JP2021086768A - メスコネクタ、コネクタ対、コネクタ付きワイヤーハーネス、及び基板ユニット - Google Patents

メスコネクタ、コネクタ対、コネクタ付きワイヤーハーネス、及び基板ユニット Download PDF

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Abstract

【課題】多極でありながら、製造性に優れるメスコネクタ、コネクタ対、コネクタ付きワイヤーハーネス、及び基板ユニットを提供する。【解決手段】40以上のメス端子と、ハウジングとを備えるメスコネクタであって、前記ハウジングは本体部とフード部とを備え、前記フード部は、前記本体部の外周を囲み、オスコネクタとの接続側とは反対側が閉じた四角筒状であり、前記フード部において、ゲート痕が設けられた第一の側壁部と前記第一の側壁部に隣り合う第二の側壁部との角部は厚肉部と薄肉部とを備え、前記薄肉部は、前記角部において、前記第一の側壁部と前記第二の側壁部との稜線方向に沿って、一方の端面から他方の端面にいたらない中間位置までに設けられており、前記厚肉部は、前記角部において、前記薄肉部を囲むようにU字状に設けられており、前記角部の内周面は、凹凸を有さない一様な面である、メスコネクタ。【選択図】図1

Description

本開示は、メスコネクタ、コネクタ対、コネクタ付きワイヤーハーネス、及び基板ユニットに関する。
電気的な接続部材として、特許文献1に記載されるように、オスコネクタと、メスコネクタとが利用されている。オスコネクタは、複数のオス端子と、複数のオス端子を保持するハウジングとを備える。メスコネクタは、複数のメス端子と、複数のメス端子を保持するハウジングとを備える。ハウジングは、代表的には、射出成型等によって製造される樹脂の成形体である。
特開2000−133375号公報
オスコネクタ及びメスコネクタに備えられる端子の数、いわゆる極数をより多くすることが望まれている。特に、車載用途等では、小型なコネクタが望ましい。
極数が多くても小型なコネクタとするためには、隣り合う端子の間隔を狭める必要がある。しかし、上記間隔が狭いと、コネクタのハウジングを製造する際、ハウジングの原料である流動物が金型を流れ難い。特に、メスコネクタのハウジングには、メス端子の長さに対応した極孔を成形する必要がある。そのため、メスコネクタのハウジングでは、上記間隔が狭い領域がオスコネクタのハウジングに比較して長くなり易い。極数が多いほど、上記間隔が狭い上に長い領域が多くなるため、上記流動物が流れ難い。その結果、メスコネクタのハウジングの製造性が低下し易い。
そこで、本開示は、多極でありながら、製造性に優れるメスコネクタを提供することを目的の一つとする。また、本開示は、多極でありながら、製造性に優れるコネクタ対、コネクタ付きワイヤーハーネス、基板ユニットを提供することを他の目的とする。
本開示のメスコネクタは、
複数のメス端子と、ハウジングとを備えるメスコネクタであって、
前記メス端子の数が40以上であり、
前記ハウジングは、前記複数のメス端子を保持する本体部と、フード部とを備え、
前記フード部は、前記本体部の外周を囲み、オスコネクタとの接続側とは反対側が閉じた四角筒状であり、
前記フード部において、ゲート痕が設けられた第一の側壁部と前記第一の側壁部に隣り合う第二の側壁部との角部は、厚肉部と薄肉部とを備え、
前記薄肉部は、前記角部において、前記第一の側壁部と前記第二の側壁部との稜線方向に沿って、前記オスコネクタとの接続側の端面及び前記オスコネクタとの接続側とは反対側の端面のうち、一方の端面から他方の端面にいたらない中間位置までに設けられており、
前記厚肉部は、前記角部において、前記薄肉部を囲むようにU字状に設けられており、
前記角部の内周面は、凹凸を有さない一様な面である。
本開示のコネクタ対は、
本開示のメスコネクタと、
40以上のオス端子を有するオスコネクタとを備える。
本開示のコネクタ付きワイヤーハーネスは、
本開示のメスコネクタと、
複数の電線とを備え、
前記複数の電線のそれぞれは、前記複数のメス端子のそれぞれに接続される。
本開示の基板ユニットは、
本開示のメスコネクタ、又は本開示のコネクタ付きワイヤーハーネスと、
40以上のオス端子を有するオスコネクタと、
プリント配線基板とを備え、
前記オス端子のそれぞれの一端部は、前記メス端子のそれぞれに接続され、
前記オス端子のそれぞれの他端部は、前記プリント配線基板に接続される。
本開示のメスコネクタ、本開示のコネクタ対、本開示のコネクタ付きワイヤーハーネス、及び本開示の基板ユニットは、多極でありながら、製造性に優れる。
図1は、実施形態1のメスコネクタを示す斜視図である。 図2は、実施形態1のメスコネクタにおいて、オスコネクタが嵌め合わされてない状態を示す断面図であり、メスコネクタは図1に示すII−II切断線で切断された状態、オスコネクタは図12に示すII−II切断線で切断された状態を示す。 図3は、図2に示す実施形態1のメスコネクタにおいて、オスコネクタが嵌め合わされた状態を示す断面図である。 図4は、実施形態1のメスコネクタをオスコネクタとの接続側から嵌め合い方向に見た正面図である。 図5は、実施形態1のメスコネクタを図1に示すV−V切断線で切断した断面図である。 図6は、実施形態1のメスコネクタを製造する過程を説明する斜視図であり、メスコネクタにおけるゲートが配置される側を示す。 図7は、実施形態1のメスコネクタを製造する過程を説明する斜視図であり、メスコネクタを図6に示すVII−VII切断線で切断された状態を示す。 図8は、実施形態1のメスコネクタに備えられるシールリング部を示す斜視図である。 図9は、実施形態1のメスコネクタに備えられるアタッチメントを示す斜視図である。 図10は、実施形態1のメスコネクタのハウジングにアタッチメントが装着される前の状態をメス端子の挿入側から嵌め合い方向に見た背面図である。 図11は、図10に示すメスコネクタのハウジングにアタッチメントが装着された状態をメス端子の挿入側から嵌め合い方向に見た背面図である。 図12は、実施形態1のメスコネクタに嵌め合わされるオスコネクタを示す斜視図である。 図13は、実施形態1のメスコネクタに嵌め合わされるオスコネクタをメスコネクタとの接続側から嵌め合い方向に見た正面図である。 図14は、オス端子及びメス端子について、図2に示す破線円で囲まれた領域を拡大して模式的に示す断面図である。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本開示の一態様に係るメスコネクタは、
複数のメス端子と、ハウジングとを備えるメスコネクタであって、
前記メス端子の数が40以上であり、
前記ハウジングは、前記複数のメス端子を保持する本体部と、フード部とを備え、
前記フード部は、前記本体部の外周を囲み、オスコネクタとの接続側とは反対側が閉じた四角筒状であり、
前記フード部において、ゲート痕が設けられた第一の側壁部と前記第一の側壁部に隣り合う第二の側壁部との角部は、厚肉部と薄肉部とを備え、
前記薄肉部は、前記角部において、前記第一の側壁部と前記第二の側壁部との稜線方向に沿って、前記オスコネクタとの接続側の端面及び前記オスコネクタとの接続側とは反対側の端面のうち、一方の端面から他方の端面にいたらない中間位置までに設けられており、
前記厚肉部は、前記角部において、前記薄肉部を囲むようにU字状に設けられており、
前記角部の内周面は、凹凸を有さない一様な面である。
本開示のメスコネクタは、極数が40以上と多極であるものの、ハウジングを高精度に成形し易い点で、製造性に優れる。特に、ハウジングの本体部において隣り合うメス端子の間隔が小さい場合でも、ハウジングが高精度に成形される。詳細は後述するが、ゲート近くに成形される角部に厚肉部を備えることで、ハウジングの原料である流動物がゲートから金型に導入される圧力を大きく確保することができる。その結果、上記流動物は、金型における厚肉部の形成箇所から本体部の形成箇所側に流れ易い。従って、本体部においてメス端子が配置される極孔のそれぞれが高精度に成形される。
また、本開示のメスコネクタは、上述の隣り合うメス端子の間隔を小さくできるため、小型である。
(2)本開示のメスコネクタの一例として、
前記本体部を前記メス端子の軸方向に直交する平面で切断した断面において、前記本体部を内包する最小の長方形をとり、
前記複数のメス端子は、前記長方形の長辺方向に沿って間隔をあけて並べられると共に、前記長方形の短辺方向に間隔をあけて並べられており、
前記本体部における前記長辺方向に隣り合う前記メス端子の間隔の最大値が2.5mm以下である形態が挙げられる。
上記形態は、極数が40以上と多極であるものの、上記長辺方向に沿った長さが短くなり易い点で、小型である。
(3)上記(2)のメスコネクタの一例として、
前記本体部における前記短辺方向に隣り合う前記メス端子の間隔の最大値が3.6mm以下である形態が挙げられる。
上記形態は、上述の長辺方向に沿った長さだけでなく、上記短辺方向に沿った長さも短くなり易い点で、より小型である。上記形態におけるメスコネクタは、メス端子の大きさにもよるが、隣り合うメス端子間の絶縁を確保しつつ、例えば後述する(4)に示す63mm以下×30mm以下のサイズを実現できる。
(4)本開示のメスコネクタの一例として、
前記ハウジングを前記メス端子の軸方向に平面視した状態において、前記ハウジングを内包する最小の長方形をとり、
前記ハウジングにおける前記長方形の長辺方向に沿った長さが63mm以下であり、
前記ハウジングにおける前記長方形の短辺方向に沿った長さが30mm以下である形態が挙げられる。
上記形態は、極数が40以上と多極であるものの、小型である。
(5)本開示の一態様に係るコネクタ対は、
上記(1)から(4)のいずれか1つのメスコネクタと、
40以上のオス端子を有するオスコネクタとを備える。
本開示のコネクタ対は、極数が40以上と多極であるものの、上述のように製造性に優れる。また、本開示のコネクタ対は、隣り合うメス端子の間隔を狭くできる。上記間隔に対応して、隣り合うオス端子の間隔も狭くなる。そのため、本開示のコネクタ対は、小型である。
(6)本開示の一態様に係るコネクタ付きワイヤーハーネスは、
上記(1)から(4)のいずれか1つのメスコネクタと、
複数の電線とを備え、
前記複数の電線のそれぞれは、前記複数のメス端子のそれぞれに接続される。
本開示のコネクタ付きワイヤーハーネスは、極数が40以上と多極であるものの、上述のように製造性に優れる。また、本開示のコネクタ付きワイヤーハーネスは、隣り合うメス端子の間隔を狭くできる。そのため、本開示のコネクタ付きワイヤーハーネスは、小型である。
(7)本開示の一態様に係る基板ユニットは、
上記(1)から(4)のいずれか1つのメスコネクタ、又は上記(6)のコネクタ付きワイヤーハーネスと、
40以上のオス端子を有するオスコネクタと、
プリント配線基板とを備え、
前記オス端子のそれぞれの一端部は、前記メス端子のそれぞれに接続され、
前記オス端子のそれぞれの他端部は、前記プリント配線基板に接続される。
本開示の基板ユニットは、極数が40以上と多極であるものの、上述のように製造性に優れる。また、本開示の基板ユニットは、隣り合うメス端子の間隔を狭くできる。上記間隔に対応して、隣り合うオス端子の間隔も狭くなる。そのため、本開示の基板ユニットは、小型である。
(8)本開示の基板ユニットとして、
前記プリント配線基板は、エンジンの燃料噴射及びエンジン点火の少なくとも一方を制御する制御回路を備える形態が挙げられる。
上記形態は、極数がより多い場合でも、製造性に優れる。また、この場合でも、上記形態は、隣り合うメス端子の間隔及び隣り合うオス端子の間隔を狭くできるため、小型である。
[本開示の実施形態の詳細]
以下、図面を参照して、本開示の実施の形態を詳細に説明する。図中の同一符号は、同一名称物を示す。
[実施形態1]
以下、図1から図14を参照して、実施形態1のメスコネクタ、実施形態1のコネクタ対、実施形態1のコネクタ付きワイヤーハーネス、実施形態1の基板ユニットを順に説明する。
なお、図面は、簡略化したり、一部の構成を省略したりして示すことがある。
