JP3724371B2 - 構造物の屋根構造、屋根構造ユニットの製造方法及び屋根の施工方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば工場や倉庫などの大スパンの構造物の屋根構造、その屋根構造ユニットの製造方法及び屋根の施工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種屋根構造の一例として、特開昭62−25655号公報に開示された発明がある。この発明に係る屋根面形成用自立性構成要素は、V形の複合断熱板、この複合断熱板を支える3本の管状部材(鋼管)を弦材としてV形に形成されたトラス骨組、及びそれらの接合金物などからなっている。
【0003】
この屋根構造は、V形の複合断熱板を構成するための大型の金属折板屋根が必要であり、これを組立てて複合断熱材を挟み込み、大型の複合断熱パネルを構成する。そして、この複合断熱パネル自体は外力を支えることができないので、管状部材を複合断熱パネルに沿ったV形のトラス状に組み立てて、大スパンを支えるようにしたものであり、それらトラス相互や複合断熱パネルとの間を特殊な接合金物を用いて組立てたものである(従来技術1)。
【0004】
また、特開平7−217218号公報には、大スパン屋根及びその架設方法に関する発明が開示されている。この発明は、1本の下弦材と2本の上弦材とによりV形に組立てたトラス構造を用い、2本の上弦材を水平材で連結すると共に、V形のトラスと水平材からなるトラスユニットを間隔をあけて配置し、それら相互の上下をさらに水平材で連結し、上弦材と水平材で構成される上部に屋根板を受ける部材及び部品を取付けて、その上に屋根を取付けるようにしたものである(従来技術2)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術1における大型の金属折板屋根、複合断熱パネル、管状部材からなるトラス及び接合金物は、いずれも製作が面倒で高価であり、このため、低コスト化が求められている昨今の環境ではほとんど実施されていない。
【0006】
また、従来技術2において、V形のトラスを1本の下弦材と2本の上弦材で構成することは、製作面できわめて難かしい問題を抱えている。すなわち、V形のトラスの開き角度を60度前後のV形に組立てると、多くのラチス材を溶接により取付けるわけであるから、大スパン(数十m)にわたって精度を確保することはきわめて困難である。上述の従来技術1においては、下弦材に角形鋼管を用い90°の角度で弦材を溶接していることからもわかるように、ラチス材を弦材と溶接する上で、60°というような角度で確実な溶接を行うためには、接合部に特別な加工が必要であり、現実的ではない。
【0007】
また、2種類の水平材を用いているが、そのうち一方の水平材の役目は、V形のトラスを固定するためのものであり、他方の水平材は2つのトラスユニットを連結するものであって、いずれも施工時の形状確保や一体での吊り上げのために必要であるが、水平材自体は屋根を支えることができないものであり、このため、別途屋根を受ける部材及び金物を設けなければならない。
また、下弦材を連結する水平部材も同じく他の役目を負担することができず、例えば、天井を設けようとすれば、別途に剛性の高い部材を下弦材に掛け渡さなければならない。このように、従来技術2においては、経済的でない部材の使い方をしている。
【0008】
さらに、従来技術2では、きわめて多くの専用の部材、部品及び接合方法を用いており、コストの増嵩は避けられない。また、屋根は、トラスユニットの上端部に、取付け部材や屋根板(折板屋根)を施工しているため、トラスユニットの高さにさらに屋根部分の高さ(金物や屋根材の和)が加わり、屋根全体として可成りの高さになってしまう。
【0009】
また、屋根面には、地震時や暴風時に力を周辺の耐力要素(耐震壁や耐風壁あるいは剛なフレームによって力を地面に流す構造)に流すために水平剛性が必要であるが、それに関する記載も実施例もなく、公報に示されているような簡単な連結水平材では、このような問題を解決することができない。このような場合、一般には、水平ブレースを上下の6部材及び上部の15部材に掛け渡すことになり、きわめて煩雑な構造になるばかりでなく、公報に記載されている開閉可能な窓と美観が損なわれてしまう。
