JP2007165855A - チップおよびウェハの加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】レーザ光の照射によって形成された改質領域を切断の起点とする割断によりウェハを切断分離するとき、割断時または割断後に切断面からウェハの形成材料の微少片が剥離するのを防止可能なウェハの加工方法を提供する。
【解決手段】ダイシングフィルム11を伸張させて各改質領域群Ga〜Gcに引張応力を印加すると、各改質領域群を切断の起点とした割断によりウェハ10を切断分離できる。このとき、ウェハ10の表面10bを上向きにして水平に配置した状態でウェハ10を加熱しているため、加熱によって熱可塑性を有する部材12が溶融し、ウェハ10の切断分離と同時に、溶融した部材12がウェハ10の切断面10dを重力に従って垂れ落ち、その後に、部材12が切断面10d全体に付着して被覆する。そして、ウェハ10の加熱を停止して冷却させると、部材12はウェハ10の切断面10d全体を被覆した状態で冷却されて硬化する。
【選択図】 図3

Description

本発明はチップおよびウェハの加工方法に係り、詳しくは、ウェハから切断分離されたチップと、ウェハを複数個のチップに切断分離する際の加工方法とに関するものである。
従来より、レーザ光を用いてウェハ状の加工対象物を個々のチップに切断分離(分断)するダイシング(レーザダイシング)技術の開発が進められている。
例えば、ウェハ状の加工対象物の内部に集光点を合わせてレーザ光を照射し、前記加工対象物の内部に多光子吸収による改質領域(クラック領域を含む改質領域、溶融処理領域を含む改質領域、屈折率が変化した領域を含む改質領域)を形成し、この改質領域によって、前記加工対象物の切断予定ラインに沿って前記加工対象物のレーザ光入射面から所定距離内側に、切断の起点となる領域を形成し、その領域を起点とした割断によって加工対象物を切断する技術が提案されている(特許文献1参照)。
また、レーザ光の集光点を加工対象物の内部に合わせて前記加工対象物にレーザ光を照射することにより、前記加工対象物の切断予定ラインに沿って前記加工対象物の内部に改質領域を形成し、かつ、前記加工対象物に照射されるレーザ光の前記加工対象物への入射方向におけるレーザ光の集光点の位置を変えることにより、前記改質領域を前記入射方向に沿って並ぶように複数形成する技術が提案されている(特許文献2参照)。
この特許文献2の技術によれば、改質領域を入射方向に沿って並ぶように複数形成しているため、加工対象物を切断する際に起点となる箇所が増すことから、加工対象物の厚みが大きい場合でも切断が可能になるとしている。
また、基板を含む平板状の加工対象物の一方の面に伸張性のフィルムを装着し、前記加工対象物の他方の面をレーザ光入射面として前記基板の内部に集光点を合わせてレーザ光を照射することにより多光子吸収による改質領域(溶融処理領域)を形成し、この改質領域によって、前記加工対象物の切断予定ラインに沿って前記レーザ光入射面から所定距離内側に切断起点領域を形成し、前記フィルムを伸張させることにより、前記切断起点領域を起点として前記加工対象物を複数の部分に、互いに間隔があくように切断する技術が開示されている(特許文献3参照)。
この特許文献3の技術によれば、基板の内部に切断起点領域を形成した後にフィルムを伸張させるため、切断起点領域に引張応力を好適に印加することが可能になり、切断起点領域を起点として基板を比較的小さな力で精度良く割って切断できるとしている。
特許第3408805号公報(第2〜16頁 図1〜図32) 特開2002−205180号公報(第2〜9頁 図1〜図22) 特開2005−1001号公報(第1〜15頁 図1〜図27)
近年、特許文献1〜3に開示されているようなレーザダイシング技術を用い、半導体基板を作成するためのウェハ(半導体ウェハ)の内部に改質領域(改質層)を形成し、その改質領域を切断の起点とした割断により、ウェハを個々のチップ(半導体チップ)に切断分離する試みがなされている。
この技術では、改質領域を切断の起点とした割断時や割断後に、切断面(割断面)からウェハの形成材料の微少片(パーティクル)が剥離し、その微少片の塵埃による発塵が起こるおそれがある。
ウェハの微少片がチップ上に形成された半導体装置に付着すると、半導体装置の動作不良を招くことから、ウェハから切断分離されたチップの歩留まりや品質が低下するという技術的課題がある。
例えば、半導体装置としてモノリシックIC(Integrated Circuit)が形成されている場合には、回路を構成する半導体素子や配線にウェハの微少片が付着すると、その微少片が回路の短絡故障を招くおそれがある。
また、半導体装置としてMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を利用して作製された各種センサ素子(圧電素子や静電容量素子から成る圧力センサ,加速度センサ,超音波センサなど)やマイクロマシンが形成されている場合には、センサ素子やマイクロマシンを構成する可動部材にウェハの微少片が付着すると、その微少片により可動部材の動きが妨げられるため、センサ素子やマイクロマシンの性能低下を招くおそれがある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、以下の目的を有するものである。
(1)チップの切断面からウェハの形成材料の微少片が剥離するのを防止可能なチップを提供する。
(2)ウェハを複数個のチップに切断分離するとき、当該チップの切断面からウェハの形成材料の微少片が剥離するのを防止可能なウェハの加工方法を提供する。
請求項1に記載の発明は、ウェハから切断分離されたチップであって、当該チップの切断面である外周側壁面が発塵防止材によって被覆されていることを技術的特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のチップにおいて、前記ウェハの内部へ集光点を合わせて照射されたレーザ光によって前記ウェハの内部に形成された多光子吸収による改質領域を切断の起点とした割断により、前記ウェハから切断分離されたものであることを技術的特徴とする。
請求項3に記載の発明は、
請求項1または請求項2に記載のチップにおいて、
前記発塵防止材は、熱可塑性、熱硬化性、光硬化性、化学反応硬化性、溶剤蒸発硬化性、熱収縮性、光収縮性、弾性からなるグループから選択されたいずれか1つの性質を有することを技術的特徴とする。
請求項4に記載の発明は、
請求項1〜3のいずれか1項に記載のチップにおいて、
前記ウェハは半導体ウェハであることを技術的特徴とする。
請求項5に記載の発明は、ウェハを複数個のチップに切断分離するとき、当該チップの切断面である外周側壁面を発塵防止材によって被覆することを技術的特徴とする。
請求項6に記載の発明は、
請求項5に記載のウェハの加工方法において、
前記ウェハの内部へ集光点を合わせてレーザ光を照射することにより、前記ウェハの切断予定ラインに沿って前記ウェハの内部に、多光子吸収による少なくとも1層の改質領域を形成する第1工程と、
ウェハの表面における切断予定ラインを覆う部分に発塵防止材を設ける第2工程と、
前記改質領域を切断の起点とした割断により、前記ウェハを切断予定ラインに沿って切断分離する第3工程と
を備えたウェハの加工方法であって、
前記第3工程では、溶融した前記発塵防止材を前記ウェハの切断面に垂れ落ちさせ、当該発塵防止材を当該切断面に付着させることにより、当該発塵防止材によって当該切断面を被覆することを技術的特徴とする。
請求項7に記載の発明は、
請求項5に記載のウェハの加工方法において、
ウェハの表面における切断予定ラインを覆う部分に発塵防止材を設ける第1工程と、
前記ウェハの内部へ集光点を合わせてレーザ光を照射することにより、前記ウェハの切断予定ラインに沿って前記ウェハの内部に、多光子吸収による少なくとも1層の改質領域を形成する第2工程と、
前記改質領域を切断の起点とした割断により、前記ウェハを切断予定ラインに沿って切断分離する第3工程とを備えたウェハの加工方法であって、
前記第3工程では、溶融した前記発塵防止材を前記ウェハの切断面に垂れ落ちさせ、当該発塵防止材を当該切断面に付着させることにより、当該発塵防止材によって当該切断面を被覆することを技術的特徴とする。
請求項8に記載の発明は、
請求項6または請求項7に記載のウェハの加工方法において、
前記ウェハの表面における切断予定ラインを覆う部分に、前記発塵防止材を貯留するための溝状の凹部が形成されていることを技術的特徴とする。
請求項9に記載の発明は、
請求項6〜8のいずれか1項に記載のウェハの加工方法において、
前記ウェハの表面における前記発塵防止材が設けられた部分に沿って、前記ウェハの表面へ不要に拡散した前記発塵防止材を収容するための溝状の凹部が形成されていることを技術的特徴とする。
請求項10に記載の発明は、
請求項6〜9のいずれか1項に記載のウェハの加工方法において、
前記第3工程では、前記ウェハを切断分離するときに、前記ウェハの表面に設けた前記発塵防止材に対して加圧力を印加することを技術的特徴とする。
請求項11に記載の発明は、
請求項6〜9のいずれか1項に記載のウェハの加工方法において、