図2,図3は、実施形態1のメスコネクタ2と、メスコネクタ2に嵌め合わされるオスコネクタ3とをそれぞれ、オスコネクタ3とメスコネクタ2との嵌め合い方向に平行な平面で切断した縦断面図である。上記嵌め合い方向は、メス端子20の軸方向、及びメス端子20が配置される極孔225の軸方向に実質的に平行である。また、上記嵌め合い方向は、オス端子30が配置される極孔325の軸方向に実質的に平行である。上記嵌め合い方向は、図2,図3では左右方向である。
図2,図3は、メスコネクタ2に図示される三つの極孔225のうち、上下二つの極孔225にメス端子20が収納された状態を示す。中央の極孔225についてはメス端子20の図示を省略する。また、メス端子20は、図2,図3のみに示し、その他の図では省略する。
図4,図6は、メスコネクタ2のハウジング21のみを実線で示す。
(メスコネクタ)
主に図1から図11を参照して、実施形態1のメスコネクタ2を説明する。
〈概要〉
実施形態1のメスコネクタ2は、図1に示すように、複数のメス端子20(図2)とハウジング21とを備えるブロック状の部材である。各メス端子20は、主として、電気的な接続部材として利用される。ハウジング21は、複数のメス端子20を一体に保持すると共に、隣り合うメス端子20同士を電気的に絶縁する。また、ハウジング21は、主として、機械的な接続部材として利用される。
メスコネクタ2には、図2に示すオスコネクタ3が接続される。オスコネクタ3は、複数のオス端子30と、ハウジング31とを備える。図3に示すように、ハウジング21,31が嵌め合わされると共に、各オス端子30の先端部が各メス端子20の所定位置まで挿入されると、各オス端子30と各メス端子20とが接触する。その結果、オスコネクタ3とメスコネクタ2とは機械的及び電気的に接続される。各オス端子30における先端部とは反対側の端部には、代表的には図3に示すプリント配線基板8が接続される。各メス端子20におけるオス端子30との接続側とは反対側の端部には、代表的には図3に示す電線7が接続される。その結果、メスコネクタ2及びオスコネクタ3は、プリント配線基板8と、電線7に接続される図示しない電子・電気機器とを電気的に接続する。
特に、実施形態1のメスコネクタ2では、メス端子20の数、即ち極数が40以上である。また、実施形態1のメスコネクタ2では、ハウジング21が製造性に優れる形状である。詳しくは、ハウジング21は、図1に示すように本体部22と、フード部23とを備える。本体部22は、複数のメス端子20を保持する。フード部23は、本体部22の外周を囲み、オスコネクタ3との接続側とは反対側が閉じた四角筒状である。フード部23において、ゲート痕230を有する第一の側壁部231につながる角部233が厚肉部235と薄肉部236とを備える。つまり、ゲート痕230近くの角部233が厚肉部235と薄肉部236とを備える。このようなハウジング21は、本体部22においてメス端子20が配置される極孔225が多くても、製造過程において、各極孔225が高精度に成形される。
本例のメスコネクタ2は、更に、図2に示すように、後述するシールリング部4(後述の図8も参照)及び防水栓6を備える。シールリング部4及び防水栓6は、ハウジング21に保持される。このようなメスコネクタ2は、防水コネクタとして利用される。
本例のメスコネクタ2は、更に、後述するアタッチメント5を備える(後述の図9も参照)。アタッチメント5は、極孔225の数をメス端子20の極数に応じて変更することに利用される。
その他、本例のメスコネクタ2は、嵌合レバーを備えてない(図1も参照)。また、本例のメスコネクタ2は、リテーナを備えていない。リテーナに代えて、ハウジング21は検知孔25を備える。
以下、まず、ハウジング21を説明する。その後、メス端子20、検知孔25、シールリング部4、防水栓6、アタッチメント5を順に説明する。
〈ハウジング〉
《概要》
ハウジング21は、代表的には、樹脂組成物からなる成形体である。また、ハウジング21は、図1に示すように、本体部22と、フード部23とを備える一体物である。
本体部22は、複数のメス端子20を保持するブロック状の部分である。フード部23は、本体部22の外周に設けられる有底筒状の部分である。本体部22とフード部23との間には、後述するオスコネクタ3のフード部33が嵌め込まれる空間が設けられる(図3)。
本例では、本体部22は、直方体状である。特に、本体部22は、横長の直方体状である(図4,図5も参照)。フード部23は、本体部22に対応して、四角筒状である。
また、本例では、図2に示すように、本体部22の外周面にシールリング部4が装着される。更に、本例では、ハウジング21は、本体部22においてメス端子20が挿入される側に装着部24を備える。装着部24は、本体部22に一体の筒状の部分である。装着部24の内側には、防水栓6とアタッチメント5とが嵌め込まれる。
《構成材料》
ハウジング21の構成材料、アタッチメント5の構成材料、及び後述するオスコネクタ3のハウジング31の構成材料は、樹脂組成物等の電気絶縁材料が挙げられる。
樹脂組成物の主体となる樹脂の一例として、熱可塑性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂は、例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン(PS)、ポリカーボネート(PC)等が挙げられる。樹脂組成物は、主体となる樹脂に加えて、各種の充填剤を含有してもよい。充填剤は、例えばガラス繊維等が挙げられる。本例のハウジング21,31、アタッチメント5の構成材料は、PBTを主体とする樹脂組成物である。ハウジング21,31、アタッチメント5は射出成型等の各種の成形方法によって製造することが挙げられる。
《本体部》
本体部22は、図1,図4に示すように複数の極孔225を備える。各極孔225は、本体部22におけるオスコネクタ3との接続側の端面221から、オスコネクタ3との接続側とは反対側の端面222に貫通する(図2)。各極孔225は、メス端子20の外形に対応した形状、大きさを有しており、同一形状、同一の大きさである。本例では、各極孔225は、直方体状の孔である。
なお、メスコネクタ2におけるオスコネクタ3との接続側は、図1では左斜め下側であり、図2では左側である。メスコネクタ2におけるオスコネクタ3との接続側とは反対側は、図1では右斜め上側であり、図2では右側である。以下、オスコネクタ3との接続側の端面221を第一の端面221と呼ぶことがある。また、オスコネクタ3との接続側とは反対側の端面222を第二の端面222と呼ぶことがある。第二の端面222は、本体部22においてメス端子20が挿入される側の端面である。
本例では、極孔225の数は、メス端子20の数より多く、40超である。そのため、本例のハウジング21は、メス端子20の数に応じて、極孔225の使用数を減じることができる。本例の極孔225の数は54である。使用しない極孔225の数は6である。なお、図4,図5は、54個の極孔225のうち、使用しない6個の極孔225にクロスハッチングを付している。
使用する極孔225にはそれぞれ、メス端子20が挿入される。使用しない極孔225にはそれぞれ、例えば、図示しないダミーピンが挿入されることで極孔225は塞がれる。本例では、アタッチメント5がハウジング21に装着されることで、閉鎖ピン51(図9)によって使用しない極孔225が塞がれる(後述の図11参照)。使用しない極孔225が塞がれることで、メスコネクタ2は防水性に優れる。
複数のメス端子20が本体部22に対して所定の間隔をあけて並べられるように、複数の極孔225は本体部22に設けられる。代表的には、図4,図5に示すように、本体部22が格子状の端面221及び断面を有するように、複数の極孔225が本体部22に設けられる。詳しくは、図4に示すようにハウジング21をメス端子20の軸方向に平面視した状態において、ハウジング21を内包する最小の長方形をとる。又は図5に示すように本体部22をメス端子20の軸方向に直交する平面で切断した横断面において、本体部22を内包する最小の長方形をとる。複数のメス端子20は、上記長方形の長辺方向に沿って間隔をあけて並べられると共に、上記長方形の短辺方向に間隔をあけて並べられる。本例では、18個の極孔225が上記長辺方向に等間隔に並ぶ。また、3個の極孔225が上記短辺方向に等間隔に並ぶ。即ち、54個の極孔225は、3行×18列に整列して並ぶ。使用する48個のメス端子20は、上述の使用しない6個の極孔225を除いて、3行×16列、詳しくは、3行×5列、3行×6列、3行×5列という三つの群に並ぶ。
なお、上述の長方形の長辺方向は、図4,図5では左右方向である。上述の長方形の短辺方向は、図4,図5では上下方向である。また、図5は、メスコネクタ2を上述の嵌め合い方向に直交する平面で切断した断面図である。
隣り合うメス端子20の間隔は、隣り合う極孔225の間隔に実質的に等しい。上記間隔は、隣り合うメス端子20間に所定の絶縁距離が確保されるように調整される。代表的には、上記間隔は、本体部22において隣り合う極孔225間を仕切る壁部の厚さによって調整される。上記間隔は、極孔225の軸方向に沿って一様な大きさでなくてもよい。一様な大きさでない場合を含めて、上記間隔の最大値が大きいほど、隣り合うメス端子20間の電気絶縁性が高められる。しかし、上記間隔の最大値が大きいほど、本体部22の外寸が大きくなり易い。ひいてはメスコネクタ2が大型になり易い。一方、上記間隔は、上記絶縁距離を確保できる範囲で小さいほど、本体部22の外寸が小さくなり易い。又は本体部22の外寸を一定とする場合には極孔225の数を多くすることができる。
例えば、図5に示すメスコネクタ2の横断面において、本体部22について上述の長辺方向に隣り合うメス端子20の間隔C2Wの最大値は2.5mm以下が挙げられる。間隔C2Wの最大値が2.5mm以下であれば、本体部22の幅、ひいてはメスコネクタ2の幅W(図4)が小さくなり易い。この点で、メスコネクタ2は小型になり易い。なお、図5に示す間隔C2Wは例示であり、必ずしも最大値ではない。
上述の長辺方向の間隔C2Wの最大値が小さいほど、メスコネクタ2の幅Wが小さくなり易い。メスコネクタ2の小型化の観点から、間隔C2Wの最大値は例えば、1.5mm以下、1.3mm以下、1.2mm以下、1.1mm以下でもよい。間隔C2Wの最大値が1.0mm以下であれば、メスコネクタ2の幅Wが一層小さい。本例では、間隔C2Wの最大値は0.40mmである。
なお、メスコネクタ2の幅Wは、図4に示すように、メスコネクタ2をメス端子20の軸方向に平面視した状態において、上述のようにハウジング21を内包する最小の長方形をとり、この長方形の長辺方向に沿った長さである。後述するメスコネクタ2の高さHは、この長方形の短辺方向に沿った長さである。
例えば、図5に示すメスコネクタ2の横断面において、本体部22について上述の短辺方向に隣り合うメス端子20の間隔C2Hの最大値は3.6mm以下が挙げられる。間隔C2Hの最大値が3.6mm以下であれば、本体部22の高さ、ひいてはメスコネクタ2の高さH(図4)が小さくなり易い。この点で、メスコネクタ2は小型になり易い。なお、図5に示す間隔C2Hは例示であり、必ずしも最大値ではない。
上述の短辺方向の間隔C2Hの最大値が小さいほど、メスコネクタ2の高さHが小さくなり易い。メスコネクタ2の小型化の観点から、間隔C2Hの最大値は例えば3.5mm以下、3.0mm以下、2.5mm以下、2.0mm以下でもよい。間隔C2Hの最大値が1.5mm以下、1.3mm以下、1.2mm以下であれば、メスコネクタ2の高さHが一層小さい。本例では、間隔C2Hの最大値は1.15mmであり、間隔C2Wの最大値より大きい。
上述の間隔C2W,C2Hの下限は、上述の絶縁距離を確保できれば特に限定されない。間隔C2W,C2Hが小さいほど、ハウジング21の製造過程において、ハウジング21の原料である流動物が金型内を流動し難くなる。この点で、ハウジング21の製造性が低下する。製造性の観点から、間隔C2W,C2Hの最小値は例えば0.1mm以上、0.2mm以上でもよい。
なお、上記長辺方向に並ぶ複数の間隔C2Wのうち、一部の間隔C2Wの最大値が異なってもよい。又は、上記短辺方向に並ぶ複数の間隔C2Hのうち、一部の間隔C2Hの最大値が異なってもよい。又は、全ての間隔C2Wの最大値と全ての間隔C2Hの最大値とが等しくてもよい。