【0010】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、部材の重複がない合理的な構造で、立体トラスを高精度で容易に製作することができ、その上特別な部品などを用いることなく水平剛性を確保することにより、低コストで信頼性の高い大スパン屋根を構成することのできる構造物の屋根構造、屋根構造ユニットの製造方法および屋根の施工方法を提供することを目的としたもである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明に係る構造物の屋根構造は、開断面を有する鋼材からなる上弦材、下弦材、斜材及び束材を接合して構成した複数の平面トラスと、該平面トラスをハ字状に配置して隣接する上弦材若しくは下弦材又は上弦材と下弦材をそれぞれ一体に接合して単位立体トラス又は立体トラスを構成する複数の弦材接合金物と、前記単位立体トラス又は立体トラスの長手方向と直交して前記束材に取付けられ、上面にタイトフレームが取付けられる複数のタイトフレーム受け部材とを備えたものである。
(2)また、上記(1)のタイトフレーム上に載置されて固定される金属折板からなる屋根材を備えたものである。
【0012】
(3)また、本発明に係る屋根構造ユニットの製造方法は、開断面を有する鋼材からなる上弦材、下弦材、斜材及び束材を接合して複数の平面トラスを構成する工程と、弦材接合金物により前記複数の平面トラスの隣接する上弦材若しくは下弦材又は上弦材と下弦材を接合してV形、W形若しくはそれらの反転形又はそれらが複数接続された単位立体トラス又は立体トラスを構成する工程と、前記単位立体トラス又は立体トラスの束材にタイトフレーム受け部材を取付ける工程と、前記タイトフレーム受け部材にタイトフレームを取付ける工程と、金属折板からなる屋根材を前記タイトフレーム上に取付ける工程とを備えたものである。
【0013】
(4)上記(3)の単位立体トラス又は立体トラスの束材にタイトフレーム受け部材を取付ける工程と、前記タイトフレーム受け部材にタイトフレームを取付ける工程に代えて、単位立体トラス又は立体トラスの束材に、タイトフレームが取付けられたタイトフレーム受け部材を取付ける工程を備えたものである。
(5)また、上記(3)または(4)の一部の工程を工場等で行い、残る工程を工事現場で行うようにしたものである。
【0014】
(6)さらに、本発明に係る構造物の屋根施工方法は、開断面を有する鋼材からなる上弦材、下弦材、斜材及び束材を接合して複数の平面トラスを構成する工程と、弦材接合金物により前記複数の平面トラスの隣接する上弦材若しくは下弦材又は上弦材と下弦材を接合してV形、W形若しくはそれらの反転形又はそれらが複数接続された単位立体トラス又は立体トラスを構成する工程と、前記単位立体トラス又は立体トラスの束材にタイトフレーム受け部材を取付ける工程と、前記タイトフレーム受け部材にタイトフレームを取付ける工程と、金属折板からなる屋根材を前記タイトフレーム上に取付けて屋根構造ユニットを構成する工程と、複数の屋根構造ユニットを吊り上げて構造物の柱、梁フレーム若しくは壁又は両者に接合する工程と、前記屋根構造ユニットどうしを接合する工程とを備えたものである。
【0015】
(7)上記(6)の単位立体トラス又は立体トラスの束材にタイトフレーム受け部材を取付ける工程と、前記タイトフレーム受け部材にタイトフレームを取付ける工程に代えて、単位立体トラス又は立体トラスの束材に、タイトフレームが取付けられたタイトフレーム受け部材を取付ける工程を備えたものである。
(8)上記(6)又は(7)の一部の工程を工場等で行い、残る工程を工事現場で行うようにしたものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]
図1は本発明の実施の形態1に係る屋根構造ユニットの斜視図、図2は図1の屋根材を取り付ける前の状態を示す斜視図である。
