JP2009117717A - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】同一基板に混載された異なる種類の薄膜トランジスタがそれぞれ安定した特性を示すことが可能である半導体装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】基板の一方の主面側に設けられた第一薄膜トランジスタ及び第二薄膜トランジスタを備える半導体装置であって、上記第一薄膜トランジスタ及び第二薄膜トランジスタは、チャネル部及びソース・ドレイン領域を有する半導体層と、第一ゲート絶縁膜と、第一ゲート電極とが基板側からこの順に積層され、上記第一薄膜トランジスタの第一ゲート絶縁膜は、第二薄膜トランジスタの第一ゲート絶縁膜とは異なる絶縁膜から構成される半導体装置である。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体装置及びその製造方法に関する。より詳しくは、液晶表示装置等の表示装置に好適に用いることができる半導体装置及びその製造方法に関するものである。
近年、ガラス基板や石英基板を含むSiウェハーよりも大きい任意の基板上に非晶質シリコン(a−Si)や多結晶シリコン(p−Si)による薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)を形成し、液晶表示パネルや有機ELパネル等の駆動を行う、いわゆるアクティブマトリクス駆動装置が使用されている。また、周辺ドライバ、あるいは更に高い性能が要求されるメモリ、マイクロプロセッサ、イメージプロセッサ、タイミングコントローラ等の高性能回路を広い面積を持つ基板上に集積化するため、より高性能なSiデバイスを形成することが研究されている。このうち特に周辺ドライバ等は、移動度が高く高速で動作するp−Siを用いて集積化され、商品化されている。
今後、表示回路を駆動するSiデバイスと、上述の各種高性能回路を駆動するSiデバイスとを同一基板上に形成した高機能デバイスを実現していく上で、とりわけ表示回路には高い電圧が必要なことが多く、また他の各種高性能回路は低電圧かつ高速動作を必要とすることが多い。このため、高耐圧TFTと低耐圧高速TFTとを同一基板に混載していく必要がある。
このような要請に対し、トップゲート型TFTにおいて、低耐圧高速TFTのゲート絶縁膜と高耐圧TFTのゲート絶縁膜とを異なる厚さにし、後者のゲート絶縁膜より前者のゲート絶縁膜を薄くすることにより、前者を低電圧駆動・高速動作、後者を高耐圧として用いる半導体集積回路およびその製法が開示されている(例えば、特許文献1〜4参照。)。
また、Si活性層から見て基板より遠い側にゲート電極を設置するトップゲート型TFTと、Si活性層よりも基板側にゲート電極を設置するボトムゲート型TFTとを同一基板に形成し、かつ二種類のTFTのゲート絶縁膜の膜厚を互いに異ならせることにより、同一基板上に低耐圧高速TFTと高耐圧TFTとを有する半導体集積回路及びその製法が開示されている(例えば、特許文献5〜7参照。)。
特開平10−56184号公報 特開2003−45892号公報 特開2005−260168号公報 特開2006−54315号公報 特開平11−54761号公報 特開2004−356658号公報 特開2006−178031号公報
このように、膜厚が異なるゲート絶縁膜を形成することにより、同一基板上に低耐圧高速TFTと高耐圧TFTとを集積することが可能であるが、トップゲート型TFTで膜厚の異なるゲート絶縁膜を形成するためには、少なくとも低耐圧高速TFT又は高耐圧TFTの一方のゲート絶縁膜を一回の工程で形成することができず、ゲート絶縁膜内にプロセス中のダメージが入り、界面準位が増加することがあった。
例えば、特許文献1に開示された手法の一つは、まず、低耐圧高速TFT及び高耐圧TFTのSi活性層を覆う第1の絶縁膜を形成し、更に、第1の絶縁膜を覆う第2の絶縁膜を形成した後、低耐圧高速TFT側の第2の絶縁膜を除去することで膜厚の異なる二つのゲート絶縁膜を実現する方法である。この場合、高耐圧TFTのゲート絶縁膜は第1及び第2の絶縁膜が積層された構成であるため、第2の絶縁膜形成工程のダメージが第1及び第2の絶縁膜の界面に蓄積して界面準位となり、特性に悪影響を及ぼすことがあった。また、低耐圧高速TFTのゲート絶縁膜は、第1の絶縁膜を覆う第2の絶縁膜を除去することで形成するが、第2の絶縁膜を除去するときに第1の絶縁膜表面に蓄積されたダメージが界面準位となり、同様に特性に悪影響を及ぼすことがあった。
一方、特許文献2に開示されたトップゲート型TFT及びボトムゲート型TFTによる低耐圧高速TFT及び高耐圧TFTの同一基板への集積は、上述の課題を解決し、低耐圧高速TFT及び高耐圧TFTのゲート絶縁膜をそれぞれ一回の工程で形成することが可能である。しかしながら、ボトムゲート型TFTとしたことで、トップゲート形成及びその後の工程で積層されるボトムゲート型TFTの上層側(基板より遠い側)の絶縁膜の界面準位等がボトムゲート型TFTの特性に悪影響し、トップゲート型TFT及びボトムゲート型TFTの特性を同時に安定化させることが困難であった。また、ボトムゲート型TFTは、基板上層側に存在する他の配線層からの電界をそのまま受け、特性に悪影響を及ぼすことがあった。このように、異なる種類のTFTを同一基板に混載する場合に、各TFTの特性を安定化するという点で改善の余地があった。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、同一基板に混載された異なる種類の薄膜トランジスタがそれぞれ安定した特性を示すことが可能である半導体装置及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、同一基板に混載された異なる種類の薄膜トランジスタがそれぞれ安定した特性を示すことが可能である半導体装置及びその製造方法について種々検討したところ、薄膜トランジスタのゲート絶縁膜に着目した。そして、第一薄膜トランジスタの第一ゲート絶縁膜と第二TFTの第一ゲート絶縁膜とが異なる絶縁膜から構成されることにより、第一薄膜トランジスタ及び第二薄膜トランジスタが共に安定した特性を示すことを見いだし、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
すなわち、本発明は、基板の一方の主面側に設けられた第一薄膜トランジスタ及び第二薄膜トランジスタを備える半導体装置であって、上記第一薄膜トランジスタ及び第二薄膜トランジスタは、チャネル部及びソース・ドレイン領域を有する半導体層と、第一ゲート絶縁膜と、第一ゲート電極とが基板側からこの順に積層され、上記第一薄膜トランジスタの第一ゲート絶縁膜は、第二薄膜トランジスタの第一ゲート絶縁膜とは異なる絶縁膜から構成される半導体装置である。第一薄膜トランジスタの第一ゲート絶縁膜と第二薄膜トランジスタの第一ゲート絶縁膜とを異なる構成にすることで、それぞれの第一ゲート絶縁膜を異なるプロセスで形成できるため、異なる種類の薄膜トランジスタを同一基板に形成する場合の工程上のダメージに起因する界面準位の増加及びその影響を抑制し、第一薄膜トランジスタ(以下、「第一TFT」ともいう。)及び第二薄膜トランジスタ(以下、「第二TFT」ともいう。)ともに高品質なゲート絶縁膜を備えることができる。したがって、異なる種類の第一TFT及び第二TFTともに安定した特性を示すことができる。
なお、上記第一TFTの第一ゲート絶縁膜が第二TFTの第一ゲート絶縁膜とは異なるとは、第一TFTの第一ゲート絶縁膜と第二TFTの第一ゲート絶縁膜とが異なるプロセスで形成されたものであればよく、第一TFTの第一ゲート絶縁膜と第二TFTの第一ゲート絶縁膜とは異なる材質のものであってもよいし、同じ材質のものであってもよい。また、上記第一TFTの第一ゲート絶縁膜及び第二TFTの第一ゲート絶縁膜はそれぞれ単層の絶縁膜から構成されたものであってもよいし、複数の絶縁膜が積層されたものであってもよい。
