JP2007143545A - 液状組成物用増粘化剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】液状組成物用増粘化剤に、75μm未満の粒子径を40重量%以上有する粉
末状増粘多糖類を含有する。更には、デキストリン、澱粉及び糖類から選択される少なく
とも1種以上のバインダーを添加する。好ましくは、当該粒子径を有する粉末状増粘多糖
類とバインダーとの混合物を造粒(顆粒化)したものを含有する。
【選択図】なし
Description
100%果汁のジュース、スープ、アルコール飲料といった、増粘化剤添加による粘度発現が比較的遅いとされている液状食品に添加した場合、手攪拌のような緩い攪拌条件でもダマにならず、粘度発現が早く、且つ良好な増粘効果を示し、更には、嚥下補助のために使用する増粘化剤として優れた適性を有する増粘化剤に関する。
いわゆる咀嚼・嚥下困難者が増加する傾向がある。そういった咀嚼・嚥下困難者向けに、
種々の増粘化剤(とろみ剤)が開発されている。近年では、嗜好性(味・外観に与える影
響が少ない)や機能性(少ない添加量で効果を発揮する)の面から、増粘多糖類を主剤に
したとろみ剤が好んで使用される。
で液状食品に添加した場合、(1)ダマにならず、良好に分散すること、(2)短時間で
所定の物性値(例えば、粘度)に達し、その経時変化が小さいこと、(3)食品の種類に
よらず、安定した物性値を示すこと、(4)低濃度で所定の物性値を示し、味・外観を劣
化させないこと、(5)口腔内で食塊を形成しやすく、咽頭での付着性が小さいこと等が
挙げられる。このような要件を満たすように、従来より、増粘多糖類を単独あるいは組み
合わせて使用したり、また、増粘多糖類の粉体の粒子径を調整するなどの方法が検討され
ている。
りゲル化したりする多糖類を完全に水中に溶解し、再び粉末化して、例えば60メッシュ
の篩を通過する(250μm以下)ように粉砕した易溶性粉末組成物(特許文献1)、キ
サンタンガムとグァーガムなど併用系に、デキストリンなどの水溶性でん粉分解物と食塩
とを含有してなる食品用増粘剤で、調製の際に粉末成分を62μ〜500μmに調整する
食品増粘剤(特許文献2)、乾燥形態の分散性及び即水和性のバイオポリマーであって、
前記バイオポリマーの粒子の少なくとも75重量%以上が60〜250μmの直径及び1
00〜250μmの平均直径を有するバイオポリマー(特許文献3)などがある。更には
、化工澱粉水溶液をバインダーとして用いて、粉末状増粘多糖類を処理して得られる顆粒
状増粘多糖類を含有する液状食品増粘化剤に関し、顆粒品の比容積が大きいほど増粘効果
が高いこと(特許文献4)が記載されている。
化することにより易溶化させたりしているものであり、水に分散しやすく、短時間で所定
の物性値(例えば、粘度)を示すものが多い。しかし、牛乳、100%果汁のジュース、
スープ、アルコール飲料といった、増粘化剤添加による粘度発現が比較的遅いとされている液状食品に対しては、粘度発現が極端に遅くなるなどの問題があり、嚥下補助に使用される増粘化剤としては十分でなかった。
ーンなどを用いて手攪拌のような緩い攪拌条件で調製される場合が多い。牛乳、100%
果汁のジュース、スープといった増粘化剤添加による粘度発現が比較的遅いとされている
液状食品では、このような緩い攪拌条件での粘度発現は更に遅延する傾向がある。とろみ
の付与に時間と労力を費やしてしまうため、嚥下・咀嚼困難者向けのとろみ付与食品を調
製する介護者にかかる負担は大きかった。
くなる。かかる場合に、時間の経過とともに、突発的に粘度上昇が起こり、ひいてはゲル
化することがある。このような現象が起こると、当該とろみ付与食品の飲み込みに非常に
危険な状態となり、生命に関わるほど重要な問題になる可能性があるため、特に、嚥下・
咀嚼困難者向けのとろみ付与目的に使用することができなかった。
0%果汁のジュース、スープ、アルコール飲料といった増粘化剤添加による粘度発現が比較的遅いとされている液状食品に添加した場合、手攪拌のような緩い攪拌条件でもダマにならず、粘度発現が早く、且つ良好な増粘効果を示し、更には、嚥下補助のために使用する増粘化剤として優れた適性を有する増粘化剤を提供することを目的とする。
物用増粘化剤に、粒子径が75μm未満の粉末状増粘多糖類を40重量%以上含むことで
、液状組成物への粘度発現が早くなることを見いだした。更には、前記粉末状増粘多糖類
に加えて、デキストリン、澱粉及び糖類から選択される少なくとも1種のバインダーを含
み、より好ましくは、当該配合の増粘化剤(粒子径が75μm未満の粉末状増粘多糖類、
又は粒子径が75μm未満の粉末状増粘多糖類と当該バインダーの混合物)を造粒(顆粒
化)することにより、特に、牛乳、オレンジジュース、スープ、アルコール飲料といった増粘化剤添加による粘度発現が比較的遅いとされている液状食品に使用した場合、手攪拌のような緩い攪拌条件でもダマにならず、粘度発現が早く、且つ良好な増粘効果を示すことを見い出した。
