JP2007177528A - ハニカムパネルおよびそれを用いた長尺パネル構造体並びに構造物用の構造体、大型パネル体、屋根パネル、屋根構造体 - Google Patents

ハニカムパネルおよびそれを用いた長尺パネル構造体並びに構造物用の構造体、大型パネル体、屋根パネル、屋根構造体 Download PDF

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Abstract

【課題】重量の増加を抑えつつスパンを長くすることができ、さらにデザイン性を兼ね備えるハニカムパネルおよびそれを用いた長尺パネル構造体を提供する。
【解決手段】対向する一対の表面板2と、これら表面板2間に介在されるコア材3とを備えるハニカムパネル本体4の少なくとも一面に、ハニカムパネル1の剛性を高めるための補強リブ5を一体的に立設したハニカムパネル1を形成し、このハニカムパネル1をその長手方向に複数連結して、長尺パネル構造体19を形成した。
【選択図】図1

Description

本発明は、対向する一対の表面板と、これら表面板間に介在されるコア材とを備えるハニカムパネルおよびそれを用いた長尺パネル構造体並びに土木構造物用や建築構造物用の構造体、大型パネル体、屋根パネル、屋根構造体に関する。なお、建築構造物用の構造体としては建物のカーテンウォール材等の外装用壁材や外装用壁材を構成する構造体も含む。
従来より、対向する一対の表面板間に有る蜂の巣状のコア材に介在させて表面材とコア材とを接着やろう付け等により一体化するハニカムパネルが知られている。また、近年、対向する一対の表面板間に板材を筒状に形成して構成されるコア材を介在させて、表面板とコア材とを接着やろう付けなどにより一体化するハニカムパネルが開発されている。これらハニカムパネルは、軽量であるとともに、大きい剛性を有するパネルとして注目されている。
このハニカムパネルを利用した一例として、梁材として利用したものがあった(例えば、特許文献1参照)。この梁材は、平板状のハニカムパネルの縁端面に、型材をろう付けにより接合することで、I型、溝型あるいは角型の梁材を形成している。このような構成によれば、溶接作業を行うことなく、容易に梁材を一体的に形成することができる。
特開平6−270306号公報
ところで、ハニカムパネルは、大きい強度を有しており、大面積で利用できることから、近年では、デザイン性を有する材料として注目されている。特に、屋根材や外装材などの建材としては、大きなスパンを得ることができるので、多く利用されている。
オフィスビルや各種商業空間などでは、デザイン上の要請や大空間を形成する要請から、さらなる大スパンを得ることができる建材が求められている。前記のハニカムパネルでは、パネル厚を厚くすれば、スパンを長くすることができるが、その分、嵩が大きくなり製造が困難になるとともに、重量も大きくなってしまうといった問題が発生してしまう。
そこで、本発明は前記の問題を解決するために案出されたものであって、全体のパネル厚を増大させず、重量の増加を抑えつつスパンを長くすることができ、さらにデザイン性を兼ね備えるハニカムパネルおよびそれを用いた長尺パネル構造体並びに土木構造物用や建築構造物用の構造体、大型パネル体、屋根パネル、屋根構造体を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための請求項1に係る発明は、対向する一対の表面板と、これら表面板間に介在されるコア材とを備えるハニカムパネル本体の少なくとも一面に、補強リブを一体的に立設したことを特徴とするハニカムパネルである。
前記構成によれば、補強リブによって、ハニカムパネル本体の効率的な補強が行えるので、ハニカムパネルの重量の増加を抑えつつ、剛性を大きくすることができ、長いスパンを確保することができる。さらに、本発明の構成によれば、ハニカムパネル本体の厚さが厚くならず、補強リブによる直線状のアクセントができるので、見る者に軽快な印象を与えて高いデザイン性を兼ね備えることができる。
請求項2に係る発明は、前記補強リブの取付位置の前記ハニカムパネル本体内には、前記補強リブを受ける下地材が設けられたことを特徴とする請求項1に記載のハニカムパネルである。
前記構成によれば、補強リブと下地材が同じ位置に配置され、表面板とコア材以上の強度で補強されるので、補強リブによる部分的に加わる応力に対しても、ハニカムパネル本体に歪が発生するのを防止することができる。また、補強リブの接合も容易になる。
請求項3に係る発明は、前記下地材には、前記補強リブが挿入されるガイド溝が形成されたことを特徴とする請求項2に記載のハニカムパネルである。
前記構成によれば、補強リブを取り付ける際に、その位置ガイドの役目を果たすとともに、ガイド溝の壁面も補強リブの役目を果たすので、さらにハニカムパネル本体の剛性を高めることができる。
請求項4に係る発明は、前記補強リブの取付位置の表面板には、開口部が形成され、前記補強リブと前記下地材が直接接合されたことを特徴とする請求項2または請求項3に記載のハニカムパネルである。
前記構成によれば、下地材に補強リブを直接接合することができる。このため、補強リブの取付強度も大きくなる。このとき、表面板は、補強リブの短手方向に見て縁が切られるが、短手(幅)方向にかかる力は小さく、逆に多くの力がかかる補強リブの長手方向(スパン方向)には縁は切れないので、問題はない。
請求項5に係る発明は、前記補強リブには、前記ハニカムパネル本体と接合される基部が一体形成され、前記補強リブの前記基部側一端が、前記ハニカムパネル本体の内部に収容されて当該ハニカムパネル本体に接合されたことを特徴とする請求項1に記載のハニカムパネルである。
前記構成によれば、ハニカムパネル本体と補強リブとの接合強度が高く、ハニカムパネルの剛性を高めることができる。
請求項6に係る発明は、前記補強リブは、押出形材によって構成されたことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のハニカムパネルである。
前記構成によれば、補強リブの寸法精度を高めることができ、ハニカムパネル本体への接合強度を高めることができる。また、補強リブを任意の形状に成形することも容易になり、補強リブを中空材としたり、複数の中空部を有する形状としたりすることができ、軽量で強度の大きな形状とすることが可能となる。
請求項7に係る発明は、前記補強リブは、ハニカム構造のパネルによって構成されたことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のハニカムパネルである。
前記構成によれば、補強リブの軽量化が図れ、ハニカムパネルの重量の増加を大幅に抑えることができ、構造設計上の自由度が高まる。
請求項8に係る発明は、前記補強リブは、ろう付けによって前記ハニカムパネル本体に接合されたことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のハニカムパネルである。
前記構成によれば、溶接を行わなくてよいので、溶接により生じるハニカムパネル本体のひずみ等が生じず、品質の均一化が図れるとともに、ハニカムパネル本体の製造に際し、表面板とコア材をろう付けにより接合して製造する場合にあっては、ハニカムパネル本体の製造時に補強リブを取り付けられるので、製造が容易である。
請求項9に係る発明は、前記補強リブは、接着剤によって前記ハニカムパネル本体に接合されたことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のハニカムパネルである。
前記構成によれば、溶接を行わなくてよく、さらに加熱炉なども必要としないため、製造が容易である。このため、必要に応じ補強リブを追加して取り付けることが可能となる。
請求項10に係る発明は、前記補強リブは、ボルトやビスなどの接合手段によって前記ハニカムパネル本体に接合されたことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のハニカムパネルである。
前記構成によれば、溶接を行わなくてよく、さらに加熱炉なども必要としないため、前項の構成よりもさらに製造が容易である。また、解体時の作業も容易となる。
請求項11に係る発明は、前記補強リブは、前記下地材に嵌合されることで前記ハニカムパネル本体に接合されたことを特徴とする請求項4に記載のハニカムパネルである。
前記構成によれば、補強リブをその長手方向からハニカムパネル本体に挿入するだけで、補強リブがハニカムパネル本体に接合されるので、接合作業が非常に容易である。さらに、解体時の作業も容易となる。
請求項12に係る発明は、前記補強リブは、前記下地材の係止部に係止され、前記補強リブと前記ハニカムパネル本体との間に挿入されるくさび部材によって前記係止部に押圧されて前記ハニカムパネル本体に接合されたことを特徴とする請求項4に記載のハニカムパネルである。
