JP2008237051A - 分散安定剤及びその応用 - Google Patents
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Abstract
【課題】液相に対して不溶である固形分及び/又は非混和である液状成分の分散性を向上、安定化させる。また、果汁等の植物成分が凝集、沈殿することなく飲料中に均一に分散し、更にはコク味が付与された植物成分含有飲料を提供する。
【解決手段】分散安定剤として、ピルビン酸含量が1.2質量%以下のキサンタンガムを含有する。液相に対して不溶である固形分及び/又は非混和である液状成分を含有する液相に対して、ピルビン酸含量が1.2質量%以下のキサンタンガムを含有する。植物成分含有飲料中に、ピルビン酸含量が1.2質量%以下のキサンタンガムを含有する。
【選択図】なし
【解決手段】分散安定剤として、ピルビン酸含量が1.2質量%以下のキサンタンガムを含有する。液相に対して不溶である固形分及び/又は非混和である液状成分を含有する液相に対して、ピルビン酸含量が1.2質量%以下のキサンタンガムを含有する。植物成分含有飲料中に、ピルビン酸含量が1.2質量%以下のキサンタンガムを含有する。
【選択図】なし
Description
本発明はピルビン酸含量が1.2質量%以下のキサンタンガムを含有する分散安定剤に関する。詳細には、本発明は、液相に対して不溶である固形分及び/又は非混和である液状成分の分散性を向上、安定化する効果を奏する分散安定剤であって、ピルビン酸含量が1.2質量%以下のキサンタンガムを必須の成分とすることを特徴とする分散安定剤に関する。
本発明の分散安定剤は、液相中に、分散質として不溶性の固形分や非混和性の液状成分を含んでいるが故に該分散質が沈殿、分離し、製品内容物の均質性が問題となる液状製品や液状食品、更には、製造中における液状態(ミックス)での該分散質の沈殿、分離等が問題となる固形食品において有用である。
さらに、本発明はこれらの分散安定剤を含有することにより、固形もしくは液状成分の液体中での分散性が改善され、長時間の放置によっても沈殿もしくは分離を生じず、内容成分の均質性に優れた植物成分含有飲料に関する。
従来、不溶性の固形分や液状成分の液体中における分散性もしくは安定性を向上させるための方法が種々検討されている。例えば、特に食品分野においては、従来から、ドレッシング、スープ、果汁含有飲料などの食品加工品の重大な欠点として、液状態(飲料等の最終製品やミックス等の製造工程中の中間物)において、かき混ぜても該固形粒子が非常に早く沈殿して容器底に溜まり、飲み物が薄く水っぽくなったり、始めと終わりとで均等な成分をもって使用できないことが挙げられていた。このような沈殿や分離を生じている状態では外観も悪く商品価値を大きく損なってしまうことより、かかる問題は流通や長期保存を余儀なくされる市販の商品を開発するために是非とも解決しなくてはならない問題である。
更には、従来より果汁や野菜汁を含有する飲料は広く上市されており、清涼飲料やアルコール飲料など種々の製品が知られている。果汁は、水溶性成分と不溶性成分が混在して濁っているものが一般的であるが、このような果汁を含有する飲料では、繊維質、タンパク質、ペクチン質などのガム質を始めとする不溶性成分の沈殿が起こり、室温下や冷蔵庫による低温での長期間の保管により、これら不溶性成分の沈殿が更に顕著に見られることが問題となっている。これら沈殿の発生を防止するために、混濁していない透明な状態の果汁(清澄果汁)を使用したり、果汁中の不溶性成分の中でもパルプ分を低減した果汁を使用したりすること(特許文献1)が行われている。しかし、これらの方法によると、果汁由来の優れた香味も低減されてしまうと言う欠点がある。
