JP2019103418A - マンゴー風味増強用組成物およびマンゴー風味が増強された飲食物の製造方法 - Google Patents

マンゴー風味増強用組成物およびマンゴー風味が増強された飲食物の製造方法 Download PDF

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Kanako MINODA
香奈子 蓑田
巧 栃尾
Takumi Tochio
巧 栃尾
朱子 荒川
Ayako Arakawa
朱子 荒川
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Abstract

【課題】 マンゴーの風味を効果的に増強できるマンゴー風味増強用組成物およびマンゴー風味が増強された飲食物の製造方法を提供する。【解決手段】 単糖および2糖の合計が47質量%以上の糖組成である還元水飴を有効成分とする、マンゴー風味増強用組成物ならびにこれを用いるマンゴー風味が増強された飲食物の製造方法。本発明によれば、濃厚な甘味や独特の芳香といったマンゴーの風味が増強された、美味しい飲食物を製造することができ、マンゴー風味を有する加工食品の商品価値を向上させることができる。【選択図】 無し

Description

本発明は、単糖および2糖の合計が47質量%以上の糖組成である還元水飴を有効成分とする、マンゴー風味増強用組成物およびこれを用いるマンゴー風味が増強された飲食物の製造方法に関する。
マンゴーとはウルシ科マンゴー属の果樹または果実をいう。マンゴーの完熟した果実は、濃厚な甘味と松脂に喩えられる独特の芳香とを有していて嗜好性が高い。そのため、生の果実が皮を剥いてそのまま食されるほか、ジュースやスムージーといった飲料や、ピューレ、缶詰、ドライフルーツ、プリンやアイスクリーム、シャーベット、グミといった菓子等の加工食品も多く生産されている。
これらのマンゴー風味を有する加工食品においてマンゴーの風味を向上させることは、当該商品に対する消費者の支持ないし商品価値を高めることとなる。そこで、マンゴー風味を向上させる技術が研究開発されており、例えば、特許文献1には、重合カテキンを有効成分として含有する、果実風味の増強剤が開示されている(請求項4、段落[0025]および[0026]など)。
特開2010−154806号
しかしながら、重合カテキンは、茶葉を溶媒抽出して取得するものであるため、苦渋味を呈する非重合カテキンを選択的に除去する処理や、不溶性固形分を除去する処理が必要となる(特許文献1:段落[0020]−[0022])。このため、特許文献1に記載の果実風味増強剤は、その製造工程が煩雑であり、製品コストも高くなってしまう。また、上述のような特有の甘味および芳香を呈するマンゴー風味を増強できるか否かは不明である。
すなわち、上記特許文献を鑑みても、マンゴー風味を向上させる技術は充分に提供された状況とはいえない。そこで本発明は、マンゴー風味を効果的に増強できるマンゴー風味増強用組成物およびマンゴー風味が増強された飲食物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究の結果、単糖および2糖の合計が47質量%以上の糖組成である還元水飴が、マンゴー風味を顕著に増強し、マンゴーの青臭みおよび油臭さを抑制することを見出した。また、単糖および2糖の合計が47質量%以上の糖組成である還元水飴と酒とを併用することにより、マンゴー風味増強効果、マンゴーの青臭み抑制効果およびマンゴーの油臭さ抑制効果が顕著に大きくなることを見出した。そこで、これらの知見に基づいて、下記の各発明を完成した。
(1)本発明に係るマンゴー風味増強用組成物は、単糖および2糖の合計が47質量%以上の糖組成である還元水飴を有効成分とする。
(2)本発明に係るマンゴー風味増強用組成物において、還元水飴は、糖の濃度が70質量%である液体の条件下で、25℃にて350ミリパスカル秒以下の粘度を示す還元水飴であることが好ましい。
(3)本発明に係るマンゴー風味増強用組成物は、マンゴー風味を増強するとともにマンゴーの青臭みを抑制するための組成物(マンゴーの青臭み抑制用組成物)として用いることもできる。
(4)本発明に係るマンゴー風味増強用組成物は、マンゴー風味を増強するとともにマンゴーの油臭さを抑制するための組成物(マンゴーの油臭さ抑制用組成物)として用いることもできる。
(5)本発明に係るマンゴー風味増強用組成物は、単糖および2糖の合計が47質量%以上の糖組成である還元水飴と酒とを併用するものであってもよい。
(6)本発明に係るマンゴー風味が増強された飲食物の製造方法は、本発明に係るマンゴー風味増強用組成物をマンゴー風味を有する飲食物材料に添加する工程を有する。
本発明によれば、濃厚な甘味や独特の芳香といったマンゴーの風味が増強された、美味しい飲食物を製造することができ、マンゴー風味を有する加工食品の商品価値を向上させることができる。また、有効成分である単糖および2糖の合計が47質量%以上の糖組成である還元水飴は、水飴を還元することにより取得することができ、飲食物に望ましくない味を与える成分も含まない。よって、本発明によれば、低コストで簡便に飲食物のマンゴー風味を増強することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。本発明において、単にマンゴーという場合は、特段の記載のない限りウルシ科マンゴー属果樹の果実を指す。本発明に係るマンゴーの品種は特に限定されるものでなく、例えば、アップルマンゴー(アーウィン種)、アップルマンゴー(ヘイデン種)、アップルマンゴー(ケント種)、アップルマンゴー(トミーアトキンス種)、キーツマンゴー、ペリカンマンゴー(カラバオ種)、タイマンゴー(ナンドクマイ種、マハチャノ種、チョークアナン種、ナンカンワン種)、ピーチマンゴー(ケンジントンプライド種、キーツ種、ケント種、パルマー種、R2E2種)、ミニマンゴー、グリーンマンゴー、インドマンゴー(アルフォンソ種、ケサール種、チョウサ種、バンガンパリ種、マリカ種、ラングラ種)、金蜜、玉文などのいずれも用いることができる。
