JP2007235008A - ウェハの分断方法およびチップ - Google Patents

ウェハの分断方法およびチップ Download PDF

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Abstract

【課題】ウェハを複数個のチップに切断分離する際に異物(切削屑や冷却洗浄水)がウェハ内に入り込むのを防止することが可能なチップを高スループットかつ低コストに提供する。
【解決手段】キャップ16の表面16bにシールフィルムSFを貼着し、ウェハ10の裏面10aを上向きにした状態で、高速回転するダイシングブレードDBにより裏面10a側から切削し、切断予定ラインKaに沿って切込部分10fを形成した後に、キャップ16の表面16bからシールフィルムSFを取り外す。このとき、ウェハ10をその厚さ方向に完全には切断分離せず、ウェハ10の表面10bから所定厚さτの部分10gだけは切削せずに残しておく。切込部分10fの幅ρは、ダイシングブレードDBの厚みとほぼ等しくなる。
【選択図】 図1

Description

本発明はウェハの分断方法およびチップに係り、詳しくは、2層構造のウェハを切断分離する分断方法と、2層構造のウェハから切断分離されたチップとに関するものである。
近年、レーザ光を用いてウェハ状の加工対象物を個々のチップに切断分離(分断)するダイシング(レーザダイシング)技術の開発が進められている。
例えば、ウェハ状の加工対象物の内部に集光点を合わせてレーザ光を照射し、前記加工対象物の内部に多光子吸収による改質領域(クラック領域を含む改質領域、溶融処理領域を含む改質領域、屈折率が変化した領域を含む改質領域)を形成し、この改質領域によって、前記加工対象物の切断予定ラインに沿って前記加工対象物のレーザ光入射面から所定距離内側に、切断の起点となる領域を形成し、その領域を起点とした割断によって加工対象物を切断する技術が提案されている(特許文献1参照)。
また、レーザ光の集光点を加工対象物の内部に合わせて前記加工対象物にレーザ光を照射することにより、前記加工対象物の切断予定ラインに沿って前記加工対象物の内部に改質領域を形成し、かつ、前記加工対象物に照射されるレーザ光の前記加工対象物への入射方向におけるレーザ光の集光点の位置を変えることにより、前記改質領域を前記入射方向に沿って並ぶように複数形成する技術が提案されている(特許文献2参照)。
この特許文献2の技術によれば、改質領域を入射方向に沿って並ぶように複数形成しているため、加工対象物を切断する際に起点となる箇所が増すことから、加工対象物の厚みが大きい場合でも切断が可能になるとしている。
また、基板を含む平板状の加工対象物の一方の面に伸張性のフィルムを装着し、前記加工対象物の他方の面をレーザ光入射面として前記基板の内部に集光点を合わせてレーザ光を照射することにより多光子吸収による改質領域(溶融処理領域)を形成し、この改質領域によって、前記加工対象物の切断予定ラインに沿って前記レーザ光入射面から所定距離内側に切断起点領域を形成し、前記フィルムを伸張させることにより、前記切断起点領域を起点として前記加工対象物を複数の部分に、互いに間隔があくように切断する技術が開示されている(特許文献3参照)。
この特許文献3の技術によれば、基板の内部に切断起点領域を形成した後にフィルムを伸張させるため、切断起点領域に引張応力を好適に印加することが可能になり、切断起点領域を起点として基板を比較的小さな力で精度良く割って切断できるとしている。
特許第3408805号公報(第2〜16頁 図1〜図32) 特開2002−205180号公報(第2〜9頁 図1〜図22) 特開2005−1001号公報(第1〜15頁 図1〜図27)
従来より、ダイヤモンド砥粒を埋め込んだダイシングブレードを高速回転させてウェハを切断分離するダイシング(ブレードダイシング)技術がある。
このブレードダイシング技術は、ウェハの切断分離に要する時間が短いことからスループット(単位時間当たりの生産性)が高いという利点があり、量産化に好適であるため広く利用されている。
しかし、ブレードダイシング技術には、以下の欠点がある。
(1)ダイシングブレードの厚み分の切り代が必要になるため、1枚のウェハから切り取ることが可能なチップの個数が当該切り代の分だけ少なくなり、チップの収量が制限される。
(2)ダイシングブレードでウェハを切断分離する際には摩擦熱や切削屑が発生することから、ウェハの切断箇所を冷却洗浄するための冷却洗浄水を当該切断箇所にかける必要がある。
このとき、チップ上に可動部材を備えた構造体が形成されている場合には、その構造体に切削屑や冷却洗浄水が入り込むと、構造体の性能低下を招くおそれがある。
ちなみに、可動部材を備えた構造体には、例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を利用して作製された各種センサ素子(圧電素子や静電容量素子から成る圧力センサ,加速度センサ,超音波センサなど)やマイクロマシンなどがある。
また、その構造体に切削屑や冷却洗浄水が入り込むのを防ぐため、保護(キャップ)層を積層した2層構造とした半導体基板の場合、2層構造の層間に間隙があると、その間隙から切削屑や冷却洗浄水が入り込み、構造体の性能低下を招くおそれがある。
ちなみに、半導体基板の多層化技術には、例えば、シリコン系接着剤による接合や低融点ガラスによる接合、直接接合、陽極接合などがある。
図11〜図13は、MEMS技術を利用して作製された構造体12がチップ11上に形成されているウェハ10を説明するための説明図であり、図11はウェハ10の平面図、図12はチップ11の平面図、図13はチップ11の縦断面を模式的に表したものである。
尚、図12は、図11に示す1個のチップ11の拡大平面図である。また、図13は、図12に示すXa−Xa線断面図である。
薄板略円板状のウェハ10の表面10bには、同一構成の多数個のチップ11が略碁盤目状に整列配置されており、各チップ11の間には切断予定ラインKが配置されている。
貼り合わせSOI(Silicon On Insulator)構造のウェハ10は、単結晶シリコンから成る基板Si層19、埋込酸化(BOX:Buried OXide )層18、単結晶シリコンから成るSOI層13が下方から上方に向けてこの順番で積層されて形成され、絶縁層である埋込酸化層18の上にSOI層13が形成されたSOI構造を成している。
ここで、貼り合わせSOI構造のウェハ10は、例えば、貼り合わせる面(鏡面)を熱酸化して酸化膜を形成した2枚のウェハ同士を、その酸化膜を介して張り合わせた後、片側のウェハを所望の厚さになるように研削することで得られ、研磨したウェハがSOI層13になり、研磨していないウェハが基板Si層19になり、前記酸化膜が埋込酸化層18になる。
各チップ(半導体チップ)11は、MEMS技術を利用して作製された構造体12、電極パッド14、トレンチ15、キャップ16、シール材17などから構成されている。
各種センサ素子やマイクロマシンなどの可動可能な可動部材(図示略)を備えた構造体12は、高濃度に不純物が拡散されたSOI層13によって形成されている。
電極パッド14は、構造体12から引き出されたSOI層13の表面に形成された金属薄膜から成り、その金属薄膜はPVD(Physical Vapor Deposition)法や印刷技術などを用いて形成されている。
電極パッド14の下側のSOI層13および構造体12を形成するSOI層13の周囲にはトレンチ15が形成され、そのトレンチ15によって当該配線SOI層13とウェハ10の他の部分とが電気的に絶縁(素子分離)されている。また、構造体12を構成する各部分(図示例では3つの部分)は、トレンチ15によって可動可能に独立されている。
各種(多結晶、非晶質、単結晶)シリコンのバルク材から成るキャップ16は、構造体12を覆って保護するために設けられており、シリコン系またはポリイミド系の接着剤から成る接着層20を介して、ウェハ10の表面10bに接着されている。尚、構造体12の可動部材の動きを妨げないように、キャップ16の内壁面と構造体12との間には空隙ηが設けられている。
各チップ11毎に設けられたキャップ16は、ウェハ10全体で連続一体化されている。そのため、ウェハ10の表面10bにて露出しているのは、キャップ16に覆われていない部分(電極パッド14の周囲の部分)だけである。
そして、ウェハ10の表面10bにおける外周部分10hについても、連続一体化されたキャップ16によって覆われている。
つまり、ウェハ10の表面10b上にキャップ16が積層された2層構造になっており、そのウェハ10およびキャップ16をその積層方向(ウェハ10およびキャップ16の厚さ方向)に切断分離することによって個々のチップ11が得られる。
