記端末装置へ送信する送信手段をさらに備えることができる。これにより、利用者は計算結果を自己の端末上で直ちに知ることができる。
【0010】
上記の計算処理システムのサーバ装置の一態様では、前記計算条件データは、前記計算帳票上の座標データであり、前記計算内容は数値及び演算子を含むことができる。
【0011】
上記の計算処理システムのサーバ装置の一態様では、前記計算帳票は計算結果の確認方法を指定する確認方法指定欄を有し、前記確認方法指定欄に対して利用者が電子ペンで入力を行うことにより生成される確認要求データを受信して、前記計算結果を当該確認要求データにより指定される方法で確認用端末へ送信する確認送信手段をさらに備えることができる。これにより、利用者は、計算条件データをサーバ装置へ送信した端末装置のみならず、希望する装置上で計算結果を受信して確認することが可能となる。
【0012】
本発明の他の観点では、コンピュータ上で実行されることにより、計算帳票を使用した計算を実行する計算処理プログラムは、前記コンピュータを、電子ペンにより認識可能に印刷されたドットパターンと、計算条件指示エリアとを有する計算帳票に対して、利用者が前記電子ペンにより行った前記計算指示エリアの指定を含む計算条件データを、端末装置を経由して受信する受信手段、前記計算帳票上の各計算条件指示エリアに対応する計算内容を記憶したテーブル、前記テーブルを参照して、前記計算条件データから計算内容を決定する計算内容決定手段と、前記計算内容に対応する計算を実行して計算結果を生成する計算手段として機能させる。
【0013】
上記の計算処理プログラムをコンピュータ上で実行することにより、上記の計算処理システムのサーバ装置を実現することができる。
【0014】
本発明の他の観点では、インクペンユニット及び光学的にドットパターンを読み取る読取ユニットを備える電子ペンにより記入される電子ペン用計算帳票は、前記電子ペンにより認識可能に印刷され、前記帳票上における位置情報を示すドットパターンと、前記ドットパターン上に印刷され、契約内容及び計算条件を記入するための入力エリアと、を有し、各入力エリア内に印刷されたドットパターンは、前記契約内容若しくは前記計算条件を規定する数値又は演算子に対応付けされている。
【0015】
上記の電子ペン用計算帳票によれば、利用者が帳票上の入力エリアに記入を行うことにより、契約内容や計算条件を指定することができ、指定した契約内容や計算条件に対応するデータを得ることができる。よって、利用者は複雑な計算方法を習得したり、特殊な計算装置を操作する必要なく、容易にシミュレーション計算などを実行することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。本発明の実施形態によるシミュレーションシステムは、入力デバイスとして電子ペンを利用することにより、帳票上において各種の計算指示を行い、計算指示をサーバへ送信してサーバから計算結果を得るものである。まず始めに、本発明のシミュレーションシステムにおいて入力デバイスとして使用される電子ペンの概要について説明する。
【0017】
[電子ペン]
図1は電子ペンの使用形態を模式的に示す図であり、図2は電子ペンの構造を示す機能ブロック図である。図1に示すように、電子ペン10は、ドットパターンが印刷された専用ペーパー20と組み合わせて使用される。電子ペン10は、通常のインクペンと同様のペン先部17を備えており、利用者は通常のインクペンと同様に専用ペーパー20上に文字などを書くことになる。
【0018】
図2に示すように、電子ペン10は、その内部にプロセッサ11、メモリ12、Bluetoothトランシーバ13、バッテリー14、赤外線LED15、カメラ16及び圧力センサ18を備える。また、電子ペン10は通常のインクペンと同様の構成要素としてインクカートリッジ(図示せず)などを有する。
【0019】
電子ペン10は、ペン先部17により専用ペーパー20上に描かれたインクの軌跡をデータ化するのではなく、専用ペーパー20上で電子ペン10が移動した軌跡座標をデータ化する。赤外線LED15が専用ぺーパー20上のペン先部17近傍を照明しつつ、カメラ16が専用ペーパー20に印刷されているドットパターンを読み取り、データ化する。つまり、電子ペン10は専用ペーパー20上で利用者が電子ペン10を移動させることにより生じるストロークを画像データ又はベクトルデータとして取得することができる。
