JP7155567B2 - 成形体 - Google Patents
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Description
ここで、「繊維状」とは、アスペクト比(長さ/直径)が、10超であることを意味する。なお、繊維状物質のアスペクト比は、透過型電子顕微鏡を用いて無作為に選択した繊維状物質100本の直径および長さを測定し、直径と長さとの比(長さ/直径)の平均値を算出することにより求めることができる。
本発明の成形体は、エラストマー及び繊維状物質を含む組成物を所望の形状に成形して得ることができる。本発明の成形体は、エラストマーを100質量部、及び繊維状物質を0.01質量部以上30質量部以下含む組成物の成形体であって、成形体の少なくとも一つの表面の法線方向からX線を照射して小角X線散乱測定して得た散乱強度分布に基づく配向度パラメータI0/I90が2以下であることを特徴とする。かかる成形体は、形状精度に優れる。これは、配向度パラメータI0/I90の値が2以下の値であるような成形体は、繊維状物質の配向異方性に起因する収縮率差が小さいことに起因すると推察される。概して、配向配置された繊維状物質を含む成形体(即ち、繊維状物質の配向異方性を有する成形体)では、繊維状物質が配向している方向(配向方向)では成形体が収縮しにくく、配向方向に対して交差する方向では配向方向と比較して成形体が収縮し易い傾向がある。成形体の配向度パラメータI0/I90の値が2以下である場合には、繊維状物質の配向異方性が充分に低く、配向方向とそれ以外の方向における成形体の収縮率の差が充分に小さくなるため、成形体の形状精度を高めることができる。また、成形体の少なくとも一つの表面の方向において収縮率差が小さければ、成形体の強度のムラが小さくなり、さらに、疲労特性が高まりうる。
また、上記測定を行う成形体の「少なくとも一つの表面」は、例えば、成形体がシート状成形体の場合には、少なくとも一つの主面でありうる。なお、主面とは、成形体における主要な表面及び裏面の双方を意味し、かかる表面及び裏面はシート厚み分の距離を隔てて対向してなる。また、成形体がその他の形状である場合には、上記測定を行う成形体の「少なくとも一つの表面」は、成形体の成形表面であり得る。「成形表面」とは、任意の形状に成形するための成形工程において、金型等の成形具に接していた表面を意味する。成形体が成形後に切断されてなる形状である場合には、切断面は「成形表面」に該当しない。成形体の表面が「成形表面」に相当するか否かは、表面を、顕微鏡等を用いて拡大観察することにより判定することができる。
エラストマーとしては、特に限定されることなく、成形体の形成に用いられる既知のエラストマーを用いることができる。具体的には、エラストマーとしては、例えば、天然ゴム;アクリルゴム;ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、及びイソプレンゴム等の共役ジエン系ゴム;ニトリルゴム(NBR、アクリロニトリルブタジエンゴム);水素化ニトリルゴム(H-NBR、水素化アクリロニトリルブタジエンゴム);フッ化ビニリデン系ゴム(FKM)及びテトラフルオロエチレン-プロピレン系ゴム(FEPM)等のフッ素ゴム;クロロプレンゴム;エチレンプロピレンゴム;ハロゲン化ブチルゴム;ポリイソブチレンゴム;シリコーンゴム;並びにエチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDM)などを用いることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。中でも、エラストマーとしては、フッ素ゴム、シリコーンゴム、ニトリルゴム(NBR)、水素化ニトリルゴム(H-NBR)、アクリルゴム、及び共役ジエン系ゴムが好ましく、ニトリルゴム(NBR)、水素化ニトリルゴム(H-NBR)、及びフッ素ゴムがより好ましい。得られる成形体の用途に応じて所望の属性を付与することができるからである。