《フード部》
フード部23は、図1に示すように、本体部22の外周を囲む。また、図2に示すように、フード部23は、オスコネクタ3との接続側とは反対側が閉じた有底筒状である。
詳しくは、フード部23は、周壁部と底壁部とを備える。周壁部は、本体部22における第一の端面221近くの領域を除いて、本体部22の外周を覆う。本体部22における第一の端面221近くの領域は、周壁部に覆われず、フード部23から突出する。底壁部は、本体部22の外周面に立設されて、周壁部を支持する。この底壁部によって、周壁部の内周面238と本体部22の外周面との間には、空間が設けられる。この空間には、オスコネクタ3のフード部33が挿入される(図3)。本例では、図4に示すように、メス端子20の軸方向からの平面視において、上記空間は、横長の長方形の枠状である。
フード部23の周壁部の厚さは、均一ではなく、異なっている。特に角部233の厚さが不均一である。詳しくは、フード部23の周壁部は、第一の側壁部231と、第二の側壁部232と、角部233とを備える。第二の側壁部232は、第一の側壁部231に隣り合う。角部233は、第一の側壁部231と第二の側壁部232とをつなぐ。また、角部233は、厚肉部235と薄肉部236とを備える(図1,図5も参照)。
本例では、第一の側壁部231は、上述のハウジング21を内包する最小の長方形の短辺方向に沿った部分である。二つの第一の側壁部231のうち、一つの第一の側壁部231にはゲート痕230が設けられる(図1)。第二の側壁部232は、上記長方形の長辺方向に沿った部分である。また、本例では、四つの角部のうち、図4,図5では上側の二つの角部233が厚肉部235及び薄肉部236を備える。上側の二つの角部233は、同一形状、同一の大きさである。従って、以下の説明は、一つの角部233を例に行う。
薄肉部236は、図1に示すように角部233において、第一の側壁部231と第二の側壁部232との稜線方向に沿って設けられている。本例の薄肉部236は、角部233においてオスコネクタ3との接続側とは反対側の端面239(図6)から、オスコネクタ3との接続側の端面234にいたらない中間位置までに設けられる。厚肉部235は、角部233において、薄肉部236を囲むようにU字状に設けられている。いわば、薄肉部236は、厚肉部235の外周面に開口する溝であって、更に端面239に開口し、端面234に閉じた溝である。フード部23の内周面238のうち、角部233に対応する箇所は、凹凸を有さない一様な面である(図4,図5も参照)。そのため、角部233において、内周面238から外周面までの距離を厚さとすると、厚肉部235の厚さは、薄肉部236の厚さより厚い(図5)。
ゲート痕230を備える第一の側壁部231に連なる角部233が厚肉部235及び薄肉部236を備えることで、ハウジング21が高精度に成形され易い。以下、主に図6,図7を参照して、ハウジング21を高精度に成形できる理由を説明する。
図6は、ハウジング21において、ゲート痕230が設けられた第一の側壁部231と、この側壁部231に連なる角部233とが手前に位置するように、第二の端面222側からみた斜視図である。
図7は、ハウジング21を極孔225の軸方向に平行な平面で切断した状態を示す斜視図である。ハウジング21のうち、図7に示す左斜め下側の領域は、ゲート痕230を備える第一の側壁部231と厚肉部235との境界近くを図6に一点鎖線で示す切断線で切断した状態を示す。ハウジング21のうち、図7に示す右斜め上側の領域は、本体部22における極孔225を備える箇所を上記切断線で切断した状態を示す。
ハウジング21の原料である流動物は、所定の圧力に加圧された状態で、図示しないゲートから、図示しない金型のキャビティに導入される。本例では、金型のキャビティは、本体部22を形成する箇所と、フード部23を形成する箇所と、装着部24を形成する箇所とを備える。フード部23を形成する箇所は、周壁部を形成する箇所と、底壁部を形成する箇所とを備える。周壁部を形成する箇所は、第一の側壁部231を形成する箇所と、第二の側壁部232を形成する箇所と、角部233を形成する箇所、即ち厚肉部235を形成する箇所及び薄肉部236を形成する箇所とを備える。
ゲートから金型に導入された上述の流動物は、金型における一方の第一の側壁部231を形成する箇所から、角部233を形成する箇所、本体部22を形成する箇所に向かって流れる。詳しくは、上記流動物は、図6の黒矢印a1で示すように、ゲートから、金型における一方の第一の側壁部231を形成する箇所を経て、厚肉部235を形成する箇所であって、角部233と第一の側壁部231との境界近くの領域を形成する箇所に流れる。上記流動物の一部は、金型における薄肉部236を形成する箇所を構成する凸部に接触する。そのため、上記流動物の一部は、黒矢印a2で示すように、第一の側壁部231と第二の側壁部232との稜線方向に沿って、金型における底壁部を形成する箇所に向かって流れる。上記流動物の他部は、黒矢印a3で示すように、金型における厚肉部235を形成する箇所であって、オスコネクタ3との接続側の端面234(図1)側の領域を形成する箇所に向かって流れる。
金型における底壁部を形成する箇所に向かった上述の流動物の一部は、金型における薄肉部236を形成する箇所と、厚肉部235を形成する箇所と、底壁部を形成する箇所とに囲まれる。その結果、上記流動物は、高い圧力を維持した状態で、黒矢印a4で示すように、金型における本体部22を形成する箇所に向かって流れる。
金型における本体部22を形成する箇所に向かった上述の流動物は、図7の黒矢印で示すように、極孔225を形成しながら、他方の第一の側壁部231を形成する箇所に向かって流れる。
金型における厚肉部235を形成する箇所は、この箇所の幅及び断面積とゲートの開口部の内径及び断面積との差が小さくなるように設けることが好ましい。上記差が小さいほど、ゲートから吐出された上述の流動物の圧力が高く維持される。上記流動物の圧力が高いほど、金型における狭い箇所であっても、上記流動物が隙間なく充填され易い。上記狭い箇所は、代表的には、本体部22において、隣り合う極孔225を仕切る壁部が挙げられる。本例では、上記壁部における上述の長辺方向に沿った厚さは、間隔C2Wに相当する。上記壁部における上述の短辺方向に沿った厚さは、間隔C2Hに相当する。上記壁部の内周面が極孔225を構成する。
なお、ゲートの開口部の内径及び断面積は、ゲート痕230の内径及び断面積に実質的に等しい。ゲート及びゲート痕230の平面形状は、代表的には、円形状が挙げられる。図1等では、ゲート痕230を実際の寸法より大きく示す。
本例では、金型における角部233を形成する箇所が一様な大きさを有する一つの空間ではなく、厚肉部235を形成する箇所と、薄肉部236を形成する箇所とに分けられている。そのため、金型における厚肉部235を形成する箇所の幅W235(図1)及び断面積とゲートの開口部の内径及び断面積との差が小さい。上記差が小さいことで、上述の流動物が金型内を流れている際に、角部233を形成する箇所が上述の一つの空間である場合に比較して、上記流動物の圧力が極端に低下することが抑制され易い。即ち、上記流動物は、高い圧力を有し易い。従って、上記流動物は、角部233を形成する箇所から本体部22を形成する箇所に向かって流れ易い。また、極孔225の数が40超と多くても、更には隣り合う極孔225の間隔C2W,C2Hが狭くても、上記流動物は、金型内に隙間なく充填される。その結果、本体部22は、高精度に成形される。
《装着部》
本例の装着部24は、図2に示すように、本体部22の第二の端面222から極孔225の軸方向に沿って延設される筒状の部分である(図6,図7も参照)。装着部24は、防水栓6とアタッチメント5とを収納する空間を構成する。
本例では、装着部24の内角部240の厚さが局所的に厚い。内角部240は、本体部22の第二の端面222と、装着部24の内周面とでつくられる角部である。内角部240は、上記角部が平面取りされることで、局所的に厚い箇所を有する。内角部240が局所的に厚い箇所であることで、上述の流動物が金型における装着部24を形成する箇所と本体部22を形成する箇所との間で流れ易い。
なお、本例の装着部24はその周方向に連続する筒体であるが、防水栓6及びアタッチメント5を保持できれば、装着部24の形状等は適宜変更できる。
《その他の構成》
その他、フード部23は、オスコネクタ3のフード部33と噛み合う図示しないロック機構を備える。ロック機構は、例えば、オス側のフード部33に設けられる爪部と、メス側のフード部23に設けられる凹部とを備えることが挙げられる。爪部及び凹部の図示は省略する。爪部が凹部に嵌め込まれることで、フード部23,33同士が強固に固定される。凹部は、メス側のフード部23のうち、上述の角部233以外の箇所、例えば第二の側壁部232に設けられる。また、フード部23は、第一の側壁部231の内側に凹部を有する(図1)。この凹部には、後述する図12に示すように、オス側のフード部33において、短辺方向に沿った箇所の外周面に設けられる突部が嵌め込まれる。更に、フード部23は、第二の側壁部232において角部233側の領域の内周面に溝部を有する(図1)。各溝部には、図12に示すオス側のフード部33の上面に設けられる突条が嵌め込まれる。
〈メス端子〉
図2に示すメス端子20はいずれも、所定の形状の板片を所定の形状に折り曲げられてなる導電部材である。板片の構成材料は、金属等の導電性材料である。メス端子20はいずれも、同一形状、同一の大きさである。従って、以下の説明は、一つのメス端子20を例に行う。
《構造》
メス端子20の一端側の領域は、オス端子30との接続箇所である。メス端子20の他端側の領域は電線7との接続箇所である。オス端子30との接続箇所は、ハウジング21の本体部22に設けられる極孔225に嵌め込まれる。本例では、本体部22に設けられる後述するランス部252の先端部がメス端子20に備えられる凹部に嵌め込まれる。これらの嵌め込みによって、メス端子20はハウジング21に保持される。
オス端子30との接続箇所は、代表的には、四角筒状の筒部と、筒部の内部に配置される少なくとも一つのばね片205とを備える。筒部の開口部から挿入されたオス端子30がばね片205を押圧すると共に、ばね片205はオス端子30を付勢する(図3)。ばね片205の付勢力によって、メス端子20とオス端子30との接触状態が強固に維持される。上述のランス部252が嵌め込まれる凹部は、代表的には筒部を構成する板片が部分的に切り欠かれることで構成される。
本例では、筒部の四つの内面のうち、図2では上面側にばね片205が設けられている。本例のばね片205は、上記上面から延設される帯片が筒部の内部に向かって折り返されることで構成される。このばね片205と、筒部の内面のうち、ばね片205に向かい合う面、図2では下面とがオス端子30を挟む(図3)。
なお、ばね片205の数、形状等は適宜変更できる。図示を省略するが、例えば、メス端子20は、向かい合って配置される二つのばね片を備え、両ばね片がオス端子30を挟む構造でもよい。
電線7との接続箇所は、代表的には、電線7の導体70を保持するワイヤバレル部と、電線7の電気絶縁層71を保持するインシュレーションバレル部とを備える。ワイヤバレル部及びインシュレーションバレル部は、上述の筒部に一体の切片によって電線7を包むように成形される。
《構成材料》
メス端子20は、代表的には、図14に示すように、基材200と、基材200の表面の少なくとも一部を覆うめっき層201とを備える。図14は、メス端子20及びオス端子30において、表面近くの領域を拡大して示す模式断面図である。オス端子30の表面状態については後述する。
基材200の構成材料は、代表的には、純銅又は銅合金が挙げられる。
純銅は、99.9質量%以上の銅(Cu)を含み、残部が不可避不純物からなる。
銅合金は、添加元素を含み、残部がCu及び不可避不純物からなり、Cuを最も多く含む合金である。添加元素は、例えば錫(Sn)、リン(P)、亜鉛(Zn)、鉄(Fe)等が挙げられる。添加元素の合計含有量は例えば0.05質量%以上40質量%以下が挙げられる。具体的な銅合金として、SnとPとを含むリン青銅、Znを含む黄銅、Feを含む鉄入り銅等が挙げられる。
