JP2007133277A - デジタルカメラ用自動合焦装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】デジタルカメラ用自動合焦装置におけるレンズ駆動時間の短縮とレンズの停止精度の向上を同時に達成する。
【解決手段】ステッピングモータ3は、被写体を撮像素子1に結像するレンズ2をその光軸方向に駆動して、レンズ2を合焦位置にセットする。駆動部6は、ステッピングモータ3を二相励磁駆動又はマイクロステップ駆動のいずれかで回転駆動する。制御部10は、被写体の測距データに基づいて駆動部6を制御し、ステッピングモータ3を二相励磁駆動して、レンズ2を測距データが表す被写体距離に対応した位置まで送り、次にステッピングモータ3をマイクロステップ駆動に切り替え、合焦点が検出された位置で、ステッピングモータ3の駆動を停止する。
【選択図】図1

Description

本発明はデジタルカメラに搭載され、撮影準備の段階で、被写体までの距離を測定しその結果に基づいて撮影レンズの焦点距離を自動的に合わせ込むデジタルカメラ用自動合焦(AF)装置に関する。
デジタルカメラ用自動合焦装置は、例えば以下の特許文献1ないし3に開示されている。
特開2004−004362 特開2002−311328 特開2001−358987
一般にカメラのAFは被写体までの距離を測定する距離センサとその結果に基づいてレンズを駆動するモータとを組み合わせて行う。特許文献1はデジタルカメラに適したモータの駆動方式を提案している。撮影レンズのピント合わせを行うフォーカスモータとして、ステッピングモータを用いている。静止画の撮影を行う場合には、フォーカスモータは二相励磁駆動方式で駆動され、高速なピント合わせを可能にしている。動画の撮影と共に音声記録を行う場合には、フォーカスモータをマイクロステップ駆動方式で駆動し、作動音を小さくして音声の記録に影響がないようにしている。
特許文献2や特許文献3は複数のAF方式(測距方式)を組み合わせたハイブリッドAF機能を提案している。このハイブリッドAF機能は、測距方式として位相差センサを用いた位相差式オートフォーカスとCCDなどの撮像素子から出力される画像データに基づいて距離を測定するコントラスト検知式を併用している。このコントラスト検知式はカメラのCPUがCCD撮像素子で取り込まれた画像のコントラストを解析検知する。CCD撮像素子から取り込まれた画像情報はA/Dコンバータでデジタル化され、画像プリプロセッサでYUV変換され、D/Aコンバータを介して再びアナログ化されて液晶パネルに表示される。液晶パネルにおける被写界領域のモニタリング画面に重ね合わせてAFの検知対象領域が表示される。以下CCDによって代表される撮像素子の画像データをコントラスト処理(またはエッジ強調処理)して被写体までの距離を割り出し、これに基づいてレンズの焦点合わせを行う方式を、簡単のためCCDAFと呼ぶ場合がある。
上述の様に、ステッピングモータの駆動方式は、大別して二相励磁駆動方式とマイクロステップ駆動方式がある。二相励磁駆動方式はステッピングモータを高速回転駆動できるが、振動などがあり位置精度が高くない。二相励磁駆動で撮影レンズを送る場合、精度良く合焦位置にレンズを停止させる為には、パルス時間を長くするなどの制御が必要となり、現実には対応が難しい。これに対しマイクロステップ駆動は振動が少なく、レンズの停止精度も高くなる。しかしながら、マイクロステップ駆動はパワーが小さいため、レンズを高速で送ることが出来ない。このため、マイクロステップ駆動はAF操作を速やかに行うことが出来ず、AFに時間がかかるという課題がある。
上述した従来の技術の課題に鑑み、本発明はデジタルカメラ用自動合焦装置におけるレンズ駆動時間の短縮とレンズの停止精度の向上を同時に達成することを目的とする。かかる目的を達成するために以下の手段を講じた。即ち本発明にかかるデジタルカメラ用自動合焦装置は、被写体を撮像素子に結像するレンズをその光軸方向に駆動して、該レンズを合焦位置にセットするためのステッピングモータと、前記ステッピングモータを二相励磁駆動又はマイクロステップ駆動のいずれかで回転駆動する為の駆動部と、被写体までの距離を測定してその結果を表す測距データを出力する距離センサと、前記レンズの駆動中前記撮像素子から出力される被写体の画像データを逐次処理して、その結果から合焦点を検出する画像処理部と、該測距データに基づいて前記駆動部を制御し、前記ステッピングモータを二相励磁駆動して、前記レンズを該測距データが表す被写体距離に対応した位置まで送り、次に前記ステッピングモータをマイクロステップ駆動に切り替え、該合焦点が検出された位置で、前記ステッピングモータの駆動を停止する制御部とを有する。