トレンチ15において、キャップ16と接続される部分には、絶縁性を有するプラスチック材料から成るシール材17が埋め込まれて液密状態に封止されている。
しかし、ブレードダイシング技術を用いてウェハ10を個々のチップ11に切断分離する際に、ウェハ10やキャップ16の切断箇所を冷却洗浄するための冷却洗浄水を当該切断箇所にかけると、ウェハ10やキャップ16の切削屑や冷却洗浄水が、シール材17とトレンチ15およびキャップ16との僅かな隙間から空隙ηを介して構造体12に入り込むことがある。
切削屑や冷却洗浄水が構造体12に入り込むと、構造体12の性能低下を招くため、ウェハ10から切断分離されたチップ11の歩留まりや品質が低下することになる。
そこで、シール材17による封止を厳重にすることにより、切削屑や冷却洗浄水が構造体12に入り込むのを防止する方策がとられるが、この方策によって製造コストが増大するという技術的課題がある。
また、シール材17による厳重な封止を施したとしても、切削屑や冷却洗浄水が構造体12に入り込むのを完全に防止するのは困難である。
同様に、2層構造の半導体基板を作成するためのウェハをブレードダイシング技術を用いて個々のチップに切断分離する場合にも、2層構造の層間にある間隙を液密状態に封止するためのシール材を設けることにより、当該間隙に切削屑や冷却洗浄水が入り込むのを防止する方策がとられるが、この方策によって製造コストが増大するという技術的課題がある。
また、シール材による厳重な封止を施したとしても、切削屑や冷却洗浄水が2層構造の層間にある間隙に入り込むのを完全に防止するのは困難である。
ところで、特許文献1〜3に開示されているようなレーザダイシング技術を用い、ウェハの内部に改質領域(改質層)を形成し、その改質領域を切断の起点とした割断により、ウェハを個々のチップに切断分離する場合には、ダイシングブレードの厚み分の切り代を必要とせず、冷却洗浄水を使用しないため、ブレードダイシング技術の前記欠点(1)(2)を回避できる。
ここで、MEMS技術を利用して作製された構造体が形成されていないウェハや、単層構造のウェハについては、前記レーザダイシング技術を用いれば高精度な切断分離が容易である。
しかし、図11〜図13に示すウェハ10(キャップ16が被着されている構造のウェハ)や、2層構造のウェハについては、正常な改質領域を確実に形成するのが難しい。
その理由として、図11〜図13に示すウェハ10では、ウェハ10とキャップ16と接着層20の光学的特性の相違により、レーザ光Lに対する屈折率がウェハ10とキャップ16と接着層20とで異なるため、ウェハ10とキャップ16と接着層20の境界面ではレーザ光Lの一部が反射し、その反射光と入射光とが干渉して相殺され、レーザ光Lの入射面から深い部分ではレーザ光Lのエネルギーが大幅に減衰されることから、当該深い部分では、多光子吸収を発生させるのに必要なレーザ光Lのエネルギーが不足し、改質領域を形成不能になるためと考えられる。
尚、接着層20はキャップ16とウェハ10を接着するためのものであり、切断予定ラインKに接着層20が存在しない場合(例えば、接着層20が、構造体12の領域の外側で、且つ、キャップ16の外郭の内側にのみ存在する場合)もありうる。
この場合には、接着層20に対応するキャップ16とウェハ10の間隙の空気層、キャップ16、ウェハ10の光学的特性の相違により、レーザ光Lに対する屈折率がウェハ10とキャップ16と当該空気層とで異なるため、ウェハ10とキャップ16と当該空気層の境界面ではレーザ光Lの一部が反射し、前記と同様の問題が起こることがある。
また、2層構造のウェハでも、各層の光学的特性の相違により、レーザ光Lに対する屈折率が各層で異なるため、各層の境界面ではレーザ光Lの一部が反射し、その反射光と入射光とが干渉して相殺され、レーザ光Lの入射面から深い部分ではレーザ光Lのエネルギーが大幅に減衰されることから、当該深い部分では、多光子吸収を発生させるのに必要なレーザ光Lのエネルギーが不足し、改質領域を形成不能になるためと考えられる。
そして、正常な改質領域が確実に形成されていないウェハは、切断分離する際に不要な割れが生じ易いため、切断予定ラインに沿って精度良く切断分離することが困難であり、ウェハから切断分離されたチップの歩留まりや品質が低下することになる。
また、図11〜図13に示すウェハ10や2層構造のウェハに前記レーザダイシング技術を適用した場合には、改質領域を形成するのに長い時間を要することから、ブレードダイシング技術に比べてスループットが低くなり、量産化に不向きであるという技術的課題がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、以下の目的を有するものである。
(1)2層構造のウェハを複数個のチップに切断分離する際に異物がウェハ内に入り込むのを防止することが可能で且つ高スループットなウェハの分断方法を低コストに提供する。
(2)2層構造のウェハを複数個のチップに切断分離する際に異物がウェハ内に入り込むのを防止することが可能なチップを高スループットかつ低コストに提供する。
請求項1に記載の発明は、
第1層の表面上に第2層が積層された2層構造のウェハをその積層方向に切断分離するウェハの分断方法であって、
前記第2層の表面と、前記第2層から露出している前記第1層の表面とを覆って液密状態にするための覆設部材を設ける第1工程と、
前記第1層の裏面側をダイシングブレードで切削することにより、前記ウェハの切断予定ラインに沿って切り込まれた切込部分を前記第1層の裏面側に形成する第2工程と、
前記覆設部材を取り外した後に、前記第2層の表面からその内部へ集光点を合わせてレーザ光を照射することにより、前記切断予定ラインに沿って前記第2層の内部に、多光子吸収による少なくとも1層の改質領域を形成する第3工程と、
前記改質領域を切断の起点とした割断により、前記第1層および前記第2層を前記切断予定ラインに沿って切断分離する第4工程とを備えたことを技術的特徴とする。
請求項2に記載の発明は、
請求項1に記載のウェハの分断方法において、
前記第2工程では、前記第1層をその厚さ方向に完全には切断分離せず、前記第1層の表面から所定厚さの部分だけを切削せずに残しておくことを技術的特徴とする。
請求項3に記載の発明は、
第1層の表面上に第2層が積層された2層構造のウェハをその積層方向に切断分離するウェハの分断方法であって、
前記第1層の裏面からその内部へ集光点を合わせてレーザ光を照射することにより、前記ウェハの切断予定ラインに沿って前記第1層の内部に、多光子吸収による少なくとも1層の改質領域を形成する第1工程と、
前記第2層の表面からその内部へ集光点を合わせてレーザ光を照射することにより、前記切断予定ラインに沿って前記第2層の内部に、多光子吸収による少なくとも1層の改質領域を形成する第2工程と、
前記改質領域を切断の起点とした割断により、前記第1層および前記第2層を前記切断予定ラインに沿って切断分離する第3工程とを備えたことを技術的特徴とする。
請求項4に記載の発明は、
請求項3に記載のウェハの分断方法において、
前記第1工程と前記第2工程の順番を逆にし、まず、前記第2工程を行い、次に、前記第1工程を行い、その後に、前記第3工程を行うことを技術的特徴とする。
請求項5に記載の発明は、
第1層の表面上に第2層が積層された2層構造のウェハをその積層方向に切断分離するウェハの分断方法であって、
前記第1層の裏面から前記第2層の内部へ集光点を合わせてレーザ光を照射することにより、前記ウェハの切断予定ラインに沿って前記第2層の内部に、多光子吸収による少なくとも1層の改質領域を形成する第1工程と、
前記第1層の裏面からその内部へ集光点を合わせてレーザ光を照射することにより、前記切断予定ラインに沿って前記第1層の内部に、多光子吸収による少なくとも1層の改質領域を形成する第2工程と、
前記改質領域を切断の起点とした割断により、前記第1層および前記第2層を前記切断予定ラインに沿って切断分離する第3工程とを備えたことを技術的特徴とする。
請求項6に記載の発明は、
請求項1〜5のいずれか1項に記載のウェハの分断方法において、
前記第1層の表面には、可動可能な可動部材を備えた構造体が形成されていることと、
前記第2層は、前記構造体を保護するための保護部材であることとを技術的特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載のウェハの分断方法において、前記第1層は半導体層であることを技術的特徴とする。
請求項8に記載の発明は、