めっき層201は、純錫からなる錫層を含むことが好ましい。純錫は柔らかく、変形し易い。そのため、錫層を備えるメス端子20は、オス端子30との接触抵抗を低くし易い。
また、めっき層201は、錫層に加えて、錫層より基材200側に、錫と銅とを含む合金からなる合金層を含むことが好ましい。合金層は、錫層より硬い。そのため、合金層を備えるメス端子20では、オス端子30の挿入が行い易い。
その他、めっき層201は、上述の錫層又は合金層より基材200側に、図示しない下地層を備えてもよい。下地層の構成材料は、例えば、ニッケル、又はニッケル合金等が挙げられる。
特に、めっき層201は、表層202と、内層203とを備え、表層202の構成材料が純錫であり、内層203の構成材料が錫と銅とを含む合金であり、上記合金が表層202から部分的に露出されていることが好ましい。この場合、めっき層201において、表層202と内層203との界面は直線状ではなく、図14に例示するように凹凸である。この特定の二層構造のめっき層201では、純錫からなる表層202によって、オス端子30とメス端子20との接触抵抗が低くなり易い。上記合金からなる内層203によって、オス端子30をメス端子20に挿入する際にオス端子30が滑り易い。上記合金が部分的に露出されることによって、オス端子30が更に滑り易い。その結果、オス端子30をメス端子20に容易に挿入することができる。後述するオス端子30も、同様のめっき層301を備えることが好ましい。
上述の特定の二層構造のめっき層201は、例えば、以下のように形成することが挙げられる。Cuを含む基材200の表面に純錫からなる錫層を形成した後、熱処理を施す。この熱処理によって、錫層における基材200側の領域中のSnと基材200中のCuとが合金化される。その結果、上記二層構造のめっき層201が形成される。めっき層201の製造条件は、公知の条件等を参照することができる。例えば、基材200の表面に銅層を設けた後、錫層を設けてもよい。
基材200のうち、オス端子30との接触箇所は、めっき層201を備えることが好ましい。基材200のうち、オス端子30との接触箇所以外の箇所は、めっき層201に覆われていなくてもよい。又は、基材200の表面全体がめっき層201に覆われていてもよい。
本例のメス端子20は、上述の筒部の内面及びばね片205の表面に、上述の特定の二層構造のめっき層201を備える。
《数》
メスコネクタ2に備えられるメス端子20の数は40以上である。メス端子20の数は、メスコネクタ2の用途等に応じて適宜選択できる。本例のメス端子20の数は、48である。メス端子20の数は、例えば49以上、50以上、51以上、54以上でもよい。
《最小間隔》
オスコネクタ3とメスコネクタ2とが嵌め合わされていない状態、即ち非接続状態において、メス端子20の最小間隔C(図2)は、例えば、一つのオス端子30の厚さtの0.6倍以上0.9倍以下が挙げられる。最小間隔Cは、非接続状態にある一つのメス端子20において、オス端子30を収納すると共に、オス端子30に接触する箇所の間隔のうち、最小値である。つまり、最小間隔Cは、一つのメス端子20において、上述のオス端子30を挟む箇所の最小距離である。本例では、最小間隔Cは、上述のばね片205と筒部の内面との間の最小距離である。
最小間隔Cが厚さtの0.9倍以下であれば、メス端子20は、オス端子30に確実に接する。また、メス端子20は、オス端子30に近づく方向にオス端子30を加圧した状態を構築できる。そのため、オス端子30とメス端子20との接触抵抗、ひいてはオスコネクタ3とメスコネクタ2との接触抵抗が低くなり易い。また、メスコネクタ2の用途が車載用途等のように、使用時に振動が与えられる用途であっても、オス端子30とメス端子20との接触状態が維持され易い。上述の接触状態の維持の観点から、最小間隔Cは厚さtの0.89倍以下、0.88倍以下、0.87倍以下でもよい。
最小間隔Cが厚さtの0.6倍以上であれば、最小間隔Cが狭過ぎない。そのため、オス端子30をメス端子20に容易に挿入することができる。最小間隔Cが大きいほど、オス端子30をメス端子20に挿入する作業が行い易い。挿入作業性の向上の観点から、最小間隔Cは厚さtの0.61倍以上、0.62倍以上、0.63倍以上でもよい。最小間隔Cが厚さtの0.7倍以上、0.72倍以上であれば、挿入作業性が更に向上する。本例の最小間隔Cは厚さtの0.75倍である。
最小間隔Cは、例えば、上述の筒部の形状・大きさ、ばね片205の形状・大きさ・数・配置状態等に応じて、変更することが挙げられる。
〈外寸〉
メスコネクタ2は、上述のように40以上の極孔225を備える。この点で、メスコネクタ2は大型になり易いといえる。しかし、本例のメスコネクタ2は、以下の点から小型である。
(1)メスコネクタ2は嵌合レバーを備えていない。
(2)メスコネクタ2はリテーナを備えていない。
(3)本体部22の長辺方向及び短辺方向の双方において多段に極孔225が配列されている。
(4)本体部22における隣り合うメス端子20の間隔C2W,C2Hの最大値が小さい。
(5)本体部22が横長の長方形状である。
小型なメスコネクタ2の外寸として、例えばハウジング21の幅Wが63mm以下であることが挙げられる。また、例えばハウジング21の高さHが30mm以下であることが挙げられる。幅Wが63mm以下であり、かつ高さHが30mm以下であれば、メスコネクタ2は更に小型である。なお、本例では、高さH<幅Wである。
幅Wが63mm以下であるメスコネクタ2は、40以上の極孔と、嵌合レバーとを有する従来のメスコネクタより小型である。更なる小型化の観点から、幅Wは62.5mm以下、62.0mm以下、61.5mm以下でもよい。
高さHが30mm以下であるメスコネクタ2は、40以上の極孔と、嵌合レバーとを有する従来のメスコネクタより小型である。更なる小型化の観点から、高さHは、29.5mm以下、29.0mm以下、28.5mm以下でもよい。
幅W及び高さHの下限値は、極孔225の数、間隔C2W,C2Hの最大値等に応じて選択すればよい。極孔225の数、間隔C2W,C2Hの最大値等にもよるが、例えば、幅Wは45mm以上が挙げられる。また、高さHは15mm以上が挙げられる。本例では、幅Wは48mmである。また、高さHは25mmである。
〈検知孔〉
本例のハウジング21は、図1,図2,図4に示すように本体部22に設けられた複数の検知孔25及び複数のランス部252(図2,図3)を備える。各検知孔25及びランス部252は、リテーナに代えて、本体部22に対して、メス端子20の挿入位置の適否を検知することに利用される。各検知孔25は、同一の構造、同一形状、同一の大きさである。各ランス部252は、同一の構造、同一形状、同一の大きさである。従って、以下の説明は、一つの検知孔25、一つのランス部252を例に行う。
図4に示すように、本体部22は、極孔225と検知孔25とを上述の短辺方向に並んで備える。極孔225と検知孔25とは、第一の端面221に開口する。即ち、検知孔25は、第一の端面221に設けられる開口部250を備える。図2に示すように、ランス部252は、片持ち支持されたばね片状であり、極孔225と検知孔25とを仕切る。ランス部252の自由端は、第一の端面221に達しない。そのため、第一の端面221とランス部252の自由端との間において、メス端子20の一部は検知孔25側に突出可能である。
極孔225に対するメス端子20の挿入位置が適切である場合、ランス部252の先端部は、上述のようにメス端子20の筒部の凹部に嵌め込まれる。また、メス端子20の一部は上述の第一の端面221とランス部252の自由端との間において、検知孔25側に突出する。検知孔25を構成する内周面は、上述の突出するメス端子20の外周面の一部と、ランス部252の外周面の一部とを含む。
検知孔25及びランス部252を利用して、メス端子20の挿入位置の適否を検知する際には、図示しない検知ピン及びプローブピンと、電気回路とを備える装置が利用される。検知ピンは検知孔25に挿入される。プローブピンはメス端子20の筒部に挿入される。電気回路には、プローブピンと、メス端子20が装着された電線7とが接続される。
検知ピンは、樹脂等の電気絶縁性材料から構成される。プローブピンは、導電性材料から構成される。導電性材料は例えば銅等の金属が挙げられる。プローブピンは、検知ピンに固定される。電気回路は、プローブピンとの接続部と、電線7との接続部と、電源と、電球等の表示部とを備える。表示部は、上記電気回路が導通状態であることを示す。例えば、電球が点灯する。
検知ピン及びプローブピンは、検知ピンの先端部が検知孔25への挿入方向に対してプローブピンの先端部より突出するように配置される。両ピンの突出状態は、以下の条件を満たす。極孔225に対するメス端子20の挿入位置が適切である場合に、メス端子20の筒部に挿入されたプローブピンがメス端子20に接触する。上記挿入位置が不適切である場合、検知ピンがランス部252の先端部等に接触する。この接触により、ランス部252は、検知ピンが検知孔25の奥に挿入されることを阻害する。その結果、検知ピンより後退位置に配置されるプローブピンはメス端子20に接触できない。
以下に、検知手順を説明する。
検知ピンの先端部を検知孔25に挿入する。検知ピンの移動に伴い、プローブピンもメス端子20側に移動される。
検知ピンがランス部252に阻害されることなく、検知孔25の奥まで挿入されると、プローブピンは、メス端子20の筒部に挿入されると共に、上記筒部に接する。その結果、プローブピンに接続される電気回路は、メス端子20及び電線7を介して導通状態となる。表示部が作動することで、メス端子20の挿入位置が適切であることが検知される。同時に、メス端子20及び電線7が導通可能であることも検知される。
検知ピンがランス部252に接触して、検知孔25の奥に挿入できない場合、プローブピンはメス端子20に接触できない。そのため、メス端子20の挿入位置が不適切であることが検知される。
なお、検知ピン及びプローブピンを利用した検知方法及び装置は、公知の技術を利用してもよい。
〈シールリング部〉
以下、主に図2,図8を参照して、シールリング部4を説明する。
シールリング部4は、図2に示すように本体部22に取り付けられて、オスコネクタ3とメスコネクタ2との間の止水性を高めることに寄与する(図3も参照)。
本例のシールリング部4は、環状部40と、取付部42とを備える一体物である(図8)。
環状部40は、ハウジング21の本体部22において第二の端面222側の領域の外周に装着される部分である。そのため、環状部40の外周は、フード部23に覆われる。取付部42は、シールリング部4をハウジング21に固定する部分である。
本例では、環状部40は、本体部22の外形に対応して、横長の長方形の枠状である(図8)。また、環状部40は、環状部40を環の軸方向に平行な平面で切断した断面において、均一的な厚さではない。環状部40において本体部22の第一の端面221側に配置される領域は、第二の端面222側に配置される領域より厚い部分を備える。この厚い部分の断面形状は、M字状である。接続状態では、上述のM字状の箇所は、オスコネクタ3のフード部33に押圧されて、フード部33の内周面に密着する(図3)。即ち、上記M字状の箇所は、オス側のフード部33との接触箇所である。
環状部40の厚さは、所定の止水性を確保可能な範囲で適宜選択できる。環状部40のうち、オスコネクタ3のフード部33との接触箇所の厚さが厚いほど、メス側の本体部22の外周面とオス側のフード部33の内周面とが環状部40を押し潰し易い。その結果、メス側の本体部22の外周面とオス側のフード部33の内周面とが密着する。そのため、止水性が高められる。止水性の向上の観点から、環状部40の最大厚さtは、例えば0.5mm以上、0.8mm以上、1.0mm以上が挙げられる。
なお、環状部40の最大厚さtは、環状部40が圧縮されていない状態での厚さである。また、最大厚さtは、環状部40においてオスコネクタ3のフード部33との接触箇所のうち、最も厚い箇所の厚さである。本例では、上述のM字状の箇所が最大厚さtを有する。
