JP4428521B2 - 透明積層体 - Google Patents

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Description

本発明は透明積層体に係り、詳しくは、可視光の波長よりも細い繊維径の繊維にマトリクス材料を含浸させてなる高透明性の繊維強化複合材料よりなる基材の表面に透明導電膜を形成してなる透明積層体に関する。
繊維強化複合材料として最も一般的なものに、ガラス繊維に樹脂を含浸させたガラス繊維強化樹脂が知られている。通常、このガラス繊維強化樹脂は不透明なものであるが、ガラス繊維の屈折率とマトリクス材料の屈折率とを一致させて、透明なガラス繊維強化樹脂を得る方法が、特許文献1や特許文献2に開示されている。
一方、バクテリアの中には、セルロース繊維を生産するものがあることは知られており、バクテリアにより産生されたセルロース繊維(以下「バクテリアセルロース」と称す場合がある。)をシート状、糸状、立体状などの各種の形状に成形してなる成形材料が特許文献3,4に開示されている。
ところで、タッチスイッチは、透明な基材の一方の面に透明導電膜(固定接点)を形成した固定接点支持板と、透明な基材の一方の面に透明導電膜(可動接点)を形成した可動接点支持板とを、スペーサを介して、両支持板の透明導電膜が対面するように配置したものであり、可動接点支持板を押圧すると可動接点支持板が湾曲して、可動接点支持板の可動接点である透明導電膜と、固定接点支持板の固定接点である透明導電膜とが接触し、電気的導通が得られてスイッチの機能を果たすものである。
通常、固定接点支持板の基材としては、厚さ75μm〜5mm程度のアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂等の透明で絶縁性のあるシート又はガラス板が使用され、可動接点支持板の基材としては、同様の材料で厚さ75μm〜200μm程度の透明で絶縁性のあるフィルム、又はシートが使用される。固定接点支持板の基材としては、ガラス基材が用いられる場合もある。これらの基材には、接点となる透明導電膜、回路パターン、コネクターリード部等が形成されて、それぞれ固定接点支持板、可動接点支持板として用いられる。
特開平9−207234号公報 特開平7−156279号公報 特開昭62−36467号公報 特開平8−49188号公報
特許文献1,2等に開示される従来のガラス繊維強化樹脂は、使用条件によっては不透明となる場合がある。即ち、物質の屈折率は温度依存性を有しているため、特許文献1,2等に開示されるガラス繊維強化樹脂は、ある温度条件では透明であっても、その温度条件と異なる条件においては、半透明ないし不透明となる。また、屈折率は、物質ごとに波長依存性を有しており、可視光波長のうち特定波長において繊維とマトリクス材料との屈折率を合わせても、可視帯域全域においては屈折率がずれる領域が存在する可能性があり、この領域においては、やはり透明性を得ることができない。
一方、特許文献3,4に開示されるバクテリアセルロースは、繊維径4nmの単繊維よりなり、可視光の波長に比べて繊維径は格段に小さいため、可視光の屈折が生じにくい。しかし、特許文献3,4では、バクテリアセルロースを樹脂との複合材料とする場合、バクテリアセルロースを離解して用いている。このように、バクテリアにより産生された産生物にグラインダー等により機械的剪断力を付与して離解した場合には、離解過程でバクテリアセルロース同士が互いに密着し、可視光の屈折、散乱が生じるような繊維径の太い束状となり、その結果、このような離解セルロースを使用したものは透明性に劣るものとなる。
このように、従来においては、温度条件や波長域によらず、常に高い透明性を保持する繊維強化複合材料は提供されていない。
一方、前述の如く、タッチスイッチの固定接点支持板や可動接点支持板の基材としては、透明絶縁性樹脂シート又はフィルムが用いられ、固定接点支持板にあってはガラス板が用いられる場合もあるが、このうち、ガラスでは、重量が重く、また耐衝撃性に劣るという欠点がある。樹脂シートでは、重量はガラス板に比べて軽いものの、次のような問題がある。即ち、基材上の接点となる透明導電膜や回路パターン等は、パターンエッチングにより形成されるが、このパターンエッチングにおける加工工程では熱が付加される場合がある。この際、基材と透明導電膜とで線熱膨張係数差が大きいと、界面に発生する応力で透明導電膜に亀裂、膜剥離等の破損が生じ、透明導電膜が破損することにより導電性が損なわれる場合がある。また、曲げ強度や曲げ弾性率が不足する場合は、特に可動接点支持板としての用途において、繰り返し操作押圧力で支持板が変形したり破損したりする恐れがある。そして、この場合にも、透明導電膜の劣化で導電性が損なわれる。
従って、透明性に優れ、軽量で、線熱膨張係数が小さく、透明導電膜との線熱膨張係数差による透明導電膜の破損の問題がなく、また、曲げ強度や曲げ弾性率が高く、繰り返し押圧力にも十分に耐え得る透明導電膜形成用透明基材の開発が望まれている。
従って、本発明は、温度条件や波長等に影響を受けることなく、常に高い透明性が維持され、軽量で、かつ、基材と透明導電膜との線熱膨張係数差に起因する透明導電膜の破損、それによる導電性の低下や、繰り返し応力等によるそれ自体の破損の問題のない透明導電膜形成透明積層体を提供することを目的とする。
本発明の透明積層体は、平均繊維径が4〜60nmの繊維とマトリクス材料とを含有し、50μm厚換算における波長400〜700nmの光線透過率が60%以上である繊維強化複合材料であって、該繊維強化複合材料中の該繊維の含有率が10重量%以上である繊維強化複合材料よりなる基材と、該基材の表面に形成された透明導電膜とを有することを特徴とする。
なお、本発明において「50μm厚換算における波長400〜700nmの光線透過率」(以下「50μm厚可視光透過率」と称す場合がある。)とは、本発明に係る繊維強化複合材料製基材に対して、厚さ方向に波長400〜700nmの光を照射した時の全波長域における光線透過率(直線光線透過率=平行光線透過率)の平均値を50μm厚に換算した値である。なお、光線透過率は、空気をレファレンスとして、光源とディテクターを被測定基板(試料基板)を介して、かつ基板に対して垂直となるように配置し、直線透過光(平行光線)を測定することにより求めることができ、具体的には、後述の実施例に記載される測定方法で測定することができる。
本発明において、繊維としてはセルロース繊維が挙げられ、セルロース繊維は、化学修飾及び/又は物理修飾されていても良い。例えば、アセチル化セルロース繊維であっても良い。
セルロース繊維としては、特にバクテリアセルロースが好ましい。このバクテリアセルロースは離解処理されていないものであることが好ましく、またバクテリアと該バクテリアから産生された該バクテリアに連なっているセルロースとを含む産生物をアルカリ処理してバクテリアを溶解除去したものであることが好ましい。
セルロース繊維はまた、植物繊維から分離されたものであっても良く、例えば、ミクロフィブリル化セルロース繊維を更に磨砕処理してなるものであっても良い。
本発明に係る繊維強化複合材料中の繊維の含有率は10重量%以上例えば10〜99重量%であることが好ましい。
また、透明導電膜は、錫ドープ酸化インジウム、アルミニウムドープ酸化亜鉛、及びインジウムドープ酸化亜鉛よりなる群から選ばれる複合金属酸化物薄膜であることが好ましく、その膜厚は0.01〜10μmであることが好ましい。
また、本発明に係る繊維強化複合材料製基材は、線熱膨張係数0.05×10−5〜5×10−5−1、曲げ強度30MPa以上、比重1.0〜2.5であることが好ましい。
なお、本発明において、線熱膨張係数は、基材を50℃から150℃に昇温させた際の線熱膨張係数であり、ASTM D 696に規定された条件下で測定された値である。曲げ強度及び曲げ弾性率は、JIS K 7203に規定された方法に従って測定した値である。また、比重は、20℃において、単位体積当たりの質量を測定して密度を求め、水の密度(1.004g/cm(20℃))とから換算して求めることができる。
本発明に係る繊維強化複合材料のマトリクス材料としては、特に樹脂材料、とりわけ、結晶化度10%以下で、ガラス転移温度が110℃以上の合成樹脂が好ましい。
本発明に係る繊維強化複合材料製基材は、可視光の波長(380〜800nm)より小さい平均繊維径を有する繊維を用いたものであるため、可視光がマトリクス材料と繊維との界面で殆ど屈折しない。そのため、全可視光領域において、また材料の屈折率に関わりなく、繊維とマトリクス材料との界面での可視光の散乱ロスが殆ど発生しない。このため、本発明に係る繊維強化複合材料製基材は、全可視光波長域において、温度に関わりなく、50μm厚可視光透過率60%以上の高い透明性を有する。従って、このような基材に透明導電膜を形成した本発明の透明積層体は高い透明性を有する。