本発明の半導体装置の構成としては、このような構成要素を必須として形成されるものである限り、その他の構成要素を含んでいても含んでいなくてもよく、特に限定されるものではない。なお、以下に示す形態は、適宜組み合わせて用いてもよい。
本発明の半導体装置における好ましい形態について以下に詳しく説明する。
上記第二TFTの第一ゲート絶縁膜の少なくとも一部は、第一TFTの第一ゲート電極を覆うことが好ましい。これにより、第二TFTの第一ゲート絶縁膜を第一TFTの第一ゲート電極を保護する保護膜としても利用することができる。なお、同様の観点からは、上記第二TFTの第一ゲート絶縁膜は、単層の絶縁膜から構成されるとともに、上記単層の絶縁膜が第一TFTの第一ゲート電極を覆う形態であってもよいし、複数層の絶縁膜から構成されるとともに、上記複数層の絶縁膜の少なくとも一層が第一TFTの第一ゲート電極を覆う形態であってもよい。
上記第一TFT及び第二TFTは、互いの第一ゲート絶縁膜の膜厚が異なることが好ましい。これにより、第一TFT及び第二TFTの一方を低耐圧高速TFTとし、第一TFT及び第二TFTの他方を高耐圧TFTとして利用することができる。
上記第一TFT又は第二TFTは、半導体層の基板側に、第二ゲート絶縁膜及び第二ゲート電極が半導体層側からこの順に積層された形態(以下、「第一形態」ともいう。)であってもよい。これにより、第一TFT及び第二TFTのいずれかをダブルゲート型TFTとして利用することができる。
上記第一TFT及び第二TFTは、半導体層の基板側に、第二ゲート絶縁膜及び第二ゲート電極が半導体層側からこの順に積層された形態(以下、「第二形態」ともいう。)であってもよい。これにより、第一TFT及び第二TFTをダブルゲート型TFTとして利用することができる。
上記第二形態において、上記第一TFTの第一ゲート絶縁膜は、第二TFTの第一ゲート絶縁膜よりも薄く、上記第一TFTの第二ゲート電極は、固定電位に設定されてもよい。これにより、第一TFTを低耐圧高速TFTとして利用できるとともに、耐圧を低下させることなく第一TFTの閾値を制御することが可能であり、更に、第一TFTのチャネル部への電界等の影響を緩和することができる。
上記第二形態において、上記第二TFTの第一ゲート絶縁膜は、第一TFTの第一ゲート絶縁膜よりも厚く、上記第二TFTの第一ゲート電極は、固定電位に設定されてもよい。これにより、第二TFTを高耐圧TFTとして利用できるとともに、耐圧を高く保ったまま第二TFTの閾値を制御することが可能であり、更に、第二TFTのチャネル部への電界等の影響を緩和することができる。
上記第一形態において、上記第二ゲート絶縁膜及び第二ゲート電極を有する第一TFT及び第二TFTのいずれか一方は、第一ゲート電極又は第二ゲート電極が固定電位に設定されてもよい。これにより、第一TFT又は第二TFTをダブルゲート型TFTとして利用することができる。また、このとき、ダブルゲート型TFTについて、第一ゲート絶縁膜を第二ゲート絶縁膜よりも薄くすると、第一ゲート電極を固定電位にした場合、高耐圧のTFTとして機能させることができ、一方、第二ゲート電極を固定電位にした場合には、低耐圧かつ高速のTFTとして機能させることができる。
上記第二形態において、上記第二ゲート絶縁膜及び第二ゲート電極を有する第一TFT及び第二TFTはそれぞれ、第一ゲート電極又は第二ゲート電極が固定電位に設定されてもよい。これにより、第一TFT及び第二TFTをダブルゲート型TFTとして利用することができる。また、このとき、第一ゲート絶縁膜を第二ゲート絶縁膜よりも薄くすると、第一ゲート電極を固定電位にした場合、高耐圧のTFTとして機能させることができ、一方、第二ゲート電極を固定電位にした場合には、低耐圧かつ高速のTFTとして機能させることができる。
上記第一TFT又は第二TFTは、第一ゲート電極の側面を覆う絶縁膜を有してもよい。これにより、第一TFT又は第二TFTの第一ゲート絶縁膜がエッチングされることを防ぐとともに、エッチングのダメージによる欠陥密度の増大を抑制することができる。また、第一TFT又は第二TFTの第一ゲート電極が不必要にエッチングされることを防ぐことができる。
上記第一TFT及び第二TFTは、互いの第一ゲート電極の厚みが異なっていてもよい。これにより、第一TFT及び第二TFT間の高さの差による段差を低減することができる。したがって、第二TFTの第一ゲート電極を後に形成する場合、第一TFTの第一ゲート電極の上層に第二TFTの第一ゲート電極の成分のエッチング残りが発生することを抑制することができる。
上記第一TFT及び第二TFTは、互いの第一ゲート電極の厚みが20%以上異なっていてもよい。第一ゲート電極の厚みの差を20%未満であると、大型基板上に第一ゲート電極を形成する場合、形成される第一ゲート電極の厚みのバラツキを吸収することが困難となり、第一TFT及び第二TFT間のゲート電極の高さの差による段差を低減することができないことがある。したがって、互いの第一ゲート電極の厚みを20%以上異ならせることで、大型基板上に第一ゲート電極を形成したとしても、形成される第一ゲート電極の厚みのバラツキに対して充分優位性を保つことができ、上述のエッチング残りの発生をより確実に抑制することができる。
本発明はまた、本発明の半導体装置の製造方法であって,上記製造方法は、半導体層が設けられた基板上に第一絶縁膜を形成した後、少なくとも第一TFTのチャネル部を除き、かつ少なくとも第二TFTのチャネル部を含む領域の第一絶縁膜を除去する除去工程を含む半導体装置の製造方法である。これにより、第一絶縁膜を第一TFTの第一ゲート絶縁膜としてのみ利用することができるため、第一TFT及び第二TFTそれぞれのゲート絶縁膜の構成を別にすることができる。したがって、第一TFT及び第二TFTの第一ゲート絶縁膜に、形成又は除去工程におけるダメージに起因する界面準位が発生することを抑制できる。
本発明の半導体装置の製造方法は、上記工程を有するものである限り、その他の工程により特に限定されるものではない。
本発明の半導体装置の製造方法における好ましい態様について以下に詳しく説明する。なお、以下に示す態様は、適宜組み合わせて用いてもよい。
上記半導体装置の製造方法は、除去工程の前に、第一絶縁膜をバッファ層として第一TFT及び第二TFTのドレイン・ソース領域に不純物の添加を行う工程を含む態様としてもよい。これにより、不純物添加のダメージが第二TFTの第一ゲート絶縁膜に及ぶことを防ぎつつ、第一TFT及び第二TFTのドレイン・ソース領域に高濃度不純物領域を形成することができる。したがって、第二TFTの第一ゲート絶縁膜をより高品質にすることができる。
上記半導体装置の製造方法は、除去工程の後に、第一TFTの第一ゲート電極を覆うように第二絶縁膜を形成し,上記第二絶縁膜をバッファ層として第一TFT及び第二TFTのドレイン・ソース領域に不純物の添加を行う工程を含む態様としてもよい。これにより、第一TFTの第一ゲート絶縁膜が薄い場合、第一TFTの第一ゲート絶縁膜の膜厚バラツキに起因する不純物添加のバラツキを低減することが可能となり、その結果、拡散層抵抗のバラツキ等の特性の低下を低減できるとともに、活性化不良等の不良の発生を抑制することができる。
本発明の半導体装置及びその製造方法によれば、同一基板に混載された異なる種類の薄膜トランジスタがそれぞれ安定した特性を示すことができる。
以下に実施形態を掲げ、本発明を図面を参照して更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施形態のみに限定されるものではない。
(実施形態1)
図1は、実施形態1の半導体装置を示す断面模式図である。