また、何らかの添加剤を添加して飲料にある程度の粘度を付与することで、不溶性成分を分散させる方法もあり、例えば、キサンタンガムなどの多糖類を添加する方法などが検討されている。しかし、キサンタンガムについては、果汁含有飲料に使用するとキサンタンガム自身が果汁成分との反応により凝集を生じ、沈殿してしまうという問題があり、使用することは難しかった。更には、従来、果汁含有飲料にコク味を付与するために、ペクチンを添加することが行われているが、ペクチンで付与するには難しい、更なる濃厚なコク味を付与したいという要望もある。
本発明は、かかる事情に鑑みて開発されたものであり、流通や長期保存においても、液相に対して不溶である固形分及び/又は非混和である液状成分の分散性が改善され、かつ安定に保持することができ、食品加工品に使用しても食感も良好となる分散安定剤を提供することを目的とする。特に、果汁や野菜汁などの植物成分の風味を損なうことなく、更には、凝集することなく植物成分を分散させ、更には濃厚なコク味が付与された植物成分含有飲料を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねていたところ、液相に対して不溶である固形分及び/又は非混和である液状成分の分散性が問題となる液状製品に対して、液相にピルビン酸含量が1.2質量%以下のキサンタンガムを含有することにより、当該不溶性固形分及び/又は非混和液状成分の分散性を向上、安定化させることができることを見いだした。
即ち、本発明は、以下に掲げる分散安定剤及びその応用に関する;
項1.ピルビン酸含量が1.2質量%以下のキサンタンガムを含有することを特徴とする分散安定剤。
項2.液相にピルビン酸含量が1.2質量%以下のキサンタンガムを含有することを特徴とする、液相に対して不溶である固形分及び/又は非混和である液状成分の分散性を向上、安定化する方法。
項3.液相が植物成分含有飲料であり、液相に対して不溶である固形分及び/又は非混和である液状成分が植物成分である、項2に記載の分散性を向上、安定化する方法。
項4.項3により分散性が向上、安定化した植物成分含有飲料。
項1.ピルビン酸含量が1.2質量%以下のキサンタンガムを含有することを特徴とする分散安定剤。
項2.液相にピルビン酸含量が1.2質量%以下のキサンタンガムを含有することを特徴とする、液相に対して不溶である固形分及び/又は非混和である液状成分の分散性を向上、安定化する方法。
項3.液相が植物成分含有飲料であり、液相に対して不溶である固形分及び/又は非混和である液状成分が植物成分である、項2に記載の分散性を向上、安定化する方法。
項4.項3により分散性が向上、安定化した植物成分含有飲料。
本発明により、液相に対して不溶である固形分及び/又は非混和である液状成分の分散性を向上、安定化することができる。更には、果汁などの植物成分が凝集することなく飲料中に均一に分散し、更には濃厚なコク味が付与された植物成分含有飲料を提供できるようになった。
本発明の分散安定剤は、ピルビン酸含量が1.2質量%以下、好ましくは0.3質量%以下のキサンタンガムを含有することを特徴とするものである。本発明で使用するキサンタンガムはピルビン酸含量が低ければ低い程良く、ピルビン酸が全く含まれないものでも構わない。標準のキサンタンガムのピルビン酸含量は1.2質量%より高く6質量%程度の範囲にあるものが一般的であるが、本発明で使用するピルビン酸含量が1.2質量%以下のキサンタンガム(以下、当該キサンタンガムを「低ピルビン酸含量キサンタンガム」と言う)は、標準のキサンタンガムに比べて、冷水溶解での粘度発現が高い、グァーガムやローカストビーンガムなどのガラクトマンナン類やグルコマンナンとの反応性が非常に低く、軟らかくぶよぶよとしたわらび餅風のゲルを形成する、果汁などの植物成分との反応性が極めて低く、凝集が起こらないなどの特徴を有している。このようなキサンタンガムは商業的に入手することができ、例えば三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製のサンエース[商標]LIXなどを挙げることができる。