また、本発明に係る繊維強化複合材料製基材は、ガラス繊維強化樹脂並の低い線熱膨張係数とすることができるため、雰囲気温度によって歪みや変形、形状精度低下が問題となりにくく、従って、透明導電膜の亀裂、剥離等の破損及びそれによる導電性の低下ないし消失の問題がない。
本発明に係る繊維強化複合材料製基材は、ガラス繊維強化樹脂より低い比重とすることができるため、ガラス繊維強化樹脂の応用分野において、その代替材料として用いることにより、軽量化を図ることができる。
また、本発明に係る繊維強化複合材料製基材は、曲げ強度及び曲げ弾性率が高いため、機械的応力の負荷で変形したり破損したりする恐れも少ない。従って、基材の変形等に起因する透明導電膜の破損、及びそれによる導電性の低下ないし消失の問題もない。
本発明において、繊維として生分解性のセルロース繊維を用いることにより、廃棄処分ないしはリサイクルが容易となる。
以下に本発明の透明積層体の実施の形態を詳細に説明する。
まず、本発明に係る基材を構成する繊維強化複合材料について説明する。
本発明に係る繊維強化複合材料製基材は、繊維及びマトリクス材料を含み、60%以上の50μm厚可視光透過率を有する高透明性のものである。
本発明では、繊維として、平均繊維径4〜200nmのものを用いる。この繊維は、単繊維が、引き揃えられることなく、且つ相互間にマトリクス材料が入り込むように十分に離隔して存在するものより成ってもよい。この場合、平均繊維径は単繊維の平均径となる。また、本発明に係る繊維は、複数(多数であってもよい)本の単繊維が束状に集合して1本の糸条を構成しているものであってもよく、この場合、平均繊維径は1本の糸条の径の平均値として定義される。バクテリアセルロースは、後者の糸条よりなるものである。
本発明において、繊維の平均繊維径が200nmを超えると、可視光の波長に近づき、マトリクス材料との界面で可視光の屈折が生じ易くなり、透明性が低下することとなるため、本発明で用いる繊維の平均繊維径の上限は200nmとする。平均繊維径4nm未満の繊維は製造が困難であり、例えば繊維として好適な後述のバクテリアセルロースの単繊維径は4nm程度であることから、本発明で用いる繊維の平均繊維径の下限は4nmとする。本発明で用いる繊維の平均繊維径は、好ましくは4〜100nmであり、より好ましくは4〜60nmである。
なお、本発明で用いる繊維は、平均繊維径が4〜200nmの範囲内であれば、繊維中に4〜200nmの範囲外の繊維径のものが含まれていても良いが、その割合は30重量%以下であることが好ましく、望ましくは、すべての繊維の繊維径が200nm以下、特に100nm以下、とりわけ60nm以下であることが望ましい。
なお、繊維の長さについては特に限定されないが、平均長さで100nm以上が好ましい。繊維の平均長さが100nmより短いと、補強効果が低く、繊維強化複合材料の強度が不十分となるおそれがある。なお、繊維中には繊維長さ100nm未満のものが含まれていても良いが、その割合は30重量%以下であることが好ましい。
本発明においては、繊維としてセルロース繊維を用いると、後述するように、得られる繊維強化複合材料製基材の線熱膨張係数をより小さくすることができるので好ましい。
セルロース繊維とは、植物細胞壁の基本骨格等を構成するセルロースのミクロフィブリル又はこれの構成繊維をいい、通常繊維径4nm程度の単位繊維の集合体である。このセルロース繊維は、結晶構造を40%以上含有するものが、高い強度と低い熱膨張を得る上で好ましい。
本発明において、用いるセルロース繊維は、植物から分離されるものであってもよいが、バクテリアセルロースによって産生されるバクテリアセルロースが好適であり、特にバクテリアからの産生物をアルカリ処理してバクテリアを溶解除去して得られるものを離解処理することなく用いるのが好適である。
地球上においてセルロースを生産し得る生物は、植物界は言うに及ばず、動物界ではホヤ類、原生生物界では、各種藻類、卵菌類、粘菌類など、またモネラ界では藍藻及び酢酸菌、土壌細菌の一部に分布している。現在のところ、菌界(真菌類)にはセルロース生産能は確認されていない。このうち酢酸菌としては、アセトバクター(Acetobacter)属等が挙げられ、より具体的には、アセトバクターアセチ(Acetobacter aceti)、アセトバクターサブスピーシーズ(Acetobacter subsp.)、アセトバクターキシリナム(Acetobacter xylinum)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
このようなバクテリアを培養することにより、バクテリアからセルロースが産生される。得られた産生物は、バクテリアとこのバクテリアから産生されて該バクテリアに連なっているセルロース繊維(バクテリアセルロース)とを含むものであるため、この産生物を培地から取り出し、それを水洗、又はアルカリ処理などしてバクテリアを除去することにより、バクテリアを含まない含水バクテリアセルロースを得ることができる。この含水バクテリアセルロースから水分を除去することによりバクテリアセルロースを得ることができる。
培地としては、寒天状の固体培地や液体培地(培養液)が挙げられ、培養液としては、例えば、ココナッツミルク(全窒素分0.7重量%,脂質28重量%)7重量%、ショ糖8重量%を含有し、酢酸でpHを3.0に調整した培養液や、グルコース2重量%、バクトイーストエクストラ0.5重量%、バクトペプトン0.5重量%、リン酸水素二ナトリウム0.27重量%、クエン酸0.115重量%、硫酸マグネシウム七水和物0.1重量%とし、塩酸によりpH5.0に調整した水溶液(SH培地)等が挙げられる。
培養方法としては、例えば、次の方法が挙げられる。ココナッツミルク培養液に、アセトバクター キシリナム(Acetobacter xylinum)FF−88等の酢酸菌を植菌し、例えばFF−88であれば、30℃で5日間、静置培養を行って一次培養液を得る。得られた一次培養液のゲル分を取り除いた後、液体部分を、上記と同様の培養液に5重量%の割合で加え、30℃、10日間静置培養して、二次培養液を得る。この二次培養液には、約1重量%のセルロース繊維が含有されている。
また、他の培養方法として、培養液として、グルコース2重量%、バクトイーストエクストラ0.5重量%、バクトペプトン0.5重量%、リン酸水素二ナトリウム0.27重量%、クエン酸0.115重量%、硫酸マグネシウム七水和物0.1重量%とし、塩酸によりpH5.0に調整した水溶液(SH培養液)を用いる方法が挙げられる。この場合、凍結乾燥保存状態の酢酸菌の菌株にSH培養液を加え、1週間静置培養する(25〜30℃)。培養液表面にバクテリアセルロースが生成するが、これらのうち、厚さが比較的厚いものを選択し、その株の培養液を少量分取して新しい培養液に加える。そして、この培養液を大型培養器に入れ、25〜30℃で7〜30日間の静地培養を行う。バクテリアセルロースは、このように、「既存の培養液の一部を新しい培養液に加え、約7〜30日間静置培養を行う」ことの繰りかえしにより得られる。
菌がセルロースを作りにくいなどの不具合が生じた場合は、以下の手順を行う。即ち、培養液に寒天を加えて作成した寒天培地上に、菌培養中の培養液を少量撒き、1週間ほど放置してコロニーを作成させる。それぞれのコロニーを観察して、比較的セルロースをよく作るようなコロニーを寒天培地から取り出し、新しい培養液に投入し、培養を行う。
このようにして産出させたバクテリアセルロースを培養液中から取り出し、バクテリアセルロース中に残存するバクテリアを除去する。その方法として、水洗またはアルカリ処理などが挙げられる。バクテリアを溶解除去するためのアルカリ処理としては、培養液から取り出したバクテリアセルロースを0.01〜10重量%程度のアルカリ水溶液に1時間以上注加する方法が挙げられる。そして、アルカリ処理した場合は、アルカリ処理液からバクテリアセルロースを取り出し、十分水洗し、アルカリ処理液を除去する。
このようにして得られた含水バクテリアセルロース(通常、含水率95〜99重量%のバクテリアセルロース)は、次いで、水分除去処理を行う。
この水分除去法としては、特に限定されないが、放置やコールドプレス等でまず水をある程度抜き、次いで、そのまま放置するか、又はホットプレス等で残存の水を完全に除去する方法、コールドプレス法の後、乾燥機にかけたり、自然乾燥させたりして水を除去する方法等が挙げられる。
上記の水をある程度抜く方法としての放置は、時間をかけて水を徐々に揮散させる方法である。
上記コールドプレスとは、熱をかけずに圧を加えて、水を抜き出す方法であり、ある程度の水を絞り出すことができる。このコールドプレスにおける圧力は、0.01〜10MPaが好ましく、0.1〜3MPaがより好ましい。圧力が0.01MPaより小さいと、水の残存量が多くなる傾向があり、10MPaより大きいと、得られるバクテリアセルロースが破壊される場合がある。また、温度は特に限定されないが、操作の便宜上、常温が好ましい。