項1.粒子径が75μm未満の粉末状増粘多糖類を40重量%以上含むことを特徴とする
液状組成物用増粘化剤。
項2.更に、デキストリン、澱粉及び糖類から選択される少なくとも1種のバインダーを
含む項1に記載の液状組成物用増粘化剤。
項3.更に、造粒されていることを特徴とする項1又は2に記載の液状組成物用増粘化剤
。
項4.増粘化剤の用途が嚥下補助用である、項1乃至3のいずれかに記載の液状組成物用
増粘化剤。
項5.下記(1)〜(4)のうち少なくとも1種の条件を満たす液状組成物に使用される
、項1乃至4のいずれかに記載の液状組成物用増粘化剤;
(1)脂肪の含有量が液状組成物全量に対して0.1〜50重量%である。
(2)pHが2〜5の範囲である。
(3)ミネラル分の含有量が液状組成物全量に対して0.01〜10重量%である。
(4)アルコール分の含有量が液状組成物全量に対して0.5〜40V/V%である。
項6.項1乃至5のいずれかに記載の増粘化剤を添加することにより、とろみが付与され
た液状組成物。
項7.項1乃至5のいずれかに記載の増粘化剤を添加することによる、液状組成物にとろ
みを付与する方法。
本明細書中において「微粉多糖類」という)を40重量%以上含むことを特徴とする。更
に、当該粒子径が60μm未満であるのが好ましい。なお、本発明でいう液状組成物用増
粘化剤は、液状組成物に添加することにより増粘効果を示し、液状組成物に粘度を付与す
る添加剤(とろみ剤)のことである。
粉末であれば特に限定されるものではない。具体的には、前述の微粉多糖類に該当するキ
サンタンガム、タマリンドシードガム、カラギナン、大豆多糖類、グァーガム、寒天、ロ
ーカストビーンガム、タラガム、ペクチン、アルギン酸、アルギン酸塩類、ネイティブ型
ジェランガム、脱アシル型ジェランガム、グルコマンナン、カシアガム、サイリウムシー
ドガム、トラガントガム、カラヤガム、アラビアガム、ガティガム、ラムザンガム、ウェ
ランガム、マクロホモプシスガム、カードラン、プルラン、セルロース、微結晶セルロー
ス、微小繊維状セルロース、発酵セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセ
ルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロ
キシエチルセルロース、水溶性ヘミセルロースなどから選択される1種又は2種以上を例
示することができる。好ましくは、キサンタンガム、タマリンドシードガム、カラギナン
、大豆多糖類、グァーガム、寒天、ローカストビーンガム、タラガム、ペクチン、アルギ
ン酸、アルギン酸塩類、ネイティブ型ジェランガム及び脱アシル型ジェランガムから選ば
れる1種又は2種以上を使用することができ、更には、キサンタンガムを好適に使用する
ことができる。
例えば、市販されている増粘多糖類粉末から篩別して得る方法や、ボールミルやジェット
ミル等の乾式粉砕機によって微粉化する方法などを例示することができる。また、市販さ
れている当該粒子径の増粘多糖類粉末を使用することができる。
澱粉及び糖類から選択される少なくとも1種以上のバインダーを添加することにより、更
に、液状組成物への分散性を向上させることができる。このようなバインダーとしては、
デキストリン、アミロデキストリン、エリトロデキストリン、アクロデキストリン、マル
トデキストリン、シクロデキストリン等のデキストリン、トウモロコシ、モチトウモロコ
シ、馬鈴薯、甘藷、小麦、米、餅米、タピオカ、サゴヤシ等由来の生澱粉や、当該澱粉に
物理的又は、化学的処理を施した加工澱粉(酸分解澱粉、酸化澱粉、α化澱粉、グラフト
化澱粉、カルボキシメチル基、ヒドロキシアルキル基等を導入したエーテル化澱粉、アセ
チル基等を導入したエステル化澱粉、澱粉の2カ所以上の水酸基間に多官能基を結合させ
た架橋澱粉、オクテニルコハク酸基のような疎水基を導入した乳化性澱粉、湿熱・乾熱処
理澱粉等)等の澱粉、ショ糖、果糖、ぶどう糖、麦芽糖、澱粉糖化物、還元澱粉水飴、ト
レハロース等の糖類などが挙げられる。中でも、デキストリンを好適に使用することがで
きる。なお、バインダー粉末の粒子径は、予め前記微粉多糖類と同程度の粒子径に調整し
ておくことが望ましい。
の配合割合であるが、重量比で、微粉多糖類100重量部に対して、バインダーが10〜
1000重量部、好ましくは100〜900重量部、より好ましくは、100〜400重
量部となるように配合するのが好ましい。当該割合より微粉多糖類が多くなると、後述す
る造粒(顆粒化)を行う際、造粒(顆粒の生長)が不十分になる場合があり、逆にバインダ
ーが多くなると、増粘化剤としての機能(液状組成物に対する増粘効果)が低くなる場合
があるからである。また、前述の微粉多糖類及び前述のバインダーの混合方法は、例えば
、ダブルコーンミキサーや流動層造粒装置などを使用して、予め前述の微粉多糖類とバイ
ンダーとを粉末の状態で混合する方法や、スプレー液にバインダーの全部もしくは一部を
溶解し、微粉多糖類に添加する方法があるが、いずれの方法を用いても良い。
