JP2007145677A - 芳香族ポリアミドにより被覆された窒化ホウ素ナノチューブ - Google Patents

芳香族ポリアミドにより被覆された窒化ホウ素ナノチューブ Download PDF

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Abstract

【課題】樹脂や溶媒への分散性に優れた窒化ホウ素ナノチューブを提供する。
【解決手段】窒化ホウ素ナノチューブ100重量部に対して芳香族ポリアミド0.01〜100重量部により被覆された窒化ホウ素ナノチューブ、その製造方法、それを含む組成物、およびその成形体。
【選択図】図1

Description

本発明は芳香族ポリアミドにより被覆された窒化ホウ素ナノチューブ、その製造方法、それを含む組成物、およびその成形体に関するものである。
近年、カーボンナノチューブは、従来にない機械的物性、電気的特性、熱的特性等を有するためナノテクノロジーの有力な素材として注目を浴び、広範な分野で応用の可能性が検討され、一部実用化が開始されている。
ポリマーコンポジットにおいては、フィラーとしてカーボンナノチューブをポリマーに添加することで、ポリマーの機械的物性、導電性、耐熱性等を改質する試みも行われている。
ポリマーの機械的物性を改質する試みとしてポリパラフェニレンベンゾオキサゾールと単層カーボンナノチューブとの繊維組成物による力学特性改善の報告例(非特許文献1)やポリアクリロニトリルと単層カーボンナノチューブとの繊維組成物に関する報告例(非特許文献2)等が知られている。
また、カーボンナノチューブの溶媒、ポリマー中での分散性もしくはポリマーとの接着性を向上する目的で、カーボンナノチューブの表面修飾に関する検討も行われている。
例えば硝酸、硫酸等によりカーボンナノチューブにカルボン酸基を導入することが報告されている(非特許文献3)。
酸処理によってカーボンナノチューブを切断し、カルボン酸を導入した後、塩化チオニルによりカルボン酸をアシルハライド化し得られたアシルハライド体にアミンを反応させアミド誘導体を得ることが紹介されている(非特許文献4)。
またカーボンナノチューブを全芳香族ポリアミド、全芳香族ポリエステル、芳香族ポリエステルカーボネート、芳香族ポリカーボネート、半芳香族ポリエステル、および全芳香族アゾールからなる群から選択される少なくとも1種により被覆することが記載されている(特許文献1)。
一方、カーボンナノチューブと、構造的な類似性を有する窒化ホウ素ナノチューブも、従来にない特性を有する材料として注目を浴びている(特許文献2参照)。窒素ホウ素ナノチューブは、カーボンナノチューブに匹敵する優れた機械的物性、熱伝導性を有するだけでなく、化学的に安定でカーボンナノチューブよりも優れた耐酸化性を有することが知られている。また、絶縁性であるため、絶縁放熱材料としても期待できる。さらには、カーボンナノチューブと異なり白色であることから着色を嫌う用途にも応用できる。
これまで、窒化ホウ素ナノチューブの分散性を向上させるために、アミン末端ポリエチレングリコールを添加することで、分散性が向上するとの報告がある(非特許文献5)。
しかし、芳香族ポリアミドで被覆された窒化ホウ素ナノチューブさらにはそれを含むポリマーコンポジットについては知られていない。
WO2004/065496号公報 特開2000−109306号公報 Macromolecules 2002, 35, 9039-9043 Advanced Materials 2004, 16, 58 Science 280, 1253 (1998) Scinece,282,95,(1998) Chemical Communication, 3670, 2005
本発明の目的は樹脂や溶媒への分散性に優れた窒化ホウ素ナノチューブ、その製造方法、それを含む組成物、およびその成形体を提供することにある。窒化ホウ素ナノチューブを芳香族ポリアミドにより被覆することにより、樹脂および溶媒に十分に分散させることが可能となり、またポリマーとの接着性を向上させることができる。本発明により、窒化ホウ素ナノチューブの分散性および配向性に優れた組成物が得られる。
本発明は窒化ホウ素ナノチューブ100重量部に対して0.01〜100重量部の芳香族ポリアミドにより被覆された窒化ホウ素ナノチューブ、およびその製造方法、また被覆された窒化ホウ素ナノチューブ0.01〜100重量部と芳香族ポリアミド100重量部とからなる芳香族縮合系高分子組成物、およびそれからの成形体である。
(窒化ホウ素ナノチューブについて)
