JP2014229766A - 半導体ウエハ加工用粘着シート - Google Patents

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Abstract

【課題】半導体ウエハに貼着した際、半導体ウエハ加工時には剥離せず、加工後には良好に剥離し得る半導体ウエハ加工用粘着シートを提供すること。【解決手段】本発明の半導体ウエハ加工用粘着シートは、表面粗さRaが0.1nm〜1.0nmの半導体ウエハに対する粘着力が、0.10N/20mm以上であり、表面粗さRaが13.0nm〜16.0nmの半導体ウエハに対する粘着力が、2.00N/20mm以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、半導体ウエハ加工用粘着シートに関する。
シリコン、ガリウム、砒素などからなる半導体ウエハは、大径の状態で製造され、表面にパターンを形成した後、裏面を研削して、通常、ウエハの厚さを100〜600μm程度まで薄くし、さらに素子小片に切断分離(ダイシング)され、さらにマウント工程に移される。
このような半導体ウエハの製造工程においては、半導体ウエハの保持(固定)または保護のために粘着シートが用いられている。粘着シートは、加工中においては剥離せずに、加工後において容易に剥離し得ることが求められる。例えば、半導体ウエハの裏面を研削する工程(裏面研削工程)においては、半導体ウエハのパターン面を保護するために粘着シートが用いられ、該粘着シートは裏面研削工程後に剥離される。しかしながら、半導体ウエハの表面状態によっては、粘着シートが良好に剥離されない場合がある。例えば、プラズマ処理が施された半導体ウエハの有機膜表面は粗いため、該半導体ウエハに貼着された粘着シートは良好に剥離されず、剥離時に半導体ウエハを破損するという問題がある。
特開2003−243347号公報
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、半導体ウエハに貼着した際、半導体ウエハ加工時には剥離せず、加工後には良好に剥離し得る半導体ウエハ加工用粘着シートを提供することにある。
本発明の半導体ウエハ加工用粘着シートは、表面粗さRaが0.1nm〜1.0nmの半導体ウエハに対する粘着力が、0.10N/20mm以上であり、表面粗さRaが13.0nm〜16.0nmの半導体ウエハに対する粘着力が、2.00N/20mm以下である。
1つの実施形態においては、表面粗さRaが0.1nm〜1.0nmの半導体ウエハが、ミラーウエハまたは表面に有機膜が形成された半導体ウエハである。
1つの実施形態においては、表面粗さRaが13.0nm〜16.0nmの半導体ウエハが、表面に有機膜が形成された半導体ウエハの該表面をプラズマ処理して得られた半導体ウエハである。
本発明によれば、特定の表面粗さを有する半導体ウエハ表面に対する粘着力を最適化することにより、種々の半導体ウエハに対して、加工時の粘着性と加工後の剥離性を両立し得る半導体ウエハ加工用粘着シートを提供することができる。
本発明の1つの実施形態による半導体ウエハ加工用粘着シートの概略断面図である。
A.半導体ウエハ加工用粘着シート
本発明の半導体ウエハ加工用粘着シート(以下、単に粘着シートともいう)は、表面粗さRaが0.1nm〜1.0nmの半導体ウエハに対する粘着力が、0.10N/20mm以上であり、好ましくは0.12N/20mm以上であり、より好ましくは0.15N/20mm以上である。このような粘着力を示す本発明の粘着シートは、半導体ウエハ加工用粘着シートとして、適度な粘着性を示し、加工性の向上に寄与し得る。例えば、本発明の粘着シートを、半導体ウエハの裏面研削工程における表面保護シートとして用いた場合には、裏面研削中の該粘着シートの剥がれ、半導体ウエハの欠け等を防止することができる。本発明の粘着シートの表面粗さRaが0.1nm〜1.0nmの半導体ウエハに対する粘着力の上限は、好ましくは2.00/20mmであり、より好ましくは1.00N/20mmであり、さらに好ましくは0.80N/20mmである。なお、本発明において半導体ウエハに対する粘着力とは、常温下で、JIS Z 0237(2000)に準じた方法(貼り合わせ条件:2kgローラー1往復、剥離速度:300mm/min、剥離角度180°)により測定した粘着力をいう。また、表面粗さRaとは、は、JIS B 0601(1994)に規定される算術平均表面粗さRaである。
表面粗さRaが0.1nm〜1.0nmの半導体ウエハとしては、例えば、ミラーウエハ、表面に有機膜が形成された半導体ウエハ等が挙げられる。該有機膜としては、例えば、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール等のポリマーにより形成される有機膜が挙げられる。
