JP7105148B2 - 容器詰め炭酸飲料、及び容器詰め炭酸飲料用の増粘剤 - Google Patents

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Description

本発明は、容器詰め炭酸飲料、及び容器詰め炭酸飲料用の増粘剤に関する。
消費者に広く受け入れられている嗜好性飲料のひとつとして、サイダーやラムネ等の炭酸飲料が挙げられる。炭酸飲料は、飲料中に炭酸ガスを過飽和状態で溶解させた飲料である。
一方で、炭酸飲料には、容器(PETボトル等)への充填時や消費者が開栓した際に、炭酸飲料が泡立ち、噴出してしまう問題がある。
このような不具合を避けるために、炭酸飲料の充填時の噴出を抑制する技術として、例えば、炭酸飲料に3糖以上の多糖類を配合する技術等が開示されている(特許文献1参照。)。
特開2014-226073号公報
ところで、消費者の嗜好性の多様化にともない、炭酸ガス特有の炭酸感とともに、濃厚感をも備える炭酸飲料に対するニーズがある。飲料に濃厚感を付与する方法として、増粘剤(キサンタンガム等)を配合する方法が知られる。しかし、炭酸飲料に増粘剤を配合すると、炭酸飲料が噴出しやすくなるという問題がある。
本発明は、以上の実情に鑑みてなされたものであり、噴出が抑制され、かつ、濃厚感を有する容器詰め炭酸飲料を提供することを目的とする。
本発明者らは、炭酸飲料にウェランガムを配合することで上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は、以下のようなものを提供する。
(1) ウェランガムを含む、容器詰め炭酸飲料。
(2) 不溶性固形分を含む、(1)に記載の容器詰め炭酸飲料。
(3) 前記不溶性固形分が果汁由来の固形分である、(2)に記載の容器詰め炭酸飲料。
(4) 前記不溶性固形分の含量が、前記炭酸飲料に対して0.01体積%以上である、(2)又は(3)に記載の容器詰め炭酸飲料。
(5) 炭酸ガス圧(0℃、1気圧)が1.5ガスボリューム以上である、(2)~(4)のいずれかに記載の容器詰め炭酸飲料。
(6) 不溶性固形分を含まない、(1)に記載の容器詰め炭酸飲料。
(7) 炭酸ガス圧(0℃、1気圧)が3.0ガスボリューム以上である、(6)に記載の容器詰め炭酸飲料。
(8) 前記ウェランガムの含量が0.05g/L以上である、(1)~(7)のいずれかに記載の容器詰め炭酸飲料。
(9) 以下の条件で算出された消泡速度が0.18ml/秒以上である、(1)~(8)のいずれかに記載の容器詰め炭酸飲料:
2Lメスシリンダー(高さ524mm、外径86mm)の口部より上方5cmの位置に漏斗(径150mm)の先が来るよう設置し、容器詰め炭酸飲料を開栓後、該炭酸飲料500mlを4~6L/秒の速度で、20℃の温度条件下で、メスシリンダーに注入し、注入完了直後及び注入完了から100秒後の泡体積を計測し、下式に基づき消泡速度を算出する。
消泡速度(ml/秒)=((注入完了直後の泡体積)-(注入完了から100秒後の泡体積))÷100
(10) 20℃での粘度が5.0mPa・s以上である、(1)~(9)のいずれかに記載の容器詰め炭酸飲料。
(11) ウェランガムからなる、容器詰め炭酸飲料用の増粘剤。
本発明によれば、噴出が抑制され、かつ、濃厚感を有する容器詰め炭酸飲料が提供される。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれに特に限定されるものではない。
<容器詰め炭酸飲料>
本発明の容器詰め炭酸飲料は、ウェランガムを含む。これにより、噴出が抑制され、かつ、濃厚感を有する容器詰め炭酸飲料を得ることができる。