前記第3工程では、
前記ウェハの裏面に貼着されたダイシングフィルムと、そのダイシングフィルムは伸長性および通気性を有することと、
前記ウェハが載置されるエキスパンドステージと、そのエキスパンドステージは通気性を有することとを備え、
前記ダイシングフィルムを伸張させて前記改質領域に引張応力を印加させることで、前記改質領域を切断の起点とした割断により前記ウェハを切断分離するときに、前記エキスパンドステージの下側から前記ダイシングフィルムを介して、前記ウェハの切断箇所に対して下方向から吸引力を印加することを技術的特徴とする。
請求項12に記載の発明は、
ウェハを複数個のチップに切断分離した後に、当該チップの切断面である外周側壁面を発塵防止材によって被覆することを技術的特徴とする。
請求項13に記載の発明は、
請求項12に記載のウェハの加工方法において、
前記ウェハを複数個のチップに切断分離する工程と、
前記チップを液体状またはゲル状の前記発塵防止材の中に浸漬し、当該発塵防止材を前記チップの切断面である外周側壁面に付着させることにより、当該発塵防止材によって当該切断面を被覆する工程とを備えたことを技術的特徴とする。
請求項14に記載の発明は、
請求項12に記載のウェハの加工方法において、
前記ウェハを複数個のチップに切断分離する工程と、
前記チップを筒形の発塵防止材に挿入し、当該発塵防止材を前記チップの切断面である外周側壁面に密着させることにより、当該発塵防止材によって当該切断面を被覆する工程とを備えたことを技術的特徴とする。
請求項15に記載の発明は、
請求項5〜13のいずれか1項に記載のウェハの加工方法において、
前記発塵防止材は、熱可塑性、熱硬化性、光硬化性、化学反応硬化性、溶剤蒸発硬化性からなるグループから選択されたいずれか1つの性質を有することを技術的特徴とする。
請求項16に記載の発明は、
請求項14に記載のウェハの加工方法において、
前記発塵防止材は、熱収縮性、光収縮性、弾性からなるグループから選択されたいずれか1つの性質を有することを技術的特徴とする。
請求項17に記載の発明は、
請求項5〜16のいずれか1項に記載のウェハの加工方法において、
前記ウェハは半導体ウェハであることを技術的特徴とする。
以下に記載した( )内の数字等は、後述する[発明を実施するための最良の形態]に記載した構成部材・構成要素の符号に対応したものである。
また、「発塵防止材」は、[発明を実施するための最良の形態]に記載した「部材12」「材料45」「部材52」に該当する。
<請求項1>
請求項1の発明によれば、チップ(41,51)の切断面(41b,51a,10d)である外周側壁面が発塵防止材(45,52,12)によって被覆されているため、チップの切断面からウェハ(10)の形成材料の微少片が剥離するのを防止できる。
ここで、ウェハからチップを切断分離するときに切断面を発塵防止材によって被覆すれば、切断分離時および切断分離後に、前記微少片の剥離を防止できる。また、ウェハからチップを切断分離した後に切断面を発塵防止材によって被覆すれば、切断分離時には前記微少片が剥離するものの、切断分離後には当該微少片の剥離を防止できる。
<請求項2>
請求項2の発明によれば、ウェハ(10)の内部へ集光点を合わせて照射されたレーザ光(L)によってウェハの内部に形成された多光子吸収による改質領域(R)を切断の起点とした割断により、ウェハからチップを切断分離するレーザダイシング技術に適用できる。
<請求項3>
請求項1または請求項2の発明では、請求項3の発明のように、発塵防止材として、熱可塑性、熱硬化性、光硬化性、化学反応硬化性、溶剤蒸発硬化性、熱収縮性、光収縮性、弾性のいずれかの性質を有するものが使用できる。
<請求項4>
請求項4の発明によれば、半導体ウェハから切断分離された半導体チップについて、そのチップの切断面からウェハの形成材料の微少片が剥離するのを防止できる。そのため、半導体ウェハの微少片が当該ウェハ(チップ)の表面における素子形成領域に形成された半導体装置に付着するのを防止可能になり、半導体チップの歩留まりや品質を向上させることができる。
例えば、半導体装置としてモノリシックICが形成されている場合には、回路を構成する半導体素子や配線にウェハの微少片が付着すると、その微少片が回路の短絡故障を招くおそれがあるが、請求項4の発明によれば、そのような故障を防止できる。
また、半導体装置としてMEMS技術を利用して作製された各種センサ素子(圧電素子や静電容量素子から成る圧力センサ,加速度センサ,超音波センサなど)やマイクロマシンが形成されている場合には、センサ素子やマイクロマシンを構成する可動部材にウェハの微少片が付着すると、その微少片により可動部材の動きが妨げられるため、センサ素子やマイクロマシンの性能低下を招くおそれがあるが、請求項4の発明によれば、そのような性能低下を防止できる。
<請求項5:第1〜第3実施形態に該当>
請求項5の発明によれば、ウェハ(10)から複数個のチップを切断分離するときに切断面(10d)を発塵防止材(12)によって被覆するため、切断分離時および切断分離後に、チップの切断面からウェハの形成材料の微少片が剥離するのを防止できる。
<請求項6:第1〜第3実施形態に該当>
請求項6の発明によれば、ウェハ(10)の内部へ集光点(P)を合わせて照射されたレーザ光(L)によってウェハの内部に形成された多光子吸収による改質領域(R)を切断の起点とした割断により、ウェハからチップを切断分離するレーザダイシング技術に適用できる。
また、請求項6の発明によれば、ウェハの表面における切断予定ライン(K)を覆う部分(10e)に発塵防止材(12)が設けられているため、第3工程にて、溶融して低粘度になり流動性が高められた発塵防止材がウェハの切断分離と同時に切断面(10d)を垂れ落ちるとき、発塵防止材がウェハの表面(10b)へ不要に拡散して付着し難いことから、ウェハの表面に対して発塵防止材が悪影響を及ぼし難い。
そして、請求項6の発明では、まず、第1工程にて、ウェハ(10)の内部へ集光点(P)を合わせてレーザ光(L)を照射することにより、ウェハの内部に多光子吸収による改質領域(R)を形成し、その後に、第2工程にて、ウェハの表面(10b)における切断予定ライン(K)を覆う部分(10e)に発塵防止材(12)を設けている。
従って、請求項6の発明では、ウェハの表面にレーザ光を照射するときに発塵防止材が設けられていないため、レーザ光が発塵防止材によって散乱することがなく、レーザ光の集光点をウェハの内部に確実に合わせることが可能であるため、改質領域を正常かつ確実に形成することができる。
<請求項7:第1〜第3実施形態に該当>
請求項7の発明の第3工程においても、請求項6の発明の第3工程と同様の作用・効果が得られる。
但し、請求項7の発明では、まず、第1工程にて、ウェハの表面(10b)における切断予定ライン(K)を覆う部分(10e)に発塵防止材(12)を設け、その後に、第2工程にて、ウェハ(10)の内部へ集光点(P)を合わせてレーザ光(L)を照射することにより、ウェハの内部に多光子吸収による改質領域(R)を形成している。
よって、請求項7の発明では、ウェハの表面にレーザ光を照射するときに発塵防止材が設けられているため、レーザ光が発塵防止材によって散乱するおそれがあることから、レーザ光を散乱させない材質の発塵防止材を用いる必要がある。
<請求項8:第2実施形態に該当>
請求項8の発明によれば、発塵防止材が凹部(21)内に貯留されているため、溶融した発塵防止材がウェハの切断分離と同時に切断面を垂れ落ちるとき、溶融した発塵防止材が凹部内から溢れ出すことはなく、発塵防止材がウェハの表面へ不要に拡散して付着するのを確実に防止できるため、ウェハの表面に対して発塵防止材が悪影響を及ぼすおそれがない。
また、請求項8の発明によれば、溶融した発塵防止材がウェハの表面へ不要に拡散されず、発塵防止材の全てを切断面に垂れ落ちさせることが可能になるため、必要最小量の発塵防止材で切断面の被覆を確実に行うことができる。
<請求項9:第3実施形態に該当>
請求項9の発明によれば、ウェハの表面へ不要に拡散した発塵防止材を収容するための溝状の凹部(31a〜31d)が形成されているため、溶融した発塵防止材がウェハの切断分離と同時に切断面を垂れ落ちるとき、発塵防止材がウェハの表面へ不要に拡散したとしても、その拡散した発塵防止材は凹部内に流れ込む。
ここで、凹部の寸法形状を、発塵防止材の材質および体積に合わせて適宜設定しておけば、凹部内に流れ込んだ発塵防止材を確実に収容することが可能であり、溶融した発塵防止材が凹部内から溢れ出して広がることはない。
従って、発塵防止材がウェハの表面へ不要に拡散して付着するのを確実に防止できるため、ウェハの表面に対して発塵防止材が悪影響を及ぼすおそれがない。
尚、請求項9の発明において、凹部を多重に設ければ、前記作用・効果をより確実に得られる。
<請求項10:第6実施形態に該当>
請求項10の発明では、ウェハ(10)を切断分離するときに、ウェハの表面(10b)に設けた発塵防止材(12)に対して加圧力を印加するため、その加圧力と重力との相乗作用により、ウェハの切断分離と同時に切断面(10d)の間に発塵防止材が素早く流れ込み、その流れ込んだ発塵防止材がいち早く切断面全体に付着して被覆する。
