JP2007146143A - 繊維強化複合樹脂組成物並びに接着剤及び封止剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】封止剤、接着剤又は充填剤として用いられる繊維強化複合樹脂組成物で、高度な透明性を有し、更には、近年の低熱膨張性、高強度、軽量性、高熱伝導性の要求レベル、特に等方的な高熱伝導性を十分に満たし得る繊維強化複合樹脂組成物を提供する。
【解決手段】封止剤、接着剤又は充填剤として用いられる、繊維とマトリックス樹脂の液状前駆体とを含む繊維強化複合樹脂組成物で、該繊維が平均繊維径4〜200nmの繊維であり、該組成物を板状に硬化させた硬化物の50μm厚換算における波長400〜700nmの全光線透過率が70%以上であって、該硬化物の厚さ方向の熱伝導率及び板面方向の熱伝導率がいずれも0.4W/m・K以上であり、該組成物内でランダムに配向していることを特徴とする繊維強化複合樹脂組成物。
【選択図】図1

Description

本発明は封止剤、接着剤又は充填剤として用いられる繊維強化複合樹脂組成物に係り、詳しくは、可視光の波長よりも細い繊維径の繊維を含む、高透明性の封止剤、接着剤又は充填剤用繊維強化複合樹脂組成物に関する。本発明はまたこの繊維強化複合樹脂組成物を用いてなる接着剤及び封止剤に関する。
封止剤、接着剤、充填剤として用いられる樹脂組成物には、その用途により、硬化物の特性として、高度な透明性と、低熱膨張性、高強度、軽量性、高熱伝導性等が要求される場合がある。例えば、LEDの封止材料には、蛍光体からの発光を高度に透過させる透明性が要求され、更に、使用環境に対する寸法安定性や耐久性の確保と製品の軽量化のために、熱膨張係数が小さく、高強度で軽量であることが要求される。更に、近年のエレクトロニクス機器分野での高性能化、高機能化、コンパクト化に伴い、各種機器内部で発生する熱は増大の一途をたどっており、熱を効率的に放散させるために、熱伝導性に優れることも望まれる。このようなことは、封止剤に限らず、これらの分野で用いられる接着剤、充填剤についても同様である。
従来、例えば、LEDの封止剤等には、透明性の高いエポキシ樹脂が一般に用いられているが、樹脂のみでは、近年の低熱膨張性、高強度、高熱伝導性の要求レベルを達成し得ない。
樹脂の熱膨張率、強度、熱伝導率を改善するために、補強用のフィラー等を配合することが考えられるが、この場合には、透明性が大きく損なわれ、また、フィラーの材質によっては、重量が重くなるという不具合も発生する。また、工業用途としては、価格が安価であることが、重視されるが、使用するフィラーによっては、材料コストが高騰する場合もある。
一方で、近年の環境保全に対する意識の高まりで、すべての工業製品について、廃棄処分や再利用が容易で、環境にやさしい製品の開発が望まれている。
なお、本出願人は先に、温度条件や波長等に影響を受けることなく、常に高い透明性が維持され、かつ、繊維とマトリックス材料との複合化により様々な機能性が付与された繊維強化複合材料として、平均繊維径が4〜200nmの繊維とマトリックス材料とを含有し、50μm厚換算における波長400〜700nmの光線透過率が60%以上であることを特徴とする繊維強化複合材料を提案した(特開2005−60680号公報)。
しかし、この特開2005−60680号公報の繊維強化複合材料では、封止剤、接着剤又は充填剤としての用途は考慮されていない。
また、この繊維強化複合材料は、面内方向(板面方向)の熱伝導率は例えば1W/m・Kと高い熱伝導性を示すが、それと直交する方向については、熱伝導性が明らかにされていない。
特開2005−60680号公報
本発明は封止剤、接着剤又は充填剤として用いられる繊維強化複合樹脂組成物であって、高度な透明性を有し、更には、近年の低熱膨張性、高強度、軽量性、高熱伝導性の要求レベル、特に等方的な高熱伝導性を十分に満たし得る繊維強化複合樹脂組成物と、この繊維強化複合樹脂組成物を用いてなる接着剤及び封止剤を提供することを目的とする。
本発明はまた、軽量で環境にやさしい封止剤、接着剤又は充填剤用繊維強化複合樹脂組成物と、この繊維強化複合樹脂組成物を用いてなる接着剤及び封止剤を提供することを目的とする。
本発明(請求項1)の繊維強化複合樹脂組成物は、封止剤、接着剤又は充填剤として用いられる、繊維とマトリックス樹脂の液状前駆体とを含む繊維強化複合樹脂組成物で、該繊維が平均繊維径4〜200nmの繊維であり、該組成物を板状に硬化させた硬化物の50μm厚換算における波長400〜700nmの全光線透過率が70%以上であって、該硬化物の厚さ方向の熱伝導率及び板面方向の熱伝導率がいずれも0.4W/m・K以上であり、該繊維が該組成物内でランダムに配向していることを特徴とする。
なお、本発明において、マトリックス樹脂の液状前駆体とは硬化によりマトリックス樹脂を形成する液状物を指す。また、該組成物内でランダムに配向しているとは該繊維が引き揃えられることなく該組成物内に分散している状態を指す。
請求項2の繊維強化複合樹脂組成物は、請求項1において、該繊維がセルロース繊維であることを特徴とする。
請求項3の繊維強化複合樹脂組成物は、請求項2において、該セルロース繊維がバクテリアセルロースであることを特徴とする。
請求項4の繊維強化複合樹脂組成物は、請求項2において、該セルロース繊維が植物繊維から分離されたものであることを特徴とする。
請求項5の繊維強化複合樹脂組成物は、請求項3又は4において、該セルロース繊維がミクロフィブリル化セルロース繊維を更に磨砕処理してなることを特徴とする。
請求項6の繊維強化複合樹脂組成物は、請求項1ないし5のいずれか1項において、該繊維の含有率が10重量%以上であることを特徴とする。
請求項7の繊維強化複合樹脂組成物は、請求項1ないし5のいずれか1項において、該マトリックス樹脂が、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、及び熱硬化型ポリイミド樹脂よりなる群から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする。
本発明(請求項8)の接着剤は、このような本発明の繊維強化複合樹脂組成物を用いてなることを特徴とする。
本発明(請求項9)の封止剤は、このような本発明の繊維強化複合樹脂組成物を用いてなることを特徴とする。
本発明の繊維強化複合樹脂組成物は、可視光の波長(380〜800nm)より小さい平均繊維径を有する繊維を用いたものであるため、その硬化物において、可視光がマトリックス樹脂と繊維との界面で殆ど屈折しない。このため、本発明の繊維強化複合樹脂組成物の硬化物は、全可視光波長域において、高い透明性を有する。
また、本発明の繊維強化複合樹脂組成物は、繊維を組成物内でランダムに配向させた配合により線熱膨張係数が小さくかつ等方的な硬化物を得ることができるため、雰囲気温度によって歪みや変形、形状精度低下が問題となりにくい。更に、繊維材料を選定することにより、軽量で安価なものとすることができる。
しかも、繊維を組成物内でランダムに配向させることにより、板状に硬化させた場合の該硬化物の板面方向(以下「面内方向」と称す。)のみならず、厚さ方向(以下「面厚方向」と称す。)についても熱伝導率0.4W/m・K以上の、等方的な、即ち、熱伝導性に異方性のない高熱伝導性の材料とすることができ、これにより、放熱性の高い封止剤、接着剤又は充填剤を提供することが可能となる。