第1層の表面上に第2層が積層された2層構造のウェハをその積層方向に切断分離して得られたチップであって、
チップにおける前記第1層の切断面である第1の外周側壁面には、レーザ光の照射によって生じた多光子吸収による改質領域が形成されていないことと、
チップにおける前記第2層の切断面である第2の外周側壁面には、レーザ光の照射によって生じた多光子吸収による少なくとも1層の改質領域が形成されていることとを技術的特徴とする。
請求項9に記載の発明は、
請求項8に記載のチップにおいて、
前記第1の外周側壁面における前記第2の外周側壁面との接続部分は、前記第2の外周側壁面と略面一になっており、当該接続部分は前記第1の外周側壁面におけるその他の部分から突出していることを技術的特徴とする。
請求項10に記載の発明は、
請求項8または請求項9に記載のチップにおいて、
前記第1層の表面には、可動可能な可動部材を備えた構造体が形成されていることと、
前記第2層は、前記構造体を保護するための保護部材であることとを技術的特徴とする。
請求項11に記載の発明は、請求項8〜10のいずれか1項に記載のチップにおいて、前記第1層は半導体層であることを技術的特徴とする。
<請求項1:第1実施形態に該当>
請求項1の発明の第2工程において、高速回転するダイシングブレード(DB)により第1層(ウェハ10)を裏面(10a)側から内部へ切削して切込部分(10f)を形成する際には、摩擦熱や第1層の切削屑が発生することから、第1層の切断箇所を冷却洗浄するための冷却洗浄水を当該切断箇所にかける必要がある。
このとき、第1層の切削屑や冷却洗浄水が、第1層と第2層(キャップ16)との層間にある間隙(シール材17とトレンチ15およびキャップ16との隙間)から第1層の表面側(ウェハ10の表面10bに形成された構造体12)に入り込むと、第1層の性能低下を招くため、ウェハから切断分離されたチップ(11)の歩留まりや品質が低下することになる。
しかし、請求項1の発明では、第1工程において、第2層の表面(16b)と第2層から露出している第1層の表面(ウェハ10の表面10bにおける電極パッド14の周囲の部分)とを覆って液密状態にするための覆設部材(シールフィルムSF)が設けられている。
そのため、前記各表面(16b,10b)が冷却洗浄水に晒されないことから、第1層の切削屑や冷却洗浄水が前記間隙に入り込むのを確実に防止可能であり、ウェハから切断分離されたチップの歩留まりや品質を向上させることができる。
そして、請求項1の発明によれば、前記間隙を封止するためのシール材(17)による封止を簡略化するか又は当該シール材を省くことが可能になるため、当該シール材による厳重な封止を施す必要がある従来技術に比べて、製造コストを削減することができる。
尚、覆設部材には、確実な液密状態を得ることが可能なものであれば、どのような材料(例えば、各種ゴム材料、各種プラスチック材料、各種金属材料など)を用いてもよく、前記作用・効果が確実に得られるように、カット・アンド・トライで実験的に適宜な材料を選択すればよい。
具体的には、覆設部材としてダイシングフィルム(DF)を用いてもよい。
また、第2工程において、第2層の表面をブレードダイシング装置の載置台(DS)の上面に対して密着させることにより、第2層の表面と第2層から露出している第1層の表面とを当該載置台の上面で覆って液密状態にする場合には、当該載置台の上面が覆設部材として機能する。
加えて、請求項1の発明では、第1層はブレードダイシング技術を用いて切断分離し、第2層はレーザダイシング技術を用いて切断分離しているため、第1層および第2層の全てをレーザダイシング技術だけを用いて切断分離する場合に比べて、スループットが高くなるため量産化に好適である。
<請求項2:第1実施形態に該当>
請求項2の発明の第2工程において、第1層(ウェハ10)をその厚さ方向に完全に切断分離した場合には、切込部分(10f)を通して第1層の表面(10b)および第2層(キャップ16)の裏面(16a)が露出するため、当該各面(10b,16a)が冷却洗浄水に晒される。よって、第1層の切削屑や冷却洗浄水が、前記各面(10b,16a)から第1層と第2層との層間にある間隙(シール材17とトレンチ15およびキャップ16との隙間)を経て第1層の表面側(ウェハ10の表面10bに形成された構造体12)に入り込むおそれがある。
しかし、第2工程では、第1層をその厚さ方向に完全には切断分離せず、第1層の表面から所定厚さ(τ)の残存部分(10g)だけは切削せずに残しておく。
そのため、請求項2の発明によれば、残存部分(10g)が前記各面(10b,16a)を冷却洗浄水から隔てる隔壁として機能し、切込部分を通して当該各面が露出しないため、当該各面が冷却洗浄水に晒されないことから、第1層の切削屑や冷却洗浄水が当該各面から入り込むのを防止可能であり、請求項1の発明の効果を確実に得られる。
ここで、第1層の残存部分(10g)の厚さ(τ)を大きくするほど、前記各面(10b,16a)を冷却洗浄水から確実に隔てることが可能になるため、前記作用・効果をより確実に得られる。
その反面、残存部分の厚さを大きくするほど、第4工程において第1層および第2層を切断分離する際に、残存部分が割れ難くなるため、高精度な切断分離が困難になる。
よって、残存部分の厚さについては、前記作用・効果が確実に得られると同時に、切断分離の精度が低下しないように、カット・アンド・トライで実験的に最適値を求めて設定すればよい。
<請求項3:第2実施形態に該当>
例えば、第1層(ウェハ10)の裏面(10a)から第2層(キャップ16)および第1層の内部へ集光点(P)を合わせてレーザ光(L)を照射する場合には、第1層と第2層およびそれらの接着層(20)の光学的特性の相違により、レーザ光に対する屈折率が第1層と第2層およびそれらの接着層とで異なる。そのため、第1層と第2層およびそれらの接着層の境界面ではレーザ光の一部が反射し、その反射光と入射光とが干渉して相殺され、レーザ光の入射面から深い部分ではレーザ光のエネルギーが大幅に減衰される。その結果、当該深い部分では、多光子吸収を発生させるのに必要なレーザ光のエネルギーが不足し、改質領域(R)を形成不能になることがある。
尚、接着層(20)は第2層(キャップ16)と第1層(ウェハ10)を接着するためのものであり、切断予定ライン(K)に接着層が存在しない場合(例えば、接着層が、第1層の表面側の領域の外側で、且つ、第2層の外郭の内側にのみ存在する場合)もありうる。
この場合には、接着層に対応する第2層と第1層の間隙の空気層と、第2層、第1層の光学的特性の相違により、レーザ光に対する屈折率が第1層と第2層と当該空気層とで異なるため、第1層と第2層と当該空気層の境界面ではレーザ光の一部が反射し、前記と同様の問題が起こることがある。
それに対して、請求項3の発明では、第1工程にて第1層の内部に改質領域(改質領域群Gd〜Gf)を形成した後に、ウェハを裏返し、第2工程にて第2層の内部に改質領域(改質領域群Ga〜Gc)を形成している。
つまり、第1層の内部に改質領域を形成する際には第1層の裏面(10a)からその内部へ集光点を合わせてレーザ光を照射し、第2層の内部に改質領域を形成する際には第2層の表面(16b)からその内部へ集光点を合わせてレーザ光を照射するため、第1層と第2層およびそれらの接着層の境界面でレーザ光が反射することがない。
従って、請求項3の発明によれば、第1層および第2層の内部に改質領域を正常かつ確実に形成することができる。
そして、改質領域が正常に形成されているウェハは、切断分離する際に不要な割れが生じ難いため、切断予定ライン(K)に沿って精度良く切断分離することが容易であり、ウェハから切断分離されたチップ(11)の歩留まりや品質を向上させることができる。
また、請求項3の発明では、ブレードダイシング技術を用いず、第1層および第2層を切断分離する際に冷却洗浄水を使用しないため、第1層や第2層の切削屑や冷却洗浄水が各層の間隙に入り込むのを確実に防止可能であり、ウェハから切断分離されたチップの歩留まりや品質を向上させることができる。
<請求項4:第2実施形態に該当>
請求項3の発明では、請求項4の発明のように、第1工程と第2工程の順番を逆にしてもよい。
<請求項5:第3実施形態に該当>
請求項5の発明では、ブレードダイシング技術を用いず、第1層(ウェハ10)および第2層(キャップ16)を切断分離する際に冷却洗浄水を使用しないため、第1層や第2層の切削屑や冷却洗浄水が各層の間隙に入り込むのを確実に防止可能であり、ウェハから切断分離されたチップの歩留まりや品質を向上させることができる。
<請求項6>