前記構成によれば、補強リブをその長手方向からハニカムパネル本体に挿入して、くさび部材で補強リブを押圧するので、補強リブを、ハニカムパネル本体にがたつくことなく接合できる。
請求項13に係る発明は、前記ハニカムパネル本体および前記補強リブは、アルミニウムまたはアルミニウム合金から形成されたことを特徴とする1乃至請求項12のいずれか1項に記載のハニカムパネルである。
前記構成によれば、ハニカムパネル本体および前記補強リブを、アルミニウムまたはアルミニウム合金により形成しているため、軽量であり、既知の押出成形方法を利用することにより、その断面形状を自由に設計することが可能となる。したがって、補強リブにより補強される強度を自由に設定でき、補強リブを利用してハニカムパネルを他の部材に、または他の部材をハニカムパネルに固定するのに必要な断面積を自由に得ることができる。
請求項14に係る発明は、前記ハニカムパネル本体および前記補強リブは、前記補強リブの長手方向に湾曲してアーチ状に形成されたことを特徴とする1乃至請求項13のいずれか1項に記載のハニカムパネルである。
前記構成によれば、ハニカムパネルがアーチ状の構造になるため、さらに強度を増強でき、外観上曲面構造の設計も容易となるので、建築物の屋根など、用途がさらに広がる。
請求項15に係る発明は、前記ハニカムパネル本体は、その短手方向に湾曲してアーチ状に形成されており、前記補強リブは、その長手方向に直線状に形成されたことを特徴とする1乃至請求項13のいずれか1項に記載のハニカムパネルである。
前記構成によれば、請求項14の発明と同様に、ハニカムパネルがアーチ状の構造になるため、さらに強度を増強でき、外観上曲面構造の設計も容易となるので、建築物の屋根など、用途がさらに広がる。
請求項16に係る発明は、請求項1乃至請求項15のいずれか1項に記載の複数のハニカムパネルを、その長手方向に連結したことを特徴とする長尺パネル構造体である。
前記構成によれば、トラックで運搬可能な長さ以上のスパンを有する長尺パネル構造体を提供することができる。
請求項17に係る発明は、前記ハニカムパネル本体同士の連結部分と、前記補強リブ同士の連結部分とが、その長手方向にずれていることを特徴とする請求項16に記載の長尺パネル構造体である。
前記構成によれば、各連結部分を分散することで、応力が一箇所に集中するのを防止することができる。
請求項18に係る発明は、請求項1乃至請求項15のいずれか1項に記載のハニカムパネルより構成されたことを特徴とする構造物用の構造体である。
前記構成によれば、土木構造物用や建築構造物用の構造体としてハニカムパネルを利用することができ、軽量で強度の大きい建築構造物および土木構造物を提供することができる。
請求項19に係る発明は、請求項1乃至請求項15のいずれか1項に記載のハニカムパネルより構成されたことを特徴とする大型パネル体である。
前記構成によれば、パネル構造部分にハニカムパネルを利用することができるので、構造材の軽量化と強度の向上が達成できる。
請求項20に係る発明は、請求項1乃至請求項15のいずれか1項に記載のハニカムパネルより構成されたことを特徴とする建築物の屋根パネルである。
前記構成によれば、ハニカムパネルが構造部材も兼ねるので、屋根の支持梁のスパンを大きくした建築物の屋根パネルとしても利用できる。したがって、大型構造物の設計の自由度が高まるとともに、デザイン性を備えた屋根を提供できる。
請求項21に係る発明は、請求項1乃至請求項15のいずれか1項に記載のハニカムパネルより構成されたことを特徴とする屋根構造体である。
前記構成によれば、建築物の屋根の屋根構造体や、建物間の連絡通路などのシェルターの屋根構造体として、軽量で構造強度が大きいハニカムパネルを利用できるので、屋根の支持支柱などの支持物を少なくすることが可能になるので、設計上の自由度が高くなり、広い空間を提供することができる。
本発明によれば、重量の増加を抑えつつスパンを長くすることができるとともに、デザイン性を兼ね備えたハニカムパネルおよびそれを用いた長尺パネル構造体並びに構造物用の構造体、大型パネル体、屋根パネル、屋根構造体を提供することができるといった優れた効果を発揮する。
本発明に係るハニカムパネルを実施するための最良の形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、本実施の形態に係るハニカムパネルの構成を説明する。
図1は本発明に係るハニカムパネルおよび長尺パネル構造体を実施するための最良の形態を示した斜視図、図2はハニカムパネル本体と補強リブとの接合構造を示した図であって、図1のII−II線断面図、図3(a)は長手方向に隣接するハニカムパネル本体同士の接合構造を示した図であって、図1のIII−III線断面図、図3(b)は長手方向に隣接する補強リブ同士の接合構造を示した図であって、図3(a)のIIIb−IIIb線断面図、図4は幅方向に隣接するハニカムパネル本体同士の接合構造を示した断面図である。なお、本実施の形態においては、水平方向に広がって形成されたハニカムパネル本体の上面に補強リブが接合された例を挙げて説明するが、利用に際して、補強リブを上方に向けて使用するか下方に向けて使用するかは、その用途に応じて適宜決められる。また、補強リブを上下両面に設けることも必要に応じて可能である。
図1および図2に示すように、本発明に係るハニカムパネル1は、対向する一対の表面板2,2と、これら表面板2,2間に介在されるコア材3とを備えるハニカムパネル本体4の少なくとも一面(本実施の形態では上面)に、補強リブ5を一体的に立設したことを特徴とする。
表面板2は、必要な強度を有する金属プレートにて構成されており、屋外に用いられる場合など必要に応じて、耐食性および耐候性を有する材料を用いている。具体的には、アルミニウム製またはアルミニウム合金製のプレートや、チタン製或いはステンレス製のプレートが用いられている。金属プレートの表面には、陽極酸化皮膜処理やフッ素樹脂塗装処理が施されており、耐食性および耐候性が高められている。
コア材3は、例えばアルミニウム板またはアルミニウム合金板を円筒状に丸めて構成されており、フレーム状に組まれた枠材6の内部に複数並べられ、ろう付けなどにより上下の表面板2,2と一体的に接合されている。なお、コア材は、前記構成に限られるものではなく、例えば、複数のアルミニウム製薄板を間欠的に接着圧着して積層体を形成し、この積層体を厚さ方向に展張することで形成した蜂の巣状のものであってもよい。また、コア材は、アルミニウム製に限られるものではなく、ステンレスやチタンなどの他の素材であってもよい。
補強リブ5は、ハニカムパネル本体4の一面に、その長手方向に沿って延びて形成されている。図2に示すように、本実施の形態では、補強リブ5もハニカムパネル本体4と同様のハニカム構造のパネル7(以下「ハニカム構造パネル」という)によって構成されている。ハニカム構造パネル7は、その外周部に配置された、例えばアルミニウム製の押出形材からなる枠材7aと、これら枠材7a内に設けられたコア材7bと、枠材7aおよびコア材7bの両面(補強リブ5の厚さ方向の両面)に接合された一対の表面板7cとで構成されている。
補強リブ5の取付位置のハニカムパネル本体4内には、補強リブ5を受ける下地材8が設けられている。下地材8は、例えばアルミニウム製の押出形材によって構成されており、ハニカムパネル本体4の長手方向に延びて形成されている。下地材8は、補強リブ5の厚さ寸法よりも大きい幅寸法を有しており、その幅方向中央部に、補強リブ5が挿入されるガイド溝8aが形成されている。下地材8は、ガイド溝8aが位置する中央ブロック8bと、その両サイドに位置する一対の側部ブロック8c,8cとからなる3つのブロックで構成されている。
補強リブ5の取付位置のハニカムパネル本体4の表面板2には、開口部2aが形成されている。開口部2aは補強リブ5の厚さ寸法と同等の幅寸法を有しており、補強リブ5の基端部7dが、開口部2aを挿通して、ガイド溝8a内に挿入されるようになっている。ガイド溝8aの底面と補強リブ5との間には、シート状のろう材9が設けられており、補強リブ5と下地材8とは、ろう付けにより直接接合されている。かかる補強リブ5と下地材8とのろう付けは、表面板2,2とコア材3と下地材8のろう付けと同時に一体加工処理されている。