【0020】
圧力センサ18は、利用者が電子ペン10により専用ペーパー上に文字などを書く際にペン先部17に与えられる圧力、即ち筆圧を検出し、プロセッサ11へ供給する。プロセッサ11は、圧力センサ18から与えられる筆圧データに基づいて、赤外線LED15及びカメラ16のスイッチオン/オフの切換を行う。即ち、利用者が電子ペン10で専用ペーパー20上に文字などを書くと、ペン先部17には筆圧がかかる。よって、所定値以上の筆圧が検出されたときに、利用者が記述を開始したと判定して、赤外線LED15及びカメラ16を作動する。
【0021】
カメラ16は専用ペーパー20上のドットパターンを読み取り、そのパターンデータをプロセッサ11に供給する。プロセッサ11は、供給されたドットパターンから、専用ペーパー20上でのX/Y座標を算出する。
【0022】
プロセッサ11は、利用者の記述が行われる間に、筆圧の配列データ及びX/Y座標データを取得し、タイムスタンプ(時間情報)と関連付けてメモリ12に記憶していく。よって、メモリ12内には利用者の記述内容に対応するデータが時系列で記憶されていく。メモリ12の容量は例えば1Mバイト程度とすることができる。
【0023】
利用者により送信指示がなされるまでは、取得された全てのデータはメモリ12内に保持される。そして、利用者が送信指示を行うと、Bluetoothトランシーバ13により、電子ペン10と所定距離内にある端末装置25へメモリ12内のデータが送信される。基本的には、一度送信指示がなされると、電子ペン10はメモリ12内に記憶していた全てのデータを端末装置25へ送信するため、メモリ12内はクリアされる。よって、送信後にもう一度同じ情報を端末装置25へ送信したい場合には、利用者は専用ペーパー20上に再度記述を行う必要がある。なお、この場合、利用者は専用ペーパー20上にインクペンで書かれた文字などをなぞればよいことになる。
【0024】
電子ペン10自体は、送信ボタンなどの機能ボタンを備えておらず、送信指示その他の指示は、利用者が専用ペーパー20上の所定位置に設けられた専用ボックスを電子ペン10でチェックすることにより実行される。専用ボックスの位置座標には、予め送信指示が対応付けられており、プロセッサ11は専用ボックスの位置座標を受信すると、Bluetoothトランシーバ13にメモリ12内のデータを供給し、端末装置25への送信を行わせる。なお、電子ペン10はディスプレイやボタンなどを持たないが、データの送信完了を電子ペンの振動により示すことができる。
【0025】
バッテリー14は電子ペン10内の各要素に電源供給するためのものであり、例えば電子ペンのキャップ(図示せず)により電子ペン10自体の電源のオン/オフを行うことができる。
【0026】
このように、電子ペン10は利用者が専用ペーパー20上に記述した文字などに対応する座標データ及び筆圧データを取得して近傍の端末装置25へ送信する機能を有するが、電子ペン10のペン先部17は通常のインクペンとなっているため、専用ペーパー20上に記述した内容はオリジナルの原本として残るという特徴がある。即ち、紙の原本に対して記述するのと同時に、その内容を座標データなどの形態でリアルタイムに電子化することができる。
【0027】
なお、上記の例では、電子ペン10から端末装置25へのデータ送信をBluetoothの無線伝送により行う例を挙げているが、その代わりに例えばケーブルを使用した有線によるデータ伝送や、電子ペン10と端末装置25の一部に設けられた端子などの接触によるデータ伝送など、各種の方法で電子ペン10から端末装置25へのデータ伝送を行うことが可能である。
【0028】
なお、電子ペン10の標準機能によれば、電子ペン10により得られるデータは、原則として座標データ又はベクトルデータの形態であり、テキストデータではない。但し、電子ペン10は標準機能として、専用ペーパー20上に設けられた専用エリアに記述することにより、英数字に限りテキスト化する機能は備えている。なお、端末装置25などにおいて、電子ペン10から送信された座標データやベクトルデータから、文字認識アプリケーションを利用してテキストデータを得ることはもちろん可能である。
【0029】