このように、高透明性と等方的な高熱伝導性を有する本発明の繊維強化複合樹脂組成物の工業的有用性は、非常に大きい。即ち、例えば、熱伝導率が高い材料として知られている無機ガラスは、後述の参考例1(表1参照)のように、面内方向、面厚方向共に1W/m・K程度の高い熱伝導率を示すが、軽量性、機械的脆さの面で問題がある。また、高透明樹脂として汎用のエポキシ樹脂では、後述の比較例1(表1参照)に示すように、面内方向、面厚方向共に0.2W/m・K程度の熱伝導率しか示さない。このエポキシ樹脂に高熱伝導性のセラミックフィラー等を配合した場合、熱伝導率は向上するが透明性は完全に損なわれる。
これに対して、本発明によれば、高度に透明でしかも、等方的な高熱伝導性及び低膨張特性を示す軽量な封止剤、接着剤又は充填剤を提供することができる。
従ってこのような本発明の繊維強化複合樹脂組成物は、特に近年大電流による熱の発生量が増加し、高い放熱性が要求される自動車用集積型LED照明システム、パワー素子の封止剤、充填剤等の用途において、有用である。
また、繊維として生分解性のセルロース繊維を含む本発明の繊維強化複合樹脂組成物は、軽量であり、しかも、廃棄する際にはマトリックス樹脂の処理法に従って処理することができ、廃棄処分ないしリサイクルに有利である。
以下に本発明の繊維強化複合樹脂組成物並びに接着剤及び封止剤の実施の形態を詳細に説明する。
本発明の繊維強化複合樹脂組成物は、封止剤、接着剤又は充填剤として用いられる繊維強化複合樹脂組成物であって、平均繊維径4〜200nmの繊維と、マトリックス樹脂の液状前駆体を含み、その硬化物が所定の全光線透過率を示す高透明性のものである。
[平均繊維径4〜200nmの繊維]
本発明で用いる平均繊維径4〜200nmの繊維は、単繊維が、引き揃えられることなく、且つ相互間にマトリックス樹脂の液状前駆体が入り込むように十分に離隔して存在するものより成ってもよい。この場合、平均繊維径は単繊維の平均径となる。また、本発明に係る繊維は、複数(多数であってもよい)本の単繊維が束状に集合して1本の糸条を構成しているものであってもよく、この場合、平均繊維径は1本の糸条の径の平均値として定義される。後述のバクテリアセルロースは、後者の糸条よりなるものである。
本発明において、用いる繊維の平均繊維径が200nmを超えると、可視光の波長に近づき、この硬化物において、マトリックス樹脂との界面で可視光の屈折が生じ易くなり、透明性が低下することとなるため、本発明で用いる繊維の平均繊維径の上限は200nmとする。平均繊維径4nm未満の繊維は製造が困難であり、例えば繊維として好適な後述のバクテリアセルロースの単繊維径は4nm程度であることから、本発明で用いる繊維の平均繊維径の下限は4nmとする。本発明で用いる繊維の平均繊維径は、好ましくは4〜100nmであり、より好ましくは4〜60nmである。
なお、本発明で用いる繊維は、平均繊維径が4〜200nmの範囲内であれば、繊維中に4〜200nmの範囲外の繊維径のものが含まれていても良いが、その割合は30重量%以下であることが好ましく、望ましくは、すべての繊維の繊維径が200nm以下、特に100nm以下、とりわけ60nm以下であることが望ましい。
なお、繊維の長さについては特に限定されないが、平均長さで100nm以上が好ましい。繊維の平均長さが100nmより短いと、補強効果が低く、得られる硬化物の強度が不十分となるおそれがある。なお、繊維中には繊維長さ100nm未満のものが含まれていても良いが、その割合は30重量%以下であることが好ましい。
本発明においては、繊維としてセルロース繊維を用いると、軽量で、環境にやさしい繊維強化複合樹脂組成物を提供することができるので好ましい。
セルロース繊維とは、植物細胞壁の基本骨格等を構成するセルロースのミクロフィブリル又はこれの構成繊維をいい、通常繊維径4nm程度の単位繊維の集合体である。このセルロース繊維は、結晶構造を40%以上含有するものが、高い強度と低い熱膨張を得る上で好ましい。
本発明において、用いるセルロース繊維は、植物から分離されるものであっても良く、また、バクテリアによって産生されるバクテリアセルロースを用いても良い。バクテリアセルロースとしては、バクテリアからの産生物をアルカリ処理してバクテリアを溶解除去して得られるものを離解処理することなく用いるのが好適である。
以下にバクテリアセルロース及び植物繊維から分離されたセルロース繊維について説明するが、本発明においては、以下の繊維の1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
<バクテリアセルロース(以下「BC」と略記する場合がある。)>
地球上においてセルロースを生産し得る生物は、植物界は言うに及ばず、動物界ではホヤ類、原生生物界では、各種藻類、卵菌類、粘菌類など、またモネラ界では藍藻及び酢酸菌、土壌細菌の一部に分布している。現在のところ、菌界(真菌類)にはセルロース生産能は確認されていない。このうち酢酸菌としては、アセトバクター(Acetobacter)属等が挙げられ、より具体的には、アセトバクター・アセチ(Acetobacter aceti)、アセトバクター・サブスピーシーズ(Acetobacter subsp.)、アセトバクター・キシリナム(Acetobacter xylinum)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
このようなバクテリアを培養することにより、バクテリアからセルロースが産生される。得られた産生物は、バクテリアとこのバクテリアから産生されて該バクテリアに連なっているセルロース繊維(バクテリアセルロース)とを含むものであるため、この産生物を培地から取り出し、それを水洗、又はアルカリ処理などしてバクテリアを除去することにより、バクテリアを含まない含水バクテリアセルロースを得ることができる。
培地としては、寒天状の固体培地や液体培地(培養液)が挙げられ、培養液としては、例えば、ココナッツミルク(全窒素分0.7重量%,脂質28重量%)7重量%、ショ糖8重量%を含有し、酢酸でpHを3.0に調整した培養液や、グルコース2重量%、バクトイーストエクストラクト0.5重量%、バクトペプトン0.5重量%、リン酸水素二ナトリウム0.27重量%、クエン酸0.115重量%、硫酸マグネシウム七水和物0.1重量%とし、塩酸によりpH5.0に調整した水溶液(SH培地)等が挙げられる。
培養方法としては、静置培養、振とう培養、攪拌培養などが挙げられる。例えば、静置培養としては、ココナッツミルク培養液に、アセトバクター・キシリナム(Acetobacter xylinum)FF−88等の酢酸菌を植菌し、例えばFF−88であれば、30℃で5日間、静置培養を行って一次培養液を得る。得られた一次培養液のゲル分を取り除いた後、液体部分を、上記と同様の培養液に5重量%の割合で加え、30℃、10日間静置培養して、二次培養液を得る。この二次培養液には、約1重量%のセルロース繊維が含有されている。
また、他の培養方法として、培養液として、グルコース2重量%、バクトイーストエクストラクト0.5重量%、バクトペプトン0.5重量%、リン酸水素二ナトリウム0.27重量%、クエン酸0.115重量%、硫酸マグネシウム七水和物0.1重量%とし、塩酸によりpH5.0に調整した水溶液(SH培養液)を用いる方法が挙げられる。この場合、凍結乾燥保存状態の酢酸菌の菌株にSH培養液を加え、1週間静置培養する(25〜30℃)。培養液表面にバクテリアセルロースが生成するが、これらのうち、厚さが比較的厚いものを選択し、その株の培養液を少量分取して新しい培養液に加える。そして、この培養液を大型培養器に入れ、25〜30℃で7〜30日間の静地培養を行う。バクテリアセルロースは、このように、「既存の培養液の一部を新しい培養液に加え、約7〜30日間静置培養を行う」ことの繰りかえしにより得られる。
