JP6092580B2 - 粉末状植物ステロール組成物およびその製造方法 - Google Patents

粉末状植物ステロール組成物およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、水への分散性が改善された粉末状植物ステロール組成物およびその製造方法に関する。
植物ステロールは、植物に含まれるステロールの総称であり、さまざまな植物に含まれている。植物ステロールには、血中のコレステロール吸収を阻害する作用があることが知られており、その臨床効果について数多くの報告がなされている。また近年、前立腺肥大の症状改善に効果があるなど、機能性食品素材として大いに注目されている素材である。しかしながら、植物ステロールは、高融点(130〜150℃)の物質であり、油、溶剤および水に対する溶解度が極めて低いため、食品用途での利用において汎用性が極めて低い物質である。そのため、従来の植物ステロールは、油に懸濁させて使用するか、あるいは粉砕して粉末状、顆粒状などに成形して使用されてきた。しかし、水系の食品、特に飲料のような水系食品へ応用するには大きな制限を受けるという欠点があった。
植物ステロールの水への分散性を改善する従来技術としては、植物ステロールと、特定のポリグリセリン脂肪酸エステルを必須成分として含有してなる植物ステロール含有組成物(特許文献1)、植物ステロールエステル、オクテニルコハク酸澱粉及び難消化性デキストリンを含有する粉末化植物ステロールエステル製剤(特許文献2)、ステロール、モノグリセリド、及びポリソルベートを特定量含み、その組成物の水中での分散により粒子が生成され、該粒子の粒子が、1μm以下が90%を越えることを特徴とするステロールを含む組成物(特許文献3)、ステロールと、特定の群から選択される天然高分子コロイド形成剤とを特定比率で含有する粉体形状製剤(特許文献4)などが開示されている。しかし、上記従来技術では一長一短があり、より好ましい技術が求められていた。
特開2007−111010号公報 特開2008−143843号公報 特表2005−521397号公報 特表2009−505996号公報
本発明の目的は、水への分散性および水に分散した後の水中での経時的な分散安定性に優れた粉末状植物ステロール組成物を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決する為に鋭意研究を重ねた結果、植物ステロール、乳化剤を用いて粉末状植物ステロール組成物を製造する際、さらにクエン酸を用い、且つ粉末状植物ステロール組成物の平均粒子径を小さくすることにより上記課題を解決すること見出した。本発明者は、これらの知見に基づきさらに研究を重ね、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
[1](A)植物ステロール、(B)HLB値が8以上の乳化剤、(C)クエン酸および/またはその塩を含有し、平均粒子径が60μm以下であることを特徴とする粉末状植物ステロール組成物、
[2]さらに(D)粉末化基材を含有することを特徴とする上記[1]に記載の粉末状植物ステロール組成物、
[3](A)植物ステロール、(B)HLB値が8以上の乳化剤、(C)クエン酸および/またはその塩を含有する水溶液を均質化する工程、均質化した水溶液を乾燥する工程を有し、平均粒子径が60μm以下であることを特徴とする粉末状植物ステロール組成物の製造方法、
[4]上記[1]または[2]に記載の粉末状植物ステロール組成物を含有することを特徴とする飲食品、
[5](A)植物ステロール、(B)HLB値が8以上の乳化剤、(C)クエン酸および/またはその塩を配合し、平均粒子径を60μm以下にすることを特徴とする粉末状植物ステロール組成物の水分散性改善方法、
からなっている。