図1に示すように、本実施形態の半導体装置100aは、同一の絶縁性支持基板(以下、「基板」ともいう。)101の一方の主面上に設けられた第一TFT201及び第二TFT202を備える。第一TFT201は、支持基板保護層102と、低不純物濃度領域208a及び高不純物濃度領域207aからなる半導体層と、第一TFT201の第一ゲート絶縁膜である第一絶縁膜203と、第一TFT201の第一ゲート電極204とが基板101側からこの順に積層された構造を有する。一方、第二TFT202は、第一TFT201と同一の支持基板保護層102と、低不純物濃度領域208b及び高不純物濃度領域207bからなる半導体層と、第二TFT202の第一ゲート絶縁膜である第二絶縁膜205と、第二TFT202の第一ゲート電極206とが基板101側からこの順に積層された構造を有する。
このように、第一TFT201の第一ゲート絶縁膜と、第二TFT202の第一ゲート絶縁膜とを異なる絶縁膜により形成することによって、以下に示すように工程時のダメージを受けない高品質な第一ゲート絶縁膜を有する第一TFT201及び第二TFT202を形成することが可能である。
また、第二絶縁膜205は、第二TFT202の半導体層を覆うとともに、第一TFT201の第一ゲート電極204を覆う。これにより、第二絶縁膜205を第一TFT201を保護する保護膜としても機能させることができる。
図2−1及び図2−2を参照し、以下に、実施形態1の半導体装置の製造方法について説明する。図2−1(a)〜(d)は、第一の製造工程における実施形態1の半導体装置を示す断面模式図であり、図2−2(e)及び(f)は、第二の製造工程における実施形態1の半導体装置を示す断面模式図である。
まず、図2−1(a)に示すように、ガラス等からなる基板101上に、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、これら絶縁膜の積層体等からなる支持基盤保護層102と、Si活性層103とを形成する。このとき、レーザーアニール等を用いてSi活性層103を多結晶化しておくことが好ましい。
次に、図2−1(b)に示すように、Si活性層103をエッチングし、第一TFT201のSiアイランド104a及び第二TFT202のSiアイランド104bを形成する。更に、図2−1(c)に示すように、第一TFT202の第一ゲート絶縁膜となる酸化シリコン、窒化シリコン等からなる第一絶縁膜203を5〜80nm程度の膜厚となるように形成する。
このとき、第一TFT201及び第二TFT202の閾値電圧を制御するために、全面もしくは部分的に低濃度の不純物(リン、ホウ素等のイオン)の添加を行うことが好ましい。なお、不純物を添加する方法としては特に限定されず、質量分離を用いたイオン注入装置によるイオン注入法、支持基板が大型ガラス基板である場合に用いられるイオンシャワー装置によるイオンドーピング法等が挙げられる。
次に、図2−1(d)に示すように、タンタル(Ta)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)等の高融点金属や、ポリシリコン等からなる第一ゲート電極204を形成後、第一絶縁膜203をエッチングし、少なくとも第一TFT201のチャネル部(低不純物濃度領域208a)上を除き、かつ少なくとも第二TFT202のチャネル部(低不純物濃度領域208b)上を含む領域の第一絶縁膜203を除去する。より具体的には、図2−2(e)に示すように、第一ゲート電極204をマスクとして第一絶縁膜203をエッチングし、第一TFT201のチャネル部(低不純物濃度領域208a)上の第一絶縁膜203を残しつつ、それ以外の領域を除去する。
次に、図2−2(f)に示すように、第二TFT202の第一ゲート絶縁膜となる酸化シリコン、窒化シリコン等からなる第二絶縁膜205を20〜150nm程度の範囲内でかつ第一絶縁膜203の膜厚よりも厚くなるように形成した後、タンタル(Ta)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)等の高融点金属や、ポリシリコン等からなる第二TFT202の第一ゲート電極206を形成する。このように、第二絶縁膜205を第一絶縁膜203よりも厚くすることによって、第一TFT201を低耐圧高速TFTとし、一方、第二TFTを高耐圧TFTとして動作させることができる。なお、第一TFT201の第一ゲート電極204及び第二TFT202の第一ゲート電極206を構成する材料は、同一であってもよいし、異なってもよい。また、第一絶縁膜203及び第二絶縁膜205の材料は、同一であってもよいし、異なってもよい。
次に、第二絶縁膜205をバッファ層として、高濃度の不純物(リン、ホウ素等のイオン)の添加を行い、各TFTのドレイン・ソース領域となる高不純物濃度領域207a及び207bを形成する。なお、本明細書において、ドレイン・ソース領域は、各TFTのドレイン及び/又はソースとして機能する領域である。また、上述した低濃度の不純物の添加により、各TFTのドレイン・ソース領域間の領域は低不純物濃度領域208a及び208bとなっている。すなわち、高不純物濃度領域207a及び低不純物濃度領域208aを有する第一TFT201の半導体層と、高不純物濃度領域207b及び低不純物濃度領域208bを有する第二TFT202の半導体層とが形成される。このようにして、半導体装置100aを形成することが可能である。こうして形成された半導体装置100aは、低耐圧高速TFTとして機能する第一TFT201と、高耐圧TFTとして機能する第二TFT202とを同一基板101上に備えることから、同一基板上に高速動作TFTと高耐圧TFTとを有する半導体集積回路を形成することができる。
また、本実施形態によれば、図2−2(e)の工程において、少なくとも第一TFT201のチャネル部分上に第一絶縁膜203を残しつつ、それ以外の領域は除去した後、図2−2(f)の工程において、第二TFT202の第一ゲート絶縁膜となる第二絶縁膜205を形成し、更に、第二TFT202の第一ゲート電極206を形成した後、第二絶縁膜205をバッファ層として、高濃度の不純物の添加を行い、そして、ドレイン・ソース領域を形成する。したがって、図2−1(c)及び図2−1(d)で示した、低濃度の不純物の添加時と、第一TFT201の第一ゲート電極204形成時とにおけるプロセスダメージを持った第一絶縁膜203が第二TFT202の構成要素とならない。そのため、第二TFT202は、高品質な第二絶縁膜205からなる第一ゲート絶縁膜を有することが可能となる。他方、第一TFT201の第一ゲート絶縁膜についても、特許文献1に開示の手法とは異なり、第二絶縁膜205の除去によるダメージを受けない第一絶縁膜203から構成されることになる。その結果、低耐圧高速TFTとして機能する第一TFT201と高耐圧TFTとして機能する第二TFT202とがともに安定した特性を示すことができる。
更に、第一絶縁膜203よりも厚い第二絶縁膜205をバッファ層として高濃度の不純物を添加しているため、特に第一絶縁膜203が薄い場合、膜厚のバラツキに起因する起因する不純物の添加量のバラツキを低減することが可能となり、その結果、拡散層抵抗のバラツキ等の特性の低下を低減できるとともに、活性化不良等の不良の発生を抑制することができる。
以下に、本実施形態の変形例について説明する。
本実施形態においては、第一絶縁膜203の厚みを20〜150nm程度、第二絶縁膜205の厚みを5〜80nm程度とし、これらの厚みの範囲内で第一絶縁膜203を第二絶縁膜205よりも厚く形成してもよい。これにより、第一TFT201を高耐圧TFT、第二TFT202を低耐圧高速TFTとして作動させることができる。
また、本実施形態の半導体装置は、図3に示す方法により作製されてもよい。図3(a)〜(c)は、別の製造工程における実施形態1の半導体装置を示す断面模式図である。