菌がセルロースを作りにくいなどの不具合が生じた場合は、以下の手順を行う。即ち、培養液に寒天を加えて作成した寒天培地上に、菌培養中の培養液を少量撒き、1週間ほど放置してコロニーを作成させる。それぞれのコロニーを観察して、比較的セルロースをよく作るようなコロニーを寒天培地から取り出し、新しい培養液に投入し、培養を行う。
このようにして産出させたバクテリアセルロースを培養液中から取り出し、バクテリアセルロース中に残存するバクテリアを除去する。その方法として、水洗またはアルカリ処理などが挙げられる。バクテリアを溶解除去するためのアルカリ処理としては、培養液から取り出したバクテリアセルロースを0.01〜10重量%程度のアルカリ水溶液に1時間以上注加する方法が挙げられる。そして、アルカリ処理した場合は、アルカリ処理液からバクテリアセルロースを取り出し、十分水洗し、アルカリ処理液を除去する。
このようにして得られた含水バクテリアセルロース(通常、含水率95〜99重量%のバクテリアセルロース)は、次いで、粉砕・磨砕処理を行って繊維をバラバラにし、セルロース繊維を得る。
より具体的には、含水バクテリアセルロースを約5mm角程度に切断してミキサー等で粉砕したセルロース繊維を0.1〜3重量%程度の水懸濁液とし、更にグラインダー等で繰り返し磨砕ないし融砕処理して平均繊維径4〜200nm程度のナノオーダーのバクテリアセルロース繊維(以下、「NBC」と略記する。)を得る。そして、この水懸濁液中の水分を液状前駆体となる樹脂原料モノマー等に置換することにより、繊維強化複合樹脂組成物を得る。
この水懸濁液中の水分を樹脂原料モノマー等に置換する方法としては、エタノール等、水と相溶性を有する媒介液を繰り返し注入・排出して、セルロース繊維の周辺から水分を除去したうえで樹脂原料モノマー等の液状前駆体を含浸させる方法等が挙げられる。
なお、このような媒介液を用いて、水分を液状前駆体に置換する方法は、後述する「媒介液を用いた含浸方法」の項で詳述する。
また、この水懸濁液を機械的に撹拌しながら、水と相溶性を有する媒介液と液状前駆体とを段階的に注入し、減圧下で水分と媒介液とを優先的に揮発させて排出し、水分と液状前駆体とを置換する方法も取り得る。なおこの場合、媒介液は適宜用いればよく、用いない場合もある。
さらに、前述した水懸濁液中の水分を液状前駆体となる樹脂原料モノマー等に置換する他の方法としては、前記水懸濁液を凍結乾燥してセルロース繊維の集合体を得、これに液状前駆体を含浸させる方法が挙げられる。
これらの方法によれば、繊維間の凝集を抑えた状態でこの繊維がランダムに配向した繊維強化複合樹脂組成物を容易に得ることができる。なお、これらの方法は例示であって、本発明に係る繊維強化複合樹脂組成物の製造において、水懸濁液中の水分と液状前駆体とを置換させるのに適用される方法は、これら方法に限定されるものではない。
上記磨砕ないし融砕処理は、例えば、栗田機械製作所製グラインダー「ピュアファインミル」等を用いて行うことができる。
このグラインダーは、上下2枚のグラインダーの間隙を原料が通過するときに発生する衝撃、遠心力、剪断力により、原料を超微粒子に粉砕する石臼式粉砕機であり、剪断、磨砕、微粒化、分散、乳化、フィブリル化を同時に行うことができるものである。また、磨砕ないし融砕処理は、増幸産業(株)製超微粒磨砕機「セレンディピター」を用いて行うこともできる。セレンディピターは、単なる粉砕の域を越えた融けるように感じるほどの超微粒化を可能にした磨砕機である。セレンディピターは、間隔を自由に調整できる上下2枚の無気孔砥石によって構成された石臼形式の超微粒磨砕機であり、上部砥石は固定で、下部砥石が高速回転する。ホッパーに投入された原料は遠心力によって上下砥石の間隙に送り込まれ、そこで生じる強大な圧縮、剪断、転がり摩擦力などにより、原料は次第にすり潰され、超微粒化される。
<植物繊維から分離されたセルロース繊維>
本発明において、繊維としては、上述のようなバクテリアセルロースの他、海草やホヤの被嚢、植物細胞壁等に、叩解・粉砕等の処理、高温高圧水蒸気処理、リン酸塩等を用いた処理等を施したセルロース繊維を用いても良い。
この場合、上記叩解・粉砕等の処理は、リグニン等を除去した植物細胞壁や海草やホヤの被嚢に、直接、力を加え、叩解や粉砕を行って繊維をバラバラにし、セルロース繊維を得る処理法である。
より具体的には、後述の実施例に示すように、パルプ等を高圧ホモジナイザーで処理して平均繊維径0.1〜10μm程度にミクロフィブリル化したミクロフィブリル化セルロース繊維(以下、「MFC」と略記する。)を0.1〜3重量%程度の水懸濁液とし、更にグラインダー等で繰り返し磨砕ないし融砕処理して平均繊維径10〜100nm程度のナノオーダーのMFC(以下、「Nano MFC」と略記する。)を得ることができる。このNano MFCを0.01〜1重量%程度の水懸濁液とした後、水分を液状前駆体となる樹脂原料モノマー等で置換することにより、繊維強化複合樹脂組成物を得る。この置換する方法については、バクテリアセルロース繊維に関連して前述した内容と同様である。
上記磨砕ないし融砕処理は、例えば、前述した栗田機械製作所製グラインダー「ピュアファインミル」等を用いて行うことができる。
また、上記高温高圧水蒸気処理は、リグニン等を除去した植物細胞壁や海草やホヤの被嚢を高温高圧水蒸気に曝すことによって繊維をバラバラにし、セルロース繊維を得る処理法である。
また、リン酸塩等を用いた処理とは、海草やホヤの被嚢、植物細胞壁等の表面をリン酸エステル化することにより、セルロース繊維間の結合力を弱め、次いで、リファイナー処理を行うことにより、繊維をバラバラにし、セルロース繊維を得る処理法である。例えば、リグニン等を除去した植物細胞壁や、海草やホヤの被嚢を50重量%の尿素と32重量%のリン酸を含む溶液に浸漬し、60℃で溶液をセルロース繊維間に十分に染み込ませた後、180℃で加熱してリン酸化を進める。これを水洗した後、3重量%の塩酸水溶液中、60℃で2時間、加水分解処理をして、再度水洗を行う。その後、3重量%の炭酸ナトリウム水溶液中において、室温で20分間程処理することで、リン酸化を完了させる。そして、この処理物をリファイナーで解繊することにより、セルロース繊維が得られる。
なお、これらのセルロース繊維は、異なる植物等から得られるもの、或いは異なる処理を施したものを2種以上混合して用いても良い。
このようにして得られる含水Nano MFCは、通常、平均繊維径が100nm程度の単繊維のサブネットワーク構造(前述のバクテリアセルロースのような完全な(綺麗な)ネットワーク構造は取っていないが、局所的にネットワークを形成している構造)の繊維集合体に水が含浸された状態のものである。
なお、Nano MFCを製造するための原料としては、パルプの他、コットン(例えば、脱脂綿やコットンリンター)や様々な手法でパルプを精製したもの、例えば、レンチング社製「テンセル」(登録商標)、旭化成ケミカルズ社製「セオラス」(登録商標)、旭化成ケミカルズ社製「Avicel」(登録商標)、やコットンを精製したもの、例えば銅アンモニア法再生セルロース(キュプラ)等を用いることができる。
<繊維の修飾>