従って、請求項10の発明によれば、溶融した発塵防止材を単に重力だけでウェハの切断面に垂れ落ちさせる請求項6〜9の発明に比べ、切断面全体に発塵防止材を素早く効率的に付着させることが可能になるため、請求項6〜9の発明の作用・効果を更に高めることができる。
尚、ウェハの表面に設けた発塵防止材に対して加圧力を印加するには、例えば、ウェハの表面に対して上方向から適宜な風量で送風する方法や、ウェハを収容した圧力容器内の気圧を高めて加圧状態にする方法などを用いればよい。
そして、前記加圧力は、前記作用・効果が確実に得られるように、カット・アンド・トライで実験的に最適値を求めて設定すればよい。
<請求項11:第7実施形態に該当>
請求項11の発明では、ダイシングフィルム(11)を伸張させて改質領域(R)に引張応力を印加させることで、改質領域を切断の起点とした割断によりウェハ(10)を切断分離するときに、エキスパンドステージ(61)の下側からダイシングフィルムを介して、ウェハの切断箇所(切断面の対向箇所)に対して下方向から吸引力を印加する。
ウェハの切断箇所に対して下方向から吸引力を印加すると、溶融して低粘度になり流動性が高められている発塵防止材(12)に対しても吸引力が印加され、その吸引力と重力との相乗作用により、ウェハの切断分離と同時に切断面(10d)の間に発塵防止材が素早く流れ込み、その流れ込んだ発塵防止材がいち早く切断面全体に付着して被覆する。
従って、請求項11の発明によれば、溶融した発塵防止材を単に重力だけでウェハの切断面に垂れ落ちさせる請求項6〜9の発明に比べ、切断面全体に発塵防止材を素早く効率的に付着させることが可能になるため、請求項6〜9の発明の作用・効果を更に高めることができる。
尚、前記吸引力は、前記作用・効果が確実に得られるように、カット・アンド・トライで実験的に最適値を求めて設定すればよい。
<請求項12:第4実施形態または第5実施形態に該当>
請求項12の発明によれば、ウェハから複数個のチップ(41,51)を切断分離した後に切断面(41b,51a)を発塵防止材(45,52)によって被覆するため、切断分離時にはチップの切断面からウェハの形成材料の微少片が剥離するものの、切断分離後には当該微少片の剥離を防止できる。
<請求項13:第4実施形態に該当>
請求項13の発明によれば、チップ(41)を液体状またはゲル状の発塵防止材(45)の中に浸漬すると、チップの外周側壁面である切断面(41b)全体が発塵防止材に接触し、発塵防止材がチップの切断面に付着するため、発塵防止材によってチップの切断面を被覆することができる。
尚、請求項13の発明において、チップの表面(41a)をシール材(42)で被覆した状態で、チップを溶融した発塵防止材中に浸漬すれば、チップの表面に発塵防止材が付着することはなく、チップの表面に対して発塵防止材が悪影響を及ぼすのを確実に防止できる。
<請求項14:第5実施形態に該当>
請求項14の発明によれば、チップ(51)を筒形の発塵防止材(52)に挿入し、発塵防止材をチップの外周側壁面である切断面(51a)に密着させることにより、チップの切断面を発塵防止材によって被覆することができる。
<請求項15:第1〜第4実施形態に該当>
請求項5〜13の発明では、請求項15の発明のように、発塵防止材(12,45)として、熱可塑性、熱硬化性、光硬化性、化学反応硬化性、溶剤蒸発硬化性のいずれかの性質を有するものが使用できる。
<請求項16:第5実施形態に該当>
請求項14の発明では、請求項16の発明のように、発塵防止材(52)として、熱収縮性、光収縮性、弾性のいずれかの性質を有するものが使用できる。
<請求項17>
請求項17の発明によれば、請求項4の発明と同様の作用・効果が得られる。
以下、本発明を具体化した各実施形態について図面を参照しながら説明する。尚、各実施形態において、同一の構成部材および構成要素については符号を等しくすると共に、同一内容の箇所については重複説明を省略してある。
<第1実施形態>
図1および図2は、第1実施形態においてウェハ10にレーザ光を照射して改質領域を形成する様子を説明するための説明図であり、図1(A)はウェハ10の平面図を表し、図1(B)および図2はウェハ10の縦断面を模式的に表したものである。
尚、図1(B)は、図1(A)に示すX−X線断面図である。
また、図2は、図1(A)に示す切断予定ラインKに相当するY−Y線断面図である。
単結晶シリコンのバルク材から成るウェハ(バルクシリコンウェハ)10の裏面10aには、ダイシングフィルム(ダイシングシート、ダイシングテープ、エキスパンドテープ)11が貼着されている。
尚、ダイシングフィルム11は、加熱により伸張するか又は伸張方向に力を加えることにより伸張する伸張性のプラスチック製フィルム材から成り、ウェハ10の裏面側全面に対して接着剤(図示略)によって接着されている。
ウェハ10の表面10bには、半導体装置(図示略)が形成された素子形成領域10cが設けられている。尚、半導体装置としては、例えば、モノリシックIC、各種半導体素子、MEMS技術を利用して作製された各種センサ素子やマイクロマシンなどがある。
レーザ加工装置(図示略)は、レーザ光Lを出射するレーザ光源(図示略)と、集光レンズCVとを備えており、レーザ光Lの光軸OAをウェハ10の表面10bに対して垂直にした状態で、レーザ光Lを集光レンズCVを介してウェハ10の表面(レーザ光Lの入射面)10bへ照射させ、ウェハ10の内部における所定位置にレーザ光Lを集光させた集光点(焦点)Pを合わせる。その結果、ウェハ10の内部における集光点Pの箇所に改質領域(改質層)Rが形成される。
尚、レーザ光Lには、例えば、YAG(Yttrium Aluminium Garnet)レーザで1064nmの赤外光領域の波長のレーザ光を用いればよい。
ここで、改質領域Rは、レーザ光Lの照射によって発生した主に多光子吸収による溶融処理領域を含むものである。
すなわち、ウェハ10の内部における集光点Pの箇所は、レーザ光Lの多光子吸収によって局所的に加熱され、その加熱により一旦溶融した後に再固化する。このように、ウェハ10の内部にて溶融後に再固化した領域が改質領域Rとなる。
つまり、溶融処理領域とは、相変化した領域や結晶構造が変化した領域である。言い換えれば、溶融処理領域とは、ウェハ10の内部にて、単結晶シリコンが非晶質シリコンに変化した領域、単結晶シリコンが多結晶シリコンに変化した領域、単結晶シリコンが非晶質シリコンおよび多結晶シリコンを含む構造に変化した領域のいずれかの領域である。尚、ウェハ10は、バルクシリコンウェハであるため、溶融処理領域は主に多結晶シリコンから成る。
ちなみに、溶融処理領域は、レーザ光Lがウェハ10の内部で吸収されること(つまり、通常のレーザ光による加熱)によって形成されたものではなく、主に多光子吸収によって形成される。
そのため、ウェハ10の内部における集光点Pの箇所以外にはレーザ光Lがほとんど吸収されず、ウェハ10の表面10bが溶融したり変質することはない。
そして、レーザ加工装置は、ウェハ10の内部における集光点Pの深さ位置を一定にした状態で、レーザ光Lをパルス状に照射しながら走査することにより、ウェハ10における直線状の切断予定ライン(割断線)Kに沿って、図示矢印α方向に集光点Pを移動させる。
ところで、レーザ加工装置がレーザ光Lを走査するのではなく、レーザ加工装置によるレーザ光Lの照射位置を一定にした状態で、ウェハ10が載置保持された載置台(図示略)をレーザ光Lの照射方向(ウェハ10の表面10bに対するレーザ光Lの入射方向)と直交する方向に移動させてもよい。
すなわち、レーザ光Lの走査またはウェハ10の移動により、ウェハ10の切断予定ラインKに沿いながら、ウェハ10に対して集光点Pを相対的に移動させればよい。
このように、ウェハ10の内部における集光点Pの深さ位置を一定にした状態で、レーザ光Lをパルス状に照射しながら、ウェハ10に対して集光点Pを相対的に移動させることにより、ウェハ10の表面10bから一定深さ位置にて(つまり、レーザ光Lの入射面から一定距離内側の位置にて)、ウェハ10の表裏面10b,10aに対して水平方向に一定の間隔をあけた複数個の改質領域Rから成る1層の改質領域群Ga〜Gcが形成されてゆく。
尚、ウェハ10の内部における集光点Pの深さは、ウェハ10の表面(レーザ光Lの入射面)10bから集光点Pまでの距離である。
そして、レーザ加工装置は、ウェハ10の内部における集光点Pの深さ位置を段階的に変えることにより、ウェハ10の切断予定ラインKに沿うと共に、ウェハ10の表面10bから深さ方向(ウェハ10の厚さ方向、ウェハ10の断面方向、ウェハ10の表裏面10b,10aに対して垂直方向)に離間または隣接または重複して配置された複数層の改質領域群Ga〜Gcを順次形成する。
言い換えれば、ウェハ10に照射されるレーザ光Lのウェハ10への入射方向(ウェハ10の深さ方向)におけるレーザ光Lの集光点Pの位置(深さ位置)を複数段階に変えることにより、複数層の改質領域群Ga〜Gcを構成する改質領域Rを前記入射方向に沿って離間または隣接または重複させた状態で並ぶように複数形成する。
