JP2007157986A - トランジスタを備えた装置 - Google Patents

トランジスタを備えた装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2007157986A
JP2007157986A JP2005350599A JP2005350599A JP2007157986A JP 2007157986 A JP2007157986 A JP 2007157986A JP 2005350599 A JP2005350599 A JP 2005350599A JP 2005350599 A JP2005350599 A JP 2005350599A JP 2007157986 A JP2007157986 A JP 2007157986A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gate electrode
semiconductor layer
gate
region
thin film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005350599A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideto Kitakado
英人 北角
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP2005350599A priority Critical patent/JP2007157986A/ja
Publication of JP2007157986A publication Critical patent/JP2007157986A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Thin Film Transistor (AREA)

Abstract

【課題】薄膜トランジスタの電流駆動力を増大させるとともに、スイッチング速度の低下を抑制する。
【解決手段】基板12と、基板12に支持されるトランジスタ100とを備えた装置であって、トランジスタ100は、チャネル領域24、ソース領域26およびドレイン領域28を有する半導体層14と、半導体層14および基板12の間に設けられた第1ゲート電極16と、半導体層14を挟んで第1ゲート電極16の反対側に設けられた第2ゲート電極18と、半導体層14および第1ゲート電極16の間に形成された第1ゲート絶縁層20と、半導体層14および第2ゲート電極18の間に形成された第2ゲート絶縁層22とを有し、トランジスタ100のオン状態において、第1ゲート電極16と半導体層14との間に形成される第1ゲート電極容量は、第2ゲート電極18と半導体層14との間に形成される第2ゲート電極容量の70%以下である。
【選択図】図2