かかる低ピルビン酸含量キサンタンガムは、液相を分散媒とし固相成分を分散質とする分散系に配合されることにより、固相成分の液相への分散性を高めるとともに、その分散性を安定化させる作用を有し、これにより液状組成物中の固形分の均質性を保持することができる。また、低ピルビン酸含量キサンタンガムは、水相を分散媒とし油相を分散質とする非混和性の液体同士の混和性を高めるとともにそれを安定化する作用を有し、これにより液状組成物の分離を抑え、非混和性液体成分の分散性・均質性を保持することができる。
本発明の分散安定剤は、液相に対して不溶性である固形分の分散性及び液相(水相)に対して非混和である液状成分の分散性を向上、安定化させることができる。当該不溶性固形分としては、野菜・果実等の繊維分、果肉、野菜チップ、果汁・野菜汁などの植物成分;ピーナッツ、アーモンドなどのナッツ類;ゼリー粒、ゼリー片などのゼリー類などが挙げられる。また、液相に対して非混和である液状成分としては、サラダオイル、オリーブオイル、ゴマ油等の油性成分を挙げることができる。
また、一般に水性成分と油性成分とは混和せず、振盪若しくは撹拌して両者を懸濁しても直ちに分離してしまう。これに対して本発明の分散安定剤によれば、水性成分に含まれる各成分の分散性・均一性を安定に保持するとともに、該水性成分にサラダオイル等の油性成分を配合した場合であっても、ホモミキサー等での撹拌又はコロイドミル等での乳化等により、両者を均一に混和せしめ、且つその状態を安定に保持させることが可能となる。従って、本発明の分散安定剤は、油性成分が水性成分に容易に分散・懸濁することを助け、さらに分散・懸濁状態を安定化することによって両成分が速やかに分離してしまうことを防ぐ作用を有するものである。
このように、本発明の分散安定剤が対象とする分散系は、分散媒が液相でありまた分散質が固相もしくは液相であれば特に制限されず、例えば食品加工品、食品加工品用組成物などが挙げられる。より具体的には、食品加工品としては、果汁及び/又は野菜汁などの植物成分を含有する飲料、ゼリー入り飲料;コーンスープ,ポタージュスープ及び卵入りスープ等のスープ、味噌汁;ドレッシング,たれ及びソース等の液体調味料などを挙げることができる。なお、食品の分野だけでなく香粧品分野や工業分野等においても使用しても良い。
これらの分散系に用いられる低ピルビン酸含量キサンタンガムの配合量は、対象の分散系がゲル化しない範囲内であれば特に制限されず、対象となる分散系の種類及び内容成分に応じて適宜選択することができる。液相中の固形分の沈殿の防止及び液状成分同士の混和性の安定化にはいずれも、分散系に対して低ピルビン酸含量キサンタンガムが通常0.01〜1.0質量%、好ましくは0.1〜0.5質量%、より好ましくは0.1〜0.3質量%の範囲で用いられる。
中でも、本発明の分散安定剤は、液相が植物成分含有飲料であり、液相に対して非混和である液状成分が植物成分、好ましくは、混濁果汁及び/又は混濁野菜汁である場合に、特に顕著な分散安定効果を発揮する。
本発明の分散安定剤を使用することで、混濁果汁等の非混和成分が凝集することなく植物成分含有飲料中に均一に分散し、当該非混和成分の沈殿を顕著に抑制することができる。具体的には、本発明の分散安定剤を使用して調製した植物成分含有飲料を、果汁由来のパルプ質や繊維質などの不溶性成分を飲料中95%以上の割合に分散している状態にできる。更には、従来実現し得なかった濃厚なコク味を付与することができるという利点も有する。