繊維状物質は成形体中において、成形体の強度及び形状保持性能等を高めるように機能する所謂補強材(フィラー)としての機能を担うものである。繊維状物質としては、セルロースナノファイバー、カーボンナノチューブ、気相成長炭素繊維、有機繊維を炭化して得られる炭素繊維、及びそれらの切断物などを用いることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、繊維状炭素ナノ構造体中のCNTとしては、特に限定されることなく、単層カーボンナノチューブおよび/または多層カーボンナノチューブを用いることができるが、CNTは、単層から5層までのカーボンナノチューブであることが好ましく、単層カーボンナノチューブであることがより好ましい。単層カーボンナノチューブを使用すれば、多層カーボンナノチューブを使用した場合と比較し、成形体の機械強度等の物性を更に向上させることができるからである。
(1)全表面への窒素分子の単分子吸着層形成過程
(2)多分子吸着層形成とそれに伴う細孔内での毛管凝縮充填過程
(3)細孔が窒素によって満たされた見かけ上の非多孔性表面への多分子吸着層形成過程
ここで、「屈曲点の位置」とは、t-プロットにおける、前述した(1)の過程の近似直線Aと、前述した(3)の過程の近似直線Bとの交点である。
なお、「繊維状炭素ナノ構造体の平均直径(Av)」および「繊維状炭素ナノ構造体の直径の標準偏差(σ:標本標準偏差)」は、それぞれ、透過型電子顕微鏡を用いて無作為に選択した繊維状炭素ナノ構造体100本の直径(外径)を測定して求めることができる。そして、繊維状炭素ナノ構造体の平均直径(Av)および標準偏差(σ)は、繊維状炭素ナノ構造体の製造方法や製造条件を変更することにより調整してもよいし、異なる製法で得られた繊維状炭素ナノ構造体を複数種類組み合わせることにより調整してもよい。
繊維状物質の含有量は、エラストマー100質量部に対して、0.01質量部以上30質量部以下であることが好ましい。繊維状物質の含有量は、所望の機械的強度及び成形体の用途等に応じて適宜調節することができる。より好ましくは、繊維状物質の含有量は、エラストマー100質量部に対して1質量部以上であり得る。繊維状物質の含有量が上記下限値以上であれば、繊維状物質の低配向異方性に起因する成形体の形状精度向上効果を一層良好に発揮することができる。
なお、本発明の成形体を形成するために用いることができる組成物は、任意で、繊維状物質以外のフィラー、架橋剤、架橋助剤、酸化防止剤等の既知の添加剤を更に含有していても良い。
フィラーとしては、特に限定されることなく、シリカ粒子等の粒子状無機材料及びカーボンブラック等の粒子状炭素材料を用いることができる。
また、架橋剤としては、特に限定されることなく、上述したようなエラストマーを架橋可能な既知の架橋剤を用いることができる。より具体的には、架橋剤としては、例えば、硫黄及びその誘導体を用いることができる。
また、架橋助剤としては、特に限定されることなく、例えば亜鉛華及びステアリン酸などを用いることができる。
これらの添加剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、添加剤の配合量は、所望の効果の発現が阻害されない限り、任意の量とすることができる。
なお、組成物は、例えば、上述したエラストマーと、繊維状物質と、任意成分である添加剤とを、所望の配合比で混合または混練することにより調製することができる。
さらに、上記のようにして得られた混練物(組成物)を所望形状に成形し、架橋物とすることが好ましい。成形体を架橋物とすることで、得られる成形体に耐久性等の所望の属性を付与することができる。成形及び架橋の際の条件は、目的とする成形体の形状及び用いた添加剤の種類及び配合量等に応じて適宜決定することができる。例えば、成形及び架橋時の温度は140℃~250℃、圧力は1MPa~20MPa、時間は1分間~180分間とすることができる。
実施例および比較例において、成形体中の繊維状物質の配向度パラメータ、成形体の収縮率は、それぞれ以下の方法を使用して測定または評価した。
実施例、比較例において作製したシート状の成形体の架橋物(加硫物)について、シートの列理方向を上下、反列理方向を左右とし、X線源方向とシート面とのなす角が垂直となるように成形体試料をセットし、下記条件で小角X線散乱(SAXS)測定を行った。
<<小角X線散乱測定条件>>
装置:Nano Viewer(リガク社製)
X線源:CuKα1、45kV、60mA
成形体試料から検出器までの距離:700mm