図2−1及び図2−2で示した方法と同様に、まず、図3(a)に示すように、第一TFT201の第一ゲート電極204の形成までを行った後、第二TFT202側のチャネル部を覆うようにレジストマスク209を形成し、第一絶縁膜203をバッファ層として高濃度の不純物を添加する。このように、全ての不純物の添加を終えてから第一絶縁膜203の除去工程を行うことで、第一TFT201の第一ゲート電極204の形成時におけるエッチングによるダメージや、不純物の添加工程におけるダメージを受けた第一絶縁膜203の、第一TFT201の第一ゲート電極204で覆われていない領域を完全に除去し、新しく形成した第二絶縁膜205を第二TFT202の第一ゲート絶縁膜とすることができるため、第二TFT202の第一ゲート絶縁膜をより高品位にすることが可能となる。
次に、レジストマスク209を除去した後、少なくとも第一TFT201のチャネル部を除き、かつ少なくとも第二TFT202のチャネル部を含む領域の第一絶縁膜203を除去する。より具体的には、図3(b)に示すように、第一ゲート電極204をマスクとして第一絶縁膜203をエッチングし、第一TFT201のチャネル部(低不純物濃度領域208a)上の第一絶縁膜203を残しつつ、それ以外の領域を除去する。そして、図3(c)に示すように、第二TFT202の第一ゲート絶縁膜となる第二絶縁膜205と第二TFTの第一ゲート電極206とを形成する。
この手法によれば、第二TFT202の第一ゲート絶縁膜となる第二絶縁膜205が非常に厚い場合に不純物を添加することが困難になることを回避することが可能となる。また、第一TFT201及び第二TFT202のドレイン・ソース領域となる高不純物濃度領域207a及び207bの上層をプロセス上のダメージがない第二絶縁膜205で構成することができるため、第一TFT201及び第二TFT202の特性をより安定化させることが可能である。
また、本実施形態の半導体装置は、図4及び図5に示すように、第三絶縁膜が形成されてもよい。図4(a)〜(d)は、別の製造工程における実施形態1の半導体装置の変形例を示す断面模式図である。
この場合、図2で示した方法と同様に、まず、図4(a)に示すように、第一TFT201の第一ゲート電極204までを形成した後、酸化シリコン、窒化シリコン等からなる50〜1000nm程度の膜厚の第三絶縁膜210を少なくとも第一TFT201の第一ゲート電極204を覆うように形成する。より具体的には、図4(b)に示すように、第一TFT201の第一ゲート電極204を覆うように第三絶縁膜210を基板101の全面に形成する。その後、少なくとも第一TFT201の第一ゲート電極204の側面を除き、かつ少なくとも第二TFT202のチャネル部(低不純物濃度領域208b)を含む領域の第三絶縁膜210を除去する。より具体的には、図4(c)に示すように、第一絶縁膜203及び第三絶縁膜210をエッチングし、第一TFT201のチャネル部(低不純物濃度領域208a)上の第一絶縁膜203を残しつつ、それ以外の領域を除去する。これにより、第三絶縁膜210が第一TFT201の第一ゲート電極204の側面に残るため、第一TFT201の第一ゲート電極204の下部に位置する第一ゲート絶縁膜がエッチング時のダメージを受けて欠陥密度が増大したり、不必要にエッチングされたりすることを防ぐことができる。
なお、第三絶縁膜210の材料は、第一絶縁膜203及び第二絶縁膜205と同一であってもよいし、異なってもよい。また、第三絶縁膜210を除去する方法としては特に限定されず、異方性エッチング、等方性エッチング、これらを組み合わせたエッチング等が挙げられる。
その後、図4(d)に示すように、第二絶縁膜205及び第二TFT202の第一ゲート電極206を形成後、第二絶縁膜205をバッファ層として高濃度の不純物の添加を行い、第一TFT201及び第二TFT202のドレイン・ソース領域となる高不純物濃度領域207a及び207bを形成することで、第一TFT201の第一ゲート電極204をエッチングから保護することができる。
図5(a)〜(d)は、別の製造工程における実施形態1の半導体装置を示す断面模式図である。
図5に示す場合については、図2で示した方法と同様に、まず、第一TFT201の第一ゲート電極204までを形成した後、図5(a)に示すように、第二TFT202側のチャネル部を覆うようにレジストマスク209を形成し、第一絶縁膜203をバッファ層として高濃度の不純物の添加を行う。
次に、図4で示した場合と同様に、図5(b)に示すように、第三絶縁膜210を形成した後、図5(c)に示すように、第一絶縁膜203及び第三絶縁膜210をエッチングし、第一TFT201のチャネル部(低不純物濃度領域208a)上の第一絶縁膜203を残しつつ、それ以外の領域を除去する。これによっても、第三絶縁膜210が第一TFT201の第一ゲート電極204の側面に残るため、第一TFT201の第一ゲート電極204の下部に位置する第一ゲート絶縁膜がエッチング時のダメージを受けて欠陥密度が増大したり、不必要にエッチングされたりすることを防ぐことができる。また、第一TFT201の第一ゲート電極204を不必要なエッチングから保護することもできる。
図6(a)及び(b)は、実施形態1の半導体装置の変形例を示す断面模式図である。
本実施形態の半導体装置100aは、図6(b)に示すように、第一TFT201の第一ゲート電極204の厚みと、第二TFT202の第一ゲート電極206の厚みとが異なっていてもよい。これにより、図6(a)に示すように、第二TFT202の第一ゲート電極206をエッチングする際に、第一TFT201の第一ゲート電極204上の第二絶縁膜205の側面に、エッチング残り214が発生するのを効果的に抑制することができる。
また、このとき第一TFT201の第一ゲート電極204の厚みと、第二TFT202の第一ゲート電極206の厚みとの差は20%以上であることが好ましい。大きいガラス基板上では、プロセスによってはゲート電極の膜厚にバラツキが生じる場合があるが、このように、第一ゲート電極204の膜厚と、第一ゲート電極206の膜厚との差を20%以上にすることによって、より確実にエッチング残り214が発生することを抑制することができる。より具体的には、第一TFT201の第一ゲート電極204の膜厚を100〜400nm程度とし、第二TFT202の第一ゲート電極206の膜厚を120〜480nm程度とすることが好ましい。
(実施形態2)
図7を参照し、本発明の実施形態2の半導体装置について説明する。図7は実施形態2の半導体装置を示す断面模式図である。なお、実施形態1と実施形態2とで重複する内容については、その説明を省略する。
図7に示すように、本実施形態の半導体装置100bは、基板101の一方の主面上に設けられた第一TFT201及び第二TFT202を備える。第一TFT201は、支持基板保護層102と、低不純物濃度領域208a及び高不純物濃度領域207aからなる半導体層と、第一TFT201の第一ゲート絶縁膜である第一絶縁膜203と、第一TFT201の第一ゲート電極204とが基板101側からこの順に積層された構造を有する。一方、第二TFT202は、第二ゲート電極212と、第一TFT201と同一の支持基板保護層102と、低不純物濃度領域208b及び高不純物濃度領域207bからなる半導体層と、第二TFT202の第一ゲート絶縁膜である第二絶縁膜205と、第二TFT202の第一ゲート電極206とが基板101側からこの順に積層された構造を有する。すなわち、第二TFT202は、支持基板保護層102が第二ゲート絶縁膜として機能し、第二ゲート電極212がボトムゲート側のゲート電極として機能するダブルゲート型TFTである。
このように、第一TFT201の第一ゲート絶縁膜と、第二TFT202の第一ゲート絶縁膜とを異なる絶縁膜により形成することによって、以下に示すように工程時のダメージを受けない高品質な第一ゲート絶縁膜を有する第一TFT201及び第二TFT202を形成することが可能である。
また、第二絶縁膜205は、第二TFT202の半導体層を覆うとともに、第一TFT201の第一ゲート電極204を覆う。これにより、第二絶縁膜205を第一TFT201を保護する保護膜としても機能させることができる。