「容器詰め炭酸飲料」とは、容器に充填された状態の炭酸飲料を意味し、製造途中における炭酸飲料(炭酸飲料に配合されるべき全成分を含んでいないものや、容器に充填されていないもの等)とは明確に区別される。
容器は、炭酸飲料を充填可能なものであれば特に限定されないが、例えば、樹脂ボトル(ポリエチレンテレフタレート(PET)ボトル等)、ビン(ガラスビン等)、缶(アルミ管等)等が挙げられる。容器としては、取り扱いやすさ等の観点から、PETボトルが好ましい。
本発明の容器詰め炭酸飲料において抑制される「噴出」とは、炭酸飲料の容器充填時における噴きこぼれや、容器詰め炭酸飲料の開栓時の噴き出しを意味する。
本発明の容器詰め炭酸飲料に付与される「濃厚感」とは、飲み応えや、ボディー感としても知られる風味である。
以下、本発明の容器詰め炭酸飲料の構成について詳述する。
(ウェランガム)
ウェランガムとは、増粘効果を有することが知られる多糖類である。ウェランガムは、従来、飲食品等における泡の保持や安定化のために用いられてきた。例えば、国際公開第2017/39008号パンフレットには、泡含有組成物(ホイップクリーム等の食品、コーヒー等の飲料、シャンプー等の洗浄剤)にウェランガムを配合すると、泡を保持し得ることが開示されている。
一方、容器詰め炭酸飲料のように、それ自体は泡を有さないものについて、ウェランガムが及ぼす影響は明らかではなかった。そこで、本発明者が鋭意検討した結果、意外にも、ウェランガムが配合された容器詰め炭酸飲料は、ウェランガム以外の増粘剤が配合された容器詰め炭酸飲料と比較して、濃厚感が付与されるだけではなく、開栓時に泡が生じにくいか、又は、泡の消泡速度が大きく、噴き出しにくいことが見出された。このことから、ウェランガムが配合された炭酸飲料は、容器への充填時において噴きこぼれにくいことも見出された。つまり、本発明者は、ウェランガムが、容器詰め炭酸飲料用の増粘剤として特に好ましいことを見出した。
上記のウェランガムによる噴出抑制効果のメカニズムの詳細は明らかではないが、ウェランガムの存在下では発生した泡が速やかに消滅しやすいため、結果として、炭酸飲料における泡を保持しにくいことによると考えられる。ウェランガムと同様に増粘剤として知られるキサンタンガムを用いた場合には、炭酸飲料の粘度を同程度に調整した場合であっても、ウェランガムを用いた場合に認められた噴出抑制効果が認められなかったことから、上記メカニズムは、ウェランガム特有のものであると推察された。
本発明の容器詰め炭酸飲料に含まれるウェランガムの含量は特に限定されないが、他の増粘剤(キサンタンガム)よりも多く配合しても、噴出を抑制しつつ、良好な濃厚感を付与することができる。例えば、ウェランガムの含量の下限は、炭酸飲料中に、好ましくは0.05g/L以上、より好ましくは0.1g/L以上、さらに好ましくは0.2g/L以上であってもよい。ウェランガムの含量の上限は、過度でなくとも噴出を抑制しつつ十分な濃厚感を付与できるため、炭酸飲料中に、好ましくは1.0g/L以下、より好ましくは0.7g/L以下、さらに好ましくは0.5g/L以下であってもよい。
(不溶性固形分)
本発明の容器詰め炭酸飲料は、不溶性固形分を含んでいてもよい。「不溶性固形分」とは、炭酸飲料に配合される成分に由来する、水に不溶の固形分を意味し、その存在の有無や含量は実施例に記載された方法によって特定される。
不溶性固形分は炭酸飲料に濃厚感を付与しやすい反面、通常、含量が高いほど炭酸飲料の噴出を促進してしまうことが知られる。しかし、本発明においては、ウェランガムの作用により、不溶性固形分を含む炭酸飲料における噴出が抑制される。したがって、本発明によれば、不溶性固形分の含量や、炭酸ガス圧を通常より高めても、噴出が抑制された容器詰め炭酸飲料が提供される。