Description

本発明は、薄膜トランジスタ(以下、「TFT」と略す。)を備えた装置に関する。
アクティブマトリクス駆動の表示装置では、表示領域に多数の薄膜トランジスタ(TFT)などのスイッチング素子が設けられている。このようなTFTは、薄膜堆積やフォトリソグラフィなどの半導体集積回路製造技術と同様の製造技術により、ガラスなどの絶縁基板上に集積される。
スイッチング素子として用いられるTFT(「画素用TFT」と呼ぶ)は、使用するシリコン薄膜の結晶性に応じて、非晶質シリコンTFTおよび結晶質シリコンTFTに大別される。一般に、結晶質シリコン膜の電界効果移動度は非晶質シリコン膜の電界効果移動度よりも高いため、結晶質シリコンTFTは、非晶質シリコンTFTよりも高速に動作することが可能である。
従って、結晶質シリコン膜を用いると、同一基板上に、画素用TFTのみでなく、表示領域周辺に形成される駆動回路や種々の機能回路などの周辺回路を構成するTFT(「駆動回路用TFT」と呼ぶ)をも形成することが可能になる。
駆動回路などの周辺回路はCMOS回路を基本として構成されることから、駆動回路用TFTは、主に良好なオン特性を有することが重要である。また、周辺回路のうち駆動回路に用いられる駆動回路用TFTには、特に高いオン電流特性(電流駆動力)が要求される。
電流駆動力を増大させるためのTFT構造として、従来から、シリコン薄膜を挟んで2つのゲート電極(上部ゲート電極および下部ゲート電極)を設ける、いわゆるダブルゲート構造が提案されている。
図1は、一般的なダブルゲート構造TFTを示す断面模式図である。ダブルゲート構造TFTは、絶縁基板1、基板1の上に形成された第1ゲート電極(下部ゲート電極)2、下部ゲート電極2の上に第1ゲート絶縁膜3を介して形成されたシリコン薄膜4、および、シリコン薄膜4の上に第2ゲート絶縁膜5を介して形成された第2ゲート電極(上部ゲート電極)6を備えている。シリコン薄膜4は、チャネル領域7と、チャネル領域7を挟んで両側に形成されたソース領域8およびドレイン領域9とを有している。第1および第2ゲート電極2、6は、それぞれチャネル領域7と対向するように配置されている。このようなTFTでは、チャネル領域7の上下面にゲート電極2および6が配置されているため、TFTのオン動作時において、シリコン薄膜4の上下面に反転層が形成され、シリコン薄膜4における空間電荷も大幅に減少できるので、オン電流を大きくすることができる。
図1に示す構造のTFTを製造しようとすると、シリコン薄膜4が形成される前に第1ゲート電極2を形成する必要があるため、チャネル領域7との位置合わせマージンを考慮して、第1ゲート電極2におけるチャネル方向の長さは、形成しようとするチャネル領域7の長さ(チャネル長)よりも大きくなるように設定される。一方、第2ゲート電極6は、シリコン薄膜4の形成後に形成され、第2ゲート電極6をマスクとしてシリコン薄膜4に対する不純物のドープを行うことにより、チャネル領域7に対して位置合わせさせることが可能である(セルフアライメント)。従って、従来のダブルゲート構造TFTにおける第1ゲート電極2の電極面積は、一般的には、第2ゲート電極6およびチャネル領域7の電極面積よりも大きくなる。
これに対し、本出願人による特許文献1には、シリコン薄膜の上下に設けられた上部および下部ゲート電極とシリコン薄膜におけるチャネル領域とを位置合わせした構成のダブルゲート構造TFTが開示されている。これにより、下部ゲート電極とソース領域およびドレイン領域とが重なり合う部分に生じるゲート電極容量を低減できるとともに、TFTの微細化を実現できる。
特許文献2は、チャネル領域とソースおよびドレイン領域との間にLDD(Lightly Doped Drain)領域を備えたダブルゲート構造TFTを開示している。特許文献2に開示されたTFTでは、シリコン薄膜の下部に配置されたサブゲート電極がLDD領域と重なり、シリコン薄膜の上部に設けられたメインゲート電極がLDD領域と重ならないように配置されている。従って、サブゲート電極にゲート電圧を印加すればGOLD構造、印加しなければLDD構造となり、回路仕様に応じた使い分けが可能である。
さらに、特許文献3には、ゲート電圧に応じてチャネルをオンオフ制御するための表側ゲート電極と、TFTの閾値電圧を制御するための裏側ゲート電極とを備えたダブルゲート構造TFTが提案されている。
特開平10−173192号公報 特開2000−183356号公報 特開2001−284592号公報
前述した従来のダブルゲート構造TFTによると、シリコン薄膜の片側のみにゲート電極を設けたトップゲートまたはボトムゲート構造のTFT(「シングルゲート構造」)と比べて、電流駆動力を大幅に向上させることができる。また、短チャネル効果の抑制およびリーク電流の抑制に効果がある。しかしながら、電流駆動力の向上と同時に、オン状態における負荷容量(ゲート電極容量)も増大し、その結果、回路のスイッチング速度が改善されず、また充放電電流の増大によって消費電力が増大するという問題があった。
具体的に説明すると、図1に示すTFTでは、第1および第2ゲート電極2、6を同電位に接続する場合、シングルゲート構造TFTと比べて、オン電流は2倍強となる。一方、ゲート電極容量は、第2ゲート電極6のみを有するトップゲート構造のTFTと比べて、2倍以上となってしまう。これは、第1ゲート電極2が第2ゲート電極6よりも大きな電極面積を有するため、第1ゲート電極2とシリコン薄膜4との間に形成されるゲート電極容量が、第2ゲート電極6とシリコン薄膜4との間に形成されるゲート電極容量よりも大きくなってしまうからである。なお、ゲート電極容量はゲート絶縁膜の厚さにも依存するが、第1および第2ゲート電極2、6はいずれも主電流駆動用として利用しており、第1および第2ゲート絶縁膜3、5の厚さは略等しく設定される。
特許文献1のTFTでは、上部および下部ゲート電極の電極面積は等しく、また、上部および下部ゲート電極とシリコン薄膜との間に設けられた各ゲート絶縁層の厚さも略等しい。そのため、上部ゲート電極とシリコン薄膜との間に形成されるゲート電極容量と、下部ゲート電極とシリコン薄膜との間に形成されるゲート電極容量とは略等しくなる。よって、シングルゲート構造のTFTと比べて、オン電流を2倍に増大できるが、ゲート電極容量も2倍となる。
特許文献2のTFTにおいても、図1に示すTFTと同様に、メインゲート電極およびサブゲート電極にゲート電圧を印加すると、メインゲート電極のみを有するTFTと比べて、オン電流を2倍に増大できる一方で、ゲート電極容量も2倍以上となる。
なお、特許文献3に提案されているTFTでは、上記の他のTFTと異なり、シリコン薄膜の上下に配置されたゲート電極のうち一方のゲート電極を閾値電圧制御のために用いている。特許文献3には、上述したようなゲート電極容量に関する問題やその解決策について何ら記載されていない。
このように、従来のダブルゲート構造TFTでは、シングルゲート構造TFTと比べて電流駆動力を高めることができるが、それに伴ってゲート電極容量が大幅に増大するため、スイッチング速度が低下してしまう。従って、このようなTFTを用いて駆動回路等を形成すると、十分な回路スピードが得られず、回路特性の低下を引き起こすおそれがある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、薄膜トランジスタを備えた装置において、薄膜トランジスタの電流駆動力を向上させるとともに、スイッチング速度の低下を抑制することにある。
本発明による装置は、基板と、前記基板に支持されるトランジスタとを備えた装置であって、前記トランジスタは、チャネル領域、ソース領域およびドレイン領域を有する半導体層と、前記半導体層および前記基板の間に設けられた第1ゲート電極と、前記半導体層を挟んで前記第1ゲート電極の反対側に設けられた第2ゲート電極と、前記半導体層および前記第1ゲート電極の間に形成された第1ゲート絶縁層と、前記半導体層および前記第2ゲート電極の間に形成された第2ゲート絶縁層とを有し、前記トランジスタのオン状態において、前記第1ゲート電極と前記半導体層との間に形成される第1ゲート電極容量は、前記第2ゲート電極と前記半導体層との間に形成される第2ゲート電極容量の70%以下である。