上記の残存の水を完全に除去する方法としての放置は、時間をかけてバクテリアセルロースを乾燥させる方法である。
上記ホットプレスとは、熱を加えながら圧をかけることにより、水を抜き出す方法であり、残存の水を完全に除去することができる。このホットプレスにおける圧力は、0.01〜10MPaが好ましく、0.2〜3MPaがより好ましい。圧力が0.01MPaより小さいと、水を除去できなくなる場合があり、10MPaより大きいと、得られるバクテリアセルロースが破壊される場合がある。また、温度は100〜300℃が好ましく、110〜200℃がより好ましい。温度が100℃より低いと、水の除去に時間を要し、一方、300℃より高いと、バクテリアセルロースの分解等が生じるおそれがある。
また、上記乾燥機による乾燥温度についても、100〜300℃が好ましく、110〜200℃がより好ましい。乾燥温度が100℃より低いと、水の除去ができなくなる場合があり、一方、300℃より高いと、セルロース繊維の分解等が生じるおそれがある。
このようにして得られるバクテリアセルロースは、その培養条件やその後の水分除去時の加圧、加熱条件等によっても異なるが、通常、嵩密度1.1〜1.3kg/m程度、厚さ40〜60μm程度のシート状(以下「BCシート」と称す場合がある。)となっている。
本発明に係る繊維強化複合材料製基材は、このようなシート状物の1枚を単層体として、或いは複数枚を積層した積層体として、後述の如く、マトリクス材料を形成し得る含浸用液状物を含浸させて製造することができる。
本発明に係る繊維強化複合材料においては、このようにしてバクテリアからの産生物からバクテリアを溶解して得られるバクテリアセルロースのシート状物を好ましくは強化繊維として用いるが、本発明で用いるバクテリアセルロースは、嵩密度1.2kg/mで厚さ40μmのシート状物について、JIS P 8117に規定された方法に従って測定した透気度が8000sec/100cc以上、特に10000sec/100cc以上、とりわけ15000sec/100cc以上であることが好ましい。このような透気度を有するBCシートであれば、これに含浸用液状物を含浸させて良好な透明性を有する繊維強化複合材料製基材を得ることができる。
なお、前述の特許文献3,4においては、バクテリアセルロースを樹脂との複合材料とする場合においては、バクテリアセルロース含有産生物を離解して用いているが、バクテリアセルロースを離解して得られるシートについて、上記と同様にして測定した透気度は4500sec/100cc程度と低い。これは、離解により、バクテリアセルロースの単繊維に剪断力が付与され、バクテリアセルロース同士が密着したり絡まり合ったりすることにより、バクテリアセルロースのネットワーク構造が粗大化したことによるものである。そして、このように透気度の低い、ネットワーク構造の粗いBCシートでは、高透明性繊維強化複合材料として十分な強度及び透光性を有するものを製造することはできない。
本発明で用いるバクテリアセルロースは、このように離解処理されていないことにより、三次元交差構造をとるものとなる(以下、三次元交差構造をとるバクテリアセルロースを「三次元交差バクテリアセルロース構造体」と称す場合がある。)。この「三次元交差バクテリアセルロース構造体」とは「バクテリアセルロースが三次元的な交差構造をとることにより嵩高(スカスカ)の状態ではあるが一つの構造体として扱えるようになっている物体」を意味し、セルロース繊維を産生するバクテリアを前述の如く、培養液で培養することにより形成される。
即ち、バクテリアがセルロースを産生(排出)しながらランダムに動き回ることによりセルロースが複雑に(三次元的に)交差している構造となった状態を云う。この複雑な交差はバクテリアが分裂してセルロースが分岐を生ずることにより更に複雑化した交差状態となる。
このような三次元交差バクテリアセルロース構造体は適当な形状、即ちフィルム状、板状、ブロック状、所定の形状(例えばレンズ状)等の形状で培養すれば、その形状に従って形成される。従って、目的に応じ任意の形状の三次元交差バクテリアセルロース構造体を得ることができる。
三次元交差バクテリアセルロース構造体はその後、前述したようにバクテリアを除去するためのアルカリ処理や水等での洗浄処理が行われるが、これらの処理によっては三次元交差したバクテリアセルロースはその三次元交差が解除されることはない。また、三次元交差バクテリアセルロース構造体を圧縮する等して含有する水分を除去すること、所謂、脱水工程を経てもこの三次元交差状態は保たれていることが確認されている。
複合材料(セルロース−樹脂複合材料)としての強度、透明性等はこの三次元交差構造が保たれている場合に特に効果的に発揮される。そして、バクテリアセルロースが三次元交差バクテリアセルロース構造体となっていることにより、上述のように高い透気度が得られる。
例えば、この三次元交差バクテリアセルロース構造体を更に細くするために解離処理、解繊処理等と呼ばれる工程、即ち、乳鉢と乳棒、すり鉢、ひき臼等で三次元交差バクテリアセルロース構造体をすりつぶす工程を経た場合は、上述した三次元交差構造は破壊され、セルロース繊維は短く引きちぎられ、その短繊維が毛玉状やフィルム状に集合(凝集)してしまい、ナノサイズ(ナノオーダー)のセルロース繊維からなる三次元交差バクテリアセルロース構造体とは全く異なる性状、形態のものとなってしまうことが確認されている。
三次元交差バクテリアセルロース構造体を更に細く解離、解繊する技術の更なる開発が待たれる。
本発明において、繊維としては、好ましくは、上述のようなバクテリアセルロースを用いるが、海草やホヤの被嚢、植物細胞壁等に、叩解・粉砕等の処理、高温高圧水蒸気処理、リン酸塩等を用いた処理等を施したセルロース繊維を用いても良い。
この場合、上記叩解・粉砕等の処理は、リグニン等を除去した植物細胞壁や海草やホヤの被嚢に、直接、力を加え、叩解や粉砕を行って繊維をバラバラにし、セルロース繊維を得る処理法である。
より具体的には、後述の実施例に示すように、パルプ等を高圧ホモジナイザーで処理して平均繊維径0.1〜10μm程度にミクロフィブリル化したミクロフィブリル化セルロース繊維(以下、「MFC」と略記する。)を0.1〜3重量%程度の水懸濁液とし、更にグラインダー等で繰り返し磨砕ないし融砕処理して平均繊維径10〜100nm程度のナノオーダーのMFC(以下、「Nano MFC」と略記する。)を得ることができる。このNano MFCを0.01〜1重量%程度の水懸濁液とし、これを濾過することにより、シート化する。
上記磨砕ないし融砕処理は、例えば、栗田機械製作所製グラインダー「ピュアファインミル」等を用いて行うことができる。
このグラインダーは、上下2枚のグラインダーの間隙を原料が通過するときに発生する衝撃、遠心力、剪断力により、原料を超微粒子に粉砕する石臼式粉砕機であり、剪断、磨砕、微粒化、分散、乳化、フィブリル化を同時に行うことができるものである。また、磨砕ないし融砕処理は、増幸産業(株)製超微粒磨砕機「スーパーマスコロイダー」を用いて行うこともできる。スーパーマスコロイダーは、単なる粉砕の域を越えた融けるように感じるほどの超微粒化を可能にした磨砕機である。スーパーマスコロイダーは、間隔を自由に調整できる上下2枚の無気孔砥石によって構成された石臼形式の超微粒磨砕機であり、上部砥石は固定で、下部砥石が高速回転する。ホッパーに投入された原料は遠心力によって上下砥石の間隙に送り込まれ、そこで生じる強大な圧縮、剪断、転がり摩擦力などにより、原料は次第にすり潰され、超微粒化される。
また、上記高温高圧水蒸気処理は、リグニン等を除去した植物細胞壁や海草やホヤの被嚢を高温高圧水蒸気に曝すことによって繊維をバラバラにし、セルロース繊維を得る処理法である。
また、リン酸塩等を用いた処理とは、海草やホヤの被嚢、植物細胞壁等の表面をリン酸エステル化することにより、セルロース繊維間の結合力を弱め、次いで、リファイナー処理を行うことにより、繊維をバラバラにし、セルロース繊維を得る処理法である。例えば、リグニン等を除去した植物細胞壁や、海草やホヤの被嚢を50重量%の尿素と32重量%のリン酸を含む溶液に浸漬し、60℃で溶液をセルロース繊維間に十分に染み込ませた後、180℃で加熱してリン酸化を進める。これを水洗した後、3重量%の塩酸水溶液中、60℃で2時間、加水分解処理をして、再度水洗を行う。その後、3重量%の炭酸ナトリウム水溶液中において、室温で20分間程処理することで、リン酸化を完了させる。そして、この処理物をリファイナーで解繊することにより、セルロース繊維が得られる。
