JP7200913B2 - メスコネクタ、コネクタ対、コネクタ付きワイヤーハーネス、及び基板ユニット - Google Patents
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Description
複数のメス端子と、ハウジングとを備えるメスコネクタであって、
前記メス端子の数が40以上であり、
前記ハウジングは、前記複数のメス端子を保持する本体部と、フード部とを備え、
前記フード部は、前記本体部の外周を囲み、オスコネクタとの接続側とは反対側が閉じた四角筒状であり、
前記フード部において、ゲート痕が設けられた第一の側壁部と前記第一の側壁部に隣り合う第二の側壁部との角部は、厚肉部と薄肉部とを備え、
前記薄肉部は、前記角部において、前記第一の側壁部と前記第二の側壁部との稜線方向に沿って、前記オスコネクタとの接続側の端面及び前記オスコネクタとの接続側とは反対側の端面のうち、一方の端面から他方の端面にいたらない中間位置までに設けられており、
前記厚肉部は、前記角部において、前記薄肉部を囲むようにU字状に設けられており、
前記角部の内周面は、凹凸を有さない一様な面である。
本開示のメスコネクタと、
40以上のオス端子を有するオスコネクタとを備える。
本開示のメスコネクタと、
複数の電線とを備え、
前記複数の電線のそれぞれは、前記複数のメス端子のそれぞれに接続される。
本開示のメスコネクタ、又は本開示のコネクタ付きワイヤーハーネスと、
40以上のオス端子を有するオスコネクタと、
プリント配線基板とを備え、
前記オス端子のそれぞれの一端部は、前記メス端子のそれぞれに接続され、
前記オス端子のそれぞれの他端部は、前記プリント配線基板に接続される。
最初に本開示の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本開示の一態様に係るメスコネクタは、
複数のメス端子と、ハウジングとを備えるメスコネクタであって、
前記メス端子の数が40以上であり、
前記ハウジングは、前記複数のメス端子を保持する本体部と、フード部とを備え、
前記フード部は、前記本体部の外周を囲み、オスコネクタとの接続側とは反対側が閉じた四角筒状であり、
前記フード部において、ゲート痕が設けられた第一の側壁部と前記第一の側壁部に隣り合う第二の側壁部との角部は、厚肉部と薄肉部とを備え、
前記薄肉部は、前記角部において、前記第一の側壁部と前記第二の側壁部との稜線方向に沿って、前記オスコネクタとの接続側の端面及び前記オスコネクタとの接続側とは反対側の端面のうち、一方の端面から他方の端面にいたらない中間位置までに設けられており、
前記厚肉部は、前記角部において、前記薄肉部を囲むようにU字状に設けられており、
前記角部の内周面は、凹凸を有さない一様な面である。
前記本体部を前記メス端子の軸方向に直交する平面で切断した断面において、前記本体部を内包する最小の長方形をとり、
前記複数のメス端子は、前記長方形の長辺方向に沿って間隔をあけて並べられると共に、前記長方形の短辺方向に間隔をあけて並べられており、
前記本体部における前記長辺方向に隣り合う前記メス端子の間隔の最大値が2.5mm以下である形態が挙げられる。
前記本体部における前記短辺方向に隣り合う前記メス端子の間隔の最大値が3.6mm以下である形態が挙げられる。
前記ハウジングを前記メス端子の軸方向に平面視した状態において、前記ハウジングを内包する最小の長方形をとり、
前記ハウジングにおける前記長方形の長辺方向に沿った長さが63mm以下であり、
前記ハウジングにおける前記長方形の短辺方向に沿った長さが30mm以下である形態が挙げられる。
上記(1)から(4)のいずれか1つのメスコネクタと、
40以上のオス端子を有するオスコネクタとを備える。
上記(1)から(4)のいずれか1つのメスコネクタと、
複数の電線とを備え、
前記複数の電線のそれぞれは、前記複数のメス端子のそれぞれに接続される。
上記(1)から(4)のいずれか1つのメスコネクタ、又は上記(6)のコネクタ付きワイヤーハーネスと、
40以上のオス端子を有するオスコネクタと、
プリント配線基板とを備え、
前記オス端子のそれぞれの一端部は、前記メス端子のそれぞれに接続され、
前記オス端子のそれぞれの他端部は、前記プリント配線基板に接続される。
前記プリント配線基板は、エンジンの燃料噴射及びエンジン点火の少なくとも一方を制御する制御回路を備える形態が挙げられる。