長手方向に隣接するハニカムパネル1,1同士の接合部分11(図1参照)は、図3(a)に示すような構成となっている。図3(a)に示すように、互いに対向する枠材6の端面には、他方のハニカムパネル1側へと延出するフランジ6aがそれぞれ形成されている。フランジ6aの先端面同士は互いに当接している。各フランジ6a,6aの上下には、各フランジ6a,6aの先端部近傍を挟むように一対の取付プレート12,12が設けられている。各フランジ6a,6aは、枠材6に一体に形成されており、ハニカムパネル1の幅方向(短手方向)全長に亘って形成されている。取付プレート12,12は、ハニカムパネル1の幅方向全長に亘って形成してもよいが、本実施の形態では、ハニカムパネル1の幅方向に所定の間隔をあけて間欠的に設けられている。フランジ6a,6aの板厚などの寸法および取付プレート12,12の板厚や取付ピッチは、スパンや風力係数などの各種条件に応じて適宜決定される。各フランジ6a,6aおよび取付プレート12,12には、ボルト孔13がそれぞれ形成されており、ボルト孔13にボルト14を挿通させてナット15で締め付けることによって、ハニカムパネル1,1同士が接合されている。ボルト14は、ハニカムパネル本体4のパネル厚より短いものが用いられている。なお、フランジ6aを枠材6と一体に押出成形しない場合は、フランジ6aは、パネルの幅方向に所定の間隔をあけて枠材6に間欠的に設ければよい。
フランジ6a、取付プレート12、ボルト14およびナット15からなる接合部分の上方および下方には、この接合部分を隠す化粧プレート16が設けられている。化粧プレート16は、断面U字状プレート16aの両端に、その幅方向外側に広がる鍔部16bが形成されて構成されており、鍔部16bが枠材6の端面に設けられた取付アングル17にビス(図示せず)などの接合手段によって接合されている。断面U字状プレート16aと枠材6との隙間にはシーリング材18が充填されている。鍔部16bは、シーリング材18の受け材の役目を果たす。
図3(b)に示すように、補強リブ5同士の長手方向連結部も、ハニカムパネル1同士の連結部と同様に、その小口端部に枠材6を設けておき、枠材6に形成したフランジ6aと、取付プレート12、12とボルト14、ナット15とにより連結されている。また、補強リブ5間の隙間には、化粧プレート16が取り付けられ、シーリング材18が施されている。なお、図示しないが補強リブ5を押出形材により形成した場合は、適宜ジョイントスリーブなどの公知の手段を利用してボルトナットや溶接等で連結される。
以上のように、長手方向に隣接するハニカムパネル1,1同士は、取付プレート12,12とボルト14およびナット15を介して、強固に連結されるので、長手方向に構造的に一体な長尺パネル構造体19(図1参照)が構成される。一枚のハニカムパネル1のスパンは、トラックでの運搬可能な長さ(例えば9m)に限定される。建築現場で長手方向に接合することで、運搬可能長さより長いスパンの長尺パネル構造体19を提供できる。なお、図1における長尺パネル構造体19は、二つのハニカムパネル1,1を連結して構成されているが、ハニカムパネル1の枚数は、これに限られるものではなく、ハニカムパネル本体4や補強リブ5の厚さを厚くしたり、補強リブ5の設置数を増やしたり、補強リブ5の高さを高くしたりすれば、さらに多数のハニカムパネル1を連結することができ、さらなる長尺化が可能となる。
なお、本実施の形態では、長手方向に隣接するハニカムパネル1,1同士の接合部分11は、ハニカムパネル1が降伏する前に破断しない程度の強度を有する構造となっていればよい。
図4(a)および(b)に示すように、幅方向に隣接するハニカムパネル1,1同士の接続部分21a、21bは、湿式タイプと乾式タイプの2種類がある。枠材6の形状は、湿式タイプ、乾式タイプの両方とも同じであり、互いに対向する枠材6の端面には、他方のハニカムパネル1側へと延出する断面L字状の係止部6bが上下方向に所定間隔をあけて4箇所ずつ、それぞれ形成されている。
図4(a)に示すように、湿式タイプの接続部分21aは、上から2番目の係止部6b間に、シーリング受け材22が架け渡されて設けられており、シーリング受け材22上にバックアップ材23を介してシーリング材24が充填されている。1番下の係止部6b間には、目地材25が架け渡されて設けられており、枠材6の係止部6b間の隙間を塞ぐようになっている。
図4(b)に示すように、乾式タイプの接続部分21bは、1番上の係止部6b間にシリコーンゴム製のガスケット26が嵌め込まれている。ガスケット26と係止部6bとの間には、シーリング材27が充填されている。1番下の係止部6b間には、湿式タイプと同様に、目地材25が架け渡されて設けられており、枠材6の係止部6b間の隙間を塞ぐようになっている。
以上のように、幅方向に隣接するハニカムパネル1,1同士は、構造的には接続されておらず、接続部分21a,21bで雨水などの通過を防止できればよい。そして、接続部分21a,21bは、ハニカムパネル1,1間の変形量の誤差によるズレを吸収できる程度の柔軟性を有している。
次に、前記構成によるハニカムパネル1の作用効果を説明する。
かかるハニカムパネル1によれば、補強リブ5によって、ハニカムパネル本体4の効率的な補強が行えるので、ハニカムパネル本体4のパネル厚を厚くしなくても剛性を大きくすることができる。したがって、ハニカムパネル1全体での重量の増加を抑えつつ、剛性を大きくすることができ、長いスパンを確保することができる。さらに、本発明の構成によれば、補強リブ5を、屋根の下側や外壁側などの、利用者から見える側に形成すれば、直線状のアクセントとすることができるので、見る者にシャープな印象を与えて高いデザイン性を兼ね備えるハニカムパネル1を提供することができる。
本実施の形態では、補強リブ5をハニカム構造パネル7(図2参照)によって構成したことによって、補強リブ5の軽量化が図れ、ハニカムパネル1全体の重量の増加を大幅に抑えることができ、構造設計上の自由度が高まる。
また、補強リブ5の取付位置のハニカムパネル本体4内に、補強リブ5を受ける下地材8を設けたことによって、補強リブ5が表面板2やコア材3よりも強度の大きい下地材8に保持され、表面板2とコア材3以上の強度で補強される。したがって、補強リブ5による部分的に加わる応力に対しても、下地材8で確実に対抗することができるので、ハニカムパネル本体4に歪が発生するのを防止することができる。
下地材8に、補強リブ5が挿入されるガイド溝8aが形成されているので、補強リブ5を取り付ける際に、ガイド溝8aが位置ガイドの役目を果たすとともに、ガイド溝8aの壁面が補強リブ5に沿ってさらなる補強リブの役目を果たすので、ハニカムパネル本体4の剛性をさらに高めることができる。
また、下地材8は、ハニカムパネル本体4内にろう付けにより一体的に接合されているので、ハニカムパネル本体4の剛性も高めることができる。この場合、下地材の側部ブロック8cの表面8d(図2参照)と表面板2も、ろう付けにより一体的に接合されている。さらに、下地材8は、ガイド溝8aが形成される部分を中央ブロック8bと、その両サイドに位置する一対の側部ブロック8c,8cとの3つのブロックで構成されているので、剛性が非常に高い。
補強リブ5の取付位置の表面板2に、開口部2aを形成したことによって、補強リブ5を下地材8に直接接合することができる。このため、補強リブ5の下地材8への取付強度が大きくなり、ハニカムパネル1全体の強度が大きくなる。このとき、ハニカムパネル本体4の表面板2は、補強リブ5の短手方向に見て縁が切られることとなるが、下地材8の側部ブロック8cの表面8dと表面板2とが、ろう付けされているとともに、短手(幅)方向にかかる力は小さく、逆に多くの力がかかる補強リブの長手方向(スパン方向)には縁は切れないので、問題はない。
補強リブ5は、ろう付けによってハニカムパネル本体4に接合されているので、溶接作業を行わなくてよく、ハニカムパネル1の接合品質の均一化が図れる。さらに、ハニカムパネル本体の製造に際し、表面板とコア材をろう付けにより接合して製造する場合にあっては、ハニカムパネル本体4の製造時に補強リブ5を一体的に取り付けることができるので、ハニカムパネル1全体を一括で接合でき、作業工程が少なく製造が容易である。
なお、本実施の形態では、ハニカムパネル本体4の枠材6とコア材3、表面板2および補強リブ5などをろう付けにより接合して組み立てたが、これらを接着剤により接合して組み立ててもよい。
次に、ハニカムパネル1と従来型の補強リブが設けられていないハニカムパネルとの強度計算を行った結果を比較する。ここで、比較するパネルの仕様は、本発明に係るハニカムパネル1は、スパンs(以下、仕様の寸法の符号は図1参照)が18.00(m)、ハニカムパネル本体4の幅wが2.00(m)、パネル厚t1が150.0(mm)、表面板2の板厚が2.0(mm)、補強リブ5の枚数(列数)が2枚、補強リブ5の高さ(ハニカムパネル本体4は含まず)hが0.75(m)、パネル厚t2が100(mm)、表面板7cの板厚が2.0(mm)である。従来型のハニカムパネルは、スパンが18.00(m)、幅が2.00(m)、パネル厚が150.0(mm)、表面板2の板厚が2.0(mm)であり、本発明に係るハニカムパネル1のハニカムパネル本体4と同等である。また、両者ともに長手方向に接続部のない一体で連続したものとして計算し、双方とも枠材6の材質、表面板2の材質、コア材3の形状・材質ともに同じものとして計算した。