本発明の粉末状植物ステロール組成物は、水分散性に優れ、該組成物を水に分散した溶液を高温加熱殺菌した後の経時的な分散安定性、および該組成物を酸性水溶液中に分散した溶液の経時的な分散安定性に優れている。
本発明で用いられる(A)植物ステロール(以下、A成分ということもある。)は、一般にフィトステロールと総称される、植物を基原とするステロール類であれば特に制限はなく、例えばカンペステロール、シトステロール、スチグマステロール、イソフコステロール、ブラシカステロール、グラミステロール、シトロスタジェノール、オブツシホリオール、シクロオイカレノール及びシクロアルテノールなどが挙げられる。本発明では、これらステロール類を1種または2種以上を組み合わせて用いても良い。
上記植物ステロールは、細かい粒子状の植物ステロールであることが好ましく、具体的には、植物ステロールの平均粒子径が、好ましくは約1000μm以下であり、より好ましくは約200μm以下であり、さらにより好ましくは約100μm以下である。なお、植物ステロールの前記平均粒子径は、レーザー回折式乾式粒度分布測定装置によって求めることができ、具体的には、レーザー回折式乾式粒度分布測定装置(形式Mastersizer 20000;スペクトリス社製)が挙げられる。
前記細かい粒子状の植物ステロールは、固形状の植物ステロールを公知の方法で細かくすればよく、例えば、乾式粉砕、湿式粉砕などの方法によって細かく粉砕する方法が挙げられる。本発明においては、あらかじめ粉砕された細かい粒子状の植物ステロールを用いても良いし、粉末状植物ステロ―ル組成物を作製する途中で固体状の植物ステロールを粉砕して細かくして用いても良い。
本発明で用いられる(B)HLB値が約8以上の乳化剤(以下、B成分ということもある。)の種類としては特に制限はなく、例えばポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン有機酸脂肪酸エステルなどが挙げられ、本発明では、前記乳化剤を1種または2種以上を組み合わせて用いても良い。
前記乳化剤を構成する脂肪酸は、食用可能な動植物油脂を起源とする脂肪酸であれば特に制限はなく、例えば炭素数6〜24の直鎖の飽和または不飽和脂肪酸が挙げられる。具体的には、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸またはステアリン酸などの飽和脂肪酸、パルミトイル酸、オレイン酸、リノール酸、α−リノレン酸、γ−リノレン酸、アラキドン酸、リシノール酸などの不飽和脂肪酸が挙げられる。
上記乳化剤のHLB値としては、約8以上であるが、好ましくは約8〜16であり、より好ましくは約10〜16である。ここで、HLB値とは、乳化剤(界面活性剤)の水と油(水に不溶性の有機化合物)への親和性の程度を表す値であり、0から20までの値を取る。HLB値が0に近いほど親油性が高く、20に近いほど親水性が高くなる。本発明において、HLB値は下記計算式(アトラス法)で算出される数値である。
HLB値=20×(1−エステルのケン化価/脂肪酸の中和価)
本発明で用いられる(C)クエン酸および/またはその塩(以下、C成分ということもある)は、食用に適したものであれば特に制限はなく、例えば、公知の製造方法で得たものでも、市販で入手したものでもよい。クエン酸の塩としては、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属などが挙げられる。上記C成分の具体例としては、クエン酸、クエン酸二水素ナトリウム、クエン酸水素二ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、クエン酸三ナトリウム二水和物、クエン酸二水素カリウム、クエン酸水素二カリウム、クエン酸カルシウム及びクエン酸マグネシウムなどが挙げられ、好ましくはクエン酸、クエン酸三ナトリウム、クエン酸三ナトリウム二水和物である。本発明では、前記クエン酸および/またはその塩を1種または2種以上を組み合わせて用いても良い。