本発明において用いる繊維は、上述のようなセルロース繊維を化学修飾及び/又は物理修飾して機能性を高めたものであっても良い。ここで、化学修飾としては、アセチル化、シアノエチル化、アセタール化、エーテル化、イソシアネート化等によって官能基を付加させること、シリケートやチタネート等の無機物を化学反応やゾルゲル法等によって複合化や被覆化させること等が挙げられる。化学修飾の方法としては、例えば、BCシートやNano MFCシートを無水酢酸中に浸漬して加熱する方法が挙げられ、アセチル化により、光線透過率を低下させることなく、吸水性の低下、耐熱性の向上を図ることができる。また、物理修飾としては、金属やセラミック原料を、真空蒸着、イオンプレーティング、スパッタリング等の物理蒸着法(PVD法)、化学蒸着法(CVD法)、無電解メッキや電解メッキ等のメッキ法等によって表面被覆させることが挙げられる。
<組成物中の繊維の含有率>
本発明において、繊維強化複合樹脂組成物中の繊維の含有率は、7重量%以上、特に10重量%以上であることが好ましく、特に75重量%以下であることが好ましい。繊維強化複合樹脂組成物中の繊維の含有率が少な過ぎるとセルロース繊維等の繊維による硬化物の熱伝導率向上、曲げ強度向上、曲げ弾性率向上、線熱膨張係数低減の効果が不十分となる傾向があり、多過ぎると、マトリックス樹脂による繊維間の接着、又は繊維間の空間の充填が十分でなくなり、強度や透明性、硬化したときの表面の平坦性が低下するおそれがあり、特に、封止剤、接着剤又は充填剤用途において重要なマトリックス樹脂による接着性、充填性等が損なわれる。
[マトリックス樹脂]
本発明の繊維強化複合樹脂組成物は、硬化することによりマトリックス樹脂を形成するマトリックス樹脂の液状前駆体を含む。このマトリックス樹脂の液状前駆体については後述するが、マトリックス樹脂の液状前駆体が硬化して形成するマトリックス樹脂について、以下に説明する。
マトリックス樹脂は、本発明の繊維強化複合樹脂組成物が硬化して形成された硬化物の母材となる材料であり、本発明で必要とされる光透過特性を満たし、かつ、封止剤、接着剤又は充填剤用途としての特性を満たすことができるものであれば特に制限はなく、各種の樹脂材料の1種を単独で、或いは2種以上を混合して用いることができる。
以下に本発明に好適なマトリックス樹脂を例示するが、本発明で用いるマトリックス樹脂は何ら以下のものに限定されるものではない。
天然樹脂材料としては、再生セルロース系高分子、例えばセロハン、トリアセチルセルロース等が挙げられる。
合成樹脂材料としては、ビニル系樹脂、重縮合系樹脂、重付加系樹脂、付加縮合系樹脂、開環重合系樹脂等が挙げられる。
上記ビニル系樹脂としては、ポリオレフィン、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、フッ素樹脂、(メタ)アクリル系樹脂等の汎用樹脂や、ビニル重合によって得られるエンジニアリングプラスチック、スーパーエンジニアリングプラスチック等が挙げられる。これらは、各樹脂内において、構成される各単量体の単独重合体や共重合体であっても良い。
上記ポリオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、スチレン、ブタジエン、ブテン、イソプレン、クロロプレン、イソブチレン、イソプレン等の単独重合体又は共重合体、あるいはノルボルネン骨格を有する環状ポリオレフィン等が挙げられる。
上記塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニル、塩化ビニリデン等の単独重合体又は共重合体が挙げられる。
上記酢酸ビニル系樹脂とは、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニル、ポリ酢酸ビニルの加水分解体であるポリビニルアルコール、酢酸ビニルに、ホルムアルデヒドやn−ブチルアルデヒドを反応させたポリビニルアセタール、ポリビニルアルコールやブチルアルデヒド等を反応させたポリビニルブチラール等が挙げられる。
上記フッ素樹脂としては、テトラクロロエチレン、ヘキフロロプロピレン、クロロトリフロロエチレン、フッ化ビリニデン、フッ化ビニル、ペルフルオロアルキルビニルエーテル等の単独重合体又は共重合体が挙げられる。
上記(メタ)アクリル系樹脂としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド類等の単独重合体又は共重合体が挙げられる。なお、この明細書において、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル及び/又はメタクリル」を意味する。ここで、(メタ)アクリル酸としては、アクリル酸又はメタクリル酸が挙げられる。また、(メタ)アクリロニトリルとしては、アクリロニトリル又はメタクリロニトリルが挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、シクロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸系単量体、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル等が挙げられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル等が挙げられる。シクロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸系単量体としては、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、イソボルニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ブトキシエチル等が挙げられる。(メタ)アクリルアミド類としては、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−t−オクチル(メタ)アクリルアミド等のN置換(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
上記重縮合系樹脂としては、アミド系樹脂やポリカーボネート等が挙げられる。
上記アミド系樹脂としては、6,6−ナイロン、6−ナイロン、11−ナイロン、12−ナイロン、4,6−ナイロン、6,10−ナイロン、6,12−ナイロン等の脂肪族アミド系樹脂や、フェニレンジアミン等の芳香族ジアミンと塩化テレフタロイルや塩化イソフタロイル等の芳香族ジカルボン酸又はその誘導体からなる芳香族ポリアミド等が挙げられる。
上記ポリカーボネートとは、ビスフェノールAやその誘導体であるビスフェノール類と、ホスゲン又はフェニルジカーボネートとの反応物をいう。
上記重付加系樹脂としては、エステル系樹脂、Uポリマー、液晶ポリマー、ポリエーテルケトン類、ポリエーテルエーテルケトン、不飽和ポリエステル、アルキド樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホン等が挙げられる。
上記エステル系樹脂としては、芳香族ポリエステル、脂肪族ポリエステル、不飽和ポリエステル等が挙げられる。上記芳香族ポリエステルとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール等の後述するジオール類とテレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸との共重合体が挙げられる。上記脂肪族ポリエステルとしては、後述するジオール類とコハク酸、吉草酸等の脂肪族ジカルボン酸との共重合体や、グリコール酸や乳酸等のヒドロキシカルボン酸の単独重合体又は共重合体、上述するジオール類、上記脂肪族ジカルボン酸及び上記ヒドロキシカルボン酸の共重合体等が挙げられる。上記不飽和ポリエステルとしては、後述するジオール類、無水マレイン酸等の不飽和ジカルボン酸、及び必要に応じてスチレン等のビニル単量体との共重合体が挙げられる。
