JP4781208B2 - 粉末の造粒方法及び易分散・易溶解性顆粒組成物 - Google Patents

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本発明は、粉末の造粒方法に関する。詳細には、水溶性高分子などの粉末の造粒方法に関し、水に分散・溶解する際、スパーテルなどによる手撹拌といった弱い撹拌条件においても、水溶性高分子などの粉末がランピング(ダマ)を起こさずに容易に分散・溶解する粉末の造粒方法に関する。
キサンタンガム、グァーガムなどの水溶性高分子を水ないしは液状食品に粉末のまま分散・溶解させる際に、いわゆるランピングが生じて、液体に粉末が非常に溶解しにくくなることが知られている。ランピングとは、粉末を水溶液中に添加した時、当該粉末の集合体の表面部分だけが水和、溶解し、当該集合体の内部まで水分が移行しないことにより形成されるもので、別名、ママコ、ダマなどと呼ばれている。このようなランピングが起こると、なかなか水に溶解せず、完全に溶解させるには、攪拌強度を上げたり、時間を長くしたりといったことが必要である。
一方、カッパ型及び/又はイオタ型カラギーナンを用いた場合の継粉(ランピング)防止剤としてカルシウムイオンを含有する塩を用いること(特許文献1)、キサンタンガム及びローカストビーンガムを含有する増粘・ゲル化両用組成物であって、グルコン酸カルシウムなどの有機酸塩を含有することにより飲食物に対する分散性を改良できること(特許文献2)が開示されている。同様にして、麦若葉加工物含有組成物において、組成物を任意の形状に成形する目的で、サンゴカルシウムなどの粘性の低い材料が造粒性の改善ならびに水への分散性向上の目的で含まれ得ること(特許文献3)、粉末ゴマの製造方法において、粉末ゴマを顆粒に造粒する際にリン酸三カルシウムなどの流動性改善剤を加えることもできることが開示されている(特許文献4)。
しかし、特許文献1〜4にはカルシウムイオンを含有する塩や有機酸塩を含有する組成物が開示されているものの、カルシウム塩の中でもそれらを含有する溶液をバインダーとして粉末を造粒する方法、その中でも特に塩化カルシウムや乳酸カルシウム、パントテン酸カルシウムといった特定のカルシウム塩をバインダーとして用いることについて一切記載も示唆もされておらず、また、カルシウムイオンを含有する塩を組成物中に含有した場合であっても、粉末のランピング防止効果は十分なものとはいえず更に改良の余地があった。また、カルシウムイオンを含有する塩であっても、サンゴカルシウムやリン酸三カルシウムなどの特定のカルシウム塩以外のカルシウム塩を含有する溶液をバインダーとして粉末を造粒した場合は、調製された顆粒組成物を溶解した際のランピングを防止できるどころか、むしろ顆粒組成物を溶かした際にカルシウム塩が不溶性成分として沈殿するといった問題があった。
一方、従来粉体原料をつなぎ成分(バインダー)によって圧着一体化した顆粒を製造することが行われており、一般に乾燥状態の造粒物を製造する手段として流動層造粒装置などが用いられている。流動層造粒による造粒機構は、流動層内で基材となる粉粒体を流動状態に保ち、この流動層内にバインダー液を噴霧して、粉体同士をバインダーによって凝集させ乾燥して造粒するものである(非特許文献1)。そして、造粒時に使用するバインダー液としては、水を使用したり、またデキストリン等の水溶性分散液を含む水溶液を使用する方法(特許文献5)等がとられているが、造粒後の造粒化粉末を水に溶解した際のランピング(ダマ)防止効果は不十分であり、更なる改良が期待されている。
特許第3795365号公報 特開2000−270792号公報 特開2006−45178号公報 特開2004−212号公報 特開2004−49225号公報 日本粉体工業技術協会編集「造粒ハンドブック」(オーム社、283ページ、1991年3月10日発行
