JP2016174571A - 希釈用起泡性飲料 - Google Patents
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Description
本発明で、容器詰希釈用起泡性飲料の対象となる、起泡性飲料としては、ビール系飲料のようなものから、果汁、乳成分、ビタミン類、エキス等の呈味成分、栄養成分、風香味成分を添加した炭酸飲料のようなものまで、各種の起泡性飲料を対象とすることができるが、希釈用起泡性飲料原料液に、アルコールを含有させる点、及び、起泡性飲料の香味、味覚に対する影響を回避することができる点等から、ビールテイスト飲料のような起泡性飲料に対する容器詰希釈用起泡性飲料の提供に特に適している。
本発明においては、希釈用起泡性飲料の飲用時の希釈、起泡に際して、良好な起泡と泡持ちを確保するために、起泡性飲料原料に起泡剤を含有させる。該起泡剤としては、アルギン酸プロピレングリコールを代表とするプロピレングリコール脂肪酸エステル類、グリセリン脂肪酸エステル類やショ糖脂肪酸エステル類などの脂肪酸エステル類、サポニン、ペクチン、タマリンドガム、アラビアガムなどの天然物由来のもの、そのほかオクテニルコハク酸デンプンなどいずれも使用可能である。ビールテイスト飲料のような起泡性飲料を対象とする場合には、起泡性飲料の香味、味覚への影響や、生じる泡の性状などの観点から、起泡剤として、アルギン酸プロピレングリコールが特に適している。起泡剤の濃度は、希釈用起泡性飲料原料液の液種に応じて、適宜、調整することができるが、希釈後の起泡性飲料に対して、0.005〜0.4w/v%の範囲の濃度となるように、希釈用起泡性飲料原料液中の起泡剤の濃度を設定することができる。
本発明の容器詰希釈用起泡性飲料においては、飲料容器充填時並びに希釈飲用時の過剰な泡立ちを抑制するために、アルコール(エタノール)を添加、含有させる。該エタノールとしては、香味調整が容易で、かつ安価なことから原料用アルコール(エタノール)を用いることができるが、対象となる起泡性飲料に応じて、エタノールを含む蒸留酒や醗酵酒を用いることができる。希釈用起泡性飲料に含有させるアルコール(エタノール)の濃度としては、希釈用起泡性飲料原料液に対して、15〜50v/v%、好ましくは25〜50v/v%の範囲で、添加、含有させることができる。この範囲よりも少ない場合には、希釈用起泡性飲料を容器に充填する際に過剰な泡立ちが生じて適正量を衛生的に充填することが困難になる。一方、この範囲よりも多い場合には起泡剤との相互作用により希釈用起泡性飲料がゲル化してしまうなどの問題が生じるので好ましくない。
本発明の容器詰希釈用起泡性飲料においては、起泡剤及びアルコールを含有させるとともに、分岐鎖オリゴ糖のような、分岐鎖を有する多糖類を含有させることができる。本発明の容器詰希釈用起泡性飲料においては、アルコール(エタノール)濃度が15〜50v/v%と比較的高いため、例えば、飲料のボディ感の向上などの目的で用いる食物繊維や、飲料に含まれる直鎖の多糖等の飲料中に含まれる高分子物質がアルコール(エタノール)によって、希釈用起泡性飲料の製造後に沈殿若しくは濁りが生じる問題が発生する場合がある。それを防止するために、分岐鎖オリゴ糖のような、分岐鎖を有する多糖類を含有させることで、沈殿や濁りを防止し、安定性に優れた容器詰希釈用起泡性飲料を提供することができる。
本発明の希釈用起泡性飲料は、飲用時に希釈液で、希釈、起泡させて、起泡性飲料として、飲用に供することができる。希釈液の選定は任意であるが、起泡の容易さなどの点で、炭酸水で希釈するのが最も好ましい。また、調味調香された炭酸水も希釈液として用いることができる。
本発明の希釈用起泡性飲料には、前記のように起泡剤とエタノールを添加成分とするほか、対象とする起泡性飲料の製造に通常用いられる原材料及び添加剤を用いることができる。例えば、糖類、酸味料、香料、増粘剤などの食品添加物や、果汁や各種天然物のエキスなど通常の飲料製造に用いるものならいずれも使用可能である。これらの原料を通常の飲料製造方法にしたがい、順次混合することで本発明の希釈用起泡性飲料の原料液を調製することができる。
本発明においては、本発明の希釈用起泡性飲料の特に好ましい適用対象として、ビールテイスト飲料を挙げることができる。該ビールテイスト飲料の原料液の調製には、通常、該ビールテイスト飲料の製造に用いられる原材料及び添加剤を用いることができる。例えば、モルトエキス、甘味料、苦味料、食物繊維、香料、酸味料、安定剤、保存料(安息香酸ナトリウム)等を挙げることができる。甘味料としては、ショ糖、果糖ぶどう糖液糖、グルコース、マルトース、高甘味度甘味料(アセスルファムK、スクラロースなど)などが、苦味料としてはホップエキスやナリンジン、クワッシャなどを含む植物抽出物などが、酸味料としてはクエン酸、乳酸、酢酸、グルコン酸、リンゴ酸、フィチン酸などが挙げられる。その添加量は目的の香味によって決められる。更に、ビールテイスト飲料の香味、性状によりビールに近づけるためには、そのほかに香料や色素などを添加することが好ましい。
表1に示す配合量で起泡剤(アルギン酸プロピレングリコール)とエタノールを添加して、100mLの希釈用起泡性飲料のモデル溶液を作成し、泡立ちを評価した。評価は100mLメスシリンダーにサンプル50mLを採取し、パラフィルムにて上部に封をして手で激しく50回上下に振り、5秒後の泡面の体積(泡面の目盛り−50mL)を算出した。泡立ちが十分に抑制されているものを○、ほぼ抑制されているものを△、抑制されていないものを×とした。