両図において、1は開断面を有する鋼材で構成され、2本の弦材と複数の斜材及び束材で構成した1枚の平面トラス(以下、平面トラスユニットという。図5参照)、11は一対の平面トラスユニット1をV型又は逆V型に、弦材接合金物15を介して組立てた立体トラス状の部材(以下、単位立体トラスという。図6(b)参照)、12はこの単位立体トラス11を弦材接合金物15を介して複数連続したW状又は逆W状の部材(以下、立体トラスという。図6(c)参照)である。そして、施工面の効率を考慮して、1乃至複数の立体トラス12に、タイトフレーム受け部材20、タイトフレーム25及び屋根材30(但し、屋根材は後施工の場合もある)を取付けて屋根構造部分35(以下、屋根構造ユニットという。例えば、図1の状態)を構成したものである。以下、上記の各部の構成について説明する。
【0017】
単位立体トラス11を構成する平面トラス1は、図3に示すように、例えば、アングル材や溝形材の如く相互に直交する平面要素で構成された開断面を有する鋼材からなる上弦材2、下弦材3、上弦材2と下弦材3の間に傾斜して取付けられた斜材4及び上弦材2と下弦材3との間にこれらと直交して取付けられた束材5によって構成されている。この斜材4及び束材5は、平面トラス1の長手方向(図3の左右方向)に所定の間隔でそれぞれ数本取付けられる。なお、図には、これらの部材にアングル材を用いた場合が示してある。
【0018】
この平面トラス1の上弦材2と下弦材3は、一方の片(以下ウェブという)が図の紙面と平行になるように上下に所定の間隔で配置され、両者の間に、一方の片を上弦材2と下弦材3のウェブに当接し、傾斜して配設した斜材4を接合し、同様にして、束材5の一方の片を上弦材2と下弦材3に接合する。これにより、図5に示すような平面トラス1が構成される。
【0019】
これら斜材4及び束材5の上弦材2と下弦材3への接合は、それぞれ平面が当接されているので、隅肉溶接により容易に行うことができる。なお、上弦材2と下弦材3の紙面に垂直な片(以下、フランジという)の斜材4又は束材5の取付部の近傍にはボルト穴(図示ぜす)が設けられており、また、束材5の紙面と垂直な片(以下、フランジという)の上弦材2と下弦材3への取付部の近傍にもボルト穴(図示せず)が設けられている。
【0020】
図4は平面トラス1を構成する鋼材の他の例を示すもので、図4(a)は上弦材2と下弦材3にアングル材を用い、斜材4及び束材5に溝形材を用いたもので、上弦材2と下弦材3のウェブを互いに反対方向に位置させて、溝形材からなる斜材4及び束材5のフランジを上記ウェブに溶接により接合するようにしたものである。
また、図4(b)は、上弦材2と下弦材3に溝形材を用い、斜材4及び束材5にアングル材又は溝形材を用いて、溶接により接合するようにしたものである。なお、図4はその一例を示すもので、アングル材や溝形材の如き開断面の鋼材を適宜組合わせて平面トラス1を構成することができる。
【0021】
弦材接合金物15の一例を図6に示す。この弦材接合金物15は、図6(b)に示すように、一対の平面トラス1を所定の角度(例えば、60°、90°等)でハ字状に配置し、その上弦材2のフランジ間に形成された角度α(以下、開き角αという)に対応した角度αに鋼板を曲げ加工して山形に形成したものである。16はボルト穴である。なお、必要に応じて、内側に補強リブ17を溶接等により取付けてもよい。
【0022】
このような弦材接合金物15により平面トラス1を接合するには、図6(b)に示すように、一対の平面トラス1を所定の角度でハ字状に配設してその上弦材2上に弦材接合金具15を載置し、これに設けたボルト穴16及び上弦材2のフランジに設けたボルト穴にボルトを挿通してナットで固定すれば、V形又は逆V形の単位立体トラス11が構成される。
【0023】
上記のように一対の平面トラス1の上弦材2を弦材接合金物15で接合してなる単位立体トラス11を、図6(c)に示すように、順次並べて設置し、隣接する単位立体トラス11の下弦材3を弦材接合金物15で接合すれば、W形又は逆W形の立体トラス12を構成することができる。
このように、本実施の形態によれば、一対の平面トラス1の開き角αに対応した角度に弦材接合金具15を曲げ加工すればよいので、開き角αがどのような角度でも容易に対応することができる。
【0024】