ある好ましい実施形態において、前記第1ゲート絶縁層の厚さは前記第2ゲート絶縁層の厚さの2倍以上である。
前記第1ゲート絶縁層の厚さは100nm以上1000nm以下であり、前記第2ゲート絶縁層の厚さは10nm以上100nm以下であってもよい。
好ましくは、前記第1ゲート絶縁層の厚さは200nm以上である。
前記第1ゲート電極の厚さは前記第2ゲート電極の厚さよりも小さいことが好ましい。
前記第1ゲート電極の厚さは20nm以上200nm以下であり、前記第2ゲート電極の厚さは200nm以上1000nm以下であってもよい。
ある好ましい実施形態において、前記第1および第2ゲート電極は、前記半導体層における前記ソース領域および前記ドレイン領域と重なっていない。
ある好ましい実施形態において、前記半導体層は、前記チャネル領域と前記ソース領域との間および前記チャネル領域と前記ドレイン領域との間に、前記ソース領域および前記ドレイン領域の不純物濃度よりも低い不純物濃度を有する低濃度不純物領域を有しており、前記第1ゲート電極は前記低濃度不純物領域と重なり、前記第2ゲート電極は前記低濃度不純物領域と重なっていない。
ある好ましい実施形態において、前記半導体層は、前記チャネル領域と前記ソース領域との間および前記チャネル領域と前記ドレイン領域との間に、前記ソース領域および前記ドレイン領域の不純物濃度よりも低い不純物濃度を有する低濃度不純物領域を有しており、前記第1ゲート電極は前記低濃度不純物領域と重なっておらず、前記第2ゲート電極は前記低濃度不純物領域と重なっている。
前記半導体層は表面に凹凸を有しており、前記凹凸の段差は、前記第2ゲート絶縁膜の厚さよりも小さいことが好ましい。
本発明によれば、ダブルゲート構造TFTにおいて、高い電流駆動力を確保しつつ、ゲート電極容量を低減できる。従って、ゲート電極容量に起因するスイッチング速度の低下を抑制できる。また、半導体層とゲート絶縁層との界面や半導体層の結晶性等に起因するトランジスタ特性の低下を抑制できる。
以下、図面を参照しながら、本発明による薄膜トランジスタを備えた装置の実施形態を説明する。本明細書では、「薄膜トランジスタを備えた装置」は、アクティブマトリクス基板等の半導体装置や、液晶表示装置、有機EL表示装置等を広く含むものとする。
(第1の実施形態)
本実施形態の装置は、半導体層を挟んで上下にそれぞれゲート電極が設けられたダブルゲート構造の薄膜トランジスタを有している。図2は、本実施形態における薄膜トランジスタの構成を示す断面模式図である。
薄膜トランジスタ100は、絶縁性の表面を有する基板12に支持された半導体層14と、基板12および半導体層14の間に設けられた第1ゲート電極16と、半導体層14を挟んで第1ゲート電極16の反対側に設けられた第2ゲート電極18とを備えている。第1ゲート電極16および半導体層14の間には第1ゲート絶縁層20が形成されており、半導体層14および第2ゲート電極18の間には第2ゲート絶縁層22が形成されている。本実施形態における第1ゲート絶縁層20は、窒化シリコン(SiN)膜20aおよび酸化シリコン(SiO2)膜20bからなる二層構造を有している。また、本実施形態における第2ゲート絶縁層22は、SiO2膜から形成されている。なお、第2ゲート絶縁層22は、窒化シリコン層(上層)およびSiO2膜(下層)の二層構造を有していてよい。半導体層14は、チャネル領域24と、チャネル領域24の両側にそれぞれ形成されたソース領域26およびドレイン領域28とを有している。ソース領域26およびドレイン領域28は、ソース電極およびドレイン電極(図示せず)とそれぞれ電気的に接続されている。
第1および第2ゲート電極16、18は、半導体層14におけるチャネル領域24の一部と重なるように配置されている。また、第1および第2ゲート電極16、18は、典型的には互いに電気的に接続されており、これらのゲート電極16、18に印加されるゲート電圧に応じて薄膜トランジスタ100をオン状態あるいはオフ状態にすることができる。なお、第2ゲート電極をトランジスタのスイッチオン・オフ用の主ゲート電極、第1ゲート電極をしきい値電圧制御用の副ゲート電極として用いることもできる。
本実施形態では、ゲート絶縁層20、22の厚さ等を制御することにより、薄膜トランジスタ100のオン状態において、第1ゲート電極16と半導体層14との間に形成される第1ゲート電極容量が、第2ゲート電極18と半導体層14との間に形成される第2ゲート電極容量よりも小さくなるように設計している。具体的には、第1ゲート電極容量は第2ゲート電極容量の70%以下、好ましくは50%以下である。従って、薄膜トランジスタ100において、半導体層14の上部に設けられた第2ゲート電極18が主ゲート電極(主電流駆動用ゲート電極)として機能し、半導体層14の下部に設けられた第1ゲート電極16が補助的なゲート電極となる。各ゲート電極容量は、第1および第2ゲート絶縁層20、22の厚さや材料(誘電率等)を適宜選択することによって制御できる。
第1および第2ゲート絶縁層20、22の厚さは特に限定されないが、例えば、第1ゲート絶縁層20の厚さは100nm以上1000nm以下、好ましくは150nm以上300nm以下であり、第2ゲート絶縁層22の厚さは10nm以上100nm以下、好ましくは40nm以上70nm以下である。本実施形態では、第1ゲート電極容量を第2ゲート電極容量よりも低減するために、第1ゲート絶縁層20を第2ゲート絶縁層22よりも厚く、例えば第1ゲート絶縁層20の厚さを第2ゲート絶縁層22の厚さの2倍以上、好ましくは4倍以上とする。これにより、第1ゲート電極容量を第2ゲート電極容量の50%以下(例えば25%以下)まで抑えることが可能になる。また、第1ゲート絶縁層20を十分に厚く(例えば300nm以上、好ましくは500nm以上)することによって、第1ゲート電極容量をより確実に低減できる。
本実施形態における薄膜トランジスタ100は上記構成を有しているので、ダブルゲート構造TFTの利点である高い駆動電流を確保しつつ、ゲート電極容量に起因するスイッチング速度の低下を抑制できる。より詳しく説明すると、従来のダブルゲート構造TFTでは、シングルゲート構造TFTの2倍程度の電流増大効果が得られるのに対し、ゲート電極容量も2倍程度に増大するため、スイッチング速度が改善されないという問題があった。これに対し、本実施形態によると、第1ゲート電極容量を低減することによって、ダブルゲート構造TFT全体のゲート電極容量(すなわち第1ゲート電極容量と第2ゲート電極容量との和)を低減しているので、ダブルゲート構造による電流増大効果が容量増大分を上回り、スイッチング速度を改善できる。従って、薄膜トランジスタ100を用いて回路を形成すると、回路遅延時間を改善できるので、従来よりも高い回路特性を実現できる。また、TFT全体のゲート電極容量を低減できるため、消費電力を低減できる。
本実施形態における薄膜トランジスタ100では、半導体層14の上部に形成される第2ゲート電極18を主電流駆動用ゲート電極として用いる。これにより、半導体層14および半導体層14の上部に形成される第2ゲート絶縁層22の界面を主電流駆動界面とすることができ、次に説明するような利点が得られる。
ダブルゲート構造TFTにおいて、一般に、半導体層と半導体層の上部に形成される上部ゲート絶縁層との界面(「上部界面」と呼ぶ)は、半導体層と半導体層の下部に形成される下部ゲート絶縁層との界面(「下部界面」と呼ぶ)よりも良好な特性を有する界面を形成することが可能である。下部界面に対しては、種々の界面改善方法、例えばゲート絶縁層の形成条件による改善方法やゲート絶縁層形成後に行われる界面酸化などの改善方法を適用できないため、下部界面の特性は半導体層の形成条件に強く依存してしまう。よって、例えば下部ゲート絶縁層の上に非結晶半導体膜を形成し、レーザー結晶化または固相成長により非結晶半導体膜を結晶化させることによって半導体層を形成する場合には、高温で行う結晶化工程によって下部ゲート絶縁層と半導体層との界面(下部界面)の特性が決まってしまい、その後の工程で改善することは困難である。一方、上部界面は、半導体層形成後に低ダメージの上部ゲート絶縁層を形成することにより、あるいは上部ゲート絶縁層形成後に上部界面に対して酸化処理を行うことにより、欠陥準位の少ない良好な特性を有することができる。