本発明の半導体ウエハ加工用粘着シート粘着シートは、表面粗さRaが13.0nm〜16.0nmの半導体ウエハに対する粘着力が、2.00N/20mm以下であり、好ましくは1.80N/20mm以下であり、より好ましくは1.60N/20mm以下である。このような粘着力を示す本発明の粘着シートは、半導体ウエハ加工用の粘着シートとして用いられた際に、加工後の剥離性に優れる。例えば、本発明の粘着シートを半導体ウエハの裏面研削工程における表面保護シートとして用いた場合、該粘着シートは、裏面研削後、半導体ウエハを破損することなく剥離することができる。また、剥離性に優れる本発明の粘着シートは、剥離時の伸びが少ないため、剥離装置の可動範囲内で剥離しきれないというトラブルを防止することができる。本発明の粘着シートの表面粗さRaが13.0nm〜16.0nmの半導体ウエハに対する粘着力の下限は、好ましくは0.10N/20mmであり、より好ましくは0.15N/20mmである。
表面粗さRaが13.0nm〜16.0nmの半導体ウエハとしては、例えば、表面に有機膜が形成された半導体ウエハの該表面をプラズマ処理して得られた半導体ウエハが挙げられる。該有機膜としては、例えば、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール等のポリマーにより形成される有機膜が挙げられる。プラズマ処理としては、例えば、酸素、アルゴン、CF等によるプラズマ処理が挙げられる。本発明の粘着シートは、ミラーウエハ、表面に有機膜が形成された半導体ウエハ、さらには、表面に有機膜が形成された半導体ウエハの該表面をプラズマ処理して得られた半導体ウエハ等の半導体ウエハに幅広く用いることができ、これらの種々の半導体ウエハに対して、加工時の粘着性と加工後の剥離性を両立し得る。
図1は、本発明の1つの実施形態による粘着シートの概略断面図である。粘着シート100は、粘着剤層10および基材層20を備え得る。また、本発明の粘着シートは必要に応じて、中間層30を備えていてもよい。
本発明の粘着シートの厚みは、好ましくは5μm〜1000μmであり、さらに好ましくは100μm〜300μmであり、特に好ましくは130μm〜260μmである。
図示していないが、本発明の粘着シートは、必要に応じて、さらに別の層を備え得る。例えば、本発明の粘着シートは、実用に供するまで粘着剤層を保護する保護層をさらに備え得る。本発明の粘着シートは、保護層により保護された状態で、ロール状に巻き取ることができる。保護層としては、例えば、シリコン系剥離剤、フッ素系剥離剤、長鎖アルキルアクリレート系剥離剤等の剥離剤により表面コートされたプラスチック(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン、ポリプロピレン)フィルム、不織布または紙などが挙げられる。
本発明の粘着シートは、例えば、保護層により保護されていない場合、粘着剤層とは反対側の最外層に、背面処理を行っていても良い。背面処理は、例えば、シリコン系剥離剤や長鎖アルキルアクリレート系剥離剤等の剥離剤を用いて行うことができる。本発明の粘着シートは、背面処理を行うことにより、ロール状に巻き取ることができる。
(粘着剤層)
1つの実施形態においては、上記のとおり、本発明の粘着シートは粘着剤層を有する。該粘着剤層の組成、厚み等を調整することにより、上記の粘着力を有する粘着シートを得ることができる。
好ましくは、上記粘着剤層は、粘着性樹脂と非粘着性樹脂とを含む。粘着性樹脂と非粘着性樹脂とを含有させ、これらの樹脂の種類および含有割合を調整することにより、上記粘着シートの粘着力を制御することができる。
上記粘着性樹脂としては、任意の適切な樹脂が用いられ得る。上記粘着性樹脂としては例えば、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられる。好ましくは、ポリオレフィン系樹脂が用いられる。ポリオレフィン系樹脂の具体例としては、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、非晶質ポリプロピレン系樹脂(例えば、非晶質プロピレン−(1−ブテン)共重合体、非晶質プロピレン−エチレン共重合体など)、アイオノマー樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリ酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体、エチレン−メタクリル酸グリシジル共重合体などのエチレン共重合体やポリオレフィン変性ポリマー等が挙げられる。なかでも好ましくは、非晶質ポリプロピレン系樹脂である。なお、本明細書において、「非晶質」とは、結晶質のように明確な融点を有さない性質をいう。