本発明の粉末状植物ステロール組成物100質量部中に含まれる(A)植物ステロールは、好ましくは約10〜90質量部であり、より好ましくは約10〜80質量部である。植物ステロールの含有量が約10質量部より少ないと、植物ステロールとしての生理作用上の効果が少なくなる場合があり、約90質量部より多いと、均一な分散状態の組成物が得られにくくなる場合がある。
本発明の粉末状植物ステロール組成物100質量部中に含まれる(B)HLB値が約8以上の乳化剤は、好ましくは約1〜30質量部であり、より好ましくは約1〜20質量部である。該乳化剤の配合量が約30質量部より多いと、植物ステロール組成物を飲食物へ添加した際に乳化剤特有の味が飲食品の味へ影響する場合があり、該乳化剤の配合量が1質量部より少ないと、植物ステロール組成物の分散安定性が劣る場合がある。
本発明の粉末状植物ステロール組成物100質量部中に含まれる(C)クエン酸および/またはその塩は、好ましくは約0.01〜5質量部であり、好ましくは0.1〜3質量部である。クエン酸および/またはその塩の配合量が約0.01質量部より少ないと、植物ステロール組成物の水分散性が悪くなる場合があり、約5質量部より多いと、植物ステロール組成物を飲食品へ添加した際にクエン酸および/またはその塩特有の味が飲食品の味へ影響する場合がある。
本発明の粉末状植物ステロール組成物に、さらに(D)粉末化基材を含有するのも本発明の形態の1つである。
本発明に用いられる(D)粉末化基材(以下、D成分ともいう。)は、例えば、白色デキストリン、分岐デキストリン、サイクロデキストリン、クラスターデキストリン、還元デキストリン、アラビアガム、キサンタンガム、トラガントガム、グアガム、ジェランガム、ローカストビーンガム、ペクチン、カラギナン、寒天、化工澱粉、大豆多糖類などの水溶性多糖類などが挙げられ、好ましくは、アラビアガム、化工澱粉である。本発明では、前記粉末化基材を1種または2種以上を組み合わせて用いても良い。
本発明の粉末状植物ステロール組成物100質量部中に含まれる(D)粉末化基材は、好ましくは約5〜88質量部、より好ましくは約5〜50質量部である。粉末基材の配合量が約5質量部より少ないと、植物ステロール組成物の水分散性および経時的な分散安定性が悪くなる場合があり、約88質量部より多いと粉末状植物ステロール組成物を作製する際の作業性が悪くなる場合がある。
本発明の粉末状植物ステロール組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲で、例えば、香料、色素、日持ち向上剤、還元糖類、ブドウ糖果糖などの粉末糖類調味料、ソーマチンやスクラロースなどの高甘味度甘味料、酸および塩などを配合することができる。
本発明の粉末状植物ステロール組成物の平均粒子径は、約60μm以下であって、好ましくは約30μm以下、より好ましくは約1μmを超えて約20μm以下である。該組成物の平均粒子が約60μmを超えると水分散性は良好であるが、水に分散した後の水中での分散安定性が悪くなる場合がある。前記平均粒子径は、粉末状植物ステロール組成物を水に分散した際の平均粒子径を採用することができ、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置によって求めることができる。
本発明の粉末状植物ステロール組成物は、下記の工程を含む製造方法によって得られる。
[工程1](A)植物ステロール、(B)HLB値が8以上の乳化剤、(C)クエン酸および/またはその塩を含有する水溶液を均質化する工程。
[工程2]上記工程1で均質化した水溶液を乾燥する工程。
上記工程1においてA、B、Cの各成分を加える順序に特に制限はないが、例えば、水にB成分、C成分を加えた後に、A成分を加える方法が挙げられる。さらに、水にB成分、C成分を加えた後に撹拌して均質化した後、A成分を加え撹拌することにより、A成分が水溶液中に均一に分散するため好ましい。なお、(D)粉末化基材を配合する場合、工程1で配合することが好ましい。