上記Uポリマーとしては、ビスフェノールAやその誘導体であるビスフェノール類、テレフタル酸及びイソフタル酸等からなる共重合体が挙げられる。
上記液晶ポリマーとしては、p−ヒドロキシ安息香酸と、テレフタル酸、p,p’−ジオキシジフェノール、p−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸、ポリテレフタル酸エチレン等との共重合体をいう。
上記ポリエーテルケトンとしては、4,4’−ジフルオロベンゾフェノンや4,4’−ジヒドロベンゾフェノン等の単独重合体や共重合体が挙げられる。
上記ポリエーテルエーテルケトンとしては、4,4’−ジフルオロベンゾフェノンとハイドロキノン等の共重合体が挙げられる。
上記アルキド樹脂としては、ステアリン酸、パルチミン酸等の高級脂肪酸と無水フタル酸等の二塩基酸、及びグリセリン等のポリオール等からなる共重合体が挙げられる。
上記ポリスルホンとしては、4,4’−ジクロロジフェニルスルホンやビスフェノールA等の共重合体が挙げられる。
上記ポリフェニレンスルフィドとしては、p−ジクロロベンゼンや硫化ナトリウム等の共重合体が挙げられる。
上記ポリエーテルスルホンとしては、4−クロロ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホンの重合体が挙げられる。
上記ポリイミド系樹脂としては、無水ポリメリト酸や4,4’−ジアミノジフェニルエーテル等の共重合体であるピロメリト酸型ポリイミド、無水塩化トリメリト酸やp−フェニレンジアミン等の芳香族ジアミンや、後述するジイソシアネート化合物等からなる共重合体であるトリメリト酸型ポリイミド、ビフェニルテトラカルボン酸、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、p−フェニレンジアミン等からなるビフェニル型ポリイミド、ベンゾフェノンテトラカルボン酸や4,4’−ジアミノジフェニルエーテル等からなるベンゾフェノン型ポリイミド、ビスマレイイミドや4,4’−ジアミノジフェニルメタン等からなるビスマレイイミド型ポリイミド等が挙げられる。
上記重付加系樹脂としては、ウレタン樹脂等が挙げられる。
上記ウレタン樹脂は、ジイソシアネート類とジオール類との共重合体である。上記ジイソシアネート類としては、ジシクロへキシルメタンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,3−シクロヘキシレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート等が挙げられる。また、上記ジオール類としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、シクロヘキサンジメタノール等の比較的低分子量のジオールや、ポリエステルジオール、ポリエーテルジオール、ポリカーボネートジオール等が挙げられる。
上記付加縮合系樹脂としては、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。
上記フェノール樹脂としては、フェノール、クレゾール、レゾルシノール、フェニルフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF等の単独重合体又は共重合体が挙げられる。
上記尿素樹脂やメラミン樹脂は、ホルムアルデヒドや尿素、メラミン等の共重合体である。
上記開環重合系樹脂としては、ポリアルキレンオキシド、ポリアセタール、エポキシ樹脂等が挙げられる。上記ポリアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド等の単独重合体又は共重合体が挙げられる。上記ポリアセタールとしては、トリオキサン、ホルムアルデヒド、エチレンオキシド等の共重合体が挙げられる。上記エポキシ樹脂とは、エチレングリコール等の多価アルコールとエピクロロヒドリンとからなる脂肪族系エポキシ樹脂、ビスフェノールAとエピクロロヒドリンとからなる脂肪族系エポキシ樹脂等が挙げられる。
本発明においては、このようなマトリックス樹脂のうち、特に非晶質でガラス転移温度(Tg)の高い合成樹脂材料が、透明性に優れた高耐久性の繊維強化複合樹脂組成物を得る上で好ましく、このうち、非晶質の程度としては、結晶化度で10%以下、特に5%以下であるものが好ましく、また、Tgは110℃以上、特に120℃以上、とりわけ130℃以上のものが好ましい。Tgが110℃未満のものでは、例えば沸騰水に接触した場合に変形するなど、耐久性に問題が発生する。なお、TgはDSC法による測定で求められ、結晶化度は、非晶質部と結晶質部の密度から結晶化度を算定する密度法により求められる。
本発明において、特に好ましい透明マトリクス樹脂としては、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、熱硬化型ポリイミド樹脂等の熱硬化樹脂が挙げられ、これらの中でも特に透明性の高いアクリル樹脂、メタクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂が好ましい。
なお、繊維としてセルロース繊維を用いた場合において、マトリックス樹脂として生分解性のポリ乳酸樹脂を用いることにより、繊維強化複合樹脂組成物全体を生分解性とすることができ、廃棄処分を容易にすることができる。
[繊維強化複合樹脂組成物の製造方法]
次に、本発明の繊維強化複合樹脂組成物の製造方法について説明する。
本発明の繊維強化複合樹脂組成物を製造するには、上述のようなマトリックス樹脂を形成し得るマトリックス樹脂の液状前駆体を、前記繊維に含浸させる。
ここで、液状前駆体としては、流動状のマトリックス樹脂、流動状のマトリックス樹脂の原料、マトリックス樹脂を流動化させた流動化物、マトリックス樹脂の原料を流動化させた流動化物、マトリックス樹脂の溶液、及びマトリックス樹脂の原料の溶液から選ばれる1種又は2種以上を用いることができる。
上記流動状のマトリックス樹脂としては、マトリックス樹脂そのものが流動状であるもの等をいう。また、上記流動状のマトリックス樹脂の原料としては、例えば、プレポリマーやオリゴマー等の重合中間体等が挙げられる。
更に、上記マトリックス樹脂を流動化させた流動化物としては、例えば、熱可塑性のマトリックス樹脂を加熱溶融させた状態のもの等が挙げられる。
更に、上記マトリックス樹脂の原料を流動化させた流動化物としては、例えば、プレポリマーやオリゴマー等の重合中間体が固形状の場合、これらを加熱溶融させた状態のもの等が挙げられる。
また、上記マトリックス樹脂の溶液やマトリックス樹脂の原料の溶液とは、マトリックス樹脂やマトリックス樹脂の原料を溶媒等に溶解させた溶液が挙げられる。この溶媒は、溶解対象のマトリックス樹脂やマトリックス樹脂の原料に合わせて適宜決定されるが、後工程でこれを除去するに当たり、蒸発除去する場合、上記マトリックス樹脂やマトリックス樹脂の原料の分解を生じさせない程度の温度以下の沸点を有する溶媒が好ましい。