本発明において、窒化ホウ素ナノチューブとは、窒化ホウ素からなるチューブ状材料であり、理想的な構造としては6角網目の面がチューブ軸に平行に管を形成し、一重管もしくは多重管になっているものである。窒化ホウ素ナノチューブの平均直径は、好ましくは0.4nm〜1μm、より好ましくは0.6〜500nm、さらにより好ましくは0.8〜200nmである。ここでいう平均直径とは、一重管の場合、その平均外径を、多重管の場合はその最外側の管の平均外径を意味する。平均長さは、好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下である。アスペクト比は、好ましくは5以上、さらに好ましくは10以上である。アスペクト比の上限は、平均長さが10μm以下であれば限定されるものではないが、上限は実質25000である。よって、窒化ホウ素ナノチューブは、平均直径が0.4nm〜1μm、アスペクト比が5以上であることが好ましい。
また、窒化ホウ素ナノチューブは、不純物として窒化ホウ素フレーク、触媒金属等を含んでいても差し支えない。
窒化ホウ素ナノチューブは、アーク放電法、レーザー加熱法、化学的気相堆積法を用いて合成できることが知られている。また、ホウ化ニッケルを触媒として使用し、ボラジンを原料として合成する方法も知られている。また、カーボンナノチューブを鋳型として利用して、酸化ホウ素と窒素を反応させて合成する方法もが提案されている。本発明に用いられる窒化ホウ素ナノチューブは、これらの方法により製造されるものに限定されない。
中でも、アンモニアガスを用いて化学気相堆積法により合成した窒化ホウ素ナノチューブが好ましい。
窒化ホウ素ナノチューブの平均直径およびアスペクト比は、電子顕微鏡による観察から求めることが出来る。例えばTEM(透過型電子顕微鏡)測定を行い、その画像から直接窒化ホウ素ナノチューブの直径および長手方向の長さを測定することが可能である。
窒化ホウ素ナノチューブ、および被覆後の窒化ホウ素ナノチューブの平均粒径はN−メチル−2−ピロリドン中、濃度0.001重量%で動的光散乱測定を行うことにより求めることができる。
また組成物中の窒化ホウ素ナノチューブの形態は例えば繊維軸と平行に切断した繊維断面のTEM(透過型電子顕微鏡)測定により把握することが出来る。
また、本発明において窒化ホウ素ナノチューブの表面にアミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボニル基といった官能基を有してもよい。官能基を有していることにより、芳香族ポリアミドが窒化ホウ素ナノチューブ表面に、化学的に結合することもできる。なかでも芳香族ポリアミドを窒化ホウ素ナノチューブの表面にアミド結合を介して結合させることができる。
すなわち本発明の芳香族ポリアミドにより被覆された窒化ホウ素ナノチューブとは、芳香族ポリアミドが窒化ホウ素ナノチューブ表面に、化学的に結合している場合と化学的に結合していない場合とが挙げられる。
本発明の被覆された窒化ホウ素ナノチューブとしては、窒化ホウ素ナノチューブの表面に芳香族ポリアミドが化学的に結合している窒化ホウ素ナノチューブを含むことが好ましい。なかでも窒化ホウ素ナノチューブの表面に芳香族ポリアミドがアミド結合を介して結合している窒化ホウ素ナノチューブを含むことが好ましい。
(窒化ホウ素ナノチューブの前処理)
また、窒化ホウ素ナノチューブを芳香族ポリアミドで被覆する前に、窒化ホウ素ナノチューブにあらかじめ物理処理および/または化学処理を施しておくことも可能である。これらの前処理により金属触媒等の不純物を除去したり、窒化ホウ素ナノチューブの分散性を高めたりすることが可能となる。
化学処理の好ましい例としては具体的にはpH0.01〜2の強酸を用いて洗浄することが挙げられる。pH0.01〜2の強酸を用いて洗浄することで、残存金属触媒や窒化酸化物等を除くことも可能である。使用可能なpH0.01〜2の強酸としては、例えば、硝酸、硫酸、塩酸、リン酸、重クロム酸、およびこれらの混酸等が挙げられる。
物理処理の好ましい例としてはボールミル、ビーズミル、ホモジナイザー、超音波処理、強力なせん断処理等などが挙げられる。
物理処理は溶媒を用いない乾式、有機溶媒、酸等を用いる湿式いずれでも構わない。
(芳香族ポリアミドにより被覆された窒化ホウ素ナノチューブ)
本発明における窒化ホウ素ナノチューブの被覆に使用される芳香族ポリアミドは、下記式(1)
―NH―Ar―NH―OC―Ar―CO― (1)
(Ar、Arは同一または異なり、炭素数6〜20の2価の芳香族基を示す)
で表される繰り返し単位からなる芳香族ポリアミドであることが好ましい。
上記Ar,Arは、各々独立に炭素数6〜20の2価の芳香族基であるが、その具体例としては、メタフェニレン基、パラフェニレン基、オルトフェニレン基、2,6−ナフチレン基、2,7−ナフチレン基、4,4’−イソプロピリデンジフェニレン基、4,4’−ビフェニレン基、4,4’−ジフェニレンスルフィド基、4,4’−ジフェニレンスルホン基、4,4’−ジフェニレンケトン基、4,4’−ジフェニレンエーテル基、3,4’−ジフェニレンエーテル基、メタキシリレン基、パラキシリレン基、オルトキシリレン基等が挙げられる。
