JP2007149379A - コネクタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】嵌合凹部22の底面23にはシール剤sの充填凹部25が形成されるとともに、その回りに限界段差面30が形成され、充填凹部25と限界段差面30との外周縁の間に環形領域ができるが、一部に幅広の目視領域32が形成される。充填凹部25の上縁の回りには、限界段差面30よりも一段下がった検知段差面34が形成され、目視領域32では、検知段差面34と限界段差面30とが、目視領域32の幅のほぼ半分ずつの広い幅で内外に形成される。目視領域32を上方から見た場合、検知段差面34が見えずに限界段差面30が見えた場合には、シール剤sの充填量が適正と判別される。一方、両段差面34,30がともに見えた場合には、充填量が少な過ぎ、また、両段差面34,30がともにシール剤sで覆われて見えない場合には、逆に充填量が多過ぎると判別される。
【選択図】図3
Description
そのため従来は、嵌合凹部の周壁に溝等の目印を設けて、シール剤の充填高さを目視により確認するようにしていたが、シール剤の充填部分が嵌合凹部の底面といった奥まった箇所にあるため、適切な充填高さにあるか否かの判別がし難いという問題があった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、シール剤の充填量の適否を目視により正確に判別できるようにするところにある。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載のものにおいて、前記目視領域は、前記充填凹部が前記限界段差面とは偏心した位置に設けられることで形成されているところに特徴を有する。
シール剤が検知段差面のみを覆った高さにあるときが適正な充填量と設定される。シール剤の充填が完了したのち、嵌合凹部内の目視領域を上方から目視した場合に、シール剤が検知段差面を覆いその外側の限界段差面が残っている場合には、充填量が適正であると判別できる。充填量が少な過ぎる場合は、検知段差面と限界段差面とがともに目視され、逆に充填量が多過ぎる場合は、検知段差面と限界段差面の両方がシール剤で覆われる。
目視領域では、検知段差面と限界段差面が、いずれも幅が広く形成されているから、上記した三態様を目視により正確に判別でき、すなわちシール剤の充填量の適否が正確に判別できる。しかも、検知段差面と限界段差面を幅広に形成するについては、充填凹部の形状や形成位置を工夫することで、一部のみに幅広の目視領域を設けるようにしたから、コネクタ全体の大型化を招くことが回避される。
充填凹部の平面形状を、限界段差面のそれと異ならせることにより、周方向の一部において幅広の目視領域が形成される。
<請求項3の発明>
充填凹部を、限界段差面の中心から偏心した位置に設けることにより、周方向の一部において幅広の目視領域が形成される。
以下、本発明の一実施形態を図1ないし図6によって説明する。
この実施形態では、ミッションケースに設けられる中継コネクタを例示している。このコネクタは、両端にそれぞれ相手のコネクタとの接続部分を備え、図4に参照して示すように、ミッションケースの上面板A等を貫通して取り付けられて、同ミッションケースの内外の機器間を電気接続するのに使用される。以下には主に、このコネクタのうちでシール剤の充填、いわゆるポッティングが施される外部側の接続部分の構造について説明する。
詳細には、各雄端子12は複数本ずつがインサート成形により一次成形体15に対して貫通状に埋設され、雄端子12を含む一次成形体15を中子として、二次のインサート成形が施されて二次成形体16が形成されることにより、上記したコネクタ本体10が形成されるようになっている。
なお厳密には、雄端子12のタブ13は充填凹部25の底面25Aから上方に突出しており、同底面25Aにおける各タブ13の突出位置には、山形部27が形成されている。また、突出した各タブ13の根元部分には、食い込み溝14が両面に形成されている。
限界段差面30の外周縁の平面形状は、充填凹部25よりも一回り大きい円形で、図1の左側縁側のみ、充填凹部25の左側縁に倣って直線状になっている。上記したように、充填凹部25が少し左側に偏心して形成されていることで、充填凹部25の右側縁と嵌合凹部22の右側壁との間には余裕があるため、限界段差面30の右側縁は円形のままで、充填凹部25の右側縁の外側に大きく突出している。