従って、半導体層の上部に形成されるゲート電極18を主電流駆動用ゲート電極として利用すれば、より良好な特性を有する上部界面(すなわち半導体層14の上部に形成されるゲート絶縁層22と半導体層14との界面)を主電流駆動界面として機能させることができるので、高いトランジスタ特性が得られる。
本実施形態において、第1および第2ゲート電極16、18の厚さは特に限定されないが、第1ゲート電極16の厚さは20nm以上200nm以下、第2ゲート電極18の厚さは200nm以上1000nm以下であることが好ましい。薄膜トランジスタ100では第1ゲート電極16を補助的なゲート電極として利用するため、第1ゲート電極16を上記のように薄くすることができる。より好ましくは、第1ゲート電極16の厚さを100nm以下とする。
このように、薄膜トランジスタ100では、半導体層の下部に設けられた第1ゲート電極16を補助的なゲート電極として利用するので、第1ゲート電極16をより薄い電極膜から形成することができ、また、第1ゲート電極16と半導体層14との間に形成される第1ゲート絶縁層20を厚くすることができる。そのため、例えば第1ゲート絶縁層20の上に非結晶半導体膜を形成し、レーザー結晶化または固相成長により非結晶半導体膜を結晶化させることによって半導体層14を形成する場合には、より良好な半導体膜を用いて半導体層14を形成できるので、高いトランジスタ特性を実現できる。
本実施形態における半導体層14は、例えばレーザー結晶化法を用いて形成されている。一般に、レーザー結晶化法によって形成された結晶質半導体膜は、表面に半導体膜厚(50nm程度)と同程度の大きさのリッジ(結晶化により形成される表面凹凸)を有している。しかしながら、本実施形態では、第2ゲート絶縁膜22を薄く設定するため、半導体層14における表面凹凸が大きいと、第2ゲート絶縁膜22の被覆性が低下したり、電界集中が生じてゲート絶縁膜22の破壊が起こりやすくなるおそれがある。よって、半導体層14はレーザー結晶化後に平坦化されていることが望ましく、例えば半導体層14の表面は、その表面凹凸の段差(凹部と凸部との平均レベル差)が第2ゲート絶縁膜22の厚さ以下となるように平坦化処理されていることが好ましい。平坦化処理方法は特に限定しないが、例えば、レーザー結晶化法によって得られた半導体層14の表面の酸化膜を除去した後、窒素雰囲気で再度レーザーアニールを行うことによって、半導体層14の表面を平坦化できる。
本実施形態における薄膜トランジスタ100の構成は、上述したような構成に限定されない。例えば、半導体層14は、チャネル領域24とソース領域26及びドレイン領域28との間に、ソース領域26およびドレイン領域28よりも不純物濃度の低いLDD領域(低濃度不純物領域)を有していてもよい。あるいは、チャネル領域24とドレイン領域28との間のみにLDD領域を有していてもよい。半導体層14にLDD領域を形成する場合、第1および第2ゲート電極16、18の両方あるいはいずれか一方がLDD領域の少なくとも一部と重なっていてもよい。また、第1および第2ゲート電極16、18や第1および第2ゲート絶縁層20、22は単層構造を有していても良いし、二層以上の多層構造を有していてもよい。
本実施形態の装置は、上述したような薄膜トランジスタ100を少なくとも一つ備えていれば良く、例えばアクティブマトリクス型液晶表示装置であってもよい。この場合、薄膜トランジスタ100を用いて表示領域内におけるスイッチング素子を構成してもよいし、液晶表示装置における駆動回路に含まれるCMOSを構成してもよい。あるいは、スイッチング素子および駆動回路の両方を構成してもよい。また、薄膜トンラジスタ100は、Nチャネル型薄膜トランジスタであってもPチャネル型薄膜トランジスタであってもよい。
以下、図3(a)〜(g)を参照しながら、薄膜トランジスタ100を作製する方法の一例を説明する。
まず、図3(a)に示すように、基板12の表面に第1導電膜(厚さ:例えば60nm)16aを形成する。基板12は、薄膜トランジスタ100を形成しようとする表面が絶縁性表面であればよく、石英基板、ガラス基板などの絶縁性基板や、表面に絶縁膜を形成した導電性基板(Si基板、金属基板)であってもよい。本実施形態では、基板12として、表面に下地絶縁膜が形成されたガラス基板を用い、下地絶縁膜上に第1導電膜16aを形成する。下地絶縁膜としては、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜または酸化窒化シリコン膜などの単層膜あるいは積層膜を用いることができる。また、本実施形態では、第1導電膜16aとしてスパッタ法によりタングステン(W)膜を形成する。なお、第1導電膜16aの材料はこれに限定されず、Ta、W、Ti、Mo、Al、Cuなどの金属、またはこれらの金属を主成分とする合金や化合物であってもよい。
次いで、図3(b)に示すように、第1導電膜16aのパターニングを行い、第1ゲート電極16を形成する。第1導電膜16aのパターニングは、例えば第1導電膜16aの上に所定の形状のレジスト層を形成し、これをマスクとして用いたエッチングによって行うことができる。
続いて、図3(c)に示すように、第1ゲート電極16を覆う第1ゲート絶縁層(厚さ:例えば200nm)20を化学気相成長法(CVD法)等によって形成する。本実施形態では、第1ゲート絶縁層20は、SiN膜(厚さ:例えば50nm)20aと、SiN膜20a上に形成されたSiO2膜(厚さ:例えば150nm)20bとからなる積層構造を有している。このような積層構造が好ましい理由は以下のとおりである。
SiN膜20aは、基板12に安価なガラス基板を用いた場合、ガラス基板に含まれるNaやKなどの可動イオンがガラス基板からトランジスタに混入することを防止する機能を発揮する。しかしながら、SiN膜のみで第1ゲート絶縁層20を構成すると、SiN膜の比誘電率はSiO2の約2倍と大きいので、第1ゲート電極16と第1ゲート絶縁層20の上に形成する半導体層との間に形成される電極容量(第1ゲート電極容量)が大きくなってしまう。また、SiN膜のみから第1ゲート絶縁膜20を構成すると、SiN膜の応力により、その上に良質な半導体膜を形成することが困難な場合がある。従って、SiN膜20aおよびSiO2膜20bを用いて第1ゲート絶縁層20を形成することによって、第1ゲート電極容量を低減するとともに、第1ゲート絶縁層20の上面に良質な半導体膜を形成することができる。なお、第1ゲート絶縁層20の構造はこれに限定されず、例えばSiO2膜の単層構造としてもよい。
次に、図3(d)に示すように、第1ゲート絶縁層20の上に半導体層14を形成する。半導体層14は、例えば厚さが40nm以上100nm以下の結晶質シリコン膜である。結晶質シリコン膜は、CVD法で第1ゲート絶縁層20の上に非晶質シリコン膜を堆積させた後、レーザー光を照射して非晶質シリコン膜を結晶化させることによって形成できる。レーザー光としては、パルス発振型または連続発振型のエキシマレーザー光が望ましいが、連続発振型のアルゴンレーザー光でも良い。また、結晶化を助長するための触媒元素(例えばNi)を非晶質シリコン膜表面に付着させた後、固層成長法による結晶化を行い、更にレーザー光照射等の熱処理を行うことにより再結晶化を進行させてもよい。このような結晶化方法を採用することにより、結晶性に優れる半導体層14を得ることができる。表面が平坦な半導体層14を得るためには、上記のレーザー熱処理を2回に分けて行うことが好ましい。この場合、1回目のレーザー熱処理は酸素雰囲気で行い、それによって結晶欠陥の少ない良質な半導体膜を形成する。1回目のレーザー熱処理によって再結晶化が行われた半導体層14の表面には、半導体層14の厚さ程度の段差を有する凹凸が形成される場合がある。そのような凹凸の形成された状態の半導体層14上に、本実施形態で形成するような薄い第2ゲート絶縁層22を形成すると、第2ゲート絶縁層22の絶縁破壊耐圧が低下してしまう可能性がある。そこで、本実施形態では、2回目のレーザー熱処理を窒素雰囲気中で行うことにより、半導体層14の表面を平坦化している。このようにして、平坦化された表面を有する半導体層14が得られる。得られた半導体層14における表面凹凸の段差は、この後の工程で形成される第2ゲート絶縁層の厚さよりも小さいことが好ましい。この後、図には示していないが、半導体層14を所望のパターンに形成する。