これら芳香族基の水素原子のうち1つまたは複数がそれぞれ独立にフッ素、塩素、臭素等のハロゲン基;メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基等の炭素数1〜6のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数5〜10のシクロアルキル基;フェニル基等の炭素数6〜10の芳香族基で置換されていてもよい。なお、上記式(A)及び/又(B)の構成単位が、2種以上の芳香族基からなる共重合体であっても差し支えない。
これらのうち、Arはメタフェニレン基、パラフェニレン基、3,4’−ジフェニレンエーテル基、および4,4’−ジフェニレンエーテル基からなる群から選択される少なくとも1種の基が好ましい。
Arはメタフェニレン基、またはパラフェニレン基が好ましい。
本発明において好適に用いられるものとして具体的には、Arがパラフェニレン基及び/または3,4’−ジフェニレンエーテル基であり、Arがパラフェニレン基である芳香族ポリアミドが挙げられる。なかでもArがパラフェニレン基及び3,4’−ジフェニレンエーテル基であり、Arがパラフェニレン基である共重合体であって、その共重合比(Arのパラフェニレン基と3,4’−ジフェニレンエーテル基のモル比)が1:0.8〜1:1.2の範囲にある芳香族ポリアミドを挙げることが出来る。
(芳香族ポリアミドにより被覆された窒化ホウ素ナノチューブの製造方法)
芳香族ポリアミドにより被覆された窒化ホウ素ナノチューブの製造方法としては、芳香族ポリアミドの重合原料を溶解する溶媒中で、窒化ホウ素ナノチューブの存在下、芳香族ポリアミドを重合した後、被覆された窒化ホウ素ナノチューブを分別することで製造することができる。ここでアンモニアガスを使用した化学的気相堆積法により合成された窒化ホウ素ナノチューブを用いる事が好ましい。
上記方法において、窒化ホウ素ナノチューブ存在下、芳香族ポリアミドを重合するのに使用される溶媒としては、芳香族ポリアミドの重合原料を溶解するものであれば種類が特に限定されるものではない。具体的には、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチルホスホルアミド、N−メチルカプロラクタム、ジメチルスルホキシド、N−アセチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、硫酸、メタンスルホン酸、ポリ燐酸などが挙げられる。なかでも、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルアセトアミド、硫酸が特に好ましい。これらの液体は単独で用いても、2種以上を混合して用いることもできる。また上記溶媒に塩化リチウム、塩化カルシウム等の溶媒に可溶なアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩を併用しても良い。また溶解性を損なわない範囲で水、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等の1価アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等の2価アルコール、グリセリン等の3価アルコール、アセトン等のケトン類、テトラヒドロフラン等の環状エーテル、1,2−ジクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロアルカン、1−メチルナフタレン等を混合して使用することもできる。
芳香族ポリアミドにより被覆された窒化ホウ素ナノチューブを製造する際、芳香族ポリアミドを重合する前に、窒化ホウ素ナノチューブを溶媒中に分散しておくことが好ましい。
分散させる方法としては、特に限定されないが超音波や各種攪拌方法を用いることができる。攪拌方法としては、ホモジナイザーのような高速攪拌やアトライター、ボールミル等の攪拌方法も使用することができる。
芳香族ポリアミドは溶液重合法、界面重合法、溶融重合法など従来公知の方法にて製造する事が出来る。重合度は芳香族ジアミン成分と芳香族ジカルボン酸成分の比率によりコントロールすることが出来、得られるポリマーの分子量としては98重量%濃硫酸に0.5g/100mLの濃度で溶解した溶液を30℃にて測定した固有粘度が0.05〜20dL/gであることが好ましく、0.1〜10dL/gの間に有るものがより好ましい。