また、本発明において用いる繊維は、このようなセルロース繊維を化学修飾及び/又は物理修飾して機能性を高めたものであっても良い。ここで、化学修飾としては、アセチル化、シアノエチル化、アセタール化、エーテル化、イソシアネート化等によって官能基を付加させること、シリケートやチタネート等の無機物を化学反応やゾルゲル法等によって複合化や被覆化させること等が挙げられる。化学修飾の方法としては、例えば、後述の実施例に示すようにBCシート(Nano MFCシートであっても良い。)を無水酢酸中に浸漬して加熱する方法が挙げられ、アセチル化により、光線透過率を低下させることなく、吸水性の低下、耐熱性の向上を図ることができる。また、物理修飾としては、金属やセラミック原料を、真空蒸着、イオンプレーティング、スパッタリング等の物理蒸着法(PVD法)、化学蒸着法(CVD法)、無電解メッキや電解メッキ等のメッキ法等によって表面被覆させることが挙げられる。
なお、これらの繊維は1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
本発明において、繊維強化複合材料中の繊維の含有率は、10重量%以上、特に30重量%以上、とりわけ50重量%以上であることが好ましく、99重量%以下、特に95重量%以下であることが好ましい。繊維強化複合材料中の繊維の含有率が少な過ぎるとセルロース繊維等の繊維による曲げ強度及び曲げ弾性率向上、又は線熱膨張係数低減の効果が不十分となる傾向があり、多過ぎると、マトリクス材料による繊維間の接着、又は繊維間の空間の充填が十分でなくなり、強度や透明性、表面の平坦性が低下するおそれがある。
本発明に係る繊維強化複合材料のマトリクス材料は、本発明の繊維強化複合材料の母材となる材料であり、50μm厚可視光透過率60%以上の繊維強化複合材料製基材を得ることができ、かつ後述の好適な物性を満たす繊維強化複合材料製基材を製造することができるものであれば特に制限はなく、有機高分子、無機高分子、有機高分子と無機高分子とのハイブリッド高分子等の1種を単独で、或いは2種以上を混合して用いることができる。
以下に本発明に好適なマトリクス材料を例示するが、本発明で用いるマトリクス材料は何ら以下のものに限定されるものではない。
マトリクス材料の無機高分子としては、ガラス、シリケート材料、チタネート材料などのセラミックス等が挙げられ、これらは例えばアルコラートの脱水縮合反応により形成することができる。また、有機高分子としては、天然高分子や合成高分子が挙げられる。
天然高分子としては、再生セルロース系高分子、例えばセロハン、トリアセチルセルロース等が挙げられる。
合成高分子としては、ビニル系樹脂、重縮合系樹脂、重付加系樹脂、付加縮合系樹脂、開環重合系樹脂等が挙げられる。
上記ビニル系樹脂としては、ポリオレフィン、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、フッ素樹脂、(メタ)アクリル系樹脂等の汎用樹脂や、ビニル重合によって得られるエンジニアリングプラスチック、スーパーエンジニアリングプラスチック等が挙げられる。これらは、各樹脂内において、構成される各単量体の単独重合体や共重合体であっても良い。
上記ポリオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、スチレン、ブタジエン、ブテン、イソプレン、クロロプレン、イソブチレン、イソプレン等の単独重合体又は共重合体、あるいはノルボルネン骨格を有する環状ポリオレフィン等が挙げられる。
上記塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニル、塩化ビニリデン等の単独重合体又は共重合体が挙げられる。
上記酢酸ビニル系樹脂とは、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニル、ポリ酢酸ビニルの加水分解体であるポリビニルアルコール、酢酸ビニルに、ホルムアルデヒドやn−ブチルアルデヒドを反応させたポリビニルアセタール、ポリビニルアルコールやブチルアルデヒド等を反応させたポリビニルブチラール等が挙げられる。
上記フッ素樹脂としては、テトラクロロエチレン、ヘキフロロプロピレン、クロロトリフロロエチレン、フッ化ビリニデン、フッ化ビニル、ペルフルオロアルキルビニルエーテル等の単独重合体又は共重合体が挙げられる。
上記(メタ)アクリル系樹脂としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド類等の単独重合体又は共重合体が挙げられる。なお、この明細書において、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル及び/又はメタクリル」を意味する。ここで、(メタ)アクリル酸としては、アクリル酸又はメタクリル酸が挙げられる。また、(メタ)アクリロニトリルとしては、アクリロニトリル又はメタクリロニトリルが挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、シクロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸系単量体、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル等が挙げられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル等が挙げられる。シクロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸系単量体としては、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、イソボルニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ブトキシエチル等が挙げられる。(メタ)アクリルアミド類としては、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−t−オクチル(メタ)アクリルアミド等のN置換(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
上記重縮合系樹脂としては、アミド系樹脂やポリカーボネート等が挙げられる。
上記アミド系樹脂としては、6,6−ナイロン、6−ナイロン、11−ナイロン、12−ナイロン、4,6−ナイロン、6,10−ナイロン、6,12−ナイロン等の脂肪族アミド系樹脂や、フェニレンジアミン等の芳香族ジアミンと塩化テレフタロイルや塩化イソフタロイル等の芳香族ジカルボン酸又はその誘導体からなる芳香族ポリアミド等が挙げられる。
上記ポリカーボネートとは、ビスフェノールAやその誘導体であるビスフェノール類と、ホスゲン又はフェニルジカーボネートとの反応物をいう。
上記重付加系樹脂としては、エステル系樹脂、Uポリマー、液晶ポリマー、ポリエーテルケトン類、ポリエーテルエーテルケトン、不飽和ポリエステル、アルキド樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホン等が挙げられる。
上記エステル系樹脂としては、芳香族ポリエステル、脂肪族ポリエステル、不飽和ポリエステル等が挙げられる。上記芳香族ポリエステルとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール等の後述するジオール類とテレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸との共重合体が挙げられる。上記脂肪族ポリエステルとしては、後述するジオール類とコハク酸、吉草酸等の脂肪族ジカルボン酸との共重合体や、グリコール酸や乳酸等のヒドロキシカルボン酸の単独重合体又は共重合体、上述するジオール類、上記脂肪族ジカルボン酸及び上記ヒドロキシカルボン酸の共重合体等が挙げられる。上記不飽和ポリエステルとしては、後述するジオール類、無水マレイン酸等の不飽和ジカルボン酸、及び必要に応じてスチレン等のビニル単量体との共重合体が挙げられる。
上記Uポリマーとしては、ビスフェノールAやその誘導体であるビスフェノール類、テレフタル酸及びイソフタル酸等からなる共重合体が挙げられる。
上記液晶ポリマーとしては、p−ヒドロキシ安息香酸と、テレフタル酸、p,p’−ジオキシジフェノール、p−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸、ポリテレフタル酸エチレン等との共重合体をいう。
上記ポリエーテルケトンとしては、4,4’−ジフルオロベンゾフェノンや4,4’−ジヒドロベンゾフェノン等の単独重合体や共重合体が挙げられる。
上記ポリエーテルエーテルケトンとしては、4,4’−ジフルオロベンゾフェノンとハイドロキノン等の共重合体が挙げられる。
上記アルキド樹脂としては、ステアリン酸、パルチミン酸等の高級脂肪酸と無水フタル酸等の二塩基酸、及びグリセリン等のポリオール等からなる共重合体が挙げられる。