q範囲:0.064nm-1~4nm-1
検出器:イメージングプレート(IP)上に散乱X線を照射し、IPリーダーDS3Cを用いて電子データに変換した。
<<小角X線散乱測定により得られたデータのデータ処理>>
上記に従って小角X線散乱測定して得た散乱像から、散乱ベクトル(q)の大きさが0.4nm-1付近(q=0.3~0.5nm-1の範囲)における全方位角方向(0°~360°)の散乱強度分布を求めた。その分布において最大強度となる方位角を0°と定義した。そして、同じ散乱像上で、上記方位角0°に対する方位角90°の方向を定めた。
次いで、上記のようにして定めた0°及び90°の方向のそれぞれについて、各方向(0°,90°)を中心として方位角20°の範囲を積分範囲(IT0,IT90)とした。換言すれば、積分範囲(IT0)は、方位角350°~10°の範囲であり、積分範囲(IT90)は、方位角80°~100°の範囲である。そして、各積分範囲について、散乱ベクトル(q)に対する散乱強度(I)のプロット(即ち、散乱曲線)をそれぞれ作成した。
上記に従って得られた各散乱曲線から、散乱ベクトル(q)の大きさが0.4nm-1の場合の散乱強度(I0,I90)をそれぞれ得て、配向度パラメータI0/I90の値を算出した。
なお、上記のデータ処理には汎用2次元データ処理ソフトウェア2DP(リガク社製)を用いた。
実施例、比較例にて得られたシート状の架橋物である成形体(150mm×150mm×2mm)を23℃で24時間静置した後に、収縮率測定用試料として用いた。収縮率の測定にあたり、上記成形体の製造時の混練工程にて、ロールからシートを取り出した際のゴム混練物(組成物)の圧延方向を「列理方向」とし、圧延方向に対して垂直な方向を「反列理方向」とした。
試料の列理方向の長さ(L1:mm)及び反列理方向の長さ(L2:mm)を測定し、以下の式からそれぞれの収縮率及び収縮率の差を算出した。
列理方向の収縮率S1(%)=(150-L1)/150×100
反列理方向の収縮率S2(%)=(150-L2)/150×100
収縮率の差(%)=S1-S2
なお、上記に従って算出し得るシート状の成形体の列理方向及び反列理方向の収縮率の差は、下記の実施例及び比較例に従って得られたシート状の成形体の主面方向内で想定されうる最も大きな収縮率差に相当する。そして、かかる収縮率差が小さい成形体は、形状精度に優れ、精密成型が可能である。
<単層カーボンナノチューブを含む繊維状炭素ナノ構造体の調製>
国際公開第2006/011655号の記載に従い、スーパーグロース法により繊維状炭素ナノ構造体としてのカーボンナノチューブ(SGCNT)を調製した。なお、SGCNTの調製時には、基材表面への触媒層の形成をウェットプロセスにより行い、アセチレンを主成分とする原料ガスを用いた。
得られたSGCNTは、主として単層CNTからなり、ラマン分光光度計での測定において、単層CNTに特長的な100~300cm-1の低波数領域にラジアルブリージングモード(RBM)のスペクトルが観察された。また、BET比表面積計(日本ベル社製、BELSORP(登録商標)-max)を用いて測定したSGCNTのBET比表面積は1050m2/g(未開口)であった。更に、透過型電子顕微鏡を用いて無作為に選択した100本のSGCNTの直径および長さを測定し、SGCNTの平均直径(Av)、直径の標準偏差(σ)および平均長さを求めたところ、平均直径(Av)は3.3nmであり、標準偏差(σ)に3を乗じた値(3σ)は1.9nmであり、それらの比(3σ/Av)は0.58であり、平均長さは500μmであった。更に、日本ベル社製の「BELSORP(登録商標)-mini」を用いてSGCNTのt-プロットを測定したところ、t-プロットは、上に凸な形状で屈曲していた。そして、S2/S1は0.09であり、屈曲点の位置tは0.6nmであった。
[混合物(マスターバッチ)の調製]
有機溶媒としてのメチルエチルケトン1900gにエラストマーとしてのアクリロニトリルブタジエンゴム(日本ゼオン社製、Nipol1024)100g(部)を加え、24時間撹拌してアクリロニトリルブタジエンゴムを溶解させた。