窒化ホウ素ナノチューブ存在下、芳香族ポリアミドを重合する際、窒化ホウ素ナノチューブを
0.001≦(n)/(x)≦100 (3)
式中、(x)は芳香族ポリアミドの重量部を示し、(n)は窒化ホウ素ナノチューブの重量部を示す。
を満足する割合で加え反応を行うことが好ましい。
上記重量比(n)/(x)が0.001より小さいと、ポリマー中からの窒化ホウ素ナノチューブ成分の単離が困難であり好ましくない。また、重量比(n)/(x)が100より大きいと、窒化ホウ素ナノチューブのポリマーの被覆が十分でなく好ましくない。本発明者らの研究では、上記式(3)において、0.01≦(n)/(x)≦10の範囲が好ましく、0.01≦(n)/(x)≦1.0の範囲が特に好ましいことが判明している。
重合した後、芳香族ポリアミドで被覆された窒化ホウ素ナノチューブを分別する方法としては、(A)芳香族ポリアミドが重合反応溶液に溶解している場合、(1)重合反応溶液をろ過する、あるいは(2)重合反応溶液から反応物を再沈殿により回収した後、芳香族ポリアミドを溶解する有機溶媒または酸性溶媒、例えば硫酸、N―メチル―2−ピロリドン、1―シクロヘキシル−2―ピロリドン、ジメチルアセトアミド等に溶解し、ろ過する方法が挙げられる。
また(B)芳香族ポリアミドが重合反応溶液から析出している場合、(3)重合反応溶液から反応物をろ過により回収した後、芳香族ポリアミドを溶解する有機溶媒または酸性溶媒、例えば硫酸、N―メチル―2−ピロリドン、1―シクロヘキシル−2―ピロリドン、ジメチルアセトアミド等に溶解し、ろ過する等の方法により分別することができる。
本発明の芳香族ポリアミドで被覆された窒化ホウ素ナノチューブは、芳香族ポリアミドと窒化ホウ素ナノチューブとが、共有結合、静電相互作用および/またはイオン相互作用により相互作用することにより芳香族ポリアミドに被覆されている。例えば、窒化ホウ素ナノチューブ表面にあるアミノ基末端と芳香族ポリアミドのカルボキシル基末端によるアミド結合、窒化ホウ素ナノチューブ表面にあるカルボキシル基末端と芳香族ポリアミドのアミノ基末端によるアミド結合、窒化ホウ素ナノチューブ表面にあるヒドロキシル基末端と芳香族ポリアミドのカルボキシル基末端によるエステル結合や窒化ホウ素ナノチューブのボロン原子と芳香族ポリアミドのアミド基末端とのイオン相互作用が上げられる。
本発明において、芳香族ポリアミドで被覆することにより窒化ホウ素ナノチューブの分散性が飛躍的に向上する。分散性評価の方法としては、特に限定はされないが、例えば、動的光散乱法による平均粒径測定が挙げられる。芳香族ポリアミドで被覆された窒化ホウ素ナノチューブの平均粒径は小さくなり分散性が向上する。
(芳香族ポリアミドと被覆された窒化ホウ素ナノチューブとからなる組成物)
また本発明は芳香族ポリアミド100重量部と、上記に記載の芳香族ポリアミドにより被覆された窒化ホウ素ナノチューブ0.01〜100重量部とからなる芳香族ポリアミド組成物である。芳香族ポリアミド100重量部に対して、被覆された窒化ホウ素ナノチューブが好ましくは0.1〜60重量部、さらに好ましくは1〜30重量部である。被覆された窒化ホウ素ナノチューブが0.01重量部未満だと機械特性の向上の効果が観察されにくく、100重量部より上のものは成形が困難となる。
該芳香族ポリアミドは被覆された窒化ホウ素ナノチューブが樹脂への分散性に優れていることから、強度、弾性率に優れている。
組成物のマトリックスとなる芳香族ポリアミドが下記式(1)
―NH―Ar―NH―OC―Ar―CO― (1)
(Ar、Arは同一または異なり、炭素数6〜20の2価の芳香族基を示す)
で表される繰り返し単位からなる芳香族ポリアミドであることが好ましい。
式(1)中、Ar、Arは同一または異なり、炭素数6〜20の2価の芳香族基を示す。Ar、Arの具体例として、メタフェニレン基、パラフェニレン基、オルトフェニレン基、2,6−ナフチレン基、2,7−ナフチレン基、4,4’−イソプロピリデンジフェニレン基、4,4’−ビフェニレン基、4,4’−ジフェニレンスルフィド基、4,4’−ジフェニレンスルホン基、4,4’−ジフェニレンケトン基、4,4’−ジフェニレンエーテル基、3,4’−ジフェニレンエーテル基、メタキシリレン基、パラキシリレン基、オルトキシリレン基等が挙げられる。
これらの芳香族基の水素原子のうち1つまたは複数がそれぞれ独立にフッ素、塩素、臭素等のハロゲン基;メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基等の炭素数1〜6のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数5〜10のシクロアルキル基;フェニル基等の炭素数6〜10の芳香族基で置換されていてもよい。なお、Arおよび/またはArの芳香族基が、2種以上の芳香族基から構成されていても差し支えない。