請求項1〜5の発明では、請求項6の発明のように、第1層(ウェハ10)の表面(10b)に可動部材を備えた構造体(12)を形成し、その構造体を保護するための保護部材として第2層(キャップ16)を設けるようにしてもよい。
請求項6の発明によれば、切削屑や冷却洗浄水が構造体に入り込むのを確実に防止可能であるため、構造体の性能低下を招くことがなく、ウェハから切断分離されたチップ(11)の歩留まりや品質を向上させることができる。
<請求項7>
請求項7の発明によれば、半導体層である第1層から切断分離された半導体チップの歩留まりや品質を向上させることができる。
<請求項8:第1実施形態に該当>
請求項8の発明は、請求項1の発明によってウェハから切断分離されたチップに係るものである。つまり、請求項8の発明におけるチップを作製するには、請求項1の発明を用いる必要がある。
従って、チップの外周側壁面の形状を見て、請求項8の発明のようであれば、請求項1の発明を採用していることが簡単に判別可能であり、請求項1の発明を侵害しているかどうかを容易に検討できる。
<請求項9:第1実施形態に該当>
請求項9の発明は、請求項2の発明によってウェハから切断分離されたチップに係るものである。つまり、請求項9の発明におけるチップを作製するには、請求項2の発明を用いる必要がある。
従って、チップの外周側壁面の形状を見て、請求項9の発明のようであれば、請求項2の発明を採用していることが簡単に判別可能であり、請求項2の発明を侵害しているかどうかを容易に検討できる。
ここで、第1の外周側壁面における第2の外周側壁面との接続部分は、第1層の表面から所定厚さ(τ)の分だけ切削せずに残された残存部分(10g)に相当する。
この残存部分は、第1外周側壁面におけるその他の部分(残存部分10gを除くウェハ10の切断面)に対して、所定厚さ(τ)の分だけ突出すると共に、切込部分(10f)の幅(ρ)の1/2の幅(ρ/2)の分だけ突出している。
尚、切込部分の幅は、ダイシングブレード(DB)の厚みとほぼ等しくなる。
<請求項10>
請求項10の発明は、請求項6の発明によってウェハから切断分離されたチップに係るものである。従って、請求項10の発明によれば、請求項6の発明と同様の作用・効果が得られる。
<請求項11>
請求項11の発明は、請求項7の発明によってウェハから切断分離されたチップに係るものである。従って、請求項11の発明によれば、請求項7の発明と同様の作用・効果が得られる。
<用語の説明>
尚、上術した[発明の効果]に記載した( )内の数字等は、上述した[背景技術]と後述する[発明を実施するための最良の形態]に記載した構成部材・構成要素の符号に対応したものである。
そして、[課題を解決するための手段][発明の効果]に記載した構成部材・構成要素と、[背景技術][発明を実施するための最良の形態]に記載した構成部材・構成要素との対応関係は以下のようになっている。
「第1層」は、ウェハ10に該当する。
「第2層」「保護部材」は、キャップ16に該当する。
「覆設部材」は、シールフィルムSFまたはブレードダイシング装置の載置台DSの上面に該当する。
「第1の外周側壁面」は、チップ11におけるウェハ10の切断面に該当する。
「第2の外周側壁面」は、チップ11におけるキャップ16の切断面に該当する。
以下、本発明を具体化した各実施形態について図面を参照しながら説明する。尚、各実施形態において、図11〜図13に示した従来技術と同一の構成部材および構成要素については符号を等しくして説明を省略してある。また、各実施形態において、同一の構成部材および構成要素については符号を等しくすると共に、同一内容の箇所については重複説明を省略してある。
<第1実施形態>
図1〜図5は、第1実施形態におけるウェハ10の分断工程を説明するための説明図であり、ウェハ10の縦断面を模式的に表したものである。
ここで、図1,図2,図3,図5は、図12に示すY−Y線断面図である。
また、図4は、図12に示す切断予定ラインKaに相当するXb−Xb線断面図である。尚、切断予定ラインKaには、他の切断予定ラインKと区別するため符号「a」が付してある。
[工程1:図1参照]
まず、キャップ16の表面16bに、シールフィルムSFを貼着する。
次に、ウェハ10の裏面10aを上向きにし、シールフィルムSFが貼着されているキャップ16の表面16bを下向きにした状態で、ウェハ10をブレードダイシング装置の載置台(ステージ、試料台)DS上に載置する。すると、シールフィルムSFが載置台DSの上面と接触する。
続いて、ダイヤモンド砥粒を埋め込んだダイシングブレードDBを、図示矢印Fで示す方向に高速回転させながらウェハ10の裏面10aにおける切断予定ライン(割断線)Kaに押し当てる。
そして、ダイシングブレードDBによってウェハ10を裏面10a側からその内部へ切削することにより、切断予定ラインKaに沿って切り込まれた切込部分10fを裏面10a側に形成する。
その後、キャップ16の表面16bからシールフィルムSFを取り外す。
このとき、ウェハ10をその厚さ方向に完全には切断分離せず、ウェハ10の表面10bから所定厚さτの部分10gだけは切削せずに残しておく。つまり、残存部分10gの厚さτと切込部分10fの深さとの加算値がウェハ10の板厚になる。
尚、切込部分10fの幅ρは、ダイシングブレードDBの厚みとほぼ等しくなる。
[工程2:図2参照]
切込部分10fを形成したウェハ10の裏面10aに、ダイシングフィルム(ダイシングシート、ダイシングテープ、エキスパンドテープ)DFを貼着する。
尚、ダイシングフィルムDFは、加熱により伸張するか又は伸張方向に力を加えることにより伸張する伸張性のプラスチック製フィルム材から成り、ウェハ10の裏面側全面に対して接着剤(図示略)によって接着されている。
その後、ウェハ10を裏返し、ウェハ10の表面10b(キャップ16の表面16b)を上向きにした状態で、ウェハ10をレーザ加工装置の載置台(図示略)上に載置する。
[工程3:図3および図4参照]
レーザ加工装置は、レーザ光Lを出射するレーザ光源(図示略)と、集光レンズCVとを備えており、レーザ光Lの光軸OAをキャップ16の表面16bに対して垂直にした状態で、レーザ光Lを集光レンズCVを介してキャップ16の表面(レーザ光Lの入射面)16bへ照射させ、キャップ16の内部における所定位置にレーザ光Lを集光させた集光点(焦点)Pを合わせる。その結果、キャップ16の内部における集光点Pの箇所に改質領域(改質層)Rが形成される。
尚、レーザ光Lには、例えば、YAG(Yttrium Aluminium Garnet)レーザで1064nmの赤外光領域の波長のレーザ光を用いればよい。
ここで、改質領域Rは、レーザ光Lの照射によって発生した主に多光子吸収による溶融処理領域を含むものである。
すなわち、キャップ16の内部における集光点Pの箇所は、レーザ光Lの多光子吸収によって局所的に加熱され、その加熱により一旦溶融した後に再固化する。このように、キャップ16の内部にて溶融後に再固化した領域が改質領域Rとなる。
つまり、溶融処理領域とは、相変化した領域や結晶構造が変化した領域である。言い換えれば、溶融処理領域とは、キャップ16の内部にて、単結晶シリコンが非晶質シリコンに変化した領域、単結晶シリコンが多結晶シリコンに変化した領域、単結晶シリコンが非晶質シリコンおよび多結晶シリコンを含む構造に変化した領域のいずれかの領域である。尚、キャップ16は、各種シリコンのバルク材から成るため、溶融処理領域は主に多結晶シリコンから成る。
ちなみに、溶融処理領域は、レーザ光Lがキャップ16の内部で吸収されること(つまり、通常のレーザ光による加熱)によって形成されたものではなく、主に多光子吸収によって形成される。
そのため、キャップ16の内部における集光点Pの箇所以外にはレーザ光Lがほとんど吸収されず、キャップ16の表面16bが溶融したり変質することはない。
そして、レーザ加工装置は、キャップ16の内部における集光点Pの深さ位置を一定にした状態で、レーザ光Lをパルス状に照射しながら走査することにより、キャップ16における切断予定ラインKaに沿って、図示矢印α方向に集光点Pを移動させる。
ところで、レーザ加工装置がレーザ光Lを走査するのではなく、レーザ加工装置によるレーザ光Lの照射位置を一定にした状態で、ウェハ10が載置保持された載置台をレーザ光Lの照射方向(キャップ16の表面16bに対するレーザ光Lの入射方向)と直交する方向に移動させてもよい。
すなわち、レーザ光Lの走査またはウェハ10(キャップ16)の移動により、キャップ16の切断予定ラインKaに沿いながら、キャップ16に対して集光点Pを相対的に移動させればよい。