また、電子ペン10内には、ペン自体及びその所有者に関するプロパティ情報(ペン情報及びペン所有者情報)を保持することができ、アプリケーションから参照することができる。ペン情報としては、バッテリーレベル、ペンID、ペン製造者番号、ペンソフトウェアのバージョン、サブスクリプションプロバイダのIDなどを保持できる。また、ペン所有者情報としては、国籍、言語、タイムゾーン、emailアドレス、空きメモリ容量、名前、住所、ファックス/電話番号、携帯電話番号などを保持することができる。
【0030】
次に、電子ペンにより利用者が記述した内容のX/Yデータを取得する方法について説明する。前述のように専用ペーパー20には、所定のドットパターンが印刷されている。電子ペン10のカメラ16は、利用者が専用ペーパー20上に記述したインクの軌跡を読み取るのではなく、専用ペーパー20上のドットパターンを読み取る。実際、図1に示すように、赤外線LED15による照明領域及びカメラ16の撮影領域(照明領域内に位置する)は、ペン先部17が専用ペーパー20に接触する位置とはずれている。
【0031】
ドットパターンはカーボンを含む専用インキなどで印刷されており、カメラ16はその専用インキによるパターンのみを認識することができる。専用インキ以外のインキ(カーボンを含まない)により、専用ペーパー上に罫線や枠などを印刷しても、電子ペンはそれらを認識することはない。よって、専用ペーパーを利用して各種申請書などの帳票を作成する際は、専用インキ以外のインキで入力枠や罫線、注意書きなどを印刷する。
【0032】
ドットパターンは、図3に例示するように、各ドットの位置がデータに対応付けされている。図3の例では、ドットの位置を格子の基準位置(縦線及び横線の交差点)から上下左右にシフトすることにより、0〜3の2ビット情報を表示した例である。このようにして表現された情報の組み合わせにより、専用ペーパー上の位置座標が決定される。図4(a)に例示するように、縦横2mmの範囲内に36個のドットが格子状に配置され、これらのドットにより示されるデータの配列(図4(b))が、その専用ペーパー上の位置座標と対応付けされている。よって、電子ペン10のカメラ16が図4(a)に示すようなドットパターンを撮影すると、プロセッサ11はカメラ16から入力されるドットパターンのデータに基づいて図4(b)に示すデータ配列を取得し、それに対応する専用ペーパー上の位置座標(即ち、そのドットパターンがその専用ペーパー上のどの位置にあるのか)をリアルタイムで算出する。なお、ドットパターンを認識する最小単位は2mm×2mmであり、カメラ16は毎秒100回程度の撮影を行う。
【0033】
次に、専用ペーパーについて説明する。専用ペーパーの構造の一例を図5に示す。図示のように、専用ペーパー20は、台紙30上にドットパターン32が印刷され、その上に罫線などの図案34が印刷されている。台紙30は通常は紙であり、ドットパターン32は前述のようにカーボンを含んだ専用インキにより印刷される。また、通常のインキなどにより図案34が印刷される。ドットパターンと図案とは同時に印刷してもよいし、いずれかを先に印刷してもよい。
【0034】
図案34の例を図6に示す。図6は、ある申込書36の例であり、複数の記入欄38や送信ボックス39が印刷されている。図6には明確に図示されていないが、実際にはドットパターンが申込書36の全面に印刷されており、その上に記入欄38や送信ボックス39が通常のインキにより印刷されている。利用者は、ドットパターンを意識することなく、従来からある申込書と同様に、電子ペン10を使用して必要事項を申込書36の各記入欄38に記入すればよい。
【0035】
専用ペーパー20上の領域は大きく2種類の領域に分けることができる。1つは記入エリアであり、電子ペン10による記述内容をそのまま情報として取り扱うエリアである。図6の例では複数の記入欄38がこれに該当する。もう1つは機能エレメントであり、対応するエリア内を電子ペン10でチェックした際に、予めそのエリアに対して定義されているアクション、指示などを実行するようになっている。図6の例における送信ボックス39がこれに該当する。
【0036】
送信ボックス39は前述したように電子ペン10内に記憶されているデータを近傍の端末装置25へ送信するための指示を行う際に使用される。利用者が送信ボックス39内に電子ペン10でチェックを入れると、電子ペン10が送信ボックス内のドットパターンを読み取る。当該パターンは送信指示に対応付けられており、電子ペン10内のプロセッサ11はBluetoothトランシーバ13にメモリ12内の記憶データの送信命令を発する。
