JP6813309B2 - ウェランガムを含有する可食性組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、ウェランガムを含有する可食性組成物に関する。
従来、食品の品質改良、例えば、増粘性、ゲル化性、安定性、分散性、乳化性、起泡性等の物性を改良したり、食物繊維の機能を強化したりする目的で、種々の食品ハイドロコロイドが使用されている。食品ハイドロコロイドとは、水を分散媒体として食品中に存在するたんぱく質、多糖類及び乳化剤のことを指す。食品ハイドロコロイドは種々の物性を有し、それ自身が食品素材として有用なだけでなく、他の食品に少量添加することで食品の物性や機能性を改良する作用がある。食品のおいしさを支配する要因の一つである食感(テクスチャー)と食品物性の間には密接な関係があり、食品物性を制御することができる食品ハイドロコロイドはテクスチャーモディファイアーとも呼ばれている。最近では、嚥下食のかたさや喉越しを改良する目的でも食品ハイドロコロイドが汎用されており、その使用用途は拡大している。
食品ハイドロコロイドのうち多糖類は、種々の起源のものがあり、その機能も多種多様である。多糖類の起源としては、種子、根茎、樹液、果実、海藻、微生物等があり、それぞれ代表的な物質として、種子では例えばグァーガム、タラガム、ローカストビーンガム、水溶性ヘミセルロース、タマリンドシードガム、サイリウムシードガム等が、根茎では例えばコンニャク粉、グルコマンナン、澱粉等が、樹液では例えばアラビアガム、トラガントガム、カラヤガム、ガティガム等が、果実では例えばペクチン等が、海藻では例えば寒天、カラギナン、アルギン酸、アルギン酸塩等が、微生物では例えばキサンタンガム、ジェランガム、プルラン、カードラン等を挙げることができる。
また、複雑化するニーズに応えるために、可食性組成物の物性や食感の多様性が求められている。この要望に応えるための方法として、機能性が異なる複数の食品ハイドロコロイドを併用し、相補的・相乗的効果により解決する方法が考えられている。例えば、キサンタンガムとグァーガム、キサンタンガムとローカストビーンガム、キサンタンガムとグルコマンナン等の組み合わせによる、増粘やゲル化の効果(非特許文献1)が知られている。しかしながら、多様化する食品市場のニーズに応えるために、新規の食品ハイドロコロイドが求められている。
ウェランガムは、インキ組成物、コンクリート・セメント系材料、未加硫ゴム用材料、化粧組成物としての用途が知られているが、可食性組成物に用いることにより発揮される物性及び機能性の向上や改良についての検討はほとんどなされていない。
食品多糖類 乳化・増粘・ゲル化の知識 岡崎直道、佐野征男、幸書房(2001)
従来、食品ハイドロコロイドとして広く使用されてきた多糖類、例えばキサンタンガムやグァーガム等の多糖類は、温度が高くなると粘度が大きく低下し、逆に温度が低くなると粘度が大きく上昇するという性質がある。したがって、そのような多糖類を使用して調製された可食性組成物は、冷やしたり、温めたりした際に、物性や食感が大きく変動するという問題がある。さらには、冷却・加温された可食性組成物の温度が喫食中に室温に近づくに従い、その物性や食感が喫食中に大きく変動するという問題もある。
また、介護食や嚥下食等の食品群においては、喫食中の温度変化によって物性や食感が変動すると、容易に咀嚼・嚥下が可能であるという前記食品群の機能性にも影響が及んでしまう。
本発明は、かかる事情に鑑みて開発されたものであり、多糖類を使用して可食性組成物の物性や食感を調整した場合であっても、温度に依存してその物性や食感が大きく変動することなく、安定した物性や食感を有する可食性組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討していたところ、ウェランガムを使用することで、可食性組成物の物性や食感を調整した場合であっても、温度に依存してその物性や食感が大きく変動することがなく、安定した物性や食感を有する可食性組成物を提供することができることを見出し、本発明に至った。
本発明は、ウェランガムを含有する可食性組成物に関する。詳細は以下のとおりである。
項1.下記式(1)で表される物性値Xが0.45〜1.5である可食性組成物であり、
ウェランガムを含有することを特徴とする可食性組成物;
X=Z/Y ・・・式(1)