上記粘着性樹脂の230℃、2.16kgfにおけるメルトフローレートは、好ましくは1g/10min〜50g/10minであり、さらに好ましくは5g/10min〜30g/10minであり、特に好ましくは5g/10min〜20g/10minである。
上記非晶質ポリプロピレン系樹脂は、好ましくは、メタロセン触媒を用いて、プロピレンとプロピレン以外のオレフィンとを重合することにより得ることができる。プロピレン以外のオレフィンとしては、好ましくは、1−ブテン、エチレン等が挙げられる。メタロセン触媒を用いて重合された非晶質ポリプロピレン系樹脂は、狭い分子量分布を示す。具体的には、上記非晶質ポリプロピレン系樹脂の分子量分布(Mw/Mn)は2.5以下であり、好ましくは1.0〜2.3であり、さらに好ましくは1.0〜2.1である。分子量分布が狭い非晶質ポリプロピレン系樹脂は低分子量成分が少ないので、このような非晶質ポリプロピレン系樹脂を用いれば、低分子量成分のブリードによる被着体の汚染を防止し得る粘着シートを得ることができる。
上記非晶質ポリプロピレン系樹脂における、プロピレン由来の構成単位の含有割合は、好ましくは70モル%〜99モル%、さらに好ましくは75モル%〜99モル%であり、特に好ましくは78モル%〜99モル%である。
上記非晶質ポリプロピレン系樹脂における、プロピレン以外のオレフィン由来の構成単位の含有割合は、好ましくは1モル%〜30モル%、さらに好ましくは1モル%〜12モル%である。このような範囲であれば、靭性と柔軟性とのバランスに優れる粘着シートを得ることができる。
上記非晶質ポリプロピレン系樹脂は、ブロック共重合体であってもよく、ランダム共重合体であってもよい。
上記非晶質ポリプロピレン系樹脂の重量平均分子量(Mw)は100,000以上であり、好ましくは100,000〜500,000であり、さらに好ましくは100,000〜300,000である。非晶質ポリプロピレン系樹脂の重量平均分子量(Mw)がこのような範囲であれば、一般的なスチレン系熱可塑性樹脂、アクリル系熱可塑性樹脂(Mwが100,000以下)と比較して、低分子量成分が少なく、被着体の汚染を防止し得る粘着シートを得ることができる。
上記非晶質ポリプロピレン系樹脂は、本発明の効果を損なわない範囲で、さらにその他のモノマー由来の構成単位を含んでいてもよい。その他のモノマーとしては、例えば、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィンが挙げられる。
上記非粘着性樹脂としては、上記粘着性樹脂との混合性がよく、かつ、粘着性を示さない限り、任意の適切な樹脂が用いられ得る。
上記非粘着性樹脂としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレートなど)、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体など)、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポリイミド、セルロース類、フッ素系樹脂、ポリエーテル、ポリスチレン系樹脂(ポリスチレンなど)、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン等が挙げられる。なかでも好ましくはポリプロピレン系樹脂であり、より好ましくは結晶性ポリプロピレン系樹脂である。
上記非粘着性樹脂の230℃、2.16kgfにおけるメルトフローレートは、好ましくは1g/10min〜50g/10minであり、さらに好ましくは5g/10min〜30g/10minであり、特に好ましくは5g/10min〜20g/10minである。
上記ポリプロピレン系樹脂は単独重合体であってもよく、プロピレン由来の構成単位を主構成単位とする共重合体であってもよい。該共重合体は、例えば、エチレン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、4−メチル−1−ペンテン、α−オレフィン等のプロピレンと共重合可能な単量体由来の構成単位を含む。上記ポリプロピレン系樹脂は、好ましくは、上記非晶質ポリプロピレン系樹脂同様、メタロセン触媒を用いて重合することにより得られる。
