JP2016131508A - 粘度調整剤 - Google Patents

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良章 粕渕
賢司 大村
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賢司 大村
孝行 大林
Takayuki Obayashi
孝行 大林
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Keiichi Kondo
圭一 近藤
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直哉 森
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Abstract

【課題】たんぱく質、脂質、ミネラル成分等を比較的多く含有する流動食や牛乳等の液状食品や、ジュース等の酸性液状食品へ増粘性をもつ増粘多糖類を使用した場合には、適度な増粘性やかたさを得るために添加量が増えてべたつき感が増加したり、pH酸性下では増粘多糖類とたんぱく質が凝集反応を起こして均質な増粘が得られず、成分が分離する問題があった。本発明は、素早く粘度を発現し、pH酸性下でも凝集分離がなく、適切なかたさ、まとまり感のある優れた摂食・嚥下適性を付与することができる飲食品を提供することを目的とする。【解決手段】目開き75μmの篩を30%以上が通過するスクシノグリカン粉末を含有させることにより上記課題を解決する。【選択図】なし

Description

本発明は、飲食品に添加して素早く粘度を発現させる飲食品用粘度調整剤に関わり、特に、たんぱく質、油脂、ミネラル成分等を比較的多く含有する流動食や牛乳等の液状食品に添加して摂食・嚥下適性を改善する飲食品用粘度調整剤に関する。
高齢になるにつれ、さまざまな身体機能の低下が生じてくる。その一つにそしゃく・嚥下機能の低下がある。そしゃく・嚥下困難者は嚥下時に食品が誤って気管に流入するいわゆる誤嚥が生じ、肺炎や窒息死等の原因になり、食品の形態は高齢者の生命を脅かす問題になっている。
これまでそしゃく・嚥下困難者でも経口摂取が可能な食品を提供しようとする研究が多く行われており、飲み込みやすい適度なかたさをもち、べたつきが少なく食塊がまとまっている食品が望まれている。
そしゃく・嚥下困難等の障害をもつ患者や高齢者が、むせることなく容易にかつ安全に嚥下できるように病院や福祉施設等では増粘性、ゲル化性をもつ増粘多糖類を使用したとろみ食、ゼリー食が提供されるようになってきている。しかしながら、たんぱく質、脂質、ミネラル成分等を比較的多く含有する流動食や牛乳等の液状食品や、ジュース等の酸性液状食品へ増粘性をもつ増粘多糖類を使用した場合には、適度な増粘性やかたさを得るために添加量が増えてべたつき感が増加したり、pH酸性下では増粘多糖類とたんぱく質が凝集反応を起こして均質な増粘が得られず、成分が分離する問題があった。
たんぱく質、油脂、ミネラル成分等を比較的多く含有する流動食や牛乳等の食品の摂食・嚥下適性を改善する品質改良剤としては、イオタカラギナンを1〜2%含む水溶液を流動食と混合し、増粘又はゲル化させることを特徴とする「粘度調整剤及びその用途」(例えば、特許文献1参照。)、短時間で所定の物性値(例えば、粘度)を得にくい牛乳、100%果汁のジュース、スープ、アルコール飲料といった、増粘化剤添加による粘度発現が比較的遅いとされている液状食品に対して速やかな粘度発現性を得ることを特徴とする「液状組成物用増粘化剤」(例えば、特許文献2参照。)などが報告されている。しかしながら、これらの先行発明は、前者はイオタカラギナンの増粘又はゲル化によって生じるべたつき感の増加や咀嚼しにくいゴム様食感への物性変化によって摂食・嚥下適性が低下することを考慮されておらず、後者は増粘化剤添加による粘度発現が比較的遅いとされている食品に対して必要以上に増粘化剤を添加し、時間の経過とともに突発的に粘度上昇が起こること、ひいてはゲル化することを防止するために速やかな粘度発現性を追及したものであり、pH酸性下で添加された増粘化剤と飲食品中に含まれるミネラル成分やたんぱく質に起因する凝集反応に言及はなく、飲食品の均質性、安定性について充分なものではなかった。