例えば、まず、集光点Pの深さ位置をウェハ10の裏面10a近傍に設定した状態で集光点Pを相対的に移動させることにより1層目(最下層)の改質領域群Gaを形成し、次に、集光点Pの深さ位置をウェハ10の表裏面10b,10bの略中間に設定した状態で集光点Pを相対的に移動させることにより2層目(中間層)の改質領域群Gbを形成し、続いて、集光点Pの深さ位置をウェハ10の表面10b近傍に設定した状態で集光点Pを相対的に移動させることにより3層目(最上層)の改質領域群Gcを形成する。
ところで、図1および図2に示す例では、3層の改質領域群Ga〜Gcを設けているが、改質領域群の層数についてはウェハ10の板厚に応じて適宜設定すればよく、2層以下または4層以上の改質領域群を設けるようにしてもよい。
ここで、複数層の改質領域群Ga〜Gcは、レーザ光Lが入射するウェハ10の表面(レーザ光Lの入射面)10bに対して遠い方から順番に(前記のように、Ga→Gb→Gcの順番で)形成することが好ましい。
例えば、レーザ光Lが入射するウェハ10の表面10bに対して近い位置の改質領域群Gcを先に形成し、その後にレーザ光Lが入射するウェハ10の表面10bに対して遠い位置の改質領域群Gaを形成した場合には、改質領域群Gaの形成時に照射されたレーザ光Lが先に形成された改質領域群Gcによって散乱されるため、改質領域群Gaを構成する各改質領域Rの寸法にバラツキが生じ、改質領域群Gaを均一に形成することができない。
しかし、レーザ光Lが入射するウェハ10の表面(レーザ光Lの入射面)10bに対して遠い方から順番に改質領域群Ga〜Gcを形成すれば、当該入射面10bと集光点Pとの間に改質領域Rがない状態で新たな改質領域Rを形成可能なため、既に形成されている改質領域Rによってレーザ光Lが散乱されず、複数層の改質領域群Ga〜Gcをそれぞれ均一に形成することができる。
尚、複数層の改質領域群Ga〜Gcを、レーザ光Lが入射するウェハ10の表面10bに対して近い方から順番に(Gc→Gb→Gaの順番で)形成したり、順番をランダムに設定して形成しても、ある程度均一な改質領域群を得られる場合があるため、改質領域群を形成する順番については、実際に形成される改質領域群を実験的に確かめて適宜設定すればよい。
ところで、ウェハ10の内部における集光点Pの深さ位置を変えて複数層の改質領域群Ga〜Gcを形成するには、以下の方法がある。
[ア]レーザ光Lを出射するレーザ光源と集光レンズCVから構成されたヘッド(レーザヘッド)を、ウェハ10の表裏面10b,10aに対して垂直方向に上下動させる方法。
[イ]ウェハ10が載置保持された載置台を、ウェハ10の表裏面10b,10aに対して垂直方向に上下動させる方法。
[ウ]前記[ア][イ]を組み合わせ、ヘッドおよび載置台の両方を相互に逆方向に上下動させる方法。この方法によれば、複数層の改質領域群Ga〜Gcを形成するのに要する時間を前記[ア][イ]の方法よりも短縮できる。
前記のようにウェハ10の内部に複数層の改質領域群Ga〜Gcを形成した後に、ウェハ10の表面10bにおける切断予定ラインKを覆う部分10eに対して、熱可塑性を有する部材12を設ける。
尚、ウェハ10の表面10bにおける部分10eは、素子形成領域10cを覆わないように配置されている。
また、部分10eに部材12を設けるには、どのような方法を用いてもよく、例えば、溶融した部材12を部分10eに塗布する方法や、固形の部材12を部分10eに接着する方法などがある。
図3は、第1実施形態においてウェハ10を切断分離する様子を説明するための説明図であり、図1(A)に示すX−X線断面に相当する。
ウェハ10を加熱しながら、ウェハ10の表面10bを上向きにしてウェハ10を水平に配置した状態で、ダイシングフィルム11を切断予定ラインKに対して水平方向(矢印β,β’方向)に伸張させることにより、各改質領域群Ga〜Gcに引張応力を印加する。
すると、ウェハ10の内部に剪断応力が発生し、まず、ダイシングフィルム11に最も近い最下層の改質領域群Gaを起点としてウェハ10の深さ方向に亀裂(割れ)が発生し、次に、中間層の改質領域群Gbを起点としてウェハ10の深さ方向に亀裂が発生し、続いて、最上層の改質領域群Gcを起点としてウェハ10の深さ方向に亀裂が発生し、各改質領域群Ga〜Gcを起点とする亀裂が成長して繋がり、その成長した亀裂がウェハ10の表裏面10b,10aに到達することにより、ウェハ10が切断分離される。
尚、薄板略円板状のウェハ10の表面10bには、多数個のチップ(図示略)が碁盤目状に整列配置されており、切断予定ラインKは各チップの間に配置されている。つまり、ウェハ10の表面10bには複数本の切断予定ラインKが格子状に配置されている。
そのため、前記した各改質領域群Ga〜Gcを各切断予定ラインK毎に形成した後に、ダイシングフィルム11を伸張させることにより、ウェハ10を個々のチップに切断分離する。
ここで、各改質領域群Ga〜Gcは切断予定ラインKに沿って形成されているため、ダイシングフィルム11を伸張させて各改質領域群Ga〜Gcに引張応力を好適に印加させることで、複数層の改質領域群Ga〜Gcを構成する各改質領域Rを切断の起点とした割断により、ウェハ10に不要な割れを生じさせることなく、ウェハ10を比較的小さな力で精度良く切断分離することができる。
このとき、ウェハ10の表面10bを上向きにしてウェハ10を水平に配置した状態でウェハ10を加熱しているため、その加熱によって熱可塑性を有する部材12が溶融する。
そして、図3(A)に示すように、ウェハ10の切断分離と同時に、溶融して低粘度になり流動性が高められた部材12が、ウェハ10の切断面(割断面)10dを重力に従って垂れ落ちる。
その後、図3(B)に示すように、ウェハ10の切断面10dを垂れ落ちた部材12が切断面10d全体に付着して被覆する。
そして、ウェハ10の切断面10dが部材12によって被覆されたら、ウェハ10の加熱を停止して冷却させる。
すると、部材12はウェハ10の切断面10d全体を被覆した状態で冷却されて硬化する。
以上詳述したように、第1実施形態では、ウェハ10を切断分離するときに熱可塑性を有する部材12によって切断面10d全体を被覆するため、ウェハ10の切断分離時(割断時)や切断分離後(割断後)に、切断面10dからウェハ10の形成材料の微少片が剥離するのを確実に防止できる。
尚、ウェハ10の切断面10dは、ウェハ10から切断分離されたチップの外周側壁面である。
つまり、ウェハ10から切断分離されたチップの外周側壁面である切断面10dが部材12によって被覆されるわけである。
従って、第1実施形態によれば、ウェハ10の微少片が素子形成領域10cに形成された半導体装置に付着するのを防止可能になり、ウェハ10から切断分離されたチップの歩留まりや品質を向上させることができる。
例えば、半導体装置としてモノリシックICが形成されている場合には、回路を構成する半導体素子や配線にウェハ10の微少片が付着すると、その微少片が回路の短絡故障を招くおそれがあるが、第1実施形態によれば、そのような故障を防止できる。
また、半導体装置としてMEMS技術を利用して作製された各種センサ素子(圧電素子や静電容量素子から成る圧力センサ,加速度センサ,超音波センサなど)やマイクロマシンが形成されている場合には、センサ素子やマイクロマシンを構成する可動部材にウェハ10の微少片が付着すると、その微少片により可動部材の動きが妨げられるため、センサ素子やマイクロマシンの性能低下を招くおそれがあるが、第1実施形態によれば、そのような性能低下を防止できる。
また、第1実施形態では、ウェハ10の表面10bにおける切断予定ラインKを覆う部分10eに部材12が設けられ、部分10eは素子形成領域10cを覆わないように配置されている。
そのため、溶融した部材12がウェハ10の切断分離と同時に切断面10dを垂れ落ちるとき、部材12がウェハの表面10bへ不要に拡散し難いことから、素子形成領域10cに形成された半導体装置に部材12が悪影響を及ぼし難い。
尚、部材12には、熱可塑性を有するものであれば、どのような材料を用いてもよく、前記作用・効果が確実に得られるように、カット・アンド・トライで実験的に最適な材料を選択すればよい。
熱可塑性を有する材料には、例えば、天然ゴムまたは合成ゴムを含む各種ゴム材料、熱可塑性樹脂材料を含む各種プラスチック材料、各種ワックス材料などがある。
ちなみに、合成ゴム材料には、ジエン系、多硫化物系、オレフィン系、有機ケイ素化合物系、フッ素化合物系、ウレタン系、ビニル系などがある。
また、プラスチック材料には、重合型(炭化水素系、アクリル系、酢酸ビニル系、含ハロゲン系)、縮合型(ポリエーテル系、アミノ系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリウレタン系、ポリエーテル系、フェノール系、エポキシ系)、半合成高分子型(繊維素系、タンパク質系)などがある。
また、ウェハ10の切断分離と加熱とを同時に行う方法には、例えば、電気ヒーターで加熱された容器内にウェハ10を収容した状態でダイシングフィルム11を伸張させる方法や、赤外線ランプからウェハ10に赤外光を照射しながらダイシングフィルム11を伸張させる方法などがある。
そして、第1実施形態では、まず、ウェハ10の内部へ集光点Pを合わせてレーザ光Lを照射することにより、ウェハ10の切断予定ラインKに沿ってウェハ10の内部に、多光子吸収による複数層の改質領域群Ga〜Gcを構成する各改質領域Rを形成する。その後に、ウェハ10の表面10bにおける切断予定ラインKを覆う部分10eに対して、熱可塑性を有する部材12を設ける。