不溶性固形分の含量は、通常よりも多い場合であっても炭酸飲料の噴出を抑制しやすいため、下限は、炭酸飲料中に、好ましくは0.01体積%以上、より好ましくは0.1体積%以上、さらに好ましくは0.2体積%以上であってもよい。不溶性固形分の含量の上限は、過度でなくともウェランガムの作用によって適度な濃厚感を付与できるため、好ましくは2.0体積%以下、より好ましくは1.3体積%以下、さらに好ましくは0.7体積%以下であってもよい。
不溶性固形分の種類は、通常飲食品に配合され得るものであれば特に限定されないが、果汁由来の固形分、各種ゲル状成分(ナタデココ等)等が挙げられる。果汁としては、果物(オレンジ、グレープフルーツ、レモン等)の果汁、野菜(トマト、ニンジン等)の果汁等が挙げられる。果汁は混濁果汁や、混濁果汁と透明果汁の混合物等が挙げられる。炭酸飲料中の果汁率は、特に限定されないが、0質量%超30質量%以下であってもよい。果汁が混濁果汁と透明果汁の混合物である場合、混濁果汁の割合は、混合物の30%以下であることが好ましい。
不溶性固形分を含む容器詰め炭酸飲料において、炭酸ガス圧(0℃、1気圧)は、通常よりも高い場合であっても炭酸飲料の噴出を抑制しやすいため、下限は、好ましくは1.5ガスボリューム以上、より好ましくは2.0ガスボリューム以上、さらに好ましくは2.5ガスボリューム以上であってもよい。炭酸ガス圧(0℃、1気圧)の上限は、適度な炭酸感を付与する観点から、好ましくは5.0ガスボリューム以下、より好ましくは4.0ガスボリューム以下、さらに好ましくは3.0ガスボリューム以下であってもよい。
本発明の容器詰め炭酸飲料は、不溶性固形分を含んでいなくともよい。不溶性固形分を含まない炭酸飲料は、従来、濃厚感に欠けることが知られていたが、本発明においては、ウェランガムの作用により、炭酸飲料に良好な濃厚感を付与することができる。
不溶性固形分を含まない容器詰め炭酸飲料において、炭酸ガス圧(0℃、1気圧)を通常よりも顕著に高くした場合であっても炭酸飲料の噴出を抑制しやすい。そのため、強い炭酸感を有する、嗜好性の高い炭酸飲料を得ることができる。例えば、不溶性固形分を含まない容器詰め炭酸飲料において、炭酸ガス圧(0℃、1気圧)の下限は、好ましくは3.0ガスボリューム以上、より好ましくは3.5ガスボリューム以上、さらに好ましくは4.0ガスボリューム以上であってもよい。炭酸ガス圧(0℃、1気圧)の上限は、好ましくは5.5ガスボリューム以下、より好ましくは5.0ガスボリューム以下、さらに好ましくは4.5ガスボリューム以下であってもよい。ただし、不溶性固形分を含まない容器詰め炭酸飲料において、上記の不溶性固形分を含む容器詰め炭酸飲料における炭酸ガス圧を採用してもよい。
本発明の容器詰め炭酸飲料における、不溶性固形分を含まない態様としては、例えば、果汁として透明果汁しか含まない炭酸飲料が挙げられる。
本発明の容器詰め炭酸飲料の溶媒としては飲料に適した任意のものを用いることができる。例えば、水、エタノール等が挙げられる。
(その他の成分)
本発明の容器詰め炭酸飲料には、飲料に含まれる公知の成分を含んでもよいし、含まなくてもよい。そのような成分として、例えば、消泡剤(グリセリン脂肪酸エステル、シリコーンオイル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル等の非水溶性消泡剤等)、ウェランガム以外の増粘剤(キサンタンガム等)、香料、甘味料、機能性成分、酸味料、保存料、安定剤、酸化防止剤、ビタミン類、ミネラル分、炭酸ナトリウム等のpH調整剤、起泡剤、乳成分等が挙げられる。
炭酸飲料には、炭酸感を高める観点から起泡剤が配合され得るが、本発明の容器詰め炭酸飲料においては、噴出を抑制する観点から、起泡剤が含まれないことが好ましい。
本発明の容器詰め炭酸飲料においては、ウェランガムにより噴出が良好に抑制されるため、消泡剤が含まれなくともよい。