以下、図面を参照して、本開示の実施の形態を詳細に説明する。図中の同一符号は、同一名称物を示す。
以下、図1から図14を参照して、実施形態1のメスコネクタ、実施形態1のコネクタ対、実施形態1のコネクタ付きワイヤーハーネス、実施形態1の基板ユニットを順に説明する。
なお、図面は、簡略化したり、一部の構成を省略したりして示すことがある。
図2,図3は、実施形態1のメスコネクタ2と、メスコネクタ2に嵌め合わされるオスコネクタ3とをそれぞれ、オスコネクタ3とメスコネクタ2との嵌め合い方向に平行な平面で切断した縦断面図である。上記嵌め合い方向は、メス端子20の軸方向、及びメス端子20が配置される極孔225の軸方向に実質的に平行である。また、上記嵌め合い方向は、オス端子30が配置される極孔325の軸方向に実質的に平行である。上記嵌め合い方向は、図2,図3では左右方向である。
図2,図3は、メスコネクタ2に図示される三つの極孔225のうち、上下二つの極孔225にメス端子20が収納された状態を示す。中央の極孔225についてはメス端子20の図示を省略する。また、メス端子20は、図2,図3のみに示し、その他の図では省略する。
図4,図6は、メスコネクタ2のハウジング21のみを実線で示す。
主に図1から図11を参照して、実施形態1のメスコネクタ2を説明する。
〈概要〉
実施形態1のメスコネクタ2は、図1に示すように、複数のメス端子20(図2)とハウジング21とを備えるブロック状の部材である。各メス端子20は、主として、電気的な接続部材として利用される。ハウジング21は、複数のメス端子20を一体に保持すると共に、隣り合うメス端子20同士を電気的に絶縁する。また、ハウジング21は、主として、機械的な接続部材として利用される。
《概要》
ハウジング21は、代表的には、樹脂組成物からなる成形体である。また、ハウジング21は、図1に示すように、本体部22と、フード部23とを備える一体物である。
ハウジング21の構成材料、アタッチメント5の構成材料、及び後述するオスコネクタ3のハウジング31の構成材料は、樹脂組成物等の電気絶縁材料が挙げられる。
本体部22は、図1,図4に示すように複数の極孔225を備える。各極孔225は、本体部22におけるオスコネクタ3との接続側の端面221から、オスコネクタ3との接続側とは反対側の端面222に貫通する(図2)。各極孔225は、メス端子20の外形に対応した形状、大きさを有しており、同一形状、同一の大きさである。本例では、各極孔225は、直方体状の孔である。
フード部23は、図1に示すように、本体部22の外周を囲む。また、図2に示すように、フード部23は、オスコネクタ3との接続側とは反対側が閉じた有底筒状である。
図6は、ハウジング21において、ゲート痕230が設けられた第一の側壁部231と、この側壁部231に連なる角部233とが手前に位置するように、第二の端面222側からみた斜視図である。
図7は、ハウジング21を極孔225の軸方向に平行な平面で切断した状態を示す斜視図である。ハウジング21のうち、図7に示す左斜め下側の領域は、ゲート痕230を備える第一の側壁部231と厚肉部235との境界近くを図6に一点鎖線で示す切断線で切断した状態を示す。ハウジング21のうち、図7に示す右斜め上側の領域は、本体部22における極孔225を備える箇所を上記切断線で切断した状態を示す。
本例の装着部24は、図2に示すように、本体部22の第二の端面222から極孔225の軸方向に沿って延設される筒状の部分である(図6,図7も参照)。装着部24は、防水栓6とアタッチメント5とを収納する空間を構成する。
その他、フード部23は、オスコネクタ3のフード部33と噛み合う図示しないロック機構を備える。ロック機構は、例えば、オス側のフード部33に設けられる爪部と、メス側のフード部23に設けられる凹部とを備えることが挙げられる。爪部及び凹部の図示は省略する。爪部が凹部に嵌め込まれることで、フード部23,33同士が強固に固定される。凹部は、メス側のフード部23のうち、上述の角部233以外の箇所、例えば第二の側壁部232に設けられる。また、フード部23は、第一の側壁部231の内側に凹部を有する(図1)。この凹部には、後述する図12に示すように、オス側のフード部33において、短辺方向に沿った箇所の外周面に設けられる突部が嵌め込まれる。更に、フード部23は、第二の側壁部232において角部233側の領域の内周面に溝部を有する(図1)。各溝部には、図12に示すオス側のフード部33の上面に設けられる突条が嵌め込まれる。