バインダーを含む混合物を造粒(顆粒化)することも可能である。造粒(顆粒化)方法と
しては、常法にて行うことができ、例えば、回転式滴下型造粒装置、流動層造粒装置、転
動造粒装置等の公知の装置によって造粒(顆粒化)する方法などが挙げられる。中でも、
流動層造粒装置によって造粒(顆粒化)する方法が好ましい。
を造粒(顆粒化)することで、特に牛乳、100%果汁のジュース、スープ、アルコール飲料といった増粘化剤添加による比較的粘度発現が遅いとされている液状食品に使用した場合、手攪拌のような緩い攪拌条件でも分散性がよく(ダマになりにくく)、粘度発現が早く、短時間で最大粘度(平衡粘度)に達し、その粘度が維持されることより、特に嚥下補助に使用するのに適した増粘化剤となる。使用する微粉多糖類は粒子径が小さいほど(微粉であるほど)好ましいが、作業時の粉塵爆発などの恐れを回避し、造粒(顆粒化)時の機械適性を高め、作業効率性を更に向上させるためには、造粒(顆粒化)前の微粉多糖類の粒子径は、1μm以上程度とするのが好ましい。なお、造粒(顆粒化)後の増粘化剤の粒子径については、特に限定されないが、100〜1500μm程度、より好ましくは、150〜1000μm程度に調整すると良い。
化)したものであり、より好ましくは前述の微粉多糖類及びバインダーを造粒(顆粒化)
したものを含むことを特徴とするが、発明の効果を妨げない範囲内で、造粒(顆粒化)前
の粉末状増粘多糖類に、75μmより大きな粒子径の粉末状増粘多糖類が含まれていても
構わない。その場合、造粒(顆粒化)前の微粉多糖類の配合割合は、造粒(顆粒化)前の
粉末状増粘多糖類全量に対して40重量%以上、好ましくは70%以上、更に好ましくは
90%以上であるのが好ましい。微粉多糖類の配合量が40%を大きく下回ると、微粉多
糖類より大きな粒子径の粉末が粘度発現や増粘効果に悪影響を及ぼし、本発明の効果を妨
げてしまう可能性があるからである。
や成分によって適宜調整することができるが、通常、液状組成物全量に対して、当該微粉
多糖類が、0.1〜2重量%、好ましくは、0.5〜1.5重量%、更に好ましくは、0
.8〜1.2重量%含まれるように添加するか、もしくは液状組成物の粘度が1500m
Pa・s以上となるように増粘化剤の添加量を調整して添加することができる(粘度測定
条件:B型回転粘度計、25℃、12rpm、ローターNo.3)。
を含む混合物を造粒(顆粒化)したものを含む増粘化剤は、特に、咀嚼・嚥下困難者の誤
嚥を防止する目的(嚥下補助)で使用することができる。具体的には、液状組成物に対す
る良好な分散性(ダマになりにくい)を示し、短時間で所定の物性値(例えば、粘度)に
達し、その経時変化が小さいこと、食品の種類によらず安定した物性値を示すこと、口腔
内で食塊を形成しやすく、咽頭での付着性が小さいことなどの特性を有する。
のある液状の食品、医薬品、医薬部外品、化粧品などに使用される組成物である。好まし
くは液状食品に使用できる。液状食品の具体例として、水、牛乳、乳飲料、乳酸菌飲料、
ドリンクヨーグルト、果汁入り清涼飲料、オレンジジュース等の果汁飲料、菜汁飲料、茶
飲料、コーヒー飲料、ココア飲料、スポーツ飲料、機能性飲料、イオン飲料、ビタミン補
給飲料、栄養補給バランス飲料、日本酒、ビール、発泡酒、ビールテイスト風アルコール飲料、焼酎、ウィスキー、ブランデー、ワイン、スピリッツ類(ラム、ウォッカ、ジン、テキーラ等)、リキュール類、エタノール等それぞれ単独の飲料、および前記飲用アルコール類を配合した各種カクテル類、あるいは果汁を醸造して得た赤ワイン等の果実酒、コンソメスープ、ポタージュスープ、クリームスープ、中華スープ等の各種スープ、味噌汁、清汁、シチュウ、カレー、グラタンなどの液状の最終食品や、蛋白質・リン・カリウム調整食品、塩分調整食品、油脂調整食品、整腸作用食品、カルシウム・鉄・ビタミン強化食品、低アレルギー食品、濃厚流動食、ミキサー食、及びキザミ食等の特殊食品や治療食の液状食品、醤油、ソース、ドレッシング等の液状調味料等を挙げることができる。これらに直接、本発明の液状食品用増粘化剤を添加して増粘させることができる。
れている液状食品に好適に使用することができる。当該液状食品としては、下記(1)〜
(4)のうち少なくとも1種の条件を満たす液状組成物を挙げることができる。
〜10重量%である。
ルク入り茶類、ミルクココア、ミルクセーキ、酸乳入り飲料、フルーツ牛乳などを挙げる
ことができる。
、ドリンクヨーグルトなどを挙げることができる。
0.04〜0.7%である。
ロム、モリブデン、マンガン、亜鉛、リン、セレニウム、リチウム、パナジウム、コバル
ト、ニッケル、ホウ素、ゲルマニウム、臭素、ヨウ素などが含まれる。これら一定量のミ
ネラル分を含有する液状食品の一例として、食塩水、イオン飲料、ビタミン補給飲料、栄
養補給バランス飲料、醤油、ソース、ドレッシングなどを挙げることができる。
のような液状食品の一例として、スープ、ドリンクヨーグルト、濃厚流動食(1kcal/ml程度の濃度に調整され、長期間の単独摂取によっても著しい栄養素の過不足が生じないよう、各栄養素の質的構成が十分考慮されている栄養食品)などが挙げられる。