(ここで、YはB型回転粘度計を用い、20℃、1分間、12rpmの条件下で測定した前記可食性組成物の粘度数値(mPa・s)であり、
ZはB型回転粘度計を用い、60℃、1分間、12rpmの条件下で測定した前記可食性組成物の粘度数値(mPa・s)である)。
項2.下記式(1)で表される物性値Xが0.45〜1.5である可食性組成物を調製するための可食性組成物用添加剤であり、
ウェランガムを含有することを特徴とする可食性組成物用添加剤;
X=Z/Y ・・・式(1)
(ここで、YはB型回転粘度計を用い、20℃、1分間、12rpmの条件下で測定した前記可食性組成物の粘度数値(mPa・s)であり、
ZはB型回転粘度計を用い、60℃、1分間、12rpmの条件下で測定した前記可食性組成物の粘度数値(mPa・s)である)。
本発明によれば、ウェランガムを使用することで、温度に依存して大きく物性や食感が変動することなく、安定した物性や食感を有する可食性組成物を提供することができる。
(i)可食性組成物、及びその製造方法
本発明の可食性組成物は、ウェランガムを含有することを特徴とする。
本発明で使用するウェランガムは、スフィンゴモナス属細菌(Sphingomonas sp.)の培養液から得られた多糖類を主成分とするものである。簡便には、一般に流通している市販製品を利用することが可能であり、具体的には三栄源エフ・エフ・アイ株式会社のビストップW等が例示できる。
本発明の可食性組成物は、水性食品にウェランガムを含有させることで調製することができる。水性食品は、水であるか、又は水分含量が通常50質量%以上、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上の食品である。水分含量が50質量%よりも少ない場合は、50質量%以上になるように水を添加するなどして、水分含量を調整することが望ましい。
水性食品の具体例としては、水(ミネラルウォーターを含む)、清涼飲料(例えば、茶系飲料、果実飲料、野菜飲料、コーヒー飲料、ココア飲料、スポーツ飲料、炭酸飲料、乳性飲料、豆乳及び豆乳飲料、スポーツ飲料等)、乳製品(例えば、牛乳、乳酸菌飲料等)等の飲料;スープ、味噌汁、汁粉、甘酒等の汁物;カレーソース、シチューソース、デミグラスソース、ハヤシソース、ホワイトソース、トマトソース、あんかけ、カスタードソース、タレ等の調味ソース;菓子(ペースト状及びジェル状の菓子、並びに菓子を流動状に調製したもの[ミキサー食、ペースト食、及び離乳食]を含む。);栄養補助飲食品(ペースト状及びジェル状の栄養補助飲食品、栄養補助飲食品を流動状に調製したもの[ミキサー食、ペースト食、及び離乳食]を含む);主食(例えば、米飯食品、麺類、パン類等、主食を流動状に調製したもの[ミキサー食、ペースト食、及び離乳食]を含む。)及び総菜(総菜を流動状に調製したもの[ミキサー食、ペースト食、及び離乳食]を含む);介護食、嚥下食、濃厚流動食;経腸栄養剤(経口投与又は経口摂取されるもの)等を挙げることができる。
また、上記の水性食品は、ゼリー、プリン、ババロア、ムース、ハードヨーグルト、ドリンクゼリー、ゼリー寄せ、ゲル状調味料等のゲル状食品;ハンバーグ、つくね等の畜肉水産加工食品等の固形状食品を含む。
本発明の可食性組成物におけるウェランガムの含量としては、水性食品の種類や水分含量、目的や用途に応じて適宜調整することができるが、通常0.001〜2質量%、好ましくは0.005〜1質量%、より好ましくは0.01〜0.5質量%の範囲が挙げられる。0.01質量%より低い、又は2質量%より多いと、後述する所定の物性値を有する可食性組成物を調製できない場合がある。
本発明の可食性組成物は、水性食品にウェランガムを添加することにより、又は水性食品の製造過程においてウェランガムを添加することにより、調製することができる。好ましくは、本発明の可食性組成物は、ウェランガムを添加後、撹拌混合することで調製することができる。本発明の可食性組成物が固形状である場合は、製造過程においてウェランガムを添加し、撹拌混合した後、冷却や加熱等の固化工程を経ることで固形状に調製することができる。撹拌混合する方法は特に制限されず、箸、スプーン又はフォークを使用して撹拌混合してもよく、家庭用ミキサー、フードプロセッサー、ハンドミキサー、ブレンダー、クッキングカッター、プロペラ撹拌機等の撹拌器具を使用して撹拌混合してもよい。また、蓋付きの密封容器に入れて振とうすることにより撹拌混合してもよい。