本発明によれば、二相励磁駆動とマイクロステップ駆動を組み合わせることで、レンズ駆動時間の短縮とレンズの停止精度の向上を同時に達成している。始めは二相励磁駆動でレンズを合焦位置近傍まで高速に送り、その後はマイクロステップ駆動で精度良くレンズを停止させている。その際二相励磁駆動の段階では、外付けの距離センサから出力される測距データに基づいて、レンズを被写体距離にほぼ対応した位置まで送る。その後マイクロステップ駆動ではCCDAFを採用し、画像データを処理しながら合焦点が出た段階でレンズを停止させている。これにより合焦精度が高くなる。以上のように本発明では外付けの距離センサで検出された被写体距離までは二相励磁駆動でステッピングモータを駆動し、高速でレンズを送ると共に、その後CCDAF時はマイクロステップ駆動を採用し、震動をなくして精度良く短時間にレンズを合焦位置に停止させている。
以下図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明にかかるデジタルカメラ用自動合焦装置の全体構成を示すブロック図である。本装置は、基本的にステッピングモータ3と駆動部6と距離センサと画像処理部8と制御部10とで構成されている。ステッピングモータ3は一対のステータコイルを用いてロータをステップ回転するものである。このステッピングモータ3は、被写体(図示せず)をCCD1などで代表される撮像素子に結像するレンズ2をその光軸方向に駆動して、レンズ2を合焦位置にセットする為のものである。なおこのAF用レンズ2はデジタルカメラの鏡胴4内に組み込まれている。AF用レンズ2とステッピングモータ3の回転軸とは、ピニオンとラックを組み合わせた伝達機構5によって互いに連結されている。ステッピングモータ3のステップ回転は伝達機構5を介してAF用レンズ2の光軸方向に沿った直線変位に変換される。なおAF用レンズ2の光軸方向は双頭矢印で表されている。
駆動部6はドライバICなどで構成されており、ステッピングモータ3を二相励磁駆動またはマイクロステップ駆動のいずれかで回転駆動する。図示の例では、この駆動部6は、デコーダ61とパルスジェネレータ62と発振器(OSC)63と一対のHブリッジ回路64,65とオペアンプ66,68と電流センサ67,69などで構成されている。一方のHブリッジ回路64は出力電流OUT1,OUT2をステッピングモータ3の片方のコイルに供給する。他方のHブリッジ回路65は出力電流OUT3,OUT4をステッピングモータ3のもう片方のコイルに供給する。これらの出力電流OUT1ないしOUT4の波形を制御することで、ステッピングモータ3を二相励磁駆動またはマイクロステップ駆動する。出力電流の波形制御のためにデコーダ61,パネルジェネレータ62、OSC63が用いられる。またHブリッジ回路64を定電流制御するためにオペアンプ66と電流センサ67が用いられている。同様にHブリッジ回路65を定電流制御するためにオペアンプ68と電流センサ69が用いられている。
距離センサ7は被写体までの距離を測定してその結果を表す測距データを出力する。距離センサ7は例えば三角測距の原理に基づいて被写体までの距離を測定するものであり、アクティブ方式やパッシブ方式がある。アクティブ方式は被写体に光スポットを投光する投光部と被写体から反射した光スポット像を受光し、その受光位置に応じて測距データを出力する受光部とで構成されている。
デジタルシグナルプロセッサ(DSP)8で構成された画像処理部は、AF用レンズ2の駆動中CCD1から出力される画像データを逐次処理して、その結果から合焦点を検出する。具体的には、CCD1から出力されたアナログの画像信号がADC9によりデジタル化され、DSP8に取り込まれる。DSP8は高速でデジタル画像データを処理し、その結果から合焦点を検出する。具体的には、被写体画像のコントラストをモニタリングし、最も高いコントラストが得られた時点を合焦点とする。なお本実施形態では専用の高速DSP8を用いて画像処理を行っているが、この機能はCPU10に取り込むこともできる。
CPU10で構成される制御部は、距離センサ7から出力された測距データに基づいて駆動部6を制御し、ステッピングモータ3を二相励磁駆動して、レンズ2を測距データが表す被写体距離に対応した位置まで送り、次にステッピングモータ3をマイクロステップ駆動に切換え、合焦点が検出された位置で、ステッピングモータ3の駆動を停止する。この様に本発明のAF装置は、距離センサ7から出力された測距データで表される被写体距離までは二相励磁駆動でステッピングモータ3を駆動し高速にレンズ2を送る。その後CCDAF時はマイクロステップ駆動を行い、震動をなくして精度良く短時間にレンズ2を合焦位置に停止させる。