これらのうちArとして、メタフェニレン基、パラフェニレン基、3,4’−ジフェニレンエーテル基が好ましい。Arとしてメタフェニレン基、パラフェニレン基が好ましい。
好ましい芳香族ポリアミドとして、以下のものが挙げられる。
(i)Arがパラフェニレン基および3,4’−ジフェニレンエーテル基であり、Arがパラフェニレン基である共重合体であって、その共重合比(Arのパラフェニレン基と3,4’−ジフェニレンエーテル基のモル比)が1:0.8〜1:1.2の範囲にある芳香族ポリアミド。
(ii)ArとArがともにパラフェニレン基である芳香族ポリアミド。
(iii)ArとArがともにメタフェニレン基である芳香族ポリアミド。
式(1)で表される繰り返し単位は、全繰り返し単位の好ましくは90モル%以上、より好ましくは95モル%以上である。
組成物のマトリックスに使用される芳香族ポリアミドは、溶液重合法、界面重合法、溶融重合法など従来公知の方法にて製造することが出来る。重合度は芳香族ジアミン成分と芳香族ジカルボン酸成分の比率によりコントロールすることが出来、得られるポリマーの分子量としては98重量%濃硫酸に0.5g/100mLの濃度で溶かした溶液を30℃にて測定した固有粘度が0.05〜20dL/gであることが好ましく、1.0〜10dL/gの間に有るものがより好ましい。
また組成物のマトリックスに使用される芳香族ポリアミドを重合する際の溶媒として、(i)N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルカプロラクタム等の有機極性アミド系溶媒、(ii)テトラヒドロフラン、ジオキサン等の水溶性エーテル化合物、(iii)メタノール、エタノール、エチレングリコール等の水溶性アルコール系化合物、(iv)アセトン、メチルエチルケトン等の水溶性ケトン系化合物、(v)アセトニトリル、プロピオニトリル等の水溶性ニトリル化合物等があげられる。これらの溶媒は2種以上の混合溶媒として使用することも可能であり、特に制限されることはない。該溶媒は脱水されていることが望ましい。
この場合、溶解性を挙げるために重合前、途中、終了時に一般に公知の無機塩を適当量添加しても差し支えない。このような無機塩として例えば、塩化リチウム、塩化カルシウム等が挙げられる。
また、芳香族ポリアミドを製造する際、これらのジアミン成分と酸クロライド成分は、ジアミン成分対酸クロライド成分のモル比として好ましくは0.90〜1.10、より好ましくは0.95〜1.05で、用いることが好ましい。
この芳香族ポリアミドの末端は封止されることもできる。末端封止剤を用いて封止する場合、その末端封止剤としては、例えばフタル酸クロライド、塩化ベンゾイルおよびその置換体、アミン成分としてはアニリンおよびその置換体が挙げられる。
一般に用いられる酸クロライドとジアミンの反応においては生成する塩化水素のごとき酸を捕捉するために脂肪族や芳香族のアミン、第4級アンモニウム塩を併用できる。
反応の終了後、必要に応じて塩基性の無機化合物、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム等を添加し中和反応する。
反応条件は特別な制限を必要としない。酸クロライドとジアミンとの反応は、一般に急速であり、反応温度は例えば−25℃〜100℃好ましくは−10℃〜80℃である。
このようにして得られる芳香族ポリアミドはアルコール、水といった非溶媒に投入して、沈殿せしめ、パルプ状にして取り出すことができる。これを再度他の溶媒に溶解して成形に供することもできるが、重合反応によって得た溶液をそのまま成形用溶液として用いることができる。
(組成物の製造方法)
本発明における組成物の製造方法として特に限定されないが、例えば、(i)組成物のマトリックスとなる芳香族ポリアミドの溶媒溶液に、固体の芳香族ポリアミドで被覆された窒化ホウ素ナノチューブを添加する、(ii)組成物のマトリックスとなる芳香族ポリアミドの溶媒溶液と芳香族ポリアミドで被覆された窒化ホウ素ナノチューブの溶媒溶液とを混合する、(iii)芳香族ポリアミドで被覆された窒化ホウ素ナノチューブの溶媒溶液に固体の組成物のマトリックスとなる芳香族ポリアミドを添加する、(iv)芳香族ポリアミドで被覆された窒化ホウ素ナノチューブの溶媒溶液中で、組成物のマトリックスとなる芳香族ポリアミドのIn-situ重合を行う等の方法により組成物のマトリックスとなる芳香族ポリアミド、芳香族ポリアミドで被覆された窒化ホウ素ナノチューブおよび溶媒からなる混合溶液を調整した後、溶媒を除去することにより製造することができる。中でも、(ii)組成物のマトリックスとなる芳香族ポリアミドの溶媒溶液と芳香族ポリアミドで被覆された窒化ホウ素ナノチューブの溶媒溶液とを混合して組成物のマトリックスとなる芳香族ポリアミド、芳香族ポリアミドで被覆された窒化ホウ素ナノチューブおよび溶媒からなる混合溶液を調整した後、溶媒を除去する方法が好ましい。