上記ポリスルホンとしては、4,4’−ジクロロジフェニルスルホンやビスフェノールA等の共重合体が挙げられる。
上記ポリフェニルレンスルフィドとしては、p−ジクロロベンゼンや硫化ナトリウム等の共重合体が挙げられる。
上記ポリエーテルスルホンとしては、4−クロロ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホンの重合体が挙げられる。
上記ポリイミド系樹脂としては、無水ポリメリト酸や4,4’-ジアミノジフェニルエーテル等の共重合体であるピロメリト酸型ポリイミド、無水塩化トリメリト酸やp−フェニレンジアミン等の芳香族ジアミンや、後述するジイソシアネート化合物等からなる共重合体であるトリメリト酸型ポリイミド、ビフェニルテトラカルボン酸、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、p−フェニレンジアミン等からなるビフェニル型ポリイミド、ベンゾフェノンテトラカルボン酸や4,4’−ジアミノジフェニルエーテル等からなるベンゾフェノン型ポリイミド、ビスマレイイミドや4,4’−ジアミノジフェニルメタン等からなるビスマレイイミド型ポリイミド等が挙げられる。
上記重付加系樹脂としては、ウレタン樹脂等が挙げられる。
上記ウレタン樹脂は、ジイソシアネート類とジオール類との共重合体である。上記ジイソシアネート類としては、ジシクロへキシルメタンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,3−シクロヘキシレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート等が挙げられる。また、上記ジオール類としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、シクロヘキサンジメタノール等の比較的低分子量のジオールや、ポリエステルジオール、ポリエーテルジオール、ポリカーボネートジオール等が挙げられる。
上記付加縮合系樹脂としては、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。
上記フェノール樹脂としては、フェノール、クレゾール、レゾルシノール、フェニルフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF等の単独重合体又は共重合体が挙げられる。
上記尿素樹脂やメラミン樹脂は、ホルムアルデヒドや尿素、メラミン等の共重合体である。
上記開環重合系樹脂としては、ポリアルキレンオキシド、ポリアセタール、エポキシ樹脂等が挙げられる。上記ポリアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド等の単独重合体又は共重合体が挙げられる。上記ポリアセタールとしては、トリオキサン、ホルムアルデヒド、エチレンオキシド等の共重合体が挙げられる。上記エポキシ樹脂とは、エチレングリコール等の多価アルコールとエピクロロヒドリンとからなる脂肪族系エポキシ樹脂、ビスフェノールAとエピクロロヒドリンとからなる脂肪族系エポキシ樹脂等が挙げられる。
本発明においては、このようなマトリクス材料のうち、特に非晶質でガラス転移温度(Tg)の高い合成樹脂材料が透明性に優れた高耐久性の繊維強化複合材料製基材を得る上で好ましく、このうち、非晶質の程度としては、結晶化度で10%以下、特に5%以下であるものが好ましく、また、Tgは110℃以上、特に120℃以上、とりわけ130℃以上のものが好ましい。Tgが110℃未満のものでは、例えば沸騰水に接触した場合に変形するなど、透明部品、光学部品等としての用途において、耐久性に問題が発生する。なお、TgはDSC法による測定で求められ、結晶化度は、非晶質部と結晶質部の密度から結晶化度を算定する密度法により求められる。
本発明において、好ましい透明マトリクス樹脂としては、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ノボラック樹脂、ユリア樹脂、グアナミン樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、フラン樹脂、ケトン樹脂、キシレン樹脂、熱硬化型ポリイミド、スチリルピリジン系樹脂、トリアジン系樹脂等の熱硬化樹脂が挙げられ、これらの中でも特に透明性の高いアクリル樹脂、メタクリル樹脂が好ましい。
これらのマトリクス材料は、1種単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。
次に、本発明に係る繊維強化複合材料製基材の製造方法について説明する。
本発明に係る繊維強化複合材料製基材を製造する方法については特に制限はないが、上述のようなマトリクス材料を形成し得る含浸用液状物を、前記繊維に含浸させ、次いでこの含浸用液状物を硬化させる方法が好ましい。
ここで、含浸用液状物としては、流動状のマトリクス材料、流動状のマトリクス材料の原料、マトリクス材料を流動化させた流動化物、マトリクス材料の原料を流動化させた流動化物、マトリクス材料の溶液、及びマトリクス材料の原料の溶液から選ばれる1種又は2種以上を用いることができる。
上記流動状のマトリクス材料としては、マトリクス材料そのものが流動状であるもの等をいう。また、上記流動状のマトリクス材料の原料としては、例えば、プレポリマーやオリゴマー等の重合中間体等が挙げられる。
更に、上記マトリクス材料を流動化させた流動化物としては、例えば、熱可塑性のマトリクス材料を加熱溶融させた状態のもの等が挙げられる。
更に、上記マトリクス材料の原料を流動化させた流動化物としては、例えば、プレポリマーやオリゴマー等の重合中間体が固形状の場合、これらを加熱溶融させた状態のもの等が挙げられる。
また、上記マトリクス材料の溶液やマトリクス材料の原料の溶液とは、マトリクス材料やマトリクス材料の原料を溶媒等に溶解させた溶液が挙げられる。この溶媒は、溶解対象のマトリクス材料やマトリクス材料の原料に合わせて適宜決定されるが、後工程でこれを除去するに当たり、蒸発除去する場合、上記マトリクス材料やマトリクス材料の原料の分解を生じさせない程度の温度以下の沸点を有する溶媒が好ましい。
このような含浸用液状物を、繊維の集合体、好ましくは前述のBCシートの単層体、又はBCシートを複数枚積層した積層体に含浸させて、繊維間に含浸用液状物を十分に浸透させる。この含浸工程は、その一部又は全部を、圧を変化させた状態で行うのが好ましい。この圧を変化させる方法としては、減圧又は加圧が挙げられる。減圧又は加圧とした場合、繊維間に存在する空気を上記含浸用液状物と置き換えることが容易となり、気泡の残存を防止することができる。
上記の減圧条件としては、0.133kPa(1mmHg)〜93.3kPa(700mmHg)が好ましい。減圧条件が93.3kPa(700mmHg)より大きいと、空気の除去が不十分となり、繊維間に空気が残存する場合が生じることがある。一方、減圧条件は0.133kPa(1mmHg)より低くてもよいが、減圧設備が過大となりすぎる傾向がある。
減圧条件下における含浸工程の処理温度は、0℃以上が好ましく、10℃以上がより好ましい。この温度が0℃より低いと、空気の除去が不十分となり、繊維間に空気が残存する場合が生じることがある。なお、温度の上限は、例えば含浸用液状物に溶媒を用いた場合、その溶媒の沸点(当該減圧条件下での沸点)が好ましい。この温度より高くなると、溶媒の揮散が激しくなり、かえって、気泡が残存しやすくなる傾向がある。
上記の加圧条件としては、1.1〜10MPaが好ましい。加圧条件が1.1MPaより低いと、空気の除去が不十分となり、繊維間に空気が残存する場合が生じることがある。一方、加圧条件は10MPaより高くてもよいが、加圧設備が過大となりすぎる傾向がある。
加圧条件下における含浸工程の処理温度は、0〜300℃が好ましく、10〜100℃がより好ましい。この温度が0℃より低いと、空気の除去が不十分となり、繊維間に空気が残存する場合が生じることがある。一方、300℃より高いと、マトリクス材料が変性するおそれがある。
繊維に含浸させた含浸用液状物を硬化させるには、当該含浸用液状物の硬化方法に従って行えば良く、例えば、含浸用液状物が流動状のマトリクス材料の場合は、架橋反応、鎖延長反応等が挙げられる。また、含浸用液状物が流動状のマトリクス材料の原料の場合は、重合反応、架橋反応、鎖延長反応等が挙げられる。
また、含浸用液状物がマトリクス材料を流動化させた流動化物の場合は、冷却等が挙げられる。また、含浸用液状物がマトリクス材料の原料を流動化させた流動化物の場合は、冷却等と、重合反応、架橋反応、鎖延長反応等の組合せが挙げられる。