上記粘着性樹脂と非粘着性樹脂との混合割合は、所望とする粘着力に応じて、任意の適切な混合割合とし得る。例えば、非粘着性樹脂の含有割合は、粘着性樹脂と非粘着性樹脂との合計重量に対して、好ましくは70重量%以下であり、より好ましくは50重量%以下であり、さらに好ましくは18重量%〜30重量%である。より具体的には、非晶質ポリプロピレン系樹脂と結晶性ポリプロピレン系樹脂とを組み合わせて用いる場合、結晶性ポリプロピレン系樹脂の含有割合は、好ましくは、上記非晶質ポリプロピレン系樹脂と当該結晶性ポリプロピレン系樹脂との合計重量に対して、好ましくは50重量%以下であり、さらに好ましくは15重量%〜40重量%であり、特に好ましくは18重量%〜30重量%以下である。
上記粘着剤層は、本発明の効果を損なわない範囲で、さらにその他の成分を含んでいてもよい。当該その他の成分としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、耐熱安定剤、帯電防止剤等が挙げられる。その他の成分の種類および使用量は、目的に応じて適切に選択され得る。
上記粘着剤層の厚みは、好ましくは5μm〜100μmであり、より好ましくは8μm〜65μmであり、さらに好ましくは8μm〜40μmであり、特に好ましくは9μm〜20μmである。本発明の粘着シートは、粘着剤層の厚みを調整することにより、粘着力を制御することができ、粘着剤層の厚みを薄くすれば粘着力が弱くなり、厚くすれば粘着力が強くなる。例えば、非晶質ポリプロピレン系樹脂と結晶性ポリプロピレン系樹脂とを組み合わせて用いる場合、粘着剤層の厚みは、好ましくは40μm以下であり、より好ましくは30μm以下であり、さらに好ましくは9μm〜20μmであり、特に好ましくは9μm〜14μmである。
上記粘着剤層の貯蔵弾性率(G’)は、好ましくは0.5×10Pa〜1.0×10Paであり、さらに好ましくは0.8×10Pa〜3.0×10Paである。上記粘着剤層の貯蔵弾性率(G’)がこのような範囲であれば、表面に凹凸を有する被着体に対する十分な粘着力と適度な剥離性とを両立し得る粘着シートを得ることができる。また、このような貯蔵弾性率(G’)の上記粘着剤層を備える粘着シートは、半導体ウエハ加工用に用いられる場合、ウエハの裏面研削における優れた研削精度の達成に寄与し得る。なお、本発明における貯蔵弾性率(G’)とは、動的粘弾性スペクトル測定により、測定することができる。
(基材層)
上記基材層は、任意の適切な樹脂から構成され得る。基材層を構成する樹脂として、好ましくは押し出し成形が可能な樹脂が用いられ、より好ましくは粘着剤層を構成する樹脂および中間層を構成する樹脂との共押し出し成形が可能な樹脂が用いられる。基材層を構成する樹脂の具体例としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレートなど)、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体など)、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポリイミド、セルロース類、フッ素系樹脂、ポリエーテル、ポリスチレン系樹脂(ポリスチレンなど)、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン等が挙げられる。
上記基材層は、本発明の効果を損なわない範囲で、さらにその他の成分を含んでいてもよい。当該その他の成分としては、例えば、上記粘着剤層に含まれ得るその他の成分と同様の成分が用いられ得る。
上記基材層の230℃、2.16kgfにおけるメルトフローレートは、好ましくは1g/10min〜50g/10minであり、さらに好ましくは5g/10min〜30g/10minであり、特に好ましくは5g/10min〜25g/10minである。
上記基材層の厚みは、好ましくは10μm〜200μmであり、より好ましくは20μm〜150μmである。本発明の粘着シートは、基材層の厚みを調整することによっても、粘着力を制御することができ、基材層の厚みを薄くすれば粘着力が弱くなり、厚くすれば粘着力が強くなる。
(中間層)
上記中間層は、任意の適切な樹脂から構成され得る。中間層を構成する樹脂として、好ましくは押し出し成形が可能な樹脂が用いられ、より好ましくは粘着剤層を構成する樹脂および基材層を構成する樹脂との共押し出し成形が可能な樹脂が用いられる。中間層を構成する樹脂の具体例としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレートなど)、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体など)、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポリイミド、セルロース類、フッ素系樹脂、ポリエーテル、ポリスチレン系樹脂(ポリスチレンなど)、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン等が挙げられる。本発明の粘着シートは、中間層を構成する材料を適切に選択することにより、粘着力を制御することができる。