なお、ウェランガムは粉末状又は顆粒状のものを使用でき、水性溶媒に溶解させてから使用してもよい。
かくして調製される本発明の可食性組成物は、所定の物性値を有する。具体的には、下記式(1)で表される物性値Xが0.45〜1.5であり、好ましくは0.5〜1.5、より好ましくは0.6〜1.4、さらに好ましくは0.8〜1.3である。
X=Z/Y ・・・式(1)
ここで、Yは可食性組成物の20℃における粘度(mPa・s)であり、Zは可食性組成物の60℃における粘度数値(mPa・s)である。
本発明において粘度数値(mPa・s)は、具体的には、B型回転粘度計を用い、20℃又は60℃、1分間、12rpmの条件下で、可食性組成物の粘度を測定することにより算出する。
本発明によれば、可食性組成物にウェランガムを含有させることにより、可食性組成物を増粘させた場合であっても、温度に依存して粘度が大きく低下したり上昇したりする現象が抑制される。そのため、20℃と60℃における粘度数値により求められる上記物性値Xが0.45〜1.5、好ましくは0.5〜1.5、より好ましくは0.6〜1.4、さらに好ましくは0.8〜1.3という範囲である、特徴的な物性を有する可食性組成物を得ることができる。
なお、本発明の可食性組成物が固形状である場合は、当該可食性組成物を14メッシュ(目開き1.18mm)の篩に通した後に、上記の方法により粘度を測定し、その数値を適用する。メッシュを通過させることで、固形状の可食性組成物を咀嚼した時の状態を擬似し、これにより咀嚼物の物性や食感を評価することができる。
本発明によれば、固形状の可食性組成物にウェランガムを含有させることにより、咀嚼時の当該可食性組成物の粘度が、温度に依存して大きく低下したり上昇したりする現象が抑制される。
かかる本発明の可食性組成物は、温度に依存して物性や食感が大きく変動することが抑制されるため、安定した物性及び食感を有する。したがって本発明は、特に加温して喫食される可食性組成物に有用である。
本発明によれば、冷やしたり温めたりして可食性組成物の温度を変化させた場合であっても、その物性や食感が大きく変動することが抑制される。また、冷却・加温された可食性組成物の温度が喫食中に室温に近づくに従い、その物性や食感が喫食中に大きく変動することが抑制される。したがって、温度変化による物性や食感の変動を気にせずに可食性組成物を喫食することができる。
(ii)可食性組成物用添加剤
本発明はまた、上記(i)で使用するウェランガムに代えて、ウェランガムを含有する可食性組成物用添加剤(以下、単に「本発明の添加剤」という)を使用することができる。
本発明の添加剤に含まれるウェランガムの割合は、添加剤の形態によっても異なるが、例えば添加剤の形態が粉末、顆粒又は錠剤などの固体形態である場合、通常1〜100質量%の範囲から適宜設定することができる。また、添加剤の形態がペースト状又は液体状形態である場合、通常0.01〜50質量%の範囲から適宜設定することができる。
本発明の添加剤は、ウェランガムに加えて、本発明の効果を妨げない範囲で、任意の可食成分を含有することができる。
かかる任意の可食成分としては、例えば、増粘多糖類、金属塩、賦形剤、有機酸、着色料、アミノ酸(例えば、グリシン、アルギニン、リジン、アラニン、グルタミン酸、ヒスチジン、スレオニン、アスパラギン、アスパラギン酸、フェニルアラニン、ロイシン、バリン、セリン、チロシン、イソロイシン、メチオニン等)、栄養素(例えば、ビタミン類、ミネラル等)、抗酸化剤、保存料、抗菌剤、静菌剤、植物抽出物(例えば、茶抽出物、コーヒー抽出物、ココア抽出物等)、果汁(例えば、オレンジ、グレープ、アップル、ピーチ、パイナップル、トマト、イチゴ等)、甘味料(例えば、ショ糖、異性化糖、乳糖、麦芽糖、ブドウ糖、果糖、転化糖、水あめ、粉末水あめ、還元麦芽水あめ、蜂蜜、トレハロース、パラチノース、D−キシロース等の糖類;キシリトール、ソルビトール、マルチトール、エリスリトール等の糖アルコール類;サッカリンナトリウム、サイクラメート及びその塩、アセサルファムカリウム、ソーマチン、アスパルテーム、スクラロース、アリテーム、ネオテーム、ステビア抽出物(例えば、ステビオサイド等)、ラカンカ抽出物(例えば、モグロシド等)、アドバンテーム等の高甘味度甘味料等)、及び香料等が挙げられる。
