JP7140663B2 - 凍結乾燥即席スープ類 - Google Patents
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Description
なお、以下においては、特に断らない限り、%は重量%を表す。また、表関係は明細書の末尾に纏めて記載する。
試験1では、スクシノグリカンの含有量と復元後の粘度及び残渣量(溶け残り量)との関係を調べた。以下、試験1について説明する。
試験1に用いた試験例は、試験例1-1A~1-7A及び試験例1-1B~1-7Bである。
このうち、試験例1-1A~1-7Aは、表1に記載の基本配合にさらにスクシノグリカンを配合した凍結乾燥即席クリームシチューである。各試験例へのスクシノグリカンの配合割合は表2に記載のとおりである。
他方、試験例1-1B~1-7Bは、表1に記載の基本配合にさらにスクシノグリカン及び乳化剤を配合した凍結乾燥即席クリームシチューである。ここでは、乳化剤としてポリグリセリン脂肪酸エステル(太陽化学株式会社製 サンソフトQ-175S HLB値4.5)を使用した。各試験例へのスクシノグリカン及び乳化剤の配合割合は表2に記載のとおりである。
以下では、スクシノグリカン又は乳化剤の配合割合を「(スクシノグリカン又は乳化剤の)濃度」ともいう。
まず、ニーダーにバターを投入し、50℃以下の温度でバターが完全に溶けるまで加熱撹拌した。
次いで、小麦粉を投入するとともに、スクシノグリカン及び乳化剤(試験例1-1A~1-7Aについてはスクシノグリカンのみ)を加えて、50℃以下の温度で各原材料が均一になるように加熱撹拌した。
次いで、牛乳を投入し、80℃以下の温度で加熱撹拌した。
牛乳投入後、70℃程度になったら、顆粒コンソメ、白コショウ粉末、オニオンエキスパウダー、酸化防止剤(ビタミンE)を配合し、さらに加熱撹拌しつつ、85℃に達温した段階で加熱を停止した。
全体が完全に固まったら、凍結乾燥釜に入れて常法により凍結乾燥させた。
以上のようにして、試験例1-1A~1-7A及び試験例1-1B~1-7Bを製造した。
以上のようにして得られた試験例1-1A~1-7A及び試験例1-1B~1-7Bについて、復元後の「粘度」及び「残渣量」を測定した。
各試験例をお湯で復元し、スターラーで3分間撹拌してから、18メッシュの篩で篩過し(18メッシュパス)、篩過した液体200mlをトールビーカーに集めて、5分後にその粘度を測定した(単位mPa・s)。
試験例1-1A~1-7A及び試験例1-1B~1-7Bの復元後の「粘度」及び「残渣量」の測定結果は表2のとおりである。
また、表2に示された測定結果をグラフに表すと、図1のとおりである。
なお、表2の「回転速度」欄に記載されている「s62」はB型粘度計のスピンドルの種類を表す(以下、同様)。
また、復元後の残渣量についても、スクシノグリカンの含有割合が固形分換算で1.0~5.0重量%の範囲にある場合は、スクシノグリカンのみを含有したA区よりも、スクシノグリカン及び乳化剤を含有したB区の方が少なかった。
次に、試験2では、配合する乳化剤のHLB値が復元後の粘度及び残渣量にどのように影響するかを調べた。以下、試験2について説明する。
試験2に用いた試験例2-1~2-10は、表1に記載の基本配合にさらにスクシノグリカン及び乳化剤を配合した凍結乾燥即席クリームシチューである。各試験例に配合した乳化剤の製品名、乳化剤の種類及びHLB値については表3に記載のとおりである。
ここで、製品名S-370、S-570、S-1170、S-1570及びP-1670はいずれも三菱ケミカルフーズ株式会社製のシュガーエステルであり、製品名サンソフトQ-1710S、サンソフトQ-175S、サンソフトQ-18D及びサンソフトQ-12Sはいずれも太陽化学株式会社製のポリグリセリン脂肪酸エステルである。また、製品名サンソフトNo.623Mは太陽化学株式会社製の有機酸モノグリセリドである。
なお、試験例2-1~2-10におけるスクシノグリカン及び乳化剤の配合割合はいずれも固形分換算で2.0重量%である。
以上のようにして得られた試験例2-1~2-10について、復元後の「粘度」及び「残渣量」を測定した。「粘度」の意味及び測定方法、並びに「残渣量」の測定方法は試験1と同様である。
試験例2-1~2-10の復元後の「粘度」及び「残渣量」の測定結果は表3に示すとおりである。
また、表3に示された測定結果をグラフに表すと、図2のとおりである。