混合溶液を調整する溶媒としては、上記芳香族ポリアミドを溶解する有機溶媒または酸性溶媒を使用することができる。
芳香族ポリアミドで被覆された窒化ホウ素ナノチューブを溶媒に混合する際には、特に限定されないが超音波や各種攪拌方法を用いることができる。攪拌方法としては、ホモジナイザーのような高速攪拌やアトライター、ボールミル等の攪拌方法も使用することができる。なかでも超音波処理装置が好ましい。
(成形体)
上記のように得られた該芳香族ポリアミド組成物から繊維やフィルムなどの成形体を得ることができる。成形体中で窒化ホウ素ナノチューブが成形体の長手方向または面内に配向していることにより機械特性に優れた成形品を得ることができる。
すなわち本発明は芳香族ポリアミド100重量部と、上記に記載の芳香族ポリアミドにより被覆された窒化ホウ素ナノチューブ0.01〜100重量部とからなる組成物からなり、成形体の長手方向にまたは面内窒化ホウ素ナノチューブが配向した成形体である。
窒化ホウ素ナノチューブの成形体中における配向については、電子顕微鏡による観察から確認することが出来る。例えば繊維軸と平行に切断した繊維断面のTEM(透過型電子顕微鏡)測定を行い、その画像から直接組成物中の窒化ホウ素ナノチューブの形態を把握することが出来る。
(成形体の製造)
本発明は、前述の組成物のマトリックスとなる芳香族ポリアミド、芳香族ポリアミドで被覆された窒化ホウ素ナノチューブおよび溶媒からなる混合溶液を成形したのち、溶媒を除去することからなる成形体の製造方法を包含する。例えばフィルムの場合、ガラス、金属といった基板上にキャストして成形したのち、乾式製膜あるいは湿式製膜、乾式製膜と湿式製膜の併用によりフィルムを作製することが可能である。また繊維の場合は、湿式、乾式、乾式湿式の併用いずれを用いても良い。紡糸工程において、流動配向、液晶配向、せん断配向、又は延伸配向させる事により芳香族ポリアミドおよび窒素ホウ素ナノチューブの配向を高め機械特性を向上させる事が出来る。
得られた成形体を延伸または、熱処理することによりさらに物性が向上する。
組成物のマトリックスとなる芳香族ポリアミドが例えば、Arがパラフェニレン基及び3,4’−ジフェニレンエーテル基でありArがパラフェニレン基であって、その共重合比(Arのパラフェニレン基と3,4’−ジフェニレンエーテル基のモル比)が1:0.8〜1:1.2の範囲にある共重合全芳香族ポリアミドの場合は、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒を混合溶媒として乾湿式紡糸を行った後、高温下、高倍率で延伸配向させることによりコンポジットファイバーを得ることが出来る。かかる際の好ましい延伸倍率としては2〜40倍、より好ましくは5〜30倍であるが、最大延伸倍率(MDR)になるべく近づけて延伸することが機械物性に優れた芳香族ポリアミドコンポジットファイバーを得る上で望ましい。好ましい延伸配向時の温度としては100℃〜800℃、より好ましくは200℃〜600℃である。また全芳香族ポリアミドが例えば、ArとArがともにパラフェニレン基であるポリ(パラフェニレンテレフタルアミド)の場合は、100%硫酸、りん酸、ポリりん酸、メタンスルホン酸等の酸溶媒を混合溶媒として、液晶紡糸によりコンポジットファイバーを得ることが出来る。液晶紡糸では通常、高いドラフト比でキャップから溶液を紡糸することにより配向させることができる。
以下、実施例により本発明方法をさらに詳しく具体的に説明する。ただしこれらの実施例は本発明の範囲を何ら限定するものではない。
(窒化ホウ素ナノチューブの電子顕微鏡による平均直径、長さの算出)
透過型電子顕微鏡(TEM)により50点以上窒化ホウ素ナノチューブを観察し、その直径の平均をとることで窒化ホウ素ナノチューブの平均直径、および平均長さを算出した。
(窒化ホウ素ナノチューブの平均粒径)
大塚電子ZDLS-7000を用いてN−メチル−2−ピロリドン中、濃度0.001重量%で動的光散乱測定を行うことにより求めた。
(赤外吸収スペクトル)
窒化ホウ素ナノチューブが芳香族ポリアミドで被覆されているかどうか確認するためにサーモニコレー社Magna−750を用いて、KBr法により赤外吸収スペクトルを測定した。
(窒化ホウ素ナノチューブを被覆する芳香族ポリアミドの量)
芳香族ポリアミドで被覆された窒化ホウ素ナノチューブをリガク社製示差熱走査熱量天秤、TG−8120を用いAir中、昇温速度10℃/minで800℃まで測定することで芳香族ポリアミドの分解に由来する重量減少から被覆されている芳香族ポリアミドの量を算出した。