増粘多糖類は、可食性組成物に対する増粘性を調整する場合に用いられ、ウェランガム以外の増粘多糖類を適宜使用することができる。かかる増粘多糖類としては、例えば、キサンタンガム、ガラクトマンナン(例えば、ローカストビーンガム、グァーガム、タラガム等)、脱アシル型ジェランガム、ネイティブ型ジェランガム、カラギナン(例えば、カッパ型、イオタ型、ラムダ型等)、タマリンドシードガム、グルコマンナン、サイリウムシードガム、マクロホモプシスガム、寒天、ゼラチン、ペクチン(例えば、HMペクチン、LMペクチン等)、アルギン酸、アルギン酸塩(例えば、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸カルシウム等)、プルラン、カードラン、トラガントガム、ガティガム、アラビアガム、アラビノガラクタン、カラヤガム、ファーセレラン、キチン、セルロース類(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、発酵セルロース、結晶セルロース等)、デンプン類(例えば、デンプン、カルボキシメチルスターチナトリウム、カルボキシメチルスターチ、ヒドロキシプロピルスターチ、α化デンプン、リン酸架橋デンプン、オクテニルコハク酸デンプン、酢酸デンプン等)、デキストリン類(例えば、ポリデキストロース、難消化性デキストリン等)及び大豆多糖類等を挙げることができる。
金属塩は、増粘多糖類の溶解性を向上させる場合等に用いられる。金属塩の種類は可食性のものであれば特に制限されないが、好ましくはナトリウム塩(例えば、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム等)、カリウム塩(例えば、塩化カリウム、クエン酸カリウム等)、カルシウム塩(例えば、塩化カルシウム、クエン酸カルシウム等)、マグネシウム塩(例えば、塩化マグネシウム等)等を挙げることができる。かかる金属塩を用いる場合、本発明の添加剤に配合する可食性金属塩の割合は、添加剤の形態によっても異なるが、例えば粉末、顆粒又は錠剤などの固体形態である場合、通常0.1〜10質量%の範囲を例示することができる。
賦形剤は、増粘多糖類の溶解性を向上させる場合等に用いられる。賦形剤の種類は制限されないものの、例えば、単糖類(例えば、グルコース、ガラクトース、フルクトース等)、二糖類(例えば、ショ糖、乳糖、麦芽糖、トレハロース等)、糖アルコール(例えば、キシリトール、ソルビトール等)、オリゴ糖、澱粉分解物(例えば、デキストリン、粉飴等)等を挙げることができる。好ましくはデキストリンや粉飴等の澱粉分解物、及び乳糖等の二糖類であり、より好ましくは、味に影響を与えないものであり、例えばデキストリンを挙げることができる。
本発明の添加剤は、少なくともウェランガムを含有していれば、その形態は問わない。例えば、固体状、ペースト状、及び液体状等を挙げることができる。好ましくは粉末状、顆粒状、錠剤状等の固体状又は液体状であり、より好ましくは、水への溶解性に優れる点から粉末状又は顆粒状である。
本発明の添加剤は、その形態に応じて常法に従って調製することができる。例えば、粉末状の添加剤は、ウェランガム及びその他の任意成分を粉体混合することで調製することができる。また粉末状の添加剤は、ウェランガム及びその他の任意成分を含む液体を乾燥(例えば、スプレードライ、フリーズドライ等)することによっても調製することができる。顆粒状の添加剤は、前記粉体混合物を造粒することで調製することができる。錠剤状の添加剤は、前記粉末状又は顆粒状の添加剤を打錠機によって錠剤状に成形することで調製可能である。液体状の添加剤は、溶媒(好ましくは水)にウェランガム及びその他の任意成分を添加することで調製することができる。
その他、本発明の添加剤の使用態様は、上記(i)におけるウェランガムの記載を援用することができる。
以下に、実施例を用いて本発明を更に詳しく説明する。ただし、これらの例は本発明を制限するものではない。なお、実施例中の「部」「%」は、それぞれ「質量部」「質量%」、文中「*」印は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製、文中「※」印は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の登録商標であることを意味する。