従って、第1実施形態では、ウェハ10の表面10bにレーザ光Lを照射するときに部材12が設けられていないため、レーザ光Lが部材12によって散乱することがなく、レーザ光Lの集光点Pをウェハ10の内部に確実に合わせることが可能であるため、各改質領域群Ga〜Gcを構成する各改質領域Rを正常かつ確実に形成することができる。
尚、レーザ光Lを散乱させない材質の部材12を用いる場合には、まず、ウェハ10の部分10eに部材12を設け、その後に、部材12を通してウェハ10の内部へレーザ光Lを照射し、ウェハ10の内部に各改質領域群Ga〜Gcを形成してもよい。
<第2実施形態>
図4は、第2実施形態においてウェハ10にレーザ光を照射して改質領域を形成する様子を説明するための説明図であり、図4(A)はウェハ10の平面図を表し、図4(B)はウェハ10の縦断面を模式的に表したものである。
尚、図4(B)は、図4(A)に示すX−X線断面図である。
第2実施形態において、第1実施形態と異なるのは、ウェハ10の表面10bにおける切断予定ラインKを覆う部分10eに縦断面コ字溝状の凹部21が形成され、その凹部21内に熱可塑性を有する部材12が貯留されている点だけである。
第2実施形態でも、第1実施形態と同様に、ダイシングフィルム11を伸張させて各改質領域群Ga〜Gcに引張応力を印加させることで、複数層の改質領域群Ga〜Gcを切断の起点とした割断によりウェハ10を切断分離するときに、ウェハ10の表面10bを上向きにしてウェハ10を水平に配置した状態でウェハ10を加熱しておき、溶融した部材12がウェハ10の切断分離と同時に切断面10dを重力に従って垂れ落ちるようにする。
このとき、部材12は凹部21内に収容されており、凹部21は素子形成領域10cには配置されていないため、溶融した部材12が凹部21内から溢れ出して素子形成領域10cにまで広がることはなく、溶融した部材12は全て切断面10dを垂れ落ちる。
従って、第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の作用・効果を得ることができる。
加えて、第2実施形態によれば、第1実施形態に比べて、溶融した部材12がウェハ10の表面10bへ不要に拡散して素子形成領域10cに付着するのを更に確実に防止できるため、素子形成領域10cに形成された半導体装置に部材12が悪影響を及ぼすおそれがない。
また、第2実施形態によれば、溶融した部材12がウェハ10の表面10bへ不要に拡散されず、部材12の全てを切断面10dに垂れ落ちさせることが可能になるため、必要最小量の部材12で切断面10dの被覆を確実に行うことができる。
図5(A)は、第2実施形態の第1変更例を説明するための説明図であり、図4(A)に示すX−X線断面図である。
図5(A)に示す第1変更例において、第2実施形態と異なるのは、凹部21の形状が縦断面V字溝状である点だけであり、この第1変更例によれば第2実施形態と同様の作用・効果が得られる。
図5(B)は、第2実施形態の第2変更例を説明するための説明図であり、図4(A)に示すX−X線断面図である。
図5(A)に示す第2変更例において、第2実施形態と異なるのは、凹部21の形状が縦断面U字溝状である点だけであり、この第2変更例によれば第2実施形態と同様の作用・効果が得られる。
このように、凹部21の縦断面形状は、前記作用・効果が確実に得られるように、カット・アンド・トライで実験的に最適な形状に設定すればよい。
<第3実施形態>
図6は、第3実施形態においてウェハ10にレーザ光を照射して改質領域を形成する様子を説明するための説明図であり、図6(A)はウェハ10の平面図を表し、図6(B)はウェハ10の縦断面を模式的に表したものである。
尚、図6(B)は、図6(A)に示すX−X線断面図である。
第3実施形態において、第1実施形態と異なるのは、ウェハ10の表面10bにおける切断予定ラインKを覆う部分10eと素子形成領域11cとの間に縦断面溝状の凹部31a,31bが形成されている点だけである。
つまり、第3実施形態では、ウェハ10の表面10bにおける切断予定ラインKを覆う部分10e(部材12が設けられている部分)に沿って、凹部31a,31bが形成されている。
第3実施形態でも、第1実施形態と同様に、ダイシングフィルム11を伸張させて各改質領域群Ga〜Gcに引張応力を印加させることで、複数層の改質領域群Ga〜Gcを切断の起点とした割断によりウェハ10を切断分離するときに、ウェハ10の表面10bを上向きにしてウェハ10を水平に配置した状態でウェハ10を加熱しておき、溶融した部材12がウェハ10の切断分離と同時に切断面10dを重力に従って垂れ落ちるようにする。
このとき、ウェハ10の表面10bにおける部材12の設けられている部分10eと素子形成領域10cとの間には凹部31a,31bが設けられているため、溶融した部材12がウェハ10の表面10bへ不要に拡散したとしても、その拡散した部材12(図6では符号「12a」を付して区別する)は、凹部31a,31b内に流れ込む。
ここで、凹部31a,31bの寸法形状を、部材12の材質および体積に合わせて適宜設定しておけば、凹部31a,31b内に流れ込んだ部材12を確実に収容することが可能であり、溶融した部材12が凹部31a,31b内から溢れ出して素子形成領域10cにまで広がることはない。
従って、第3実施形態によれば、第1実施形態と同様の作用・効果を得ることができる。
加えて、第3実施形態によれば、第1実施形態に比べて、溶融した部材12がウェハ10の表面10bへ不要に拡散して素子形成領域10cに付着するのを更に確実に防止できるため、素子形成領域10cに形成された半導体装置に部材12が悪影響を及ぼすおそれがない。
図7は、第3実施形態の変更例を説明するための説明図であり、図7(A)はウェハ10の平面図を表し、図7(B)はウェハ10の縦断面を模式的に表したものである。
尚、図7(B)は、図7(A)に示すX−X線断面図である。
図7に示す変更例において、第3実施形態と異なるのは、ウェハ10の表面10bにおける各凹部31a,31bと素子形成領域10cとの間にそれぞれ縦断面溝状の凹部31c,31dが形成されている点だけである。
つまり、図7に示す変更例では、ウェハ10の表面10bにおける切断予定ラインKと素子形成領域11cとの間に、2重の凹部31a,31c(31b,31d)が形成されている。
そのため、溶融した部材12がウェハ10の表面10bへ不要に拡散した場合、その拡散した部材12(図6では符号「12a」を付して区別する)は、まず、凹部31a,31b内に流れ込む。そして、凹部31a,31b内から溢れ出した部材12(図6では符号「12b」を付して区別する)は、凹部31c,31d内に流れ込む。
ここで、凹部31a〜31dの寸法形状を、部材12の材質および体積に合わせて適宜設定しておけば、凹部31a,31b内に流れ込んだ部材12が、凹部31a,31b内から万が一溢れ出したとしても、凹部31c,31d内に流れ込んで収容されるため、凹部31c,31d内から溢れ出して素子形成領域10cにまで広がることはまずありえない。
従って、図7に示す変更例によれば、第3実施形態に比べて、溶融した部材12が素子形成領域10cに拡散するのを更に確実に防止できる。
尚、図7に示す変更例では、2重の凹部31a,31c(31b,31d)を設けているが、ウェハ10の表面10bへ不要に拡散した部材12を収容する凹部を3重以上設けるようにしてもよく、当該凹部を多重にするほど前記作用・効果をより確実に得られることになる。
また、第3実施形態およびその変更例において、凹部31a,31c(31b,31d)の容積を大きくするほど、当該凹部内に流れ込んだ部材12が溢れ出難くなるため前記作用・効果をより確実に得られることになる。
その反面、前記凹部を多重にするほど、または、前記凹部の容積を大きくするほど、前記凹部がウェハ10の表面10b上に占めるスペースが大きくなるため、1枚のウェハ10から得られるチップの個数が少なくなる。
よって、前記凹部の個数および容積については、前記作用・効果が十分に得られるように、カット・アンド・トライで実験的に最適値を求めて設定すればよい。
<第4実施形態>
図8は、第4実施形態を説明するための説明図である。
第4実施形態では、第1実施形態と同様のレーザダイシング技術を用い、ウェハの内部に改質領域Rを形成し、その改質領域Rを切断の起点とした割断により、ウェハを個々のチップに切断分離する。
但し、第4実施形態では、ウェハの表面における切断予定ラインを覆う部分に熱可塑性を有する部材を設けない点が第1実施形態とは異なる。
そして、図8(A)に示すように、半導体装置(図示略)が形成されているチップ(半導体チップ)41の表面41aをシール材42で被覆する。
また、図8(B)に示すように、上方が開口した容器43を電気ヒーター44上に設置し、容器43内に収容した熱可塑性を有する材料45を電気ヒーター44を用いて加熱することにより溶融させておく。