これらの条件を基に、長期時の自重による変形(たわみ)を計算すると、本発明に係るハニカムパネル1は、変形量が5.9(mm)であるのに対して、従来型のハニカムパネルの変形量は、600(mm)程度となる。すなわち、補強リブ5を設けたことによって、スパンが18.00(m)の場合の長期時変形量を100分の1程度まで低減することができ、ハニカムパネル1を連結してなる長尺パネル構造体19を、建築物などの構造体として利用することができる。また、従来型のハニカムパネルでは、構造体として利用できるスパンは6(m)程度であったので、従来型の略3倍の長いスパンの長尺パネル構造体19を提供することができる。
ところで、ハニカムパネル1の形状は、前記構成に限られるものではなく、補強リブ5の枚数を増やしたり、高さを高くしたりすれば、さらに長いスパンの長尺パネル構造体19を提供することもできる。
図5はハニカムパネル本体と補強リブとの他の接合構造を示した断面図である。
ここでは、補強リブ5が押出形材10によって構成されている。補強リブ5の一端には、ハニカムパネル本体4内に収容される基部31が一体形成されている。補強リブ5は、中空の断面T字状に形成されており、基部31がハニカムパネル本体4の上下の表面板2,2に挟まれて、ろう付けにより接合されている。ハニカムパネル本体4の上側の表面板2には、開口部2aが形成されており、補強リブ5が開口部2aに挿通されている。
このように、補強リブ5を押出形材10で構成しているので、その寸法精度を高めることができる。したがって、補強リブ5の、ハニカムパネル本体4との当接部を平坦に形成できるので、ハニカムパネル本体4と補強リブ5との接合強度を高めることができる。また、補強リブ5を任意の形状に成形することも容易になり、補強リブ5を、中空材としたり、図5に示した形状のように、複数の中空部を有する形状としたりすることができ、軽量で強度の大きな補強リブ5を形成することができる。
また、補強リブ5に、ハニカムパネル本体4と接合される基部31が一体形成しているので、ハニカムパネル本体4と補強リブ5との接合強度が高く、ハニカムパネル1の強度を高めることができる。
図6はハニカムパネル本体と補強リブとのさらに他の接合構造を示した断面図である。
ここでは、補強リブ5が押出形材10で形成されており、ハニカムパネル本体4の表面板2に溶接により接合されている。補強リブ5の、ハニカムパネル本体4側端部の角部には、面取部32が形成されており、溶接用開先が確保されている。補強リブ5の取付位置の、ハニカムパネル本体4内には、押出形材による下地材8が設けられている。下地材8は、表面板2の内面に当接して設けられている。
前記構成によれば、補強リブ5の寸法精度を高めることができるとともに、ろう付けをしないため加熱炉などを必要とせず、製造が容易である。また、ハニカムパネル本体4内に、下地材8を設けているので、溶接時の熱を下地材8に逃がして分散させることができ、表面板2の歪を防止することができる。
図7はハニカムパネル本体と補強リブとのさらに他の接合構造を示した断面図である。
ここでは、補強リブ5は、ハニカム構造パネル7にて構成されている。ハニカム構造パネル7は、その外周部に配置された、例えばアルミニウム製の押出形材からなる枠材7aと、これら枠材7a内に設けられたコア材7bと、枠材7aとコア材7bの両面に接合された一対の表面板7cとで構成されている。下側の枠材7aの下面には、位置合せ用フラットバー33が挿入されるガイド溝部34が複数形成されている。補強リブ5の、ハニカムパネル本体4側端部の角部には、面取部32が形成されている。
ハニカムパネル本体4の表面板2には、開口部2aが形成されている。ハニカムパネル本体4の内部には、下地材8が設けられている。下地材8は、補強リブ5との接合部35が上方に突出して形成されており、接合部35が開口部2aを挿通している。接合部35の上面には、位置合せ用フラットバー33が挿入されるガイド溝部36が複数形成されている。接合部35の上面の角部には、面取部32が形成されており、補強リブ5の面取部32と合わさって、溶接のための開先が確保されている。
前記構成によれば、補強リブ5がハニカム構造パネル7にて構成されているので、補強リブ5の軽量化が図れる。また、前記構成では、補強リブ5を溶接により固定するために、ハニカムパネル本体4の製造に際して、補強リブ5を同時に取り付ける必要はなく、別途取り付けることが可能である。このため、後述するように、長手方向にハニカムパネル1を連結しようとする場合に、ハニカムパネル1の連結部と補強リブ5の連結部とを長手方向にずらすことも可能となる。また、ハニカムパネル本体4内に、下地材8を設けているので、溶接時の熱を下地材8に逃がして分散させることができ、表面板2の歪を防止することができる。さらに、位置合せ用フラットバー33を介して、補強リブ5と下地材8とを取り付けているので、位置合せを容易に且つ確実に行うことができる。
図8はハニカムパネル本体と補強リブとのさらに他の接合構造を示した断面図である。
ここでは、補強リブ5が中空の押出形材10で形成されており、ハニカムパネル本体4の表面板2にろう付けにより接合されている。補強リブ5とハニカムパネル本体4との間には、シート状のろう材9が設けられており、補強リブ5と表面板2とは、ろう付けにより直接接合されている。補強リブ5の接合位置のハニカムパネル本体4の内部には、下地材8が設けられている。かかる補強リブ5と表面板2とのろう付けは、ハニカムパネル本体4の表面板2,2とコア材3と下地材8のろう付けと同時に一体加工処理されている。
前記構成によれば、補強リブ5の寸法精度を高めることができるとともに、溶接を行わないため、接合部分の品質の均一化が図れる。また、補強リブ5とハニカムパネル本体4との接合を、ハニカムパネル本体4の製造時に行うことができるので、ハニカムパネル1全体を一括で接合でき、作業工程が少なく製造が容易である。
図9はハニカムパネル本体と補強リブとのさらに他の接合構造を示した断面図である。
図9(a)では、補強リブ5は、中空の押出形材10で形成されており、その下面には、凹凸部37が形成されている。補強リブ5の上面は断面円弧状に形成されており、外観のデザイン性を高めている。一方、補強リブ5との接続部分のハニカムパネル本体4の表面板2には、開口部2aが形成されている。また、補強リブ5との接合部分のハニカムパネル本体4内には、下地材8が設けられている。下地材8の上面には、補強リブ5の凹凸部37と噛み合う形状の凹凸部38が形成されている。補強リブ5の凹凸部37は、開口部2aを挿通して、下地材8の凹凸部38に噛み合っている。補強リブ5の凹凸部37と下地材8の凹凸部38とは、接着剤39によって接合されている。
図9(b)では、補強リブ5は、ハニカム構造パネル7にて構成されている。ハニカム構造パネル7は、その外周部に配置された、例えばアルミニウム製の押出形材からなる枠材7aと、これら枠材7a内に設けられたコア材7bと、枠材7aとコア材7bの両面に接合された一対の表面板7cとで構成されている。下側の枠材7aの下面には、凹凸部37が形成されている。一方、補強リブ5との接続部分のハニカムパネル本体4の表面板2には、開口部2aが形成されている。また、補強リブ5との接合部分のハニカムパネル本体4内には、下地材8が設けられている。下地材8の上面には、補強リブ5の凹凸部37と噛み合う形状の凹凸部38が形成されている。下地材8の凹凸部38は、上方に突出して形成されており、開口部2aを挿通して上方に突出している。補強リブ5の凹凸部37は、下地材8の凹凸部38に噛み合っている。補強リブ5の凹凸部37と下地材8の凹凸部38とは、接着剤39によって接合されている。
前記構成によれば、補強リブ5と下地材8とは、接着剤39を介して接合されているので、溶接作業を行わなくてよく、さらに、ろう付け用の加熱炉なども必要としないので、製造が容易である。さらに、接着剤39を用いれば、建築現場において必要に応じて補強リブ5を追加して設けることができる。また、図9(a)および(b)においては、補強リブ5の凹凸部37と下地材8の凹凸部38とが互いに噛み合うように構成されているので、位置合せを容易に行えるとともに、接合後の位置ズレを防止し、接着強度を高めている。
図10はハニカムパネル本体と補強リブとのさらに他の接合構造を示した断面図である。