また、含浸用液状物がマトリクス材料の溶液の場合は、溶液中の溶媒の蒸発や風乾等による除去等が挙げられる。更に、含浸用液状物がマトリクス材料の原料の溶液の場合は、溶液中の溶媒の除去等と、重合反応、架橋反応、鎖延長反応等との組合せが挙げられる。なお、上記蒸発除去には、常圧下における蒸発除去だけでなく、減圧下における蒸発除去も含まれる。
このようにして得られる繊維強化複合材料製基材は、50μm厚可視光透過率が60%以上、好ましくは65%以上、より好ましくは70%以上、更に好ましくは80%以上、最も好ましくは90%以上の高透明性基材である。基材の50μm厚可視光透過率が60%未満では、半透明又は不透明となり、本発明の目的を達成し得ず、透明性が要求される用途への使用が困難となる場合がある。
また、本発明に係る繊維強化複合材料製基材は、線熱膨張係数が、好ましくは0.05×10-5〜5×10-5−1であり、より好ましくは0.2×10-5〜2×10-5−1であり、特に好ましくは0.3×10-5〜1×10-5−1である。基材の線熱膨張係数は0.05×10-5−1より小さくてもよいが、セルロース繊維等の線熱膨張係数を考えると、実現が難しい場合がある。一方、線熱膨張係数が5×10-5−1より大きいと、繊維補強効果が発現しておらず、通常線熱膨張係数が1×10-6〜4×10-5−1程度の透明導電膜との線熱膨張係数との違いから、熱負荷により、透明導電膜の亀裂、剥離等の破損の問題がある。
また、本発明に係る繊維強化複合材料製基材は、曲げ強度が、好ましくは30MPa以上であり、より好ましくは100MPa以上である。曲げ強度が30MPaより小さいと、十分な強度が得られず、構造材料等、力の加わる用途への使用に影響を与えることがある。曲げ強度の上限については、通常600MPa程度であるが、繊維の配向を調整するなどの改良手法により、1GPa、更には1.5GPa程度の高い曲げ強度を実現することも期待される。
また、本発明に係る繊維強化複合材料製基材は、曲げ弾性率が、好ましくは0.1〜100GPaであり、より好ましくは1〜40GPaである。曲げ弾性率が0.1GPaより小さいと、十分な強度が得られず、構造材料等、力の加わる用途への使用に影響を与えることがある。一方、100GPaより大きいものは実現が困難である。
また、本発明に係る繊維強化複合材料製基材の比重は、1.0〜2.5であることが好ましい。より具体的には、マトリクス材料としてガラス等のシリケート化合物や、チタネート化合物、アルミナ等の無機高分子以外の有機高分子や、無機高分子であっても多孔質材料を用いる場合は、本発明の繊維強化複合材料製基材の比重は、1.0〜1.8が好ましく、1.2〜1.5がより好ましく、1.3〜1.4が更に好ましい。ガラス以外のマトリクス材料の比重は1.6未満が一般的であり、かつ、セルロース繊維の比重が1.5付近であるので、比重を1.0より小さくしようとすると、セルロース繊維等の含有率が低下し、セルロース繊維等による強度向上が不十分となる傾向がある。一方、比重が1.8より大きいと、得られる繊維強化複合材料製基材の重量が大きくなり、ガラス繊維強化材料と比較して、軽量化をめざす用途に使用することが不利となる。
また、マトリクス材料としてガラス等のシリケート化合物や、チタネート化合物、アルミナ等の無機高分子(多孔質材料を除く)を用いる場合は、本発明の繊維強化複合材料製基材の比重は、1.5〜2.5が好ましく、1.8〜2.2がより好ましい。ガラスの比重は2.5以上が一般的であり、かつ、セルロース繊維の比重が1.5付近であるので、比重を2.5より大きくしようとすると、セルロース繊維等の含有率が低下し、セルロース繊維等による強度向上が不十分となる傾向がある。一方、比重が1.5より小さくなると、繊維間の空隙の充填が不十分になる可能性がある。
本発明の透明積層体は、このような繊維強化複合材料製基材の表面に透明導電膜を形成してなるものである。
本発明に係る透明導電膜は、例えば液晶素子や電子ペーパー、或いはタッチパネルにおいて、パターニングされて透明導電配線として機能する。また有機EL素子においては透明導電配線及びエレクトロルミネッセンス素子の陽極として機能する。
透明導電膜としては、錫を添加した酸化インジウム(通称「ITO」と呼ばれている)、アルミニウムを添加した酸化亜鉛(通称「AZO」と呼ばれている。)、インジウムを添加した酸化亜鉛(通称「IZO」と呼ばれている)等の複合酸化物薄膜が好ましく用いられる。このうち、ITOは通常150℃以上で熱処理することにより結晶化が進み電気抵抗値が低減される。このため、ITOを適用する場合は、基材としてはこのような熱処理に耐え得るTgが高いものに適する。IZOは非晶性が高く常温付近でも抵抗値が低いので、Tgが低い樹脂基材にも適する。
透明導電膜は、蒸着やスパッタリング等の真空成膜プロセスにより形成される。透明導電膜は、また、塗布法によっても形成することもできる。例えば、ITOやATOの粒子を導電性バインダーなどに分散させた塗布液を調製し、これを繊維強化複合材料製基材に塗布して形成した塗膜に熱処理を加えることによっても形成することができる。
形成された透明導電膜の可視光波長領域における光線透過率は大きいほど好ましく、例えば50〜99%である。光線透過率の好ましい下限値としては60%、更に好ましくは70%である。
また、透明導電膜の電気抵抗は、透明導電配線としての面抵抗値としては、小さいほど好ましいが、通常1〜100Ω/□(=1cm)であり、その上限値は好ましくは70Ω/□、更に好ましくは50Ω/□である。ただし、タッチパネル用の透明導電配線としてはこの限りでは無く、位置検出精度の要請から通常200〜600Ω/□程度であり300〜500Ω/□程度が好ましい。
また、透明導電膜の厚さは、上述した光線透過率及び面抵抗値を満足する限りにおいて、通常0.01〜10μmの範囲であり、導電性の観点からその下限値は、0.03μm(30nm)が好ましく、0.05μm(50nm)が更に好ましい。一方、光線透過率の観点からその上限値は、1μmが好ましく、0.5μmが更に好ましい。
なお、この透明導電膜は、通常、繊維強化複合材料製基材の一方の板面に形成されるが、用途によっては、両板面に形成される場合もある。しかして、繊維強化複合材料製基材に透明導電膜が形成された本発明の透明積層体は、必要に応じてフォトリソグラフィ法等により透明導電膜のパターンエッチングを施して所望の形状の回路やスイッチ、電極等を形成して使用に供される。
なお、本発明の透明積層体は、このような透明導電膜を形成した状態で、透明導電膜及び繊維強化複合材料製基材の厚みにかかわらず、厚さ方向に波長400〜700nmの光を照射した時の全波長域における光線透過率の平均値が60%以上、特に70%以上、とりわけ80%以上であることが好ましい。
以下に製造例、実験例、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例により限定されるものではない。なお、各種物性の測定方法は次の通りであり、各々、必要な試料を作成して測定した。
[比重]
20℃において、サンプルの単位体積当たりの質量を測定して密度を求め、水の密度(1.004g/cm3(20℃))とから、比重を算出した。
[50μm厚可視光透過率]
<測定装置>
日立ハイテクノロジーズ社製「UV−4100形分光度計」(固体試料測定システム)を使用。
<測定条件>
・6mm×6mmの光源マスク使用
・測定サンプルを積分球開口より22cm離れた位置において測光した。サンプルをこの位置に置くことで、拡散透過光は除去され、積分球内部の受光部に直線透過光のみが届く。
・リファレンスサンプルなし。リファレンス(試料と空気との屈折率差によって生じる反射。フレネル反射が生じる場合は、直線透過率100%ということはあり得ない。)がないため、フレネル反射による透過率のロスが生じている。
・スキャンスピード:300nm/min
・光源:タングステンランプ、重水素ランプ
・光源切り替え:340nm
[走査型電子顕微鏡写真(SEM写真)画像の撮影]
<試料の作成方法>
バクテリアセルロース:含水バクテリアセルロースを液体窒素で凍結し、減圧乾燥を行
った。
離解バクテリアセルロース:製造例2で作製したグラインダー処理懸濁液を、0.02
重量%懸濁液にして、その懸濁液を液体窒素で凍結し、減
圧乾燥を行った。
<試料の調製及び測定条件>
フリーズドライした各試料に、金蒸着(蒸着膜厚:数nm)を行い、下記条件で電子顕微鏡観察を行った。
測定装置:JEOL 5310(日本電子株式会社製)
加速電圧:10kV
倍率:2000倍
ワーキングディスタンス:20mm
コントラストの調整:AUTO
[線熱膨張係数の測定]
セイコーインスツルメンツ製「TMA/SS6100」を用い、ASTM D 696に規定された方法に従って下記の測定条件で測定した。
〈測定条件〉
昇温速度:5℃/min
雰囲気:N
加熱温度:50〜150℃
荷重:3g
測定回数:3回
試料長:4×15mm