次に、図8(C)に示すように、表面41aがシール材42で被覆されたチップ41を、容器43内に投入することにより、溶融した材料45中に浸漬する。すると、チップ41の外周側壁面である切断面41b全体が材料45に接触し、切断面41b全体に材料45が付着して被覆する。
続いて、溶融した材料45中からチップ41を引き上げて冷却させると、材料45は切断面41b全体を被覆した状態で冷却されて硬化する。
従って、第4実施形態によれば、ウェハを個々のチップ41に切断分離した後に熱可塑性を有する材料45によってチップ41の切断面41b全体を被覆するため、ウェハを切断分離するときにチップ41の切断面41bからウェハの形成材料の微少片が剥離するものの、ウェハを切断分離した後には当該微少片の剥離を確実に防止可能であるため、第1実施形態に比べれば劣るもののほぼ同等の効果が得られる。
また、第4実施形態では、チップ41の表面41aをシール材42で被覆した状態でチップ41を溶融した材料45中に浸漬するため、チップ41の表面41aに形成された半導体装置に材料45が付着することはなく、当該半導体装置に材料45が悪影響を及ぼすのを確実に防止できる。
尚、熱可塑性を有する材料45には、第1実施形態の部材12と同様の材料を用いればよい。
また、材料45として、チップ41の表面41aに形成された半導体装置に付着しても悪影響を及ぼさない材質のものを用いる場合には、シール材42を省いてもよい。
<第5実施形態>
図9は、第5実施形態を説明するための説明図である。
第5実施形態では、第1実施形態と同様のレーザダイシング技術を用い、ウェハの内部に改質領域Rを形成し、その改質領域Rを切断の起点とした割断により、ウェハを個々のチップに切断分離する。
但し、第5実施形態では、ウェハの表面における切断予定ラインを覆う部分に熱可塑性を有する部材を設けない点が第1実施形態とは異なる。
そして、図9(A)に示すように、チップ(半導体チップ)51を四角筒形フィルム状の熱収縮性を有する部材52に挿入する。
次に、図9(B)に示すように、部材52を加熱して収縮させることにより、チップ51の外周側壁面である切断面51a全体に部材52を密着させて被覆する。
そして、図9(C)に示すように、チップ51の切断面51aが部材52によって被覆されたら、部材52の加熱を停止して冷却させる。
すると、部材52はチップ51の切断面51a全体を被覆した状態で冷却されて硬化する。
従って、第5実施形態によれば、ウェハを個々のチップ51に切断分離した後に熱収縮性を有する部材52によってチップ51の切断面51a全体を被覆するため、ウェハを切断分離するときにチップ51の切断面51aからウェハの形成材料の微少片が剥離するものの、ウェハを切断分離した後には当該微少片の剥離を確実に防止可能であるため、第1実施形態に比べれば劣るもののほぼ同等の効果が得られる。
尚、部材52の寸法形状については、前記作用・効果が十分に得られるように、カット・アンド・トライで実験的に最適値を求めて設定すればよい。
また、部材52には、熱収縮性を有するものであれば、どのような材料を用いてもよく、前記作用・効果が確実に得られるように、カット・アンド・トライで実験的に最適な材料を選択すればよい。
熱収縮性を有する材料には、熱可塑性を有する材料と同様に、各種合成ゴム材料や熱収縮性樹脂材料を含む各種プラスチック材料などがある。
<第6実施形態>
図10は、第6実施形態においてウェハ10を切断分離する様子を説明するための説明図であり、ウェハ10の縦断面を模式的に表したものである。
第6実施形態でも、第1実施形態と同様に、ダイシングフィルム11を水平方向(矢印β,β’方向)に伸張させて各改質領域群Ga〜Gcに引張応力を印加させることで、複数層の改質領域群Ga〜Gcを切断の起点とした割断によりウェハ10を切断分離するときに、ウェハ10の表面10bを上向きにしてウェハ10を水平に配置した状態でウェハ10を加熱しておき、溶融した部材12がウェハ10の切断分離と同時に切断面10dを重力に従って垂れ落ちるようにする。
第6実施形態において、第1実施形態と異なるのは、ダイシングフィルム11を伸張させてウェハ10を切断分離するときに、送風機(図示略)を用い、ウェハ10の表面10bに対して垂直上方向(図示矢印γ方向)から適宜な風量の送風を行う点である。
ウェハ10の表面10bに対して垂直上方向から送風を行うと、溶融して低粘度になり流動性が高められている部材12に対して送風による加圧力が印加され、その加圧力と重力との相乗作用により、ウェハ10の切断分離と同時に切断面10dの間に部材12が素早く流れ込み、その流れ込んだ部材12がいち早く切断面10d全体に付着して被覆する。
従って、加熱溶融された部材12に送風による加圧力を印加する第6実施形態によれば、加熱溶融された部材12を単に重力だけでウェハ10の切断面10dに垂れ落ちさせる第1実施形態に比べ、切断面10d全体に部材12を素早く効率的に付着させることが可能になるため、第1実施形態の作用・効果を更に高めることができる。
尚、ウェハ10の表面10bに吹きかける送風の風量は、表面10bの素子形成領域10cに形成された半導体装置(例えば、モノリシックIC、各種半導体素子、MEMS技術を利用して作製された各種センサ素子やマイクロマシンなど)を破損・変形させることなく前記作用・効果が確実に得られるように、カット・アンド・トライで実験的に最適な風量に設定すればよい。
また、ウェハ10の表面10bに吹きかける送風の方向は、表面10bに対して垂直方向に限らず、前記作用・効果が確実に得られるように、カット・アンド・トライで実験的に最適な方向に設定すればよい。
ところで、ウェハ10の表面10bに送風するのではなく、適宜な方法を用いて加熱溶融された部材12に加圧力を印加し、部材12に加圧力を印加した状態でダイシングフィルム11を伸張させてウェハ10を切断分離すれば、第6実施形態と同様の作用・効果が得られる。
例えば、ウェハ10を圧力容器内に収容し、その圧力容器内の気圧を高めて加圧状態にすることにより、加熱溶融された部材12に加圧してもよい。
そして、部材12に印加する加圧力は、前記作用・効果が確実に得られるように、カット・アンド・トライで実験的に最適値を求めて設定すればよい。
<第7実施形態>
図11は、第7実施形態においてウェハ10を切断分離する様子を説明するための説明図であり、ウェハ10の縦断面を模式的に表したものである。
第7実施形態でも、第1実施形態と同様に、ダイシングフィルム11を水平方向(矢印β,β’方向)に伸張させて各改質領域群Ga〜Gcに引張応力を印加させることで、複数層の改質領域群Ga〜Gcを切断の起点とした割断によりウェハ10を切断分離するときに、ウェハ10の表面10bを上向きにしてウェハ10を水平に配置した状態でウェハ10を加熱しておき、溶融した部材12がウェハ10の切断分離と同時に切断面10dを重力に従って垂れ落ちるようにする。
第7実施形態において、第1実施形態と異なるのは以下の点だけである。
[A]ダイシングフィルム11は、加熱により伸張するか又は伸張方向に力を加えることにより伸張する伸張性に加え、多数の微細孔が膜の厚み方向に貫通形成されて通気性を有するプラスチック製フィルム材から成る。
[B]ダイシングフィルム11が貼着されたウェハ10が載置されるエキスパンドステージ(ダイシングステージ)61は、格子状の構造を成しており通気性を有する。
[C]ダイシングフィルム11を伸張させてウェハ10を切断分離するときに、吸引ポンプ(図示略)を用い、エキスパンドステージ61の下側からダイシングフィルム11を介して、ウェハ10の切断箇所(切断面10dの対向箇所)に対して下方向(図示矢印δ方向)から吸引力を印加する。
ウェハ10の切断箇所に対して垂直下方向から吸引力を印加すると、溶融して低粘度になり流動性が高められている部材12に対しても吸引力が印加され、その吸引力と重力との相乗作用により、ウェハ10の切断分離と同時に切断面10dの間に部材12が素早く流れ込み、その流れ込んだ部材12がいち早く切断面10d全体に付着して被覆する。
従って、加熱溶融された部材12にエキスパンドステージ61の下側からダイシングフィルム11を介して吸引力を印加する第7実施形態によれば、加熱溶融された部材12を単に重力だけでウェハ10の切断面10dに垂れ落ちさせる第1実施形態に比べ、切断面10d全体に部材12を素早く効率的に付着させることが可能になるため、第1実施形態の作用・効果を更に高めることができる。
尚、前記吸引力は、前記作用・効果が確実に得られるように、カット・アンド・トライで実験的に最適値を求めて設定すればよい。
ところで、エキスパンドステージ61に通気性を付与するには、エキスパンドステージ61を格子状の構造にすることに限らず、どのような方法を用いてもよく、例えば以下のような方法を用いてよい。
[ア]エキスパンドステージ61を多孔質材料によって形成する方法。
[イ]エキスパンドステージ61を網状の構造にする方法。
[ウ]図12に示すように、ウェハ10の外形寸法より一回り小さな貫通孔61aをエキスパンドステージ61に形成しておき、ウェハ10の周縁部が貫通孔61aの周縁部にて係止されるように、ウェハ10をエキスパンドステージ61上に載置する方法。
[別の実施形態]