上記中間層は、本発明の効果を損なわない範囲で、さらにその他の成分を含んでいてもよい。当該その他の成分としては、例えば、上記粘着剤層に含まれ得るその他の成分と同様の成分が用いられ得る。
上記中間層を構成する樹脂の190℃、2.16kgfにおけるメルトフローレートは、好ましくは2g/10min〜20g/10minであり、さらに好ましくは5g/10min〜15g/10minであり、特に好ましくは7g/10min〜12g/10minである。このような範囲であれば、共押し出し成形により、加工不良なく中間層を形成することができる。
中間層の厚みは、好ましくは50μm〜200μmであり、より好ましくは80μm〜180μmである。
C.粘着シートの製造方法
本発明の粘着シートは、好ましくは、粘着シートを構成する各層(例えば、粘着剤層、中間層、基材層)の形成材料を共押し出し成形して製造される。共押し出し成形により、層間の接着性が良好な粘着シートを、少ない工程数で、かつ、有機溶剤を使用することなく製造することができる。
上記共押し出し成形において、粘着シートを構成する各層の形成材料は、各層の成分を任意の適切な方法で混合した材料が用いられ得る。粘着剤層の形成材料として2種以上の樹脂を用いる場合、該樹脂を溶融して混合することが好ましい。粘着剤層を構成する2種以上の樹脂の混合方法としては、例えば、樹脂ペレット同士をペレット状態でブレンドしたものを単一ホッパーから押出機に供給し溶融押出成形時に混合させる方法、樹脂ペレットを2つ以上のホッパーから各々流量を制御して押出機に供給し溶融押出成形時に混合させる方法、樹脂ペレット同士を事前に混練機等でブレンドしたマスターバッチを作製し単一ホッパーから押出機に供給し溶融押出成形時に混合させる方法等が挙げられる。
上記共押し出し成形の具体的方法としては、例えば、ダイスが連結された複数の押出し機のそれぞれに、粘着シートを構成する各層の形成材料を供給し、溶融後、押出し、タッチロール成形法により引き取り、積層体を成形する方法が挙げられる。
上記共押し出し成形における成形温度は、好ましくは160℃〜220℃であり、さらに好ましくは170℃〜200℃である。このような範囲であれば、成形安定性に優れる。
上記共押し出し成形における製膜速度は、好ましくは3m/min〜30m/minである。
上記共押し出し成形におけるタッチロールの温度は、好ましくは15℃〜80℃である。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例になんら限定されるものではない。なお、部は重量部を意味する。
[実施例1]
粘着剤層形成材料として、粘着性樹脂としてメタロセン触媒により重合した非晶質プロピレン−(1−ブテン)共重合体(住友化学社製、商品名「タフセレンH5002」、プロピレン由来の構成単位90モル%/1−ブテン由来の構成単位10モル%、Mw=230,000、Mw/Mn=1.8)75部と、非粘着性樹脂としてメタロセン触媒により重合したプロピレン−エチレン共重体(日本ポリプロピレン社製、商品名「WINTEC WFX4」、プロピレン由来の構成単位96モル%/エチレン由来の構成単位4モル%、融点:125℃、軟化点115℃)25部との混合物を用いた。非晶質プロピレン−(1−ブテン)共重合体とプロピレン−エチレン共重体との混合は、樹脂ペレット同士をペレット状態でブレンドしたものを単一ホッパーから押出機に供給し溶融押出成形時に混合させる方法にて行った。
中間層形成材料として、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)(住友化学社製、商品名「WK307」)を用いた。
基材層形成材料として、メタロセン触媒により重合したポリプロピレン−エチレン共重体(日本ポリプロピレン社製、商品名「WINTEC WSX02」)を用いた。
上記粘着剤形成材料と、中間層形成材料と、基材層形成材料とをTダイ溶融共押し出し(押出温度:180℃、製膜速度:5m/min)を行い、溶融状態の樹脂とタッチロール成形部(タッチロール温度:50℃)へ通紙したSi塗布したPETセパレータ(帝人デュポン社製、商品名「テトロンフィルムG2」)とを積層した後、冷却し、粘着シート(基材層(厚み:30μm)/中間層(厚み:90μm)/粘着剤層(厚み:10μm)/保護層(厚み:50μm)を得た。
[実施例2〜4、比較例1〜6]