(窒化ホウ素ナノチューブの分散性評価)
窒化ホウ素ナノチューブ分散液をスライドグラス上に1滴とり、カバーグラスでカーバーしたものを、光学顕微鏡を用いて200倍で観察し、窒化ホウ素ナノチューブの分散性を確認した。
(芳香族ポリアミド中における窒化ホウ素ナノチューブの形態観察)
TEM(Transmission Electron Microscopy)写真をEFI社 TECNAI 12 BIO TWINを用いて測定した。
(機械特性)
オリエンテック株式会社製テンシロン万能試験機1225Aにより引っ張り試験を行い、ヤング率および引張強度を求めた。
<参考例1>(窒化ホウ素ナノチューブの合成)
窒化ホウ素製のるつぼに1:1のモル比でホウ素と酸化マグネシウムの混合物を入れ、るつぼを高周波誘導加熱炉で1300℃に加熱した。ホウ素と酸化マグネシウムは反応し、気体状の酸化ホウ素(B)とマグネシウムの蒸気が生成した。この生成物をアルゴンガスにより反応室へ移送し、温度を1100℃に維持してアンモニアガスを導入した。酸化ホウ素とアンモニアが反応し、窒化ホウ素が生成した。1.55gの混合物を十分に加熱し、副生成物を蒸発させると、反応室の壁から310mgの白色の固体が得られた。続いて得られた白色固体を濃塩酸で洗浄、イオン交換水で中性になるまで洗浄後、60℃で減圧乾燥を行い窒化ホウ素ナノチューブ(以下、BNNTと略すことがある)を得た。得られたBNNTは、平均直径が27.6nm、平均長さが2460nmのチューブ状であった。動的光散乱測定から算出した平均粒径サイズは916.3nmであった。
[実施例1](芳香族ポリアミドで被覆された窒化ホウ素ナノチューブの合成)
十分に乾燥した攪拌装置付きのセパラブルフラスコに参考例1で得られたBNNT0.2重量部を仕込み、窒素雰囲気下150℃で1時間乾燥した。室温まで冷却した後、N−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと略すことがある)500重量部を添加し、3周波超音波洗浄器(アズワン製、出力100W、28Hz)にて3時間超音波処理を行った。続いて、p−フェニレンジアミン0.5832重量部および3、4’−ジアミノフェニルエ−テル1.0799重量部を常温下で添加し窒素中で溶解した。0℃に冷却後、攪拌しながらテレフタル酸ジクロリド2.7371重量部を添加した。最終的に80℃、60分反応させたところに水酸化カルシウム1重量部を添加し中和反応を行った。得られた反応溶液を0.45μmのフィルターでろ過し、回収し、NMPで洗浄を2回、メタノールで洗浄を1回行い、60℃で減圧乾燥2時間することで、芳香族ポリアミドで被覆されたBNNTを得た。赤外吸収スペクトルの結果、芳香族ポリアミドで被覆されていることを確認した。示差熱走査熱量天秤から算出した被覆されている芳香族ポリアミドの量は、被覆された窒化ホウ素ナノチューブの9.2重量%であった。動的光散乱測定から算出した平均粒径サイズは521.4nmであった。芳香族ポリアミドで被覆することによりNMP中における分散性が飛躍的に向上していることがわかった。
[実施例2](芳香族ポリアミドで被覆した窒化ホウ素ナノチューブ分散液の調製)
実施例1で得られた芳香族ポリアミドで被覆されたBNNT110mgをNMP30mlに添加して、1時間超音波処理することにより分散液を得た。
得られた分散液を1日放置したが、BNNTの沈殿は観察されなかった。また、光学顕微鏡観察(200倍)を用い分散性の評価を行ったところ、BNNTの分散性が飛躍的に向上していることを確認した(図1)。
[比較例1](窒化ホウ素ナノチューブ分散液の調製)
参考例1で得られたBNNT100mgをNMP30mlに添加して、1時間超音波処理することにより分散液を得た。
得られた分散液には、BNNTの凝集が観察された。また、光学顕微鏡観察(200倍)を用い分散性の評価を行ったところ、多数のBNNT凝集物が観察された。(図2)。
<参考例2>組成物のマトリックスとなる芳香族ポリアミド溶液の調整
十分に乾燥した攪拌装置付きの三口フラスコに、脱水精製したNMP2152g、p−フェニレンジアミン27.04g及び3、4’―ジアミノジフェニルエーテル50.06gを常温下で添加し窒素中で溶解した後、氷冷し攪拌しながらテレフタル酸ジクロリド101.51gを添加した。その後徐々に昇温して最終的に80℃、60分反応させたところで水酸化カルシウム37.04gを添加して中和反応を行い、NMPのアラミド樹脂溶液を得た。得られたドープを水にて再沈殿することにより得たアラミド樹脂の濃度0.5g/100mLの濃硫酸溶液を30℃で測定した固有粘度は3.5dL/gであった。
[実施例3](芳香族ポリアミドと被覆された窒化ホウ素ナノチューブからなる繊維の調整)