本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、以下のように具体化してもよく、その場合でも、上記各実施形態と同等もしくはそれ以上の作用・効果を得ることができる。
[1]第1〜第3,第6,第7実施形態では熱可塑性を有する部材12を用い、第4実施形態では熱可塑性を有する材料45を用いている。
しかし、部材12および材料45として、熱硬化性を有する材料を用いてもよい。
この方法を第1〜第3,第6,第7実施形態に適用する際に、熱硬化性を有する部材12として常温では液体状またはゲル状の材料を用いる場合には、ウェハ10を切断分離するときに加熱する必要がなく、ウェハ10を切断分離した後に加熱することにより、ウェハ10の切断面10dを被覆した部材12を硬化させればよい。
また、この方法を第1〜第3,第6,第7実施形態に適用する際に、熱硬化性を有する部材12として常温では固体状で加熱されて液体状またはゲル状になる材料を用いる場合には、第1〜第3,第6,第7実施形態と同様に、ウェハ10を切断分離するときに加熱すればよい。
そして、この方法を第4実施形態に適用する際に、熱硬化性を有する材料45として常温では液体状またはゲル状の材料を用いる場合には、容器43に収容した材料45を加熱する必要がないため、電気ヒーター44を省くことが可能であり、材料45中からチップ41を引き上げた後にチップ41を加熱することにより、チップ41の切断面41bを被覆した材料45を硬化させればよい。
また、この方法を第4実施形態に適用する際に、熱硬化性を有する材料45として常温では固体状で加熱されて液体状またはゲル状になる材料を用いる場合には、第4実施形態と同様に、容器43に収容した材料45を電気ヒーター44によって加熱すればよい。
尚、部材12または材料45には、熱硬化性を有するものであれば、どのような材料を用いてもよく、前記作用・効果が確実に得られるように、カット・アンド・トライで実験的に最適な材料を選択すればよい。
熱硬化性を有する材料には、熱可塑性を有する材料と同様に、各種合成ゴム材料や熱硬化性樹脂材料を含む各種プラスチック材料などがある。
[2]部材12および材料45として、光硬化性を有する材料を用いてもよい。
この方法を第1〜第3,第6,第7実施形態に適用する際には、ウェハ10を切断分離した後に部材12を硬化させるために必要な光(例えば、可視光や紫外光など)を照射することにより、ウェハ10の切断面10dを被覆した部材12を硬化させればよい。
また、この方法を第4実施形態に適用する際には、容器43に収容した材料45を加熱する必要がないため、電気ヒーター44を省くことが可能になり、材料45中からチップ41を引き上げた後に、材料45を硬化させるために必要な光を照射することにより、チップ41の切断面41bを被覆した材料45を硬化させればよい。
尚、部材12または材料45には、光硬化性を有するものであれば、どのような材料を用いてもよく、前記作用・効果が確実に得られるように、カット・アンド・トライで実験的に最適な材料を選択すればよい。
また、光硬化性を有する材料には、熱可塑性を有する材料と同様に、光硬化性樹脂材料を含む各種プラスチック材料などがある。
[3]部材12および材料45として、化学反応硬化性(触媒硬化性)または溶剤蒸発硬化性(溶剤乾燥硬化性)を有する材料を用いてもよい。
この方法を第1〜第3,第6,第7実施形態に適用する際には、ウェハ10を切断分離した後に待機時間をおき、その待機時間中に進行する化学反応硬化または溶剤蒸発硬化により、ウェハ10の切断面10dを被覆した部材12を硬化させればよい。
また、この方法を第4実施形態に適用する際には、容器43に収容した材料45を加熱する必要がないため、電気ヒーター44を省くことが可能になり、材料45中からチップ41を引き上げた後に待機時間をおき、その待機時間中に進行する化学反応硬化または溶剤蒸発硬化により、チップ41の切断面41bを被覆した材料45を硬化させればよい。
尚、部材12または材料45には、化学反応硬化性または溶剤蒸発硬化性を有するものであれば、どのような材料を用いてもよく、前記作用・効果が確実に得られるように、カット・アンド・トライで実験的に最適な材料を選択すればよい。
化学反応硬化性または溶剤蒸発硬化性を有する材料には、熱可塑性を有する材料と同様に、各種合成ゴム材料や各種プラスチック材料などがある。
ちなみに、化学反応硬化性を有する材料には、被着体の表面の水を触媒として硬化するシアノクリレート系樹脂材料、二液型エポキシ樹脂材料などがある。
[4]第1〜第3,第4,第6,第7実施形態または前記[1]〜[3]では、部材12または材料45によってウェハ10またはチップ41の切断面10d,41bを被覆した後に、部材12または材料45を硬化させている。
しかし、ウェハ10を切断分離した後の製造工程(例えば、マウンティング工程、ボンディング工程、樹脂封止工程など)において、切断面10d,41bを被覆した部材12または材料45が濡れていてもかまわない場合には、ウェハ10を切断分離した後に部材12または材料45を硬化させず、溶融した状態(液体状またはゲル状)のままにしておいてもよい。
その場合には、部材12および材料45として、硬化性を有する材料を用いる必要がないため、第1,第3,第4,第6,第7実施形態に適用する際には、一旦加熱溶融したら冷却後は液体状またはゲル状になるような材料を用いてもよく、第2実施形態に適用する際には液体状またはゲル状の材料を用いてもよい。
[5]第2実施形態と第3実施形態を組み合わせて実施してもよく、その場合は両実施形態の相乗作用により前記効果を更に高めることができる。
また、第6実施形態または第7実施形態と第2実施形態および第3実施形態とを適宜組み合わせて実施してもよく、その場合は組み合わせた各実施形態の相乗作用により前記効果を更に高めることができる。
[6]第5実施形態では熱収縮性を有する部材52を用いている。
しかし、部材52として、光収縮性を有する材料を用いてもよい。
この方法を第5実施形態に適用する際には、チップ51を部材52に挿入した後に、部材52を収縮させるために必要な光(例えば、可視光や紫外光など)を照射することにより、チップ51の切断面51a全体に部材52を密着させて被覆すればよい。
また、部材52として、弾性を有する材料を用いてもよい。
この方法を第5実施形態に適用する際には、筒形の部材52に引張力を印加して中心孔を広げた状態で、当該中心孔にチップ51を挿入し、その後に引張力を解除して部材52を収縮させることにより、チップ51の切断面51a全体に部材52を密着させて被覆すればよい。
尚、部材52には、光収縮性または弾性を有するものであれば、どのような材料を用いてもよく、前記作用・効果が確実に得られるように、カット・アンド・トライで実験的に最適な材料を選択すればよい。
光収縮性または弾性を有する材料には、熱可塑性を有する材料と同様に、各種合成ゴム材料や各種プラスチック材料などがある。
[7]第4実施形態および第5実施形態では、第1実施形態と同様のレーザダイシング技術を用いてウェハの内部に改質領域Rを形成することにより、ウェハを個々のチップに切断分離している。
しかし、第4実施形態および第5実施形態では、ウェハの切断分離後に発塵防止処置を施しているため、ウェハの切断分離方法を限定する必要がなく、例えば、ダイヤモンド砥粒を埋め込んだダイシングブレードを高速回転させてウェハを切断するブレードダイシング技術を利用してもよい。
[8]上記各実施形態はバルクシリコンウェハに適用したものであるが、本発明の適用はこれに限られるものではなく、多層構造の半導体基板を作成するための半導体材料から成るウェハに適用してもよい。
その場合、ウェハとしては、例えば、貼り合わせSOI(Silicon On Insulator)構造、SIMOX(Separation by IMplanted OXygen)構造のウェハ、ガラスなどの絶縁基板上に多結晶シリコンまたは非晶質シリコンを固相成長法や溶融再結晶化法により形成したSOI構造のウェハ、サファイアなどの基板上にIII−V族化合物半導体層を結晶成長させた半導体発光素子に用いられるウェハ、陽極接合を用いてシリコン基板とガラス基板とを貼り合わせて形成したウェハなどがある。
[9]上記各実施形態はバルクシリコンウェハに適用したものであるが、本発明の適用はこれに限られるものではなく、半導体基板(例えば、ガリウム砒素基板など)を作成するための半導体材料(例えば、ガリウム砒素など)から成るウェハであれば、どのようなウェハに適用してもよい。
また、本発明は、半導体基板を作成するための半導体材料から成るウェハに限らず、種々の材料(例えば、ガラスを含む材料など)から成るウェハに適用してもよい。
その場合、多光子吸収による改質領域Rは、上記各実施形態のような溶融処理領域を含むものに限らず、ウェハの形成材料に合わせた適宜なものにすればよい。例えば、ウェハの形成材料がガラスを含む場合には、多光子吸収による改質領域Rを、クラック領域を含むものか又は屈折率が変化した領域を含むものにすればよい。
尚、クラック領域または屈折率が変化した領域を含む改質領域については、特許文献1に開示されているため、説明を省略する。
[10]上記各実施形態では、ダイシングフィルム11を伸張させることによりウェハ10を切断分離している。