その後、図3(e)に示すように、半導体層14の上に第2ゲート絶縁層(厚さ:例えば60nm)22を形成する。本実施形態では、第2ゲート絶縁層22としてSiO2膜をCVD法によって形成する。
このとき、第2ゲート絶縁層22および半導体層14の界面に対して酸化処理を行うことによって界面を改善することが好ましい。具体的には、第2ゲート絶縁層22の形成前に、酸化性の薬液(例えば常温のオゾン水、100℃の硝酸等)により、半導体層14の表面に酸化膜を形成することが有効である。このような酸化膜の形成は、上記の方法に限られず、酸素プラズマ法や原子層エピタキシャル成長法によっても良い。このような酸化膜を形成しておくことにより、半導体層14と第2ゲート絶縁層22の界面を良好な状態することができる。なお、上記界面の改善は、他の方法によって行うこともできる。例えば、CVD法によって半導体層14上にSiO2膜を堆積した後、250℃、1MPaの水蒸気雰囲気で1時間の熱処理を行なってもよい。
次いで、図3(f)に示すように、第2ゲート絶縁層22の上に、第2ゲート電極(厚さ:例えば300nm)18を形成する。第2ゲート電極18の形成方法は、第1ゲート電極16の形成方法と同じであってもよく、例えばスパッタ法によりW膜を形成した後、W膜上にフォトレジストを形成し、フォトレジストをマスクとしてW膜をエッチングすることによって行うことができる。なお、第2ゲート電極18は、W膜等を用いて形成された単層構造を有していてもよいし、例えばTaN膜およびW膜を積層することによって形成された二層以上の積層構造を有していてもよい。
次に、図3(g)に示すように、第2ゲート電極18をマスクとして、半導体層14に不純物をドーピングする。不純物としては、Nチャネル型薄膜トランジスタを作製する場合にはリン、Pチャネル型薄膜トランジスタを作製する場合にはホウ素等を用いることができる。これによって、半導体層14のうち第2ゲート電極18と重ならない領域にソースおよびドレイン領域26、28が形成され、半導体層14のうち第2ゲート電極18と重なる領域はチャネル領域24となる。従って、チャネル領域24のチャネル方向の長さ(チャネル長)は、第2ゲート電極18のチャネル方向の長さとほぼ等しくなる。本実施形態におけるチャネル長は、例えば4μmである。
この後、図示しないが、第2ゲート電極18を覆うように層間絶縁膜を形成した後、層間絶縁膜上にソース電極およびドレイン電極を形成する。ソースおよびドレイン電極は、層間絶縁膜に形成されたコンタクトホールを介して、ソースおよびドレイン領域とそれぞれ電気的に接続される。このようにして、薄膜トランジスタ100が得られる。
(第2の実施形態)
次に、本発明による装置の第2の実施形態を説明する。本実施形態の装置は、以下に説明するような薄膜トランジスタを備えている。
図4は、本実施形態における薄膜トランジスタの構成を説明するための断面模式図である。簡単のため、図2に示す薄膜トランジスタ100と同様の構成要素には同様の参照符号を付し、説明を省略する。
薄膜トランジスタ200は、第1および第2ゲート電極16、18がいずれも半導体層14におけるソースおよびドレイン領域26、28と重ならないように配置されている点で、図2に示す薄膜トランジスタ100と異なっている。なお、これらのゲート電極16、18は、半導体層14におけるチャネル領域24に整合するように設計されていればよい。また、本実施形態では、第1ゲート絶縁層20の厚さ(例えば200nm)は第2ゲート絶縁層22の厚さ(例えば60nm)よりも大きいことが好ましい。薄膜トランジスタ200では、第1および第2ゲート電極16、18の電極面積が略等しいので、上記のようにゲート絶縁層20、22の厚さを制御することにより、第1ゲート電極容量を第2ゲート電極容量よりも小さく抑えることが可能になる。第1ゲート絶縁層20の厚さは、好ましくは第2ゲート絶縁層22の厚さの2倍以上、第1ゲート電極容量は、好ましくは第2ゲート電極容量の50%以下である。
本実施形態における薄膜トランジスタ200では、第1および第2ゲート電極16、18とソースおよびドレイン領域26、28とが重なっていないため、これらのゲート電極16、18とソースおよびドレイン領域26、28との間に生じる容量を低減できる。
なお、薄膜トランジスタ200は、図3(a)〜(g)を参照しながら前述した方法と同様の方法で作製できる。
(第3の実施形態)
次に、本発明による装置の第3の実施形態を説明する。本実施形態の装置は、以下に説明するようなダブルゲート構造の薄膜トランジスタを備えている。
図5は、本実施形態における薄膜トランジスタの構成を説明するための断面模式図である。簡単のため、図2に示す薄膜トランジスタ100と同様の構成要素には同様の参照符号を付し、説明を省略する。
薄膜トランジスタ300では、半導体層14は、チャネル領域24とソース領域26及びドレイン領域28との間に、ソース領域26およびドレイン領域28よりも不純物濃度の低いLDD領域(低濃度不純物領域)32、34を有している。また、半導体層14と基板12との間に設けられた第1ゲート電極16は、半導体層14におけるチャネル領域24およびLDD領域32、34と重なるように配置されている(以下、「GOLD(Gate−drain Overlapped LDD)構造」と称する)。一方、半導体層14の上部に設けられた第2ゲート電極18は、チャネル領域24と重なっているが、LDD領域32、34とは重ならないように配置されている(以下、「LDD構造」と称する)。なお、これらのゲート電極16、18は、上記のように配置されるように設計されていればよく、好ましくはセルフアライメントを利用したプロセスによってLDD領域32、34およびチャネル領域24とそれぞれ位置合わせされている。
本実施形態における薄膜トランジスタ300では、第1ゲート電極16の電極面積はLDD領域32、34の分だけ第2ゲート電極18の電極面積よりも大きいが、第1ゲート絶縁層20を第2ゲート絶縁層22よりも十分厚くすることによって、第1ゲート電極容量を第2ゲート電極容量よりも小さく抑えている。第1ゲート絶縁層20の厚さは、好ましくは第2ゲート絶縁層22の厚さの2倍以上、第1ゲート電極容量は、好ましくは第2ゲート電極容量の70%以下である。
本実施形態における薄膜トランジスタ300では、第1ゲート電極16に対してはGOLD構造となっているため第1ゲート電極とLDD領域32、34との間の負荷容量が増大するが、第1ゲート絶縁膜20が厚いので負荷容量の増大が抑制される。さらに、GOLD構造を形成しているため、LDD領域32、34の抵抗が低下し、またホットキャリア劣化耐性が向上する。これにより、回路のスイッチング速度が向上し、かつ信頼性も向上する。
薄膜トランジスタ300は、図3(a)〜(g)を参照しながら前述した方法と同様の方法で作製できる。なお、第1および第2ゲート電極16、18は、それぞれ、セルフアライメントによりLDD領域32、34およびチャネル領域24に対して位置合わせされていることが好ましい。
以下、図6(a)〜(g)を参照しながら、薄膜トランジスタ300を作製する方法の一例を説明する。
まず、図6(a)に示すように、基板12の表面に第1ゲート電極(厚さ:例えば60nm)16を形成する。第1ゲート電極16の形成方法は、図3(a)および(b)を参照しながら前述した方法と同じであってもよいが、本実施形態における第1ゲート電極16は、その上に形成される半導体層におけるチャネル領域およびLDD領域と重なるようにパターニングされる。
次いで、図6(b)に示すように、第1ゲート電極16を覆う第1ゲート絶縁層(厚さ:例えば200nm)20、半導体層14および第2ゲート絶縁層22をこの順で形成する。ゲート絶縁層20、22および半導体層14は、図3(c)〜(e)を参照しながら前述した方法と同様の方法で形成できる。