このように、キャップ16の内部における集光点Pの深さ位置を一定にした状態で、レーザ光Lをパルス状に照射しながら、キャップ16に対して集光点Pを相対的に移動させることにより、キャップ16の表面16bから一定深さ位置にて(つまり、レーザ光Lの入射面から一定距離内側の位置にて)、キャップ16の表裏面16b,16aに対して水平方向に一定の間隔をあけた複数個の改質領域Rから成る1層の改質領域群Ga〜Gcが形成されてゆく。
尚、キャップ16の内部における集光点Pの深さは、キャップ16の表面(レーザ光Lの入射面)16bから集光点Pまでの距離である。
そして、レーザ加工装置は、キャップ16の内部における集光点Pの深さ位置を段階的に変えることにより、キャップ16の切断予定ラインKaに沿うと共に、キャップ16の表面16bから深さ方向(キャップ16の厚さ方向、キャップ16の断面方向、キャップ16の表裏面16b,16aに対して垂直方向)に離間または隣接または重複して配置された複数層の改質領域群Ga〜Gcを順次形成する。
言い換えれば、キャップ16に照射されるレーザ光Lのキャップ16への入射方向(キャップ16の深さ方向)におけるレーザ光Lの集光点Pの位置(深さ位置)を複数段階に変えることにより、複数層の改質領域群Ga〜Gcを構成する改質領域Rを前記入射方向に沿って離間または隣接または重複させた状態で並ぶように複数形成する。
例えば、まず、集光点Pの深さ位置をキャップ16の裏面16a近傍に設定した状態で集光点Pを相対的に移動させることにより1層目(最下層)の改質領域群Gaを形成し、次に、集光点Pの深さ位置をキャップ16の表裏面16b,16bの略中間に設定した状態で集光点Pを相対的に移動させることにより2層目(中間層)の改質領域群Gbを形成し、続いて、集光点Pの深さ位置をキャップ16の表面16b近傍に設定した状態で集光点Pを相対的に移動させることにより3層目(最上層)の改質領域群Gcを形成する。
ところで、図3および図4に示す例では、3層の改質領域群Ga〜Gcを設けているが、改質領域群の層数についてはキャップ16の板厚に応じて適宜設定すればよく、2層以下または4層以上の改質領域群を設けるようにしてもよい。
ここで、複数層の改質領域群Ga〜Gcは、レーザ光Lが入射するキャップ16の表面(レーザ光Lの入射面)16bに対して遠い方から順番に(前記のように、Ga→Gb→Gcの順番で)形成することが好ましい。
例えば、レーザ光Lが入射するキャップ16の表面16bに対して近い位置の改質領域群Gcを先に形成し、その後にレーザ光Lが入射するキャップ16の表面16bに対して遠い位置の改質領域群Gaを形成した場合には、改質領域群Gaの形成時に照射されたレーザ光Lが先に形成された改質領域群Gcによって散乱されるため、改質領域群Gaを構成する各改質領域Rの寸法にバラツキが生じ、改質領域群Gaを均一に形成することができない。
しかし、レーザ光Lが入射するキャップ16の表面(レーザ光Lの入射面)16bに対して遠い方から順番に改質領域群Ga〜Gcを形成すれば、当該入射面16bと集光点Pとの間に改質領域Rがない状態で新たな改質領域Rを形成可能なため、既に形成されている改質領域Rによってレーザ光Lが散乱されず、複数層の改質領域群Ga〜Gcをそれぞれ均一に形成することができる。
尚、複数層の改質領域群Ga〜Gcを、レーザ光Lが入射するキャップ16の表面16bに対して近い方から順番に(Gc→Gb→Gaの順番で)形成したり、順番をランダムに設定して形成しても、ある程度均一な改質領域群を得られる場合があるため、改質領域群を形成する順番については、実際に形成される改質領域群を実験的に確かめて適宜設定すればよい。
ところで、キャップ16の内部における集光点Pの深さ位置を変えて複数層の改質領域群Ga〜Gcを形成するには、以下の方法がある。
[ア]レーザ光Lを出射するレーザ光源と集光レンズCVから構成されたヘッド(レーザヘッド)を、キャップ16の表裏面16b,16aに対して垂直方向に上下動させる方法。
[イ]ウェハ10が載置保持された載置台を、キャップ16の表裏面16b,16aに対して垂直方向に上下動させる方法。
[ウ]前記[ア][イ]を組み合わせ、ヘッドおよび載置台の両方を相互に逆方向に上下動させる方法。この方法によれば、複数層の改質領域群Ga〜Gcを形成するのに要する時間を前記[ア][イ]の方法よりも短縮できる。
[工程4:図5参照]
キャップ16の内部に複数層の改質領域群Ga〜Gcを形成した後に、ダイシングフィルムDFを切断予定ラインKaに対して水平方向(矢印β,β’方向)に伸張させることにより、各改質領域群Ga〜Gcに引張応力を印加する。
すると、キャップ16の内部に剪断応力が発生し、まず、ダイシングフィルムDFに最も近い最下層の改質領域群Gaを起点としてキャップ16の深さ方向に亀裂(割れ)が発生し、次に、中間層の改質領域群Gbを起点としてキャップ16の深さ方向に亀裂が発生し、続いて、最上層の改質領域群Gcを起点としてキャップ16の深さ方向に亀裂が発生し、各改質領域群Ga〜Gcを起点とする亀裂が成長して繋がり、その成長した亀裂がキャップ16の表裏面16b,16aに到達することにより、キャップ16が切断分離される。
また、ダイシングフィルムDFを伸張させると、ウェハ10の残存部分10gにも剪断応力が発生し、キャップ16の改質領域群Gaを起点とした亀裂が残存部分10gへ進行して切込部分10fと繋がり、残存部分10gが切断分離される。
ここで、各改質領域群Ga〜Gcは切断予定ラインKaに沿って形成されているため、ダイシングフィルムDFを伸張させて各改質領域群Ga〜Gcに引張応力を好適に印加させることで、複数層の改質領域群Ga〜Gcを構成する各改質領域Rを切断の起点とした割断により、キャップ16およびウェハ10の残存部分10gに不要な割れを生じさせることなく、キャップ16およびウェハ10の残存部分10gを比較的小さな力で精度良く切断分離することができる。
そして、図11に示すように、薄板略円板状のウェハ10の表面10bには、多数個のチップ11が略碁盤目状に整列配置されており、切断予定ラインK(Ka)は各チップ11の間に配置されている。つまり、ウェハ10の表面10bには複数本の切断予定ラインKが略格子状に配置されている。
そのため、前記した各改質領域群Ga〜Gcを各切断予定ラインK毎に形成した後に、ダイシングフィルムDFを伸張させることにより、ウェハ10およびキャップ16を個々のチップ11に切断分離することができる。
[第1実施形態の作用・効果]
第1実施形態によれば、以下の作用・効果を得ることができる。
[1]工程1(図1)において、高速回転するダイシングブレードDBによりウェハ10を裏面10a側からその内部へ切削して切込部分10fを形成する際には、摩擦熱やウェハ10の切削屑が発生することから、ウェハ10の切断箇所を冷却洗浄するための冷却洗浄水を当該切断箇所にかける必要がある。
このとき、ウェハ10の切削屑や冷却洗浄水が、シール材17とトレンチ15(図1〜図5では図示略。図13参照)およびキャップ16との僅かな隙間から空隙ηを介して構造体12に入り込むと、構造体12の性能低下を招くため、ウェハ10から切断分離されたチップ11の歩留まりや品質が低下することになる。
しかし、第1実施形態では、キャップ16の表面16bにシールフィルムSFを貼着し、キャップ16の表面16bを下向きにし、ウェハ10の裏面10aを上向きにした状態で、ウェハ10の裏面10a側をダイシングブレードDBで切削している。
ここで、ウェハ10の表面10bにおける外周部分10hは、連続一体化されたキャップ16によって覆われている(図11参照)。そのため、キャップ16の表面側全面に対してシールフィルムSFを貼着すれば、当該外周部分10hに貼着されたシールフィルムSFにより、ウェハ10の表面10bにおけるキャップ16に覆われていない部分(電極パッド14の周囲の部分)についてもシールフィルムSFによって覆うことができる。
従って、第1実施形態によれば、キャップ16の表面16bと、キャップ16から露出しているウェハ10の表面10b(電極パッド14の周囲の部分)とがシールフィルムSFによって覆われて液密状態になっており、当該表面16b,10bが冷却洗浄水に晒されない。そのため、ウェハ10の切削屑や冷却洗浄水が構造体12に入り込むのを確実に防止可能であり、ウェハ10から切断分離されたチップ11の歩留まりや品質を向上させることができる。
そして、第1実施形態によれば、シール材17による封止を簡略化するか又はシール材17を省くことが可能になるため、シール材17による厳重な封止を施す必要がある従来技術に比べて、製造コストを削減することができる。