環状部40の厚さが薄いほど、オスコネクタ3とメスコネクタ2との嵌め合いが行い易い。環状部40の最大厚さtは、例えば1.5mm以下が挙げられる。最大厚さtが1.5mm以下であれば、極孔225の数が多いために本体部22の外周長が長いことに起因して、環状部40の周長が長い場合でも、上述の嵌め合いが行い易い。嵌め合い作業性の向上の観点から、最大厚さtは1.45mm以下、1.40mm以下でもよい。本例の最大厚さtは、1.35mmである。
本例では、取付部42は、図8に示すように、環状部40において短辺方向に沿った箇所にそれぞれ設けられている。各取付部42は、爪部を備える。各取付部42の爪部は、ハウジング21に設けられた取付孔245(図5,図6,図7)に嵌め込まれる(後述の図10も参照)。爪部がフード部23の底壁部に引っ掛かることで、シールリング部4はハウジング21に固定される。
シールリング部4及び後述する防水栓6の構成材料は、ゴム組成物等の止水性に優れる材料が挙げられる。ゴム組成物の主体となるゴムの一例として、シリコーンゴム等が挙げられる。
〈防水栓〉
以下、主に図2を参照して、防水栓6を説明する。
防水栓6は、装着部24の内側に嵌め込まれて、メスコネクタ2の止水性を高めることに寄与する。
本例の防水栓6は、所定の厚さを有する板状の部材であり、本体部22の第二の端面222に接して配置される。防水栓6には、極孔225の数と同じ数の保持孔65が設けられている。本例では、保持孔65の数は54である。防水栓6がハウジング21に配置された状態において、各保持孔65は、各極孔225の配置位置に対応するように設けられており、各極孔225に連通する。
各保持孔65には、電線7が挿通される。各保持孔65に連通する本体部22の各極孔225には、電線7に接続されるメス端子20が挿通される。各保持孔65を構成する内周面は各電線7に密着している。そのため、電線7を経て、メス端子20側に水等が伝わることが防止される。また、連続するメス端子20と電線7とによって、ハウジング21と防水栓6とが相互に位置決めされる。
本例では、防水栓6における本体部22側の端面、及び本体部22側とは反対側の端面は、横長の長方形状である(後述する図10参照)。防水栓6が装着部24に嵌め込まれていない状態において、防水栓6における長辺方向の長さ及び短辺方向の長さは、装着部24における長辺方向の長さ及び短辺方向の長さより若干大きい。そのため、防水栓6が装着部24に嵌め込まれると、防水栓6の外周面は、装着部24の内周面に密着する。この密着により、防水栓6は、ハウジング21に保持される。
本例では、各保持孔65は、防水栓6における本体部22側の端面から、その反対側の端面に貫通する。また、本例では、各保持孔65は、同一形状、同一の大きさである。従って、以下の説明は、一つの保持孔65を例に行う。
保持孔65は、保持孔65の軸方向に直交する平面で切断した断面形状が円形状の孔である。保持孔65の内径は、上記軸方向に沿って一様ではなく異なっている。保持孔65における各開口側の領域は、一つの電線7の外径より大きい内径を有する。そのため、保持孔65に電線7及びメス端子20を挿通する作業が行い易い。保持孔65における上記軸方向の中間の領域は、一つの電線7の外径より小さい内径を有する部分を含む。そのため、保持孔65を構成する内周面は、電線7に密着できる。
〈アタッチメント〉
以下、主に図9から図11を参照して、アタッチメント5を説明する。
アタッチメント5は、メスコネクタ2のハウジング21に対して着脱可能な部材である。アタッチメント5は、ハウジング21に備えられる極孔225の数をメス端子20の使用数に応じて減じる場合に利用される。
具体的には、アタッチメント5は、少なくとも一つの閉鎖ピン51と、複数の貫通孔55とを備える。閉鎖ピン51は、複数の極孔225のうち、所定の数の極孔225を塞ぎ、使用可能な極孔225の数を減じる。各貫通孔55は、閉鎖ピン51によって塞がれていない残りの極孔225に連通するように設けられる。残りの極孔225のそれぞれは、使用する極孔225である。残りの極孔225にはそれぞれ、メス端子20が挿入される(図2)。各貫通孔55には、メス端子20に接続される電線7が挿入される(図2)。
本例では、アタッチメント5は、所定の厚さを有する板状の本体部50を備える。本体部50は、防水栓6の端面に接して配置される(図2)。本体部50における防水栓6側の端面、及び防水栓6側とは反対側の端面は、本体部22の第二の端面222に対応した横長の長方形状である。本体部50の厚さは、装着部24の内側に防水栓6及びアタッチメント5が配置された状態において、本体部50が装着部24から突出しない程度である(図2)。
本体部50は、使用しない極孔225の数と同じ数の閉鎖ピン51と、使用する極孔225の数と同じ数の貫通孔55とを備える。各閉鎖ピン51は、本体部50における防水栓6側の端面から、防水栓6側に向かって突出する。各貫通孔55は、本体部50における防水栓6側の端面から、その反対側の端面に貫通する。
各閉鎖ピン51及び各貫通孔55は、アタッチメント5がハウジング21に装着された状態において、防水栓6の各保持孔65の配置位置に対応するように設けられる。アタッチメント5がハウジング21に装着されると、各閉鎖ピン51は、防水栓6において使用しない各極孔225に対応した各保持孔65に差し込まれる。その結果、各閉鎖ピン51は、使用しない各極孔225において、メス端子20が挿入される側の開口部、即ち第二の端面222に設けられた開口部を塞ぐ。各貫通孔55は、防水栓6において使用する各極孔225に対応した各保持孔65に連通する。その結果、各貫通孔55は、使用する各極孔225にも連通する。
本例では、各閉鎖ピン51は、同一形状、同一の大きさである。従って、以下の説明は、一つの閉鎖ピン51を例に行う。
閉鎖ピン51は、概ね、一様な外径を有する丸棒状である。閉鎖ピン51の端縁は、角落としされている。そのため、閉鎖ピン51は、防水栓6の保持孔65に挿入され易い。
閉鎖ピン51の外径は、概ね、一つの電線7の外径と同じである。そのため、閉鎖ピン51は、防水栓6の保持孔65に挿入されると、保持孔65を構成する内周面に密着する。この密着によって、止水性が高められる。また、この密着によって、閉鎖ピン51は、防水栓6に対するアタッチメント5の取付部としても機能する。
閉鎖ピン51の突出長さは適宜選択できる。上記突出長さは、閉鎖ピン51の軸方向に沿った長さであって、本体部50における防水栓6側の端面から閉鎖ピン51の先端部までの長さである。本例では、上記突出長さは、防水栓6の厚さより若干大きい。即ち、上記突出長さは、防水栓6の保持孔65の長さより長い。そのため、アタッチメント5がハウジング21に装着された状態において、閉鎖ピン51の先端部は、防水栓6における本体部22側の端面から突出すると共に、使用しない極孔225に挿入される。即ち、使用しない極孔225に対応した防水栓6の保持孔65は、閉鎖ピン51によって完全に塞がれる。そのため、止水性が高められる。
閉鎖ピン51の数は、本体部22に備えられる極孔225の数より少ない範囲において、使用する極孔225の数に応じて選択できる。本例では、使用する極孔225の数が48であり、閉鎖ピン51の数は6であるが、変更できる。例えば、閉鎖ピン51の数は1でもよいし、2から5でもよいし、7以上でもよい。
本例では、各貫通孔55は、同一形状、同一の大きさである。従って、以下の説明は、一つの貫通孔55を例に行う。貫通孔55には、電線7が挿通される。そのため、貫通孔55は、電線7が挿通可能な大きさを有する。また、貫通孔55に連通する本体部22の極孔225には、電線7に接続されるメス端子20が挿通される。連続するメス端子20と電線7とによって、ハウジング21、防水栓6、及びアタッチメント5が相互に位置決めされる。
本体部50における閉鎖ピン51及び貫通孔55の配列は、使用する極孔225の数を確保できれば、特に限定されない。本例では、6本の閉鎖ピン51が3本ずつに分けられて、本体部50の長辺方向の二等分線を中心として対称位置に設けられている。また、3本の閉鎖ピン51は、本体部50の短辺方向に沿って直線状に並べられている。この配列は例示であり、適宜変更できる。
その他、本体部50は、一つの突起57及び複数の爪部58を備える。突起57及び複数の爪部58のいずれも、本体部50の外周面から突出する。
突起57は、装着部24に設けられた凹部237(図10)に嵌め込まれる(図11)。凹部237は、装着部24における開口縁及びその近傍の領域が部分的に切り欠かれることで構成される。作業者は、突起57を取っ手として利用することで、アタッチメント5を装着部24に配置し易い。
本例では、本体部50は、四つの爪部58を備える。本体部50の外周面は、長辺方向に沿った箇所を二つ備える。上記長辺方向に沿った箇所にそれぞれ、長辺方向に間隔をあけて二つの爪部58が設けられている。各爪部58は、装着部24に設けられた図示しない孔に嵌め込まれる。各爪部58が装着部24の上記孔の内周面に引っ掛かることで、アタッチメント5はハウジング21に固定される。
アタッチメント5を使用しない場合を説明する。
この場合、アタッチメント5をハウジング21の装着部24に装着しない。そのため、極孔225の数は、本体部22に設けられた数のままである。本例では、極孔225の数は54のままである。図10に示すように、ハウジング21に防水栓6が配置される場合には、極孔225の数は、防水栓6の保持孔65の数に相当し、54のままである。各極孔225にメス端子20(図2)が配置されることで、メスコネクタ2は、54極のコネクタとして利用できる。なお、図10は、主に、ハウジング21及び防水栓6を示す。
アタッチメント5を使用する場合を説明する。
この場合、アタッチメント5をハウジング21の装着部24に装着する。詳しくは、防水栓6の保持孔65のうち、所定の保持孔65にそれぞれ、アタッチメント5の閉鎖ピン51を挿入する。また、本体部50を装着部24に配置すると共に、装着部24の凹部237及び図示しない孔にそれぞれ突起57及び爪部58を嵌め込む。アタッチメント5が装着された状態では、使用可能な極孔225の数は、図11に示すようにアタッチメント5の貫通孔55の数に減じられる。本例では、使用可能な極孔225の数は、54から48に減じられる。閉鎖ピン51に塞がれていない残りの保持孔65を経て、これらの保持孔65に連通する極孔225にそれぞれ、メス端子20(図2)が配置されることで、メスコネクタ2は、48極のコネクタとして利用できる。なお、図11は、主に、ハウジング21及びアタッチメント5を示す。
閉鎖ピン51の数及び貫通孔55の数が異なるアタッチメント5を複数種用意してもよい。この場合、使用しない極孔225の数に対応した数の閉鎖ピン51と、使用する極孔225の数に対応した数の貫通孔55とを備えるアタッチメント5を選択して、ハウジング21に装着すれば、使用可能な極孔225の数が容易に変更される。
〈メスコネクタの組立手順〉
本例のメスコネクタ2は、例えば、以下のようにして構築される。
(1)メスコネクタ2において、本体部22とフード部23との間にシールリング部4を挿入して、本体部22の外周にシールリング部4を装着する。
(2)電線7が接続された各メス端子20をアタッチメント5の各貫通孔55、防水栓6の各保持孔65に順に挿通する。なお、防水栓6にアタッチメント5を予め取り付けてもよい。
(3)電線7の外周に防水栓6及びアタッチメント5を挿通させた状態で、各メス端子20をメスコネクタ2の本体部22に設けられた各極孔225の所定の位置まで挿入する。
(4)メスコネクタ2の装着部24に、防水栓6、アタッチメント5を順に嵌め込む。
(5)メス端子20を挿入後、上述のように検知孔25を利用して、メス端子20の挿入位置の適否を確認する。不適切な場合には、メス端子20の配置位置を是正する。
(コネクタ対)
実施形態1のコネクタ対1は、図2,図3に示すように、実施形態1のメスコネクタ2と、オスコネクタ3とを備える。オスコネクタ3は、40以上のオス端子30を有する。以下、主に、図12、図13を参照して、オスコネクタ3を説明する。
<オスコネクタ>