また、第二TFT202をダブルゲート型TFTとすることにより、基板101上面の他の配線層からの電界、光等の影響を抑えることができる。更に、第二TFT202がポリシリコンTFTである場合、ボトムゲート側の第二ゲート絶縁膜の方が結晶化に起因する表面ラフネスの影響がなく耐圧が高いため、トップゲート側の第一ゲート電極を固定電位に設定することによって、第二TFT202の耐圧を向上することが可能である。そして、第二ゲート電極212を用いることで、耐圧を高く保ったまま、第二TFT202の閾値電圧を制御することができる。
図8−1及び図8−2を参照し、以下に、実施形態2の半導体装置の製造方法について説明する。図8−1(a)〜(d)は、第一の製造工程における実施形態2の半導体装置を示す断面模式図であり、図8−2(e)及び(f)は、第二の製造工程における実施形態2の半導体装置を示す断面模式図である。
まず、図8−1(a)に示すように、ガラス等からなる基板101上に、タンタル(Ta)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)等の高融点金属や、ポリシリコン等からなる第二ゲート電極212と、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、これら絶縁膜の積層体等からなる膜厚が30〜300nm程度の支持基板保護層102と、Si活性層103とを順に形成する。このとき、レーザーアニール等を用いてSi活性層103を多結晶化しておくことが好ましい。
次に、図8−1(b)に示すように、Si活性層103をエッチングし、第一TFT201のSiアイランド104a及び第二TFT202のSiアイランド104bを形成する。更に、図8−1(c)に示すように、第一TFT202の第一ゲート絶縁膜となる酸化シリコン、窒化シリコン等からなる第一絶縁膜203を5〜80nm程度の膜厚となるように形成する。
このとき、実施形態1と同様の方法を用いて、第一TFT201及び第二TFT202の閾値電圧を制御するために、全面もしくは部分的に低濃度の不純物の添加を行うことが好ましい。
次に、図8−1(d)に示すように、タンタル(Ta)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)等の高融点金属や、ポリシリコン等からなる第一ゲート電極204を形成後、第一絶縁膜203をエッチングし、少なくとも第一TFT201のチャネル部(低不純物濃度領域208a)上層を除き、かつ少なくとも第二TFT202のチャネル部(低不純物濃度領域208b)上層を含む領域の第一絶縁膜203を除去する。より具体的には、図8−2(e)に示すように、第一ゲート電極204をマスクとして第一絶縁膜203をエッチングし、第一TFT201のチャネル部(低不純物濃度領域208a)上の第一絶縁膜203を残しつつ、それ以外の領域を除去する。
次に、図8−2(f)に示すように、第二TFT202の第一ゲート絶縁膜となる酸化シリコン、窒化シリコン等からなる第二絶縁膜205を20〜150nm程度の範囲内でかつ第一絶縁膜203の膜厚よりも厚くなるように形成した後、タンタル(Ta)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)等の高融点金属や、ポリシリコン等からなる第二TFT202の第一ゲート電極206を形成する。このように、第二絶縁膜205を第一絶縁膜203よりも厚くすることによって、第一TFT201を低耐圧高速TFTとし、一方、第二TFTを高耐圧TFTとして動作させることができる。なお、第一TFT201の第一ゲート電極204と、第二TFT202の第一ゲート電極206及び第二ゲート電極212とを構成する材料は、同一であってもよいし、異なってもよい。また、第一絶縁膜203及び第二絶縁膜205の材料は、同一であってもよいし、異なってもよい。
次に、第二絶縁膜205をバッファ層として、高濃度の不純物の添加を行い、各TFTのドレイン・ソース領域となる高不純物濃度領域207a及び207bを形成する。また、上述した低濃度の不純物の添加により、各TFTのドレイン・ソース領域間の領域は低不純物濃度領域208a及び208bとなっている。すなわち、高不純物濃度領域207a及び低不純物濃度領域208aを有する第一TFT201の半導体層と、高不純物濃度領域207b及び低不純物濃度領域208bを有する第二TFT202の半導体層とが形成される。このようにして、半導体装置100bを形成することが可能である。こうして形成された半導体装置100bは、低耐圧高速TFTとして機能する第一TFT201と、高耐圧TFTとして機能するダブルゲート型の第二TFT202とを同一基板101上に備えることから、同一基板上に高速動作TFTと高耐圧TFTとを有する半導体集積回路を形成することができる。
また、本実施形態によれば、図8−2(e)の工程において、少なくとも第一TFT201のチャネル部分上に第一絶縁膜203を残しつつ、それ以外の領域は除去した後、図8−2(f)の工程において、第二TFT202の第一ゲート絶縁膜となる第二絶縁膜205を形成し、更に、第二TFT202の第一ゲート電極206を形成した後、第二絶縁膜205をバッファ層として、高濃度の不純物の添加を行い、そして、ドレイン・ソース領域を形成する。したがって、図8−1(c)及び図8−1(d)で示した、低濃度の不純物の添加時と、第一TFT201の第一ゲート電極204形成時とにおけるプロセスダメージを持った第一絶縁膜203が第二TFT202の構成要素とならない。そのため、第二TFT202は、高品質な第二絶縁膜205からなる第一ゲート絶縁膜を有することが可能となる。他方、第一TFT201の第一ゲート絶縁膜についても、特許文献1に開示の手法とは異なり、第二絶縁膜205の除去によるダメージを受けない第一絶縁膜203から構成されることになる。その結果、低耐圧高速TFTとして機能する第一TFT201と高耐圧TFTとして機能する第二TFT202とがともに安定した特性を示すことができる。
更に、第一絶縁膜203よりも厚い第二絶縁膜205をバッファ層として高濃度の不純物を注入しているため、特に第一絶縁膜203が薄い場合、膜厚のバラツキに起因する起因する不純物の添加量のバラツキを低減することが可能となり、その結果、拡散層抵抗のバラツキ等の特性の低下を低減できるとともに、活性化不良等の不良の発生を抑制することができる。
そして、第二TFT202の第一ゲート絶縁膜を第二ゲート絶縁膜よりも薄くすると、第一ゲート電極206を固定電位にした場合、高耐圧のTFTとして機能させることができ、一方、第二ゲート電極212を固定電位にした場合には、低耐圧かつ高速のTFTとして機能させることができる。
以下に、本実施形態の変形例について説明する。
本実施形態においては、第一絶縁膜203の厚みを20〜150nm程度、第二絶縁膜205の厚みを5〜80nm程度とし、これらの厚みの範囲内で第一絶縁膜203を第二絶縁膜205よりも厚く形成してもよい。これにより、第一TFT201を高耐圧TFT、第二TFT202を低耐圧高速TFTとして作動させることができる。なお、このようにダブルゲート型TFTである第二TFT202を低耐圧高速TFTとした場合においては、第二ゲート電極212を固定電位に設定することで、第二TFT202の耐圧を低下させることなく閾値を制御することが可能となる。
また、図示していないが、本実施形態においては、第二TFT202の第二ゲート電極212を形成せずに、第一TFT201に第二ゲート電極を形成し、第一TFT201をダブルゲート型TFTとしてもよい。
また、本実施形態の半導体装置は、図9に示す方法により作製されてもよい。図9(a)〜(c)は、別の製造工程における実施形態2の半導体装置を示す断面模式図である。