25v/v%濃度のエタノール溶液に、起泡剤(アルギン酸プロピレングリコール)を表2に示す濃度になるように加えた希釈用起泡性飲料モデル溶液を作成した。それらを炭酸水で5倍に希釈して泡立ちを評価した。評価は炭酸水で希釈し、コップに注いだ際の泡の外観を目視で評価した。評価は泡の外観評価に熟達したパネル3名による協議で行った。泡立ちがよいものを○、やや良いものを△、良くないものを×とした。
起泡剤(アルギン酸プロピレングリコール)を高濃度エタノールに混合した溶液に、各種多糖類を表3に示す濃度で添加して希釈用起泡性飲料モデル溶液を作成した。これらの外観を5℃で24時間静置した後に目視によって沈殿、濁りの有無を評価した。外観安定性が優れているものを○、濁りが若干発生したものを△、濁りや沈殿が発生したものを×とした。
アルギン酸プロピレングリコール 0.2%(w/v)、エタノール29.5%(v/v)に、りんご発酵液10%(v/v)、酸味料、甘味料、香料を加えて、シードルタイプの希釈用起泡性飲料を作成し、充填時の泡立ちと希釈飲用時の泡立ちを評価した。なお、このとき希釈用起泡性飲料中のアルコール濃度は30%(v/v)であり、希釈後の飲料中の起泡剤の濃度は0.033%(w/v)である。充填時の泡立ち評価は200mL容のガラス瓶に充填した際の泡による溢れの有無を評価した。希釈飲用時の泡立ちは実施例2と、外観安定性は実施例3〜5と同様に行った。官能評価は、酒類の官能評価に熟練したパネル3名で行った。充填時の泡立ち評価は実施例1と、希釈飲用時の泡立ちは実施例2と同様に行った。結果を表4に示す。実際の希釈用起泡性飲料においても、エタノール濃度と起泡剤の量を調整することで、充填時の泡立ち抑制と希釈飲用時の良好な泡立ちを両立できることが分かった。
アルギン酸プロピレングリコール 0.2%(w/v)、エタノール29.5%(v/v)に、りんご発酵液10%(v/v)、ブランチオリゴ1%(w/v)、酸味料、甘味料、香料を加えてシードルタイプの希釈用起泡性飲料を作成し、充填時の泡立ちと希釈飲用時の泡立ちを評価した。なお、このとき希釈用起泡性飲料中のアルコール濃度は30%(v/v)であり、希釈後の飲料中の起泡剤の濃度は0.033%(w/v)である。各評価は実施例6と同様に行った。結果を表5に示す。実際の希釈用起泡性飲料においても、分岐鎖多糖を含有させることで、外観安定性を保持しながら、ボディ感を付与できることが分かった。
<ビアテイスト飲料>
アルギン酸プロピレングリコール 0.2%(w/v)、エタノール30%(v/v)に、Eファイバー10%(w/v)、ブランチオリゴ1%(w/v)、モルトエキス1%(w/v)、異性化ホップエキス0.5%(w/v)、カラメル色素0.3%(w/v)、酸味料、甘味料、香料を加えた希釈用起泡性飲料を作成し、充填時の泡立ちと希釈飲用時の泡立ちを評価した。なお、このとき希釈用起泡性飲料中のアルコール濃度は30%(v/v)であり、希釈飲料中の起泡剤の濃度は0.033%(w/v)である。各評価は実施例6と同様に行った。結果を表6に示す。実際の希釈用ビアテイスト飲料においても、エタノール濃度と起泡剤の量を調整することで、充填時の泡立ち抑制と希釈飲用時の良好な泡立ちを両立でき、分岐鎖多糖を含有させることで、外観安定性を保持しながら、ボディ感を付与できることが分かった。
Claims (8)
- 起泡性飲料原料に、起泡剤を含有させ、飲用時に希釈、起泡させて飲用する希釈用起泡性飲料において、希釈用起泡性飲料原料液に、アルコールを含有させ、希釈用起泡性飲料製造時の泡立ち抑制と飲用時の良好な泡立ちを両立させた容器詰希釈用起泡性飲料。
- 希釈用起泡性飲料原料液中の起泡剤の濃度が、希釈後の起泡性飲料に対して、0.005〜0.4w/v%となるように調整され、希釈用起泡性飲料原料液中のアルコール濃度が15〜50v/v%であるように調整されていることを特徴とする請求項1に記載の容器詰希釈用起泡性飲料。
- 起泡性飲料原料に含有させる起泡剤が、アルギン酸プロピレングリコールであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の容器詰希釈用起泡性飲料。
- 希釈用起泡性飲料原料液に、アルコールを含有させ、更に、分岐鎖を有する多糖類を含有させたことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の容器詰希釈用起泡性飲料。
- 分岐鎖を有する多糖類が、分岐鎖を有するオリゴ糖であることを特徴とする請求項4に記載の容器詰希釈用起泡性飲料。
- 起泡性飲料原料が、ビールティスト飲料用の飲料原料であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の容器詰希釈用起泡性飲料。
- ビールティスト飲料用の起泡性飲料原料が、アルコール、起泡剤、酸味料、苦味料、及び香料を含有することを特徴とする請求項6に記載の容器詰希釈用起泡性飲料。
- 希釈用起泡性飲料が、飲用時に炭酸水で希釈して飲用に供するためのものであることを特徴とする請求項1〜7に記載の容器詰希釈用起泡性飲料。
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