粘着剤層を構成する樹脂、粘着剤層の厚みおよび中間層を構成する樹脂を表1に示すように設定した以外は、実施例1と同様にして、粘着シートを得た。
なお、表1中に記載の樹脂の詳細は以下のとおりである。
(粘着性樹脂)
「H6822S」:プロピレン−(1−ブテン)共重合体と、スチレン系ポリマーと、エチレン系ポリマーとブタジエン系ポリマーとを含む樹脂混合物(住友化学社製、商品名「タフセレン H6822S」)
(非粘着性樹脂)
「FLX80E4」:ホモポリプロピレン(住友化学社製、商品名「FLX80E4」)
(中間層を構成する樹脂)
「EVA(V523)」:エチレン−酢酸ビニル共重合体(三井デュポン社製、商品名「V523」、エチレン由来の構成単位:67重量%、酢酸ビニル由来の構成単位:33重量%)
「EVA(P1007)」:エチレン−酢酸ビニル共重合体(三井デュポン社製、商品名「P1007」、エチレン由来の構成単位:90重量%、酢酸ビニル由来の構成単位:10重量%)
[評価]
実施例および比較例で得られた粘着シートを以下の評価に供した。結果を表1に示す。
(1)粘着力1
表面粗さRaが0.3nmである半導体ウエハ(4インチのシリコンミラーウエハ)に、粘着シートを貼着し、JIS Z 0237(2000)に準じた方法(貼り合わせ条件:2kgローラー1往復、剥離速度:300mm/min、剥離角度180°、常温)により測定した。
なお、半導体ウエハの表面粗さRaは、原子間力顕微鏡(ビーコ社製、NanoScope−3D)を用いて測定した。原子間力顕微鏡のカンチレバーとしては、タッピングモード用の単結晶シリコン製、カンチレバー長を160μm、フォースコンタクトを26N/m、共振周波数を200〜400kHzのカンチレバー(オリンパス社製、OMLC−AC160TS−C3)を用いた。測定は、室温23℃下にて、タッピングモードで行った。5μm×5μmの範囲を256pixel×256Pixelでスキャンし、スキャン速度は0.5〜1.0Hzとした。
(2)粘着力2
表面粗さRaが14.0nmである半導体ウエハ(ケイ・エス・ティ・ワールド株式会社の6インチウエハ(非感光性ポリイミド膜10μm付き)に酸素プラズマを450Wの強度で30分間照射したもの)に、粘着シートを貼着し、JIS Z 0237(2000)に準じた方法(貼り合わせ条件:2kgローラー1往復、剥離速度:300mm/min、剥離角度180°、常温)により測定した。
半導体ウエハの表面粗さRaは、上記(1)と同様にして測定した。

(3)粘着性
12インチのシリコンミラーウエハ(表面粗さRa:0.3nm)に粘着シートを貼着した。該ウエハをウエハカセットケースに収納し搬送する際の剥離の有無により粘着性を評価した。より具体的には、収納・搬送時に、該ケース壁面にウエハのエッジが接触するところ、この接触時の衝撃により、ウエハのエッジ部分において粘着シートが剥離しなかった場合を合格(表1中○)、剥離した場合を不合格(表1中×)とした。

(4)剥離性
回路が形成された12インチの半導体ウエハ(表面粗さRa:8nm)に粘着シートを貼着し、その後、常温下で粘着シートを剥離した。剥離の際、粘着シートの伸びが目視で確認されなかった場合を合格(表1中○)、伸びが確認された場合を不合格(表1中×)とした。
なお、本評価において、伸びが確認される粘着シートは、実際の工程において、剥離装置の可動範囲内で剥離することが困難となり、トラブルの原因となる可能性がある。
Figure 2014229766
表1から明らかなように、特定の表面粗さを有する半導体ウエハ表面に対して粘着力を最適化することにより、加工時の粘着性と加工後の剥離性を両立し得る半導体ウエハ加工用粘着シートを得ることができる。
本発明の粘着シートは、例えば、半導体ウエハの仮固定、保護等に好適に用いることができる。
10 粘着剤層
20 基材層
30 中間層
100 粘着シート

Claims (3)

  1. 表面粗さRaが0.1nm〜1.0nmの半導体ウエハに対する粘着力が、0.10N/20mm以上であり、
    表面粗さRaが13.0nm〜16.0nmの半導体ウエハに対する粘着力が、2.00N/20mm以下である、
    半導体ウエハ加工用粘着シート。
  2. 表面粗さRaが0.1nm〜1.0nmの半導体ウエハが、ミラーウエハまたは表面に有機膜が形成された半導体ウエハである、請求項1に記載の半導体ウエハ加工用粘着シート。
  3. 表面粗さRaが13.0nm〜16.0nmの半導体ウエハが、表面に有機膜が形成された半導体ウエハの該表面をプラズマ処理して得られた半導体ウエハである、請求項1または2に記載の半導体加工用粘着シート。
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