このようなマトリックス樹脂の液状前駆体を、繊維の集合体に含浸させて、繊維間に液状前駆体を十分に浸透させる。この含浸工程は、その一部又は全部を、圧を変化させた状態で行うのが好ましい。この圧を変化させる方法としては、減圧又は加圧が挙げられる。減圧又は加圧とした場合、繊維間に存在する空気を上記液状前駆体と置き換えることが容易となり、気泡の残存を防止することができる。または、液状前駆体の液中に繊維の集合体を投入し、機械的に撹拌をしながら空気を液状前駆体に置き換えることで、繊維間の凝集を抑えつつこの繊維を液状前駆体の内部をランダムに配向させることが容易になる。
上記の減圧条件としては、0.133kPa(1mmHg)〜93.3kPa(700mmHg)が好ましい。減圧条件が93.3kPa(700mmHg)より大きいと、空気の除去が不十分となり、繊維間に空気が残存する場合が生じることがある。一方、減圧条件は0.133kPa(1mmHg)より低くてもよいが、減圧設備が過大となりすぎる傾向がある。
減圧条件下における含浸工程の処理温度は、0℃以上が好ましく、10℃以上がより好ましい。この温度が0℃より低いと、空気の除去が不十分となり、繊維間に空気が残存する場合が生じることがある。なお、温度の上限は、例えば前記液状前駆体に溶媒を用いた場合、その溶媒の沸点(当該減圧条件下での沸点)が好ましい。この温度より高くなると、溶媒の揮散が激しくなり、かえって、気泡が残存しやすくなる傾向がある。
上記の加圧条件としては、1.1〜10MPaが好ましい。加圧条件が1.1MPaより低いと、空気の除去が不十分となり、繊維間に空気が残存する場合が生じることがある。一方、加圧条件は10MPaより高くてもよいが、加圧設備が過大となりすぎる傾向がある。
加圧条件下における含浸工程の処理温度は、0〜300℃が好ましく、10〜100℃がより好ましい。この温度が0℃より低いと、空気の除去が不十分となり、繊維間に空気が残存する場合が生じることがある。一方、300℃より高いと、マトリックス樹脂が変性するおそれがある。
<媒介液を用いた含浸方法>
本発明に係る繊維強化複合樹脂組成物を構成するセルロース繊維の集合体は三次元交差構造であるために、前述のマトリックス樹脂の液状前駆体の浸透性が悪く、効率的な含浸処理を行えない場合がある。
そこで、本発明では、次のように、媒介液を用いた含浸処理を行っても良い。
即ち、まず、前述のセルロース繊維集合体の製造工程において、水分除去処理を行う前の水分を含む含水NBC又は含水Nano MFC等の含水繊維集合体から水分の一部のみを除去し、若干の水分を含む状態とし、この含水繊維集合体中の水を、水と上述のマトリックス樹脂の液状前駆体との双方又は一方に相溶性を有する媒介液と置換して繊維強化複合樹脂組成物前駆体を得(第1の工程)、次いで、この繊維強化複合樹脂組成物中の媒介液をマトリックス樹脂の液状前駆体と置換して繊維強化複合樹脂組成物を得る(第2の工程)。
なお、本発明において、「相溶性」とは、2つの液体を任意の割合で混合して放置した際に、2層に分離しないことを指す。
この媒介液としては、第1の工程において含水繊維集合体に含まれる水と媒介液との置換、また、後述の第2の工程において繊維集合体に含まれる媒介液とマトリックス樹脂の液状前駆体との置換、を円滑に行なうために、互いに相溶性を示すことに加え、媒介液は水及び液状前駆体よりも低沸点であることが好ましく、特に、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等のアルコール;アセトン等のケトン;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル;N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド;酢酸等のカルボン酸;アセトニトリル等のニトリル類等、その他ピリジン等の芳香族複素環化合物等の水溶性有機溶媒が好ましく、入手の容易さ、取り扱い性等の点において、エタノール、アセトン等が好ましい。これらの水溶性有機溶媒は1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。
なお、この媒介液としては、当該媒介液が水及び液状前駆体の双方に相溶性を有するものであるか、或いは一方に相溶性を有するものであるか、更には液状前駆体に相溶性を有する場合は当該液状前駆体の種類によっても異なり、適宜選択使用されるが、場合によっては、水、上記水溶性溶媒と水との混合物、無機化合物を溶解した水溶液等を用いることもできる。
含水繊維集合体中の水を媒介液と置換する方法としては特に制限はないが、含水繊維集合体を媒介液中に浸漬して所定の時間放置することにより含水繊維集合体中の水を媒介液側へ浸出させ、浸出した水を含む媒介液を適宜交換することにより繊維集合体中の水を媒介液と置換する方法が挙げられる。この浸漬置換の温度条件は、媒介液の揮散を防止するために、0〜60℃程度とすることが好ましく、通常は室温で行われる。
この水から媒介液への置換割合は、100%であることが最も好ましいが、少なくとも含水繊維集合体中の水の10%以上を媒介液と置換することが好ましい。
このようにして、含水繊維集合体中の水をマトリックス樹脂の液状前駆体と置換することにより、繊維集合体にマトリックス樹脂の液状前駆体が含浸された繊維強化複合樹脂組成物が得られる。この繊維強化複合樹脂組成物の繊維含有率は、7重量%〜75重量%程度である。
なお、この第1の工程において、含水繊維集合体中の水の媒介液との置換は、2段以上の複数段階で行っても良い。即ち、水とマトリックス樹脂の液状前駆体との相溶性において、水との相溶性が
第1の媒介液>第2の媒介液
であり、マトリックス樹脂の液状前駆体との相溶性が
第1の媒介液<第2の媒介液
であり、かつ互いに相溶性を有する第1の媒介液(例えばエタノール)及び第2の媒介液(例えばアセトン)の2種類の媒介液を準備しておき、まず、含水繊維集合体中の水を第1の媒介液と置換して繊維集合体に第1の媒介液が含浸された繊維集合体を得、次いで、この第1の媒介液が含浸された繊維集合体中の第1の媒介液を第2の媒介液と置換して繊維集合体中に第2の媒介液が含浸された繊維集合体を繊維強化複合樹脂組成物として得ることもできる。更に3種以上の媒介液を用いて、置換を3段階以上で行うことも可能である。
繊維集合体中の媒介液をマトリックス樹脂の液状前駆体と置換する方法としては特に制限はないが、媒介液が含浸した繊維集合体をマトリックス樹脂の液状前駆体中に浸漬して減圧条件下に保持する方法が好ましい。これにより、繊維集合体中の媒介液が揮散し、代りにマトリックス樹脂の液状前駆体が繊維集合体中に浸入することで、繊維集合体中の媒介液がマトリックス樹脂の液状前駆体に置換される。
この減圧条件については特に制限はないが、0.133kPa(1mmHg)〜93.3kPa(700mmHg)が好ましい。減圧条件が93.3kPa(700mmHg)より大きいと、媒介液の除去が不十分となり、繊維集合体の繊維間に媒介液が残存する場合が生じることがある。一方、減圧条件は0.133kPa(1mmHg)より低くてもよいが、減圧設備が過大となりすぎる傾向がある。
減圧条件下における置換工程の処理温度は、0℃以上が好ましく、10℃以上がより好ましい。この温度が0℃より低いと、媒介液の除去が不十分となり、繊維間に媒介液が残存する場合が生じることがある。なお、温度の上限は、例えばマトリックス樹脂の液状前駆体に溶媒を用いた場合、その溶媒の沸点(当該減圧条件下での沸点)が好ましい。この温度より高くなると、溶媒の揮散が激しくなり、かえって、気泡が残存しやすくなる傾向がある。
また、媒介液が含浸した繊維集合体をマトリックス樹脂の液状前駆体中に浸漬した状態で、減圧と加圧とを交互に繰り返すことによっても繊維集合体中の媒介液を円滑にマトリックス樹脂の液状前駆体と置換することができる。