オスコネクタ3は、図12に示すように、複数のオス端子30が有底筒状のハウジング31に保持された部材である。各オス端子30は、主として、電気的な接続部材として利用される。ハウジング31は、複数のオス端子30を一体に保持すると共に、隣り合うオス端子30同士を電気的に絶縁する。また、ハウジング31は、主として、機械的な接続部材として利用される。
〈オス端子〉
オス端子30はいずれも、金属等の導電性材料からなる棒状の導電部材である。オス端子30はいずれも、同一形状、同一の大きさである。従って、以下の説明は、一つのオス端子30を例に行う。
《構造》
オス端子30の一端側の領域は、メス端子20との接続箇所である(図3)。オス端子30の他端側の領域は例えばプリント配線基板8等との接続箇所である(図3)。オス端子30の中間部は、後述するハウジング31の本体部32に設けられる極孔325に圧入される(図2)。この圧入によって、オス端子30はハウジング31に保持される。また、オス端子30の中間部が折り曲げられることで、オス端子30はL字状である(図2,図3)。
《構成材料》
オス端子30は、代表的には、図14に示すように、基材300と、基材300の表面の少なくとも一部を覆うめっき層301とを備える。
本例のめっき層301は、メス端子20のめっき層201と同様の構成である。即ち、めっき層301は、純錫からなる表層302と、錫と銅とを含む合金からなる内層303とを備え、上記合金が表層302から部分的に露出されている。この場合、めっき層301において、表層302と内層303との界面は直線状ではなく、図14に例示するように凹凸である。オス端子30のめっき層301とメス端子20のめっき層201とが同じ構成材料であり、かつ上述の特定の二層構造であることで、オス端子30をメス端子20に挿入する際に、オス端子30が滑り易い。そのため、挿入作業性が行い易い。なお、基材300及びめっき層301の詳細は、メス端子20の《構成材料》の項を参照するとよい。
基材300のうち、メス端子20が接続される一端側の領域では、メス端子20との接触箇所はめっき層301を備えることが好ましい。本例では、基材300は直方体状である。この基材300の外周面を構成する四面のうち、向かい合う二面がメス端子20に接触する。そのため、基材300のうち、上記向かい合う二面にめっき層301を備えることが挙げられる。
なお、基材300のうち、プリント配線基板8等が接続される他端側の領域では、プリント配線基板8等との接続箇所はめっき層301を備えることが好ましい。プリント配線基板8等との接続箇所では、基材300の外周面の全周がめっき層301に覆われてもよい。
《大きさ》
オス端子30のうち、メス端子20が接続される一端側の領域の厚さt(図13,図2)は、メス端子20の筒部の大きさ、最小間隔Cに応じて選択するとよい。例えば、オス端子30の厚さtは、0.3mm以上5.0mm以下が挙げられる。
なお、オス端子30の厚さtは、オス端子30の軸方向に直交する方向に沿った大きさであって、オス端子30がメス端子20のばね片205等に挟まれる方向に沿った大きさである。オス端子30の軸方向は、極孔325の軸方向に沿った方向であり、図2では左右方向である。また、厚さtは、オス端子30のうち、メス端子20が接続される一端側の領域において、図13,図2では上下方向に沿った大きさである。
《数》
オスコネクタ3に備えられるオス端子30の数は、メス端子20の数と同じであり、40以上である。本例では、オス端子30の数は48である。オス端子30の数は、メス端子20の数に応じて選択するとよい。
〈ハウジング〉
《概要》
ハウジング31は、代表的には、樹脂組成物からなる成形体である。また、ハウジング31は、本体部32と、フード部33とを備える一体物である(図2)。本体部32は、複数のオス端子30を保持する板状の部分である(図2)。フード部33は、本体部32におけるメスコネクタ2との接続側に位置する内端面から立設される筒状の部分である。いわば、ハウジング31は、本体部32を底部とする有底筒状である。
《本体部》
本体部32は、複数の極孔325を備える。各極孔325は、本体部32の内端面から、メスコネクタ2との接続側とは反対側に位置する外端面に貫通する(図2)。各極孔325には、オス端子30が圧入されると共に貫通される。そのため、各オス端子30の一端側の領域は、本体部32の内端面から突出する。各オス端子30の他端側の領域は、本体部32の外端面から突出する。
なお、オスコネクタ3におけるメスコネクタ2との接続側は、図2では右側である。オスコネクタ3におけるメスコネクタ2との接続側とは反対側は、図2では左側である。
本例の本体部32は、図13に示すように、嵌め合い方向に見て、横長の長方形状である。各オス端子30は、メスコネクタ2におけるメス端子20の配列に対応して、本体部32の長辺方向及び短辺方向のそれぞれに、所定の間隔をあけて並ぶ。本例では、48個のオス端子30は、3行×16列、詳しくは、3行×5列、3行×6列、3行×5列という三つの群に並ぶ。なお、本体部32の長辺方向は、図13では左右方向である。本体部32の短辺方向は、図13では上下方向である。
オス端子30の外寸は、メス端子20の筒部の外寸より小さい。そのため、隣り合うオス端子30の間隔のうち、長辺方向に沿った間隔は、代表的には間隔C2Wより大きい。隣り合うオス端子30の間隔のうち、短辺方向に沿った間隔は、代表的には間隔C2Hより大きい。なお、オス端子30の外寸は、オス端子30を嵌め合い方向に直交する平面で切断した断面において、オス端子30の軸方向に直交する方向の長さである。メス端子20の外寸は、メス端子20を上記平面で切断した断面において、メス端子20の軸方向に直交する方向の長さである。上記直交する方向の長さは、図13,図5では上下方向の長さと、左右方向の長さとが挙げられる。オス端子30では、上記直交する方向の長さの一つは厚さtである。
《フード部》
フード部33は、図12に示すように、複数のオス端子30におけるメス端子20との接続側の領域を囲む。そのため、各オス端子30の一端側の領域は、フード部33に覆われる。各オス端子30の他端側の領域は、フード部33に覆われずに露出される(図2も参照)。
フード部33の内部空間には、メスコネクタ2の本体部22が挿入される(図3)。また、フード部33の外周面は、メスコネクタ2のフード部23に覆われる(図3)。そのため、オス側のフード部33の内周形状は、メス側の本体部22の外周形状に対応している。また、オス側のフード部33の外周形状は、メス側のフード部23の内周形状に対応している。本例では、図13に示すように極孔325(図2)の軸方向に見て、フード部33の内周形状は、横長の長方形状である。
フード部33の厚さは適宜選択できる。フード部33の最小厚さt33は例えば1.6mm以上が挙げられる。ここで、本例のように、フード部33が横長の長方形状である場合、フード部33において特に長辺方向に沿った部分の厚さが薄過ぎると、フード部33の剛性が低くなり易い。最小厚さt33が1.6mm以上であれば、フード部33の剛性が高くなり易い。ひいては、オスコネクタ3の耐振性が高められる。剛性の向上の観点から、最小厚さt33は1.65mm以上、1.70mm以上、1.75mm以上でもよい。
フード部33の最小厚さt33の上限値は特に限定されない。最小厚さt33が小さいほど、フード部33の外寸が小さくなり易い。ひいては、オスコネクタ3が小型になり易い。オスコネクタ3の小型化の観点から、最小厚さt33は3.0mm以下、2.8mm以下、2.5mm以下でもよい。本例では、最小厚さt33は1.6mm以上2.0mm以下である。
《リブ》
本例では、更に、フード部33の内周面338のうち、短辺方向に沿った二面はそれぞれ、向かい合う方向に突出するリブ331を備える。短辺方向に沿った二面は、図13では左面、右面である。リブ331は図13では左右方向に突出する。本例では、内周面338のうち、長辺方向に沿った二面もそれぞれ、向かい合う方向に突出するリブ332を備える。長辺方向に沿った二面は、図13では上面、下面である。リブ332は図13では上下方向に突出する。リブ331,332を備えることで、フード部33は、剛性を高められる。
また、リブ331,332は、オス側のフード部33とメスコネクタ2の本体部22とを嵌め合う際にガイドとして利用できる。ここで、オス側のフード部33及びメス側の本体部22が上述のように横長の長方形状である場合、オス側のフード部33の長辺方向に沿った二面に対して、メス側の本体部22が交差するように傾いた状態でオス側のフード部33に入り易い。向かい合うリブ331は、オス側のフード部33の内側において、メス側の本体部22が移動可能な範囲を狭める。そのため、短辺側のリブ331をガイドとすることで、上述の傾きが防止される。本例では、長辺側のリブ332もガイドに利用できるため、上述の傾きが更に防止され易い。その結果、オスコネクタ3とメスコネクタ2とが適切に嵌め合わせられる。
リブ331,332の形状、大きさは適宜選択できる。本例では、リブ331,332は、同一形状、同一の大きさである。従って、以下の説明は、一つのリブ331を例に行う。
リブ331は、図12に示すように細長い直方体状の突起である(図2も参照)。
リブ331における内周面338からの突出高さは、接続状態において、リブ331とメス側の本体部22とが接触しない大きさである。即ち、上記突出高さは、接続状態におけるオス側のフード部33の内周面338とメス側の本体部22の外周面との間隔より若干小さい。この点は、図3のリブ332と本体部22とを参照されたい。
リブ331は、フード部33の開口縁より内側の位置から本体部32にいたる範囲に、フード部33の軸方向に沿って設けられている。そのため、リブ331におけるフード部33の軸方向に沿った長さは、フード部33における上記軸方向に沿った長さより短い。なお、リブ331の上記長さとフード部33の上記長さとが同じでもよい。即ち、リブ331は、フード部33の開口縁から本体部32にいたるように設けられてもよい。
フード部33の内周面338のうち、短辺方向に沿った各面におけるリブ331の数、配置位置等は、適宜選択できる。本例では、短辺側のリブ331の数は、2である。また、隣り合うリブ331の間隔は、短辺方向に沿った面の長さの1/3程度である(図2)。
フード部33の内周面338のうち、長辺方向に沿った各面におけるリブ332の数、配置位置等は適宜選択できる。本例では、上述のリブ332の数は、6又は7である。例えば、下面側の7個のリブ332は等間隔に並ぶ(図13)。
<一組の挿入力>
実施形態1のコネクタ対1では、一組の挿入力が1.6N以下であることが挙げられる。一組の挿入力は、一つのオス端子30を一つのメス端子20に挿入するときの力である。即ち、一組の挿入力は、オス端子30をメス端子20の筒部の所定の位置にまで挿入するために必要な荷重である。一組の挿入力の測定方法の詳細は、後述する試験例で説明する。
オスコネクタ3に備えられるオス端子30と、メスコネクタ2に備えられるメス端子20とにおける一組の挿入力が1.6N以下であれば、極数が40以上であるコネクタ対1であっても、嵌め合い荷重が小さくなり易い。嵌め合い荷重は、オスコネクタ3とメスコネクタ2とを嵌め合わせるときの最大荷重である。また、嵌め合い荷重は、主として、一組の挿入力と極数との積で表される合計挿入力である。例えば、極数が40であれば、合計挿入力は1.6N以下×40=96N以下である。そのため、嵌め合い荷重は96N以下になり易い。
一組の挿入力が小さいほど、嵌め合い荷重が小さくなり易い。嵌め合い荷重の低減の観点から、一組の挿入力は、1.58N以下、1.55N以下、1.50N以下が好ましい。一組の挿入力は、1.45N以下、1.40N以下がより好ましい。
一組の挿入力が小さ過ぎる場合、オス端子30とメス端子20とが十分に接触していないことが懸念される。例えば、車載用途等のように使用時に振動が与えられる用途では、振動によって、接触状態が不安定になることが挙げられる。良好な接触状態の確保の観点から、一組の挿入力は、0.8N以上、1.0N以上が好ましい。
一組の挿入力が0.8N以上1.6N以下、1.0N以上1.5N以下であると、嵌め合い荷重が低減されると共に、オス端子30とメス端子20とが良好に接触した状態が確保される。
<嵌め合い荷重>