その後、図6(c)に示すように、第2ゲート絶縁層22の上に、第2ゲート電極(厚さ:例えば300nm)18を形成する。第2ゲート電極18の形成方法は、図3(f)を参照しながら前述した方法と同じであってもよい。本実施形態における第2ゲート電極18は、第1ゲート電極16の一部と重なるようにパターニングされる。
次に、図6(d)に示すように、第2ゲート電極18をマスクとして、半導体層14に不純物をドーピングする。これにより、半導体層14における第2ゲート電極18と重なっていない領域がLDD領域32a、34aとなる。また、半導体層14における第2ゲート電極18と重なる領域はチャネル領域24となる。
この後、図6(e)に示すように、例えばフォトリソグラフィ法によりレジスト膜38aを形成する。このレジスト膜38aに対して、基板12の裏面から露光を行うことにより、図6(f)に示すように、第1ゲート電極16に対して位置合わせされたレジストマスク38が得られる。
続いて、図6(g)に示すように、レジストマスク38を用いて、半導体層14に対してリン等の不純物のドーピングを行う。これにより、半導体層14のうちレジストマスク38と重ならない領域にソース領域及びドレイン領域26、28が形成される。一方、LDD領域32a、34aのうちレジストマスク38と重なる領域32、34は、LDD領域のまま残る。本実施形態におけるLDD領域32、34のチャネル方向の長さは例えば1μmである。
この後、図示しないが、レジストマスク38を除去し、公知の方法により層間絶縁膜およびソース、ドレイン電極を形成することにより、薄膜トランジスタ300が得られる。
(第4の実施形態)
次に、本発明による装置の第4の実施形態を説明する。本実施形態の装置は、以下に説明するような薄膜トランジスタを備えている。
図7は、本実施形態における薄膜トランジスタの構成を説明するための断面模式図である。簡単のため、図2に示す薄膜トランジスタ100と同様の構成要素には同様の参照符号を付し、説明を省略する。
薄膜トランジスタ400では、半導体層14は、チャネル領域24とソース領域26及びドレイン領域28との間に、ソース領域26およびドレイン領域28よりも不純物濃度の低いLDD領域(低濃度不純物領域)32、34を有している。また、半導体層14と基板12との間に設けられた第1ゲート電極16は、チャネル領域24と重なっているが、LDD領域32、34とは重ならないように配置されている(LDD構造)。一方、半導体層14の上部に設けられた第2ゲート電極18は、半導体層14におけるチャネル領域24およびLDD領域32、34と重なるように配置されている(GOLD構造)。なお、これらのゲート電極16、18は、上記のように配置されるように設計されていればよく、好ましくはセルフアライメントを利用したプロセスによってチャネル領域24およびLDD領域32、34とそれぞれ位置合わせされている。
本実施形態における薄膜トランジスタ400では、第1ゲート電極16の電極面積はLDD領域32、34の分だけ第2ゲート電極18の電極面積よりも小さいので、第1および第2ゲート絶縁層20、22の厚さが略同じであっても、第1ゲート電極容量を第2ゲート電極容量よりも小さくできる。好ましくは、第1ゲート絶縁層20の厚さは第2ゲート絶縁層22の厚さの2倍以上であり、第1ゲート電極容量は第2ゲート電極容量の50%以下である。
本実施形態における薄膜トランジスタ400は、主電流駆動界面を制御する第2ゲート電極18に対してGOLD構造になるため、非常に高いホットキャリア劣化耐性が得られる。
薄膜トランジスタ400は、図3(a)〜(g)を参照しながら前述した方法と同様の方法で作製できる。なお、第1および第2ゲート電極16、18は、それぞれ、セルフアライメントによりチャネル領域24およびLDD領域32、34に対して位置合わせされていることが好ましい。
以下、図8(a)〜(f)を参照しながら、薄膜トランジスタ400を作製する方法の一例を説明する。
まず、図8(a)に示すように、例えば図3(a)〜(e)を参照しながら前述した方法と同様の方法で、基板12の表面に第1ゲート電極(厚さ:例えば60nm)16、第1ゲート絶縁層20、半導体層14および第2ゲート絶縁層22をこの順で形成する。
次いで、図8(b)に示すように、第2ゲート絶縁層22の上にレジスト膜42aを形成する。このレジスト膜42aに対して、基板12の裏面から露光を行うことにより、図8(c)に示すように、第1ゲート電極16に対して位置合わせされたレジストマスク42が得られる。
この後、図8(d)に示すように、レジストマスク42を用いて、半導体層14に対して不純物のドープを行う。これにより、半導体層14におけるレジストマスク42と重なっていない領域がLDD領域32a、34aとなる。また、半導体層14におけるレジストマスク42と重なる領域、すなわち半導体層14における第1ゲート電極16と重なる領域はチャネル領域24となる。
レジストマスク42を除去した後、図8(e)に示すように、第2ゲート絶縁層22の上に第2ゲート電極18を形成する。第2ゲート電極18の形成方法は、第1ゲート電極16の形成方法と同じであってもよい。
この後、図8(f)に示すように、第2ゲート電極18をマスクとして用いて、半導体層14に対して不純物のドープを行う。これにより、半導体層14における第2ゲート電極18と重なっていない領域26、28がソースおよびドレイン領域となる。また、半導体層14のLDD領域32a、34aのうち、第2ゲート電極18と重なっている領域32、34はLDD領域のまま残る。本実施形態におけるLDD領域32、34のチャネル方向の長さは例えば1μmである。
この後、図示しないが、公知の方法により層間絶縁膜およびソース、ドレイン電極を形成することにより、薄膜トランジスタ400が得られる。
なお、第2ゲート電極18に対してLDD構造を形成する場合、サイドウォールを利用したセルフアラインLDD構造としてもよい。また、このサイドウォールを導電性膜とすることによりセルフアラインGOLD構造としてもよい。
本発明によると、薄膜トランジスタの電流駆動力を向上できるとともに、ゲート電極容量を低減することによりスイッチング速度の低下を抑制できる。従って、本発明における薄膜トランジスタを用いて回路を形成すると、回路遅延時間を改善できるので、従来よりも高い回路特性を実現できる。本発明における薄膜トランジスタは、薄膜トランジスタを駆動させるための電源電圧を低下させても、十分に高いスイッチング速度が得られるので消費電力の低下に有利である。
本発明は、アクティブマトリクス基板、液晶表示装置および有機EL表示装置を含む各種表示装置、LSI等に広く適用できる。特に、同一基板内に低電圧で駆動させる回路(デジタル信号処理部等)と高電圧で駆動させる回路(メモリ等)とを有する集積回路に本発明を適用すると、高い回路特性を実現できる。
従来のダブルゲート構造TFTの構成を説明するための断面模式図である。 本発明による第1の実施形態における薄膜トランジスタの構成を示す断面模式図である。 (a)から(g)は、本発明による第1の実施形態における薄膜トランジスタの製造方法を説明するための工程断面図である。 本発明による第2の実施形態における薄膜トランジスタの構成を示す断面模式図である。 本発明による第3の実施形態における薄膜トランジスタの構成を示す断面模式図である (a)から(g)は、本発明による第3の実施形態における薄膜トランジスタの製造方法を説明するための工程断面図である。 本発明による第4の実施形態における薄膜トランジスタの構成を示す断面模式図である (a)から(f)は、本発明による第4の実施形態における薄膜トランジスタの製造方法を説明するための工程断面図である。
符号の説明
12 基板
14 半導体層
16 第1ゲート電極
18 第2ゲート電極
20 第1ゲート絶縁層
22 第2ゲート絶縁層
24 チャネル領域
26 ソース領域
28 ドレイン領域
32、34 LDD領域
100、200、300、400 薄膜トランジスタ

