JP2007158025A - 半導体加工用感圧型テープ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 基材フィルム上の少なくとも片面に粘着剤層を設けてなる半導体加工用感圧型テープであって、前記粘着剤層を構成するベース樹脂の重量平均分子量10万以下の成分の含有量が、前記ベース樹脂に対して20質量%以下である半導体加工用感圧型テープ。
【選択図】 なし
Description
しかし、感圧型表面保護テープは放射線照射の工程が不要であることや、紫外線照射機等の機械も不要であることが特徴であり、低コストであること・ウエハ加工のスループットが大きいことから多くのユーザーに支持されているのが現状である。
また、近年、半導体集積回路の高密度化および高性能化に伴い、半導体ウエハおよび半導体チップの回路面に対する汚染の管理が厳しくなり、従来では問題にならなかったレベルの有機物付着量も管理の対象になってきている。そのため、半導体用表面保護テープには従来にも増して高い水準の低汚染性が求められるようになってきている。
特に、従来、LOC構造に供されるウエハの表面保護テープは、LOC加工で汚染が残存していると、LOCテープで粘着加工する際に粘着性に問題が生じ、とりわけ粘着加工が比較的低い温度で行われる場合にはその問題が顕著であった。
さらに、前記ベース樹脂の分散指数が6.0以下であり、かつガラス転移温度が−55℃以上であることが糊残りがより少なく、凝集力により優れること、とりわけ、上記分子量10万以下の低分子量成分の含有比が20質量%以下の高分子量のポリマーは懸濁重合法により重合して得られることを見出した。本発明はこれら知見に基づきなされるに至ったものである。
すなわち、本発明は、
(1) 基材フィルム上の少なくとも片面に粘着剤層が設けてなる半導体加工用感圧型テープであって、前記粘着剤層を構成するベース樹脂の重量平均分子量10万以下の成分の含有量が、前記ベース樹脂に対して20質量%以下であることを特徴とする半導体加工用感圧型テープ、
(2) 前記ベース樹脂の分散指数が6.0以下であり、かつガラス転移温度が−55℃以上であることを特徴とする(1)記載の半導体加工用感圧型テープ、
(3) 前記ベース樹脂が懸濁重合により重合された共重合体を含有することを特徴とする(1)または(2)記載の半導体加工用感圧型テープ、及び
(4) 記ベース樹脂の重量平均分子量が80万以上であり、かつガラス転移温度が−55℃以上であることを特徴とする(1)記載の半導体加工用感圧型テープ
を提供するものである。
本特許請求の範囲及び明細書において、「ベース樹脂」とは、粘着剤層中に50質量%以上含有される樹脂またはその組成物をいう。
本特許請求の範囲及び明細書において、「分散指数」とは、樹脂またはその組成物の重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)で表される値をいう。
特に、本発明の半導体加工用感圧型テープを感圧型表面保護テープとして使用すれば、粘着剤成分による汚染に起因するLOCパッケージング工程でのLOCテープ・チップ間の接着不良等の不具合を解消することができる。
本発明の半導体加工用感圧型テープは、例えば、離型フィルム上に、前記ベース樹脂を含有する溶液を塗布、乾燥して得られる粘着剤層を基材フィルム上に転写することにより製造することができる。
本発明の半導体加工用感圧型テープは、基材フィルム上の少なくとも片面に粘着剤層が設けてなる半導体加工用感圧型テープであって、前記粘着剤層を構成するベース樹脂の重量平均分子量10万以下の分子量分布が、前記ベース樹脂中20質量%以下、好ましくは10質量%以下であることを特徴とする。
前記上限は、前記ベース樹脂中の分子量10万以下の成分が、凝集力の低下、転写汚染(糊残り)成分の原因となるという観点から規定したものである。
本発明において、前記ベース樹脂の分散指数が6.0以下であり、かつそのガラス転移温度が-55℃以上であることが好ましく、前記ベース樹脂の分散指数が5.0以下であり、かつそのガラス転移温度が-50〜0℃であることがより好ましい。
本発明において、前記ベース樹脂の重量平均分子量(Mw)が80万以上であることが好ましく、Mwが100万〜180万であることがより好ましい。
また、前記ベース樹脂分子量分布全体に対する10万以下の分子量分布の割合(%)についても下記測定条件で同様に測定できる。
GPC装置:東ソー社製HLC−8120GPC、カラム:TSKgel SuperHM−H/H4000/H3000/H2000、流量:0.6ml/min、濃度:0.3質量%、注入量:20μl、カラム温度:40℃、溶離液:テトラヒドロフラン。
前記(メタ)アクリル系共重合体は、アクリル酸アルキルエステル等のモノマー(1)と、後述する硬化剤と反応しうる官能基を有するモノマー(2)を共重合してなる。
硬化剤の含有量が少なすぎると、ウエハ表面に検出される有機物付着量の低減効果が認められない。
本発明において、粘着剤層の厚みは10〜100μmが好ましい。
基材フィルムの厚みは30〜300μmが好ましい。
(実施例1)
アクリル酸エチル・アクリル酸ブチル・アクリル酸・アクリル酸ヒドロキシエチルの共重合体(分散指数:3.53、Mw:50万の懸濁重合物)100質量部に対して、下記表1に示す含有割合で硬化剤を含有させ、酢酸エチルを加えて固形分が24%になるように調整して粘着剤塗布液を調製した。シリコン離型処理したポリエチレンテレフタレートテープ(厚さ25μm)に調製した粘着剤塗布液をコンマコーターを用いて線速2m/分で塗工し、110℃に設定した温風乾燥炉を通して、コロナ処理を施した基材フィルム(厚み165μm)と貼り合わせて、乾燥後の塗布厚が35μmである離型フィルム付きの半導体用表面保護テープを作製した。
(実施例2)
アクリル酸ブチルとアクリル酸ヒドロキシエチルの共重合体(分散指数:4.81、Mw:168万の溶液重合物)100質量部に対して、下記表2に示す含有割合で硬化剤を含有させ、酢酸エチルを加えて固形分が15%になるように調整して粘着剤塗布液を調製した。シリコン離型処理したポリエチレンテレフタレートテープ(厚さ25μm)に調製した粘着剤塗布液をコンマコーターを用いて線速2m/分で塗工し、110℃に設定した温風乾燥炉を通して、コロナ処理を施した基材フィルム(厚み165μm)と貼り合わせて、乾燥後の塗布厚が40μmである離型フィルム付きの半導体用表面保護テープを作製した。
下記表1及び2に示す配合割合で硬化剤を配合し、実施例1と同様の方法で半導体用感圧型表面保護テープを作製した。
得られた結果を表1及び2に示す。
これに対し、実施例1及び2の表面保護テープはいずれも転写汚染物に由来する炭素量が少なく、しかも実用的に十分な粘着力を有していた。
Claims (4)
- 基材フィルム上の少なくとも片面に粘着剤層を設けてなる半導体加工用感圧型テープであって、前記粘着剤層を構成するベース樹脂の重量平均分子量10万以下の成分の含有量が、前記ベース樹脂に対して20質量%以下であることを特徴とする半導体加工用感圧型テープ。
- 前記ベース樹脂の分散指数が6.0以下であり、かつガラス転移温度が−55℃以上であることを特徴とする請求項1記載の半導体加工用感圧型テープ。
- 前記ベース樹脂が、懸濁重合により重合された共重合体を含有することを特徴とする請求項1または2記載の半導体加工用感圧型テープ。
- 前記ベース樹脂の重量平均分子量が80万以上であり、かつガラス転移温度が−55℃以上であることを特徴とする請求項1記載の半導体加工用感圧型テープ。
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