ここで、工程1の具体例を示す。
B成分、C成分および所望によりD成分を水と混合し、約40〜90℃、好ましくは約60〜80℃に昇温しながら均一に均質化して水相部とする。次いで適当な大きさ、例えば細かい粒子状の植物ステロール(A成分)を水相部へ加えて混合し、均質化した水溶液が得られる。
上記の水相部とA成分を均質化する方法としては、例えば、攪拌羽の周速が750m/分以上の強い剪断力を持つ高速撹拌乳化機であるTKホモミクサー(プライミクス社製)、クレアミキサー(エムテクニック社製)などの高速回転式分散・乳化機や、均質化圧力49MPa以上の高圧式均質化処理機であるAPVゴーリンホモジナイザー(APV社製)、マイクロフルイダイザー(マイクロフルイデックス社製)、アルティマイザー(スギノマシン社製)、ナノマイザー(大和製罐社製)などの均質化処理機、湿式粉砕機などが挙げられる。
上記の水相部とA成分を均質化する方法において、高速回転式分散・乳化機での均質化条件を調整したり、上記した均質化処理機、湿式粉砕機などを用いて、A成分を湿式粉砕して平均粒子径約約60μm以下にすることが好ましい。
上記工程2では、工程1で均質化した水溶液を乾燥するが、その方法は公知の方法を採用することができ、例えば、噴霧乾燥、ドラム乾燥、ベルト乾燥、真空乾燥あるいは真空凍結乾燥などが挙げられ、好ましくは噴霧乾燥である。本発明で使用される噴霧乾燥装置に特に制限はなく、噴射式噴霧乾燥装置または回転円盤式噴霧乾燥装置など公知の装置を使用することができる。
上記噴霧乾燥の操作条件に特に制限は無く、例えば、該組成物を加圧ノズル式噴霧乾燥装置に供給し、熱風入口温度約150〜270℃、排気温度約70〜130℃の条件下で噴霧乾燥し、乾燥物をサイクロンで捕集することにより、水分散性の良い粉末状植物ステロール組成物を得ることができる。
本発明の粉末状植物ステロール組成物は、そのまま摂取、あるいは他の飲食品に添加して摂取することができる。特に水分散性が改善されているため水系の飲食品に添加して用いることが好ましい。粉末状植物ステロール組成物の添加量は、植物ステロールの必要量に合わせて決めれば良い。粉末状植物ステロール組成物を飲食品に添加する方法についても特に限定した方法は無く、任意の方法で添加することが可能であるが、例えば、粉末状植物ステロール組成物をそのまま飲食品に添加する方法、粉末状植物ステロール組成物を水分散させてから飲食品に添加する方法などが挙げられる。
本発明の粉末状植物ステロール組成物を添加する飲食品に特に制限はないが、例えば、豆乳、ビタミン・ミネラル飲料などの飲料;オレンジ果汁、リンゴ果汁、グレープフルーツ果汁などの果汁飲料;果実飲料;コーラ、サイダーなどの炭酸飲料;ビール、酎ハイ、カクテルなどのアルコール飲料;牛乳、乳酸菌飲料などの乳飲料;コーヒー飲料;ウーロン茶飲料、紅茶飲料、緑茶などの茶系飲料;栄養ドリンクなどの健康飲料;健康補助食品;スポーツ飲料などの機能性飲料;パン、ビスケット、クッキー、キャンディー、ゼリーなどのパン・菓子類;ヨーグルト、プリンなどのデザート;ハムなどの乳肉加工食品;味噌、ソース、タレ、ドレッシングなどの調味料;豆腐、麺類などの加工食品;粉末飲料、粉末スープなどの粉末食品;カプセル状、タブレット状、粉末状、顆粒状などにした健康食品などを挙げることができる。本発明の粉末状植物ステロール組成物は、水に分散した際の経時的な分散安定性が優れているため、特に各種飲料、液体調味料などに用いることが可能となる。
以下に本発明を実施例で説明するが、これは本発明を単に説明するだけのものであって、本発明を限定するものではない。
<粉末状植物ステロール組成物の作製1>
(1)原材料
(A成分)
植物ステロール(商品名:理研植物ステロール;理研ビタミン社製 植物ステロール含量90質量%以上、粉末タイプ:平均粒子径100μm)