CPU10はドライバICなどで構成される駆動部6に内蔵されるデコーダ61に接続しており、所定のクロック信号CLK、制御信号MODE、シーケンスデータDATAなどを供給している。CPU10は距離センサ7から被写体の測距データを取り込み、これに基づいてステッピングモータ3の駆動パルス数を演算する。この演算されたパルス数データはMODE端子をローレベルLとしてデコーダ61側に供給される。MODE=LのときCPU10は駆動部6側に対して二相励磁駆動を指定する。この様にCPU10はMODE=Lとして二相励磁駆動を指定し且つ測距データに対応したパルス数をシーケンスデータDATAとしてデコーダ61に供給する。デコーダ61はこれらの情報を解釈して、ステッピングモータ3の二相励磁駆動に必要な波形を作り出す。パルスジェネレータ62はこの波形に基づいて実際にステッピングモータ3に供給する駆動電流パルスを生成する。CPU10は二相励磁駆動が完了した時点でMODE=Hに切換え、マイクロステップ駆動を指定する。CPU10はDSP8から出力されるデータをモニタリングしながらシーケンスデータDATAをデコーダ61側に供給し、CCDAFを実行する。DSP8で合焦点が検出された時点でCPU10は駆動部6側に停止制御をかけ、AF用レンズ2を目標の合焦位置で停止させる。
図2は、図1に示したAF装置のCPUで実行される制御動作を示すフローチャートである。起動がかかった後、ステップS1でまず距離センサ7から測距データを取り込む。次にステップS2で測距結果によりステッピングモータ3を二相励磁駆動する。これによりAF用レンズ2を目標位置近傍まで高速で送る。この後ステップS3でCCDAFをスタートさせる。具体的にはステップS4で駆動部6を制御してマイクロステップ駆動に切換える。ステップS5でDSP8からの出力データをモニタリングして合焦点に達したかどうかを判断する。合焦点に達するまでは判定がNoとなり、ステップS4のマイクロステップ駆動を続ける。合焦点に達した時点でステップS6に進み、AF用レンズ2を合焦位置で停止させる共に、シャッタ駆動に入る。これによりデジタルカメラの一回の露光動作が完了する。
以上の説明から明らかなように、本AF装置は撮影モードに移行したら距離センサで被写体距離を測定し、その結果をCPUに供給する。CPUは予め記憶してあるAFレンズの現在の位置データから測距データに基づきレンズの移動方向や移動パルス数を演算し、ドライバIC(駆動部)に送ってステッピングモータを二相励磁駆動する。この二相励磁駆動は最速駆動方式である。その後CCDAFで精度良くレンズを停止させる。CCDAFは合焦点をモニタリングしながらステッピングモータをフィードバック制御するので、温度特性のばらつきや光特性のばらつきの影響を受けることなく、高精度でステッピングモータを制御可能である。
図3は、図1に示した駆動部6から出力される駆動電流OUT1ないしOUT4の波形を示す波形図である。図示する様に、起動がかかったタイミングT1から途中のタイミングT2まで二相励磁駆動を行い、その後合焦点が検出されるタイミングT3までマイクロステップ駆動を行っている。場合によっては二相励磁駆動に代えて1−2励磁駆動を採用しても良い。一般にデジタルカメラもそれまでの銀塩メラの技術を導入することが多く、レンズ送りまでのステッピングモータ駆動は、二相励磁あるいは1−2相励磁方式が使われている。図示する様に、二相励磁駆動ではステッピングモータの一方のコイルに対して互いに逆相のパルス電流OUT1,OUT2を印加する。OUT1,OUT2のパルス波形は矩形であり、大きなトルクが得られる。ステッピングモータの他方のコイルにも一対の矩形波パルスOUT3,OUT4が印加される。OUT3とOUT4も互いに逆相である。またOUT3,OUT4はOUT1,OUT2に対して例えば位相が90°シフトしている。この様な位相関係の出力パルスOUT1ないしOUT4を一対のコイルに印加することで、ステッピングモータのロータは大きなトルクで且つ高速でステップ回転する。
一方マイクロステップ駆動では出力電流OUT1ないしOUT4の波形が、矩形パルスから例えば正弦波パルスに変わっている。但しOUT1ないしOUT4の位相関係は二相励磁駆動と同じである。マイクロステップ駆動では出力電流波形が矩形波から正弦波に変わるため、出力トルクが低下している。この分回転速度が遅くなるが、回転音が静かになる。被写体距離近傍までは二相励磁駆動で高速にレンズを送り、その後マイクロステップ駆動に切換えることで速やかにレンズを合焦位置に送れる。これによりシャッタのタイミングずれを防ぐことが可能である。
