JP2007156074A - カメラ用レンズ駆動装置 - Google Patents

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Norifumi Nakagawa
憲史 仲川
Hirobumi Seki
関  博文
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Abstract

【課題】簡便な制御でマイクロステップ駆動を実現可能なカメラ用レンズ駆動装置を提供する。
【解決手段】本装置は、カメラのレンズを光軸方向に移動する為にステップ回転駆動されるステッピングモータ1と、これに駆動電流を供給してステップ回転駆動する駆動部2と、これを制御してステッピングモータ1をマイクロステップモードで回転駆動させる制御部3とを有する。駆動部2は、ステッピングモータ1に駆動電流を供給するためブリッジ接続されたトランジスタQ1〜Q4からなるブリッジ回路21,22と、トランジスタQ1〜Q4に流れる駆動電流を定電流制御する定電流回路OP1〜OP4とを含む。制御部3は、トランジスタQ1〜Q4を直接スイッチング制御して駆動電流のパルスの幅を可変調整し、以ってマイクロステップモードを実現する。
【選択図】図1

Description

本発明はカメラ用のレンズを光軸方向に沿って移動し、被写体に対する焦点合わせを自動的に行うためのカメラ用レンズ駆動装置に関する。より詳しくは、レンズを移動するために用いるステッピングモータの駆動制御技術に関する。さらに詳しくは、ステッピングモータをマイクロステップ駆動するための制御技術に関する。
従来からステッピングモータのマイクロステップ駆動が知られており、例えば以下の特許文献1や2に記載がある。
特開2004−004362公報 特開2003−070295公報
特許文献1は、音声記録が可能なデジタルカメラに適したモータの駆動方式を提案している。撮影レンズのピント合わせを行うフォーカスモータとして、ステッピングモータが用いられている。静止画の撮影を行う場合には、フォーカスモータは二相励磁駆動方式(スイッチング駆動方式)で駆動され、高速なピント合わせを可能にしている。動画の撮影と共に音声記録を行う場合には、フォーカスモータをマイクロステップ駆動方式で駆動し、作動音を小さくして音声の記録に影響がないようにしている。
特許文献2は、ステッピングモータのマイクロステップ駆動装置の回路構成を提案している。同装置は、フルステップの1ステップ期間を1周期としてパルス幅が最大レベルから最小レベルに変化するPWM信号を生成するパルス幅変調信号生成部と、相励磁カウンタと、相励磁カウンタが示すステップに応じたパターンでハイレベル信号、ローレベル信号、PWM信号のいずれかを各相に分配する相分配回路部と、相分配された信号に基づいて相電流を各相毎に生成する駆動回路部とを供えた構成となっている。
マイクロステップ駆動は特許文献1にあるようにモータ回転に伴うノイズが少ないという利点がある。しかしながら、マイクロステップ駆動を実現するためには、特許文献2にあるように複雑な制御が必要であり、カメラ用レンズ駆動装置の複雑化を招いていた。
上述した従来の技術の課題に鑑み、本発明は簡便な制御でステッピングモータのマイクロステップ駆動を実現可能なカメラ用レンズ駆動装置を提供することを目的とする。かかる目的を達成するために以下の手段を講じた。即ち本発明は、カメラのレンズを光軸方向に移動する為にステップ回転駆動されるステッピングモータと、該ステッピングモータに駆動電流を供給してこれをステップ回転駆動する駆動部と、前記駆動部を制御して該ステッピングモータをマイクロステップモードで回転駆動させる制御部とを有するカメラ用レンズ駆動装置であって、前記駆動部は、ステッピングモータに駆動電流を供給するためブリッジ接続された複数のトランジスタからなるブリッジ回路と、該トランジスタに流れる駆動電流を定電流制御する定電流回路とを含み、前記制御部は、該複数のトランジスタを直接スイッチング制御して駆動電流のパルスの幅を可変調整し、以ってマイクロステップモードを実現することを特徴とする。
好ましくは前記制御部は、ステッピングモータの起動時該駆動部の定電流回路を制御して定電流駆動を停止した状態で、該ブリッジ回路のトランジスタをスイッチング制御し、以って電源から供給される電流をそのままスイッチング制御した駆動電流で該ステッピングモータを駆動するようにしている。