この場合の減圧条件は、上記の条件と同様であるが、加圧条件としては、1.1〜10MPaが好ましい。加圧条件が1.1MPaより低いと、媒介液の除去が不十分となり、繊維間に媒介液が残存する場合が生じることがある。一方、加圧条件は10MPaより高くてもよいが、加圧設備が過大となりすぎる傾向がある。
加圧条件下における含浸工程の処理温度は、0〜300℃が好ましく、10〜100℃がより好ましい。この温度が0℃より低いと、媒介液の除去が不十分となり、繊維間に媒介液が残存する場合が生じることがある。一方、300℃より高いと、マトリクス樹脂が変性するおそれがある。
この繊維集合体中の媒介液からマトリックス樹脂の液状前駆体への置換割合は100%であることが最も好ましいが、少なくとも繊維集合体中の媒介液の0.2%以上をマトリックス樹脂の液状前駆体と置換することが好ましい。
なお、本発明の繊維強化複合樹脂組成物には、前述の繊維とマトリックス樹脂の液状前駆体の他、酸化防止剤等の添加剤を本発明の目的を損なわない範囲で含んでいても良い。
[繊維強化複合樹脂組成物の硬化方法]
本発明の繊維強化複合樹脂組成物を硬化させるには、用いたマトリックス樹脂の液状前駆体の硬化方法に従って行えば良く、例えば、液状前駆体が流動状のマトリックス樹脂の場合は、架橋反応、鎖延長反応等が挙げられる。また、液状前駆体が流動状のマトリックス樹脂の原料の場合は、重合反応、架橋反応、鎖延長反応等が挙げられる。
また、液状前駆体がマトリックス樹脂を流動化させた流動化物の場合は、冷却等が挙げられる。また、液状前駆体がマトリックス樹脂の原料を流動化させた流動化物の場合は、冷却等と、重合反応、架橋反応、鎖延長反応等の組合せが挙げられる。
また、液状前駆体がマトリックス樹脂の溶液の場合は、溶液中の溶媒の蒸発や風乾等による除去等が挙げられる。更に、液状前駆体がマトリックス樹脂の原料の溶液の場合は、溶液中の溶媒の除去等と、重合反応、架橋反応、鎖延長反応等との組合せが挙げられる。なお、上記蒸発除去には、常圧下における蒸発除去だけでなく、減圧下における蒸発除去も含まれる。
[硬化物の光線透過率]
本発明の繊維強化複合樹脂組成物は、これを用いたマトリックス樹脂の液状前駆体の硬化方法に従って硬化させて得られた板状の硬化物の50μm厚換算における波長400〜700nmの全光線透過率が70%以上の高透明性材料である。
全光線透過率が上記下限値より低いと、本発明で目的とする高透明性の封止剤、接着剤又は充填剤を提供し得ない。
なお、本発明において、板状の硬化物の50μm厚換算における波長400〜700nmの全光線透過率(以下「50μm厚全可視光透過率」と称す場合がある。)は次のようにして測定された値である。
<50μm厚全可視光透過率の測定方法>
本発明の繊維強化複合樹脂組成物を、マトリックス樹脂の液状前駆体の硬化方法に従って硬化させて板状の硬化物を得、この硬化物に対して、厚さ方向に波長400〜700nmの光を照射した時の全波長域における全光線透過率の平均値を50μm厚に換算して、50μm厚全可視光透過率とする。
なお、光線透過率は、空気をレファレンスとして、光源とディテクターを被測定基板(試料基板)を介して、かつ基板に対して垂直となるように配置し、全透過光を測定することにより求めることができる。
[硬化物の熱伝導率]
本発明の繊維強化複合樹脂組成物は、これを用いたマトリックス樹脂の液状前駆体の硬化方法に従って硬化させて得られた板状の硬化物の厚さ方向(面厚方向)の熱伝導率及び板面方向(面内方向)の熱伝導率がいずれも好ましくは0.4W/m・K以上である。
本発明の繊維強化複合樹脂組成物において、上述のような面厚方向及び面内方向の双方において等方的に高い熱伝導率を示すのは、組成物内で繊維が凝集することなくランダムに配向しているためである。
このように、面厚方向、面内方向の双方において、高い熱伝導率を有する等方的な高熱伝導性であることにより、熱の放散性に優れた封止剤、接着剤又は充填剤を提供することができる。
なお、本発明において、板状の硬化物の面厚方向及び面内方向の熱伝導率は、次のようにして測定された値である。
<熱伝導率の測定方法>
本発明の繊維強化複合樹脂組成物を、マトリックス樹脂の液状前駆体の硬化方法に従って硬化させて板状の硬化物を得、この硬化物に対して、面内方向の熱伝導率は光交流法により、面厚方向の熱伝導率は温度波熱分析法によりそれぞれ測定される。より具体的な測定方法は、後述の実施例に記載された通りである。
[繊維強化複合樹脂組成物の用途]
本発明の繊維強化複合樹脂組成物は、封止剤、接着剤又は充填剤として用いられる。
以下に、実施例、比較例及び参考例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例により限定されるものではない。なお、繊維強化複合樹脂組成物及びその硬化物の各種物性の測定方法は次の通りである。
[50μm厚全可視光透過率]
<測定装置>
日立ハイテクノロジーズ社製「UV−4100形分光度計」(固体試料測定システム)を使用。
<測定条件>
・6mm×6mmの光源マスク使用
・測定サンプルを積分球開口より22cm離れた位置において測光した。サンプルをこの位置に置くことで、拡散透過光は除去され、積分球内部の受光部に直線透過光のみが届く。
・リファレンスサンプルなし。リファレンス(試料と空気との屈折率差によって生じる反射。フレネル反射が生じる場合は、直線透過率100%ということはあり得ない。)がないため、フレネル反射による透過率のロスが生じている。
・スキャンスピード:300nm/min
・光源:タングステンランプ、重水素ランプ
・光源切り替え:340nm
[熱伝導率(面厚方向及び面内方向)]
直径50mm、厚さ10mmの試料1をまず作製し、これを図1に示すように7mm×7mm×厚さ0.5mmの大きさに面内方向、面厚方向にそれぞれ試料1A,1Bを切断加工し、(株)ai−phase製「ai−phase mobie」による温度波熱分析(TWA)法にて測定した。
[線熱膨張係数]
セイコーインスツルメンツ製「TMA/SS6100」を用い、ASTM D 6969に規定された方法に従って下記の測定条件で測定した。
<測定条件>
昇温条件:5℃/min
雰囲気:N
加熱温度:50〜150℃
荷重:3g
測定回数:3回
試料長:4×15mm
試料厚さ:試料により異なる
モード:引っ張りモード
[結晶化度]
結晶化度はX線回折測定により得られたX線回折図上の結晶散乱ピーク面積の割合として定義した。試料をサンプルホルダーに装着し、X線回折の回折角度を10°〜32°まで操作して測定した。得られたX線回折図からバックグラウンド散乱を除去した後、X線回折曲線上の10°、18.5°、32°を直線で結んだ面積が非晶部分となり、それ以外が結晶部分となる。セルロース結晶化度は回折図全体の面積に対する結晶部分の割合として、下記の式により算出した。
結晶化度=(結晶部分の面積)/(X線回折図全体の面積)×100(%)
実施例1:BC含有繊維強化複合樹脂組成物
まず、凍結乾燥保存状態の酢酸菌の菌株(FF−88)に培養液を加え、1週間静置培養した(25〜30℃)。培養液表面に生成したバクテリアセルロースのうち、厚さが比較的厚いものを選択し、その株の培養液を少量分取して新しい培養液に加えた。そして、この培養液を大型培養器に入れ、25〜30℃で7〜30日間の静地培養を行った。培養液には、グルコース2重量%、バクトイーストエクストラクト0.5重量%、バクトペプトン0.5重量%、リン酸水素二ナトリウム0.27重量%、クエン酸0.115重量%、硫酸マグネシウム七水和物0.1重量%とし、塩酸によりpH5.0に調整した水溶液(SH培地)を用いた。
