JP5067304B2 - コネクタ - Google Patents
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Description
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、一括ゴム栓のシール孔が、その後方に位置するガイド孔に対して位置ずれするのを防止することを目的とする。
端子金具が正しい姿勢のときは、スタビライザが逃がし溝を通過しながら端子金具は貫通孔とシール孔を貫通してハウジング内に挿入されるが、端子金具が不正な姿勢のときには、スタビライザがガイド孔の開口縁に対して後方から干渉することにより、端子金具の挿入動作が規制される。シール孔の近傍位置から突出した突起部が貫通孔の内面に当接することにより、シール孔がガイド孔に対して位置ずれすることが防止される。
1つの貫通孔に一対の突起部を進入させ、その一対の突起部の間の部分を逃がし溝として機能させた場合には、一対の突起部が互いに接近するように変形し、この突起部の変形によりガイド孔に対してシール孔が位置ずれを許容することが懸念される。これに対し、本発明では、突起部を1つだけとすることができるので、突起部の変形を抑制し、突起部の変形に起因するシール孔の位置ずれを防止することができる。
突起部が貫通孔の3つの内面に当接しているので、シール孔の位置ずれを3方向において防止できる。
突起部が、貫通孔の内面に対して面接触状態で当接しているので、突起部が貫通孔の内面に押圧されたときに、局部的に突起部が弾性変形するという事態が生じ難く、その分、突起部の位置ずれが抑制され、ひいては、シール孔の位置ずれを確実に抑制することができる。
ガイド孔の4つの縁部のうち、端子金具が不正な姿勢のときにスタビライザが干渉する3つの縁部は、全て一括ゴム栓よりも剛性の高い貫通孔の開口縁であるから、端子金具の不正な姿勢での挿入を確実に防止することができる。
端子金具を1つずつ挿入していく過程で、シール孔が左右方向に押されても、突起部は貫通孔の左右両内面に当接しているので、シール孔の左右方向への位置ずれが規制される。また、上段側のシール孔が上方に押されても、上段側の突起部は貫通孔の上側の内面に当接しているので、シール孔の上方への位置ずれが規制される。同様に、下段側のシール孔が下方に押されても、下段側の突起部は貫通孔の下側の内面に当接しているので、シール孔の下方への位置ずれが規制される。尚、シール孔は上下2段に分かれているので、上段側のシール孔が下方へ押されることはなく、下段のシール孔が上方へ押されることはない。このように本発明では、端子金具の挿入に伴うシール孔の位置ずれは、いずれのシール孔についても、確実に防止される。
以下、本発明を具体化した実施形態1を図1乃至図9を参照して説明する。本実施形態のコネクタは、合成樹脂製のハウジング10と、ハウジング10内に挿入される複数の端子金具20と、ハウジング10に組み付けられる一括ゴム栓30と、ハウジング10に組み付けられるリヤホルダ40とを備えて構成されている。
コネクタの組付けは、ハウジング10に一括ゴム栓30を取り付けた後に、リヤホルダ40を取り付け、その後、複数の端子金具20を、1つずつ、後方からリヤホルダ40と一括ゴム栓30を通過させてハウジング10内に挿入する、という手順によって行われる。端子金具20を挿入する際には、まず、端子金具20の姿勢を正しく決める。即ち、上段のキャビティ11に挿入する端子金具20については、端子本体21の上面からスタビライザ25が突出する向きとし、下段のキャビティ11に挿入する端子金具20については、端子本体21の下面からスタビライザ25が突出する向きとする。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施態様も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では突起部の一部を切欠することによって逃がし溝を形成したが、1つの貫通孔に一対の突起部を進入させ、その一対の突起部の間の部分を逃がし溝として機能させてもよい。
(2)上記実施形態では突起部が貫通孔の3つの内面に当接するようにしたが、突起部は、貫通孔の1つの内面のみに当接する形態、貫通孔の2つの内面のみに当接する形態、また4つの内面全てに当接する形態であってもよい。
(3)上記実施形態では突起部が貫通孔の内面に対して面接触状態で当接するようにしたが、貫通孔の内面に対する突起部の当接形態は、線接触でもよく、点接触でもよく、面接触と線接触と点接触のうちの複数の接触の組み合わせであってもよい。
(4)上記実施形態ではガイド孔の4つの内面のうち3つを貫通孔の内面で構成し、1つを突起部で構成したが、ガイド孔の4つの内面の構成形態としては、2つが貫通孔の内面で構成され、2つが突起部で構成される形態、1つが貫通孔の内面で構成され、3つが突起部で構成される形態、4つ全てが突起部で構成される形態のいずれの形態であってもよい。
(5)上記実施形態ではガイド孔を方形としたが、ガイド孔は方形以外の形状であってもよい。
(6)上記実施形態では、ガイド孔の4つの縁部のうち、端子金具が不正な姿勢のときにスタビライザが干渉する3つの縁部は、全て一括ゴム栓よりも剛性の高い貫通孔の開口縁としたが、端子金具が不正な姿勢のときにスタビライザが当接する縁部が、ゴム製の突起部で構成されていてもよい。
(7)上記実施形態では突起部の後端が貫通孔の後端よりも前方に位置する形態としたが、突起部の後端が貫通孔(リヤホルダ)の後端と同じ位置であってもよい。
20…端子金具
21…端子本体
25…スタビライザ
30…一括ゴム栓
32…シール孔
34…突起部
35…逃がし溝
40…リヤホルダ
42…貫通孔
43…ガイド孔
Claims (6)
- 端子本体の外面にスタビライザが突出形成された端子金具と、
複数の前記端子金具を後方から挿入させるハウジングと、
複数のシール孔が貫通して形成されていて、前記ハウジングの後端面に組み付けられる一括ゴム栓と、
前記一括ゴム栓よりも剛性の高い材料からなり、前記シール孔と対応する複数の貫通孔が形成されていて、前記一括ゴム栓の後面に当接して組み付けられるリヤホルダとを備え、
前記一括ゴム栓には、前記複数のシール孔の近傍位置から後方へ突出した形態であって、前記貫通孔内に進入してその内面に当接する複数の突起部が形成されており、
前記貫通孔内には、前記突起部が存在することにより、前記貫通孔の貫通方向と交差する方向において前記端子本体を位置決めしながら挿通させるガイド孔と、前記端子金具が正しい姿勢のときにのみ前記スタビライザの通過を許容する逃がし溝とが形成されていることを特徴とするコネクタ。 - 前記突起部の一部を溝状に切欠することにより、前記逃がし溝が形成されていることを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
- 前記貫通孔の開口形状は方形をなしており、
前記突起部が、前記貫通孔の4つの内面のうち3つの内面に当接されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のコネクタ。 - 前記突起部が、前記貫通孔の内面に対して面接触状態で当接していることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のコネクタ。
- 前記ガイド孔の開口形状は、方形とされており、
前記スタビライザの数は、1つとされており、
前記ガイド孔の4つの内面のうち、前記逃がし溝が臨む1つの内面のみが前記突起部によって構成され、他の3つの内面が前記貫通孔の内面によって構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のコネクタ。 - 前記複数のシール孔と前記複数の貫通孔が、上下2段に分かれて左右に並列配置されており、
上段側の前記突起部は、前記貫通孔の上側の内面及び左右両内面に当接し、
下段側の前記突起部は、前記貫通孔の下側の内面及び左右両内面に当接していることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のコネクタ。
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