タイトフレーム受け部材20は、アングル材、溝形材等の開断面の鋼材からなり、図7(a)に示すように、単位立体トラス11の束材5の上部において、その平面部が上方に位置するように、束材5の前側又は内側にボルトによって水平に固定したものである。
このとき、アングル材等で構成された束材5が上弦材2及び下弦材3の軸方向(屋根の長手方向)に垂直な面を有しているので、直交する面で構成されているアングル材等をボルトなどで接合すれば、タイトフレーム受け部材20をおのずと水平に設置することができる。これは、従来技術1などでは別途工夫しなければ実現できないものである。
なお、複数の単位立体トラス11を連結して立体トラス12を構成した場合、図7(b)に示すように、各単位立体トラス11ごとにタイトフレーム受け部材20を取付けてもよく、あるいは、図7(c)に示すように、1本の長いタイトフレーム受け部材20を共通に設けてもよい。
【0025】
タイトフレーム25は帯状の鋼板を曲げ加工して交互にほぼ台形状の凸部と凹部が形成されたほぼ波形のもので、図8に示すように、タイトフレーム受け部材20の上面に溶接やビス等で固定される。このタイトフレーム25の凸部と凹部間の高さは、単位立体トラス11の弦材接合金具15の頂部とタイトフレーム受け部材20の上面間の高さとほぼ等しく形成されており、かつ凸部は単位立体トラス11のタイトフレーム受け部材20から上方の部分を覆う大きさになっている。なお、このタイトフレーム25は、立体トラス12の幅方向の全長に亘る長さに形成してもよく、あるいは凸部とその下端部に設けられた取付部とにより、個別的に形成するなど、適宜の長さに形成することができる。
また、屋根材30は金属板をタイトフレーム25に対応した凸部と凹部に曲げ加工して、ほぼ波形に形成した折板屋根である。
【0026】
次に、上記のような各部からなる屋根構造ユニットの製造方法及びこれを用いた屋根の施工方法の手順の一例を、図9を用いて説明する。
(1)工場等において、図3〜図5で説明した要領により、複数の平面トラス1を製造する。
(2)次に、一対の平面トラス1を所定の角度でハ字状に配設し、図6(a),(b)で説明した要領により、その上弦材2をボルトにより弦材接合金物15で接合し、逆V形又はこれを反転したV形の単位立体トラス11を構成する。
【0027】
(3)ついで、複数の単位立体トラス11を並設して、図6(c)で説明したように、隣接する単位立体トラス11の下弦材3を弦材接合金物15で接合し、逆W形又はこれを反転したW形の立体トラス12を構成する。この場合、工場等あるいは工事現場における吊り上げ能力や輸送効率に応じて複数の平面トラス1、弦材接合金物15及びボルトを用いてV形、W形、その反転形などの単位立体トラス11又は立体トラス12を構成することが望ましい。
(4)そして、この単位立体トラス11又は立体トラス12の各束材5の前側又は後側に、平面部を上にしてボルト又は溶接によりタイトフレーム受け部材20を取付ける。
【0028】
(5)次に、このタイトフレーム受け部材20の上面にボルト等によりタイトフレーム25を取付ける。この場合、タイトフレーム25をあらかじめタイトフレーム受け部材20にボルト、溶接等により取付けて一体化し、このタイトフレーム受け部材20を各束材5に取付けてもよい。
このとき、図9に示すように、タイトフレーム25の凸部により単位立体トラス11又は立体トラス12に設けた弦材接合金物15を覆うと共に、隣接する単位立体トラス11の間に1つの凸部を位置させて、凹部をタイトフレーム受け部材20にボルト、溶接等により固定する。
【0029】
(6)そして、タイトフレーム25上に、屋根材30をその凸部と凹部をタイトフレーム25の凸部と凹部に嵌合させて載置し、ボルト等で固定すれば、屋根構造ユニット35が構成される。このときの屋根構造ユニット35の正面を図10に示す。
(7)また、この屋根構造ユニット35に、屋根施工に付属する雨仕舞(雨戸やシール材等)などの部品を取付ける。
【0030】
(8)このように構成された複数の屋根構造ユニット35を工事現場に輸送する。
(9)そして、この屋根構造ユニット35を吊り上げて、構造物の柱、梁又は壁、あるいは、柱、梁と壁に接合すると共に、隣接する屋根構造ユニット35どうしを弦材接合金物15により接合する。