本発明の容器詰め炭酸飲料においては、ウェランガムとともに、ウェランガム以外の増粘剤を配合してもよいが、ウェランガムによる濃厚感の付与効果や噴出抑制効果が奏されやすくなる観点から、ウェランガム以外の増粘剤が含まれないことが好ましい。
<容器詰め炭酸飲料の特性>
本発明の容器詰め炭酸飲料は、上記のとおり、噴出が抑制され、かつ、濃厚感を有する。
本発明の容器詰め炭酸飲料における噴出抑制効果は、目視等での確認、容器詰め炭酸飲料の製造時や開栓時の噴きこぼれ量、噴き出し量の測定、容器詰め炭酸飲料の開栓時の消泡速度の大きさを指標にすることができる。
本発明の容器詰め炭酸飲料においては、粘度が同程度であり、かつ、増粘剤としてウェランガム以外の増粘剤のみを含む容器詰め炭酸飲料と比較して、製造時や開栓時の泡の発生量を抑制できる。例えば、本発明の容器詰め炭酸飲料においては、発生した泡が速やかに消滅することを目視で確認できる。
本発明の容器詰め炭酸飲料においては、粘度が同程度であり、かつ、ウェランガム以外の増粘剤を含む容器詰め炭酸飲料と比較して、製造時や開栓時の噴きこぼれ量、噴き出し量を抑制できる。噴きこぼれ量は、容器に充填しようとした炭酸飲料の量と、実際に容器に充填された炭酸飲料の量との差から特定できる。噴き出し量は、開栓時に容器から噴き出した炭酸飲料の量から特定できる。
本発明の容器詰め炭酸飲料においては、容器詰め炭酸飲料の開栓時の消泡速度が大きいことが期待できる。「消泡速度」とは、単位時間あたりの、炭酸飲料から生じた泡が消滅する速度を意味し、消泡速度が大きいほど噴出抑制効果が高いことを示す。消泡速度は、温度が一定であれば、原則一定の値を示す。
本発明において、消泡速度は以下の条件及び式に基づき算出する。本発明の容器詰め炭酸飲料においては、消泡速度が好ましくは0.18ml/秒以上、より好ましくは0.20ml/秒以上、さらに好ましくは0.30ml/秒以上であり得る。消泡速度の上限は特に限定されないが、通常は2.00ml/秒以下であり得る。
(使用器具)
2Lメスシリンダー:高さ524mm、外径86mm
漏斗:径150mm
(測定条件)
2Lメスシリンダーの口部より上方5cmの位置に漏斗の先が来るよう設置し、容器詰め炭酸飲料を開栓後、該炭酸飲料500mlを4~6L/秒の速度(速度がこの範囲であれば、得られる結果に変動はほぼない。)で、20℃の温度条件下で、メスシリンダーに注入する。注入完了直後及び注入完了から100秒後の泡体積を計測し、下式に基づき消泡速度を算出する。
消泡速度(ml/秒)=((注入完了直後の泡体積)-(注入完了から100秒後の泡体積))÷100
本発明の容器詰め炭酸飲料における濃厚感は、粘度を指標にすることができる。本発明においては、ウェランガムを配合することで炭酸飲料の粘度を高めるほど、噴出を抑制しつつも、濃厚感を高めやすい。例えば、容器詰め炭酸飲料の20℃での粘度の下限は、好ましくは5.0mPa・s以上、より好ましくは10mPa・s以上、さらに好ましくは30mPa・s以上であってもよい。容器詰め炭酸飲料の20℃での粘度の上限は、飲みやすさを損ないにくいという観点から、好ましくは100mPa・s以下、より好ましくは70mPa・s以下、さらに好ましくは50mPa・s以下であってもよい。
容器詰め炭酸飲料の粘度は、実施例に示した方法で特定する。
<容器詰め炭酸飲料の製造方法>
本発明の容器詰め炭酸飲料は、飲料の製造において採用される任意の条件や方法を用いてもよい。例えば、本発明の容器詰め炭酸飲料は、上記成分を配合した溶液を調製し、これを炭酸ガスとともに容器に充填することで得られる。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<試験1>