特開2006−273804号公報 特許第4675852号公報
本発明は、飲食品に添加して素早く粘度を発現させる飲食品用粘度調整剤に関わり、特に、たんぱく質、油脂、ミネラル成分等を比較的多く含有する流動食や牛乳等の液状食品に添加して摂食・嚥下適性を改善する飲食品用粘度調整剤を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意努力した結果、スクシノグリカンを添加することにより、当該食品の摂食・嚥下適性が改善されることを見出し、本発明の完成に至った。
すなわち本発明は、以下に関するものである。
(1)目開き75μmの篩を30%以上が通過するスクシノグリカン粉末を含有することを特徴とする飲食品用粘度調整剤。
(2)加工でん粉及び/又はグァーガムを併用することを特徴とする前記(1)記載の飲食品用粘度調整剤。
(3)でん粉、デキストリン、糖類から選択される少なくとも1種の賦形剤を含む前記(1)又は(2)記載の飲食品用粘度調整剤。
(4)造粒されていることを特徴とする前記(1)〜(3)いずれか記載の飲食品用粘度調整剤。
(5)前記(1)〜(4)いずれか記載の調整剤が胃ろう又は嚥下補助剤であることを特徴とする飲食品用粘度調整剤。
(6)pHが2〜5の範囲である及び/又はミネラル成分を70mg/100g以上含む飲食品に使用される前記(1)〜(5)いずれか記載の飲食品用粘度調整剤、
本発明の粘度調整剤を添加した飲食品は、素早く粘度を発現し、pH酸性下でも凝集分離がなく、適切なかたさ、まとまり感のある優れた摂食・嚥下適性を付与することができる。
本発明に用いるスクシノグリカンは、通常食品に使用されるものであって、アグロバクテリウム(Agrobacterium tumefaciences)の培養液から得られる多糖類であり、ガラクトース及びグルコースから誘導される糖単位に加え、コハク酸及びピルビン酸等を含むことが知られている。スクシノグリカンは、特許第3535335号公報、特開平2−79968号公報等にてその製造方法が開示されており、かかる記載により製造されたもの、あるいは一般に入手可能なものを使用することができる。
また、本発明に用いられるスクシノグリカンは、飲食品に添加し、溶解することによって所望する増粘効果を発揮するため、目開き75μmの篩を通過するスクシノグリカン粉末を30%以上含有することが好ましい。スクシノグリカンは水に溶解する多糖類であるが速やかに水和、溶解しにくく、効果を充分に発揮するためには、例えば少量ずつを水に加えながら強力な攪拌を行うか、あるいは溶解性の高い糖類等と混合したものを水に加えながら攪拌するか、あるいは均一な状態になるまで攪拌を続けた後、スクシノグリカンが均一に分散した溶液を加熱して溶解後、冷却する必要がある。このような分散、溶解の調製に手間がかかる問題を解決する手段の一つとして、スクシノグリカン粉末の粒子径を細かく調整することにより、スクシノグリカンの溶解性を高め、スクシノグリカンを添加した食品の物性を速やかに改良することが可能になる。
本発明で用いる目開き75μmの篩を通過するスクシノグリカン粉末を得る方法は、特に限定されるものではないが、スクシノグリカンの一般的な粉末から篩別して得る方法、スクシノグリカン粉末をボールミルや気流粉砕(ジェットミル)等の乾式破砕機、又は液体窒素を利用する凍結粉砕等、スクシノグリカンを微粉末化する方法等が挙げられる。特に、一般的な増粘安定剤の粉末を気流粉砕(ジェットミル)、凍結粉砕等により微粉末化する方法が熱による変性や酸化を起こすことなく、目的とする細かい粒子径の粉末を得やすいため好ましい。本発明における凍結粉砕の条件は、液体窒素を用いて予備冷却を行い、粉砕した粉末が増粘安定剤となる条件であれば良く、粉砕機の種類、形式を限定するものではない。液体窒素を予備冷却として用いる理由としては液体窒素が−196℃の極低温でありこれを冷媒とする場合は、極めて短時間の内に増粘安定剤の凍結が可能であり、凍結による変性がほとんど生じないことの他に、ハンマーミルのような粉砕機を用いた時に発生する衝撃熱が出ることなく、無酸化的な粉砕が可能となる等の利点を有することにあるが、冷却の方式については、浸漬法、散布法等の何れの方法でも良い。また、粉砕温度は、−50℃〜−100℃で行うのが経済性、粉砕効率、粉末の粒子径の面からも良く、粉砕温度が高い場合には、目的とする粒子径75μm以下までの微粉末化が不十分となるため不都合となる。