図8−1及び図8−2で示した方法と同様に、まず、図9(a)に示すように、第一TFT201の第一ゲート電極204の形成までを行った後、第二TFT202側のチャネル部を覆うようにレジストマスク209を形成し、第一絶縁膜203をバッファ層として高濃度の不純物を添加する。このように、全ての不純物の添加を終えてから第一絶縁膜203の除去工程を行うことで、第一TFT201の第一ゲート電極204の形成時におけるエッチングによるダメージや、不純物の添加工程におけるダメージを受けた第一絶縁膜203の、第一TFT201の第一ゲート電極204で覆われていない領域を完全に除去し、新しく形成した第二絶縁膜205を第二TFT202の第一ゲート絶縁膜とすることができるため、第二TFT202の第一ゲート絶縁膜をより高品位にすることが可能となる。
次に、レジストマスク209を除去した後、少なくとも第一TFT201のチャネル部を除き、かつ少なくとも第二TFT202のチャネル部を含む領域の第一絶縁膜203を除去する。より具体的には、図9(b)に示すように、第一ゲート電極204をマスクとして第一絶縁膜203をエッチングし、第一TFT201のチャネル部(低不純物濃度領域208a)上の第一絶縁膜203を残しつつ、それ以外の領域を除去する。そして、図9(c)に示すように、第二TFT202の第一ゲート絶縁膜となる第二絶縁膜205と第二TFTの第一ゲート電極206とを形成する。
この手法によれば、第二TFT202の第一ゲート絶縁膜となる第二絶縁膜205が非常に厚い場合に不純物を添加することが困難になることを回避することが可能となる。また、第一TFT201及び第二TFT202のドレイン・ソース領域となる高不純物濃度領域207a及び207bの上層にプロセス上のダメージがない第二絶縁膜205を構成することができるため、第一TFT201及び第二TFT202の特性を更に安定化させることが可能である。
また、図示していないが、本実施形態においても、図4及び図5と同様に、第三絶縁膜211を形成してもよい。これにより、第三絶縁膜210が第一TFT201の第一ゲート電極204の側面に残るため、第一TFT201の第一ゲート電極204の下部に位置する第一ゲート絶縁膜がエッチング時のダメージを受けて欠陥密度が増大したり、不必要にエッチングされたりすることを防ぐことができる。また、第一TFT201の第一ゲート電極204を不必要なエッチングから保護することもできる。
更に、図示していないが、本実施形態においても、図6で示した実施形態1の半導体装置と同様に、第一TFT201の第一ゲート電極204と、第二TFT202の第一ゲート電極206の厚みとが異なっていてもよい。これにより、第二TFT202の第一ゲート電極206をエッチングする際に、第一TFT201の第一ゲート電極204上の第二絶縁膜205の側面に、エッチング残りが発生することを効果的に抑制することができる。また、このとき、実施形態1と同様の観点から、第一TFT201の第一ゲート電極204の厚みと、第二TFT202の第一ゲート電極206の厚みとの差を20%以上とすることが好ましい。
(実施形態3)
図10を参照し、本発明の実施形態3の半導体装置について説明する。図10は実施形態3の半導体装置を示す断面模式図である。なお、上述の実施形態1及び実施形態2と実施形態3とで重複する内容については、その説明を省略する。
図10に示すように、本実施形態の半導体装置100cは、基板101の一方の主面上に設けられた第一TFT201及び第二TFT202を備える。第一TFT201は、支持基板保護層102と、低不純物濃度領域208a及び高不純物濃度領域207aからなる半導体層と、第一TFT201の第一ゲート絶縁膜である第一絶縁膜203と、第一TFT201の第一ゲート電極204とが基板101側からこの順に積層された構造を有する。一方、第二TFT202は、第二TFT202の第二ゲート電極212と、第一TFT201と同一の支持基板保護層102と、低不純物濃度領域208b及び高不純物濃度領域207bからなる半導体層と、第二TFT202の第一ゲート絶縁膜である第二絶縁膜205及び第四絶縁膜211と、第二TFT202の第一ゲート電極206とが基板101側からこの順に積層された構造を有する。すなわち、第二TFT202は、支持基板保護層102が第二ゲート絶縁膜として機能し、第二ゲート電極212がボトムゲート側のゲート電極として機能するダブルゲート型TFTである。
このように、第一TFT201の第一ゲート絶縁膜と、第二TFT202の第一ゲート絶縁膜とを異なる絶縁膜により形成することによって、以下に示すように工程時のダメージを受けない高品質な第一ゲート絶縁膜を有する第一TFT201及び第二TFT202を形成することが可能である。
また、第二絶縁膜205及び第四絶縁膜211は、第二TFT202の半導体層を覆うとともに、第一TFT201の第一ゲート電極204を覆う。これにより、第二絶縁膜205及び第四絶縁膜211を第一TFT201を保護する保護膜としても機能させることができる。
また、第二TFT202をダブルゲート型TFTとすることにより、基板101上面の他の配線層からの電界、光等の影響を抑えることができる。また、トップゲート側の第一ゲート電極206を固定電位に設定することで、第一ゲート電極206と第二ゲート電極212とを接続するコンタクトホールを形成する必要が無くなることから、第二TFT202を小型化することが可能となる。また、第四絶縁膜211を層間絶縁膜として機能させ、第一ゲート電極206をソース・ドレイン配線と同じメタル配線層で形成することで、第一ゲート電極206とソース・ドレイン配線とのコンタクトをとるためのコンタクトホールを形成する必要が無くなるため、第二TFTの更なる小型化が可能となる。更に、第二TFT202がポリシリコンTFTである場合、ボトムゲート側の第二ゲート絶縁膜の方が結晶化に起因する表面ラフネスの影響がなく耐圧が高いため、トップゲート側の第一ゲート電極の電位を固定することによって、第二TFTの耐圧を向上することが可能である。そして、第一ゲート電極206を用いることで、第二TFT202の閾値電圧を制御することができる。
図11を参照し、以下に、実施形態3の半導体装置の製造方法について説明する。図11(a)〜(e)は、製造工程における実施形態3の半導体装置を示す断面模式図である。
まず、実施形態2と同様に、図8−1(a)〜(c)までのプロセスを経て、図11(a)に示すように、基板101上に、第二TFT202の第二ゲート電極212と、支持基盤保護層102と、第一TFT201のSiアイランド104a及び第二TFT202のSiアイランド104bと、第一絶縁膜203とを形成する。このとき、Siアイランド104a及びSiアイランド104bを形成する前に、レーザーアニール等を用いてSi活性層103を多結晶化しておくことが好ましい。また、実施形態1と同様の方法を用いて、第一TFT201及び第二TFT202の閾値電圧を制御するために、全面もしくは部分的に低濃度の不純物の添加を行うことが好ましい。
次に、図11(b)に示すように、第一TFT201の第一ゲート電極204を形成した後、第二TFT202側のチャネル部を覆うようにレジストマスク209を形成し、第一絶縁膜203をバッファ層として高濃度の不純物を添加する。このように、全ての不純物の添加を終えてから第一絶縁膜203の除去工程を行うことで、第一TFT201の第一ゲート電極204の形成時におけるエッチングによるダメージや、不純物の添加工程におけるダメージを受けた第一絶縁膜203の、第一TFT201の第一ゲート電極204で覆われていない領域を完全に除去し、新しく形成した第二絶縁膜205を第二TFT202の第一ゲート絶縁膜とすることができるため、第二TFT202の第一ゲート絶縁膜をより高品位にすることが可能となる。