図10(a)では、補強リブ5が中空の押出形材10で構成されており、ハニカムパネル本体4にボルト41(図10(a)では六角穴付ボルト)およびナット43によって接合されている。補強リブ5の上面には、その内部にボルト41を挿入して、ボルト41を回転させる工具(図示せず)を挿通させるための、作業孔44が形成されている。一方、補強リブ5との接合部分のハニカムパネル本体4内には、下地材8が設けられている。補強リブ5の下面と、ハニカムパネル本体4の表面板2と、下地材8の上面とには、ボルト41の挿通孔45a,45b,45cがそれぞれ形成されている。挿通孔45cが位置する下地材8の内側には、複数のナット43が溶接された座金45zが、これらナット43の位置が挿通孔45a,45b,45cと一致するように配設されている。複数のナット43は、補強リブ5の取付時に、上部から挿入されたボルト41と螺合することで、補強リブ5とハニカムパネル本体4とを接合するようになっている。ボルト41およびナット43は、必要な設計強度に応じて、ハニカムパネル1の長手方向に沿って所定の間隔をあけて複数設けられている。補強リブ5の上部には、作業孔44を覆って隠す化粧プレート46が嵌合されて固定されている。化粧プレート46も押出形材によって構成されている。なお、上記座金45zは概ねハニカムパネル1の長手方向全長に亘る長さがある。
図10(b)では、補強リブ5が断面I字状の押出形材10で構成されており、ハニカムパネル本体4に頭部が長方形の四角ボルト41aおよびナット43によって接合されている。四角ボルト41aおよびナット43は、補強リブ5の下面のフランジ部47の両側にそれぞれ設けられ、接合強度を高めている。一方、補強リブ5との接合部分のハニカムパネル本体4内には、下地材8が設けられている。補強リブ5の下面には、四角ボルト41aの挿通孔45aが形成されている。ハニカムパネル本体4の表面板2には、四角ボルト41aの挿通孔45bが形成されている。下地材8の上面には、四角ボルト41aの挿通用の開口部45eが形成されている。下地材8には、その上面の二列の上向きに狭い開口部45eを有する断面コ字状のボルト受け溝45dが形成されている。開口部45eは、ボルト受け溝45dの幅よりも狭く形成されるとともに、長方形のボルト頭部の短辺が通過でき、ボルト頭部の長辺が通過できない寸法に構成されている。またボルト受け溝45は、その幅が四角ボルト41aの頭部の対角寸法よりも小さく形成されており、四角ボルト41aの頭部が回転しないように構成されている。ハニカムパネル本体4は、四角ボルト41aの軸部が開口部45eおよび挿通孔45bを挿通して、上方に突出するように固定された状態で、組み立てられ形成される。この上方に突出する四角ボルト41aの軸部に、補強リブ5の下面のフランジ部47の挿通孔45aを上方から嵌め込み、上方に突出した四角ボルト41aの軸部にナット43を螺合させることで、補強リブ5とハニカムパネル本体4とを接合するようになっている。補強リブ5の上下のフランジ部47の側面には、補強リブ5の内部を隠す化粧プレート48が嵌合されてそれぞれ固定されている。化粧プレート48も押出形材によって構成されている。なお、開口部45eを前記のようにボルト頭部の短辺が通過できる幅に形成しておくことにより、挿通孔45bを、四角ボルト41aのボルト頭部が通過し、開口部45eからボルト受け溝45dにボルト頭部が挿入できるような長方形の長孔形状(図10(c)および(d)中、一点鎖線にて示す)とすれば、補強リブ5の固定に際してボルトを表面板側(図10(b)の上側)よりセットすることが出来る。すなわち、四角ボルト41aのボルト受け溝45dへの挿入・係止は、以下のように行う。まず、図10(c)に示すように、四角ボルト41aのボルト頭部の長辺方向と、挿通孔45bと開口部45eの長手方向とを合わせた状態で、四角ボルト41aのボルト頭部を、挿通孔45bおよび開口部45eから、ボルト受け溝45dへ挿入する。その後、図10(d)に示すように、四角ボルト41aを回転させて、そのボルト頭部を開口部45eの側部の延出部45fの下面へと係止させる。このようにすれば、四角ボルト41aを、その係止位置の上部から挿入して係止することができる。なお、ハニカムパネル4の製造時にボルトをセットすることが出来る場合は、下地材8の端部側よりボルト頭部を挿入することができるので、ボルト頭部が開口部45eより抜けない寸法であれば自由な形状のボルト頭部とすることが出来る。
前記構成によれば、補強リブ5とハニカムパネル本体4とは、四角ボルト41aおよびナット43を介して接合されているので、溶接作業を行わなくてよく、さらに、ろう付け用の加熱炉なども必要としないので、製造が容易である。さらに、四角ボルト41aおよびナット43を用いれば、解体時の作業が容易となる。また、図10(a)および(b)では、化粧プレート46,48を設けて、補強リブ5の内部を隠しているので、四角ボルト41aやナット43が露出せず、デザイン性を高めることができる。
図11はハニカムパネル本体と補強リブとのさらに他の接合構造を示した断面図である。
図11に示すように、補強リブ5は、ハニカム構造パネル7にて構成されている。ハニカム構造パネル7は、その外周部に配置された、例えばアルミニウム製の押出形材からなる枠材7aと、これら枠材7a内に設けられたコア材7bと、枠材7aとコア材7bの両面に接合された一対の表面板7cとで構成されている。下側の枠材7aの下面には、下方に延びるフランジ51が形成されている。一方、補強リブ5との接合部分のハニカムパネル本体4内には、下地材8が設けられており、下地材8の上面には、上方に延びるフランジ52が形成されている。フランジ52は、表面板2に形成されたフランジ用開口部2bを挿通して上方に突出している。補強リブ5のフランジ51と下地材8のフランジ52とは、その先端同士が互いに当接している。各フランジ51,52の先端部近傍を挟むように、一対の取付プレート53,53が設けられている。各フランジ51,52は、補強リブ5の長手方向に沿って連続して、または所定間隔をあけて設けられている。取付プレート53,53は、補強リブ5の長手方向に所定の間隔をあけて間欠的に設けられている。フランジ51,52および取付プレート53,53の板厚や取付ピッチは、スパンや風力係数などの各種条件に応じて適宜決定される。各フランジ51,52および取付プレート53,53には、ボルト孔54がそれぞれ形成されており、ボルト孔54にボルト41を挿通させてナット43で締め付けることによって、補強リブ5とハニカムパネル本体4とが接合されている。ボルト41は、補強リブ5の厚さ寸法より短いものが用いられている。
フランジ51,52、取付プレート53、ボルト41およびナット43からなる接合部分の両側には、この接合部分を隠す化粧プレート55が設けられている。化粧プレート55は、断面U字状プレート55aの両端に、その幅方向外側に広がる鍔部55bが形成されて構成されており、鍔部55bが、枠材7aの下面および表面板2の上面に設けられた取付アングル56にビス(図示せず)などの接合手段によって接合されている。断面U字状プレート55aと枠材7aとの隙間、および断面U字状プレート55aと表面板2との隙間には、シール材57が充填されている。鍔部55bは、シール材57の受け材の役目を果たす。
前記構成によれば、図10の接合構造と同様の作用効果を得ることができる。
図12はハニカムパネル本体と補強リブとのさらに他の接合構造を示した断面図である。
図12では、補強リブ5は、ハニカム構造パネル7にて構成されている。ハニカム構造パネル7は、その外周部に配置された、例えばアルミニウム製の押出形材からなる枠材7aと、これら枠材7a内に設けられたコア材7bと、枠材7aとコア材7bの両面に接合された一対の表面板7cとで構成されている。下側の枠材7aの下面には、下方に延びる一対のフランジ58,58が形成されている。一方、補強リブ5との接合部分のハニカムパネル本体4内には、下地材8が設けられており、下地材8の上面には、上方に延びる一対のフランジ59,59が形成されている。フランジ59,59は、表面板2に形成されたフランジ用開口部2bを挿通して上方に突出している。補強リブ5のフランジ58,58と下地材8のフランジ59,59とは、その側面同士が互いに当接している。各フランジ58,58,59,59には、互いに相当する位置に貫通孔とめねじよりなるビス用孔61が形成されており、ビス用孔61にビス62を螺合させることで、補強リブ5とハニカムパネル本体4とが接合されている。なお、フランジ58,59の板厚やビス62の取付ピッチやサイズは、スパンや風力係数などの各種条件に応じて適宜決定される。ビス62の外側の、補強リブ5と表面板との隙間には、シーリング材63が充填され、ビス62を隠している。
前記構成によれば、図10の接合構造と同様の作用効果を得ることができる他に、ビス62のサイズが、ボルト41と比較して小さいので、ビス62の取付部分の隙間を小さくすることができ、化粧プレートなどを設ける必要がなく、シーリング材63のみで、ビス62を隠すことができる。したがって、施工が容易となる。
図13はハニカムパネル本体と補強リブとのさらに他の接合構造を示した断面図である。