本発明によれば、制御部がロジック回路からなり、ブリッジ回路を構成する複数のトランジスタを所定のロジックに従い直接スイッチング制御(オンオフ制御)して駆動電流のパルス幅を可変調整し、以ってステッピングモータのマイクロステップモードを実現している。回路的にみると簡単なロジック制御でマイクロステップモードを実現しており、外付け部品も少なくカメラ用レンズ駆動装置の大幅なコストダウンが可能になる。
以下図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明にかかるカメラ用レンズ駆動装置の全体構成を示す回路図である。図示する様に、本カメラ用レンズ駆動装置は、基本的にステッピングモータ(STM)1と駆動部2と制御部(ロジック回路)3とを備えている。ステッピングモータ1はカメラのレンズ(図示せず)を光軸方向に移動するためにステップ回転駆動される。カメラのレンズの移動は、例えば焦点合わせやズーミングのために行われる。ステッピングモータ1は一対のコイル11,12とロータ13とで構成されている。図ではコイル11の端子をOUT1,OUT2で表し、コイル12の端子をOUT3,OUT4で表してある。駆動部2は、端子OUT1ないしOUT4に接続されており、ステッピングモータ1に駆動電流を供給してこれをステップ回転駆動する。制御部を構成するロジック回路3は、駆動部2を制御してステッピングモータ1をマイクロステップモードで回転駆動させる。
駆動部2は、ブリッジ回路21,22と定電流回路とで構成されている。ブリッジ回路21は一方のコイル11に駆動電流を供給するものであり、ブリッジ接続された複数のトランジスタQ1ないしQ4で構成されている。各トランジスタQ1ないしQ4のベースはロジック回路3に接続されており、これによりオンオフ制御される。ブリッジ回路21は電源VBと接地との間に接続されている。例えばトランジスタQ1,Q2がオンしてトランジスタQ3,Q4がオフしたとき、コイル11には端子OUT2からOUT1に向かって駆動電流が流れる。逆にトランジスタQ3,Q4がオンでQ1,Q2がオフのとき、端子OUT1からOUT2に向かって駆動電流が流れる。他方のブリッジ回路22も一方のブリッジ回路21と同じ構成となっており、ブリッジ接続された4個のトランジスタで他方のコイル12を双方向に通電する。ステッピングモータ1の端子OUT1ないしOUT4に供給する駆動電流の位相やパルス幅をロジック回路3で直接制御することにより、マイクロステップモードを実現している。
上述したように駆動部2はブリッジ回路21,22に加えて定電流回路を備えている。この定電流回路は電源VBから各ブリッジ回路21,22を通って接地に流れる駆動電流を一定に制御するものである。一方のブリッジ回路21に接続された定電流回路は一対のオペアンプOP1,OP2と検出抵抗Rとで構成されている。一方のオペアンプOP1の出力端子はトランジスタQ4のベースに接続されている。オペアンプ1の一方の入力端子はブリッジ回路21と検出抵抗Rの接続ノードにつながっている。オペアンプ1の他方の入力端子は所定の基準電圧Vrefが供給されている。検出抵抗Rの接続ノードにはブリッジ回路21を流れる駆動電流のレベルに応じた電圧が生じる。駆動電流に応じたこの検出電圧がオペアンプOP1の一方の入力端子に供給されている。オペアンプOP1は検出抵抗Rから供給される検出電圧が基準電圧Vrefに一致するよう、トランジスタQ4のベース電流をフィードバック制御している。前述したようにブリッジ回路21はトランジスタQ1,Q2を通る一方の電流路と、トランジスタQ3及びQ4を通る他方の電流路を含んでいる。オペアンプOP1はトランジスタQ3及びQ4で構成する電流路の定電流制御を行っている。同様にトランジスタQ1及びQ2で構成される電流路の定電流制御を行うため、オペアンプOP2がトランジスタQ2のベースに接続している。他方のブリッジ回路22に接続される定電流回路も同様の構成となっており、オペアンプOP3とOP4からなる。