(10)最後に屋根材の残余の部分の取付や各種の防水処理を施す。
以上により、屋根構造ユニット35による構造物の屋根の施工が完了する。
【0031】
上記の説明では、(1)〜(7)の作業を工場等で行い、(8)以降の作業を工事現場で行う場合を示したが、例えば、(1)の平面トラス1の製作及び(2)の単位立体トラス11の組立作業を工場等で行い、(3)の立体トラス12の組立作業以降を工事現場で行ってもよく、あるいは(1)の平面トラス1の製作から(5)のタイトフレーム25の取付作業を工場で行い、(6)の屋根材30の取付以降の作業を工業現場で行ってもよい。さらに、(1)の平面トラス1の製作のみを工場等で行い、(2)の単位立体トラス11の組立作業以降を工事現場で行うなど、輸送効率その他の状況に応じて適宜変更することができる。
【0032】
以上の説明から明らかなように、本実施の形態においては、平面トラス1を構成するアングル材や溝形材は、相互に直交する平面要素で構成された部材であり、このため、工場の定盤上などで互いの面どうしを隅肉溶接で接合することにより、簡単に組立てることができる。
また、平面トラス1を構成する束材5は、タイトフレーム受け部材20をボルトにより接合する部材として利用するため、タイトフレーム受け部材20の接合面は、平面トラス1を構成する面と直交する面を備えていることが必要であるが、上記のアングル材や溝形材を用いることにより、別途金物などを用いることなく、タイトフレーム25を容易かつ各自に取付けることができる。
【0033】
また、前述のように、上弦材2及び下弦材3のフランジの斜材5及び束材4が取付けられる近傍には、弦材接合金物15を取付けるためのボルト穴が設けられており、また、束材5のフランジにもタイトフレーム受け部材20を取付けるためのボルト穴が設けられているが、各部材は最端部などの一部を除いて同じサイズや長さに構成されており、上記の平面トラス1相互及びタイトフレーム受け部材20をボルト接合するためのボルト穴を、組立て前の各部材の段階であらかじめ同一位置に量産的に設けておくことができる。
さらに、平面トラスト1は最端部などの一部を除いて全く同じ構造の部品からなっているため単純量産が可能であり、これらにより大量生産が可能で作業性を向上することができる。
【0034】
また、本実施の形態においては、平面トラス1は同一仕様、同一構成であり、単位立体トラス11の組立にあたり、これを接合する弦材接合金物15は、一体の平面トラス1が形成する開き角度αに対応して鋼板を山形に曲げ加工するだけでよいので、各種の開き角度に容易に対応することができ、製造が容易であるばかりでなく、工場又は工事現場に於ける組立作業がきわめて容易である。
【0035】
さらに、本実施の形態においては、屋根構造ユニット35を構成する弦材接合金物15の上面を覆おうようにして屋根材30を取付けたので、屋根全体の高さ(厚さ)を従来技術に比べて低くすることができ、また、屋根材30を支持するタイトフレーム受け部材20を長手方向に短い間隔で複数本設けたので、その断面を小さくすることができる。
また、従来技術のように特殊構造で高価な大型屋根材や取付金具物を用いることなく、タイトフレーム25及び屋根材30は既存の材料により従来の施工方法を適用できるため、コストを低減することができる。
【0036】
また、構造性能面においては、屋根構造ユニット35を構成するすべてのトラスが互いに直接連結されており、水平剛性を確保できる構造となっているため、特別な部材等を用いる必要がない。
【0037】
[実施の形態2]
図11は本発明の実施の形態2の要部の説明図である。
実施の形態1においては、タイトフレーム受け部材20を、逆V形あるいは逆W形に接合して形成された単位立体トラス11又は立体トラス12の頂部近傍において束材5に取付けた場合を示したが、本実施の形態においては、V形に形成された単位立体トラス11の上部(開放部側)に、タイトフレーム受け部材20を取付けたものである。なお、図11(b)は図11(a)の単位立体トラス11を複数連結した立体トラス12を示すものであるが、この場合、全幅に亘る1本のタイトフレーム受け部材20を取付けてもよい。