図13では、補強リブ5が中空の押出形材10で構成されており、ハニカムパネル本体4にビス62によって接合されている。補強リブ5の下面両端には、斜め下方に広がるフランジ64,64がそれぞれ形成されている。フランジ64,64には、それぞれビス用貫通孔68aが形成されている。補強リブ5の上面には、デザイン用溝部65が形成されており、補強リブ5を細くシャープに見せるようにしている。一方、補強リブ5との接合部分のハニカムパネル本体4内には、下地材8が設けられている。下地材8の上面には、上方に突出する凸部67が形成されている。凸部67の上面は、補強リブ5の下面とフランジ64,64の下面に沿って当接する形状となっている。凸部67には、フランジ64のビス用貫通孔68aに相当する部分に同形状のビス用めねじ孔68bが形成されている。凸部67は、表面板2に形成された開口部2aを挿通して上方に突出している。フランジ64,64の外側からビス62をビス用貫通孔68aに挿通して、ビス用めねじ孔68bに螺合させることで、補強リブ5とハニカムパネル本体4とが接合されている。なお、フランジ64の板厚やビス62の取付ピッチやサイズは、スパンや風力係数などの各種条件に応じて適宜決定される。図13では、ビス62は露出されている。
前記構成によれば、図10の接合構造と同様の作用効果を得ることができる他に、ビス62のサイズが、ボルト41と比較して小さいので、ビス62を露出させても、目立たず、化粧プレートなどを設ける必要がなく、施工が容易となる。特に、屋根材などとして利用する場合には、見る者からの距離が遠く、ビス62は目立たない。
図14はハニカムパネル本体と補強リブとのさらに他の接合構造を示した断面図である。
図14では、補強リブ5が断面I型で中空の押出形材10で構成されており、ハニカムパネル本体4にボルト41(図14では六角穴付ボルト)およびナット43によって接合されている。一方、補強リブ5との接合部分のハニカムパネル本体4内には、下地材8が設けられている。下地材8の上面には、補強リブ5の下部を収容するとともに、その位置決めを行うための溝部71が形成されている。補強リブ5の下面のフランジ72は、溝部71の底面に当接する。フランジ72と溝部71の底面には、一対のボルト41の挿通孔73a,73bがそれぞれ形成されている。挿通孔73bが位置する下地材8の内側には、必要数のナット43が一体的に溶接された長尺の座金45zが配設されており、補強リブ5の取付時に、上部から挿通されたボルト41と螺合することで、補強リブ5とハニカムパネル本体4とを接合するようになっている。ボルト41およびナット43は、必要な設計強度に応じて、ハニカムパネル1の長手方向に沿って所定の間隔をあけて複数設けられている。ボルト41の上方には、ボルト41を隠す化粧プレート74,74がそれぞれ設けられている。化粧プレート74,74は、表面板2と面一に設けられており、化粧プレート74と表面板2との隙間、および化粧プレート74と補強リブ5との隙間には、シーリング材75がそれぞれ設けられている。
前記構成によれば、図10の接合構造と同様の作用効果を得ることができる。
図15はハニカムパネル本体と補強リブとのさらに他の接合構造を示した断面図である。
図15では、補強リブ5が中空の押出形材10で構成されており、上方に向かうに連れて幅が狭くなる断面台形状に形成されており、デザイン性を高めている。補強リブ5の下面には、下方に延びる一対のフランジ76,76が形成されている。一方、補強リブ5との接合部分のハニカムパネル本体4内には、下地材8が設けられており、下地材8の上面には、上方に延びる一対のフランジ77,77が形成されている。フランジ77,77は、表面板2に形成されたフランジ用開口部2bを挿通して上方に突出している。補強リブ5のフランジ76,76は、補強リブ5の厚さ方向に見て下地材8のフランジ77,77の外側に位置している。補強リブ5のフランジ76,76と、下地材8のフランジ77,77には、互いに係止し合う係止突起部76a,77aがそれぞれ形成されている。補強リブ5のフランジ76の係止突起部76aは、下地材8のフランジ77の係止突起部77aよりも下方に位置しており、各係止突起部76a,77aが互いに係止した状態で、フランジ76の下端が表面板2に当接するようになっている。よって、補強リブ5はハニカムパネル本体4に嵌合して接合されている。補強リブ5のフランジ76,76の外側の補強リブ5と表面板2との隙間には、シーリング材78が充填されている。
前記構成の補強リブ5は、補強リブ5のフランジ76の係止突起部76aを、下地材8のフランジ77の係止突起部77aに係止させた状態で、ハニカムパネル本体4の長手方向端部から、補強リブ5を長手方向にスライドさせることで、係止突起部76a,77a同士がハニカムパネル1の長手方向全長に渡って互いに係止して嵌合するので、補強リブ5とハニカムパネル本体4との接合強度が高まる。
前記構成によれば、補強リブ5をその長手方向からハニカムパネル本体4に挿入するだけで、補強リブ5がハニカムパネル本体4に接合されるので、接合作業が非常に容易である。接合作業は建築現場で行うことができるので、運搬時には、ハニカムパネル本体4および補強リブ5はともに平板状であるので、運搬効率が高い。
図16はハニカムパネル本体と補強リブとのさらに他の接合構造を示した断面図である。
図16では、補強リブ5は、ハニカム構造パネル7にて構成されている。ハニカム構造パネル7は、その外周部に配置された、例えばアルミニウム製の押出形材からなる枠材7aと、これら枠材7a内に設けられたコア材7bと、枠材7aとコア材7bの両面に接合された一対の表面板7cとで構成されている。下側の枠材7aの下面には、下方に延びる凸部81が形成されている。凸部81は、下方に向かうに連れて幅が広がる断面台形状に形成されている。一方、補強リブ5との接合部分のハニカムパネル本体4内には、下地材8が設けられており、下地材8の上面には、前記凸部81が嵌合する凹部82が形成されている。凹部82は、下方に向かうに連れて幅が広がる断面台形状に形成されており、その内形が凸部81の外形と略一致するような形状となっている。凸部81は、表面板2に形成された開口部2aを挿通して、凹部82内に挿入されている。
前記構成の補強リブ5は、補強リブ5の凸部81を、下地材8の凹部82に嵌合させた状態で、ハニカムパネル本体4の長手方向端部から、補強リブ5を長手方向にスライドさせることで、ハニカムパネル1の長手方向全長に渡って、凸部81が凹部82に嵌合するので、補強リブ5とハニカムパネル本体4との接合強度が高まる。前記構成によれば、図15の構造と同様に、接合作業が非常に容易であるとともに、効率的な運搬を行うことができる。
図17はハニカムパネル本体と補強リブとのさらに他の接合構造を示した断面図である。
図17では、補強リブ5が中空の押出形材10で構成されている。補強リブ5の下面には、下方に延びる一対のフランジ83,83が形成されている。一方、補強リブ5との接合部分のハニカムパネル本体4内には、下地材8が設けられており、下地材8の上面には、上方に延びる一対のフランジ84,84が形成されている。フランジ84,84は、表面板2に形成されたフランジ用開口部2bを挿通して上方に突出している。補強リブ5のフランジ83,83は、補強リブ5の厚さ方向に見て下地材8のフランジ84,84の外側に位置している。補強リブ5のフランジ83,83と、下地材8のフランジ84,84には、互いに係止し合う係止部83a,84aがそれぞれ形成されている。補強リブ5のフランジ83の係止部83aは、下地材8のフランジ84の係止部84aよりも下方に位置しており、各係止部83a,84aが互いに係止した状態で、補強リブ5のフランジ83の下端と表面板2との間には隙間が形成される。補強リブ5のフランジ83の下端と表面板2との間には、アルミ製のくさび部材85が、補強リブ5の厚さ方向外側から押し込まれている。このくさび部材85によって、補強リブ5のフランジ83の係止部83aは、押し上げられて、下地材8のフランジ84の係止部84aに押圧される。
図17の構成では、補強リブ5の係止部83aを、下地材8の係止部84aに係止させた状態で、ハニカムパネル本体4の長手方向端部から、補強リブ5を長手方向にスライドさせることで、ハニカムパネル1の長手方向全長に渡って、係止部83a,84aが互いに係止される。その後、補強リブ5のフランジ83の下端と表面板2との間に、くさび部材85を、補強リブ5の厚さ方向外側から押し込む。これによって、補強リブ5は、下地材8の係止部84aに押し付けられるので、がたつくことなく、ハニカムパネル本体4に確実に接合される。
図18はハニカムパネル本体と補強リブとのさらに他の接合構造を示した断面図である。