試料厚さ:試料により異なる
モード:引っ張りモード
[曲げ強度]
厚さ約1mmの材料から幅8mm、長さ5mmの試料を作製し、JIS K 7203に規定された方法に従って3点曲げにより測定した。
[曲げ弾性率]
厚さ約1mmの材料から幅8mm、長さ5mmの試料を作製し、JIS K 7203に規定された方法に従って変形速度5mm/minで測定した。
[透気度]
嵩密度1.2kg/mで厚さ40μmのBCシートサンプルについてJIS P 8117に規定された方法に従って測定した。
[比抵抗]
測定機器として三菱化学(株)製ロレスタを用い、4探針プローブ「AS probe MCT−TP03」を使用し、4探針法(JIS R 1637)により抵抗率を測定し、比抵抗に換算した。
製造例1:BCシートの製造
まず、凍結乾燥保存状態の酢酸菌の菌株に培養液を加え、1週間静置培養した(25〜30℃)。培養液表面に生成したバクテリアセルロースのうち、厚さが比較的厚いものを選択し、その株の培養液を少量分取して新しい培養液に加えた。そして、この培養液を大型培養器に入れ、25〜30℃で7〜30日間の静地培養を行った。培養液には、グルコース2重量%、バクトイーストエクストラ0.5重量%、バクトペプトン0.5重量%、リン酸水素二ナトリウム0.27重量%、クエン酸0.115重量%、硫酸マグネシウム七水和物0.1重量%とし、塩酸によりpH5.0に調整した水溶液(SH培地)を用いた。
このようにして産出させたバクテリアセルロースを培養液中から取り出し、2重量%のアルカリ水溶液で2時間煮沸し、その後、アルカリ処理液からバクテリアセルロースを取り出し、十分水洗し、アルカリ処理液を除去し、バクテリアセルロース中のバクテリアを溶解除去した。次いで、得られた含水バクテリアセルロース(含水率95〜99重量%のバクテリアセルロース)を、120℃、2MPaで3分ホットプレスし、厚さ約50μmの、BCシート(含水率0重量%)を得た。このBCシートの物性等は下記表1に示す通りであった。なお、透気度については、厚さ40μmのBCシートを上記と同様にして製造して測定した値である。
Figure 0004428521
また、透気度の測定に用いたバクテリアセルロースの走査型電子顕微鏡写真(SEM写真)を撮影し、画像解析を行ったところ、図1に示す如く、縦寸法51μm、横寸法65μmの領域において、平均繊維径50nmのバクテリアセルロースによる微細なネットワーク構造が形成された三次元交差バクテリアセルロース構造体であることが確認された。
製造例2:離解BCシートの製造
製造例1において、バクテリアセルロースが産生された後、グラインダー処理できる程度まで家庭料理用ミキサーを用いて小さく離解した。そして、このバクテリアセルロース水懸濁液(1重量%濃度)を、ディスク回転速度:1200rpmで30回繰り返しグラインダー処理した。その後、グラインダー処理した懸濁液をガラスフィルターで濾過し、濾過物をホットプレスを用い、圧締圧力2MPa、温度120℃で完全に水を除去し、嵩密度1.2kg/m、厚さ40μmのBCシートを得た。この離解BCシートについて、透過度を測定したところ、4650sec/100ccであった。
また、この離解バクテリアセルロースの走査型電子顕微鏡写真(SEM写真)を撮影し、画像解析を行ったところ、図2に示す如く、縦寸法51μm、横寸法65μmの領域において、バクテリアセルロースにより形成されたネットワーク構造は粗大であり、繊維径も平均繊維径で2〜3μmと太かった。
製造例3:Nano MFCシートの製造
ミクロフィブリル化セルロース:MFC(高圧ホモジナイザー処理で、針葉樹クラフトパルプ(NBKP)をミクロフィブリル化したもの、平均繊維径1μm)を水に十分に撹拌し、1重量%濃度の水懸濁液を7kg調製し、グラインダー(栗田機械作成所製「KM1−10」)にて、この水懸濁液を、ほぼ接触させた状態の1200rpmで回転するディスク間を、中央から外に向かって通過させる操作を30回(30pass)行った。
グラインダー処理により得られたNano MFC(平均繊維径60nm)を、0.2重量%水懸濁液に調製後、ガラスフィルターで濾過して製膜した。これを55℃で乾燥し、繊維含有率約70%、厚さ43μmのNano MFCシートを得た。
製造例4:MFCシートの製造
製造例3において、MFCのグラインダー処理を行わなかったこと以外は、同様にして、繊維含有率約70%、厚さ50μmのMFCシートを得た。
製造例5〜7
製造例1で得られたBCシートを、表2に示す樹脂に減圧下(0.08MPa)で12時間浸漬処理した後、紫外線硬化タイプの場合には、取り出したシートを8分間紫外線照射して樹脂を硬化させ(照射後、加熱なし。)、また、熱硬化タイプの場合には、取り出したシートを数時間風乾後、150℃、50MPaで10分間加熱プレスして硬化させることにより、それぞれ樹脂複合BCシートを得た。
曲げ強度、曲げ弾性率の測定の際、厚さ1mmの樹脂複合BCシートを用いた。このときの測定試料は、樹脂硬化前に樹脂複合BCシートを必要枚数積層して上記硬化処理を行った。
得られた樹脂複合BCシートの厚さ及び繊維含有量は表3に示す通りである。なお、繊維含有量は樹脂複合前後の重量変化を測定することにより求めた。
Figure 0004428521
製造例8
製造例3で得られたNano MFCシートを、製造例7と同様にしてアクリル樹脂Bに含浸させて紫外線照射により硬化させることによりアクリル樹脂複合Nano MFCシートを得た。
得られた樹脂複合Nano MFCシートの厚さ及び繊維含有量は表3に示す通りである。
製造例9
製造例2で得られた離解BCシートを、製造例7と同様にアクリル樹脂Bに含浸させて紫外線照射により硬化させることにより、アクリル樹脂含浸離解BCシートを得た。
得られた樹脂含浸離解BCシートの厚さ及び繊維含有量は表3に示す通りである。
製造例10
製造例4で得られたMFCシートを、製造例7と同様にアクリル樹脂Bに含浸させて紫外線照射により硬化させることにより、アクリル樹脂含浸MFCシートを得た。
得られた樹脂含浸MFCシートの厚さ及び繊維含有量は表3に示す通りである。
実験例1
下記表3に示すシートをサンプルとして光線透過率を測定し、結果を図3〜5に示すと共に、50μm厚可視光透過率を算出し、結果を表3に示した。
なお、表3には、各樹脂複合シートの比重、線熱膨張係数、曲げ強度、曲げ弾性率の測定結果を併記した。
Figure 0004428521
図3に同一のアクリル樹脂を用いた各種の樹脂複合シートの光線透過率を示す。図3より、BCシート及びNano MFCシートを用いた樹脂複合シートは、MFCシートを用いた樹脂複合シートよりも光線透過率が高く、特にBCシートを用いることにより高い透明性が得られることが分かる。
図4に樹脂含浸前シートの光線透過率を示す。図4より、BCシート、MFCシート、Nano MFCシート共に、樹脂含浸する前は同じように不透明なシートであることが分かる。特に、MFCをグラインダー処理によってナノファイバー化しても樹脂複合前は、共に不透明シートである。しかし、それらに樹脂を含浸すると、ナノファイバーで構成されたシート(BCシート、Nano MFCシート)だけが50μm厚可視光透過率60%以上という透明性を発現する。
図5にBCシートにアクリル樹脂又はフェノール樹脂を複合させた樹脂複合BCシートの光線透過率とアクリル樹脂のみのシートの光線透過率を示す。図5より、BCシートを複合化させても光線透過率の低下は少なく、透明性に優れた樹脂複合BCシートが得られることが分かる。
また、表3より次のことが明らかである。
本発明に係る樹脂複合シートの比重は、1.2〜1.4と一般に使用されている、グラスファイバー強化ポリカーボネートやグラスファイバー強化不飽和ポリエステルの比重1.6〜1.7に対して、軽量化を図ることが可能となる。
本発明に係る樹脂複合シートの線熱膨張係数は6×10-6-1で、アクリル樹脂自体の線熱膨張係数は1.2×10-4-1程度であり、繊維強化複合材料とすることで、線熱膨張係数を、マトリクス材料と繊維との加成性から予想される領域をはるかに下回る1/20へ低下させることができた。これにより、透明導電膜との熱膨張差の問題は軽減される。
なお、樹脂含浸前BCシートの線熱膨張係数は、2×10-6〜5×10-6-1であり、BCシートは、線熱膨張係数がより小さいことがわかった。
また、本発明に係る樹脂複合シートは、可視光の波長の殆どの領域(400〜700nm)の範囲において、光線透過率60%以上であり、透明である。これに対して、MFCシートや離解BCシートに樹脂を含浸したものでは、良好な透明性は得られない。
また、本発明に係る樹脂複合シートは曲げ強度、曲げ弾性率にも優れる。
上記で得られたアクリル樹脂複合BCシートについて、熱伝導率を測定し、ベースのアクリル樹脂シート材の熱伝導率と比較した。熱伝導率測定方法は光交流法とし、面内の熱伝導率を測定した。その結果、