尚、シールフィルムSFには、キャップ16の表面16bと密着して確実な液密状態を得ることが可能なものであれば、どのような材料(例えば、各種ゴム材料、各種プラスチック材料、各種金属材料など)を用いてもよく、前記作用・効果が確実に得られるように、カット・アンド・トライで実験的に適宜な材料を選択すればよい。
具体的には、シールフィルムSFとしてダイシングフィルムDFを用いてもよい。
また、工程1(図1)において、キャップ16の表面16bを載置台DSの上面に対して密着させることにより、キャップ16の表面16bと、キャップ16から露出しているウェハ10の表面10bとを載置台DSの上面で覆って液密状態にすることが可能であれば、シールフィルムSFを省いてもよい。
[2]工程1(図1)において、ウェハ10をその厚さ方向に完全に切断分離した場合には、切込部分10fを通してウェハ10の表面10bおよびキャップ16の裏面16aが露出するため、当該各面10b,16aが冷却洗浄水に晒され、ウェハ10の切削屑や冷却洗浄水が当該各面10b,16aからシール材17とトレンチ15およびキャップ16との僅かな隙間を経て構造体12に入り込むおそれがある。
しかし、第1実施形態では、工程1において、ウェハ10をその厚さ方向に完全には切断分離せず、ウェハ10の表面10bから所定厚さτの残存部分10gだけは切削せずに残しておく。
そのため、第1実施形態によれば、残存部分10gが前記各面10b,16aを冷却洗浄水から隔てる隔壁として機能し、切込部分10fを通して当該各面10b,16aが露出しないため、当該各面10b,16aが冷却洗浄水に晒されないことから、ウェハ10の切削屑や冷却洗浄水が当該各面10b,16aから構造体12に入り込むのを防止可能であり、前記[1]の効果を確実に得られる。
ここで、ウェハ10の残存部分10gの厚さτを大きくするほど、前記各面10b,16aを冷却洗浄水から確実に隔てることが可能になるため、前記作用・効果をより確実に得られる。
その反面、残存部分10gの厚さτを大きくするほど、工程4(図5)においてダイシングフィルムDFを伸張させることにより残存部分10gに剪断応力を発生させて切断分離する際に、残存部分10gが割れ難くなるため、高精度な切断分離が困難になる。
よって、ウェハ10の残存部分10gの厚さτについては、前記作用・効果が確実に得られると同時に、切断分離の精度が低下しないように、カット・アンド・トライで実験的に最適値を求めて設定すればよい。
[3]図5に示すように、チップ11におけるウェハ10の切断面(割断面)である外周側壁面(以下、「第1外周側壁面」と呼ぶ)には、レーザ光Lの照射によって生じた改質領域Rが形成されていない。また、チップ11におけるキャップ16の切断面である外周側壁面(以下、「第2外周側壁面」と呼ぶ)には、レーザ光Lの照射によって生じた改質領域Rが形成されている。
そして、第1外周側壁面(ウェハ10の切断面)における第2外周側壁面(キャップ16の切断面)との接続部分である残存部分10gは、第2外周側壁面と略面一になっている。また、残存部分10gは、第1外周側壁面におけるその他の部分(残存部分10gを除くウェハ10の切断面)に対して、厚さτの分だけ突出すると共に、切込部分10fの幅ρの1/2の幅ρ/2の分だけ突出している。
言い換えれば、ウェハ10における接続部分(残存部分10g)を除く部分の外周側壁面は、キャップ16の外周側壁面に対して前記厚さτおよび前記幅ρ/2の分だけ後退している。
従って、チップ11の外周側壁面の形状を見れば、第1実施形態の加工方法(ウェハ10はブレードダイシング技術を用いて切断分離し、キャップ16およびウェハ10の残存部分10gはレーザダイシング技術を用いて切断分離する方法)を採用していることが簡単に判別可能であり、第1実施形態に係る発明を侵害しているかどうかを容易に検討できる。
[4]第1実施形態では、ウェハ10はブレードダイシング技術を用いて切断分離し、キャップ16およびウェハ10の残存部分10gだけをレーザダイシング技術を用いて切断分離しているため、キャップ16だけでなくウェハ10についても全てレーザダイシング技術だけを用いて切断分離する場合に比べて、スループットが高くなるため量産化に好適である。
<第2実施形態>
図6〜図8は、第2実施形態におけるウェハ10の分断工程を説明するための説明図であり、ウェハ10の縦断面を模式的に表したものである。
尚、図6〜図8は、図12に示すY−Y線断面図である。
[工程1:図6参照]
ウェハ10の裏面10aを上向きにした状態で、ウェハ10をレーザ加工装置の載置台上に載置する。
レーザ加工装置は、ウェハ10の裏面10aからその内部へ集光点Pを合わせてレーザ光Lをパルス状に照射することにより、切断予定ラインKaに沿ってウェハ10の内部に多光子吸収による改質領域Rを形成しながら、ウェハ10に対して集光点Pを相対的に移動させることにより、ウェハ10の表裏面10b,10aに対して水平方向に一定の間隔をあけて形成された複数個の改質領域Rから成る1層の改質領域群Gd〜Gfを形成する。
そして、レーザ加工装置は、ウェハ10の内部における集光点Pの深さ位置を段階的に変えることにより、ウェハ10の切断予定ラインKaに沿うと共に、ウェハ10の表面10bから深さ方向(ウェハ10の厚さ方向、ウェハ10の断面方向、ウェハ10の表裏面10b,10aに対して垂直方向)に離間または隣接または重複して配置された複数層の改質領域群Gd〜Gfを順次形成する。
[工程2:図7参照]
ウェハ10の裏面10aにダイシングフィルムDFを貼着する。
次に、ウェハ10を裏返し、ウェハ10の表面10b(キャップ16の表面16b)を上向きにした状態で、ウェハ10をレーザ加工装置の載置台上に載置する。
そして、第1実施形態の工程3(図3および図4)と同様に、キャップ16の内部に複数層の改質領域群Ga〜Gcを順次形成する。
[工程3:図8参照]
第1実施形態の工程4(図5)と同様に、ダイシングフィルムDFを切断予定ラインKaに対して水平方向(矢印β,β’方向)に伸張させる。
すると、ウェハ10の内部の各改質領域群Gd〜Gfおよびキャップ16の内部の各改質領域群Ga〜Gcに引張応力が印加される。
そして、ウェハ10の内部に剪断応力が発生し、まず、ダイシングフィルムDFに最も近い最下層の改質領域群Gfを起点としてウェハ10の深さ方向に亀裂が発生し、次に、中間層の改質領域群Geを起点としてウェハ10の深さ方向に亀裂が発生し、続いて、最上層の改質領域群Gdを起点としてウェハ10の深さ方向に亀裂が発生し、各改質領域群Gd〜Gfを起点とする亀裂が成長して繋がり、その成長した亀裂がウェハ10の表裏面10b,10aに到達することにより、ウェハ10が切断分離される。
続いて、キャップ16の内部に剪断応力が発生し、第1実施形態の工程4と同様に、各改質領域群Ga〜Gcを起点とする亀裂が成長して繋がり、その成長した亀裂がキャップ16の表裏面16b,16aに到達することにより、キャップ16が切断分離される。
その結果、ウェハ10およびキャップ16を個々のチップ11に切断分離することができる。
[第2実施形態の作用・効果]
例えば、ウェハ10の裏面10aからキャップ16およびウェハ10の内部へ集光点Pを合わせてレーザ光Lを照射する場合には、ウェハ10とキャップ16と接着層20の光学的特性の相違により、レーザ光Lに対する屈折率がウェハ10とキャップ16とで異なる。そのため、ウェハ10とキャップ16と接着層20の境界面ではレーザ光Lの一部が反射し、その反射光と入射光とが干渉して相殺され、レーザ光Lの入射面(ウェハ10の裏面10a)から深い部分ではレーザ光Lのエネルギーが大幅に減衰される。その結果、当該深い部分では、多光子吸収を発生させるのに必要なレーザ光Lのエネルギーが不足し、改質領域Rを形成不能になることがある。
尚、接着層20は、キャップ16とウェハ10を接着するためのものであり、切断予定ラインKに接着層20が存在しない場合(例えば、接着層20が、構造体12の領域の外側で、且つ、キャップ16の外郭の内側にのみ存在する場合)もありえる。
この場合には、接着層20に対応するキャップ16とウェハ10の間隙の空気層とキャップ16とウェハ10の光学的特性の相違により、レーザ光Lに対する屈折率がウェハ10とキャップ16と当該空気層とで異なるため、ウェハ10とキャップ16と当該空気層の境界面ではレーザ光Lの一部が反射し、前記と同様の問題が起こることがある。
それに対して、第2実施形態では、工程1(図6)にてウェハ10の内部に各改質領域群Gd〜Gfを形成した後に、ウェハ10を裏返し、工程2(図7)にてキャップ16の内部に各改質領域群Ga〜Gcを形成している。