図18では、補強リブ5が中空の押出形材10で構成されている。補強リブ5の下面には、下方に延びるフランジ86が形成されている。フランジ86は、補強リブ5の厚さ方向中央に形成されており、その下端には係止部86aが、厚さ方向両側に延びて形成されている。補強リブ5との接合部分のハニカムパネル本体4内には、下地材8が設けられており、下地材8の上面には、補強リブ5の係止部86aを係止する係止部87a,87aが形成されている。係止部87a,87aは、係止部86aを補強リブ5の厚さ方向両側から挟み込むように形成されている。補強リブ5のフランジ86の係止部86aは、下地材8の係止部87aよりも下方に位置しており、各係止部86a,87aが互いに係止した状態で、補強リブ5のフランジ86の下端と表面板2との間には隙間が形成される。補強リブ5のフランジ86の下端と表面板2との間には、アルミ製のくさび部材88が、補強リブ5の厚さ方向外側から押し込まれている。このくさび部材88によって、補強リブ5のフランジ86の係止部86aは、押し上げられて、下地材8の係止部87aに押圧される。
図18の構成では、補強リブ5の係止部86aを、下地材8の係止部87aに係止させた状態で、ハニカムパネル本体4の長手方向端部から、補強リブ5を長手方向にスライドさせることで、ハニカムパネル1の長手方向全長に渡って、係止部86a,87aが互いに係止される。その後、補強リブ5のフランジ86の下端と表面板2との間に、くさび部材88を、補強リブ5の厚さ方向外側から押し込む。これによって、補強リブ5は、下地材8の係止部87aに押し付けられるので、がたつくことなく、ハニカムパネル本体4に確実に接合される。
図19は本発明に係る長尺パネル構造体を実施するための最良の他の形態を示した斜視図である。
本実施の形態のハニカムパネル1は、長手方向に見て、ハニカムパネル本体4の長さと補強リブ5の長さが相違している。所望の枚数(本実施の形態では2枚)のハニカムパネル1,1を接合すると、ハニカムパネル本体4の長さと補強リブ5の長さは等しくなり、全体として、ハニカムパネル本体4と補強リブ5の長さが等しい長尺パネル構造体19が形成される。
このような構成の長尺パネル構造体19では、長手方向に隣接するハニカムパネル本体4同士の接合部分(連結部分)4aと、長手方向に隣接する補強リブ5同士の接合部分(連結部分)5aとは、ずれて配置されることとなる。これによって、ハニカムパネル1同士の接合部分11にかかる応力が一箇所に集中せず、その応力を分散させることができるので、さらに長いスパンを得ることができる。
図1から図19までの実施の形態では、補強リブ5がハニカムパネル本体4の上側に設けられた例を挙げて説明したが、例えば、屋根パネルとして用いる場合などに、補強リブ5を下側にして積極的に見せることによって、デザイン性を高めるようにしてもよい。
図20は本発明に係るハニカムパネルおよび長尺パネル構造体を実施するための最良のさらに他の形態を示した斜視図である。
かかるハニカムパネル1および長尺パネル構造体19は、補強リブ5がハニカムパネル本体4の上面と下面の両面に形成されたことを特徴とする。上面の補強リブ5は、2列設けられており、下面の補強リブ5は3列設けられている。上面の補強リブ5と、下面の補強リブ5とは、ハニカムパネル1の幅方向にオフセットして配置されている。なお、上面の補強リブ5と下面の補強リブ5の配置は、図20に限られるものではなく、上面の補強リブの真下に下面の補強リブを設けるようにしてもよいのはいうまでもない。
このような構成のハニカムパネル1および長尺パネル構造体19によれば、ハニカムパネル本体4が大幅に補強され、さらに長いスパンを得ることができる。
図21は本発明に係るハニカムパネルを実施するための最良のさらに他の形態を示した斜視図である。
かかる実施の形態では、図21に示すように、ハニカムパネル本体4および補強リブ5は、補強リブ5の長手方向に湾曲してアーチ状に形成されている。このような構成によれば、ハニカムパネル1がアーチ状の構造になるため、さらに強度を増強でき、外観上曲面構造の設計も容易となるので、建築物の屋根など、用途がさらに広がる。
図22は本発明に係るハニカムパネルを実施するための最良のさらに他の形態を示した斜視図である。
かかる実施の形態では、図22に示すように、ハニカムパネル本体4は、その短手方向(幅方向)に湾曲してアーチ状に形成されており、補強リブ5は、その長手方向に直線状に形成されている。このような構成によれば、ハニカムパネル1がアーチ状の構造になるため、図21に示した実施形態と同様に、さらに強度を増強でき、外観上曲面構造の設計も容易となるので、建築物の屋根など、用途がさらに広がる。
以上説明したハニカムパネル1または長尺パネル構造体19を、建築構造物や土木構造物の構造体として利用することができる。例えば、建物の屋根構造の梁間に架け渡して、屋根材としたり天井材としたり、柱や方立間に配設して、壁やカーテンウォール構造とすると、従来よりも、屋根や天井の梁間隔や、柱や方立の設置間隔を広くできる。これによって、デザインの自由度が増し、施工工数も低減できる。このように本発明に係るハニカムパネル1を用いれば、軽量で強度の大きい建築構造物および土木構造物を提供することができ、長いスパンの大空間を形成することができる。また、ハニカムパネル1および長尺パネル構造体19は、外壁パネルや壁構造体としても利用することができる。
また、前記ハニカムパネル1または長尺パネル構造体19を大型パネル体として利用することができる。このような構成によれば、パネル構造部分にハニカムパネルを利用することができるので、構造材や外装材などの軽量化と強度の向上が達成できる。
さらに、前記ハニカムパネル1または長尺パネル構造体19を建築物の屋根パネルとして利用した実施形態を以下に説明する。
図23は建築物の屋根部に本発明に係るハニカムパネルおよび長尺パネル構造体を利用した例であり、(a)は建築物の外観全体斜視図、(b)は図23(a)のN−N線端面図、(c)は図23(a)のM−M線端面図である。図23(b)および(c)に示すように、補強リブ5により長尺に形成されたハニカムパネル1よりなる長尺パネル構造体19や、ハニカムパネル1を補強リブ5により補強するとともに長手方向に連結してさらに長尺に形成した長尺パネル構造体19は、隣り合う梁材H,H間に架け渡されて固定されている(図示のものは梁材H間に連結部11がある例を示した)。本実施の形態では、長尺パネル構造体19は、スパンが18メートルであり、梁材H,H間の寸法を大きく確保できる。長尺パネル構造体19は、補強リブ5が下方に配置されている。梁材H上では、補強リブ5のない部分に適宜スペーサ90が配置されており、このスペーサ90を介して、長尺パネル構造体19は、梁材Hに固定されている。本実施形態では、長尺パネル構造体19は、ハニカムパネル本体4が平板状のものが用いられており、幅方向に隣り合う長尺パネル構造体19との接合面が、適宜傾斜して形成されている。これによって、長尺パネル構造体19が梁材Hの曲率に応じて並列して連結されるようになっている。前記構成によれば、図23(a)に示すような、アーチ形状の屋根91を構築することができる。なお、ハニカムパネル本体4がその短手方向(幅方向)に湾曲した長尺パネル構造体19(図22参照)を用いてもよい。
建築物の屋根部に従来のハニカムパネル(補強リブがないハニカムパネル)を利用した比較例として、図23(d)に図23(a)のN−N線方向の端面図、(e)に図23(a)のM−M線方向の端面図を示す。この場合、ハニカムパネルPは、本発明のハニカムパネル1より強度が低いので、梁材H,H間の寸法は小さい。この場合、ハニカムパネルPは、6メートルのスパンで、本発明に係る長尺パネル構造体19のスパンを18メートルとした場合と同等の剛性となる。なお、梁材Hは、本数が多いので、小さい断面でもよいが、施工手間は多い。
このような構成によれば、ハニカムパネル1が構造部材も兼ねるので、屋根の支持梁のスパンを大きくした建築物の屋根パネルとしても利用できる。したがって、大型構造物の設計の自由度が高まるとともに、補強リブ5がアクセントとなるデザイン性を備えた屋根を提供できる。
前記ハニカムパネル1または長尺パネル構造体19をシェルターの屋根構造体として利用した実施形態を以下に説明する。
図24(a)は歩道橋の通路や建物間の連絡通路などに使用されるシェルターに、本発明に係るハニカムパネルおよび長尺パネル構造体を利用した例であり、(a)はシェルターを斜め下方から見上げた斜視図、(b)はシェルターを斜め上方から見た斜視図である。図示するように、シェルター92は、隣り合う支柱93,93からそれぞれ延びる梁材H,H間に、長尺パネル構造体19を架け渡して固定・支持することで構成されている。本実施の形態では、長尺パネル構造体19は、補強リブ5が上方に配置されている。支柱93および梁材Hは、所定の間隔で配置されている。従来のハニカムパネル(図示せず)では、支柱を6〜8メートル程度の間隔で設けなければならなかったが、本発明に係る長尺パネル構造体19によれば、12〜20メートルの間隔で、支柱93を設けることができ、その本数を低減できる。