植物成分含有飲料中における低ピルビン酸含量キサンタンガムの含有量としては、使用する果汁の種類や配合量によって適宜調整することができるが、例えば、植物成分含有飲料に対して通常0.01〜0.5質量%、好ましくは0.05〜0.3質量%を挙げることができる。含有量が0.01質量%を大きく下回ると果汁由来の不溶性成分の分散力が低くなることがあり、また、0.5質量%を大きく上回ると飲料が増粘しすぎて、飲用しづらくなる場合があるからである。
本発明で言う植物成分含有飲料は、果汁、野菜汁などの植物成分を含有する飲料であれば特に限定されない。植物成分の飲料中の配合割合としては、植物成分の沈殿が問題となる量で有れば特に制限はないが、一般的には、飲料に対し1%以上添加した場合、果汁の沈殿が問題となる場合が多い。また、上限は特になく、果汁100%の飲料であっても本発明の効果を発揮する。
具体的な植物成分含有飲料の例として、果汁入り清涼飲料、果物粒入り果実ジュースなど、果汁の使用割合が10%以上の「果実飲料」などを挙げることができる。その他、日本農林規格及び果実飲料等の表示に関する公正競争規約により定められた果実飲料を挙げることができ、例えば、濃縮果汁、果実ジュース、果実ミックスジュース、粒入り果実ジュース、果実・野菜ミックスジュース、果汁入り飲料などを例示できる。また、スポーツ飲料、栄養ドリンク、ニアウォーターなどに果汁を含有させたものであっても良い。更には、果実酒類、リキュールなどのアルコール飲料のうち、果汁を含有するものも挙げることができる。
更には、密封容器入りである長期保存可能な植物成分含有飲料に好ましく使用される。本発明の植物成分含有飲料は、缶、ビン、ペットボトル、紙パック、ラミネートパック等の密封容器に充填されている飲料であれば良く、密封状態で流通、販売されるものである。また、常温で販売されるものであっても、ホットベンダーで販売されるものであっても、チルド販売されるものであっても良い。
ここで、植物成分とは、果実や野菜等の農作物等の植物体に含まれる食用部位(果実、種実、葉、樹皮、根茎、花弁等)を原料として任意の処理によって得られる成分を広く意味するものであり、例えば上記所望の植物の食用部位から得られる滲出液(樹液など)、または食用部位の搾汁、破砕物(ピューレ、ペースト、細断物)、抽出物(抽出液)などを挙げることができる。特に、混濁果汁及び/又は混濁野菜汁においては沈殿が起こりやすかったが、本発明により顕著に当該成分の沈殿を抑制することができる。
搾汁としては具体的には、ミカン、オレンジ、レモン、ライム、キーライム、シトロン、グレープフルーツ、ブンタン、夏みかん、はっさく、ゆず、すだち、かぼす、キンカン等の柑橘類、リンゴ、ブドウ、モモ、メロン、スイカ、梨、イチゴ、パインアップル、バナナ、漿果類、アンズ、ウメ、サクランボ、グァバ、プルーン、ラズベリー、ブルーベリー、クランベリー、コケモモ(カウベリー)、グミ(シルバーベリー)、桑(マルベリー)、グーズベリー、カーラント、ブラックベリー、ライチ、マンゴー、パパイヤ、パッションフルーツ、スターフルーツ、ドリアン、マンゴスチン等のトロピカルフルーツ、アロニアなどの各種果物の搾汁(果汁);並びにトマト、ニンジン、キャベツ、オニオン、シナモン、モロヘイヤ、ケール、ほうれん草、ブロッコリー、カボチャ、セロリー、パセリ、ネギ、ゴボウ、シイタケ、マツタケ、ミツバ、ハクサイ、豆などの各種野菜の搾汁(野菜汁)を挙げることができる。
これらは1種の果物または野菜の搾汁であってもよいが、2種以上の果物の搾汁の混合液、2種以上の野菜の搾汁の混合液、または1種または2種以上の果物と野菜の搾汁の混合液であってもよい。好ましくは果汁、または果汁を含む野菜の搾汁である。なお、これらの果物や野菜の搾汁は、果実や野菜の破砕物(果肉等)やさのう等の組織や繊維素等の不溶性の固形分を含んでいてもよい。なお、本発明では沈殿を抑制するために混濁していない透明な状態の果汁等(清澄果汁、清澄野菜汁)を敢えて使用する必要がないが、上記混濁果汁等と併用して使用しても良い。