しかし、第1〜第6実施形態では、曲率を有した物(例えば、半球状の物)の曲面(膨らんだ方の面)をウェハ10の切断予定ラインに押し当てて押圧力を印加することにより、複数層の改質領域群Ga〜Gcに剪断応力を発生させ、ウェハ10を切断分離するようにしてもよい。
本発明を具体化した第1実施形態において、ウェハ10にレーザ光を照射して改質領域を形成する様子を説明するための説明図であり、図1(A)はウェハ10の平面図を表し、図1(B)はウェハ10の縦断面を模式的に表したものであり図1(A)に示すX−X線断面図である。 第1実施形態において、ウェハ10にレーザ光を照射して改質領域を形成する様子を説明するための説明図であり、図1(A)に示す切断予定ラインKに相当するY−Y線断面図である。 第1実施形態においてウェハ10を切断分離する様子を説明するための説明図であり、図1(A)に示すX−X線断面に相当する。 本発明を具体化した第2実施形態においてウェハ10にレーザ光を照射して改質領域を形成する様子を説明するための説明図であり、図4(A)はウェハ10の平面図を表し、図4(B)はウェハ10の縦断面を模式的に表したものであり図4(A)に示すX−X線断面図である。 図5(A)は、第2実施形態の第1変更例を説明するための説明図であり、図4(A)に示すX−X線断面図である。図5(B)は、第2実施形態の第2変更例を説明するための説明図であり、図4(A)に示すX−X線断面図である。 本発明を具体化した第3実施形態においてウェハ10にレーザ光を照射して改質領域を形成する様子を説明するための説明図であり、図6(A)はウェハ10の平面図を表し、図6(B)はウェハ10の縦断面を模式的に表したものであり図6(A)に示すX−X線断面図である。 第3実施形態の変更例を説明するための説明図であり、図7(A)はウェハ10の平面図を表し、図7(B)はウェハ10の縦断面を模式的に表したものであり図7(A)に示すX−X線断面図である。 本発明を具体化した第4実施形態を説明するための説明図である。 本発明を具体化した第5実施形態を説明するための説明図である。 本発明を具体化した第6実施形態において、ウェハ10を切断分離する様子を説明するための説明図であり、ウェハ10の縦断面を模式的に表したものである。 本発明を具体化した第7実施形態において、ウェハ10を切断分離する様子を説明するための説明図であり、ウェハ10の縦断面を模式的に表したものである。 第7実施形態の変更例を説明するための説明図であり、ウェハ10の縦断面を模式的に表したものである。
符号の説明
10…ウェハ
10a…ウェハ10の裏面
10b…ウェハ10の表面
10c…素子形成領域
10d…ウェハ10の切断面
10e…ウェハ10の表面10bにおける切断予定ラインKを覆う部分
11…ダイシングフィルム
12…部材(発塵防止材)
21…凹部
31a〜31d…凹部
41…チップ
41a…表面
41b…切断面
43…容器
44…電気ヒーター
45…材料(発塵防止材)
51…チップ
51a…チップ51の切断面
52…部材(発塵防止材)
61…エキスパンドステージ
L…レーザ光
CV…集光レンズ
P…集光点
R…改質領域
Ga〜Gc…改質領域群
K…切断予定ライン

Claims (17)

  1. ウェハから切断分離されたチップであって、当該チップの切断面である外周側壁面が発塵防止材によって被覆されていることを特徴とするチップ。
  2. 前記ウェハの内部へ集光点を合わせて照射されたレーザ光によって前記ウェハの内部に形成された多光子吸収による改質領域を切断の起点とした割断により、前記ウェハから切断分離されたものであることを特徴とする請求項1に記載のチップ。
  3. 請求項1または請求項2に記載のチップにおいて、
    前記発塵防止材は、熱可塑性、熱硬化性、光硬化性、化学反応硬化性、溶剤蒸発硬化性、熱収縮性、光収縮性、弾性からなるグループから選択されたいずれか1つの性質を有することを特徴とするチップ。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のチップにおいて、
    前記ウェハは半導体ウェハであることを特徴とするチップ。
  5. ウェハを複数個のチップに切断分離するとき、当該チップの切断面である外周側壁面を発塵防止材によって被覆することを特徴とするウェハの加工方法。
  6. 請求項5に記載のウェハの加工方法において、
    前記ウェハの内部へ集光点を合わせてレーザ光を照射することにより、前記ウェハの切断予定ラインに沿って前記ウェハの内部に、多光子吸収による少なくとも1層の改質領域を形成する第1工程と、
    ウェハの表面における切断予定ラインを覆う部分に発塵防止材を設ける第2工程と、
    前記改質領域を切断の起点とした割断により、前記ウェハを切断予定ラインに沿って切断分離する第3工程と
    を備えたウェハの加工方法であって、
    前記第3工程では、溶融した前記発塵防止材を前記ウェハの切断面に垂れ落ちさせ、当該発塵防止材を当該切断面に付着させることにより、当該発塵防止材によって当該切断面を被覆することを特徴とするウェハの加工方法。
  7. 請求項5に記載のウェハの加工方法において、
    ウェハの表面における切断予定ラインを覆う部分に発塵防止材を設ける第1工程と、
    前記ウェハの内部へ集光点を合わせてレーザ光を照射することにより、前記ウェハの切断予定ラインに沿って前記ウェハの内部に、多光子吸収による少なくとも1層の改質領域を形成する第2工程と、
    前記改質領域を切断の起点とした割断により、前記ウェハを切断予定ラインに沿って切断分離する第3工程と
    を備えたウェハの加工方法であって、
    前記第3工程では、溶融した前記発塵防止材を前記ウェハの切断面に垂れ落ちさせ、当該発塵防止材を当該切断面に付着させることにより、当該発塵防止材によって当該切断面を被覆することを特徴とするウェハの加工方法。
  8. 請求項6または請求項7に記載のウェハの加工方法において、
    前記ウェハの表面における切断予定ラインを覆う部分に、前記発塵防止材を貯留するための溝状の凹部が形成されていることを特徴とするウェハの加工方法。
  9. 請求項6〜8のいずれか1項に記載のウェハの加工方法において、
    前記ウェハの表面における前記発塵防止材が設けられた部分に沿って、前記ウェハの表面へ不要に拡散した前記発塵防止材を収容するための溝状の凹部が形成されていることを特徴とするウェハの加工方法。
  10. 請求項6〜9のいずれか1項に記載のウェハの加工方法において、
    前記第3工程では、前記ウェハを切断分離するときに、前記ウェハの表面に設けた前記発塵防止材に対して加圧力を印加することを特徴とするウェハの加工方法。
  11. 請求項6〜9のいずれか1項に記載のウェハの加工方法において、
    前記第3工程では、
    前記ウェハの裏面に貼着されたダイシングフィルムと、そのダイシングフィルムは伸長性および通気性を有することと、
    前記ウェハが載置されるエキスパンドステージと、そのエキスパンドステージは通気性を有することと
    を備え、
    前記ダイシングフィルムを伸張させて前記改質領域に引張応力を印加させることで、前記改質領域を切断の起点とした割断により前記ウェハを切断分離するときに、前記エキスパンドステージの下側から前記ダイシングフィルムを介して、前記ウェハの切断箇所に対して下方向から吸引力を印加することを特徴とするウェハの加工方法。
  12. ウェハを複数個のチップに切断分離した後に、当該チップの切断面である外周側壁面を発塵防止材によって被覆することを特徴とするウェハの加工方法。
  13. 請求項12に記載のウェハの加工方法において、
    前記ウェハを複数個のチップに切断分離する工程と、
    前記チップを液体状またはゲル状の前記発塵防止材の中に浸漬し、当該発塵防止材を前記チップの切断面である外周側壁面に付着させることにより、当該発塵防止材によって当該切断面を被覆する工程と
    を備えたことを特徴とするウェハの加工方法。
  14. 請求項12に記載のウェハの加工方法において、
    前記ウェハを複数個のチップに切断分離する工程と、
    前記チップを筒形の発塵防止材に挿入し、当該発塵防止材を前記チップの切断面である外周側壁面に密着させることにより、当該発塵防止材によって当該切断面を被覆する工程と
    を備えたことを特徴とするウェハの加工方法。
  15. 請求項5〜13のいずれか1項に記載のウェハの加工方法において、
    前記発塵防止材は、熱可塑性、熱硬化性、光硬化性、化学反応硬化性、溶剤蒸発硬化性からなるグループから選択されたいずれか1つの性質を有することを特徴とするウェハの加工方法。
  16. 請求項14に記載のウェハの加工方法において、
    前記発塵防止材は、熱収縮性、光収縮性、弾性からなるグループから選択されたいずれか1つの性質を有することを特徴とするウェハの加工方法。
  17. 請求項5〜16のいずれか1項に記載のウェハの加工方法において、
    前記ウェハは半導体ウェハであることを特徴とするウェハの加工方法。
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