、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル(モノグリセリン脂肪酸エステル、
ジグリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセライド、ポリグリセリン脂肪酸エステル
、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル)、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレ
ングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ポリソル
ベート)、レシチン、ステアロイル乳酸塩(ナトリウムもしくはカルシウム)、ユッカ抽
出物等の乳化剤、クエン酸、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、コハク酸、コハク
酸ナトリウム、酒石酸、酒石酸ナトリウム、酒石酸水素カリウム、乳酸、乳酸ナトリウム
、塩酸、塩酸ナトリウム、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、グルコン酸、グ
ルコン酸ナトリウム、グルコン酸カリウム、エリソルビン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム
、炭酸カリウム、フィチン酸等の有機酸、無機酸やその塩類を添加することができる。更
には、ソルビトール、エリスリトール、キシリトール、マンニトール等の糖アルコール類
、スクラロース、アスパルテーム、ステビア、アセスルファムカリウム、ソーマチン、サ
ッカリン等の高甘味度甘味料類、カテキン、カルニチン、グルコサミン、コンドロイチン
、イソフラボン、リグナン、プロポリス、コラーゲン等の機能性素材等を添加することが
できる。更に、天然香料、合成香料等の香料類、カラメル色素等の着色料、調味料、を添
加することができる。
攪拌によっても、スプーンによる手攪拌によっても行うことができる。特に、前述の造粒
(顆粒化)工程を経て製造された増粘化剤は、スプーンによる手攪拌などの緩い攪拌条件
でも液状組成物中に速やかに分散・溶解することができる。更には、本発明の増粘化剤は
、増粘化剤添加による粘度発現が比較的遅いとされている液状食品に添加しても、粘度発
現が早く、且つ良好な増粘効果を示し、更には、嚥下補助のために使用する増粘化剤とし
て優れた適性を有する増粘食品が得られる。
れらに何ら限定されるものではない。また、特に記載のない限り「部」とは、「重量部」
、「%」は「重量%」を意味するものとする。文中*印のものは、三栄源エフ・エフ・ア
イ株式会社製、文中「※」印は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の登録商標であることを
示す。
実験例1では、増粘化剤として、表1に記載の4種のキサンタンガム粉末を用いた。使
用するキサンタンガム粉末の基礎物性として、粒度及び粘度を測定した。粒度については
、150メッシュ(100μm)、200メッシュ(75μm)、280メッシュ(53
μm)の篩を重ね合わせ、各試料(表1に記載のキサンタンガム粉末各50g)を篩過(
電磁振とう機使用、振幅1mm、3分間)した際の篩上の試料及び篩を通過した試料の重
量を測定した。キサンタンガムの粒度分布を各粒度の重量割合(%)で示す。
プロペラ攪拌機で攪拌(1000rpm)しながら、各試料(表1に記載のキサンタンガ
ム粉末1g)を添加し、10分間攪拌溶解した。溶液をスクリュー瓶に充填し、20℃の
水槽で2時間冷却後、室温に温度をあわせて粘度を測定した。粘度はB型回転粘度計、1
2rpm、ローターNo.3を用いて測定した。結果を表1に示す。
乳脂肪分3.5%以上含有)に使用した場合の速溶性について評価した。速溶性の評価方
法として、300mLビーカーに、牛乳(液状組成物)200mLを加えて、プロペラ攪
拌機(1000rpm/30秒)にて分散溶解させた時の速溶性について、早く分散溶解
した順に、1>2>3>4での評価で行った。分散溶解の目安として、攪拌時のプロペラ
攪拌翼による溶液渦の大きさにて判断した。攪拌当初の増粘化剤が分散溶解していない時
は攪拌翼による渦が大きく、分散が進むにつれて小さくなる。本実験例ではこの性質を利
用して、速溶性を評価し、攪拌翼による渦が小さくなった順に1>2>3>4とした。
化剤として使用した場合、比較例2品(粒子径が100μm以上の粉末が中心のキサンタ
ンガム)に比べ、実施例2品(粒子径が75μm未満の粉末を40%以上含むキサンタン
ガム)の方が牛乳に早く分散・溶解し、増粘化剤として優れていた。
実験例1で使用した、表1に記載の各粒度のキサンタンガム35%と、デキストリン(
松谷化学株式会社製、商品名パインデックスNo.1)65%を流動層造粒装置内で混合