【0038】
本実施の形態による屋根構造、屋根構造ユニット35の製造方法及び屋根の施工方法、その効果等は、実施の形態1の場合とほぼ同様であるが、タイトフレーム25の凸部がすべてタイトフレーム受け部材20に支持されているので、より強度を向上することができる。
【0039】
【発明の効果】
(1)本発明に係る構造物の屋根構造は、開断面を有する鋼材からなる上弦材、下弦材、斜材及び束材を接合して構成した複数の平面トラスと、該平面トラスをハ字状に配置して隣接する上弦材若しくは下弦材又は上弦材と下弦材をそれぞれ一体に接合して単位立体トラス又は立体トラスを構成する複数の弦材接合金物と、前記単位立体トラス又は立体トラスの長手方向と直交して前記束材に取付けられ、上面にタイトフレームが取付けられる複数のタイトフレーム受け部材とを備え、
(2)また、上記(1)のタイトフレーム上に載置されて固定される金属折板からなる屋根材を備えたので、部材の重複がない合理的な構造で、立体トラスを高精度で容易に製作することができ、特別な部品などを用いることなく水平剛性を確保することにより、低コストで信頼の高い大スパン屋根を構成することができる。
【0040】
(3)また、本発明に係る屋根構造ユニットの製造方法は、開断面を有する鋼材からなる上弦材、下弦材、斜材及び束材を接合して複数の平面トラスを構成する工程と、弦材接合金物により前記複数の平面トラスの隣接する上弦材若しくは下弦材又は上弦材と下弦材を接合してV形、W形若しくはそれらの反転形又はそれらが複数接続された単位立体トラス又は立体トラスを構成する工程と、前記単位立体トラス又は立体トラスの束材にタイトフレーム受け部材を取付ける工程と、前記タイトフレーム受け部材にタイトフレームを取付ける工程と、金属折板からなる屋根材を前記タイトフレーム上に取付ける工程とを備え、
(4)また、上記(3)の単位立体トラス又は立体トラスの束材にタイトフレーム受け部材を取付ける工程と、前記タイトフレーム受け部材にタイトフレームを取付ける工程に代えて、単位立体トラス又は立体トラスの束材に、タイトフレームが取付けられたタイトフレーム受け部材を取付ける工程を備えたので、簡単な手順で容易に屋根構造ユニットを製造することができ、製造した屋根構造ユニットは、上記(1),(2)と同様の効果を得ることができる。
【0041】
(5)上記(3)又は(4)の一部の工程を工場等で行い、残る工程を工事現場で行うようにしたので、工場等及び工事現場の状況に応じて製造手順を適宜変更でき、これにより製造の自由度を大幅に拡大することができる。
【0042】
(6)さらに、本発明に係る構造物の屋根施工方法は、開断面を有する鋼材からなる上弦材、下弦材、斜材及び束材を接合して複数の平面トラスを構成する工程と、弦材接合金物により前記複数の平面トラスの隣接する上弦材若しくは下弦材又は上弦材と下弦材を接合してV形、W形若しくはそれらの反転形又はそれらが複数接続された単位立体トラス又は立体トラスを構成する工程と、前記単位立体トラス又は立体トラスの束材にタイトフレーム受け部材を取付ける工程と、前記タイトフレーム受け部材にタイトフレームを取付ける工程と、金属折板からなる屋根材を前記タイトフレーム上に取付けて屋根構造ユニットを構成する工程と、複数の屋根構造ユニットを吊り上げて構造物の柱、梁フレーム若しくは壁又は両者に接合する工程と、前記屋根構造ユニットどうしを接合する工程とを備え、
(7)また、上記(6)の単位立体トラス又は立体トラスの束材にタイトフレーム受け部材を取付ける工程と、前記タイトフレーム受け部材にタイトフレームを取付ける工程に代えて、単位立体トラス又は立体トラスの束材に、タイトフレームが取付けられたタイトフレーム受け部材を取付ける工程を備えたので、簡単な手順で屋根を施工することができる。
【0043】
(8)上記(6)又は(7)の一部の工程を工場等で行い、残る工程を工事現場で行うようにしたので、工場等及び工事現場の状況に応じて施工手順を適宜変更でき、このため屋根施工の自由度を大幅に拡大することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る屋根構造ユニットの斜視図である。
【図2】図1の屋根材を取付ける前の状態を示す斜視図である。