本発明の特徴事項として制御部を構成するロジック回路3は、ブリッジ回路21,22を構成する複数のトランジスタQを直接スイッチング制御して駆動電流のパルスの幅を可変調整し、以ってマイクロステップモードを実現している。即ちロジック回路3は各トランジスタQのベース電流を直接制御してブリッジ回路21,22に流れる駆動電流のPWM(パルス幅変調)を行い、以ってマイクロステップモードを実現している。ロジック回路3はカメラの本体制御部側から入力される論理信号EN1,EN2、IN1,IN2に応じてブリッジ回路21,22に含まれるトランジスタQのオンオフ制御を行う。マイクロステップモードを実行する際には、入力論理信号EN1,EN2はPWMのデューティを規定し、IN1,IN2はPWMの位相を規定している。なおロジック回路3はブリッジ回路21,22に加えオペアンプOPの動作状態と非動作状態も切換えている。
図2は、図1に示したロジック回路3の動作を示す真理値表である。入力EN1,EN2,IN1,IN2と出力OUT1,OUT2,OUT3,OUT4の論理関係を表している。即ち入力信号EN1,EN2,IN1,IN2の論理状態に応じて、ステッピングモータ1のコイル11,12の端子OUT1,OUT2,OUT3,OUT4に供給される駆動電流のパルス幅や位相が決まる。入力信号EN1,EN2が共にハイレベル(H)のとき、ロジック回路3は駆動部2を制御して通常のスイッチング駆動(二相励磁駆動)を行う。また入力信号EN1,EN2が共にローレベル(L)のとき、駆動部2は動作を停止する。さらにEN1,EN2の一方がLで他方がHのとき、ロジック回路3は駆動部2を制御してステッピングモータ1をPWMでマイクロステップ駆動する。その際入力信号EN1,EN2はPWMのデューティを規定し、入力信号IN1,IN2はPWMの位相を規定している。EN1がLでEN2がHのときOUT3とOUT4がオンになる一方OUT1とOUT2がオフになる。逆にEN1がHでEN2がLのとき、OUT1とOUT2がオンになり、OUT3とOUT4がオフになる。EN1のハイレベル(H)のデューティは、IN1のハイレベル(H)のセンターが100%で、HからLに切換るときが0%となり、ローレベル(L)のセンターが100%となるように制御される。同様に入力信号EN2のハイレベル(H)のデューティはIN2のハイレベル(H)及びローレベル(L)の切換りに応じて制御される。
図3は、図1に示したカメラ用レンズ駆動装置の動作シーケンスの一例を示すタイミングチャートである。タイミングチャートの上段に入力論理信号EN1、EN2,IN1,IN2のレベル変化を表し、下段に出力波形OUT1,OUT2,OUT3,OUT4を表してある。図示のシーケンスではステッピングモータの起動でスイッチング駆動を採用し、その後マイクロステップ駆動に移行している。前述したようにEN1とEN2がハイレベルHのとき、ロジック回路3は駆動部2を制御してスイッチング駆動(二相励磁駆動)を行う。二相励磁駆動では、IN1で規定される周期で一方のコイル11に流れる駆動電流が極性を反転する。またIN2に応じて他方のコイル12に流れる駆動電流の極性が反転する。さらにコイル11と12に流れる駆動電流パルスの位相が90°ずれている。これにより、ステッピングモータ1は大きな駆動トルクでレンズを高速移動することが出来る。但しステッピングモータの回転音が大きくなる。
起動時は大きなトルクが得られるスイッチング駆動で速やかに動作を開始した後、マイクロステップ駆動に移行する。図示する様にマイクロステップ駆動では、入力信号EN1のデューティが100%から0%になりさらに100%となってこれを周期的に繰り返している。同様にEN2のデューティも100%と0%との間で周期的に変化している。このデューティに応じて各ブリッジ回路のトランジスタがオンオフ制御されるので、コイルの端子OUT1ないしOUT4に供給される駆動電流がPWM信号となる。トランジスタ自体はデューティに従ってオンオフ制御されるが、コイルの端子OUT1ないしOUT4に流れる駆動電流は平滑化され、図示のように振幅が正弦波状に滑らかに変化する。これによりステッピングモータ1は雑音を生じることなく滑らかに回転する。但しマイクロステップ駆動はスイッチング駆動に比べトルクは低く回転速度も遅い。EN1のデューティ制御は、IN1のHレベルのセンターが100%で、HレベルからLレベルへの切換え時点が0%となり、さらにLレベルのセンターが100%となる。以下この繰り返しである。EN2はIN2との関係で、EN1,IN1と同様になる。