【0037】
ドットパターンの割り当ては、通常、アプリケーション(用紙の種類)毎に行われる。即ち、ある申込書内のドットパターンは1枚の用紙の中で重複することはないが、同一の申込書には全て同じドットパターンが印刷されている。よって、利用者が電子ペン10で必要事項を入力すると、その入力事項がその申込書のどの項目に対するものであるかを、申込書上の座標データから特定することができる。
【0038】
このように、ドットパターンを印刷した専用ペーパー上に所定の図案を印刷することにより、専用ペーパーを利用した各種申請書が作成できる。利用者は電子ペン10を使用して通常の要領で必要事項を記入すれば、その電子データが自動的に取得される。
【0039】
上記の例では、ドットパターンは専用ペーパー上にカーボンを含むインキにより印刷されているが、プリンタ及びカーボンを含むインクを使用してドットパターンを通常の紙上にプリントすることも可能である。さらに、専用ペーパー上の図案も印刷ではなく、プリンタにより形成することも可能である。ドットパターンをプリンタにより紙上に形成する場合には、1枚1枚に異なるドットパターンを形成することが可能である。よって、形成されたドットパターンの違いにより、それらの用紙1枚1枚を識別し、区別することが可能となる。
【0040】
なお、本明細書においては、「印刷」の語は、通常の印刷のみならず、プリンタによるプリントも含む概念とする。
【0041】
次に、電子ペンにより取得したデータの送信処理について説明する。前述のように、電子ペン10の通信機能はBluetoothによるものであり、専用ペーパー20に入力したデータを取り扱うサービスサーバ(特定の申込書であれば、その申込先のサーバということになる)に対して電子ペン10から直接的にデータを送信することはできない。よって、電子ペン10により取得したデータは、端末装置25からサービスサーバへ送信される。
【0042】
その際の処理を図2を参照して説明する。電子ペン10が取得したデータは、主として利用者が入力した事項のデータであるが、通常はそのデータの送信先であるサービスサーバがどこであるかの情報は含まれていない。その代わりに、その専用ペーパーに関するアプリケーションやサービスを特定する情報が専用ペーパー上のドットパターンに含まれており、利用者の入力作業中に専用ペーパーからその情報が取得されている。よって、電子ペン10から入力データを受け取った端末装置25は、まず、問い合わせサーバ26に対して、その専用ペーパーに対して入力されたデータをどのサービスサーバ27へ送信すべきかの問い合わせを行う。問い合わせサーバ26は、専用ペーパー毎に、対応するサービスサーバの情報を有しており、端末装置25からの問い合わせに応じて、当該専用ペーパーに関するサービスなどを行うサービスサーバ27の情報(URLなど)を端末装置25へ回答する。それから、端末装置25は、電子ペンから取得した入力データをそのサービスサーバ27へ送信することになる。
【0043】
なお、上記の例では端末装置25、問い合わせサーバ26及びサービスサーバ27が別個に構成されているが、これらの幾つか又は全てを1つの装置として構成することも可能である。
【0044】
[計算処理システム]
次に、本発明の実施形態よる計算処理システムについて説明する。
【0045】
図7に、計算処理システムの概略構成を示す。図7において、利用者は専用ペーパーにより作成された計算帳票4に対して、電子ペン10を使用して計算指示を入力する。本例では、計算帳票4は保険料計算書であるとする。入力された計算指示に対応する計算条件データは、電子ペン10から端末装置25を介してサーバ3へ送信される。サーバ3は計算条件データを受信してその計算を実行して計算結果を算出し、端末装置25に送信する。端末装置25は、受信した計算結果を表示部などに表示する。
【0046】
図8はサーバ3の機能構成を示す。図示のように、サーバ3は、変換テーブル3aと、計算機能3bとを備える。変換テーブル3aは、計算帳票4上の各指定エリアと、数値又は演算子との対応を示すテーブルであり、サーバ内の所定の記憶部に記憶される。なお、変換テーブル3aの詳細は後述する。計算機能3bは、端末装置25から送信された計算条件データに従って必要な計算を実行する機能である。計算機能3bは、実際にはサーバ3内に予め記憶されたプログラムをサーバ内のCPUなどが実行することにより実現される。