図2に示すメス端子20はいずれも、所定の形状の板片を所定の形状に折り曲げられてなる導電部材である。板片の構成材料は、金属等の導電性材料である。メス端子20はいずれも、同一形状、同一の大きさである。従って、以下の説明は、一つのメス端子20を例に行う。
メス端子20の一端側の領域は、オス端子30との接続箇所である。メス端子20の他端側の領域は電線7との接続箇所である。オス端子30との接続箇所は、ハウジング21の本体部22に設けられる極孔225に嵌め込まれる。本例では、本体部22に設けられる後述するランス部252の先端部がメス端子20に備えられる凹部に嵌め込まれる。これらの嵌め込みによって、メス端子20はハウジング21に保持される。
メス端子20は、代表的には、図14に示すように、基材200と、基材200の表面の少なくとも一部を覆うめっき層201とを備える。図14は、メス端子20及びオス端子30において、表面近くの領域を拡大して示す模式断面図である。オス端子30の表面状態については後述する。
銅合金は、添加元素を含み、残部がCu及び不可避不純物からなり、Cuを最も多く含む合金である。添加元素は、例えば錫(Sn)、リン(P)、亜鉛(Zn)、鉄(Fe)等が挙げられる。添加元素の合計含有量は例えば0.05質量%以上40質量%以下が挙げられる。具体的な銅合金として、SnとPとを含むリン青銅、Znを含む黄銅、Feを含む鉄入り銅等が挙げられる。
メスコネクタ2に備えられるメス端子20の数は40以上である。メス端子20の数は、メスコネクタ2の用途等に応じて適宜選択できる。本例のメス端子20の数は、48である。メス端子20の数は、例えば49以上、50以上、51以上、54以上でもよい。
オスコネクタ3とメスコネクタ2とが嵌め合わされていない状態、即ち非接続状態において、メス端子20の最小間隔C2(図2)は、例えば、一つのオス端子30の厚さt3の0.6倍以上0.9倍以下が挙げられる。最小間隔C2は、非接続状態にある一つのメス端子20において、オス端子30を収納すると共に、オス端子30に接触する箇所の間隔のうち、最小値である。つまり、最小間隔C2は、一つのメス端子20において、上述のオス端子30を挟む箇所の最小距離である。本例では、最小間隔C2は、上述のばね片205と筒部の内面との間の最小距離である。
メスコネクタ2は、上述のように40以上の極孔225を備える。この点で、メスコネクタ2は大型になり易いといえる。しかし、本例のメスコネクタ2は、以下の点から小型である。
(1)メスコネクタ2は嵌合レバーを備えていない。
(2)メスコネクタ2はリテーナを備えていない。
(3)本体部22の長辺方向及び短辺方向の双方において多段に極孔225が配列されている。
(4)本体部22における隣り合うメス端子20の間隔C2W,C2Hの最大値が小さい。
(5)本体部22が横長の長方形状である。
本例のハウジング21は、図1,図2,図4に示すように本体部22に設けられた複数の検知孔25及び複数のランス部252(図2,図3)を備える。各検知孔25及びランス部252は、リテーナに代えて、本体部22に対して、メス端子20の挿入位置の適否を検知することに利用される。各検知孔25は、同一の構造、同一形状、同一の大きさである。各ランス部252は、同一の構造、同一形状、同一の大きさである。従って、以下の説明は、一つの検知孔25、一つのランス部252を例に行う。
検知ピンの先端部を検知孔25に挿入する。検知ピンの移動に伴い、プローブピンもメス端子20側に移動される。
検知ピンがランス部252に阻害されることなく、検知孔25の奥まで挿入されると、プローブピンは、メス端子20の筒部に挿入されると共に、上記筒部に接する。その結果、プローブピンに接続される電気回路は、メス端子20及び電線7を介して導通状態となる。表示部が作動することで、メス端子20の挿入位置が適切であることが検知される。同時に、メス端子20及び電線7が導通可能であることも検知される。
検知ピンがランス部252に接触して、検知孔25の奥に挿入できない場合、プローブピンはメス端子20に接触できない。そのため、メス端子20の挿入位置が不適切であることが検知される。
以下、主に図2,図8を参照して、シールリング部4を説明する。
シールリング部4は、図2に示すように本体部22に取り付けられて、オスコネクタ3とメスコネクタ2との間の止水性を高めることに寄与する(図3も参照)。