本発明はかかる事情に鑑みて開発されたものであり、粉末、特に水溶性高分子粉末が水中でランピングを起こさず容易に分散・溶解するための粉末の造粒方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、粉末、特には水溶性高分子の造粒時に、塩化カルシウム、乳酸カルシウム、及びパントテン酸カルシウムからなる群から選ばれる1種以上を含有する水溶液をバインダーとして用いることにより、この造粒した粉末造粒品を水に分散・溶解した際、水中でランピングを起こさず、容易に分散・溶解できることを見出して本発明に至った。
本発明は、以下の態様を有する粉末の造粒方法に関する;
項1.塩化カルシウム、乳酸カルシウム、及びパントテン酸カルシウムからなる群から選ばれる1種以上を含有する水溶液をバインダーとして用いることを特徴とする粉末の造粒方法。
項2.粉末が水溶性高分子である、項1に記載の粉末の造粒方法。
項3.項1又は2のいずれかに記載の方法で造粒された易分散・易溶解性顆粒組成物。
本発明の造粒方法により造粒した顆粒状組成物は、水に分散・溶解した際、スパーテルなどによる手撹拌といった弱い撹拌条件においても、ランピングを起こさずに容易に分散・溶解させることができる。
本発明に係る粉末の造粒方法は、塩化カルシウム、乳酸カルシウム、及びパントテン酸カルシウムからなる群から選ばれる1種以上を含有する水溶液をバインダーとして用いることを特徴とする。ここで、塩化カルシウム、乳酸カルシウム、及びパントテン酸カルシウムは無水物・水和物など、特に限定することなく用いることができる。
バインダーとして用いる水溶液中の上記カルシウム塩の添加量としては、塩化カルシウムは、塩化カルシウム無水物として0.1〜40重量%、好ましくは0.5〜20重量%、より好ましくは1〜15重量%となるように用いることが好ましい。ここでカルシウム塩の添加量が0.1重量%未満であると、造粒物(易分散・易溶解性顆粒組成物)を水に分散・溶解した際のランピングが十分に抑制できない場合があるからである。同様にして、バインダーとして用いる水溶液中の乳酸カルシウムは、無水物の添加量として0.1〜6重量%、好ましくは0.5〜5重量%、更に好ましくは1〜5重量%、パントテン酸カルシウムは、無水物の添加量として0.5〜20重量%、好ましくは5〜20重量%、更に好ましくは10〜18重量%となるようにそれぞれ用いることが好ましい。なお、本発明において、塩化カルシウム、乳酸カルシウム、及びパントテン酸カルシウムはそれぞれ単独で用いてもよく、併用して用いることもできる。
なお、バインダーとして用いる塩化カルシウム、乳酸カルシウム、及びパントテン酸カルシウムからなる群から選ばれる1種以上を含有する水溶液は、目的の造粒を行う粉末に対し、5〜50重量%、好ましくは10〜40重量%となるように添加することが好ましい。水溶液の添加量が極端に少ないと造粒が不十分となることがあり、水溶液の添加量が極端に多いと、多量の水分を含むため乾燥に時間がかかるなど、作業性が悪くなる。なお、造粒を行う粉末に対するカルシウム塩の添加量としては、塩化カルシウムが無水物として0.03〜12重量%、好ましくは0.15〜6重量%、乳酸カルシウムが無水物として0.03〜1.8重量%、好ましくは0.15〜1.5重量%、パントテン酸カルシウムが無水物として0.15〜6重量%、好ましくは1.5〜6重量%となるように添加することが好ましい。
また、本発明で用いるバインダーは、本発明の効果を奏する限りにおいて、上述の特定カルシウム塩を含有する以外に、デキストリン、グァーガム、塩化カリウムなどの任意成分を配合することもできる。
本発明で造粒する粉末は、特に粉末状の組成物であれば特に限定されないが、好ましくは、水溶性高分子、更にはゲル化及び/又は増粘する性質を有する水溶性高分子の粉末の造粒に適している。本発明に係る造粒方法をとることにより、特にランピングが多発する水溶性高分子、更にはゲル化及び/又は増粘する性質を有する水溶性高分子のランピングを防止することが可能となり、スパーテルなどによる手撹拌といった弱い撹拌条件においても顕著に水溶性高分子のランピングを防止することが可能となった。