実験例1 可食性組成物の調製1
表1の処方に従い、ウェランガムを含有する可食性組成物(とろみつき茶飲料)を調製した。具体的には、水に粉末緑茶エキス、増粘剤、ウェランガムを添加し、80℃で10分間撹拌溶解した。121℃、20分間の加熱殺菌後、冷水で粗熱を取り、室温に静置し冷却した。
得られた可食性組成物をバイアル瓶(直径40mm、高さ120mm、円柱状、110mL容、アズワン社製)中で20℃に調温し、B型回転粘度計(東機産業社製)を用いて、1分間、12rpmの条件で粘度数値Yを測定した。また、得られた可食性組成物を前記バイアル瓶中で60℃に調温し、B型回転粘度計を用いて、1分間、12rpmの条件で粘度数値Zを測定した。結果を表1に示す。

サンサポートS−4:キサンタンガム 36%、グアーガム 2%、デキストリン 62%
ウェランガムを含有しない可食性組成物(比較例1−1)は、20℃における粘度数値Yに対し、60℃における粘度数値Zが大きく低下し、温度に依存して物性・食感が大きく変動した。
一方、ウェランガムを含有する可食性組成物(実施例1−1〜1−3)は、比較例1−1と比較して、20℃における粘度数値Yと60℃における粘度数値Zの大きな変動が抑制され、温度に依存した物性・食感の大きな変動が抑制された。
実験例2 可食性組成物の調製2
表2の処方に従い、ウェランガムを含有する可食性組成物(とろみつき茶飲料)を調製した。具体的には、水に粉末緑茶エキス、増粘多糖類(キサンタンガム及び/又はウェランガム)を添加し、80℃で10分間撹拌溶解した。121℃、20分間の加熱殺菌後、冷水で粗熱を取り、室温に静置し冷却した。
得られた可食性組成物を20℃又は60℃に調温し、実験例1と同様の条件で粘度数値Y及びZを測定した。結果を表2に示す。
ウェランガムを含有しない可食性組成物(比較例2−1)は、20℃における粘度数値Yに対し、60℃における粘度数値Zが大きく低下し、温度に依存して物性・食感が大きく変動した。
一方、ウェランガムを含有する可食性組成物(実施例2−1〜2−3)は、比較例2−1と比較して、20℃における粘度数値Yと60℃における粘度数値Zの大きな変動が抑制され、温度に依存した物性・食感の大きな変動が抑制された。
実験例3 可食性組成物の調製3
表3の処方に従い、ウェランガムを含有する可食性組成物(トマトスープ)を調製した。具体的には、水に砂糖、増粘多糖類(キサンタンガム及び/又はウェランガム)を添加し、80℃で10分間撹拌溶解した後に、トマトペースト、濃縮トマトエキス、食塩、L−グルタミン酸ナトリウム、及び調味料を添加し、撹拌混合した。冷水で粗熱を取った後、室温に静置し冷却した。
得られた可食性組成物を20℃又は60℃に調温し、実験例1と同様の条件で粘度数値Y及びZを測定した。結果を表3に示す。
ウェランガムを含有しない可食性組成物(比較例3−1)は、20℃における粘度数値Yに対し、60℃における粘度数値Zが大きく低下し、温度に依存して物性・食感が大きく変動した。
一方、ウェランガムを含有する可食性組成物(実施例3−1〜3−3)は、比較例3−1と比較して、20℃における粘度数値Yと60℃における粘度数値Zの大きな変動が抑制され、温度に依存した物性・食感の大きな変動が抑制された。
実験例4 可食性組成物の調製4
表4の処方に従い、ウェランガムを含有する可食性組成物(にんじんゼリー)を調製した。具体的には、水ににんじんピューレ、寒天、増粘多糖類(キサンタンガム、グァーガム、又はウェランガム)を添加し、90℃で10分間撹拌溶解した。その後、食塩を添加し、撹拌混合した後、冷水にて冷却した。
得られた可食性組成物を60℃に調温した後、14メッシュ(目開き1.18mm)の篩を通す処理を行った。前記処理後の可食性組成物をバイアル瓶(直径40mm、深さ120mm、円柱状、110mL容、アズワン社製)中で60℃に調温し、B型回転粘度計を用いて、1分間、12rpmの条件で粘度数値Zを測定した。次いで、前記処理後の可食性組成物を20℃に調温し、B型回転粘度計を用いて、1分間、12rpmの条件で粘度数値Yを測定した。結果を表4に示す。
ウェランガムを含有しない可食性組成物(比較例4−1〜4−3)は、60℃における粘度数値Zに対し、20℃における粘度数値Yが大きく上昇し、温度に依存して物性・食感が大きく変動した。