(B成分)
ポリグリセリン脂肪酸エステル(商品名:ポエムJ−0381V;理研ビタミン社製 デカグリセリンモノオレエート、HLB値14)
ポリソルベート80(商品名:ウイルサーフTF−80;日油社製 脂肪酸の主成分 オレイン酸、HLB値15)
ショ糖脂肪酸エステル1(商品名:リョートーシュガーエステルS−1570;三菱化学フーズ社製 ショ糖ステアリン酸エステル、HLB15)
ショ糖脂肪酸エステル2(商品名:リョートーシュガーエステルS−1170;三菱化学フーズ社製 ショ糖ステアリン酸エステル、HLB11)
(B成分に含まれない乳化剤)
ジグリセリン脂肪酸エステル(商品名:ポエムDO−100V;理研ビタミン社製 ジグリセリンモノオレエート、HLB値7.4)
(C成分)
クエン酸(商品名:クエン酸(結晶);関東化学社製)
クエン酸三ナトリウム(商品名:クエン酸三ナトリウム;関東化学社製)
(D成分)
アラビアガム(商品名:アラビックコールSS;三栄薬品貿易社製)
オクテニルコハク酸澱粉ナトリウム(商品名:ピュリティガムBE;日本エヌエスシー社製)
デキストリン(商品名:パインデックス#2;松谷化学工業社製 DE11.8の澱粉分解物)
(2)粉末状植物ステロール組成物の配合
上記原材料を用いて作製した粉末状植物ステロール組成物の配合組成を表1、2に示した。また、粉末状植物ステロール組成物中の固形分含有比率を表3、4に示す。
Figure 0006092580
Figure 0006092580
Figure 0006092580
Figure 0006092580
(3)粉末状植物ステロール組成物の作製
[実施例1〜4、実施例9〜11、比較例2〜5]の作製
(製造条件1)
3L容ステンレス製ジョッキに、水と上記表1、2に示すA成分以外の原材料を加え70℃まで昇温し、70℃を保持しながらクレアミキサー(形式:CLM−0.8S;エムテクニック社製)で回転数3000rpmで10分間攪拌して均一に分散して水相部とした。次いで、A成分を水相部に加えた後、クレアミキサーを用いて80℃に保持しながら回転数12000rpmで15分間攪拌・均質化して均質化液を得た。得られた均質化液を更にAPVゴーリンホモジナイザー(形式:LAB1000;APV社製)にて150MPaで更に1回処理して均質化した水溶液を得た。
得られた均質化した水溶液を加圧ノズル式噴霧乾燥装置(型式:L−8i;大川原化工機社製)にて、熱風入口温度170℃、排気温度80℃の条件下で噴霧乾燥し、乾燥物をサイクロンで捕集することにより、粉末状植物ステロール組成物(実施例品1〜4、実施例品9〜11、比較例品2〜5)を得た。
なお、得られた粉末状植物ステロール組成物を水に分散した際の平均粒子径は、下記方法によって測定した。結果を表6に示す。
[測定方法]
得られた粉末状植物ステロール1gを水50mLに加えたものを検液とし、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(形式:LA−950;堀場製作所社製)を使用して植物ステロールの平均粒子径を測定した。
[実施例5〜8、実施例12〜15]の作製
(製造条件2)
3L容ステンレス製ジョッキに、水と上記表1に示すA成分以外の原材料を加え70℃まで昇温し、70℃を保持しながらクレアミキサー(形式:CLM−0.8S;エムテクニック社製)で回転数3000rpmで10分間攪拌して均一に分散して水相部とした。次いで、A成分を水相部に加えた後、クレアミキサーを用いて80℃に保持しながら回転数15000rpmで15分間攪拌・均質化して均質化液を得た。得られた均質化液を更にAPVゴーリンホモジナイザー(形式:LAB1000;APV社製)にて170MPaで更に2回処理して均質化した水溶液を得た。
得られた均質化した水溶液を加圧ノズル式噴霧乾燥装置(型式:L−8i;大川原化工機社製)にて、熱風入口温度170℃、排気温度80℃の条件下で噴霧乾燥し、乾燥物をサイクロンで捕集することにより、粉末状植物ステロール組成物(実施例品5〜8、実施例品12〜15)を得た。