本発明における気流粉砕とは、通称ジェットミルと呼ばれ、粉粒体原料を圧縮した空気あるいは窒素等の不活性ガスによって高速度に加速させ、原料同士あるいは原料を別に設けた衝突板等に衝突させて粉砕させるものである。なお、形式を限定するものではないが、一般的なジェットミルの形式としては、原料を加速し噴射する加速管を対向配置させて原料同士を衝突させる形式のもの、加速管から噴射した原料を衝突板等に衝突させる形式のもの、原料が循環する容器内に加速管を挿入配置させたもの等がある。このような気流粉砕法によれば、粉砕刃や圧縮ロール等による衝撃・剪断・圧縮・摩砕等の機械的な力がかからず、空気を用いるため冷却効果もあり原料の発熱が少なく、増粘安定剤の熱による変性や酸化を起こすことなく、原料の粉砕が可能となる等の利点を有する。本発明におけるスクシノグリカンは、上述のごとく目開き75μmの篩を通過するスクシノグリカン粉末を30%以上含有すれば良いが、粘度発現性が向上する点からより好ましくは40%以上であり、粘度発現性がさらに向上する点から50%以上がより好ましい。
本発明における目開き75μmの篩を通過する割合の測定方法は、目開き75μmの篩上で30秒間振動させた際に篩を通過する割合のことを意味する。
本発明の飲食品用粘度調整剤は、本発明の効果に影響を与えない限りにおいて、必要に応じて、食品あるいは食品添加物を添加することができる。従来から増粘安定剤として使用されているグァーガムや加工でん粉はそれぞれ単独で飲食品に使用した場合、そしゃく・嚥下時のまとまり感は弱いものの、牛乳や流動食といったミネラル成分を多く含む飲食品や酸性飲食品でも素早く粘度を発現し、たんぱく質、ミネラル成分と凝集反応が起こらないことから、スクシノグリカンと併用することによって、本発明の飲食品用粘度調整剤の増粘効果を高めることができる。
また、本発明の飲食品用粘度調整剤は、飲食品への分散溶解性を高めるためにでん粉、糖類、デキストリン等の賦形剤と混合したり、顆粒化等の加工を行うこともできる。ここで賦形剤としては特に限定するものではないが、デキストリン、グルコース、フラクトース、ショ糖、乳糖、マルトース、パラチノース、グァーガム酵素分解物、でん粉等が挙げられるが、分散性の点から、デキストリン、グァーガム分解物が好ましい。さらに好ましくはデキストリンであり、デキストリンはDE=3〜30が好ましく、さらにはDE=5〜25が分散性の点から好ましい。
スクシノグリカン粉末と賦形剤の含量については、分散性向上の点からスクシノグリカン粉末1重量部に対し、賦形剤を0.5重量部以上混合することが好ましく、さらに好ましくはスクシノグリカン粉末1重量部に対して賦形剤1重量部以上混合することが挙げられる。造粒方法は、特に限定するものではないが、転動流動造粒装置、流動層造粒装置等を用いてスクシノグリカン粉末と賦形剤を流動した状態でバインダー溶液を噴霧、粉体同士を結合させて造粒し、顆粒化する方法が挙げられる。容量100mlのメスシリンダー100mlの標線まで振動を与えずに顆粒を投入した際に要する重量が30g以下(かさ比重として0.3g/ml以下)に顆粒化することが好ましく、さらには25g以下(かさ比重0.25g/ml以下)に顆粒化することが飲食品への分散溶解性向上の点から好ましい。
本発明におけるミネラル成分は、特に限定するものではないが、食品中に含まれる成分として原子吸光光度法で測定されるミネラルのことをいう。特に限定するものではないが、1価のミネラルとしてナトリウム、カリウム、2価のミネラルとしてカルシウム、マグネシウムが挙げられる。本発明でのミネラル成分含量は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムの合計を算出し含量とした。
本発明の素早く粘度が発現する状態とは、攪拌する器具を使用しなくても手攪拌で充分に溶解し粘度が発現する状態をいう。本発明の粘度調整剤は、通常の飲食品であれば使用できるものであるが、特にそしゃく・嚥下困難となった患者はそのような機能を求められることになる。すなわち、本発明の飲食品用粘度調整剤は、家庭や施設、病院等のベットサイドで使用することを想定し、攪拌する器具を使用することなく分散溶解し、ミネラル成分やたんぱく質を比較的多く含む飲食品の物性調整が求められる胃ろうや嚥下補助用の粘度調整剤として使用することができる。