【0047】
次に、計算帳票の例を説明する。図9に、本実施形態における計算帳票の一例である自動車保険料算出シートを示す。この計算帳票4は、図5に示す台紙30の上にドットパターン32が印刷され、その上に図案34が通常のインキで印刷されてなる。この場合、図案34は、契約条件及び契約内容の記入欄40、並びに計算指示欄50により構成される。
【0048】
契約条件及び契約内容の記入欄40は、各項目毎に設けられた複数のチェック欄41を有する。各チェック欄41にはその中に記載された内容が対応付けされている。例えば、利用者が電子ペン10で「保険種類」の「自家用」のチェック欄41にチェックを記入すると、電子ペン10はそのチェック欄41内のドットパターンを読み取ってその座標データを取得する。各チェック欄41には、そのエリア毎に対応する内容が対応付けられており、その対応付けはサーバ3内に記憶されている。利用者が「自家用」の欄に電子ペン10でチェックを記入すると、その座標データを含む記入データが電子ペン10のメモリ12内に記憶される。
【0049】
また、計算指示欄50は、数値又は演算子に対応する複数のチェック欄(電卓のキーに対応する)51を有する。図10(a)に計算指示欄50の拡大図を示し、図10(b)に計算指示欄50内の各チェック欄51に対するエリアの対応付けを示す。各チェック欄51は、図10(b)に示す#1〜#32のエリアIDが対応付けされている。
【0050】
図11に、変換テーブル3aの例を示す。変換テーブル3aは、図10(b)に示す各エリアIDに対応する数値又は演算子を記憶している。よって、利用者が電子ペン10で各チェック欄51にチェックを入れると、変換テーブル3aを参照することにより、そのチェック欄51に対応する数値又は演算処理を特定することができる。
【0051】
なお、計算指示欄50には、計算結果通知方法欄52が設けられている。計算結果通知方法欄52は、利用者が計算結果を電子メールやFaxなどにより取得したい場合に、その送信先などの情報を記入するために設けられている。
【0052】
図12に、計算帳票4への記入例を示す。図示のように、利用者(保険加入者又は保険外交員など)は、計算帳票4上に電子ペン10で必要事項を記入する。
電子ペン10はインクユニットを有するので、利用者が記入したチェックは計算帳票4上に残る。こうして、利用者は契約条件や契約内容を記入した後、その契約条件や契約内容における保険料の計算シミュレーションを行う。
【0053】
具体的には、利用者は電子ペン10を使用し、計算帳票4に計算指示をする。利用者は通常の電卓を叩くのと同様の要領で、電子ペン10を使用して、計算帳票4上の各チェック欄51に例えばチェックマーク等のマーキングをすることで計算条件を入力する。入力された順序は、前述の電子ペン10の機能により、タイムスタンプ情報として記録されるので、計算指示の演算順序は保証される。
【0054】
利用者がチェックマークを付けるのは、各チェック欄51であるが、電子ペン10はマーキング箇所のドットパターンを読み取り、計算指示欄50内のどのエリアにチェックマークが付けられたかを示すXY座標データ(以下、「エリアデータ」と呼ぶ。)を判定し、内部のメモリ上に記録する。利用者が計算指示を実行するために、送信ボックス55をマーキングすると、電子ペン10のメモリに記録された記入データ(通常は、契約条件及び契約内容に対応する契約条件データと、計算条件データとを含む)と、それに対応したタイムスタンプデータがBluetooth通信により端末装置25に送信される。
【0055】
端末装置25はは、電子ペン10より受け取った記入データをサーバ3へ送信する。サーバ3は、記入データを端末装置25から受信し、計算機能3bにより、計算条件データを変換テーブル3aと照合することで、数値、演算子を取り出す。
【0056】
続いて、計算機能3bは、取り出した値をタイムスタンプ情報に従って入力順に並べることで計算内容を生成し、この計算内容に従い計算を実行する。計算が完了すると、サーバ3は計算結果を端末装置25へ送信し、端末装置25の表示部などに表示させる。図12に示すように、計算指示の内容(電子ペン10による記入内容)は図12に示すように計算帳票4上に残っているので、利用者は自らが行った計算指示に間違いの無いことを帳票上で確認した上で、計算結果を取得することができる。