することにより粉体混合して、増粘化剤を調製した(実施例1−b、実施例2−b、比較
例1−b、および比較例2−b)。実験例1と同様に、牛乳を用いて速溶性を評価した。
結果を表2に示す。
2品(粒子径が75μm未満の粉末を40%以上含有するキサンタンガム)の方が牛乳に
早く分散・溶解し、増粘化剤として優れていた。
下記表3に示す配合により、キサンタンガムとデキストリンを粉体混合した後、流動層
造粒機(大河原製作所製、商品名 UNIGRATT)を用いて増粘化剤を造粒(顆粒化
)した(実施例1−c、実施例2−c、比較例1−c、および比較例2−c)。キサンタ
ンガムとデキストリンとの重量比は35:65とした。造粒(顆粒化)条件は、温風温度
65℃にて、仕込み量300gに対し、100mLの脱イオン水を速度毎分10mL、スプ
レー圧4Kgf/cm2で噴霧し、噴霧終了後5分間乾燥を行った。
300mLビーカーに80℃のイオン交換水200mLを測りとり、プロペラ攪拌機で攪
拌(1000rpm)しながら、各試料(表3に記載の増粘化剤(実施例1−c、2−c
、比較例1−c、および2−c)6g)を添加し、10分間攪拌溶解した。溶液をスクリ
ュー瓶に充填し、20℃の水槽で2時間冷却後、室温に温度をあわせて粘度を測定した。
粘度はB型回転粘度計、12rpm、ローターNo.3を用いて測定した。粒度について
は、16メッシュ(1000μm)、30メッシュ(500μm)、60メッシュ(25
0μm)、100メッシュ(100μm)、150メッシュ(100μm)、200メッ
シュ(75μm)の篩を重ね合わせ、各試料(表3に記載の増粘化剤顆粒各30g)を篩
過(電磁振とう機使用、振幅1mm、3分間)した際の篩上の試料及び篩を通過した試料
の重量を測定した。結果を表4に示す。
の粒径のものが、85%以上を占めることが判った。
実施例2品(粒子径が75μm未満の粉末を40%以上含むキサンタンガム)の方が水溶
液の粘度がやや高くなる傾向が認められた。
実験例3で得られた増粘化剤(3)(実施例1−c、実施例2−c、比較例1−c、お
よび比較例2−c)を用いて、液状組成物(牛乳、「タカナシおいしい無脂肪乳」:タカ
ナシ乳業製、無脂乳固形分9.5%、乳脂肪分0.1%含有)における粘度発現を評価し
た。200mLビーカーに室温(25℃)の牛乳を100mL量りとり、スパーテルで4
回転/秒程の速度で攪拌しながら、各増粘化剤を3g添加した。同じ攪拌速度で更に30
秒間攪拌後、スクリュー瓶に充填し、経時的な粘度変化を測定した。粘度はB型回転粘度
計、12rpm、ローターNo.3を用いて測定した。結果を表5に示す。
)した増粘化剤(実施例1−cおよび実施例2−c)を添加した試料(実施例1−dおよ
び実施例2−d)は、比較例1−dおよび比較例2−dに比べて、0〜5分程度の比較的
短時間で急激に粘度が上昇し、その後30分までは粘度の変化が小さかった。また、粘度
発現に関しては、特に、粒子径が75μm未満の粉末を90%以上含有するキサンタンガ
ム粉末を造粒(顆粒化)した増粘化剤(実施例1−c)を添加した試料(実施例1−d)
の方が、更に粘度の立ち上がりが早く、良好であった。
び2−d)は、粘度発現に極端に時間がかかり、その増粘効果も不十分(実施例1−cお
よび2−cを添加した試料に比べて30分経過後の粘度が低い)であった。更に、比較例
1−dには、比較例1−cの増粘化剤が溶け残り、底に沈殿物を生じていた。
の官能評価を行った。実施例1−d、2−d、および比較例2−dが食塊を形成しやすく
(飲み込み時のまとまり感がある)、付着性が小さかった(咽頭へのへばりつきが少ない
)のに対し、比較例1−dは食塊を形成しにくく、上層に膜状の固形物が生成し、飲み込
みにくかった。
実験例3で得られた増粘化剤(3)(実施例1−c、実施例2−c、比較例1−c、お
よび比較例2−c)を用いて、液状組成物(牛乳、「メグミルク」;日本ミルクコミュニ
ティ製、無脂乳固形分8.3%以上、乳脂肪分3.5%以上含有)における粘度発現(経
時的な粘度変化)を評価した。粘度発現の評価は実験例4と同様に行った。結果を表6に
示す。
)した増粘化剤(実施例1−cおよび実施例2−c)を添加した試料(実施例1−eおよ
び実施例2−e)は、比較例1−eおよび比較例2−eに比べて粘度発現が早く、0〜5
分程度の比較的短時間で急激に粘度が上昇し、その後30分までは粘度の変化が小さかっ
た。また、粘度発現に関しては、特に、粒子径が75μm未満の粉末を90%以上含有す
るキサンタンガム粉末を造粒(顆粒化)した増粘化剤(実施例1−c)を添加した試料(
実施例1−e)の方が、更に粘度の立ち上がりが早く、良好であった。
とんど増粘せず、比較例2−cの増粘化剤を添加した試料(比較例2−e)は、増粘する
のに長時間を要し、更には、増粘後の経時的な粘度変化が大きかった。
の官能評価を行った。実施例1−e、実施例2−e、および比較例2−eが食塊を形成し
やすく(飲み込み時にまとまり感がある)、付着性が小さかった(咽頭へのへばりつきが