本発明の飲食品用粘度調整剤の飲食品への添加量は、飲食品に求められる粘度や成分によって適宜調整することができるが、通常、飲食品に対してスクシノグリカン粉末が0.1〜1.5重量%、好ましくは0.3〜1重量%となるように添加するか、飲食品の粘度が1500mPa・s以上(B型粘度計、20℃、回転速度12rpm、30秒後、No.3ローター)となるように粘度調整剤の添加量を調整して添加することができる。
本発明の粘度調整剤を使用して増粘させる飲食品は、特に限定されるものではないが、液状食品であり、例えば、水、牛乳、乳飲料、乳酸菌飲料、ドリンクヨーグルト、オレンジジュース等の果汁飲料、茶飲料、コーヒー飲料、栄養補給バランス飲料、コンソメやクリーム等の各種スープ類、味噌汁、濃厚流動食、ミキサー食、キザミ食等の特殊食品や治療食、醤油、ソース、ドレッシング等の液状調味料等を挙げることができる。特に本発明の粘度調整剤は、たんぱく質、脂質、ミネラル成分等を比較的多く含有する流動食や牛乳、乳飲料、乳酸菌飲料等の液状食品に好適に使用できる。
また、本発明の飲食品用粘度調整剤には、本発明の効果に悪影響を及ぼさない範囲で、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、レシチン、酵素分解レシチン等の乳化剤、クエン酸、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、コハク酸、コハク酸ナトリウム、酒石酸、酒石酸ナトリウム、酒石酸水素カリウム、乳酸、乳酸ナトリウム、塩酸、塩酸ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、グルコン酸、グルコン酸ナトリウム、グルコン酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の有機酸、無機酸やその塩類を添加することができる。更に、ソルビトール、エリスリトール、キシリトール、マンニトール等の糖アルコール類、スクラロース、アスパルテーム、ステビア、アセスルファムカリウム等の高甘味度甘味料、カテキン、カルニチン、グルコサミン、イソフラボン、コラーゲン等の機能性素材や香料、着色料、調味料を添加することができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定するものではない。
本発明の実施例、比較例では、表1の目開き75μmの篩を通過する割合の異なるスクシノグリカン粉末を顆粒化することで各試験区同等のかさ比重に調整し、サンプルとして使用した。
Figure 2016131508
実施例1
<バインダー溶液の調製>
デキストリン(DE=10)10gを水40gに溶解してバインダー溶液を調製した。
<造粒工程>
スクシノグリカン粉末A70gとデキストリン(DE=10)130gを混合した。混合した粉末を流動層造粒装置(株式会社パウレック社製)でバインダー溶液50gを噴霧し造粒し、かさ比重0.24g/mlの粘度調整剤195g(本願発明品1)を得た。
実施例2
実施例1で用いたスクシノグリカン粉末Aをスクシノグリカン粉末Bに変更する以外は実施例1と同様にして、粘度調整剤193g(本願発明品2)を得た。
実施例3
実施例1で用いたスクシノグリカン粉末Aをスクシノグリカン粉末Cに変更する以外は実施例1と同様にして、粘度調整剤193g(本願発明品3)を得た。
実施例4
実施例1で用いたスクシノグリカン粉末Aを50gに減量し、グァーガム20gを加える以外は実施例1と同様にして、粘度調整剤194g(本願発明品4)を得た。
比較例1
実施例1で用いたスクシノグリカン粉末Aをスクシノグリカン粉末Dに変更する以外は実施例1と同様にして、粘度調整剤195g(比較品1)を得た。
比較例2
実施例1で用いたスクシノグリカン粉末Aをキサンタンガム(目開き75μm篩を通過する割合65%)に変更する以外は実施例1と同様にして、粘度調整剤195g(比較品2)を得た。
比較例3
実施例1で用いたスクシノグリカン粉末Aをグァーガムに変更する以外は実施例1と同様にして、粘度調整剤195g(比較品3)を得た。
試験例1