環状部40は、ハウジング21の本体部22において第二の端面222側の領域の外周に装着される部分である。そのため、環状部40の外周は、フード部23に覆われる。取付部42は、シールリング部4をハウジング21に固定する部分である。
以下、主に図2を参照して、防水栓6を説明する。
防水栓6は、装着部24の内側に嵌め込まれて、メスコネクタ2の止水性を高めることに寄与する。
以下、主に図9から図11を参照して、アタッチメント5を説明する。
アタッチメント5は、メスコネクタ2のハウジング21に対して着脱可能な部材である。アタッチメント5は、ハウジング21に備えられる極孔225の数をメス端子20の使用数に応じて減じる場合に利用される。
この場合、アタッチメント5をハウジング21の装着部24に装着しない。そのため、極孔225の数は、本体部22に設けられた数のままである。本例では、極孔225の数は54のままである。図10に示すように、ハウジング21に防水栓6が配置される場合には、極孔225の数は、防水栓6の保持孔65の数に相当し、54のままである。各極孔225にメス端子20(図2)が配置されることで、メスコネクタ2は、54極のコネクタとして利用できる。なお、図10は、主に、ハウジング21及び防水栓6を示す。
この場合、アタッチメント5をハウジング21の装着部24に装着する。詳しくは、防水栓6の保持孔65のうち、所定の保持孔65にそれぞれ、アタッチメント5の閉鎖ピン51を挿入する。また、本体部50を装着部24に配置すると共に、装着部24の凹部237及び図示しない孔にそれぞれ突起57及び爪部58を嵌め込む。アタッチメント5が装着された状態では、使用可能な極孔225の数は、図11に示すようにアタッチメント5の貫通孔55の数に減じられる。本例では、使用可能な極孔225の数は、54から48に減じられる。閉鎖ピン51に塞がれていない残りの保持孔65を経て、これらの保持孔65に連通する極孔225にそれぞれ、メス端子20(図2)が配置されることで、メスコネクタ2は、48極のコネクタとして利用できる。なお、図11は、主に、ハウジング21及びアタッチメント5を示す。
本例のメスコネクタ2は、例えば、以下のようにして構築される。
(1)メスコネクタ2において、本体部22とフード部23との間にシールリング部4を挿入して、本体部22の外周にシールリング部4を装着する。
(2)電線7が接続された各メス端子20をアタッチメント5の各貫通孔55、防水栓6の各保持孔65に順に挿通する。なお、防水栓6にアタッチメント5を予め取り付けてもよい。
(3)電線7の外周に防水栓6及びアタッチメント5を挿通させた状態で、各メス端子20をメスコネクタ2の本体部22に設けられた各極孔225の所定の位置まで挿入する。
(4)メスコネクタ2の装着部24に、防水栓6、アタッチメント5を順に嵌め込む。
(5)メス端子20を挿入後、上述のように検知孔25を利用して、メス端子20の挿入位置の適否を確認する。不適切な場合には、メス端子20の配置位置を是正する。
実施形態1のコネクタ対1は、図2,図3に示すように、実施形態1のメスコネクタ2と、オスコネクタ3とを備える。オスコネクタ3は、40以上のオス端子30を有する。以下、主に、図12、図13を参照して、オスコネクタ3を説明する。
オスコネクタ3は、図12に示すように、複数のオス端子30が有底筒状のハウジング31に保持された部材である。各オス端子30は、主として、電気的な接続部材として利用される。ハウジング31は、複数のオス端子30を一体に保持すると共に、隣り合うオス端子30同士を電気的に絶縁する。また、ハウジング31は、主として、機械的な接続部材として利用される。
オス端子30はいずれも、金属等の導電性材料からなる棒状の導電部材である。オス端子30はいずれも、同一形状、同一の大きさである。従って、以下の説明は、一つのオス端子30を例に行う。
オス端子30の一端側の領域は、メス端子20との接続箇所である(図3)。オス端子30の他端側の領域は例えばプリント配線基板8等との接続箇所である(図3)。オス端子30の中間部は、後述するハウジング31の本体部32に設けられる極孔325に圧入される(図2)。この圧入によって、オス端子30はハウジング31に保持される。また、オス端子30の中間部が折り曲げられることで、オス端子30はL字状である(図2,図3)。
オス端子30は、代表的には、図14に示すように、基材300と、基材300の表面の少なくとも一部を覆うめっき層301とを備える。