ゲル化及び/又は増粘する性質を有する水溶性高分子の粉末としては、具体的には、キサンタンガム、ガラクトマンナン(グァーガム、ローカストビーンガム、タラガム等)、カラギナン、カシアガム、グルコマンナン、ネイティブ型ジェランガム、脱アシル型ジェランガム、タマリンドシードガム、ペクチン、サイリウムシードガム、ゼラチン、トラガントガム、カラヤガム、アラビアガム、ガティガム、サイリウムシードガム、マクロホモプシスガム、寒天、アルギン酸類(アルギン酸、アルギン酸塩)、カードラン、プルラン、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)等のセルロース誘導体、水溶性ヘミセルロース、大豆多糖類、加工・化工でん粉、未加工でん粉(生でん粉)、デキストリンなどから選ばれる1種又は2種以上を挙げることができる。
中でも、キサンタンガムや、グァーガム、ローカストビーンガム、タラガム等のガラク
トマンナン、寒天、及びカラギナンから選ばれる1種又は2種以上の水溶性高分子粉末を使用することが好ましい。
本発明の造粒方法であるが、前述のバインダーとして用いる水溶液を使用する以外は常法により製造できる。例えば、流動層造粒、転動式造粒、攪拌造粒などがある。本発明では中でも、流動層造粒法により製造するのが好ましい。流動層造粒による製造方法として、以下の方法を例示することができる。例えば、粉体を造粒機にいれ、下方から熱風を送り込むことで、粉体を流動させる。この流動層に前述のバインダー液をノズル噴霧し、粉体表面に均一にバインダー液を付着させ、凝集粒をつくり、これを乾燥させることにより顆粒を製造する方法を挙げることができる。
更に、本発明は、前述の方法により製造された、粉末、特には水溶性高分子粉末のラン
ピングが防止された易分散・易溶解性顆粒組成物に関する。
本発明の易分散・易溶解性顆粒組成物は、少なくとも前記成分を含有するものであればよいが、本発明の効果を奏する限りにおいて、他に任意の成分を配合することもできる。
本発明の易分散・易溶解性顆粒組成物には、食品原材料は無論のこと、効果を妨げない範囲において、他の食品添加物、例えば、L-グルタミン酸ナトリウム、L-アスパラギン酸ナトリウム等のアミノ酸またはその塩、5'-イノシン酸二ナトリウム等の核酸またはその塩、クエン酸一カリウム等の有機酸またはその塩、および塩化カリウム等の無機塩類に代表される調味料;カラシ抽出物、ワサビ抽出物、およびコウジ酸等の日持向上剤;シラコたん白抽出物、ポリリシン、およびソルビン酸、安息香酸等の保存料;α、βアミラーゼ、α、βグルコシダ−ゼ、パパイン等の酵素;クエン酸、フマル酸、コハク酸等のpH調整剤;ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド、レシチン等の乳化剤;香料;β-カロチン、アナトー色素等の着色料:膨張剤;乳清たん白質、大豆たん白質等のたん白質;ショ糖、果糖、還元デンプン糖化物、エリスリトール、キシリトール等の糖類;スクラロース、ソーマチン、アセスルファムカリウム、アスパルテーム等の甘味料;ビタミンA、ビタミンE、ビタミンK等のビタミン類;鉄、カルシウム等のミネラル類等を添加することができる。
例えば、キサンタンガムのような増粘性を示す水溶性高分子粉末を使用して造粒した易分散・易溶解性顆粒組成物を水や既存の液状食品に添加すると、常温の液状食品にも容易に分散・溶解し、短時間に高い粘度を発現する。しかも、保水性に優れ、食塊形成能(口中での食品のまとまりやすさ)がよく、付着性の少ない物性を持った食品とすることができる。即ち、食品に添加する咀嚼・嚥下困難者用補助組成物として、これらの性質は咀嚼・嚥下困難者用食品に要求される食感的および機能的性質を十分に満足するものであり、咀嚼・嚥下困難者用食品に適した易分散・易溶解性顆粒組成物となる。