なお、得られた粉末状植物ステロール組成物を水に分散した際の平均粒子径は、「(製造条件1)」に記載の方法によって測定した。結果を表6に示す。
[比較例1]の作製
(製造条件3)
3L容ステンレス製ジョッキに、水と上記表2に示すA成分以外の原材料を加え70℃まで昇温し、70℃を保持しながらクレアミキサー(形式:CLM−0.8S;エムテクニック社製)で回転数3000rpmで10分間攪拌して均一に分散して水相部とした。次いで、A成分を水相部に加えた後、クレアミキサーを用いて80℃に保持しながら回転数7000rpmで15分間攪拌・均質化して均質化液を得た。
得られた均質化した水溶液を加圧ノズル式噴霧乾燥装置(型式:L−8i;大川原化工機社製)にて、熱風入口温度170℃、排気温度80℃の条件下で噴霧乾燥し、乾燥物をサイクロンで捕集することにより、粉末状植物ステロール組成物(比較例品1)を得た。
なお、得られた粉末状植物ステロール組成物を水に分散した際の平均粒子径は、「(製造条件1)」に記載の方法によって測定した。結果を表6に示す。
<粉末状植物ステロール組成物の評価>
(1)水分散性の評価
得られた粉末状植物ステロール組成物(実施例品1〜15、比較例品1〜5)を下記方法で水に加え、水分散性、具体的には表面の状態の評価を行った。水分散性の評価は、目視で表5に示す評価基準に従い10名のパネラーで評価した。結果はそれぞれ10名の評価点の平均値として求め、下記基準にて記号化した。結果を表6に示す。
[水への添加方法]
スリーワンモーター(型式:BL−600;HEIDON社製)使用。
攪拌翼の形状:4枚羽根汎用攪拌翼プロペラR
攪拌翼径 :4.8cm
翼段数 :1
攪拌翼の位置:底から1.2cm
500mL容ガラス製ビーカーに水道水(水温:約20℃)350mLを入れ、スリーワンモーターをセットし、300rpmで攪拌しながら、その上に粉末状植物ステロール組成物各7gを 30秒かけて連続的に一定量ずつ投入し、全量投入時を起点として90秒間後の状態を目視にて確認した。
[記号化]
◎: 平均値3.5以上
○: 平均値2.5以上3.5未満
△: 平均値1.5以上2.5未満
×: 平均値1.5未満
Figure 0006092580
Figure 0006092580
結果より、実施例品は、水との馴染みがよく、水表面への浮遊物が少なく水分散性は良好であった。また、A〜C成分を含むが平均粒子径が60μmを超える比較例品1も、水表面への浮きは極わずかであり水分散性は良好であった。
しかし、A〜C成分のいずれかを含まない比較例品(2〜5)は、水との馴染みが悪く、水表面への浮遊物が多く水分散性は悪かった。
(2)加熱されたモデル飲料での分散安定性評価
10%ショ糖水溶液100mLに、得られた粉末状植物ステロール組成物(実施例品1〜15、比較例品1〜5)2gを加え、スリーワンモーター(型式:BL−600;HEIDON社製)を用いて150rpmで1分間攪拌・混合した後、100mL容の透明ガラスレトルト瓶に100mLを入れて密封し、121℃・15分の加熱条件で加熱殺菌処理(レトルト殺菌)した後に室温にて放冷し、試作品1〜20を得た。得られた試作品は、室温(約25℃)にて1か月間保管した。試作品は、製造直後および保管後の分散安定性について、目視で表7に示す評価基準に従い10名のパネラーで評価した。結果はそれぞれ10名の評価点の平均値として求め、下記基準にて記号化した。結果を表8に示す。

[記号化]
◎◎: 平均値4.0
◎ : 平均値3.5以上4.0未満
○ : 平均値2.5以上3.5未満
△ : 平均値1.5以上2.5未満
× : 平均値1.5未満
Figure 0006092580
Figure 0006092580