本発明の植物成分含有飲料には、低ピルビン酸含量キサンタンガムに加えて、水溶性ヘミセルロース、HMペクチン、カルボキシメチルセルロース、タマリンドシードガム、ローカストビーンガム及びネイティブ型ジェランガム等から選ばれる1種又は2種以上を併用することにより、果汁などの植物成分の沈殿抑制効果を補足することができる。これら多糖類の添加量としては、果汁の配合量や使用する多糖類の種類により一概には規定することができないが、一般には、植物成分含有飲料に対して、0.01〜1.0質量%、好ましくは、0.1〜0.5質量%となるように調整するのが望ましい。
また、本発明の植物成分含有飲料には、その効果を妨げない範囲において、クエン酸、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、コハク酸、コハク酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム、塩酸、塩化ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、エリソルビン酸ナトリウム、グルコン酸、グルコン酸ナトリウム、グルコン酸カリウム、フィチン酸等の有機酸及び/又はその塩類;アラビアガム、ガティガム、グァーガム、タラガム、ファーセレラン、寒天、グルコマンナン、サイリウムシードガム、マクロホモプシスガム、ゼラチン、脱アシル型ジェランガム、アルギン酸類、トラガントガム、カラヤガム、プルラン、カラギナン、カードラン、ラムザンガム、微結晶セルロース、発酵セルロース、微小繊維状セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの増粘ゲル化剤;生澱粉、化工澱粉、加工澱粉などの澱粉類;ショ糖、果糖、ぶどう糖、麦芽糖、デンプン糖化物、還元デンプン水飴、デキストリン、サイクロデキストリン、トレハロース、黒糖、はちみつ等の糖類;ソルビトール、エリスリトール、キシリトール、マンニトール等の糖アルコール類;スクラロース、アスパルテーム、ステビア、アセスルファムカリウム、ソーマチン、サッカリン等の高甘味度甘味料類;アミノ酸;ミネラル;ビタミン等を添加することができる。
本発明の植物成分含有飲料は、低ピルビン酸含量のキサンタンガムを含有していればよく、植物成分含有飲料に対する低ピルビン酸含量キサンタンガムの添加方法は、従来公知の方法をとることができる。例えば、当該キサンタンガムを含む安定剤を予め水に溶解してから、他の原料と合わせても良いし、粉体で水に混合しても良い。具体的には、湯又は水に前記キサンタンガムを含む安定剤を粉体及び液状等の形態で投入し、撹拌溶解した後に、果汁成分、糖液、色素、香料等を添加し、殺菌処理後、缶、ビン、ペットボトル、紙パック、ラミネートパック等の密封容器に充填することにより、製造することが出来る。
尚、殺菌処理は、殺菌条件や殺菌装置等によって特に制限されず、一般的に使用される殺菌条件が広く採用できる。通常はプレート殺菌が用いられるが、特にこれに限定されず、バッチ殺菌、レトルト殺菌、オートクレーブ殺菌等、食品に採用される種々の殺菌処理を挙げることができる。
以下、本発明の内容を以下の実施例、比較例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。特に記載のない限り「部」とは、「重量部」を意味するものとする。文中「*」印のものは、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製、文中「※」印は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の登録商標であることを示す。