ミネラル含量の高い飲食品として牛乳、オレンジ果汁、ミネラルバランス飲料、味噌汁、流動食を選択した。原子吸光光度法でナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム含量を測定した結果を表2に示す。それら飲食品に本願発明品1及至3と比較品1を分散溶解して粘度を測定した。
Figure 2016131508
粘度の測定は、低回転ディスパー(特殊機化工工業製)を使用し、800rpmのゆっくりとした攪拌条件で、牛乳、オレンジ果汁、ミネラルバランス飲料、味噌汁、流動食各々97gに対して、本願発明品1及至3と比較品1の各3gを一気に投入し20秒間攪拌を継続した。攪拌終了後、2分時点の粘度をB型粘度計(回転速度12rpm、30秒後、No.3ローター)で測定し、2分粘度とした。また、低回転ディスパーの攪拌条件を2000rpmへ変更し、牛乳、オレンジ果汁、ミネラルバランス飲料、味噌汁、流動食各々97gに対して、本願発明品1及至3と比較品1の各3gを一気に投入し、10分間攪拌を継続した。攪拌終了後、B型粘度計(回転速度12rpm、30秒後、No.3ローター)で粘度を測定し、各サンプルが充分に溶解している粘度を10分粘度とした。飲食品の温度は味噌汁のみ50℃とし、その他は20℃とした。10分粘度に対する2分粘度の割合(%)を算出し、2分粘度の割合(%)が高い場合を粘度発現性が良いと評価した。これらの評価結果を表3〜7に示す。
Figure 2016131508
Figure 2016131508
Figure 2016131508
Figure 2016131508
Figure 2016131508
表3〜7に示すようにスクシノグリカンの内、目開き75μmの篩を通過するスクシノグリカン粉末を30%以上含有する粘度調整剤は、手攪拌を想定したゆっくりとした攪拌条件で飲食品に添加しても素早く所望の粘度を付与することができる。
試験例2
本願発明品1、4と比較品2、3を低回転ディスパー(特殊機化工工業製)を使用し、800rpmのゆっくりとした攪拌条件で、pH3.7に調製された酸性流動食97gに対して、各3gを一気に投入し20秒間攪拌を継続した。攪拌終了後、20℃の恒温水槽に10分間静置して溶液の外観と食感の評価をパネラー5人による官能評価で行った。これらの評価結果を表8に示す。外観は目視による凝集や分離の有無を5段階(1:悪い(多い)、2:やや悪い(やや多い)、3:やや良い(やや少ない)、4:良い(少ない)、5:非常に良い(非常に少ない))、食感は、口腔内でのべたつき感とまとまり感を5段階(1:悪い(多い)、2:やや悪い(多い)、3:やや良い(少ない)、4:良い(少ない)、5:非常に良い(少ない))で評価した。
Figure 2016131508
表8に示すようにスクシノグリカンの内、目開き75μmの篩を通過するスクシノグリカン粉末を30%以上含有する粘度調整剤はミネラル成分が多く、pH3.7の酸性流動食に添加しても凝集や分離が少なく、食感も良好であったが、キサンタンガムを配合した粘度調整剤は酸性流動食中のたんぱく質と凝集反応を起こし、経鼻や胃ろう等の経菅投与ではチューブ内で凝集による詰まりが発生する可能性が示唆されたことと、凝集分離によるべたつき感の悪化やまとまり感の低下が確認された。
本発明の粘度調整剤を添加した飲食品は、素早く粘度を発現し、pH酸性下でも凝集分離がなく、適切なかたさ、まとまり感のある優れた摂食・嚥下適性を付与することができ、産業上の貢献度は非常に高いものである。

Claims (6)

  1. 目開き75μmの篩を30%以上が通過するスクシノグリカン粉末を含有することを特徴とする飲食品用粘度調整剤。
  2. 加工でん粉及び/又はグァーガムを併用することを特徴とする請求項1記載の飲食品用粘度調整剤。
  3. でん粉、デキストリン、糖類からなる群より選択される少なくとも1種の賦形剤を含む請求項1又は2記載の飲食品用粘度調整剤。
  4. 造粒されていることを特徴とする請求項1及至3いずれか記載の飲食品用粘度調整剤。
  5. 請求項1及至4いずれか記載の調整剤が胃ろう又は嚥下補助剤であることを特徴とする飲食品用粘度調整剤。
  6. pHが2〜5の範囲である及び/又はミネラル成分を70mg/100g以上含む飲食品に使用される請求項1及至5いずれか記載の飲食品用粘度調整剤。
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