オスコネクタ3とメスコネクタ2とを嵌め合わす際には、オスコネクタ3に備えられる各オス端子30とメスコネクタ2に備えられる各メス端子20との接続と、ハウジング21,31同士の接続と、ロック機構による固定とが必要である。そのため、上述の合計挿入力と、オス側のフード部33とシールリング部4との摩擦力と、上述のロック機構の摩擦力とを合わせた力が必要である。嵌め合い荷重は、上記の合わせた力の最大値で表される。嵌め合い荷重の測定方法の詳細は、後述する試験例で説明する。
なお、上述の合計挿入力は、嵌め合い荷重の概ね75%以上を占める。従って、嵌め合い荷重を低減するためには、上述のように一組の挿入力を小さくすることが有効である。
実施形態1のコネクタ対1では、嵌め合い荷重は例えば99.5N以下が挙げられる。嵌め合い荷重が99.5N以下であれば、オスコネクタ3とメスコネクタ2とが嵌め合い易い。例えば、嵌合レバーが無くても、作業者は、オスコネクタ3とメスコネクタ2とを容易に接続できる。嵌め合い荷重が小さいほど、作業者の負担が軽減される。作業者の負担の軽減の観点から、嵌め合い荷重は、99N以下、98N以下、97N以下が好ましい。嵌め合い荷重が96N以下、95N以下であれば、作業者の負担が更に低減される。また、嵌め合い荷重が小さく、かつ極数が多いほど、一組の挿入力が小さくなり易い。即ち、嵌め合い荷重が小さく、かつ極数が多いコネクタ対1は、一組の挿入力が小さいオス端子30とメス端子20との組を備えるといえる。
嵌め合い荷重が小さ過ぎる場合、オスコネクタ3とメスコネクタ2とが十分に接続されていないことが懸念される。例えば、車載用途等のように使用時に振動が与えられる用途では、振動によって、オス端子30とメス端子20との接触状態や、ハウジング31,21の接続状態が不安定になることが挙げられる。良好な接続状態等の確保の観点から、嵌め合い荷重は、極数等にもよるが、75N以上、80N以上が好ましい。
嵌め合い荷重が75N以上99.5N以下、80N以上96N以下であると、作業者の負担が低減されると共に、オスコネクタ3とメスコネクタ2とが良好に接続された状態が確保される。
なお、一組の挿入力は、例えば、メス端子20の筒部の形状・大きさ等、ばね片205の形状・大きさ・数・配置状態・最小間隔C等、オス端子30の厚さt等によって調整することが挙げられる。嵌め合い荷重は、例えば、極数、一組の挿入力、シールリング部4の最大厚さt、ハウジング21,31の形状・大きさ等によって調整することが挙げられる。
(コネクタ付きワイヤーハーネス)
以下、主に図3を参照して、実施形態1のコネクタ付きワイヤーハーネス10を説明する。
実施形態1のコネクタ付きワイヤーハーネス10は、実施形態のメスコネクタ2と、複数の電線7とを備える。各電線7は、メスコネクタ2に備えられるメス端子20のそれぞれに接続される。
各電線7は、導体70と、電気絶縁層71とを備える。電気絶縁層71は、導体70の外周を覆う。導体70は、代表的には、銅やアルミニウム、これらの合金等の導電性材料から構成される。電気絶縁層71は、代表的には、樹脂等の電気絶縁材料から構成される。
各電線7は、予め各メス端子20に取り付けられる。そして、電線7が接続されたメス端子20のそれぞれがメスコネクタ2の各極孔225に配置されることで、各電線7は、メスコネクタ2に一体に保持される。本例では、各電線7は、防水栓6及びアタッチメント5に保持された状態で、メスコネクタ2のハウジング21に保持される。
(基板ユニット)
以下、主に図3を参照して、実施形態の基板ユニット100を説明する。
実施形態1の基板ユニット100は、実施形態1のメスコネクタ2、又は実施形態1のコネクタ付きワイヤーハーネス10と、オスコネクタ3と、プリント配線基板8とを備える。オスコネクタ3は、40以上のオス端子30を有する。オス端子30のそれぞれの一端部は、メス端子20のそれぞれに接続される。オス端子30のそれぞれの他端部は、プリント配線基板8に接続される。各メス端子20においてオス端子30との接続側とは反対側の端部には、上述のように電線7が接続される。オスコネクタ3及びメスコネクタ2、即ち実施形態1のコネクタ対1を介して、各電線7とプリント配線基板8とが電気的に接続される。
プリント配線基板8は、例えば、制御回路80を備えることが挙げられる。制御回路80は、プリント配線基板8に設けられる配線パタンと、配線パタンに接続される各種の電子・電磁部品とによって構築される。制御回路80の詳細な図示は省略する。制御回路80は、各電線7に接続される図示しない電子・電気機器を制御することが挙げられる。
プリント配線基板8は、例えば、エンジンの燃料噴射及びエンジン点火の少なくとも一方を制御する制御回路80を備えることが挙げられる。このようなプリント配線基板8を備える基板ユニット100は、エンジンコントロールユニットと呼ばれる。
(主な効果)
実施形態1のメスコネクタ2は、極数が40以上と多極であるものの、ハウジング21を高精度に成形し易いため、製造性に優れる。詳しくは、ゲート痕230近くに位置する角部233が、厚肉部235及び薄肉部236を備える。そのため、ハウジング21の製造過程で、隣り合う極孔225の間隔が狭くても、上述の流動物が流れ易い。従って、各極孔225が高精度に成形される。本例では、以下の(A),(B)からも上記流動物が流れ易い。
(A)ハウジング21の内角部240が局所的に厚い箇所を備える。
(B)上記流動物を導入するゲートが一つである。また、ゲート側の角部233の形状及び大きさと、ゲート側とは反対側の角部233の形状及び大きさとが同じである。そのため、金型におけるゲートから離れた角部233を形成する箇所の大きさが、ゲートに近い角部233を形成する箇所の大きさと同程度である。上記流動物の流路の大きさが同程度であることで、金型におけるゲートから離れた角部223を形成する箇所でも、上記流動物が流れ易い。
上述のように上記流動物が流れ易いため、実施形態1のメスコネクタ2は、隣り合う極孔225の間隔を小さくできる。本例では、長辺方向の間隔C2Wが2.5mm以下、かつ短辺方向の間隔C2Hが3.6mm以下を満たす。間隔C2W,C2Hが小さいことで、メスコネクタ2の外寸も小さくなる。本例では、メスコネクタ2の外寸は、幅Wが63mm以下、かつ高さが30mm以下を満たす。これらの点から、実施形態1のメスコネクタ2は、小型である。本例のメスコネクタ2は、嵌合レバー及びリテーナを備えていない。嵌合レバー及びリテーナの省略によって、極数が同じであり、嵌合レバー及びリテーナを有するコネクタ対に比較して、小型化が可能である。
更に、本例のメスコネクタ2は、以下の効果(i)から(iii)を奏する。
(i)メスコネクタ2は、シールリング部4及び防水栓6を備えるため、止水性に優れる。
(ii)メスコネクタ2は、アタッチメント5によって、極孔225の数を極数に応じてを容易に減じることができる。また、アタッチメント5を用いれば、使用予定の極孔225を誤って塞ぐことが無い。これらの点から、メスコネクタ2は、組立作業性に優れる。
(iii)メス端子20の最小間隔Cがオス端子30の厚さtの0.6倍以上0.9倍以下を満たす。そのため、使用時に振動等を受けても、オス端子30とメス端子20とが接触した状態が良好に維持される。このようなメスコネクタ2及びオスコネクタ3、即ちコネクタ対1は、接触抵抗が低い接続構造を構築できる。また、このようなコネクタ対1は、車載用途に好適である。
実施形態1のコネクタ対1、実施形態1のコネクタ付きワイヤーハーネス10、及び実施形態1の基板ユニット100は、実施形態1のメスコネクタ2を備えるため、上述のように製造性に優れる。また、メスコネクタ2が小型であるため、実施形態1のコネクタ対1、実施形態1のコネクタ付きワイヤーハーネス10、及び実施形態1の基板ユニット100も、小型である。
更に、本例のコネクタ対1、及びオスコネクタ3を備える基板ユニット100では、一組の挿入力が小さいため、嵌め合い荷重が小さい。本例では、以下の(1)から(3)によっても嵌め合い荷重が小さくなり易い。嵌め合い荷重が小さいことで、オスコネクタ3とメスコネクタ2とが嵌め合い易い。そのため、作業者の負担が軽減される。
(1)メス端子20に備えられるばね片205の数が一つである。
(2)オス端子30及びメス端子20の双方が上述の特定の二層構造を有するめっき層301,201を備える。そのため、一組の挿入力がより小さくなり易い。
(3)シールリング部4の最大厚さtが小さい。そのため、オス側のハウジング31とメス側のハウジング21との間の摩擦力が小さくなり易い。
更に、本例のコネクタ対1、及びオスコネクタ3を備える基板ユニット100は、以下の効果(a)から(e)を奏する。
(a)嵌め合い荷重が小さいことで、嵌合レバーを省略することができる。そのため、メスコネクタ2の部品点数が少ない。リテーナを備えていないことからも、メスコネクタ2の部品点数が少ない。
(b)嵌合レバー及びリテーナの少なくとも一方を有するコネクタ対と同じ大きさとする場合、極数をより多くすることができる。例えば、極数を48超とすることができる。
(c)嵌合レバーの省略によって、オスコネクタ3とメスコネクタ2との嵌め合い時間が短くなり易い。この点から、オスコネクタ3とメスコネクタ2との接続作業性の向上も期待できる。
(d)オス側のフード部33の最小厚さt33が1.6mm以上を満たす。そのため、フード部33は剛性に優れる。リブ331,332を備えることからも、フード部33は剛性に優れる。使用時に振動等を受けても、オスコネクタ3とメスコネクタ2との接続状態が良好に維持される。この点からも、コネクタ対1は、車載用途に好適である。
(e)オス側のフード部33に備えられるリブ331,332は、オスコネクタ3とメスコネクタ2とを嵌め合わす際にガイドに利用できる。そのため、オスコネクタ3とメスコネクタ2とが適切に嵌め合わされ易い。
特に、基板ユニット100がエンジンコントロールユニットである場合、使用時にエンジンによって振動を受けるものの、上述のようにオス端子30とメス端子20との接続状態が良好に維持される。
[試験例1]
多極のコネクタ対について、一組の挿入力及び嵌め合い荷重を測定した。
(試料No.1)
試料No.1のコネクタ対は、上述の実施形態1のコネクタ対1に概ね相当する。
試料No.1のコネクタ対の極数は、48である。
以下に、試料No.1のコネクタ対の仕様を示す。
〈メスコネクタ〉
メスコネクタは、48個のメス端子と、一つのハウジングとを備える。また、メスコネクタは、一つのシールリング部と、一つの防水栓と、一つのアタッチメントとを備え、リテーナ及び嵌合レバーを備えていない。
《メス端子》
・ 基材の構成材料は、銅合金である。
・ 基材の表面は、めっき層で覆われている。めっき層は、純錫からなる表層と、錫と銅とを含む合金からなる内層とを備え、上記合金が表層から部分的に露出されている。ここでは、銅合金からなる板材の表裏面に純錫層を形成した後、熱処理を施すことで、上述の特定の二層構造のめっき層を形成した。このめっき層を備える銅合金板を適宜切断及び成形することで、メス端子を作製した。
・ ばね片の数は一つである。
・ メス端子の最小間隔Cは、オス端子の厚さtの0.75倍である。なお、最小間隔Cは0.47mmである。
《ハウジング》
・ ハウジングの構成材料は、PBTを主体とする樹脂組成物である。
・ ロック機構として、凹部を備える。
・ 極孔の数は54である。アタッチメントによって、使用する極孔の数は48に減じられている。
・ 隣り合うメス端子の間隔のうち、長辺方向の間隔C2Wの最大値は、0.40mmである。短辺方向の間隔C2Hの最大値は、1.15mmである。なお、ハウジングの幅Wは60mmである。ハウジングの高さHは27.4mmである。
《その他》
・ シールリング部の最大厚さtは1.3mmである。
〈オスコネクタ〉
オスコネクタは、48個のオス端子と、一つのハウジングとを備える。
《オス端子》
・ 基材の構成材料は、黄銅である。
・ 基材の表面は、メス端子と同様に、上述の特定の二層構造のめっき層で覆われている。ここでは、黄銅からなる板材の表裏面に純錫層を形成した後、熱処理を施すことで、上記特定の二層構造のめっき層を形成した。このめっき層が設けられた黄銅板を所定の形状に切断することで、オス端子を作製した。いわゆる先めっき法によって、オス端子を作製した。