なお、図2中、「ポリグリエステル」とはポリグリセリン脂肪酸エステルを意味する(以下、同様)。
次に、試験3では、乳化剤の含有量が復元後の粘度及び残渣量にどのように影響するかを調べた。以下、試験3について説明する。
試験3に用いた試験例3-1~3-17(並びに試験例1-3A及び試験例2-5)は、表1に記載の基本配合にさらにスクシノグリカン及び乳化剤を配合した凍結乾燥即席クリームシチューである。各試験例における乳化剤の配合割合、乳化剤の種類及びHLB値は表4に記載のとおりである。また、各試験例におけるスクシノグリカンの配合割合は固形分換算で2.0重量%である。
・試験例3-1~3-8及び試験例1-3Aで使用したポリグリセリン脂肪酸エステル
太陽化学株式会社製 サンソフトQ-175S
・試験例3-9~3-15で使用したシュガーエステル
三菱ケミカルフーズ株式会社製 リョートーシュガーエステルS-570
・試験例3-16,3-17及び試験例2-5で使用したポリグリセリン脂肪酸エステル
太陽化学株式会社製 サンソフトQ-18D
各試験例について、復元後の「粘度」及び「残渣量」を測定した。「粘度」の意味及び測定方法、並びに「残渣量」の測定方法は試験1と同様である。
各試験例の復元後の「粘度」及び「残渣量」の測定結果は表4のとおりである。
また、表4に示された測定結果をグラフに表すと、図3のとおりである。
次に、試験4では、スクシノグリカンを使用した場合の効果と、それに代わる別の増粘多糖類としてキサンタンガムを使用した場合の効果とを比較した。ここでは、スクシノグリカン又はキサンタンガムをそれぞれ使用した凍結乾燥即席クリームシチューを作成し、それらの復元後の粘度及び残渣量を調べた。
上記いずれの場合においても、スクシノグリカン及びキサンタンガムの配合量は固形分換算で1.3重量%、乳化剤の配合量は固形分換算で1.4重量%である。
同じ配合量の場合、スクシノグリカンを配合したものの方がキサンタンガムを配合したものよりも粘度が高かった。
他方、復元後の残渣量については、乳化剤を配合しない場合を除いて、乳化剤を配合したものについては、スクシノグリカンとキサンタンガムとで格別大きな差はなかった。
逆にいえば、スクシノグリカンを配合したものと同程度の粘度を達成するべくキサンタンガムの配合量を増やすと、復元後の残渣量が増えることになると考えられる。
このため、同程度の粘度を得たい場合は、キサンタンガムよりもスクシノグリカンの方が残渣(溶け残り)が少ない点で好ましいといえる。
試験5では、クリームシチューに代えて、乳タンパク及び澱粉を含有したマッシュルームスープについて、スクシノグリカン、キサンタンガム及び乳化剤を配合した場合の効果について試験した。
なお、表5に記載の各原材料の配合割合は、凍結乾燥前のスープベースについて重量部で表したものであり、表6に記載のスクシノグリカン、キサンタンガム及び乳化剤の各配合割合(2.60%)は固形分換算した値(重量%)である。
また、表5中、下の3つの原材料(馬鈴薯澱粉1重量部、加工澱粉0.5重量部、水4部)は、それら以外の原材料を加熱混合した後、投入するものであり、表6中の「後添加の澱粉類」とは、このうちの「馬鈴薯澱粉1重量部」及び「加工澱粉0.5重量部」を指している。
なお、「粘度」の意味及び測定方法並びに「残渣量」の測定方法については試験1と同様である。また、表7の「回転速度」欄に記載されている「s61」はB型粘度計のスピンドルの種類を表す。
また、増粘多糖類を使用する場合は併せて乳化剤を使用する方が粘度が高くなり、特にスクシノグリカン及び乳化剤を配合した試験例5-2では顕著に粘度が高かった(300mPa・s以上)。
Claims (4)
- 乳タンパク及び澱粉を含有した凍結乾燥即席スープ類であって、
さらにスクシノグリカン及び乳化剤を含有しており、
復元時に100mPa・s以上の粘度を有する凍結乾燥即席スープ類。 - 請求項1に記載の凍結乾燥即席スープ類において、
スクシノグリカンの含有量が固形分換算で1.0~5.0重量%である凍結乾燥即席スープ類。 - 請求項1又は2に記載の凍結乾燥即席スープ類において、
乳化剤の含有量が固形分換算でスクシノグリカンの1/3量~3倍量である凍結乾燥即席スープ類。 - 請求項1~3のいずれか1項に記載の凍結乾燥即席スープ類において、
乳化剤のHLB値が4~15である凍結乾燥即席スープ類。
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