図4は、図1に示したカメラ用レンズ駆動装置からブリッジ回路21の部分を抜き取った回路図である。図示する様に、ブリッジ回路21は4個のトランジスタQ1ないしQ4で構成され、電源VBと接地との間に接続されている。このブリッジ回路21はステッピングモータ1に含まれるコイル11を通電する為のものである。ブリッジ回路21を構成する各トランジスタQ1ないしQ4のベース電流は制御部3によって制御されている。換言するとブリッジ回路21の各トランジスタQ1ないしQ4は制御部3によってオンオフ制御される。定電流回路を構成するオペアンプOP2の出力端子はトランジスタQ2のベースに接続している。オペアンプOP2の正入力端子には所定の基準電圧Vrefが供給され、負入力端子には検出抵抗Rから検出電圧が供給される。オペアンプOP2はブリッジ回路21を流れる駆動電流が一定となるようにトランジスタQ2のベース電流を制御する。この様に定電流回路は基本的にはトランジスタQ2がDCでオンしているときRで検出される電圧で定電流制御を行っている。一方制御部3はカメラ本体側から供給されるPWM信号(EN1,EN2,IN1,IN2)に応じてトランジスタQ1,Q2をオンオフ制御し、これによりステッピングモータをマイクロステップ駆動する。制御部3は簡単なロジック回路で構成され、なんら高速なCPUなどの演算回路を要することなくマイクロステップ駆動を実現できる。本発明は、PWM信号のデューティを変えることにより、見かけ上マイクロステップ駆動が可能となっている。このデューティも予め設定してある値をシーケンシャルに制御部3に入力するだけで良い。
図5は、図4に示した回路の動作説明に供するフローチャートである。起動がかかった後まずステップS1でトランジスタQ1をオンする。続いてステップS2でトランジスタQ2をオンする。これにより、ブリッジ回路21には電源VBからトランジスタQ1,コイル11,トランジスタQ2,検出抵抗Rを通って接地ラインに電流が流れる。この時点で制御部3がオペアンプOP2を動作状態とし、以って定電流制御を開始する。即ちステップS2の段階で、オペアンプOP2を用いて検出抵抗Rによって検出された電圧が所定の基準電圧Vrefと一致するようにトランジスタQ2のベース電流を制御して、ブリッジ回路21を定電流化している。この後ステップS3で設定デューティに従いトランジスタQ1をオンオフ制御する。これによりPWMで擬似的にマイクロステップ駆動が可能になる。本発明のレンズ駆動装置はなんら複雑な制御を行うことなく、マイクロステップモードで定電流駆動を実現できる。
図6は、参考例にかかるレンズ駆動装置を示す回路図である。理解を容易にするため、図4に示した本発明の回路と対応する部分には対応する参照番号を付してある。図示する様に、この参考例は、ブリッジ回路21が電源ラインVBと接地ラインの間に接続されており、ステッピングモータのコイル11を通電する。コイル11をPWMで定電流制御下マイクロステップ駆動するため、制御部3、PWM回路7、定電流演算回路8、A/Dコンバータ9などがブリッジ回路21に接続されており、構成が複雑である。制御部3でトランジスタQ1をオンし、トランジスタQ2をPWM制御して、マイクロステップ駆動を行っている。その際定電流演算回路8及びA/Dコンバータ9で定電流駆動を行っている。検出抵抗RにはPWMでパルス化された駆動電流が流れるが、ステッピングモータのコイル11のL成分でパルスは平滑化され、ほぼDC電流になる。このDC駆動電流を検出抵抗Rに流すことにより、電圧降下が生じる。駆動電流のレベルに見合った電圧降下をA/Dコンバータ9で読み込む。この読み込んだ電圧値が設定値となるように定電流演算回路8で演算を行ってPWMのデューティを設定する。即ち検出抵抗Rを用いたフィードバックを行って定電流化している。定電流演算のためPWMより十分に速いCPUなどが必要になる。あるいはアナログ回路で構成すると、回路が複雑になったり発振したりすることがある。
図7は、図6に示した参考例の動作説明に供するフローチャートである。起動をかけた後ステップS10でトランジスタQ1をオンし、続いてステップS11でトランジスタQ2をオンして、コイル11に通電する。この後ステップS12でPWMをスタートし、トランジスタQ2をPWM駆動してマイクロステップモードでステッピングモータを回転させる。