表1に示す組成を有する水溶液を調製した。得られた水溶液の不溶性固形分含量及び粘度を測定した。次いで、各水溶液を、炭酸ガス圧(0℃、1気圧)が2.6ガスボリュームとなるように500ml耐圧ペットボトルに充填し、容器詰め炭酸飲料を得た。得られた水溶液及び容器詰め炭酸飲料について以下の測定を行った。
(水溶液の不溶性固形分含量の測定)
各水溶液の不溶性固形分含量は、以下の方法で測定した。その結果を表2に示す。
[不溶性固形分の濃度X(体積%)の求め方]
各水溶液(試料)を20℃に調整し、試料をよく混合した後、スピッツ管に10mL採取した。これを遠心分離機(商品名「KUBOTA 4200」、久保田商事株式会社製)で、3000rpm(1670G)で10分間遠心し、自然静止させた。静止した後、沈殿量(容積)を計測し、計測された沈殿量(mL)を10mLで除すことにより(沈殿量(mL)/10(mL))、不溶性固形分の濃度X(体積%)を求めた。
(水溶液の粘度の測定)
各水溶液の粘度は、以下の方法で測定した。その結果を表2に示す。
[粘度の求め方]
各水溶液(試料)を20℃に調整し、試料200gを200mLトールビーカー(内径55mm、HARIO社製)に入れた。そして、粘度計(商品名「BROOKFIELD VISCOMETER DV-1 PRIME」、BROOKFIELD社製)のシリンジを液中に入れ、シリンジを60rpmで60秒間回転させた直後の粘度の値を読み取った。粘度は、20℃±1℃で測定した。この操作を3回行って、平均値を、試料の粘度として特定した。なお、試料の粘度が100cP未満の場合はS61のシリンジを用い、試料の粘度が100cP以上の場合はS62のシリンジを用いた。
(炭酸飲料の消泡速度の測定)
20℃での炭酸飲料の消泡速度を測定した。具体的には、2Lメスシリンダー(高さ524mm、外径86mm、サンプラテック社製)の口部より上方5cmの位置に漏斗(径150mm、三商社製)の先が来るよう設置した。次いで、容器詰め炭酸飲料を開栓後、該炭酸飲料500mlを4~6L/秒の速度で、メスシリンダー中央部に液が落ちるように注意して注入した。注入完了直後及び注入完了から100秒後の泡体積を計測した。得られた結果から、下式に基づき、1秒当たりの消泡速度を算出した。その結果を表2に示す。
消泡速度(ml/秒)=((注入完了直後の泡体積)-(注入完了から100秒後の泡体積))÷100
(容器詰め炭酸飲料の噴出試験)
各容器詰め炭酸飲料を恒温槽内に、20℃で30分以上静置し、その後開栓した。開栓時における炭酸飲料の噴出の有無を以下の基準に基づき評価した。その結果を表2に示す。
A:噴出が認められない
B:噴出が認められる
Figure 0007105148000001
Figure 0007105148000002
表2に示されるとおり、同程度の粘度の飲料同士を比較した場合、ウェランガムを含む炭酸飲料(実施例1~3)は、キサンタンガムを含む炭酸飲料(比較例1~3)よりも消泡速度が大きい、すなわち、泡が早く消えやすいことがわかった。このことは、ウェランガムを含む炭酸飲料においては、製造時や開栓時の噴出がより抑制されていることを意味する。
<試験2>
表3に示す組成を有する水溶液を調製し、上記<試験1>と同様に、得られた水溶液及び容器詰め炭酸飲料を用いた測定を行った。その結果を表4に示す。
Figure 0007105148000003
Figure 0007105148000004
表3に示されるとおり、いずれの飲料も粘度は同程度であったが、果汁として混濁果汁のみを含む炭酸飲料(実施例1)だけではなく、混濁果汁及び透明果汁を含む炭酸飲料(実施例4及び5)においても、ウェランガムを含んでいると、それぞれ、キサンタンガムを含む炭酸飲料(比較例1、4、5)よりも消泡速度が大きい、すなわち、泡が早く消えやすいことがわかった。