次に、得られたアクリロニトリルブタジエンゴム溶液に対し、SGCNTを8g加え、撹拌機(PRIMIX社製、ラボ・リューション(登録商標))を用いて15分間撹拌した。更に、湿式ジェットミル(吉田機械興業社製、L-ES007)を用いて、SGCNTを加えた溶液を90MPaで分散処理した(スラリー調製工程)。その後、得られた分散処理液(スラリー)を4000gのイソプロピルアルコールへ滴下し、凝固させて黒色固体を得た。そして、得られた黒色固体を60℃で12時間減圧乾燥し、アクリロニトリルブタジエンゴムとSGCNTとの混合物(マスターバッチ)を得た。
その後、50℃のオープンロールを用いて、上記で得られた混合物(マスターバッチ;アクリロニトリルブタジエンゴム100g及びSGCNT8gを含有)108gと、架橋助剤としての亜鉛華(亜鉛華1号)5g、ステアリン酸(日油社製、商品名「ビーズステアリン酸つばき」)1g、架橋剤である325メッシュ硫黄1.5g、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD:大内新興化学工業社製、商品名「ノクセラーTT」、架橋促進剤)0.5g、及びジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィド(MBTS:大内新興化学工業社製、商品名「ノクセラーDM」、架橋促進剤)0.5gを混練し、ロール間隔を2mmに調整した後、ゴム混練物をロールに巻き付け、左右切り返しを各3回実施後、シート出しを行うことでゴム混練物(組成物)を得た。
得られた組成物を金型に投入し、温度160℃、圧力10MPaで10分間架橋させてシート状の架橋物である成形体(長さ:150mm、幅:150mm、厚さ:2mm)を得た。
そして、得られた成形体について、上記に従って配向度パラメータ及び収縮率を算出した。結果を表1に示す。
<ゴム混練物(組成物)の調製>
ゴム混練物(組成物)を調製する際に、繊維状炭素ナノ構造体として多層カーボンナノチューブ(クムホ社製、商品名「K-nanos 100P」)30gを用いた。
[混合物(マスターバッチ)の調製]
20℃、ロール間隔を0.5mmに調整したオープンロールを用いて、アクリロニトリルゴム(日本ゼオン社製、Nipol1024)100gと多層カーボンナノチューブ(クムホ社製、商品名「K-nanos 100P」)30gとを混練して、混合物(マスターバッチ)を得た。
[混練]
その後、50℃のオープンロールを用いて、上記で得られた混合物(マスターバッチ;アクリロニトリルブタジエンゴム100g及び多層カーボンナノチューブ30gを含有)との混合物(マスターバッチ)130gと、架橋助剤としての亜鉛華(亜鉛華1号)5g、ステアリン酸(日油社製、商品名「ビーズステアリン酸つばき」)1g、架橋剤である325メッシュ硫黄1.5g、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD:大内新興化学工業社製、商品名「ノクセラーTT」、架橋促進剤)0.5g、及びジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィド(MBTS:大内新興化学工業社製、商品名「ノクセラーDM」、架橋促進剤)0.5gとを混練し、ロール間隔を2mmに調整した後、ゴム混練物をロールに巻き付け、左右切り返しを各3回実施後、シート出しを行うことでゴム混練物(組成物)を得た。
得られたエラストマー組成物を金型に投入し、温度160℃、圧力10MPaで10分間架橋させてシート状の架橋物である成形体(長さ:150mm、幅:150mm、厚さ:2mm)を得た。
そして、得られた成形体について、上記に従って配向度パラメータ及び収縮率を算出した。結果を表1に示す。
エラストマーとして水素化アクリロニトリルブタジエンゴム(日本ゼオン社製、Zetpol2020)を用い、SGCNTを10g加えた以外は実施例1と同様にして混練物を調製し、シート状の架橋物である成形体を作製した。そして、上記に従って配向度パラメータ及び収縮率を算出した。結果を表1に示す。
エラストマーとして水素化アクリロニトリルブタジエンゴム(日本ゼオン社製、Zetpol2020)を用い、多層カーボンナノチューブを30g加えた以外は実施例2と同様にして混練物を調製し、シート状の架橋物を作製した。そして、上記に従って配向度パラメータ及び収縮率を算出した。結果を表1に示す。