この後PWMのデューティに関してはコイル11のインダクタンスより平滑化した電流を検出抵抗Rで電圧変換し、これをモニタする。即ちステップS13で検出抵抗Rの端子電圧をA/Dコンバータで取り込む。ステップS14でA/Dコンバータ9により取り込んだ数値ADが予め設定された値と一致するか否かを判定する。一致している場合には次のステップに進む。逆に一致していない場合はステップS15に分岐し、ADが設定値より大きいか否かを判定する。答えが肯定的な場合ステップS16に進みPWMのデューティをダウンして、ADが設定値と等しくなるようにフィードバックをかける。逆にステップS15で判断結果が否定的(N)の場合ステップS17に進みPWMデューティをアップしてADが設定値と等しくなるようにフィードバックをかける。この様に参考例は検出抵抗Rの端子電圧が設定値と一致するように、PWMのデューティを決定している。このため参考例にかかる回路はステッピングモータのコイルのインダクタンス成分やPWMの分解能の影響を受けやすく、動作が複雑になっている。これに対し本発明は、定電流制御とPWM制御を分離しており、回路構成が簡略化されている。定電流制御とかかわりなく、制御部3はカメラ本体から供給されたロジック信号に応じてブリッジ回路のトランジスタをオンオフ制御している。
図8は、本発明にかかるカメラ用レンズ駆動装置が組み込まれるカメラの全体構成を示すブロック図である。図示する様に本デジタルカメラは、ステッピングモータ(STM)1とマイクロステップドライバIC2とDSP3を備えている。ステッピングモータ1はレンズ系4を駆動して被写体に対する焦点合わせあるいはズーミングを行う。マイクロステップドライバIC2は駆動部を構成しており、ステッピングモータ1の端子OUT1ないしOUT4に駆動電流を供給してマイクロステップ駆動あるいはスイッチング駆動のいずれかを行う。DSP3は制御部を構成しており、駆動部2にマイクロステップ駆動のためのPWM信号(EN1,EN2,IN1,IN2)を供給する。なお図ではカメラ用レンズ駆動装置の制御部をDSP3の一部として取り込んでいるが、本発明はこれに限られるものではない。カメラ用レンズ駆動装置の制御部はロジック回路としてDSP3とは別に設けても良い。
レンズ系4によって取り込まれた被写体像はシャッタ5を介して撮像素子(CCD)6に記録される。シャッタ5は別のモータ12により駆動される。このモータ12はドライバ13を介してDSP3により駆動される。CCD6に記録された画像信号はFEP7を介してデジタル化されDSP3に取り込まれる。この他DSP3には測距センサ8、SDRAM9、FROM10、CF11などが接続されている。測距センサ8は被写体に対する自動焦点合わせに必要な測距データをDSP3に供給する。
図9は、図8に示したレンズ系の具体的な構成例を示す模式図である。図示する様にAFレンズ4はボスAとボスBとでカムリングのカムAとカムBにそれぞれ勘合している。カムAとカムBが形成されたカムリングにはギアが装着されている。このギアにはステッピングモータ1の回転軸に装着されたピニオンが係合している。
図10はカムリングを示す模式図である。図示する様にカムリングの円筒側面にはカムAが形成されている。またカムリングの後端にはギアが装着されている。図示しないがカムリングにはカムAと反対側にカムBも形成されている。予めレンズの特性とカムの傾きとでステッピングモータの回転角に対し一対一の焦点位置を算出しておき、被写体までの距離に合わせて制御部から信号を出し、ステッピングモータを所定の回転角まで回転させる。これによりギアが回転しカムA,Bが所定の位置まで移動する。これに伴いカムA,Bに勘合しているボスA,Bが移動し、AFレンズ4が合焦位置にセットされる。
図11は、図1に示した本発明の実施形態の変形例を示す回路図である。理解を容易にするため、図1に示した実施形態と対応する部分には対応する参照番号を付してある。異なる点は、ブリッジ回路21のトランジスタQ1とQ4を接続するノードにトランジスタQ5が挿入されていることである。このトランジスタQ5はトランジスタQ4と並行に接続されており、起動時はトランジスタQ4に代わって動作する。同様にブリッジ回路21のトランジスタQ3とQ2を接続するノードには追加のトランジスタQ6が接続されている。このトランジスタQ6は起動時もしくは停止時にトランジスタQ2の代わりに動作する。他方のブリッジ回路22についても追加のトランジスタが接続されている。