つまり、ウェハ10の内部に各改質領域群Gd〜Gfを形成する際にはウェハ10の裏面10aからその内部へ集光点Pを合わせてレーザ光Lを照射し、キャップ16の内部に各改質領域群Ga〜Gcを形成する際にはキャップ16の表面16bからその内部へ集光点Pを合わせてレーザ光Lを照射するため、ウェハ10とキャップ16と接着層20の境界面でレーザ光Lが反射することがない。
従って、第2実施形態によれば、各改質領域群Ga〜Gfを構成する改質領域Rを正常かつ確実に形成することができる。
そして、複数層の改質領域群Ga〜Gfを構成する改質領域Rが正常に形成されているウェハ10は、切断分離する際に不要な割れが生じ難いため、切断予定ラインKに沿って精度良く切断分離することが容易であり、ウェハ10から切断分離されたチップ11の歩留まりや品質を向上させることができる。
また、第2実施形態では、ブレードダイシング技術を用いず、ウェハ10およびキャップ16を切断分離する際に冷却洗浄水を使用しないため、ウェハ10やキャップ16の切削屑や冷却洗浄水が構造体12に入り込むのを確実に防止可能であり、ウェハ10から切断分離されたチップ11の歩留まりや品質を向上させることができる。
尚、第2実施形態において、工程1と工程2の順番を逆にし、まず、工程2(図7)と同様に、キャップ16の表面16bからその内部へ集光点Pを合わせてレーザ光Lを照射して各改質領域群Ga〜Gcを形成し、次に、キャップ16の表面16bにダイシングフィルムDFを貼着してからウェハ10を裏返し、続いて、工程1(図6)と同様に、ウェハ10の裏面10aからその内部へ集光点Pを合わせてレーザ光Lを照射して各改質領域群Gd〜Gfを形成し、その後、工程3(図8)と同様にダイシングフィルムDFを伸長させてウェハ10およびキャップ16を切断分離してもよい。
<第3実施形態>
図9および図10は、第3実施形態におけるウェハ10の分断工程を説明するための説明図であり、ウェハ10の縦断面を模式的に表したものである。
尚、図9および図10は、図12に示すY−Y線断面図である。
[工程1:図9参照]
キャップ16の表面16bにダイシングフィルムDFを貼着する。
そして、ウェハ10の裏面10aを上向きにした状態で、ウェハ10をレーザ加工装置の載置台上に載置する。
レーザ加工装置は、ウェハ10の裏面10aからキャップ16の内部へ集光点Pを合わせてレーザ光Lをパルス状に照射することにより、切断予定ラインKaに沿ってキャップ16の内部に多光子吸収による改質領域Rを形成しながら、キャップ16に対して集光点Pを相対的に移動させることにより、キャップ16の表裏面16b,16aに対して水平方向に一定の間隔をあけて形成された複数個の改質領域Rから成る1層の改質領域群Gc〜Gaを形成する。
そして、レーザ加工装置は、キャップ16の内部における集光点Pの深さ位置を段階的に変えることにより、キャップ16の切断予定ラインKaに沿うと共に、キャップ16の裏面16aから深さ方向に離間または隣接または重複して配置された複数層の改質領域群Gc〜Gaを順次形成する。
続いて、第2実施形態の工程1(図6)と同様に、ウェハ10の内部に複数層の改質領域群Gd〜Gfを順次形成する。
[工程2:図10参照]
第1実施形態の工程4(図5)と同様に、ダイシングフィルムDFを切断予定ラインKaに対して水平方向(矢印β,β’方向)に伸張させる。
すると、ウェハ10の内部の各改質領域群Gd〜Gfおよびキャップ16の内部の各改質領域群Gc〜Gaに引張応力が印加される。
そして、キャップ16の内部に剪断応力が発生し、まず、ダイシングフィルムDFに最も近い最下層の改質領域群Gcを起点としてキャップ16の深さ方向に亀裂が発生し、次に、中間層の改質領域群Gbを起点としてキャップ16の深さ方向に亀裂が発生し、続いて、最上層の改質領域群Gaを起点としてキャップ16の深さ方向に亀裂が発生し、各改質領域群Gc〜Gaを起点とする亀裂が成長して繋がり、その成長した亀裂がキャップ16の表裏面16b,16aに到達することにより、キャップ16が切断分離される。
続いて、ウェハ10の内部に剪断応力が発生し、まず、ダイシングフィルムDFに最も近い最下層の改質領域群Gdを起点としてウェハ10の深さ方向に亀裂が発生し、次に、中間層の改質領域群Geを起点としてウェハ10の深さ方向に亀裂が発生し、続いて、最上層の改質領域群Gfを起点としてウェハ10の深さ方向に亀裂が発生し、各改質領域群Gd〜Gfを起点とする亀裂が成長して繋がり、その成長した亀裂がウェハ10の表裏面10b,10aに到達することにより、ウェハ10が切断分離される。
その結果、ウェハ10およびキャップ16を個々のチップ11に切断分離することができる。
[第3実施形態の作用・効果]
第3実施形態では、工程1(図9)において、キャップ16の内部に各改質領域群Gc〜Gaを形成した後に連続して、ウェハ10の内部に各改質領域群Gd〜Gfを形成している。
従って、第3実施形態によれば、ブレードダイシング技術を用いず、ウェハ10およびキャップ16を切断分離する際に冷却洗浄水を使用しないため、ウェハ10やキャップ16の切削屑や冷却洗浄水が構造体12に入り込むのを確実に防止可能であり、ウェハ10から切断分離されたチップ11の歩留まりや品質を向上させることができる。
尚、第3実施形態において、まず、ウェハ10の裏面10aにダイシングフィルムDFを貼着し、次に、キャップ16の表面16bからウェハ10の内部へ集光点Pを合わせてレーザ光Lを照射して各改質領域群Gf〜Gdを形成した後に連続して、キャップ16の表面16bからキャップ16の内部へ集光点Pを合わせてレーザ光Lを照射して各改質領域群Ga〜Gcを形成し、その後、工程2(図10)と同様にダイシングフィルムDFを伸長させてウェハ10およびキャップ16を切断分離してもよい。
<別の実施形態>
本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、以下のように具体化してもよく、その場合でも、上記各実施形態と同等もしくはそれ以上の作用・効果を得ることができる。
(1)上記各実施形態は、構造体12が形成されると共にキャップ16が被着されている構造のウェハ10に適用したものであるが、本発明の適用はこれに限られるものではなく、どのような2層構造の半導体基板を作成するための半導体材料から成るウェハに適用してもよい。
その場合、2層構造のウェハとしては、例えば、陽極接合を用いてシリコン基板とガラス基板とを貼り合わせて形成したウェハなどがある。
このような2層構造のウェハに第1実施形態を適用した場合にも、第1実施形態と同様の作用・効果が得られる。すなわち、第1層の表面上に第2層が積層されている2層構造のウェハでは、第1層の裏面側をダイシングブレードで切削するとき、各層の層間にある間隙に切削屑や冷却洗浄水が入り込むのを確実に防止可能であり、ウェハから切断分離されたチップの歩留まりや品質を向上させることができる。また、各層の層間にある間隙を液密状態に封止するためのシール材を簡略化するか又は省くことが可能になるため、製造コストを削減できる。
また、前記のような2層構造のウェハに第2実施形態を適用した場合にも、第2実施形態と同様の作用・効果が得られる。すなわち、第1層の表面上に第2層が積層された2層構造のウェハでは、第1層の内部に改質領域群を形成する際には第1層の裏面からその内部へ集光点Pを合わせてレーザ光Lを照射し、第2層の内部に各改質領域群を形成する際には第2層の表面からその内部へ集光点Pを合わせてレーザ光Lを照射するため、各層の境界面でレーザ光Lが反射することがなく、各層の内部に改質領域Rを正常かつ確実に形成することができる。
(2)上記各実施形態は、貼り合わせSOI構造のウェハ10に適用したものであるが、本発明の適用はこれに限られるものではなく、半導体基板(例えば、ガリウム砒素基板など)を作成するための半導体材料(例えば、ガリウム砒素など)による半導体層から成るウェハであれば、どのようなウェハに適用してもよい。
また、本発明は、半導体層から成るウェハに限らず、種々の材料(例えば、ガラスを含む材料など)から成るウェハに適用してもよい。
そして、上記各実施形態は、各種シリコンのバルク材から成るキャップ16に適用したものであるが、本発明の適用はこれに限られるものではなく、種々の材料(例えば、ガラスを含む材料など)から成るキャップに適用してもよい。
その場合、多光子吸収による改質領域Rは、上記各実施形態のような溶融処理領域を含むものに限らず、ウェハ10およびキャップ16の形成材料に合わせた適宜なものにすればよい。例えば、形成材料がガラスを含む場合には、多光子吸収による改質領域Rを、クラック領域を含むものか又は屈折率が変化した領域を含むものにすればよい。
尚、クラック領域または屈折率が変化した領域を含む改質領域については、特許文献1に開示されているため、説明を省略する。