図4は、図1に示した駆動部6で行われるマイクロステップ駆動を示す波形図である。図示する様に、CPU10は駆動部6のデコーダ61側に対し、シーケンスデータDATAや制御信号MODEに加え、マイクロステップ駆動の基準となるクロック信号CLKを供給している。CPU出力はこのクロック信号CLKを表している。駆動部6側のデコーダ61は、CPU10から供給されるクロック信号CLKやDATA,MODEに基づき、デコーダ出力を生成する。このデコーダ出力は図示する様にマイクロステップ駆動で使われる電流波形の元になるものである。
デコーダ61で生成されたデコーダ出力はパルスジェネレータ62に送られる。このパルスジェネレータ62には発振器(OSC)63からの出力も供給されている。パルスジェネレータ62はデコーダ出力で規定される正弦波形に、このOSC出力を重畳することで、パルスジェネレータ出力OUTを得ている。図示する様に、このパルスジェネレータ出力OUTはほぼ正弦波形を有し、これに微細な矩形波パルス(OSC出力)が重なっている。マイクロステップ駆動は、この様に正弦波に微細な矩形パルスが重なった電流波形を用いている。換言するとステッピングモータはOSC出力の周期に合わせて細かくステップ回転しており、マイクロステップ駆動と呼ばれる所以である。二相励磁駆動に比べマイクロステップ駆動はロータの位置制御精度が格段に高い。このマイクロステップ駆動とCCDAFを組み合わせることで、非常に高い合焦精度を得ている。
パルスジェネレータ62から出力されたマイクロステップ波形は、一対のHブリッジ回路64,65に供給され、それぞれ対応する駆動電流OUT〜OUT4がステッピングモータ3側に印加される。図5は、Hブリッジ回路64の具体的な構成例を示す回路図である。Hブリッジ回路64は、基本的にブリッジ接続した4個のトランジスタT1ないしT4で構成されている。4個のトランジスタT1ないしT4からなるHブリッジは電源VBと接地ラインGNDとの間に接続されている。トランジスタT1とT2の接続ノードが出力端子OUT1となり、トランジスタT3とT4の接続ノードが出力端子OUT2になる。一致の出力端子OUT1とOUT2の間にステッピングモータのコイルが接続されている。各トランジスタT1ないしT4のベースに、パルスジェネレータ62から出力されたマイクロステップ波形が印加される。これに応答して各トランジスタT1ないしT4が動作し、図3に示したマイクロステップ駆動用の駆動電流を出力する。4個のトランジスタT1ないしT4からなるHブリッジと接地ラインGNDとの間に電流センサ67が挿入されている。本実施例ではこの電流センサ67は負荷抵抗Rからなる。トランジスタT2のベースにはオペアンプ66が接続されている。オペアンプ66の負入力端子には電流検出抵抗67から出力された電圧が印加されている。一方オペアンプ66の正入力端子には所定の基準電圧Vrefが供給されている。オペアンプ66は電源ラインVBから接地ラインGNDに向かってコイルに流れる電流が一定となるように、トランジスタT2を定電流制御している。図示しないが、トランジスタT4のベースにも別のオペアンプが接続されている。
本発明にかかるデジタルカメラ用自動合焦装置の全体的な構成を示すブロック図である。 図1に示したデジタルカメラ用自動合焦装置の動作説明に供するフローチャートである。 同じく動作説明に供する波形図である。 同じく動作説明に供する波形図である。 図1に示したデジタルカメラ用自動合焦装置に含まれるHブリッジ回路の一例を示す回路図である。
符号の説明
1・・・CCD、2・・・AF用レンズ、3・・・ステッピングモータ、6・・・駆動部(ドライバIC)、7・・・距離センサ、8・・・DSP、10・・・CPU

Claims (1)

  1. 被写体を撮像素子に結像するレンズをその光軸方向に駆動して、該レンズを合焦位置にセットするためのステッピングモータと、
    前記ステッピングモータを二相励磁駆動又はマイクロステップ駆動のいずれかで回転駆動する為の駆動部と、
    被写体までの距離を測定してその結果を表す測距データを出力する距離センサと、
    前記レンズの駆動中前記撮像素子から出力される被写体の画像データを逐次処理して、その結果から合焦点を検出する画像処理部と、
    該測距データに基づいて前記駆動部を制御し、前記ステッピングモータを二相励磁駆動して、前記レンズを該測距データが表す被写体距離に対応した位置まで送り、次に前記ステッピングモータをマイクロステップ駆動に切り替え、該合焦点が検出された位置で、前記ステッピングモータの駆動を停止する制御部とを有する
    デジタルカメラ用自動合焦装置。
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