オス端子30のうち、メス端子20が接続される一端側の領域の厚さt3(図13,図2)は、メス端子20の筒部の大きさ、最小間隔C2に応じて選択するとよい。例えば、オス端子30の厚さt3は、0.3mm以上5.0mm以下が挙げられる。
オスコネクタ3に備えられるオス端子30の数は、メス端子20の数と同じであり、40以上である。本例では、オス端子30の数は48である。オス端子30の数は、メス端子20の数に応じて選択するとよい。
《概要》
ハウジング31は、代表的には、樹脂組成物からなる成形体である。また、ハウジング31は、本体部32と、フード部33とを備える一体物である(図2)。本体部32は、複数のオス端子30を保持する板状の部分である(図2)。フード部33は、本体部32におけるメスコネクタ2との接続側に位置する内端面から立設される筒状の部分である。いわば、ハウジング31は、本体部32を底部とする有底筒状である。
本体部32は、複数の極孔325を備える。各極孔325は、本体部32の内端面から、メスコネクタ2との接続側とは反対側に位置する外端面に貫通する(図2)。各極孔325には、オス端子30が圧入されると共に貫通される。そのため、各オス端子30の一端側の領域は、本体部32の内端面から突出する。各オス端子30の他端側の領域は、本体部32の外端面から突出する。
フード部33は、図12に示すように、複数のオス端子30におけるメス端子20との接続側の領域を囲む。そのため、各オス端子30の一端側の領域は、フード部33に覆われる。各オス端子30の他端側の領域は、フード部33に覆われずに露出される(図2も参照)。
本例では、更に、フード部33の内周面338のうち、短辺方向に沿った二面はそれぞれ、向かい合う方向に突出するリブ331を備える。短辺方向に沿った二面は、図13では左面、右面である。リブ331は図13では左右方向に突出する。本例では、内周面338のうち、長辺方向に沿った二面もそれぞれ、向かい合う方向に突出するリブ332を備える。長辺方向に沿った二面は、図13では上面、下面である。リブ332は図13では上下方向に突出する。リブ331,332を備えることで、フード部33は、剛性を高められる。
リブ331における内周面338からの突出高さは、接続状態において、リブ331とメス側の本体部22とが接触しない大きさである。即ち、上記突出高さは、接続状態におけるオス側のフード部33の内周面338とメス側の本体部22の外周面との間隔より若干小さい。この点は、図3のリブ332と本体部22とを参照されたい。
リブ331は、フード部33の開口縁より内側の位置から本体部32にいたる範囲に、フード部33の軸方向に沿って設けられている。そのため、リブ331におけるフード部33の軸方向に沿った長さは、フード部33における上記軸方向に沿った長さより短い。なお、リブ331の上記長さとフード部33の上記長さとが同じでもよい。即ち、リブ331は、フード部33の開口縁から本体部32にいたるように設けられてもよい。
実施形態1のコネクタ対1では、一組の挿入力が1.6N以下であることが挙げられる。一組の挿入力は、一つのオス端子30を一つのメス端子20に挿入するときの力である。即ち、一組の挿入力は、オス端子30をメス端子20の筒部の所定の位置にまで挿入するために必要な荷重である。一組の挿入力の測定方法の詳細は、後述する試験例で説明する。
オスコネクタ3とメスコネクタ2とを嵌め合わす際には、オスコネクタ3に備えられる各オス端子30とメスコネクタ2に備えられる各メス端子20との接続と、ハウジング21,31同士の接続と、ロック機構による固定とが必要である。そのため、上述の合計挿入力と、オス側のフード部33とシールリング部4との摩擦力と、上述のロック機構の摩擦力とを合わせた力が必要である。嵌め合い荷重は、上記の合わせた力の最大値で表される。嵌め合い荷重の測定方法の詳細は、後述する試験例で説明する。
以下、主に図3を参照して、実施形態1のコネクタ付きワイヤーハーネス10を説明する。
実施形態1のコネクタ付きワイヤーハーネス10は、実施形態のメスコネクタ2と、複数の電線7とを備える。各電線7は、メスコネクタ2に備えられるメス端子20のそれぞれに接続される。
以下、主に図3を参照して、実施形態の基板ユニット100を説明する。