一方、ウェランガムを含有する可食性組成物(実施例4−1)は、比較例4−1〜4−3と比較して、60℃における粘度数値Zと20℃における粘度数値Yの大きな変動が抑制され、温度に依存した咀嚼時の物性・食感の大きな変動が抑制された。
実験例5 可食性組成物の調製5
表5の処方に従い、ウェランガムを含有する可食性組成物(酸性ゼリー)を調製した。具体的には、水にグラニュー糖、ゲル化剤、増粘多糖類(キサンタンガム、グァーガム、又はウェランガム)、クエン酸三ナトリウムを添加し、80℃で10分間撹拌溶解した後に、クエン酸、香料を添加し、ゼリーカップに充填後、冷水にて冷却した。
得られた可食性組成物を20℃に調温した後、14メッシュ(目開き1.18mm)の篩を通す処理を行った。前記処理後の可食性組成物をバイアル瓶(直径40mm、深さ120mm、円柱状、110mL容、アズワン社製)中で20℃に調温し、B型回転粘度計を用いて、1分間、12rpmの条件で粘度数値Yを測定した。次いで、前記処理後の可食性組成物を60℃に調温し、B型回転粘度計を用いて、1分間、12rpmの条件で粘度数値Zを測定した。結果を表5に示す。

ゲルアップSA−55:キサンタンガム 58%、ローカストビーンガム 37%、デキストリン 5%
ウェランガムを含有しない可食性組成物(比較例5−1〜5−3)は、20℃における粘度数値Yに対し、60℃における粘度数値Zが大きく低下し、温度に依存して物性・食感が大きく変動した。
一方、ウェランガムを含有する可食性組成物(実施例5−1)は、比較例5−1〜5−3と比較して、20℃における粘度数値Yと60℃における粘度数値Zの大きな変動が抑制され、温度に依存した咀嚼時の物性・食感の大きな変動が抑制された。
実験例6 可食性組成物の調製6
表6の処方に従い、ウェランガムを含有する可食性組成物(レトルトカレー)を調製した。具体的には、水にラード、小麦粉、加工デンプン及びウェランガムを添加し、80℃で10分間撹拌溶解した。次いで、ソテードオニオン、砂糖、トマトペースト、カレー粉、食塩、ガーリックペースト、濃縮トマトエキス、調味料、L−グルタミン酸ナトリウム及びカラメル色素を添加し、さらに80℃で5分間撹拌溶解した。耐熱袋に充填し、120℃、20分間のレトルト殺菌後、冷水で粗熱を取り、室温に静置し冷却した。
得られた可食性組成物を20℃又は60℃に調温し、実験例1と同様の条件で粘度数値Y及びZを測定した。結果を表6に示す。
ウェランガムを含有しない可食性組成物(比較例6−1)は、20℃における粘度数値Yに対し、60℃における粘度数値Zが大きく低下し、温度に依存して物性・食感が大きく変動した。
一方、ウェランガムを含有する可食性組成物(実施例6−1及び6−2)は、比較例6−1と比較して、20℃における粘度数値Yと60℃における粘度数値Zの大きな変動が抑制され、温度に依存した物性・食感の大きな変動が抑制された。

Claims (2)

  1. 下記式(1)で表される物性値Xが0.45〜1.5である可食性組成物であり、
    ウェランガムを含有することを特徴とする可食性組成物(ただし、乾燥豆腐、消化吸収抑制剤又はGI値低減剤を含む食品であるだんご、中華料理のタレ、カレー又はシチューのルー、ポテトサラダ、そばやうどんの麺つゆ、くず湯、お粥、フラワーペーストを除く)
    X=Z/Y ・・・式(1)
    (ここで、YはB型回転粘度計を用い、20℃、1分間、12rpmの条件下で測定した前記可食性組成物の粘度数値(mPa・s)であり、
    ZはB型回転粘度計を用い、60℃、1分間、12rpmの条件下で測定した前記可食性組成物の粘度数値(mPa・s)である)。
  2. 下記式(1)で表される物性値Xが0.45〜1.5である可食性組成物を調製するための可食性組成物用添加剤であり、
    ウェランガムを含有することを特徴とする可食性組成物用添加剤(ただし、乾燥豆腐用添加剤、消化吸収抑制剤又はGI値低減剤を除く)
    X=Z/Y ・・・式(1)
    (ここで、YはB型回転粘度計を用い、20℃、1分間、12rpmの条件下で測定した前記可食性組成物の粘度数値(mPa・s)であり、
    ZはB型回転粘度計を用い、60℃、1分間、12rpmの条件下で測定した前記可食性組成物の粘度数値(mPa・s)である)。
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