Claims (10)

  1. 基板と、
    前記基板に支持されるトランジスタと
    を備えた装置であって、前記トランジスタは、
    チャネル領域、ソース領域およびドレイン領域を有する半導体層と、
    前記半導体層および前記基板の間に設けられた第1ゲート電極と、
    前記半導体層を挟んで前記第1ゲート電極の反対側に設けられた第2ゲート電極と、
    前記半導体層および前記第1ゲート電極の間に形成された第1ゲート絶縁層と、
    前記半導体層および前記第2ゲート電極の間に形成された第2ゲート絶縁層と
    を有し、
    前記トランジスタのオン状態において、前記第1ゲート電極と前記半導体層との間に形成される第1ゲート電極容量は、前記第2ゲート電極と前記半導体層との間に形成される第2ゲート電極容量の70%以下である装置。
  2. 前記第1ゲート絶縁層の厚さは前記第2ゲート絶縁層の厚さの2倍以上である請求項1に記載の装置。
  3. 前記第1ゲート絶縁層の厚さは100nm以上1000nm以下であり、前記第2ゲート絶縁層の厚さは10nm以上100nm以下である請求項1または2に記載の装置。
  4. 前記第1ゲート絶縁層の厚さは200nm以上である請求項1から3のいずれかに記載の装置。
  5. 前記第1ゲート電極の厚さは前記第2ゲート電極の厚さよりも小さい請求項1から4のいずれかに記載の装置。
  6. 前記第1ゲート電極の厚さは20nm以上200nm以下であり、前記第2ゲート電極の厚さは200nm以上1000nm以下である請求項5に記載の装置。
  7. 前記第1および第2ゲート電極は、前記半導体層における前記ソース領域および前記ドレイン領域と重なっていない請求項1から6のいずれかに記載の装置。
  8. 前記半導体層は、前記チャネル領域と前記ソース領域との間および前記チャネル領域と前記ドレイン領域との間に、前記ソース領域および前記ドレイン領域の不純物濃度よりも低い不純物濃度を有する低濃度不純物領域を有しており、
    前記第1ゲート電極は前記低濃度不純物領域と重なり、前記第2ゲート電極は前記低濃度不純物領域と重なっていない請求項1から6のいずれかに記載の装置。
  9. 前記半導体層は、前記チャネル領域と前記ソース領域との間および前記チャネル領域と前記ドレイン領域との間に、前記ソース領域および前記ドレイン領域の不純物濃度よりも低い不純物濃度を有する低濃度不純物領域を有しており、
    前記第1ゲート電極は前記低濃度不純物領域と重なっておらず、前記第2ゲート電極は前記低濃度不純物領域と重なっている請求項1から6のいずれかに記載の装置。
  10. 前記半導体層は表面に凹凸を有しており、前記凹凸の段差は、前記第2ゲート絶縁膜の厚さよりも小さい請求項1から9のいずれかに記載の装置。
JP2005350599A 2005-12-05 2005-12-05 トランジスタを備えた装置 Pending JP2007157986A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005350599A JP2007157986A (ja) 2005-12-05 2005-12-05 トランジスタを備えた装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005350599A JP2007157986A (ja) 2005-12-05 2005-12-05 トランジスタを備えた装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007157986A true JP2007157986A (ja) 2007-06-21