実施形態1の基板ユニット100は、実施形態1のメスコネクタ2、又は実施形態1のコネクタ付きワイヤーハーネス10と、オスコネクタ3と、プリント配線基板8とを備える。オスコネクタ3は、40以上のオス端子30を有する。オス端子30のそれぞれの一端部は、メス端子20のそれぞれに接続される。オス端子30のそれぞれの他端部は、プリント配線基板8に接続される。各メス端子20においてオス端子30との接続側とは反対側の端部には、上述のように電線7が接続される。オスコネクタ3及びメスコネクタ2、即ち実施形態1のコネクタ対1を介して、各電線7とプリント配線基板8とが電気的に接続される。
実施形態1のメスコネクタ2は、極数が40以上と多極であるものの、ハウジング21を高精度に成形し易いため、製造性に優れる。詳しくは、ゲート痕230近くに位置する角部233が、厚肉部235及び薄肉部236を備える。そのため、ハウジング21の製造過程で、隣り合う極孔225の間隔が狭くても、上述の流動物が流れ易い。従って、各極孔225が高精度に成形される。本例では、以下の(A),(B)からも上記流動物が流れ易い。
(B)上記流動物を導入するゲートが一つである。また、ゲート側の角部233の形状及び大きさと、ゲート側とは反対側の角部233の形状及び大きさとが同じである。そのため、金型におけるゲートから離れた角部233を形成する箇所の大きさが、ゲートに近い角部233を形成する箇所の大きさと同程度である。上記流動物の流路の大きさが同程度であることで、金型におけるゲートから離れた角部223を形成する箇所でも、上記流動物が流れ易い。
(i)メスコネクタ2は、シールリング部4及び防水栓6を備えるため、止水性に優れる。
(ii)メスコネクタ2は、アタッチメント5によって、極孔225の数を極数に応じてを容易に減じることができる。また、アタッチメント5を用いれば、使用予定の極孔225を誤って塞ぐことが無い。これらの点から、メスコネクタ2は、組立作業性に優れる。
(iii)メス端子20の最小間隔C2がオス端子30の厚さt3の0.6倍以上0.9倍以下を満たす。そのため、使用時に振動等を受けても、オス端子30とメス端子20とが接触した状態が良好に維持される。このようなメスコネクタ2及びオスコネクタ3、即ちコネクタ対1は、接触抵抗が低い接続構造を構築できる。また、このようなコネクタ対1は、車載用途に好適である。
(2)オス端子30及びメス端子20の双方が上述の特定の二層構造を有するめっき層301,201を備える。そのため、一組の挿入力がより小さくなり易い。
(3)シールリング部4の最大厚さt4が小さい。そのため、オス側のハウジング31とメス側のハウジング21との間の摩擦力が小さくなり易い。
(a)嵌め合い荷重が小さいことで、嵌合レバーを省略することができる。そのため、メスコネクタ2の部品点数が少ない。リテーナを備えていないことからも、メスコネクタ2の部品点数が少ない。
(b)嵌合レバー及びリテーナの少なくとも一方を有するコネクタ対と同じ大きさとする場合、極数をより多くすることができる。例えば、極数を48超とすることができる。
(c)嵌合レバーの省略によって、オスコネクタ3とメスコネクタ2との嵌め合い時間が短くなり易い。この点から、オスコネクタ3とメスコネクタ2との接続作業性の向上も期待できる。
(e)オス側のフード部33に備えられるリブ331,332は、オスコネクタ3とメスコネクタ2とを嵌め合わす際にガイドに利用できる。そのため、オスコネクタ3とメスコネクタ2とが適切に嵌め合わされ易い。
多極のコネクタ対について、一組の挿入力及び嵌め合い荷重を測定した。
試料No.1のコネクタ対は、上述の実施形態1のコネクタ対1に概ね相当する。
試料No.1のコネクタ対の極数は、48である。
以下に、試料No.1のコネクタ対の仕様を示す。
メスコネクタは、48個のメス端子と、一つのハウジングとを備える。また、メスコネクタは、一つのシールリング部と、一つの防水栓と、一つのアタッチメントとを備え、リテーナ及び嵌合レバーを備えていない。
・ 基材の構成材料は、銅合金である。
・ 基材の表面は、めっき層で覆われている。めっき層は、純錫からなる表層と、錫と銅とを含む合金からなる内層とを備え、上記合金が表層から部分的に露出されている。ここでは、銅合金からなる板材の表裏面に純錫層を形成した後、熱処理を施すことで、上述の特定の二層構造のめっき層を形成した。このめっき層を備える銅合金板を適宜切断及び成形することで、メス端子を作製した。
・ ばね片の数は一つである。
・ メス端子の最小間隔C2は、オス端子の厚さt3の0.75倍である。なお、最小間隔C2は0.47mmである。