(1)ベースのアクリル樹脂シート材のみ:0.3W/mK(面内)
(2)アクリル樹脂複合BCシート:1W/mK(面内)
であった。
熱伝導率1W/mKという値は石英ガラスと同等で、通常の透明樹脂材の3倍以上である。例えば、汎用ポリイミドフィルムの面内熱伝導率は同様の測定法による実測値で0.6W/mK(面厚方向は0.2W/mK)なので、フレキシブルな樹脂複合シートとして考えると、本発明に係る樹脂複合BCシートは熱伝導率が極めて高いことが分かる。
製造例11
製造例1と同様にして、厚さ約50μmのBCシートを得、このBCシートを無水酢酸へ投入し、120℃、21時間加熱した後、直ちに水中へ投入し、反応を停止させた。次いで、2日間流水洗浄し、その後、温水中70℃で1時間放置した。これを濾紙に挟み、軽くおもりをのせ、乾燥した濾紙を交換し、50℃で減圧乾燥した。このBCシートは、赤外分光法(IRスペクトル法)により、アセチル基がセルロースの水酸基に導入されたアセチル化BCシートであることが確認された。
このアセチル化BCシートを用い、製造例6と同様にしてアクリル樹脂Aを含浸させ、同様に紫外線照射により硬化させて、繊維含有量70重量%のアクリル樹脂複合アセチル化BCシートを得た。
製造例6で得られたアクリル樹脂複合BCシートとこのアクリル樹脂複合アセチル化BCシートについて、光線透過率を測定し、結果を図6に示した。
図6より明らかなように、アセチル化処理の光線透過率に及ぼす影響は、波長350nm付近でわずかに見られたが、可視光領域では全く影響がなかった。なお、このアクリル樹脂複合アセチル化BCシートの50μm厚可視光透過率は80%であった。
次に、製造例6で得られたアクリル樹脂複合BCシートとこのアクリル樹脂複合アセチル化BCシートについて、100℃の水で1時間煮沸し、煮沸前後での重量、及びシート厚さの変化を測定し、結果を表4に示した。
Figure 0004428521
表4より明らかなように、1時間煮沸によるシート重量増加率は、アセチル化していないアクリル樹脂複合BCシートでは28%増加、アクリル樹脂複合アセチル化BCシートでは11%増加であった。また、厚さ変化率は、それぞれ18%増加と7%増加であった。このように、アセチル化によって吸水性を約1/3低下させることができることが分かる。
次に、製造例6で得られたアクリル樹脂複合BCシートとこのアクリル樹脂複合アセチル化BCシートと製造例1の樹脂含浸前のBCシートについて、TA Instruments製熱重量分析機「TGA2050」を用い、窒素雰囲気下で、100℃、30分保持後、昇温速度10℃/分で100℃から500℃まで加熱したときの重量減少率を測定し、結果を図7に示した。
図7より明らかなように、アクリル樹脂複合アセチル化BCシートの顕著な重量減少は、アクリル樹脂複合BCシートのそれよりも約30℃高温側から生じ、アセチル化によって耐熱性も向上することが明らかとなった。
実施例1〜3
製造例5,6,11と同様にして得られた樹脂複合BCシート(厚さ60μm)の一方の面に、DCマグネトロンスパッタ法により、下記条件で膜厚110nmのIZO透明導電膜を形成して本発明の透明積層体を得た。この透明積層体について、比抵抗を測定したところ、表5に示す通りであった。
〈成膜条件〉
ターゲット材質:InO−ZnO(組成比(重量%)約90:10)
反応ガス:Ar/O
反応圧力:0.3Pa
スパッタリング出力:1.2W/cm
基板温度:23℃
また、この透明積層体について、各々光線透過率を測定したところ、厚さ方向に波長400〜700nmの光を照射した時の全波長域における光線透過率の平均値は表5に示す通りであった。
また、下記(1)の条件で試料に温度変化を負荷した後の比抵抗の変化及び変形の有無(a.加熱時、冷却時の歪の有無と、b.10cm角試料において平坦面上での変形による厚さの程度)を調べ、結果を表5に示した。
また、下記(2)の条件で試料に引張応力を負荷した後の比抵抗の変化を調べ、結果を表5に示した。
(1) 20℃〜150℃〜20℃の加熱・冷却試験を約50℃/minで5回繰り返した。
(2) 50μm厚×100mm長×25mm幅のテープ形状試料に500gまでの引張応力を負荷し、その後、弛緩、負荷を5回繰り返した。
比較例1
厚さ0.7mmのガラス基材に実施例1と同様にしてIZO透明導電膜を形成したもの(比抵抗4.2×10Ω・cm)について、厚さ方向に波長400〜700nmの光を照射した時の全波長域における光線透過率の平均値を調べ、結果を表5に示した。
比較例2
厚さ100μmのポリカーボネート押出成形フィルムに実施例1と同様にしてIZO透明導電膜を形成したものについて、比抵抗と、温度変化負荷後の比抵抗の変化及び変形の有無と、引張応力負荷後の比抵抗の変化を調べ、結果を表5に示した。
Figure 0004428521
以上の結果より、本発明の透明積層体は、透明性に優れ、ガラス基板などに比べて軽量でフレキシビリティを有し、耐衝撃性に優れ、しかも、温度変化や応力負荷による変形や導電性の低下の問題もなく、透明性及び導電性と共に耐侯性や機械的応力に対する耐久性が要求される用途に有用であることが明らかである。
製造例1で得られたバクテリアセルロースの走査型電子顕微鏡写真(SEM写真)である。 製造例2で得られた離解バクテリアセルロースの走査型電子顕微鏡写真(SEM写真)である。 各種アクリル樹脂複合シートの光線透過率を示すグラフである。 各種樹脂含浸前シートの光線透過率を示すグラフである。 アクリル樹脂シートと樹脂複合BCシートの光線透過率を示すグラフである。 アクリル樹脂複合BCシートとアクリル樹脂複合アセチル化BCシートの光線透過率を示すグラフである。 アクリル樹脂複合BCシート、アクリル樹脂複合アセチル化BCシート及びBCシートの耐熱性試験結果(重量減少率)を示すグラフである。

Claims (17)

  1. 平均繊維径が4〜60nmの繊維とマトリクス材料とを含有し、50μm厚換算における波長400〜700nmの光線透過率が60%以上である繊維強化複合材料であって、該繊維強化複合材料中の該繊維の含有率が10重量%以上である繊維強化複合材料よりなる基材と、該基材の表面に形成された透明導電膜とを有することを特徴とする透明積層体。
  2. 請求項1において、該繊維がセルロース繊維であることを特徴とする透明積層体。
  3. 請求項2において、該セルロース繊維が化学修飾及び/又は物理修飾されていることを特徴とする透明積層体。
  4. 請求項3において、該セルロース繊維がアセチル化されていることを特徴とする透明積層体。
  5. 請求項2ないし4のいずれか1項において、該セルロース繊維がバクテリアセルロースであることを特徴とする透明積層体。
  6. 請求項5において、該バクテリアセルロースが離解処理されていないものであることを特徴とする透明積層体。
  7. 請求項6において、該バクテリアセルロースが三次元交差構造体となっていることを特徴とする透明積層体。
  8. 請求項5ないし7のいずれか1項において、該バクテリアセルロースが、バクテリアと該バクテリアから産生され該バクテリアに連なっているセルロースとを含む産生物をアルカリ処理してバクテリアを溶解除去したものであることを特徴とする透明積層体。
  9. 請求項2ないし4のいずれか1項において、該セルロース繊維が植物繊維から分離されたものであることを特徴とする透明積層体。
  10. 請求項9において、該セルロース繊維がミクロフィブリル化セルロース繊維を更に磨砕処理してなることを特徴とする透明積層体。
  11. 請求項1ないし10のいずれか1項において、該透明導電膜が、錫ドープ酸化インジウム、アルミニウムドープ酸化亜鉛、及びインジウムドープ酸化亜鉛よりなる群から選ばれる複合金属酸化物薄膜であることを特徴とする透明積層体。
  12. 請求項1ないし11のいずれか1項において、該透明導電膜の膜厚が0.01〜10μmであることを特徴とする透明積層体。
  13. 請求項1ないし12のいずれか1項において、該基材の線熱膨張係数が0.05×10−5〜5×10−5−1であることであることを特徴とする透明積層体。
  14. 請求項1ないし13のいずれか1項において、該基材の曲げ強度が30MPa以上であることを特徴とする透明積層体。
  15. 請求項1ないし14のいずれか1項において、該基材の比重が1.0〜2.5であることを特徴とする透明積層体。
  16. 請求項1ないし15のいずれか1項において、該マトリクス材料が、樹脂材料であることを特徴とする透明積層体。
  17. 請求項16において、該マトリクス材料が結晶化度10%以下で、ガラス転移温度が110℃以上の合成樹脂であることを特徴とする透明積層体。
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