【0057】
次に、本システムによる処理について説明する。図13はシミュレーション処理のフローチャートである。まず、利用者は電子ペン10で計算帳票4にマーキングすることにより、保険契約条件及び計算指示を入力する。電子ペン10はマーキングされた位置を専用フォーム上のドットパターンから算出し、XY座標データ(エリアデータ)として記録する(ステップS131)。
【0058】
利用者が保険料シミュレーションの実行を指示するために、送信ボックス55をマーキングすると(ステップS132)、電子ペン10はメモリ上に記録された記入データ(保険契約条件データ及び計算条件データを含む)をBluetooth通信機能により端末装置25に送る(ステップS133)。端末装置25は電子ペンから受け取った記入データに自己の端末情報(例えばネットワーク2上の端末アドレスなど)を付加してサーバ3に送信する(ステップS134)。なお、端末情報を付加する理由は、サーバ3に計算結果の送信先情報を提供するためである。
【0059】
サーバ3は、変換テーブル3aを参照して、記入データ中の計算条件データから計算内容を生成する(ステップS135)。次に、サーバ3は生成された計算内容に従い計算処理を行う(ステップS136)。そして、サーバ3は計算結果をステップS134で付加された端末情報に基づいて端末装置25に送信する(ステップS137)。計算結果を受け取った端末装置25は結果を表示部に表示する(ステップS138)。以上により、利用者は、例えば損害保険の契約条件を帳票により確認した上で、保険料等の計算結果を得ることが可能となる。
【0060】
次に、計算結果を利用者が取得する方法について説明する。上述の例では、計算結果を端末装置25に表示するのみとしているが、たとえば、図10に示す結果通知方法欄52のように計算帳票上に選択肢を設けて、選択された通知方法で利用者に結果を通知することも可能である。例えば、利用者がFAXで結果を受け取りたい場合にはFAX番号を入力し、FAX枠をマーキングする。利用者が選択した結果通知方法は計算指示データとともにサーバ3に送られるので、サーバ3は利用者が希望する方法、FAX、メール、web等の方法にて別途、計算結果を利用者に通知することとする。
【0061】
[変形例]
上記の実施形態では、計算帳票4として自動車保険料の算出シートの例を挙げたが、本発明の適用はこれには限られず、損害保険、生命保険、リース、ローン、中古車査定、その他、計算条件を指定することにより計算を行う各種の場合に適用することができる。
【0062】
また、図9に示す計算帳票4の例では、各チェック欄51をほぼ等しい大きさにしているが、特定の数値や演算に対応するチェック欄51を大きくするなど、計算帳票上のチェック欄のサイズや形状を異ならせることも可能である。また、計算の用途に応じて、チェック欄の配列を変更することも可能である。
【0063】
また、上記の例では、保険料の計算に際し、まず契約条件データと計算条件データとを一緒にサーバへ送信しているが、計算条件のみを変更して複数回のシミュレーション(計算)を行う場合には、計算条件データのみを繰り返しサーバへ送信することも可能である。
【0064】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、利用者は計算帳票上にて計算条件を確認した上で、端末装置により計算結果を得ることができる。計算処理自体はサーバ側で実行するので、複雑な計算であっても迅速に計算結果を得ることができる。また、計算処理の内容は計算帳票の図案と、計算処理を行うサーバが備える変換テーブル、および、計算処理プログラムの変更により、多種多様に変更・新規作成することが可能となる。よって、計算帳票の提供者は柔軟にかつ迅速に仕様を変更し、利用者に提供することができる。また、利用者は、計算帳票上に必要事項を電子ペンで記入するだけでよく、複雑な計算方法や専用計算装置の操作方法などを習得する必要がないので、オペレータの訓練などを特に必要とすることなく、正確にシミュレーションを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子ペンの使用形態を模式的に示す図である。
【図2】電子ペンの構造を示す機能ブロック図である