結果より、実施例品を用いた試作品は、作製直後および常温で1か月間保管してもモデル飲料の液表面の浮遊物および/またはビン底への沈殿物の発生は全く、あるいはほとんどなく、分散安定性が良好であった。特に、平均粒子径が20μm以下である試作品(5〜8)は分散安定性が良好であった。また、平均粒子径が20μmであって、さらにD成分を加えた試作品(12〜15)は、分散安定性が非常に良好であった。
一方、比較例品を用いた試作品は、常温で1か月間保管した際、モデル飲料の液表面の浮遊物および/またはビン底への沈殿物の発生し経時的な分散安定性が悪かった。
(3)酸性モデル飲料での分散安定性評価
市販のオレンジジュース(商品名:Great‐value濃縮還元オレンジ100;西友社製 pH3.8)100mLに、得られた粉末状植物ステロール組成物(実施例品1〜15、比較例品1〜5)2gを加え、スリーワンモーター(型式:BL−600;HEIDON社製)を用いて150rpmで1分間攪拌・混合した後、100mL容の透明ガラスレトルト瓶に100mLを入れて密封し、試作品21〜40を得た。得られた試作品は、室温(約25℃)にて1か月間保管した。試作品は、製造直後および保管後の分散安定性について、「(2)加熱されたモデル飲料での分散安定性評価」と同じ方法で評価、記号化した。結果を表9に示す。
Figure 0006092580
結果より、実施例品を用いた試作品は、作製直後および常温で1か月間保管してもモデル飲料の液表面の浮遊物および/またはビン底への沈殿物の発生は全く、あるいはほとんどなく、分散安定性が良好であった。特に、平均粒子径が20μm以下である試作品(25〜28)は、さらに分散安定性が良好であった。また、平均粒子径が20μmであって、さらにD成分を加えた試作品(32〜35)は、分散安定性が非常に良好であった。
一方、比較例品を用いた試作品は、常温で1か月間保管した際、モデル飲料の液表面の浮遊物および/またはビン底への沈殿物の発生し経時的な分散安定性が悪かった。

Claims (4)

  1. (A)植物ステロール、(B)HLB値が8〜16の乳化剤、(C)クエン酸および/またはその塩、(D)粉末化基材を含有し、(B)HLB値が8〜16の乳化剤が、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル及びグリセリン有機酸脂肪酸エステルから選択される1種または2種以上であり、粉末状植物ステロール組成物100質量部中に(C)クエン酸および/またはその塩を0.01〜5質量部含み、(D)粉末化基材がオクテニルコハク酸澱粉ナトリウムを含み、平均粒子径が60μm以下であることを特徴とする粉末状植物ステロール組成物。
  2. (A)植物ステロール、(B)HLB値が8〜16の乳化剤、(C)クエン酸および/またはその塩、(D)粉末化基材を含有する水溶液を均質化する工程、均質化した水溶液を乾燥する工程を有し、平均粒子径が60μm以下であることを特徴とする、請求項1に記載の粉末状植物ステロール組成物の製造方法。
  3. 請求項1に記載の粉末状植物ステロール組成物を含有することを特徴とする飲食品。
  4. (A)植物ステロール、(B)HLB値が8〜16の乳化剤、(C)クエン酸および/またはその塩、(D)粉末化基材を配合し、平均粒子径を60μm以下にすることを特徴とする粉末状植物ステロール組成物の水分散性改善方法であって、(B)HLB値が8〜16の乳化剤が、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル及びグリセリン有機酸脂肪酸エステルから選択される1種または2種以上であり、粉末状植物ステロール組成物100質量部中に(C)クエン酸および/またはその塩を0.01〜5質量部配合し、(D)粉末化基材がオクテニルコハク酸澱粉ナトリウムを含む、水分散性改善方法。
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