少ない)のに対し、比較例1−eは食塊を形成しにくく、また、上層に膜状の固形物が生
成し、飲み込みにくかった。
実験例3で得られた増粘化剤(3)(実施例1−c、実施例2−c、比較例1−c、お
よび比較例2−c)を用いて、液状組成物(牛乳、「しっかり飲める特濃4.4」;日本
ミルクコミュニティ製、無脂乳固形分8.8%、乳脂肪分4.4%含有)における粘度発
現(経時的な粘度変化)を評価した。粘度発現の評価は実験例4と同様に行った。結果を
表7に示す。
)した増粘化剤(実施例1−cおよび実施例2−c)を添加した試料(実施例1−fおよ
び実施例2−f)は、比較例1−fおよび比較例2−fに比べて粘度発現が早く、0〜5
分程度の比較的短時間で急激に粘度が上昇し、その後30分までは粘度の変化が小さかっ
た。また、粘度発現に関しては、特に、粒子径が75μm未満の粉末を90%以上含有す
るキサンタンガム粉末を造粒(顆粒化)した増粘化剤(実施例1−c)を添加した試料(
実施例1−f)の方が、更に粘度の立ち上がりが早く、良好であった。
んど増粘せず、比較例2−cの増粘化剤を添加した試料(比較例2−f)は、増粘するの
に長時間を要し、更には、増粘後の経時的な粘度変化が大きかった。
の官能評価を行った。実施例1−f、実施例2−f、および比較例2−fは食塊を形成し
やすく(飲み込み時にまとまり感がある)、付着性が小さかった(咽頭へのへばりつきが
少ない)のに対し、比較例1−fは食塊を形成せずほぼ液状であり、また、上層に膜状の
固形物が生成し、飲み込みにくかった。
実験例3で得られた増粘化剤(3)(実施例1−c、実施例2−c、比較例1−c、お
よび比較例2−c)を用いて、pH3の酸性液状組成物の粘度発現(経時的な粘度変化)
を評価した。200mLビーカーにpHを調整した室温(25℃)の脱イオン水を100
mL量りとり、スパーテルで4回転/秒程の速度で攪拌しながら、各増粘化剤を3g添加
した。同じ攪拌速度で更に30秒間攪拌後、スクリュー瓶に充填し、経時的な粘度変化を
測定した。粘度はB型回転粘度計、12rpm、ローターNo.3を用いて測定した。脱
イオン水にクエン酸及びクエン酸三ナトリウムを加えて、クエン酸とクエン酸三ナトリウ
ムの合計のモル濃度を0.05mol/L、pH3に調整した。結果を表8に示す。
した増粘化剤(実施例1−cおよび実施例2−c)を添加した試料(実施例1−gおよび
実施例2−g)は、比較1−gおよび比較例2−gに比べて粘度発現が早く、瞬時に高い
粘度となった。特に粒子径が75μm未満の粉末を90%以上含有するキサンタンガム粉
末を造粒(顆粒化)した増粘化剤(実施例1−c)を添加した試料(実施例1−g)の方
が、更に粘度の立ち上がりが早く、良好であった。
実験例3で得られた増粘化剤(3)(実施例1−c、実施例2−c、比較例1−c、お
よび比較例2−c)を用いて、液状組成物(オレンジジュース、「サンキストオレンジ1
00%」;森永乳業製、pH4.0)における粘度発現(経時的な粘度変化)を評価した
。200mLビーカーに室温(25℃)のオレンジジュースを100mL量りとり、スパ
ーテルで4回転/秒程の速度で攪拌しながら、各増粘化剤(実施例1−c、実施例2−c
、比較例1−c、および比較例2−c)を3g添加した。同じ攪拌速度で更に30秒間攪
拌後、スクリュー瓶に充填し、経時的な粘度変化を測定した。粘度はB型回転粘度計、1
2rpm、ローターNo.3を用いて測定した。結果を表9に示す。
)した増粘化剤(実施例1−cおよび実施例2−c)を添加した試料(実施例1−hおよ
び実施例2−h)は、比較例1−hおよび比較例2−hに比べて粘度発現が早く、0〜5
分程度の比較的短時間で急激に粘度が上昇し、その後30分までは粘度の変化が小さかっ
た。また、粘度発現に関しては、特に、粒子径が75μm未満の粉末を90%以上含有す
るキサンタンガム粉末を造粒(顆粒化)した増粘化剤(実施例1−c)を添加した試料(
実施例1−h)の方が、更に粘度の立ち上がりが早く、良好であった。
また、比較例2−cの増粘化剤は30分経過後にはある程度の粘度を発現するものの、粘
度発現の立ち上がりが遅かった(比較例2−h)。
及び付着性)の官能評価を行った。実施例1−h、実施例2−h、および比較例2−hが
食塊を形成しやすく(飲み込み時にまとまり感がある)、付着性が小さかった(咽頭への
へばりつきが少ない)のに対し、比較例1−hは食塊を形成しにくく、飲み込みにくかっ
た。
実験例3で得られた増粘化剤(3)(実施例1−c、実施例2−c、比較例1−c、お
よび比較例2−c)を用いて、ミネラル含有液状組成物(食塩水)の粘度発現(経時的な
粘度変化)を評価した。200mLのビーカーに室温(25℃)の0.5%食塩水(ナト
リウムとして192mg/100mL含有)を100mL量りとり、スパーテルで4回転
/秒程の速度で攪拌しながら、各増粘化剤を3g添加した。同じ攪拌速度で更に30秒間
攪拌後、スクリュー瓶に充填し、経時的な粘度変化を測定した。粘度はB型回転粘度計、