Family

ID=38241960

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005350599A Pending JP2007157986A (ja) 2005-12-05 2005-12-05 トランジスタを備えた装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007157986A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8289053B2 (en) 2008-07-30 2012-10-16 Sharp Kabushiki Kaisha Comparator circuit and display device provided with the same
JP2015041629A (ja) * 2013-08-20 2015-03-02 ソニー株式会社 放射線撮像装置および放射線撮像表示システム
US9373724B2 (en) 2010-01-15 2016-06-21 Canon Kabushiki Kaisha Method of driving transistor and device including transistor driven by the method
WO2023155917A1 (zh) * 2022-02-21 2023-08-24 广州新视界光电科技有限公司 双栅晶体管、像素驱动电路和显示面板

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0823101A (ja) * 1992-01-17 1996-01-23 Seiko Instr Inc 薄膜トランジスタ素子およびその製造方法
JPH10173192A (ja) * 1996-12-09 1998-06-26 Sharp Corp 薄膜トランジスタおよびその製造方法
JP2000183356A (ja) * 1998-12-18 2000-06-30 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 半導体装置およびその作製方法
JP2001203357A (ja) * 2000-01-17 2001-07-27 Sony Corp 半導体装置
JP2001284592A (ja) * 2000-03-29 2001-10-12 Sony Corp 薄膜半導体装置及びその駆動方法
JP2005064344A (ja) * 2003-08-18 2005-03-10 Seiko Epson Corp 薄膜半導体装置の製造方法、薄膜半導体装置、電気光学装置及び電子機器

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0823101A (ja) * 1992-01-17 1996-01-23 Seiko Instr Inc 薄膜トランジスタ素子およびその製造方法
JPH10173192A (ja) * 1996-12-09 1998-06-26 Sharp Corp 薄膜トランジスタおよびその製造方法
JP2000183356A (ja) * 1998-12-18 2000-06-30 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 半導体装置およびその作製方法
JP2001203357A (ja) * 2000-01-17 2001-07-27 Sony Corp 半導体装置
JP2001284592A (ja) * 2000-03-29 2001-10-12 Sony Corp 薄膜半導体装置及びその駆動方法
JP2005064344A (ja) * 2003-08-18 2005-03-10 Seiko Epson Corp 薄膜半導体装置の製造方法、薄膜半導体装置、電気光学装置及び電子機器

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8289053B2 (en) 2008-07-30 2012-10-16 Sharp Kabushiki Kaisha Comparator circuit and display device provided with the same
US9373724B2 (en) 2010-01-15 2016-06-21 Canon Kabushiki Kaisha Method of driving transistor and device including transistor driven by the method
JP2015041629A (ja) * 2013-08-20 2015-03-02 ソニー株式会社 放射線撮像装置および放射線撮像表示システム
CN104425530A (zh) * 2013-08-20 2015-03-18 索尼公司 放射线摄像装置和放射线摄像显示系统
WO2023155917A1 (zh) * 2022-02-21 2023-08-24 广州新视界光电科技有限公司 双栅晶体管、像素驱动电路和显示面板

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4309362B2 (ja) 薄膜トランジスタの製造方法
TWI401802B (zh) 薄膜電晶體板及其製造方法
US7323716B2 (en) Manufacturing method of thin film transistor substrate
JP5154951B2 (ja) 半導体装置及び表示装置
JP2006229185A (ja) 薄膜トランジスタ基板、その製造方法、半導体装置及び液晶表示装置
US7071040B2 (en) Method of fabricating thin film transistor
JPH10125928A (ja) 半導体集積回路及びその作製方法
JP4651773B2 (ja) 半導体装置の作製方法
JP2007157986A (ja) トランジスタを備えた装置
JPH0722627A (ja) 薄膜半導体装置及びアクティブマトリクス液晶表示装置
JP2002185008A (ja) 薄膜トランジスタ
KR101188868B1 (ko) 박막 트랜지스터 기판 및 그 제조 방법
KR100675168B1 (ko) 박막트랜지스터 및 그 제조방법, 그것을 사용한 액정장치
JP2004063845A (ja) 薄膜トランジスタの製造方法、平面表示装置の製造方法、薄膜トランジスタ及び平面表示装置
JP2007287732A (ja) 薄膜トランジスタ、その製造方法、及び表示装置
WO2009096148A1 (ja) 半導体装置及びその製造方法
JP2010034139A (ja) 薄膜トランジスタおよびその製造方法
JPWO2007052393A1 (ja) 半導体装置及びその製造方法
JPH11340474A (ja) 薄膜トランジスタの製造方法
JP4514862B2 (ja) 半導体装置の作製方法
KR101172015B1 (ko) 박막 트랜지스터 기판 및 그 제조 방법
JP2009117717A (ja) 半導体装置及びその製造方法
JP2004336073A (ja) トップゲート型薄膜トランジスタ及びその製造方法
JP2009010242A (ja) 表示装置及びその製造方法
JP4286754B2 (ja) 表示装置の作製方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20080220

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110519

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110524

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110721

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120214