【図3】専用ペーパーに印刷されたドットパターンによる情報の表現方法を説明する図である。
【図4】ドットパターン及びそれに対応する情報の例を示す。
【図5】専用ペーパーにより構成される帳票の構造を示す。
【図6】帳票の例を示す。
【図7】本発明による計算処理システムの概略構成を示す図である。
【図8】図7に示すシステムの機能構成を示す。
【図9】計算帳票の例を示す。
【図10】計算帳票上の計算指示欄の構成を示す。
【図11】変換テーブルの例を示す。
【図12】必要事項の記入後の計算帳票の例を示す。
【図13】本発明の計算処理システムによる処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
2 ネットワーク
3 計算サーバ
4 帳票
10 電子ペン
11 プロセッサ
12 メモリ
13 トランシーバ
14 バッテリー
25 端末装置
Claims (4)
- 電子ペンと、
前記電子ペンにより認識可能に印刷されたドットパターンと、計算条件指示エリアと、計算結果の確認方法を指定する確認方法指定欄とを有する計算帳票と、
利用者が前記電子ペンにより行った前記計算指示エリアの指定を含む計算条件データを受信してサーバ装置へ送信する端末装置と、
計算条件データに基づいて計算を実行するサーバ装置と、を備える計算処理システムにおいて、
前記サーバ装置は、
前記計算帳票上の各計算条件指示エリアに対応する計算内容を記憶したテーブルと、
前記テーブルを参照して、前記計算条件データから計算内容を決定する計算内容決定手段と、
前記計算内容に対応する計算を実行して計算結果を生成する計算手段と、
前記計算結果を前記端末装置へ送信する送信手段と、
前記確認方法指定欄に対して利用者が電子ペンで入力を行うことにより生成される確認要求データを受信して、前記計算結果を当該確認要求データにより指定される方法に対応するとともに前記端末装置とは異なる確認用端末へ送信する確認送信手段と、
を備えることを特徴とする計算処理システム。 - 電子ペンにより認識可能に印刷されたドットパターンと、計算条件指示エリアと、計算結果の確認方法を指定する確認方法指定欄とを有する計算帳票に対して、利用者が前記電子ペンにより行った前記計算指示エリアの指定を含む計算条件データを、端末装置を経由して受信する受信手段と、
前記計算帳票上の各計算条件指示エリアに対応する計算内容を記憶したテーブルと、
前記テーブルを参照して、前記計算条件データから計算内容を決定する計算内容決定手段と、
前記計算内容に対応する計算を実行して計算結果を生成する計算手段と、
前記計算結果を前記端末装置へ送信する送信手段と、
前記確認方法指定欄に対して利用者が電子ペンで入力を行うことにより生成される確認要求データを受信して、前記計算結果を当該確認要求データにより指定される方法に対応するとともに前記端末装置とは異なる確認用端末へ送信する確認送信手段と、
を備えることを特徴とする計算処理システムのサーバ装置。 - 前記計算条件データは、前記計算帳票上の座標データであり、前記計算内容は数値及び演算子を含むことを特徴とする請求項2に記載の計算処理システムのサーバ装置。
- コンピュータ上で実行されることにより、計算帳票を使用した計算を実行する計算処理プログラムであって、前記コンピュータを、
電子ペンにより認識可能に印刷されたドットパターンと計算条件指示エリアと、計算結果の確認方法を指定する確認方法指定欄とを有する計算帳票に対して、利用者が前記電子ペンにより行った前記計算指示エリアの指定を含む計算条件データを、端末装置を経由して受信する受信手段、
前記計算帳票上の各計算条件指示エリアに対応する計算内容を記憶した記憶手段、
前記テーブルを参照して、前記計算条件データから計算内容を決定する計算内容決定手段、
前記計算内容に対応する計算を実行して計算結果を生成する計算手段、
前記計算結果を前記端末装置へ送信する送信手段、
前記確認方法指定欄に対して利用者が電子ペンで入力を行うことにより生成される確認要求データを受信して、前記計算結果を当該確認要求データにより指定される方法に対応するとともに前記端末装置とは異なる確認用端末へ送信する確認送信手段、
として機能させることを特徴とする計算処理プログラム。
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