12rpm、ローターNo.3を用いて測定した。結果を表10に示す。
)した増粘化剤(実施例1−cおよび実施例2−c)を添加した試料(実施例1−iおよ
び実施例2−i)は、比較例1−iおよび比較例2−iに比べて粘度発現が早く、0〜5
分程度の比較的短時間で急激に粘度が上昇し、その後30分までは粘度の変化が小さかっ
た。特に、粒子径が75μm未満の粉末を90%以上含有するキサンタンガム粉末を造粒
(顆粒化)した増粘化剤(実施例1−c)を添加した試料(実施例1−i)の方が、更に
粘度の立ち上がりが早く、良好であった。
なお、本実験例では、0.5%食塩水の結果を示したが、0.13%食塩水(50mg
/100mL)および3%食塩水(1154mg/100mL)でも同様の結果が得られた
。
実験例3で得られた増粘化剤(3)(実施例1−c、実施例2−c、比較例1−c、お
よび比較例2−c)を用いて、液状組成物(スープ)の粘度発現(経時的な粘度変化)を
評価した。200mLのビーカーに室温(25℃)および60℃のコンソメスープ(「J
ALビーフコンソメ」(明治製菓製)1袋を、160mLの脱イオン水に溶解したものを
使用:pH6.3、ミネラル分0.48%、脂肪分0.19%含有)を100mL量りと
り、スパーテルで4回転/秒程の速度で攪拌しながら、各増粘化剤を3g添加した。同じ
攪拌速度で更に30秒間攪拌後、スクリュー瓶に充填し、経時的な粘度変化を測定した。
粘度はB型回転粘度計、12rpm、ローターNo.3を用いて測定した。結果を表11
および表12に示す。
粉末を造粒(顆粒化)した増粘化剤(実施例1−cおよび実施例2−c)を添加した試料
(実施例1−j、実施例2−j、実施例1−k、および実施例2−k)は、各比較例に比
べて粘度発現が早く、0〜5分程度の比較的短時間で急激に粘度が上昇し、その後30分
までの粘度の変化が小さかった。特に粒子径が75μm未満の粉末を90%以上含有する
キサンタンガム粉末を造粒(顆粒化)した増粘化剤(実施例1−c)を添加した試料(実
施例1−jおよび実施例1−k)の方が、更に粘度の立ち上がりが早く、良好であった。
)の官能評価を行った。実施例1−j、実施例2−j、実施例1−k、実施例2−k、お
よび比較例2−kは、食塊を形成しやすく(飲み込み時にまとまり感がある)、付着性が
小さかった(咽頭へのへばりつきが少ない)のに対し、比較例2−jは食塊を形成しにく
く、飲み込みにくかった。比較例1−jおよび比較例1−kは食塊を形成せずほぼ液状で
あり、飲み込みにくかった。
実験例3で得られた増粘化剤(3)(実施例1−c、実施例2−c、比較例1−c、お
よび比較例2−c)を用いて、イオン飲料の粘度発現(経時的な粘度変化)を評価した。
200mLのビーカーに、室温(25℃)のイオン飲料(「ポカリスエット」:大塚製薬
製 ミネラル分 0.07%含有)を100mL量りとり、スパーテルで4回転/秒程の
速度で攪拌しながら、各増粘化剤を3g添加した。同じ攪拌速度で更に30秒間攪拌後、
スクリュー瓶に充填し、経時的な粘度変化を測定した。粘度はB型回転粘度計、12rp
m、ローターNo.3を用いて測定した。結果を表13に示す。
)した増粘化剤(実施例1−cおよび実施例2−c)を添加した試料(実施例1−lおよ
び実施例2−l)は、比較例1−lおよび比較例2−lに比べて粘度発現が早く、瞬時に
高い粘度となり、更には、高い粘度に達した後の粘度変化が小さかった。特に、粒子径が
75μm未満の粉末を90%以上含有するキサンタンガム粉末を造粒(顆粒化)した増粘
化剤(実施例1−c)を添加した試料(実施例1−l)の方が、更に粘度の立ち上がりが
早く、良好であった。
の官能評価を行った。実施例1−l、実施例2−l、および比較例2−lともに食塊を形
成しやすく(飲み込み時にまとまり感がある)、付着性が小さかった(咽頭へのへばりつ
きが少ない)のに対し、比較例1−lでは食塊を形成しにくく、飲み込みにくかった。
実験例3で得られた増粘化剤(3)(実施例1−c、実施例2−c、比較例1−c、お
よび比較例2−c)を用いて、ワインの粘度発現(経時的な粘度変化)を評価した。200mLのビーカーに、室温(25℃)のワイン(「おいしい無添加赤ワイン」:メルシャン製 アルコール分14V/V%未満)を100mL量りとり、スパーテルで4回転/秒程の速度で攪拌しながら、各増粘化剤を3g添加した。同じ攪拌速度で更に30秒間攪拌後、スクリュー瓶に充填し、経時的な粘度変化を測定した。粘度はB型回転粘度計、12rpm、ローターNo.3を用いて測定した。結果を表14に示す。
)した増粘化剤(実施例1−cおよび実施例2−c)を添加した試料(実施例1−mおよ
び実施例2−m)は、比較例1−mおよび比較例2−mに比べて粘度発現が早く、瞬時に
高い粘度となり、更には、高い粘度に達した後の粘度変化が小さかった。特に、粒子径が
75μm未満の粉末を90%以上含有するキサンタンガム粉末を造粒(顆粒化)した増粘
化剤(実施例1−c)を添加した試料(実施例1−m)の方が、更に粘度の立ち上がりが
早く、良好であった。