また、本発明では「低ピルビン酸含量キサンタンガム」として、サンエース※LIX(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製;ピルビン酸含量0.3%以下)を使用し、標準キサンタンガムとして、サンエース※(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製;ピルビン酸を2%より多く6%以下の量含む)を使用した
実験例1:柑橘果汁飲料の調製
実験例1:柑橘果汁飲料の調製
(1)キサンタンガム水溶液の調製
低ピルビン酸含量キサンタンガムを80℃のイオン交換水にて10分間攪拌溶解し、0.5wt%の低ピルビン酸含量キサンタンガム水溶液を調製した。また、標準キサンタンガムも同様に0.5wt%標準キサンタンガム水溶液を調製した。
低ピルビン酸含量キサンタンガムを80℃のイオン交換水にて10分間攪拌溶解し、0.5wt%の低ピルビン酸含量キサンタンガム水溶液を調製した。また、標準キサンタンガムも同様に0.5wt%標準キサンタンガム水溶液を調製した。
(2)果汁飲料の調製
(1)で調製した各キサンタンガム水溶液と果汁を混合した後、水、砂糖、クエン酸三ナトリウムを加え、50%クエン酸にてpH3.8に調整し柑橘果汁飲料を調製した。得られた果汁飲料を10℃にまで冷却し、溶液の粘度(BL形回転粘度計、回転数60rpm)を測定した。また、溶液中への果汁の分散の程度を評価した。結果を併せて表1に示す。
(1)で調製した各キサンタンガム水溶液と果汁を混合した後、水、砂糖、クエン酸三ナトリウムを加え、50%クエン酸にてpH3.8に調整し柑橘果汁飲料を調製した。得られた果汁飲料を10℃にまで冷却し、溶液の粘度(BL形回転粘度計、回転数60rpm)を測定した。また、溶液中への果汁の分散の程度を評価した。結果を併せて表1に示す。
表1より、低ピルビン酸含量キサンタンガムを使用した実施例1〜2の溶液は果汁の凝集・沈殿が生じることなく、安定に分散していたのに対し、標準キサンタンガムを使用した比較例1〜2の溶液は、果汁の凝集・沈殿が起こり、安定に分散させることはできなかった。更には、実施例2の溶液は適度な粘度が付与されたことにより、飲料に応用した場合、濃厚なコク味を付与できることが期待される。
実施例3:ピーチ果汁飲料
下記表2に掲げる処方のうち、0.5wt%低ピルビン酸含量キサンタンガム水溶液に果汁、水、砂糖、クエン酸三ナトリウムを加え、撹拌混合した後、50%クエン酸にてpH3.8に調整しピーチ果汁飲料を調製した。得られた果汁飲料は、24時間静置した後も果汁の沈殿は生じず、パルプ成分の分散性が安定に保持された。
下記表2に掲げる処方のうち、0.5wt%低ピルビン酸含量キサンタンガム水溶液に果汁、水、砂糖、クエン酸三ナトリウムを加え、撹拌混合した後、50%クエン酸にてpH3.8に調整しピーチ果汁飲料を調製した。得られた果汁飲料は、24時間静置した後も果汁の沈殿は生じず、パルプ成分の分散性が安定に保持された。
実施例4:マンゴー果汁飲料
下記表3に掲げる処方のうち、0.5wt%低ピルビン酸含量キサンタンガム水溶液に果汁、水、砂糖、クエン酸三ナトリウムを加え、撹拌混合した後、50%クエン酸にてpH3.8に調整しマンゴー果汁飲料を調製した。得られた果汁飲料は、24時間静置した後も果汁の沈殿は生じず、パルプ成分の分散性が安定に保持された。
下記表3に掲げる処方のうち、0.5wt%低ピルビン酸含量キサンタンガム水溶液に果汁、水、砂糖、クエン酸三ナトリウムを加え、撹拌混合した後、50%クエン酸にてpH3.8に調整しマンゴー果汁飲料を調製した。得られた果汁飲料は、24時間静置した後も果汁の沈殿は生じず、パルプ成分の分散性が安定に保持された。
実施例5:ノンオイルドレッシング