次に、レジストマスク209を除去した後、少なくとも第一TFT201のチャネル部を除き、かつ少なくとも第二TFT202のチャネル部を含む領域の第一絶縁膜203を除去する。より具体的には、図11(c)に示すように、第一ゲート電極204をマスクとして第一絶縁膜203をエッチングし、第一TFT201のチャネル部(低不純物濃度領域208a)上の第一絶縁膜203を残しつつ、それ以外の領域を除去する。そして、図11(d)に示すように、第二TFT202の第一ゲート絶縁膜となる第二絶縁膜205を形成する。
次に、第四絶縁膜211を第二絶縁膜205を覆うように形成する。より具体的には、図11(e)に示すように、酸化シリコン、窒化シリコン、有機膜等からなる第四絶縁膜211を膜厚が200〜3000nm程度となるように形成した後、第二TFT202の第一ゲート電極206を形成する。なお、第四絶縁膜211の材質は、第1絶縁膜及び第二絶縁膜と異なってもよいし、同じであってもよい。また、第四絶縁膜211は、第一TFT201の第一ゲート電極204を覆ってもよいし、覆わなくてもよい。
このようにして、半導体装置100cを形成することが可能である。こうして形成された半導体装置100cは、低耐圧高速TFTとして機能する第一TFT201と、高耐圧TFTとして機能するダブルゲート型の第二TFT202とを同一基板101上に備えることから、同一基板上に高速動作TFTと高耐圧TFTとを有する半導体集積回路を形成することができる。
また、本実施形態によれば、図11(b)の工程において、第二TFT202側のチャネル部を覆うようにレジストマスク209を形成した後、第一絶縁膜203をバッファ層として高濃度の不純物の添加を行い、ドレイン・ソース領域を形成する。したがって、図11(a)及び図11(b)で示した、低濃度の不純物の添加時と、第一TFT201の第一ゲート電極204形成時とにおけるプロセスダメージを持った第一絶縁膜203が第二TFT202の構成要素とならない。そのため、第二TFT202は、高品質な第二絶縁膜205及び第四絶縁膜211からなる第一ゲート絶縁膜を有することが可能となる。他方、第一TFT201の第一ゲート絶縁膜についても、特許文献1に開示の手法とは異なり、第二絶縁膜205の除去によるダメージを受けない第一絶縁膜203から構成されることになる。その結果、低耐圧高速TFTとして機能する第一TFT201と高耐圧TFTとして機能する第二TFT202とがともに安定した特性を示すことができる。
以下に、本実施形態の変形例について説明する。
本実施形態においては、図2で示した実施形態1の製造工程と同様に、図11(d)で示す工程まで高濃度の不純物の添加を行わず、第二絶縁膜205を形成した後、第二TFT202側のチャネル部を覆うようにレジストマスク209を形成し、第二絶縁膜205をバッファ層として高濃度の不純物を添加することで、第一TFT201の高不純物濃度領域207a及び第二TFT202の高不純物濃度領域207bを形成してもよい。
また、本実施形態においては、第一絶縁膜203の厚みを20〜150nm程度、支持基盤保護層102の厚みを10〜100nm程度とし、これらの厚みの範囲内で第一絶縁膜203の膜厚を支持基盤保護層102よりも厚く形成してもよい。これにより、第二TFT202を低耐圧高速TFT、第一TFT201を高耐圧TFTとすることができる。
また、本実施形態においては、第一TFT201側にも第一ゲート電極を形成し、第一TFT201及び第二TFT202をダブルゲート型TFTとしてもよい。これにより、製造工程を変更することなく二つの耐圧をもつダブルゲート型TFTを形成することが可能であり、基板101上面の他の配線層からの電界、光等の影響を抑えることができる。
また、図示していないが、本実施形態においては、図4及び図5と同様に、第三絶縁膜211を形成してもよい。これにより、第三絶縁膜210が第一TFT201の第一ゲート電極204の側面に残るため、第一TFT201の第一ゲート電極204の下部に位置する第一ゲート絶縁膜がエッチング時のダメージを受けて欠陥密度が増大したり、不必要にエッチングされたりすることを防ぐことができる。
更に、図示していないが、本実施形態においても、図6で示した実施形態1の半導体装置と同様に、第一TFT201の第一ゲート電極204と、第二TFT202の第一ゲート電極206の厚みとが異なっていてもよい。これにより、第二TFT202の第一ゲート電極206をエッチングする際に、第一TFT201の第一ゲート電極204上の第二絶縁膜205の側面に、エッチング残りが発生することを効果的に抑制することができる。また、このとき、実施形態1と同様の観点から、第一TFT201の第一ゲート電極204の厚みと、第二TFT202の第一ゲート電極206の厚みとの差を20%以上とすることが好ましい。
(実施形態4)
図12を参照し、本発明の実施形態4の半導体装置について説明する。図12は実施形態4の半導体装置を示す断面模式図である。なお、上述の実施形態1〜3と実施形態4とで重複する内容については、その説明を省略する。
図12に示すように、本実施形態の半導体装置100dは、基板101の一方の主面上に設けられた第一TFT201及び第二TFT202を備える。第一TFT201は、第一TFT201の第二ゲート電極213と、支持基板保護層102と、低不純物濃度領域208a及び高不純物濃度領域207aからなる半導体層と、第一TFT201の第一ゲート絶縁膜である第一絶縁膜203と、第一TFT201の第一ゲート電極204とが基板101側からこの順に積層された構造を有する。一方、第二TFT202は、第二TFT202の第二ゲート電極212と、第一TFT201と同一の支持基板保護層102と、低不純物濃度領域208b及び高不純物濃度領域207bからなる半導体層と、第二TFT202の第一ゲート絶縁膜である第二絶縁膜205と、第二TFT202の第一ゲート電極206とが基板101側からこの順に積層された構造を有する。すなわち、第一TFT201と第二TFT202とは共にダブルゲート型TFTである。
このように、第一TFT201の第一ゲート絶縁膜と、第二TFT202の第一ゲート絶縁膜とを異なる絶縁膜により形成することによって、実施形態1〜3と同様に、工程時のダメージを受けない高品質な第一ゲート絶縁膜を有する第一TFT201及び第二TFT202を形成することが可能である。
また、第二絶縁膜205は、第二TFT202の半導体層を覆うとともに、第一TFT201の第一ゲート電極204を覆う。これにより、第二絶縁膜205を、第一TFT201を保護する保護膜としても機能させることができる。
また、第一TFT201及び第二TFT202をどちらもダブルゲート型TFTにすることで、製造工程を変更することなく二つの耐圧をもつダブルゲート型TFTを形成することが可能であり、基板101上面の他の配線層からの電界、光等の影響を抑えることができる。また、第一TFT201を低耐圧高速TFT、第二TFTを高耐圧TFTとした場合、第一TFT201の第二ゲート電極213を固定電位に設定し、第一ゲート電極204を用いて動作させることで、第一TFT201の耐圧を低下させることなく閾値を制御することが可能であり、一方、第二TFT202の第二ゲート電極212を固定電位に設定し、第一ゲート電極206を用いて動作させることで、第二TFT202の耐圧を高く保ったまま閾値を制御することが可能である。更に、第一TFT201及び第二TFT202がポリシリコンTFTである場合、ボトムゲート側の第二ゲート絶縁膜の方が結晶化に起因する表面ラフネスの影響がなく耐圧が高いため、第一TFT201及び第二TFT202のトップゲート側の第一ゲート電極の電位を固定することによって、第一、第二TFTの耐圧を向上することが可能である。例えば、第一TFT201を低耐圧高速TFTとした場合、第一TFT201の第一ゲート電極204を固定電位に設定し、第二ゲート電極213を用いて動作させることで、第一ゲート絶縁膜203には殆ど電圧がかからないため、第一TFT201を高耐圧TFTとしても動作させることが可能である。