このように産出させた含水バクテリアセルロースを培養液中から取り出し、2重量%のアルカリ水溶液で2時間煮沸し、その後、アルカリ処理液からバクテリアセルロースを取り出し、十分洗浄し、アルカリ処理液を除去し、バクテリアセルロース中のバクテリアを溶解除去した。次いで、得られた含水バクテリアセルロース(含水率95〜99重量%のバクテリアセルロース)を約5mm程度に切断した後、ミキサー等で粉砕したセルロース繊維を1重量%濃度の水懸濁液とし、グラインダー(栗田機械製作所製「ピュアファインミル KMG1−10」)にて、この水懸濁液を、ほぼ接触させた状態の1200rpmで回転するディスク間を、中央から外に向かって通過させる操作を約30回(30pass)行った。
グラインダー処理によって得られたNBC(平均繊維径50nm)を、0.2重量%水懸濁液に調整後、液状エポキシ樹脂(東都化成製ビスフェノールA型エポキシ樹脂YD8125、及びHUNTSMAN製アミン系硬化剤JEFFAMINE D-400を、エポキシ樹脂100重量部に対して64重量部配合したもの)をスリーワンモータで撹拌しながら減圧、加圧の工程を5回繰り返し、水を液状エポキシ樹脂原料に置換して繊維強化複合樹脂組成物を得た。
また、この繊維強化複合樹脂組成物を60℃/3h+120℃/3h硬化させて直径50mm、厚さ10mmの試料を作製後(図1の符号1参照)、測定のためにそれぞれ板状に切り出し(図1の符号1A,1B参照)、この硬化物について、50μm厚全可視光透過率、熱伝導率及び線熱膨張係数とセルロース結晶化度を測定し、結果を表1に示した。
実施例2:パルプ由来のNano MFC含有繊維強化複合樹脂組成物
ミクロフィブリル化セルロース:MFC(高圧ホモジナイザー処理で、針葉樹クラフトパルプ(NBKP)をミクロフィブリル化したもの、平均繊維径1μm)を水に十分撹拌し、1重量%濃度の水懸濁液を7kg調製したこと以外は実施例1と同様にしてエポキシ樹脂を含浸させて、組成物中でNano MFCがランダムに配向した本発明の繊維強化複合樹脂組成物を製造し、この繊維強化複合樹脂組成物及び硬化物について実施例1と同様に評価を行って、結果を表1に示した。
実施例3:コットン由来NanoMFC含有繊維強化複合樹脂組成物
パルプの代りにコットン(脱脂綿)を用い、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂を含浸させて、組成物中でNano MFCがランダムに配向した本発明の繊維強化複合樹脂組成物を製造し、この繊維強化複合樹脂組成物及び硬化物について実施例1と同様に評価を行って、結果を表1に示した。
実施例4:Avicel由来NanoMFC含有繊維強化複合樹脂組成物
パルプの代りにAvicelを用い、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂を含浸させて、組成物中でNano MFCがランダムに配向した本発明の繊維強化複合樹脂組成物を製造し、この繊維強化複合樹脂組成物及び硬化物について実施例1と同様に評価を行って、結果を表1に示した。
実施例5:テンセル(登録商標)由来NanoMFC含有繊維強化複合樹脂組成物
パルプの代りにテンセル(登録商標)を用い、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂を含浸させて、組成物中でNano MFCがランダムに配向した本発明の繊維強化複合樹脂組成物を製造し、この繊維強化複合樹脂組成物及び硬化物について実施例1と同様に評価を行って、結果を表1に示した。
実施例6:キュプラ由来NanoMFC含有繊維強化複合樹脂組成物
パルプの代りにキュプラを用い、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂を含浸させて、組成物中でNano MFCがランダムに配向した本発明の繊維強化複合樹脂組成物を製造し、この繊維強化複合樹脂組成物及び硬化物について実施例1と同様に評価を行って、結果を表1に示した。
実施例7:BC含有繊維強化複合シリコーン樹脂系樹脂組成物
実施例1と同様にBCを用いて、ゲル状のシリコーン樹脂(ジーイー東芝シリコーン製TSE3051)を含浸させて、100℃/4h加熱硬化して組成物中でNBCがランダム分散した本発明の繊維強化複合樹脂組成物を製造し、この繊維強化複合樹脂組成物及び硬化物について実施例1と同様に評価を行って、結果を表1に示した。
比較例1
エポキシ樹脂の硬化物について、実施例1と同様に評価を行って、結果を表1に示した。
参考例1
無機ガラスについて、実施例1と同様に評価を行って、結果を表1に示した。
Figure 2007146143
表1より、本発明の繊維強化複合樹脂組成物は、高透明性で、熱伝導率が高く、熱の放散性に優れた封止剤、接着剤又は充填剤用組成物であることがわかる。特に、繊維をランダムに配向させた実施例1〜3によれば、面内方向及び面厚方向の双方に高い熱伝導率を示し、等方的な高熱伝導性を有する封止剤、接着剤又は充填剤を提供することができる。
熱伝導率の測定用試料を示す内部透視斜視図である。
符号の説明
1 熱伝導率の測定用試料

Claims (9)

  1. 封止剤、接着剤又は充填剤として用いられる、繊維とマトリックス樹脂の液状前駆体とを含む繊維強化複合樹脂組成物で、該繊維が平均繊維径4〜200nmの繊維であり、該組成物を板状に硬化させた硬化物の50μm厚換算における波長400〜700nmの全光線透過率が70%以上であって、該硬化物の厚さ方向の熱伝導率及び板面方向の熱伝導率がいずれも0.4W/m・K以上であり、該繊維が該組成物内でランダムに配向していることを特徴とする繊維強化複合樹脂組成物。
  2. 請求項1において、該繊維がセルロース繊維であることを特徴とする繊維強化複合樹脂組成物。
  3. 請求項2において、該セルロース繊維がバクテリアセルロースであることを特徴とする繊維強化複合樹脂組成物。
  4. 請求項2において、該セルロース繊維が植物繊維から分離されたものであることを特徴とする繊維強化複合樹脂組成物。
  5. 請求項3又は4において、該セルロース繊維がミクロフィブリル化セルロース繊維を更に磨砕処理してなることを特徴とする繊維強化複合樹脂組成物。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項において、該繊維の含有率が10重量%以上であることを特徴とする繊維強化複合樹脂組成物。
  7. 請求項1ないし5のいずれか1項において、該マトリックス樹脂が、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、及び熱硬化型ポリイミド樹脂よりなる群から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする繊維強化複合樹脂組成物。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の繊維強化複合樹脂組成物を用いてなる接着剤。
  9. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の繊維強化複合樹脂組成物を用いてなる封止剤。
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