・ ハウジングの構成材料は、PBTを主体とする樹脂組成物である。
・ ロック機構として、凹部を備える。
・ 極孔の数は54である。アタッチメントによって、使用する極孔の数は48に減じられている。
・ 隣り合うメス端子の間隔のうち、長辺方向の間隔C2Wの最大値は、0.40mmである。短辺方向の間隔C2Hの最大値は、1.15mmである。なお、ハウジングの幅Wは60mmである。ハウジングの高さHは27.4mmである。
・ シールリング部の最大厚さt4は1.3mmである。
オスコネクタは、48個のオス端子と、一つのハウジングとを備える。
・ 基材の構成材料は、黄銅である。
・ 基材の表面は、メス端子と同様に、上述の特定の二層構造のめっき層で覆われている。ここでは、黄銅からなる板材の表裏面に純錫層を形成した後、熱処理を施すことで、上記特定の二層構造のめっき層を形成した。このめっき層が設けられた黄銅板を所定の形状に切断することで、オス端子を作製した。いわゆる先めっき法によって、オス端子を作製した。
・ オス端子の厚さt3は0.63mmである。
・ ハウジングの構成材料は、PBTを主体とする樹脂組成物である。
・ ロック機構として、爪部を備える。
・ フード部の最小厚さt33は1.8mmである。
試料No.101のコネクタ対は、以下の二点(I),(II)を除いて、試料No.1と同様である。
(I)オス端子の作製方法が異なる。試料No.101では、試料No.1で説明した黄銅板を所定の端子形状に切断してから、めっき層を形成した。いわゆる後めっき法によって、オス端子を作製した。
(II)オス側のフード部の最小厚さt33が異なる。試料No.101における最小厚さt33は1.4mmである。
嵌め合い荷重は、以下のように測定する。
48個のオス端子の先端部が上向きとなるように、オスコネクタを固定する。このオスコネクタに対して、メスコネクタを押し付けて、オスコネクタとメスコネクタとを嵌め合わす。下方に固定されたオスコネクタに対して、上方からメスコネクタを変位させる。この変位は、ロック機構によるオス側のハウジングとメス側のハウジングとの固定がなされるまで行う。ロック機構による固定がなされた状態では、各オス端子が各メス端子の所定の位置にまで挿入される。また、オス側のフード部の先端部がメス側のフード部の奥まで挿入される。更に、メス側の本体部がオス側のフード部の奥にまで挿入される。
一組の挿入力は、以下のように測定する。
オスコネクタ及びメスコネクタにおいて、ロック機構を除去する。また、メスコネクタからシールリング部を外す。
メスコネクタに備えられるメス端子の数を2とし、その他の極孔にはメス端子を配置しない。二つのメス端子は、メス側の本体部において対称な位置に配置する。例えば、二つのメス端子は、メス側の本体部において長辺方向の各端部に配置する。
オスコネクタもメスコネクタと同様に、オス端子の数を2とし、その他の極孔にはオス端子を配置しない。二つのオス端子は、オス側の本体部においてメス端子の配置位置に対応して配置する。例えば、二つのオス端子は、オス側の本体部において長辺方向の各端部に配置する。
二つのオス端子の先端部が上向きとなるように、オスコネクタを固定する。このオスコネクタに対して、メスコネクタを押し付けて、各オス端子を各メス端子の筒部に挿入する。下方に固定されたオスコネクタに対して、上方からメスコネクタを変位させる。この変位は、各オス端子が各メス端子の所定の位置に挿入されるまで行う。
試験例1で作製した試料No.1のコネクタ対において、オスコネクタのフード部の耐振性を評価した。
各メス端子の端部に所定の長さの電線を取り付ける。オスコネクタとメスコネクタとを嵌め合わせる。第一の保持部と第二の保持部との間に、オスコネクタ、メスコネクタ、メスコネクタから延びる48本の電線が並ぶように、第一の保持部にオスコネクタを固定すると共に、第二の保持部に48本の電線を固定する。両保持部の間に渡される電線の固定長さは、100mmである。各電線の軸が水平方向に沿うように、各保持部の高さを調整する。ここでの高さは、鉛直方向に沿った長さである。両保持部を加振機の上に配置して、加振機によって、両保持部に振動を付与する。
振動の付与には、市販の加振機を用いる。
振動波形は、ランダムである。
振動加速度の実効値(rms)は、5Gである。
振動周波数は、50Hzから2000Hzの範囲である。
試験温度は、85℃である。
加振方向は鉛直方向である。即ち、両保持部の間に渡される電線の軸方向に対して、直交する方向である。