本発明の易分散・易溶解性顆粒組成物を添加する対象食品として、例えば、水、牛乳、乳飲料、乳酸菌飲料、果汁入り清涼飲料、炭酸飲料、果汁飲料、菜汁飲料、茶飲料、スポーツ飲料、機能性飲料、ビタミン補給飲料、栄養補給バランス飲料、粉末飲料、赤ワイン等の果実酒、コンソメスープ、ポタージュスープ、クリームスープ、中華スープ等の各種スープ、味噌汁、清汁、シチュウ、カレー、グラタンなどのスープ類等の液状の最終食品を挙げることができ、これらに直接添加して増粘させることができる。
更には、各種加工食品の製造時に本発明の易分散・易溶解性顆粒組成物を添加することもできる。例えば、アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイス、シャーベット、氷菓等の冷菓類;カスタードプリン,ミルクプリン及び果汁入りプリン等のプリン類、ゼリー、ババロア及びヨーグルト等のデザート類;チューインガムや風船ガム等のガム類(板ガム、糖衣状粒ガム);マーブルチョコレート等のコーティングチョコレートの他、イチゴチョコレート、ブルーベリーチョコレート及びメロンチョコレート等の風味を付加したチョコレート等のチョコレート類;ソフトキャンディー(キャラメル、ヌガー、グミキャンディー、マシュマロ等を含む)、タフィ等のキャラメル類;ソフトビスケット、ソフトクッキー等の菓子類;セパレートドレッシングやノンオイルドレッシングなどのドレッシング、ケチャップ、たれ、ソースなどのソース類;ストロベリージャム、ブルーベリージャム、マーマレード、リンゴジャム、杏ジャム、プレザーブ等のジャム類;シロップ漬のチェリー、アンズ、リンゴ、イチゴ等の加工用果実;ハム、ソーセージ、焼き豚等の畜肉加工品;魚肉ハム、魚肉ソーセージ、魚肉すり身、蒲鉾、竹輪、はんぺん、薩摩揚げ、伊達巻き、鯨ベーコン等の水産練り製品;うどん、冷麦、そうめん、ソバ、中華そば、スパゲッティ、マカロニ、ビーフン、はるさめ及びワンタン等の麺類;その他、各種総菜及び蒲鉾、麩、田麩等、種々の食品及びこれらの食品を更に加工した、加工食品等も挙げることができる。
また、このような一般食品に加えて、蛋白質・リン・カリウム調整食品、塩分調整食品
、油脂調整食品、整腸作用食品、カルシウム・鉄・ビタミン強化食品、低アレルギー食品
、濃厚流動食、栄養剤(経口、経管用)、ミキサー食、及びキザミ食等の特殊食品や治療食を挙げることができる。
以下、本発明の内容を以下の実施例、比較例等を用いて具体的に説明するが、本発明は
これらに何ら限定されるものではない。また、特に記載のない限り「部」とは、「重量部
」を意味するものとする。文中「*」印のものは、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製、文中「※」印は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の登録商標であることを示す。
実験例1−(1)易分散・易溶解性顆粒組成物の調製
表1に示す処方に従って、水溶性高分子製剤(ビストップ※D−3000−DF−C*、キサンタンガム含有製剤)、デキストリン、カルシウム塩を適宜混合した粉体500gを流動層造粒機に投入し、バインダーとして表1に記載のバインダー液を使用して、流動層造粒を行い易分散・易溶解性顆粒組成物を得た。なお、実施例1と比較例5の易分散・易溶解性顆粒組成物中のカルシウム量は約0.4重量%であり、易分散・易溶解性顆粒組成物(実施例1、比較例1〜5)の粒径はいずれも250〜1000μmに調整した。ここで、実施例1、比較例1〜5では粉末の造粒時間にほぼ差は見られなかった。一方、実施例1と同様にして炭酸カルシウム、及びリン酸三カルシウムを含有する水溶液をバインダーとして用い、実施例1と同カルシウム濃度の易分散・易溶解性顆粒組成物を調製しようとしたが、必要となるバインダーの液量が多くなり造粒に支障が生じ、易分散・易溶解性顆粒組成物を調製できなかった。