(3)上記各実施形態では、ダイシングフィルムDFを伸張させることによりウェハ10およびキャップ16を切断分離している。しかし、曲率を有した物(例えば、半球状の物)の曲面(膨らんだ方の面)を、ウェハ10の裏面10aまたはキャップ16の表面16bにおける切断予定ラインKに押し当てて押圧力を印加することにより、複数層の改質領域群Ga〜Gfに剪断応力を発生させ、ウェハ10およびキャップ16を切断分離するようにしてもよい。
本発明を具体化した第1実施形態におけるウェハ10の分断工程を説明するための説明図であり、ウェハ10の縦断面を模式的に表したもので、図12に示すY−Y線断面図である。 第1実施形態におけるウェハ10の分断工程を説明するための説明図であり、ウェハ10の縦断面を模式的に表したもので、図12に示すY−Y線断面図である。 第1実施形態におけるウェハ10の分断工程を説明するための説明図であり、ウェハ10の縦断面を模式的に表したもので、図12に示すY−Y線断面図である。 第1実施形態におけるウェハ10の分断工程を説明するための説明図であり、ウェハ10の縦断面を模式的に表したもので、図12に示す切断予定ラインKaに相当するXb−Xb線断面図である。 第1実施形態におけるウェハ10の分断工程を説明するための説明図であり、ウェハ10の縦断面を模式的に表したもので、図12に示すY−Y線断面図である。 本発明を具体化した第2実施形態におけるウェハ10の分断工程を説明するための説明図であり、ウェハ10の縦断面を模式的に表したもので、図12に示すY−Y線断面図である。 第2実施形態におけるウェハ10の分断工程を説明するための説明図であり、ウェハ10の縦断面を模式的に表したもので、図12に示すY−Y線断面図である。 第2実施形態におけるウェハ10の分断工程を説明するための説明図であり、ウェハ10の縦断面を模式的に表したもので、図12に示すY−Y線断面図である。 本発明を具体化した第3実施形態におけるウェハ10の分断工程を説明するための説明図であり、ウェハ10の縦断面を模式的に表したもので、図12に示すY−Y線断面図である。 第3実施形態におけるウェハ10の分断工程を説明するための説明図であり、ウェハ10の縦断面を模式的に表したもので、図12に示すY−Y線断面図である。 MEMS技術を利用して作製された構造体12がチップ11上に形成されているウェハ10を説明するための説明図であり、ウェハ10の平面図である。 MEMS技術を利用して作製された構造体12がチップ11上に形成されているウェハ10を説明するための説明図であり、チップ11の拡大平面図である。 MEMS技術を利用して作製された構造体12がチップ11上に形成されているウェハ10を説明するための説明図であり、チップ11の縦断面を模式的に表したもので、図12に示すXa−Xa線断面図である。
符号の説明
10…ウェハ
10a…ウェハ10の裏面
10b…ウェハ10の表面
10f…ウェハ10の切込部分
ρ…切込部分10fの幅
10g…ウェハ10の残存部分
τ…残存部分10gの厚さ
10h…ウェハ10の表面10bにおける外周部分
11…チップ
12…構造体
13…SOI層
14…電極パッド
15…トレンチ
16…キャップ
16a…キャップ16の裏面
16b…キャップ16の表面
17…シール材
18…埋込酸化層
19…基板Si層
20…接着層
η…キャップ16の内壁面と構造体12との間の空隙
DB…ダイシングブレード
DS…ダイシング装置の載置台
DF…ダイシングフィルム
SF…シールフィルム
L…レーザ光
CV…集光レンズ
P…集光点
R…改質領域
Ga〜Gf…改質領域群
K(Ka)…切断予定ライン

Claims (11)

  1. 第1層の表面上に第2層が積層された2層構造のウェハをその積層方向に切断分離するウェハの分断方法であって、
    前記第2層の表面と、前記第2層から露出している前記第1層の表面とを覆って液密状態にするための覆設部材を設ける第1工程と、
    前記第1層の裏面側をダイシングブレードで切削することにより、前記ウェハの切断予定ラインに沿って切り込まれた切込部分を前記第1層の裏面側に形成する第2工程と、
    前記覆設部材を取り外した後に、前記第2層の表面からその内部へ集光点を合わせてレーザ光を照射することにより、前記切断予定ラインに沿って前記第2層の内部に、多光子吸収による少なくとも1層の改質領域を形成する第3工程と、
    前記改質領域を切断の起点とした割断により、前記第1層および前記第2層を前記切断予定ラインに沿って切断分離する第4工程と
    を備えたことを特徴とするウェハの分断方法。
  2. 請求項1に記載のウェハの分断方法において、
    前記第2工程では、前記第1層をその厚さ方向に完全には切断分離せず、前記第1層の表面から所定厚さの部分だけを切削せずに残しておくことを特徴とするウェハの分断方法。
  3. 第1層の表面上に第2層が積層された2層構造のウェハをその積層方向に切断分離するウェハの分断方法であって、
    前記第1層の裏面からその内部へ集光点を合わせてレーザ光を照射することにより、前記ウェハの切断予定ラインに沿って前記第1層の内部に、多光子吸収による少なくとも1層の改質領域を形成する第1工程と、
    前記第2層の表面からその内部へ集光点を合わせてレーザ光を照射することにより、前記切断予定ラインに沿って前記第2層の内部に、多光子吸収による少なくとも1層の改質領域を形成する第2工程と、
    前記改質領域を切断の起点とした割断により、前記第1層および前記第2層を前記切断予定ラインに沿って切断分離する第3工程と
    を備えたことを特徴とするウェハの分断方法。
  4. 請求項3に記載のウェハの分断方法において、
    前記第1工程と前記第2工程の順番を逆にし、まず、前記第2工程を行い、次に、前記第1工程を行い、その後に、前記第3工程を行うことを特徴とするウェハの分断方法。
  5. 第1層の表面上に第2層が積層された2層構造のウェハをその積層方向に切断分離するウェハの分断方法であって、
    前記第1層の裏面から前記第2層の内部へ集光点を合わせてレーザ光を照射することにより、前記ウェハの切断予定ラインに沿って前記第2層の内部に、多光子吸収による少なくとも1層の改質領域を形成する第1工程と、
    前記第1層の裏面からその内部へ集光点を合わせてレーザ光を照射することにより、前記切断予定ラインに沿って前記第1層の内部に、多光子吸収による少なくとも1層の改質領域を形成する第2工程と、
    前記改質領域を切断の起点とした割断により、前記第1層および前記第2層を前記切断予定ラインに沿って切断分離する第3工程と
    を備えたことを特徴とするウェハの分断方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のウェハの分断方法において、
    前記第1層の表面には、可動可能な可動部材を備えた構造体が形成されていることと、
    前記第2層は、前記構造体を保護するための保護部材であることと
    を特徴とするウェハの分断方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のウェハの分断方法において、
    前記第1層は半導体層であることを特徴とするウェハの分断方法。
  8. 第1層の表面上に第2層が積層された2層構造のウェハをその積層方向に切断分離して得られたチップであって、
    チップにおける前記第1層の切断面である第1の外周側壁面には、レーザ光の照射によって生じた多光子吸収による改質領域が形成されていないことと、
    チップにおける前記第2層の切断面である第2の外周側壁面には、レーザ光の照射によって生じた多光子吸収による少なくとも1層の改質領域が形成されていることと
    を特徴とするチップ。
  9. 請求項8に記載のチップにおいて、
    前記第1の外周側壁面における前記第2の外周側壁面との接続部分は、前記第2の外周側壁面と略面一になっており、当該接続部分は前記第1の外周側壁面におけるその他の部分から突出していることを特徴とするチップ。
  10. 請求項8または請求項9に記載のチップにおいて、
    前記第1層の表面には、可動可能な可動部材を備えた構造体が形成されていることと、
    前記第2層は、前記構造体を保護するための保護部材であることと
    を特徴とするチップ。
  11. 請求項8〜10のいずれか1項に記載のチップにおいて、
    前記第1層は半導体層であることを特徴とするチップ。
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