2 メスコネクタ
20 メス端子、21 ハウジング、22 本体部、23 フード部
24 装着部、25 検知孔
200 基材、201 めっき層、202 表層、203 内層
205 ばね片
221,222 端面、225 極孔
230 ゲート痕、231,232 側壁部
233 角部、234,239 端面、235 厚肉部、236 薄肉部
237 凹部、238 内周面
240 内角部、245 取付孔
250 開口部、252 ランス部
3 オスコネクタ
30 オス端子、31 ハウジング、32 本体部、33 フード部
300 基材、301 めっき層、302 表層、303 内層
325 極孔
331,332 リブ、338 内周面
4 シールリング部
40 環状部、42 取付部
5 アタッチメント
50 本体部、51 閉鎖ピン、55 貫通孔
57 突起、58 爪部
6 防水栓、65 保持孔
7 電線、70 導体、71 電気絶縁層
8 プリント配線基板、80 制御回路
10 コネクタ付きワイヤーハーネス
100 基板ユニット
C2 最小間隔、C2W,C2H 間隔
t3 厚さ、t33 最小厚さ、t4 最大厚さ
W 幅、H 高さ
a1~a4 黒矢印
Claims (8)
- 複数のメス端子と、ハウジングとを備えるメスコネクタであって、
前記メス端子の数が40以上であり、
前記ハウジングは、前記複数のメス端子を保持する本体部と、フード部とを備え、
前記フード部は、前記本体部の外周を囲み、オスコネクタとの接続側とは反対側が閉じた四角筒状であり、
前記フード部において、ゲート痕が設けられた第一の側壁部と前記第一の側壁部に隣り合う第二の側壁部との角部は、厚肉部と薄肉部とを備え、
前記薄肉部は、前記角部において、前記第一の側壁部と前記第二の側壁部との稜線方向に沿って、前記オスコネクタとの接続側の端面及び前記オスコネクタとの接続側とは反対側の端面のうち、一方の端面から他方の端面にいたらない中間位置までに設けられており、
前記厚肉部は、前記角部において、前記薄肉部を囲むようにU字状に設けられており、
前記角部の内周面は、凹凸を有さない一様な面である、
メスコネクタ。 - 前記本体部を前記メス端子の軸方向に直交する平面で切断した断面において、前記本体部を内包する最小の長方形をとり、
前記複数のメス端子は、前記長方形の長辺方向に沿って間隔をあけて並べられると共に、前記長方形の短辺方向に間隔をあけて並べられており、
前記本体部における前記長辺方向に隣り合う前記メス端子の間隔の最大値が2.5mm以下である請求項1に記載のメスコネクタ。 - 前記本体部における前記短辺方向に隣り合う前記メス端子の間隔の最大値が3.6mm以下である請求項2に記載のメスコネクタ。
- 前記ハウジングを前記メス端子の軸方向に平面視した状態において、前記ハウジングを内包する最小の長方形をとり、
前記ハウジングにおける前記長方形の長辺方向に沿った長さが63mm以下であり、
前記ハウジングにおける前記長方形の短辺方向に沿った長さが30mm以下である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のメスコネクタ。 - 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のメスコネクタと、
40以上のオス端子を有するオスコネクタとを備える、
コネクタ対。 - 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のメスコネクタと、
複数の電線とを備え、
前記複数の電線のそれぞれは、前記複数のメス端子のそれぞれに接続される、
コネクタ付きワイヤーハーネス。 - 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のメスコネクタ、又は請求項6に記載のコネクタ付きワイヤーハーネスと、
40以上のオス端子を有するオスコネクタと、
プリント配線基板とを備え、
前記オス端子のそれぞれの一端部は、前記メス端子のそれぞれに接続され、
前記オス端子のそれぞれの他端部は、前記プリント配線基板に接続される、
基板ユニット。 - 前記プリント配線基板は、エンジンの燃料噴射及びエンジン点火の少なくとも一方を制御する制御回路を備える請求項7に記載の基板ユニット。
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