このような構成によれば、歩道橋の通路や建物間の連絡通路などのシェルター92の屋根構造体として、軽量で構造強度が大きいハニカムパネルを利用できるので、屋根の支柱や梁材などの支持物を少なくすることが可能になるので、施工手間と施工費用の低減が図れるとともに、設計上の自由度が高くなり、広い空間を提供することができる。
以上、本発明を実施するための最良の形態について説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更が可能である。例えば、本発明のハニカムパネル1および長尺パネル構造体19は、アルミニウム製やアルミニウム合金製に限られるものではなく、スチール、ステンレス、チタンや銅など他の材質であっても適用できるのは勿論である。
本発明に係るハニカムパネルおよび長尺パネル構造体を実施するための最良の形態を示した斜視図である。 ハニカムパネル本体と補強リブとの接合構造を示した図であって、図1のII−II線断面図である。 (a)は長手方向に隣接するハニカムパネル本体同士の接合構造を示した図であって、図1のIII−III線断面図、(b)は長手方向に隣接する補強リブ同士の接合構造を示した図であって、図3(a)のIIIb−IIIb線断面図である。 (a)および(b)は、幅方向に隣接するハニカムパネル本体同士の接合構造を示した断面図である。 ハニカムパネル本体と補強リブとの他の接合構造を示した断面図である。 ハニカムパネル本体と補強リブとのさらに他の接合構造を示した断面図である。 ハニカムパネル本体と補強リブとのさらに他の接合構造を示した断面図である。 ハニカムパネル本体と補強リブとのさらに他の接合構造を示した断面図である。 (a)および(b)は、ハニカムパネル本体と補強リブとのさらに他の接合構造を示した断面図である。 (a)および(b)は、ハニカムパネル本体と補強リブとのさらに他の接合構造を示した断面図、(c)は、四角ボルトの挿入状態を示した拡大平面図、(d)は、四角ボルトの係止状態を示した拡大平面図である。 ハニカムパネル本体と補強リブとのさらに他の接合構造を示した断面図である。 ハニカムパネル本体と補強リブとのさらに他の接合構造を示した断面図である。 ハニカムパネル本体と補強リブとのさらに他の接合構造を示した断面図である。 ハニカムパネル本体と補強リブとのさらに他の接合構造を示した断面図である。 ハニカムパネル本体と補強リブとのさらに他の接合構造を示した断面図である。 ハニカムパネル本体と補強リブとのさらに他の接合構造を示した断面図である。 ハニカムパネル本体と補強リブとのさらに他の接合構造を示した断面図である。 ハニカムパネル本体と補強リブとのさらに他の接合構造を示した断面図である。 本発明に係るハニカムパネルおよび長尺パネル構造体を実施するための最良の他の形態を示した斜視図である。 本発明に係るハニカムパネルおよび長尺パネル構造体を実施するための最良のさらに他の形態を示した斜視図である。 本発明に係るハニカムパネルを実施するための最良のさらに他の形態を示した斜視図である。 本発明に係るハニカムパネルおよび長尺パネル構造体を実施するための最良のさらに他の形態を示した斜視図である。 建築物の屋根部に本発明に係るハニカムパネルおよび長尺パネル構造体を利用した例であって、(a)は建築物の外観全体斜視図、(b)は図23(a)のN−N線端面図、(c)は図23(a)のM−M線端面図、(d)は従来のハニカムパネルを利用した比較例であって図23(a)のN−N線方向の端面図、(e)は従来のハニカムパネルを利用した比較例であって図23(a)のM−M線方向の端面図である。 シェルターに、本発明に係るハニカムパネルおよび長尺パネル構造体を利用した例であり、(a)はシェルターを斜め下方から見上げた斜視図、(b)はシェルターを斜め上方から見た斜視図である。
符号の説明
1 ハニカムパネル
2 表面板
2a 開口部
3 コア材
4 ハニカムパネル本体
5 補強リブ
7 ハニカム構造パネル
8 下地材
8a ガイド溝
10 押出形材
19 長尺パネル構造体
31 基部
39 接着剤
41 ボルト
62 ビス
83a 係止部
84a 係止部
85 くさび部材
86a 係止部
87a 係止部
88 くさび部材

Claims (21)

  1. 対向する一対の表面板と、これら表面板間に介在されるコア材とを備えるハニカムパネル本体の少なくとも一面に、補強リブを一体的に立設した
    ことを特徴とするハニカムパネル。
  2. 前記補強リブの取付位置の前記ハニカムパネル本体内には、前記補強リブを受ける下地材が設けられた
    ことを特徴とする請求項1に記載のハニカムパネル。
  3. 前記下地材には、前記補強リブが挿入されるガイド溝が形成された
    ことを特徴とする請求項2に記載のハニカムパネル。
  4. 前記補強リブの取付位置の表面板には、開口部が形成され、
    前記補強リブと前記下地材が直接接合された
    ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載のハニカムパネル。
  5. 前記補強リブには、前記ハニカムパネル本体と接合される基部が一体形成され、
    前記補強リブの前記基部側一端が、前記ハニカムパネル本体の内部に収容されて当該ハニカムパネル本体に接合された
    ことを特徴とする請求項1に記載のハニカムパネル。
  6. 前記補強リブは、押出形材によって構成された
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のハニカムパネル。
  7. 前記補強リブは、ハニカム構造のパネルによって構成された
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のハニカムパネル。
  8. 前記補強リブは、ろう付けによって前記ハニカムパネル本体に接合された
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のハニカムパネル。
  9. 前記補強リブは、接着剤によって前記ハニカムパネル本体に接合された
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のハニカムパネル。
  10. 前記補強リブは、ボルトやビスなどの接合手段によって前記ハニカムパネル本体に接合された
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のハニカムパネル。
  11. 前記補強リブは、前記下地材に嵌合されることで前記ハニカムパネル本体に接合された
    ことを特徴とする請求項4に記載のハニカムパネル。
  12. 前記補強リブは、前記下地材の係止部に係止され、前記補強リブと前記ハニカムパネル本体との間に挿入されるくさび部材によって前記係止部に押圧されて前記ハニカムパネル本体に接合された
    ことを特徴とする請求項4に記載のハニカムパネル。
  13. 前記ハニカムパネル本体および前記補強リブは、アルミニウムまたはアルミニウム合金から形成された
    ことを特徴とする1乃至請求項12のいずれか1項に記載のハニカムパネル。
  14. 前記ハニカムパネル本体および前記補強リブは、前記補強リブの長手方向に湾曲してアーチ状に形成された
    ことを特徴とする1乃至請求項13のいずれか1項に記載のハニカムパネル。
  15. 前記ハニカムパネル本体は、その短手方向に湾曲してアーチ状に形成されており、
    前記補強リブは、その長手方向に直線状に形成された
    ことを特徴とする1乃至請求項13のいずれか1項に記載のハニカムパネル。
  16. 請求項1乃至請求項15のいずれか1項に記載の複数のハニカムパネルを、その長手方向に連結した
    ことを特徴とする長尺パネル構造体。
  17. 前記ハニカムパネル本体同士の連結部分と、前記補強リブ同士の連結部分とが、その長手方向にずれている
    ことを特徴とする請求項16に記載の長尺パネル構造体。
  18. 請求項1乃至請求項15のいずれか1項に記載のハニカムパネルより構成された
    ことを特徴とする構造物用の構造体。
  19. 請求項1乃至請求項15のいずれか1項に記載のハニカムパネルより構成された
    ことを特徴とする大型パネル体。
  20. 請求項1乃至請求項15のいずれか1項に記載のハニカムパネルより構成された
    ことを特徴とする建築物の屋根パネル。
  21. 請求項1乃至請求項15のいずれか1項に記載のハニカムパネルより構成された
    ことを特徴とする屋根構造体。
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