このように限界段差面30が形成された結果、充填凹部25の外周縁と、限界段差面30の外周縁との間には、環形の領域ができるが、この環形の領域のうち、充填凹部25の右側縁の外側に対応する長さ領域が、他の領域に比べて幅広となる。この幅広の領域が目視領域32とされている。
そして、上記した幅の広い目視領域32、特にその長さ方向の中央部では、検知段差面34と限界段差面30とが、目視領域32の幅のほぼ半分ずつの広い幅をもって内外に形成された状態となる。
上記のようにインサート成形により形成されたコネクタは、嵌合凹部22を上向きにした姿勢で充填装置にセットされ、充填凹部25に対してディスペンサの注入ノズル(図示せず)からシール剤sが所定量充填される。充填されたシール剤sの色は、コネクタ本体10とは異なっている。シール剤sが固化したら、検査工程に搬送される。
充填量が少な過ぎる場合は、図4に示すように、シール剤sの上面位置h1が検知段差面34よりも下方に留まり、目視領域32を上方から見た場合には、図5に示すように、検知段差面34とその外側の限界段差面30とがともに露出していて目視される。逆に充填量が多過ぎる場合は、図4に示すように、シール剤sの上面位置h2が、限界段差面30より上方に達し、図6に示すように、検知段差面34と限界段差面30の両方がシール剤sで覆われ、したがって両面34,30を目視することができない。このような場合は、シール不適正と判定される。
目視領域32では、検知段差面34と限界段差面30とがいずれも幅の広いものに形成されているから、上記した三態様を目視により正確に判別でき、すなわちシール剤sの充填量の適否が正確に判別できる。しかも、検知段差面34と限界段差面30を幅広に形成するについては、充填凹部25の形成位置を偏心させ、それとともに、限界段差面30の平面形状を充填凹部25のそれと異ならせることで、一部のみに幅広の目視領域32を設けるようにしたから、コネクタ全体の大型化を招くことが回避される。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では、限界段差面を、相手の雌コネクタが当たる嵌合面となる嵌合凹部の底面よりも一段下に設定したが、嵌合面そのものを限界段差面としてもよく、そのようなものも本発明の技術的範囲に含まれる。
(2)幅の広い目視領域を形成する手段としては、上記実施形態に例示したように、充填凹部と限界段差面の外周縁の平面形状を異ならせる以外に、両者を偏心位置に形成したり、また平面形状の相違と偏心位置に設けることの両方を備えるようにしてもよい。
(3)本発明は、ミッションケースに装備される中継コネクタに限らず、他の用途の中継コネクタ、さらには、コネクタ本体に端子金具をインサート成形により埋設してシール剤を充填することでシールするようにしたコネクタ全般に広く適用することができる。
12…雄端子(端子金具)
13…タブ
20…フード部
22…嵌合凹部
23…(嵌合凹部22の)底面
25…充填凹部
30…限界段差面
32…目視領域
34…検知段差面
s…シール剤
Claims (3)
- 合成樹脂製のコネクタ本体には相手のコネクタが嵌合される嵌合凹部が形成され、この嵌合凹部の底面からは端子金具が突設されるとともに、この突出した端子金具の根元部分の回りにはシール剤が充填されたコネクタにおいて、
前記嵌合凹部の底面における前記端子金具の突設位置を包含する範囲には、前記シール剤の充填凹部が凹み形成されるとともに、その回りには、前記シール剤の上限位置に対応する高さ位置において限界段差面が形成され、前記充填凹部の外周縁と前記限界段差面の外周縁との間の幅が、周方向の一部の長さ領域が残りの長さ領域よりも広くなるように形成されることによって目視領域が設けられており、
かつ前記充填凹部の外周縁の回りには、前記限界段差面よりも一段下がった検知段差面が形成され、少なくとも前記目視領域では、前記検知段差面の幅が、前記充填凹部の外周縁と前記限界段差面の外周縁との間の前記幅の半分程度に設定されていることを特徴とするコネクタ。 - 前記目視領域は、前記充填凹部と前記限界段差面との平面形状が異なることで形成されていることを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
- 前記目視領域は、前記充填凹部が前記限界段差面とは偏心した位置に設けられることで形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載のコネクタ。
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