本変形例では、ブリッジ回路21でステッピングモータ1のコイル11を通電する場合、起動時あるいは停止時はトランジスタQ4に代えてQ5を使う。またQ2に代えてQ6を使う。換言すると定電流制御を行うことなくブリッジ回路Q1,Q3,Q5,Q6でコイル11を通電する。定電流制御を行わないため、コイル11に流れる電流は抵抗Rを通ることなく、電源VBから接地に直接流れる。従って回路ロスを最小限に抑えた状態で、ステッピングモータ1に起動をかけたり停止することが可能である。起動時や停止時は大きなトルクが必要であるため、この様に回路ロスを最小限に抑えることが重要である。
図12は、図11に示した変形例の動作説明に供するタイミングチャートである。起動時にはスイッチング駆動(二相励磁駆動)を行って大きなトルクを得ている。その際定電流制御を外すことで、回路ロスを最小限にしている。起動後は制御をPWMによるマイクロステップ駆動に切換え、ステッピングモータの騒音などを抑制している。また精度を上げるため、定電流制御をかけるようにしている。すなわちブリッジ回路21を通常のトランジスタQ1,Q2,Q3,Q4で構成し且つオペアンプOP1,OP2を動作させることで、定電流駆動を行う。スイッチング駆動時は定電流回路を外しブリッジ回路だけで電源を切換えて駆動している。これにより回路ロスがトランジスタQの飽和電圧Vsatのみとなり、電源電圧を有効にステッピングモータに加えることが出来る。回転動作が安定してからは定電流のマイクロステップ駆動に切換えて駆動を行い、電源電圧の変動を抑える様にしている。
図13は図11の変形例を示す回路図である。理解を容易にするため、対応する部分には対応する参照番号を付してある。この変形例はトランジスタQ2のベースに追加のトランジスタQ6が接続している。この追加トランジスタQ6のベースは制御部3により制御される。追加トランジスタQ6のエミッタは接地されている。この変形例は、トランジスタQ2を定電流制御するオペアンプOP2をトランジスタQ6で殺す一方、スイッチング動作として制御部3からPWM制御を行えば、直接電源のスイッチングを行うことが可能である。
本発明にかかるカメラ用レンズ駆動装置の全体構成を示す回路図である。 図1に示したカメラ用レンズ駆動装置の動作説明に供する真理値表である。 同じく動作説明に供する波形図である。 同じく動作説明に供する部分回路図である。 同じく動作説明に供するフローチャートである。 参考例にかかるカメラ用レンズ駆動装置を示す部分回路図である。 図6に示した参考例の動作説明に供するフローチャートである。 カメラ用レンズ駆動装置が組み込まれるデジタルカメラの全体構成を示すブロック図である。 図8に示したデジタルカメラのレンズ系を示す模式図である。 図9に示したレンズ系に組み込まれるカムリングを示す模式図である。 図1に示したカメラ用レンズ駆動装置の変形例を示す回路図である。 図11に示した回路の動作説明に供する波形図である。 図11に示した回路の変形例を示す部分回路図である。
符号の説明
1・・・ステッピングモータ(STM)、2・・・駆動部、3・・・ロジック回路(制御部)、11・・・コイル、12・・・コイル、21・・・ブリッジ回路、22・・・ブリッジ回路、Q1,Q2,Q3,Q4,Q5,Q6・・・トランジスタ、OP1,OP2,OP3,OP4・・・オペアンプ、R・・・検出抵抗

Claims (2)

  1. カメラのレンズを光軸方向に移動する為にステップ回転駆動されるステッピングモータと、
    該ステッピングモータに駆動電流を供給してこれをステップ回転駆動する駆動部と、
    前記駆動部を制御して該ステッピングモータをマイクロステップモードで回転駆動させる制御部とを有するカメラ用レンズ駆動装置であって、
    前記駆動部は、ステッピングモータに駆動電流を供給するためブリッジ接続された複数のトランジスタからなるブリッジ回路と、該トランジスタに流れる駆動電流を定電流制御する定電流回路とを含み、
    前記制御部は、該複数のトランジスタを直接スイッチング制御して駆動電流のパルスの幅を可変調整し、以ってマイクロステップモードを実現することを特徴とするカメラ用レンズ駆動装置。
  2. 前記制御部は、ステッピングモータの起動時該駆動部の定電流回路を制御して定電流駆動を停止した状態で、該ブリッジ回路のトランジスタをスイッチング制御し、以って電源から供給される電流をそのままスイッチング制御した駆動電流で該ステッピングモータを駆動するようにしたことを特徴とする請求項1記載のカメラ用レンズ駆動装置。
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