・ オス端子の厚さtは0.63mmである。
《ハウジング》
・ ハウジングの構成材料は、PBTを主体とする樹脂組成物である。
・ ロック機構として、爪部を備える。
・ フード部の最小厚さt33は1.8mmである。
(試料No.101)
試料No.101のコネクタ対は、以下の二点(I),(II)を除いて、試料No.1と同様である。
(I)オス端子の作製方法が異なる。試料No.101では、試料No.1で説明した黄銅板を所定の端子形状に切断してから、めっき層を形成した。いわゆる後めっき法によって、オス端子を作製した。
(II)オス側のフード部の最小厚さt33が異なる。試料No.101における最小厚さt33は1.4mmである。
(嵌め合い荷重の測定方法)
嵌め合い荷重は、以下のように測定する。
48個のオス端子の先端部が上向きとなるように、オスコネクタを固定する。このオスコネクタに対して、メスコネクタを押し付けて、オスコネクタとメスコネクタとを嵌め合わす。下方に固定されたオスコネクタに対して、上方からメスコネクタを変位させる。この変位は、ロック機構によるオス側のハウジングとメス側のハウジングとの固定がなされるまで行う。ロック機構による固定がなされた状態では、各オス端子が各メス端子の所定の位置にまで挿入される。また、オス側のフード部の先端部がメス側のフード部の奥まで挿入される。更に、メス側の本体部がオス側のフード部の奥にまで挿入される。
ロック機構による固定がなされるまでの荷重を測定する。ここでは、5回の荷重を測定し、5回の荷重の平均値を求める。この荷重の平均値を嵌め合い荷重とする。
荷重の測定は、市販のオートグラフ、プル・プッシュゲージ等の荷重を測定可能な装置を用いることが挙げられる。なお、メスコネクタの変位速度は、25m/分以上100m/分以下の範囲から選択する。本例では50m/分である。上述の装置及び変位速度は、後述する一組の挿入力の測定方法においても同様に適用される。
(一組の挿入力の測定方法)
一組の挿入力は、以下のように測定する。
オスコネクタ及びメスコネクタにおいて、ロック機構を除去する。また、メスコネクタからシールリング部を外す。
メスコネクタに備えられるメス端子の数を2とし、その他の極孔にはメス端子を配置しない。二つのメス端子は、メス側の本体部において対称な位置に配置する。例えば、二つのメス端子は、メス側の本体部において長辺方向の各端部に配置する。
オスコネクタもメスコネクタと同様に、オス端子の数を2とし、その他の極孔にはオス端子を配置しない。二つのオス端子は、オス側の本体部においてメス端子の配置位置に対応して配置する。例えば、二つのオス端子は、オス側の本体部において長辺方向の各端部に配置する。
二つのオス端子の先端部が上向きとなるように、オスコネクタを固定する。このオスコネクタに対して、メスコネクタを押し付けて、各オス端子を各メス端子の筒部に挿入する。下方に固定されたオスコネクタに対して、上方からメスコネクタを変位させる。この変位は、各オス端子が各メス端子の所定の位置に挿入されるまで行う。
各オス端子が各メス端子の所定の位置に挿入されるまでの荷重を測定する。ここでは、5回の荷重を測定し、5回の荷重の平均値を求める。更に、この平均値を2で除して、一組のオス端子及びメス端子における荷重を求める。この荷重を一組の挿入力とする。
試料No.101のコネクタ対では、一組の挿入力が1.9Nであった。また、嵌め合い荷重が115Nであった。
これに対し、試料No.1のコネクタ対では、一組の挿入力が1.5Nであった。また、嵌め合い荷重が94Nであった。試料No.1の一組の挿入力は、試料No.101の一組の挿入力に比較して約20%低い。そのため、試料No.1の嵌め合い荷重は、試料No.101の嵌め合い荷重より小さくなったと考えられる。
以上のことから、極数が40以上である多極のコネクタ対では、一組の挿入力が1.6N以下であれば、嵌め合い荷重が小さいことが示された。
[試験例2]
試験例1で作製した試料No.1のコネクタ対において、オスコネクタのフード部の耐振性を評価した。
耐振性の評価は、以下のように行った。
各メス端子の端部に所定の長さの電線を取り付ける。オスコネクタとメスコネクタとを嵌め合わせる。第一の保持部と第二の保持部との間に、オスコネクタ、メスコネクタ、メスコネクタから延びる48本の電線が並ぶように、第一の保持部にオスコネクタを固定すると共に、第二の保持部に48本の電線を固定する。両保持部の間に渡される電線の固定長さは、100mmである。各電線の軸が水平方向に沿うように、各保持部の高さを調整する。ここでの高さは、鉛直方向に沿った長さである。両保持部を加振機の上に配置して、加振機によって、両保持部に振動を付与する。
加振条件を以下に示す。
振動の付与には、市販の加振機を用いる。
振動波形は、ランダムである。
振動加速度の実効値(rms)は、5Gである。
振動周波数は、50Hzから2000Hzの範囲である。
試験温度は、85℃である。
加振方向は鉛直方向である。即ち、両保持部の間に渡される電線の軸方向に対して、直交する方向である。
オスコネクタ及びメスコネクタの上方にそれぞれ、レーザ変位計を配置して、振動が付与された状態におけるオスコネクタの変位量(mm)及びメスコネクタの変位量(mm)を測定する。ここでは、振動が付与される前の位置を初期位置とし、初期位置からのずれ量を変位量とする。各レーザ変位計の測定結果から、オスコネクタとメスコネクタとの相対的な位置のずれ量の最大値を求める。このずれ量の最大値を相対変位量と呼ぶ。比較として、極数が39であり、オス側のフード部の最小厚さが1.4mmであるコネクタ対、いわば従来のコネクタ対を用意して、同様に相対変位量を調べた。
試料No.1における相対変位量は、0.07mmであった。試料No.1の相対変位量は、従来のコネクタ対と同程度である。試料No.1では、極数が従来のコネクタ対より多いものの、オス側のフード部の最小厚さt33が1.8mmであることで、オス側のフード部の剛性が高くなったと考えられる。その結果、振動を受けても、オスコネクタのハウジングとメスコネクタのハウジングとが適切に接続された状態が維持されて、相対変位量が小さくなり易かったと考えられる。なお、試料No.1において、オス側のフード部の最小厚さが1.4mmである場合、上述の相対変位量は0.098mmである。
以上のことから、極数が40以上である多極のコネクタ対では、オスコネクタにおけるフード部の最小厚さが1.5mm以上であれば、剛性に優れることが示された。
本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
例えば、試験例1及び実施形態1において、メス端子及びオス端子について、基材の組成・形状・大きさ等、めっき層の組成・形成範囲・構造等、極数、極孔の数・配列状態等、間隔C2W,C2Hの最大値等を適宜変更できる。また、メスコネクタ及びオスコネクタについて、ハウジングの形状・大きさ等を適宜変更できる。
その他、実施形態1のメスコネクタ2において、アタッチメント5が省略されてもよい。メスコネクタ2が非防水コネクタである場合、シールリング部4及び防水栓6が省略されてもよい。これらを省略する場合、メス側のハウジング21が更に小型である。
又は、実施形態1のメスコネクタ2におけるフード部23の薄肉部236は、実施形態1とは逆向きに設けられてもよい。即ち、薄肉部236は、角部233においてオスコネクタ3との接続側の端面234から、オスコネクタ3との接続側とは反対側の端面239にいたらない中間位置までに設けられてもよい。
1 コネクタ対
2 メスコネクタ
20 メス端子、21 ハウジング、22 本体部、23 フード部
24 装着部、25 検知孔
200 基材、201 めっき層、202 表層、203 内層
205 ばね片
221,222 端面、225 極孔
230 ゲート痕、231,232 側壁部
233 角部、234,239 端面、235 厚肉部、236 薄肉部
237 凹部、238 内周面
240 内角部、245 取付孔
250 開口部、252 ランス部
3 オスコネクタ
30 オス端子、31 ハウジング、32 本体部、33 フード部
300 基材、301 めっき層、302 表層、303 内層
325 極孔
331,332 リブ、338 内周面
4 シールリング部
40 環状部、42 取付部
5 アタッチメント
50 本体部、51 閉鎖ピン、55 貫通孔
57 突起、58 爪部
6 防水栓、65 保持孔
7 電線、70 導体、71 電気絶縁層
8 プリント配線基板、80 制御回路
10 コネクタ付きワイヤーハーネス
100 基板ユニット
最小間隔、C2W,C2H 間隔
厚さ、t33 最小厚さ、t 最大厚さ
W 幅、H 高さ
a1〜a4 黒矢印

Claims (8)

  1. 複数のメス端子と、ハウジングとを備えるメスコネクタであって、
    前記メス端子の数が40以上であり、
    前記ハウジングは、前記複数のメス端子を保持する本体部と、フード部とを備え、
    前記フード部は、前記本体部の外周を囲み、オスコネクタとの接続側とは反対側が閉じた四角筒状であり、
    前記フード部において、ゲート痕が設けられた第一の側壁部と前記第一の側壁部に隣り合う第二の側壁部との角部は、厚肉部と薄肉部とを備え、
    前記薄肉部は、前記角部において、前記第一の側壁部と前記第二の側壁部との稜線方向に沿って、前記オスコネクタとの接続側の端面及び前記オスコネクタとの接続側とは反対側の端面のうち、一方の端面から他方の端面にいたらない中間位置までに設けられており、
    前記厚肉部は、前記角部において、前記薄肉部を囲むようにU字状に設けられており、
    前記角部の内周面は、凹凸を有さない一様な面である、
    メスコネクタ。
  2. 前記本体部を前記メス端子の軸方向に直交する平面で切断した断面において、前記本体部を内包する最小の長方形をとり、
    前記複数のメス端子は、前記長方形の長辺方向に沿って間隔をあけて並べられると共に、前記長方形の短辺方向に間隔をあけて並べられており、
    前記本体部における前記長辺方向に隣り合う前記メス端子の間隔の最大値が2.5mm以下である請求項1に記載のメスコネクタ。
  3. 前記本体部における前記短辺方向に隣り合う前記メス端子の間隔の最大値が3.6mm以下である請求項2に記載のメスコネクタ。
  4. 前記ハウジングを前記メス端子の軸方向に平面視した状態において、前記ハウジングを内包する最小の長方形をとり、
    前記ハウジングにおける前記長方形の長辺方向に沿った長さが63mm以下であり、
    前記ハウジングにおける前記長方形の短辺方向に沿った長さが30mm以下である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のメスコネクタ。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のメスコネクタと、
    40以上のオス端子を有するオスコネクタとを備える、
    コネクタ対。
  6. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のメスコネクタと、
    複数の電線とを備え、
    前記複数の電線のそれぞれは、前記複数のメス端子のそれぞれに接続される、
    コネクタ付きワイヤーハーネス。
  7. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のメスコネクタ、又は請求項6に記載のコネクタ付きワイヤーハーネスと、
    40以上のオス端子を有するオスコネクタと、
    プリント配線基板とを備え、
    前記オス端子のそれぞれの一端部は、前記メス端子のそれぞれに接続され、
    前記オス端子のそれぞれの他端部は、前記プリント配線基板に接続される、
    基板ユニット。
  8. 前記プリント配線基板は、エンジンの燃料噴射及びエンジン点火の少なくとも一方を制御する制御回路を備える請求項7に記載の基板ユニット。
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