特に、果汁として透明果汁のみを含む炭酸飲料(実施例6)においては、ウェランガムを含んでいると、キサンタンガムを含む炭酸飲料(比較例6)よりも消泡速度が顕著に大きいことがわかった。これは、不溶性固形分は泡立ちの原因となりやすいことが知られるところ、不溶性固形分含量が少ない透明果汁含有炭酸飲料は、混濁果汁含有炭酸飲料と比較して泡立ちにくいことに加え、さらに、ウェランガムによる泡立ち抑制効果が相乗的に奏されたことによると推察される。
<試験3>
表5に示す組成を有する水溶液を調製し、上記<試験1>と同様に、得られた水溶液を用いた測定を行った。また、得られた容器詰め炭酸飲料を用いて、以下の噴出試験を行った。その結果を表6に示す。
(容器詰め炭酸飲料の噴出試験)
各容器詰め炭酸飲料を恒温槽内に、20℃で30分以上静置し、その後開栓した。
開栓前後の容器内の炭酸飲料の質量に基づき、下式から噴出液量を測定した。
噴出液量(g)=(開栓前の容器内の炭酸飲料)-(開前後の容器内の炭酸飲料)
開栓時の炭酸飲料の噴出の有無を以下の基準に基づき評価した。
A:噴出が認められない
B:噴出が認められる
Figure 0007105148000005
Figure 0007105148000006
表6に示されるとおり、同程度の粘度を有するウェランガム含有炭酸飲料とキサンタンガム含有炭酸飲料とを比較すると、前者は開栓時の噴出がほぼ認められなかった。
<試験4>
表7に示す組成を有する水溶液を調製し、上記<試験1>と同様に、得られた水溶液を用いた測定を行った。また、得られた容器詰め炭酸飲料を用いて、以下の官能試験を行った。その結果を表8に示す。
(容器詰め炭酸飲料の官能評価)
専門パネル5名によって、「おいしさ」及び「濃厚感」の観点から、炭酸飲料を評価した。評価は、比較例7の炭酸飲料を4点(対照)として相対的に行い、評点の平均値を算出した。評点は1~7の7段階で評価し、評点が高いほど、おいしさがあること、濃厚感があることを意味する。
Figure 0007105148000007
Figure 0007105148000008
表8に示されるとおり、ウェランガム含有炭酸飲料は、キサンタンガム含有炭酸飲料と同等以上のおいしさと、濃厚感とを有していた。

Claims (5)

  1. 容器詰め炭酸飲料であって、
    前記容器詰め炭酸飲料が、ウェランガム、及び不溶性固形分を含み、
    前記ウェランガムの含量が、前記炭酸飲料に対して0.05g/L以上であり、
    前記不溶性固形分の含量が、前記炭酸飲料に対して0.01体積%以上である、
    容器詰め炭酸飲料。
  2. 前記不溶性固形分が果汁由来の固形分である、請求項に記載の容器詰め炭酸飲料。
  3. 炭酸ガス圧(0℃、1気圧)が1.5ガスボリューム以上である、請求項1又は2に記載の容器詰め炭酸飲料。
  4. 以下の条件で算出された消泡速度が0.18ml/秒以上である、請求項1~のいずれかに記載の容器詰め炭酸飲料:
    2Lメスシリンダー(高さ524mm、外径86mm)の口部より上方5cmの位置に漏斗(径150mm)の先が来るよう設置し、容器詰め炭酸飲料を開栓後、該炭酸飲料500mlを4~6L/秒の速度で、20℃の温度条件下で、メスシリンダーに注入し、注入完了直後及び注入完了から100秒後の泡体積を計測し、下式に基づき消泡速度を算出する。
    消泡速度(ml/秒)=((注入完了直後の泡体積)-(注入完了から100秒後の泡体積))÷100
  5. 20℃での粘度が5.0mPa・s以上である、請求項1~のいずれかに記載の容器詰め炭酸飲料。
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