そして、第一TFT201及び第二TFT202の第一ゲート絶縁膜を第二ゲート絶縁膜よりも薄くすると、第一ゲート電極204及び206を固定電位にした場合、高耐圧のTFTとして機能させることができ、一方、第二ゲート電極212及び213を固定電位にした場合には、低耐圧かつ高速のTFTとして機能させることができる。
なお、本実施形態による半導体装置100dについては、実施形態1〜3で示した方法を適宜組み合わせることによって作製することができる。
以下に、本実施形態の変形例について説明する。
本実施形態においては、第一絶縁膜203の厚みを20〜150nm程度、第二絶縁膜205の厚みを5〜80nm程度とし、これらの厚みの範囲内で第一絶縁膜203を第二絶縁膜205よりも厚く形成してもよい。これにより、第一TFT201を高耐圧TFT、第二TFT202を低耐圧高速TFTとして作動させることができる。
更に、図示していないが、本実施形態においても、図6で示した実施形態1の半導体装置と同様に、第一TFT201の第一ゲート電極204と、第二TFT202の第一ゲート電極206の厚みとが異なっていてもよい。これにより、第二TFT202の第一ゲート電極206をエッチングする際に、第一TFT201の第一ゲート電極204上の第二絶縁膜205の側面に、エッチング残り214が発生することを効果的に抑制することができる。また、このとき、実施形態1と同様の観点から、第一TFT201の第一ゲート電極204の厚みと、第二TFT202の第一ゲート電極206の厚みとの差を20%以上とすることが好ましい。
実施形態1の半導体装置を示す断面模式図である。 (a)〜(d)は、第一の製造工程における実施形態1の半導体装置を示す断面模式図である。 (e)及び(f)は、第二の製造工程における実施形態1の半導体装置を示す断面模式図である。 (a)〜(c)は、別の製造工程における実施形態1の半導体装置を示す断面模式図である。 (a)〜(d)は、別の製造工程における実施形態1の半導体装置を示す断面模式図である。 (a)〜(d)は、別の製造工程における実施形態1の半導体装置を示す断面模式図である (a)及び(b)は、実施形態1の半導体装置の変形例を示す断面模式図である。 実施形態2の半導体装置を示す断面模式図である。 (a)〜(d)は、第一の製造工程における実施形態2の半導体装置を示す断面模式図である。 (e)及び(f)は、第二の製造工程における実施形態2の半導体装置を示す断面模式図である。 (a)〜(c)は、別の製造工程における実施形態2の半導体装置を示す断面模式図である。 実施形態3の半導体装置を示す断面模式図である。 (a)〜(e)は、製造工程における実施形態3の半導体装置を示す断面模式図である。 実施形態4の半導体装置を示す断面模式図である。
符号の説明
100a、100b、100c、100d:半導体装置
101:絶縁性支持基板
102:支持基盤保護層
103:Si活性層
104a、104b:Siアイランド
201:第一TFT
202:第二TFT
203:第一絶縁膜
204:第一TFTの第一ゲート電極
205:第二絶縁膜
206:第二TFTの第一ゲート電極
207a、207b:高不純物濃度領域
208a、208b:低不純物濃度領域(チャネル部)
209:レジストマスク
210:第三絶縁膜
211:第四絶縁膜
212:第二TFTの第二ゲート電極
213:第一TFTの第二ゲート電極
214:エッチング残り

Claims (15)

  1. 基板の一方の主面側に設けられた第一薄膜トランジスタ及び第二薄膜トランジスタを備える半導体装置であって、
    該第一薄膜トランジスタ及び第二薄膜トランジスタは、チャネル部及びソース・ドレイン領域を有する半導体層と、第一ゲート絶縁膜と、第一ゲート電極とが基板側からこの順に積層され、
    該第一薄膜トランジスタの第一ゲート絶縁膜は、第二薄膜トランジスタの第一ゲート絶縁膜とは異なる絶縁膜から構成されることを特徴とする半導体装置。
  2. 前記第二薄膜トランジスタの第一ゲート絶縁膜の少なくとも一部は、第一薄膜トランジスタの第一ゲート電極を覆うことを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
  3. 前記第一薄膜トランジスタ及び第二薄膜トランジスタは、互いの第一ゲート絶縁膜の膜厚が異なることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
  4. 前記第一薄膜トランジスタ又は第二薄膜トランジスタは、半導体層の基板側に、第二ゲート絶縁膜及び第二ゲート電極が半導体層側からこの順に積層されることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
  5. 前記第一薄膜トランジスタ及び第二薄膜トランジスタは、半導体層の基板側に、第二ゲート絶縁膜及び第二ゲート電極が半導体層側からこの順に積層されることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
  6. 前記第一薄膜トランジスタの第一ゲート絶縁膜は、第二薄膜トランジスタの第一ゲート絶縁膜よりも薄く、
    前記第一薄膜トランジスタの第二ゲート電極は、固定電位に設定されることを特徴とする請求項5記載の半導体装置。
  7. 前記第二薄膜トランジスタの第一ゲート絶縁膜は、第一薄膜トランジスタの第一ゲート絶縁膜よりも厚く、
    前記第二薄膜トランジスタの第一ゲート電極は、固定電位に設定されることを特徴とする請求項5記載の半導体装置。
  8. 前記第二ゲート絶縁膜及び第二ゲート電極を有する第一薄膜トランジスタ及び第二薄膜トランジスタのいずれか一方は、第一ゲート電極又は第二ゲート電極が固定電位に設定されることを特徴とする請求項4記載の半導体装置。
  9. 前記第二ゲート絶縁膜及び第二ゲート電極を有する第一薄膜トランジスタ及び第二薄膜トランジスタはそれぞれ、第一ゲート電極又は第二ゲート電極が固定電位に設定されることを特徴とする請求項5記載の半導体装置。
  10. 前記第一薄膜トランジスタ又は第二薄膜トランジスタは、第一ゲート電極の側面を覆う絶縁膜を有することを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
  11. 前記第一薄膜トランジスタ及び第二薄膜トランジスタは、互いの第一ゲート電極の厚みが異なることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
  12. 前記第一薄膜トランジスタ及び第二薄膜トランジスタは、互いの第一ゲート電極の厚みが20%以上異なることを特徴とする請求項11記載の半導体装置。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載の半導体装置の製造方法であって、
    該製造方法は、半導体層が設けられた基板上に第一絶縁膜を形成した後、少なくとも第一薄膜トランジスタのチャネル部を除き、かつ少なくとも第二薄膜トランジスタのチャネル部を含む領域の第一絶縁膜を除去する除去工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  14. 前記半導体装置の製造方法は、除去工程の前に、第一絶縁膜をバッファ層として第一薄膜トランジスタ及び第二薄膜トランジスタのドレイン・ソース領域に不純物の添加を行う工程を含むことを特徴とする請求項13記載の半導体装置の製造方法。
  15. 前記半導体装置の製造方法は、除去工程の後に、第一薄膜トランジスタの第一ゲート電極を覆うように第二絶縁膜を形成し,該第二絶縁膜をバッファ層として第一薄膜トランジスタ及び第二薄膜トランジスタのドレイン・ソース領域に不純物の添加を行う工程を含むことを特徴とする請求項13記載の半導体装置の製造方法。
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