下記表4に掲げる処方のうち、予め果糖ブドウ糖液糖に分散させた低ピルビン酸含量キサンタンガムを、80℃に加温した水に添加し、プロペラ式攪拌機を用いて10分間攪拌した。これにリンゴ酢、レモン果汁、醸造酢、食塩、L-グルタミン酸ナトリウム、調味料、およびDL-リンゴ酸を加え、80℃で更に5分間攪拌した。香料、香味料およびバジルチップを添加し、水で重量補正した後、90℃達温で加温を止め、ホットパック充填しノンオイルドレッシングを調製した。適度な濃厚感を付与して、長時間バジルをドレッシング中に分散することができた。
下記表4に掲げる処方のうち、予め果糖ブドウ糖液糖に分散させた低ピルビン酸含量キサンタンガムを、80℃に加温した水に添加し、プロペラ式攪拌機を用いて10分間攪拌した。これにリンゴ酢、レモン果汁、醸造酢、食塩、L-グルタミン酸ナトリウム、調味料、およびDL-リンゴ酸を加え、80℃で更に5分間攪拌した。香料、香味料およびバジルチップを添加し、水で重量補正した後、90℃達温で加温を止め、ホットパック充填しノンオイルドレッシングを調製した。適度な濃厚感を付与して、長時間バジルをドレッシング中に分散することができた。
実施例6:分離型ドレッシング
下記表5に掲げる処方のうち、水および果糖ブドウ糖液糖に低ピルビン酸含量キサンタンガムを添加し、プロペラ式攪拌機を用いて80℃で10分間攪拌した。残りの全原料を添加し、80℃で更に5分間攪拌した。水で重量を補正後、同量のサラダ油と混合し、分離型ドレッシングを調製した。本実施例のドレッシングは水相部と油相部の混和性が良好であり、容器を振ることで水相部と油相部が擬似乳化し、乳化状態が長時間維持されたものとなった。
下記表5に掲げる処方のうち、水および果糖ブドウ糖液糖に低ピルビン酸含量キサンタンガムを添加し、プロペラ式攪拌機を用いて80℃で10分間攪拌した。残りの全原料を添加し、80℃で更に5分間攪拌した。水で重量を補正後、同量のサラダ油と混合し、分離型ドレッシングを調製した。本実施例のドレッシングは水相部と油相部の混和性が良好であり、容器を振ることで水相部と油相部が擬似乳化し、乳化状態が長時間維持されたものとなった。
実施例7:焼肉のたれ
下記表6に掲げる処方のうち、水に低ピルビン酸含量キサンタンガムを添加し、プロペラ式
攪拌機を用いて80℃で10分間攪拌した後、残りの全原料を添加し、90℃になるまで更に攪拌した。水で重量補正した後、ホットパック充填して、焼肉のたれを調製した。本実施例の焼肉のたれは、たれの保形性が向上するとともに長時間胡麻を分散させることができた。
下記表6に掲げる処方のうち、水に低ピルビン酸含量キサンタンガムを添加し、プロペラ式
攪拌機を用いて80℃で10分間攪拌した後、残りの全原料を添加し、90℃になるまで更に攪拌した。水で重量補正した後、ホットパック充填して、焼肉のたれを調製した。本実施例の焼肉のたれは、たれの保形性が向上するとともに長時間胡麻を分散させることができた。
本発明により、液相に対して不溶である固形分及び/又は非混和である液状成分の分散性を向上、安定化することができる。また、果汁等の植物成分が凝集、沈殿することなく飲料中に均一に分散し、更にはコク味が付与された植物成分含有飲料を提供できる。
Claims (4)
- ピルビン酸含量が1.2質量%以下のキサンタンガムを含有することを特徴とする分散安定剤。
- 液相にピルビン酸含量が1.2質量%以下のキサンタンガムを含有することを特徴とする、液相に対して不溶である固形分及び/又は非混和である液状成分の分散性を向上、安定化する方法。
- 液相が植物成分含有飲料であり、液相に対して非混和である液状成分が植物成分である、請求項2に記載の分散性を向上、安定化する方法。
- 請求項3により分散性が向上、安定化した植物成分含有飲料。
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