Figure 0004781208
実験例1−(2)水への溶解性試験
200mlのビーカーに20℃のイオン交換水各100mlを用意した。そして、各ビーカーに実験例1−(1)で調製した易分散・易溶解性顆粒組成物2g(実施例1、比較例1〜5)を加え、10秒間静置させた後にスパーテルで30秒間攪拌し、攪拌後の溶液の状態を観察した。表2〜表4に攪拌後のランピングの状態を示す。なお、評価は表5の基準に従って行った。
Figure 0004781208
Figure 0004781208
Figure 0004781208
Figure 0004781208
表2〜4より塩化カルシウムをバインダーとして用いて水溶性高分子を造粒した場合、水中に分散・溶解した際にダマがなく、非常に良好な分散性を示す易分散・易溶解性顆粒組成物となった(実施例1)。一方、バインダーとして、同じ塩化物を使用した場合であっても、カルシウム塩ではなくカリウム塩、ナトリウム塩を用いた場合(比較例3、比較例4)や、バインダーとしてイオン交換水、デキストリンを用いた場合(比較例1、比較例2)は水溶性高分子のランピングを防止することができず、易分散・易溶解性顆粒組成物を水中に分散・溶解させた際に多量のダマが生じ、いったん生じたダマは強い攪拌を加えてもなかなか溶解しなかった。更には、同じ塩化カルシウムを用いた場合であっても、単に水溶性高分子と粉体混合した場合は、イオン交換水をバインダーとして造粒して調製した易分散・易溶解性顆粒組成物(比較例5)を水中に溶解した際に生じるランピングを防止することはできなかった。
実験例2 易分散・易溶解性顆粒組成物の調製2
カルシウム塩による違いを見るために、表6に示す処方に従い、それぞれ塩化カルシウム、乳酸カルシウム及びパントテン酸カルシウムを用いて易分散・易溶解性顆粒組成物を調製した(実施例2〜4)。その際に、易分散・易溶解性顆粒組成物に含まれるカルシウム重量が同じになるようにバインダー液を調製した。詳細には、水溶性高分子製剤(ビストップ※D−3000−DF−C*、キサンタンガム含有製剤)30重量%及びデキストリン70重量%を適宜混合した粉体500gを流動層造粒機に投入し、バインダーとして塩化カルシウム、乳酸カルシウム及びパントテン酸カルシウムを使用して、流動層造粒を行い易分散・易溶解性顆粒組成物を得た(実施例2〜4)。なお、比較例としてバインダーにデキストリンを用いて流動層造粒を行い、比較例6の易分散・易溶解性顆粒組成物を調製した。
Figure 0004781208
調製した易分散・易溶解性顆粒組成物(実施例2〜4、比較例6)を、20℃のイオン交換水各100ml中にそれぞれ2g添加し、10秒間静置させた後にスパーテルで30秒間攪拌し、易分散・易溶解性顆粒組成物のダマの発生や分散性について評価を行った。実施例2〜4のいずれの易分散・易溶解性顆粒組成物も、比較例6に比べてダマの発生も少なく良好な分散性を示したが、カルシウム塩の中でも、特に塩化カルシウムをバインダーとして造粒した易分散・易溶解性顆粒組成物(実施例2)が、瞬時に水溶液に溶解し、またダマの発生が生じることなく、顕著に良好な分散性を示した。
本発明により、粉末、特には水溶性高分子がランピングを起こさず水中に容易に分散・溶解することができる粉末の造粒方法を提供する。

Claims (2)

  1. ントテン酸カルシウムを含有する水溶液をバインダーとして用いて流動層造粒を行うことを特徴とする、キサンタンガム、ガラクトマンナン、寒天、及びカラギナンから選ばれる1種又は2種以上の水溶性高分子粉末の造粒方法。
  2. バインダーとして用いる水溶液中のパントテン酸カルシウムの添加量が、無水物として0.5〜20重量%である、請求項1に記載の水溶性高分子粉末の造粒方法。
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