実験例3で得られた増粘化剤(3)(実施例1−c、実施例2−c、比較例1−c、お
よび比較例2−c)を用いて、ビールの粘度発現(経時的な粘度変化)を評価した。200mLのビーカーに、室温(25℃)のビール(「スーパードライ」:アサヒビール製 アルコール分約5V/V%含有)を100mL量りとり、スパーテルで4回転/秒程の速度で攪拌しながら、各増粘化剤を3g添加した。同じ攪拌速度で更に30秒間攪拌後、スクリュー瓶に充填し、経時的な粘度変化を測定した。粘度はB型回転粘度計、12rpm、ローターNo.3を用いて測定した。結果を表15に示す。
)した増粘化剤(実施例1−cおよび実施例2−c)を添加した試料(実施例1−nおよ
び実施例2−n)は、比較例1−nおよび比較例2−nに比べて粘度発現が早く、瞬時に
高い粘度となり、更には、高い粘度に達した後の粘度変化が小さかった。特に、粒子径が
75μm未満の粉末を90%以上含有するキサンタンガム粉末を造粒(顆粒化)した増粘
化剤(実施例1−c)を添加した試料(実施例1−n)の方が、更に粘度の立ち上がりが
早く、良好であった。
実験例3で得られた増粘化剤(3)(実施例1−c、実施例2−c、比較例1−c、お
よび比較例2−c)を用いて、チューハイの粘度発現(経時的な粘度変化)を評価した。200mLのビーカーに、室温(25℃)のチューハイ(「氷結グレープフルーツ」:キリン製 アルコール分 6V/V%含有)を100mL量りとり、スパーテルで4回転/秒程の速度で攪拌しながら、各増粘化剤を3g添加した。同じ攪拌速度で更に30秒間攪拌後、スクリュー瓶に充填し、経時的な粘度変化を測定した。粘度はB型回転粘度計、12rpm、ローターNo.3を用いて測定した。結果を表16に示す。
)した増粘化剤(実施例1−cおよび実施例2−c)を添加した試料(実施例1−oおよ
び実施例2−oは、比較例1−oおよび比較例2−oに比べて粘度発現が早く、瞬時に
高い粘度となり、更には、高い粘度に達した後の粘度変化が小さかった。特に、粒子径が
75μm未満の粉末を90%以上含有するキサンタンガム粉末を造粒(顆粒化)した増粘
化剤(実施例1−c)を添加した試料(実施例1−o)の方が、更に粘度の立ち上がりが
早く、良好であった。
実験例3で得られた増粘化剤(3)(実施例1−c、実施例2−c、比較例1−c)を用いて、清酒の粘度発現(経時的な粘度変化)を評価した。200mLのビーカーに、室温(25℃)の清酒(「晩酌」:日本盛製 アルコール分13V/V%以上14V/V%未満)を100mL量りとり、スパーテルで4回転/秒程の速度で攪拌しながら、各増粘化剤を3g添加した。同じ攪拌速度で更に30秒間攪拌後、スクリュー瓶に充填し、経時的な粘度変化を測定した。粘度はB型回転粘度計、12rpm、ローターNo.3を用いて測定した。結果を表17に示す。
)した増粘化剤(実施例1−cおよび実施例2−c)を添加した試料(実施例1−pおよ
び実施例2−p)は、比較例1−pに比べて粘度発現が早く、0〜5分程度の比較的短時間で急激に粘度が上昇し、その後30分までは粘度の変化が少なかった。特に、粒子径が75μm未満の粉末を90%以上含有するキサンタンガム粉末を造粒(顆粒化)した増粘化剤(実施例1−c)を添加した試料(実施例1−p)の方が、更に粘度の立ち上がりが早く、良好であった。
組成物に添加した場合、比較的短時間で粘度が急激に増加し、その後の粘度の経時変化が
小さいという共通の現象が認められた。このことから、実施例1−cおよび実施例2−c
の増粘化剤は、特に増粘化剤添加による粘度発現が比較的遅いとされている液状食品を対
象にした嚥下用増粘化剤として優れた適性を有していることが分かった。
Claims (7)
- 粒子径が75μm未満の粉末状増粘多糖類を40重量%以上含むことを特徴とする液状組
成物用増粘化剤。 - 更に、デキストリン、澱粉及び糖類から選択される少なくとも1種のバインダーを含む請
求項1に記載の液状組成物用増粘化剤。 - 更に、造粒されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の液状組成物用増粘化剤。
- 増粘化剤の用途が嚥下補助用である、請求項1乃至3のいずれかに記載の液状組成物用増
粘化剤。 - 下記(1)〜(4)のうち少なくとも1種の条件を満たす液状組成物に使用される、請求
項1乃至4のいずれかに記載の液状組成物用増粘化剤;
(1)脂肪の含有量が液状組成物全量に対して0.1〜50重量%である。
(2)pHが2〜5の範囲である。
(3)ミネラル分の含有量が液状組成物全量に対して0.01〜10重量%である。
(4)アルコール分の含有量が液状組成物全量に対して0.5〜40V/V%である。 - 請求項1乃至5のいずれかに記載の増粘化剤を添加することにより、とろみが付与された
液状組成物。 - 請求項1乃至5のいずれかに記載の増粘化剤を添加することによる、液状組成物にとろみ
を付与する方法。
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