エラストマーとしてフッ化ビニリデン系ゴム(FKM、ケマーズ社製、Viton GBL600S)を用い、SGCNTを4g加えた以外は実施例1と同様にして混練物を調製し、シート状の架橋物を作製した。そして、上記に従って配向度パラメータ及び収縮率を算出した。結果を表1に示す。
エラストマーとしてフッ化ビニリデン系ゴム(FKM、ケマーズ社製、Viton GBL600S)を用い、多層カーボンナノチューブを15g加えた以外は実施例2と同様にして混練物を調製し、シート状の架橋物を作製した。そして、上記に従って配向度パラメータ及び収縮率を算出した。結果を表1に示す。
エラストマーとしてテトラフルオロエチレン-プロピレン系ゴム(FEPM、旭硝子社製、Aflas100S)を用い、SGCNTを4g加えた以外は実施例1と同様にして混練物を調製し、シート状の架橋物を作製した。そして、上記に従って配向度パラメータ及び収縮率を算出した。結果を表1に示す。
混合物(マスターバッチ)の調製にあたり、撹拌機(PRIMIX社製、ラボ・リューション(登録商標))および湿式ジェットミル(吉田機械興業社製、L-ES007)を用いた分散処理を行わず、インライン式乳化分散機(ユーロテック社製、CD1000)を用い45分間分散処理を行った以外は、実施例7と同様にして混練物を調製し、シート状の架橋物を作製した。そして、上記に従って配向度パラメータ及び収縮率を算出した。結果を表1に示す。
ゴム混練物(組成物)の作製にあたり、ロール間隔を0.67mmに調整した後、ゴム混練物をロールに2分間巻き付け、即シート出しを行うことでゴム混練物を得た以外は、実施例3と同様にして、シート状の架橋物を作製した。そして、上記に従って配向度パラメータ及び収縮率を算出した。結果を表1に示す。
「NBR」は、アクリロニトリルブタジエンゴム(ニトリルゴム)を、
「HNBR」は、水素化アクリロニトリルブタジエンゴム(水素化ニトリルゴム)を、
「FKM」は、フッ化ビニリデン系ゴムを
「FEPM」は、テトラフルオロエチレン-プロピレン系ゴムを
「SWCNT」は、単層カーボンナノチューブを、
「MWCNT」は、多層カーボンナノチューブを、
それぞれ示す。
また、配向度パラメータI0/I90が2.0超であり繊維状物質の配向異方性を有する比較例1の成形体では、列理方向では全く収縮が生じなかったが、反列理方向にて収縮が生じたため、収縮率の差が大きく、形状精度に劣っていたことが分かる。従って、かかる成形体は、表面方向において強度のムラが大きく、且つ、疲労特性に劣ると考えられる。
PImax 散乱強度(I)が最大となる位置
IT0,IT90 積分区間
Claims (4)
- エラストマーを100質量部、及び繊維状物質を0.01質量部以上30質量部以下含む組成物の成形体の製造方法であって、
前記エラストマー及び前記繊維状物質を含む混合物を、ロールを用いて左右切り返しを各3回以上行う混合工程と、
前記混合工程で得た組成物を成形して成形体を得る成形工程と、を含み、
前記成形体の少なくとも一つの表面の法線方向からX線を照射して小角X線散乱測定して得た散乱像において、散乱ベクトル(q)の大きさが0.3nm-1以上0.5nm-1以下の範囲内にて、散乱強度(I)の値が最大となる位置(PImax)を決定し、前記散乱像の散乱中心から前記位置(PImax)に向かう方向を方位角0°として、方位角0°における散乱ベクトル(q)の大きさ0.4nm-1に対応する散乱強度I0、方位角90°における散乱ベクトル(q)の大きさ0.4nm-1に対応する散乱強度I90、をそれぞれ求めた場合に、I0及びI90が、I0/I90≦2.0を満たし、
前記繊維状物質が、カーボンナノチューブを含む、
成形体の製造方法。 - 前記カーボンナノチューブが、単層カーボンナノチューブを含む、請求項1に記載の成形体の製造方法。
- 前記エラストマーが、フッ素ゴム、シリコーンゴム、ニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、アクリルゴム、及び共役ジエン系ゴムより選択される少なくとも一種を含む、請求項1又は2に記載の成形体の製造方法。
- 前記エラストマーを架橋させる架橋工程をさらに含む、請求項1~3の何れかに記載の成形体の製造方法。
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