実施例2で調整した芳香族ポリアミドで被覆した窒化ホウ素ナノチューブ分散液に参考例2で調整した芳香族ポリアミド溶液を少しずつ攪拌しながら添加して均一な芳香族ポリアミド100重量部/芳香族ポリアミドで被覆された窒化ホウ素ナノチューブ1.1重量部(窒化ホウ素ナノチューブ1重量部)からなるポリマー濃度5重量%の紡糸用混合溶液を調製した。かくして得られた紡糸用混合溶液を孔径0.3mm、L/D=1、孔数5個のキャップを用いて、シリンダー温度50℃にてNMP30重量%の水溶液である温度50℃の凝固浴中に速度3m/分にて押出した。キャップ面と凝固浴面との距離は10mmとした。凝固浴から取り出した繊維を50℃の水浴中にて水洗し、120℃の乾燥ローラーで乾燥後、500℃の熱板上にて延伸させた。(12.5倍)TEM観察結果からコンポジットファイバー中に存在する窒化ホウ素ナノチューブのすべて凝集直径が100nm以下であり、窒化ホウ素ナノチューブが高度に繊維軸方向に配向していることが確認できた。(図3)繊維の単繊維径は1.2de、弾性率は78.9GPa、強度は2587mN/texであった。
[比較例2]
芳香族ポリアミドで被覆した窒化ホウ素ナノチューブ分散液を添加しない以外は、実施例3と同様に窒化ホウ素ナノチューブを含まない繊維を調整した。繊維の単繊維径は1.2de、弾性率は74.8GPa、強度は2098mN/texであった。
実施例2の分散液の光学顕微鏡観察(200倍)。 比較例1の分散液の光学顕微鏡観察(200倍)。 実施例3の繊維のTEM観察。

Claims (12)

  1. 窒化ホウ素ナノチューブ100重量部に対して芳香族ポリアミド0.01〜100重量部により被覆された窒化ホウ素ナノチューブ。
  2. 芳香族ポリアミドが下記式(1)
    ―NH―Ar―NH―OC―Ar―CO― (1)
    (Ar、Arは同一または異なり、炭素数6〜20の2価の芳香族基を示す)
    で表される繰り返し単位からなる芳香族ポリアミドである請求項1に記載の被覆された窒化ホウ素ナノチューブ。
  3. 式(1)のArが、メタフェニレン基、パラフェニレン基、3,4’−ジフェニレンエーテル基、および4,4’−ジフェニレンエーテル基からなる群から選択される少なくとも1種の基であり、Arはメタフェニレン基またはパラフェニレン基である請求項2に記載の被覆された窒化ホウ素ナノチューブ。
  4. Arがパラフェニレン基及び3,4’−ジフェニレンエーテル基であり、Arがパラフェニレン基である共重合体であって、その共重合比(Arのパラフェニレン基と3,4’−ジフェニレンエーテル基のモル比)が1:0.8〜1:1.2の範囲にある請求項3に記載の被覆された窒化ホウ素ナノチューブ。
  5. 芳香族ポリアミドの重合原料を溶解する溶媒中で、窒化ホウ素ナノチューブ存在下、芳香族ポリアミドを重合した後、芳香族ポリアミドで被覆された窒化ホウ素ナノチューブを分別することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の被覆された窒化ホウ素ナノチューブの製造方法。
  6. アンモニアガスを使用した化学的気相堆積法により合成された窒化ホウ素ナノチューブを用いる事を特徴とする請求項5に記載の被覆された窒化ホウ素ナノチューブの製造方法。
  7. 芳香族ポリアミド100重量部と、請求項1〜4のいずれかに記載の被覆された窒化ホウ素ナノチューブ0.01〜100重量部とからなる芳香族ポリアミド組成物。
  8. 組成物のマトリックスとなる芳香族ポリアミドが下記式(1)
    ―NH―Ar―NH―OC―Ar―CO― (1)
    (Ar、Arは同一または異なり、炭素数6〜20の2価の芳香族基を示す)
    で表される繰り返し単位からなる芳香族ポリアミドである請求項7に記載の芳香族組成物。
  9. 芳香族ポリアミド100重量部と、請求項1〜4のいずれかに記載の芳香族ポリアミドにより被覆された窒化ホウ素ナノチューブ0.01〜100重量部とからなる組成物からなる成形体であって、成形体の長手方向または面内に窒化ホウ素ナノチューブが配向した成形体。
  10. 組成物のマトリックスとなる芳香族ポリアミドが下記式(1)
    ―NH―Ar―NH―OC―Ar―CO― (1)
    (Ar、Arは同一または異なり、炭素数6〜20の2価の芳香族基を示す)
    で表される繰り返し単位からなる芳香族ポリアミドである請求項9に記載の成形体。
  11. 成形体が繊維である請求項9または10に記載の成形体。
  12. 成形体がフィルムである請求項9または10に記載の成形体。
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