【図3】図2の平面トラスの製作手順の説明図である。
【図4】図3の他の部材を用いた例の説明図である。
【図5】平面トラスの斜視図である。
【図6】弦材接合金物の斜視図及びこれを使用した平面トラスの接合例を示す説明図である。
【図7】単位立体トラス又は立体トラスにタイトフレーム受け部材を取付けた状態を示す正面図である。
【図8】単位立体トラス又は立体トラスにタイトフレームを取付けた状態を示す正面図である。
【図9】実施の形態1の施工手順の説明図である。
【図10】屋根構造ユニットの正面図である。
【図11】本発明の実施の形態2の単位立体ユニット及び立体ユニットの正面図である。
【符号の説明】
1 平面トラス
2 上弦材
3 下弦材
4 斜材
5 束材
11 単位立体トラス
12 立体トラス
15 弦材接合金物
20 タイトフレーム受け部材
25 タイトフレーム
30 屋根材
35 屋根構造ユニット
Claims (8)
- 開断面を有する鋼材からなる上弦材、下弦材、斜材及び束材を接合して構成した複数の平面トラスと、
該平面トラスをハ字状に配置して隣接する上弦材若しくは下弦材又は上弦材と下弦材をそれぞれ一体に接合して単位立体トラス又は立体トラスを構成する複数の弦材接合金物と、
前記単位立体トラス又は立体トラスの長手方向と直交して前記束材に取付けられ、上面にタイトフレームが取付けられる複数のタイトフレーム受け部材とを備えたことを特徴とする構造物屋根構造。 - タイトフレーム上に載置されて固定される金属折板からなる屋根材を備えたことを特徴とする請求項1記載の構造物の屋根構造。
- 開断面を有する鋼材からなる上弦材、下弦材、斜材及び束材を接合して複数の平面トラスを構成する工程と、
弦材接合金物により前記複数の平面トラスの隣接する上弦材若しくは下弦材又は上弦材と下弦材を接合してV形、W形若しくはそれらの反転形又はそれらが複数接続された単位立体トラス又は立体トラスを構成する工程と、
前記単位立体トラス又は立体トラスの束材にタイトフレーム受け部材を取付ける工程と、
前記タイトフレーム受け部材にタイトフレームを取付ける工程と、
金属折板からなる屋根材を前記タイトフレーム上に取付ける工程とを備えたことを特徴とする屋根構造ユニットの製造方法。 - 単位立体トラス又は立体トラスの束材にタイトフレーム受け部材を取付ける工程と、前記タイトフレーム受け部材にタイトフレームを取付ける工程に代えて、単位立体トラス又は立体トラスの束材に、タイトフレームが取付けられたタイトフレーム受け部材を取付ける工程を備えたことを特徴とする請求項3記載の屋根構造ユニットの製造方法。
- 一部の工程を工場等で行い、残る工程を工事現場で行うことを特徴とする請求項3又は4記載の屋根構造ユニットの製造方法。
- 開断面を有する鋼材からなる上弦材、下弦材、斜材及び束材を接合して複数の平面トラスを構成する工程と、
弦材接合金物により前記複数の平面トラスの隣接する上弦材若しくは下弦材又は上弦材と下弦材を接合してV形、W形若しくはそれらの反転形又はそれらが複数接続された単位立体トラス又は立体トラスを構成する工程と、
前記単位立体トラス又は立体トラスの束材にタイトフレーム受け部材を取付ける工程と、
前記タイトフレーム受け部材にタイトフレームを取付ける工程と、
金属折板からなる屋根材を前記タイトフレーム上に取付けて屋根構造ユニットを構成する工程と、
複数の屋根構造ユニットを吊り上げて構造物の柱、梁フレーム若しくは壁又は両者に接合する工程と、
前記屋根構造ユニットどうしを接合する工程とを備えたことを特徴とする構造物の屋根施工方法。 - 単位立体トラス又は立体トラスの束材にタイトフレーム受け部材を取付ける工程と、前記タイトフレーム受け部材にタイトフレームを取付ける工程に代えて、単位立体トラス又は立体トラスの束材に、タイトフレームが取付けられたタイトフレーム受け部材を取付ける工程を備えたことを特徴とする請求項6記載の構造物の屋根施工方法。
- 一部の工程を工場等で行い、残る工程を工事現場で行うことを特徴とする請求項6又は7記載の構造物の屋根施工方法。
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