本発明において、マンゴー風味とは、通常の食用とされる程度に熟したマンゴーの果実が呈する味や香りをいう。
飲食物のマンゴー風味が増強されたか否かは、官能試験により判断することができる。すなわち、一方は本発明に係る本発明に係るマンゴー風味増強用組成物を用いて、他方はこれを用いずに、同種の飲食物を同様に製造する。ここで、当該飲食物において、マンゴー風味を与える素材(マンゴーの果実や果汁、香料など)の含有量は同じとする。この両者を喫食する官能試験を行って比較する。その結果、本発明に係るマンゴー風味増強用組成物を用いた飲食物の方がマンゴー風味が強いと感じられれば、本発明によりマンゴー風味が増強されたと判断することができる。
還元水飴は、水飴を還元して得られる糖アルコールの一種である。水飴はデンプンを酸や酵素などで糖化して得られるものであり、単糖(ブドウ糖)および多糖(オリゴ糖やデキストリンなど)の混合物である。よって、還元水飴も、単糖の糖アルコールおよび多糖(2糖、3糖または4糖以上)の糖アルコールを含む、糖アルコールの混合物である。
本発明に係るマンゴー風味増強用組成物は、単糖および2糖の合計が47質量%以上の糖組成である還元水飴を有効成分とする。以下、「単糖および2糖の合計が47質量%以上の糖組成である還元水飴」を「本願糖組成の還元水飴」という場合がある。
本発明において、「糖組成」とは、糖の総質量に占める各糖の質量割合を百分率で示すものをいう。すなわち、糖の総質量を100とした場合の、各糖の質量百分率である。本願糖組成の還元水飴は、簡便には、市販の製品(製品名:「ソルビトールF」、「エスイー600」、「エスイー500」、「スイートG2」、「スイートPEM」、「エスイー20」、「スイートOL」(以上の製造者:物産フードサイエンス)など)を用いることができる。
また、本願糖組成の還元水飴は、単糖および2糖の合計が47質量%以上の糖組成である水飴を原料として、あるいは、デンプンを酸や酵素で加水分解(糖化)して単糖および2糖の合計が47質量%以上の糖組成である水飴を得て、これに水素を添加して還元することにより得ることもできる。水素添加による還元反応は、例えば、40〜75質量%の水飴水溶液を、還元触媒と併せて高圧反応器中に仕込み、反応器中の水素圧を4.9〜19.6MPa、反応液温を70〜180℃として、混合攪拌しながら、水素の吸収が認められなくなるまで反応を行なえばよい。その後、還元触媒を分離し、イオン交換樹脂処理、必要であれば活性炭処理等で脱色脱塩した後、所定の濃度まで濃縮すれば、高濃度の還元水飴を作ることができる。
なお、還元水飴あるいは水飴の糖組成は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて確認することができる。すなわち、還元水飴あるいは水飴を試料としてHPLCに供してクロマトグラムを得る。当該クロマトグラムにおいて、全ピークの面積の総和が「糖の総質量」に、各ピークの面積が「各糖の質量」に相当する。よって、試料における各糖の質量百分率は、検出された全ピークの面積の総和に対する各ピークの面積の割合として算出することができる。HPLCの条件は、定法に従って適宜設定することができるが、下記条件を例示することができる。
《HPLCの条件》
カラム;Shodex SUGAR KS-802 HQ(8.0mm ID x 300mm) 2本
溶離液;高純水
流速;1.0mL/分
注入量;200μL
カラム温度;50℃
検出;示差屈折率検出器Shodex RI
本願糖組成の還元水飴は、単糖および2糖の合計が47質量%以上の糖組成である限りその粘度は特に限定されるものではないが、好ましい粘度としては、糖の濃度が70質量%である液体の条件下で、25℃にて、500ミリパスカル秒未満、450ミリパスカル秒以下、400ミリパスカル秒以下または350ミリパスカル秒以下の粘度を挙げることができる。なお、還元水飴の粘度は定法に従って測定することができ、例えば、単一円筒形回転粘度計(B型粘度計、ブルックフィールド型粘度計)を用いて、想定される粘度に応じた試料容器(アダプター)および円筒(スピンドル)を選択し、回転数200rpmにて測定することができる。
マンゴーの果実は、上述の通り高い嗜好性を有する一方で、青臭さ(ガス臭さ、薬臭さ)や油臭さ(生臭さ、魚臭さ)を呈することが報告されており、係る臭みのために敬遠される場合がある。この点、本願糖組成の還元水飴は、後述する実施例1で示すように、マンゴーの風味を増強するとともに、マンゴーの青臭み(ガス臭さ、薬臭さ)を抑制することができる。従って、本発明に係るマンゴー風味増強用組成物は、マンゴーの青臭み(ガス臭さ、薬臭さ)を抑制するための組成物(マンゴーの青臭み抑制用組成物)として用いることもできる。
また、本願糖組成の還元水飴は、後述する実施例1で示すように、マンゴーの風味を増強するとともに、マンゴーの油臭さ(生臭さ、魚臭さ)を抑制することができる。従って、本発明に係るマンゴー風味増強用組成物は、マンゴーの油臭さ(生臭さ、魚臭さ)を抑制するための組成物(マンゴーの油臭さ抑制用組成物)として用いることもできる。
飲食物においてマンゴーの青臭みや油臭さが抑制されたか否かは、上述のマンゴー風味が増強されたか否かを判断するための官能試験と同様の官能試験により、判断することができる。
本願糖組成の還元水飴は、後述する実施例2で示すように、酒を併用することにより、マンゴー風味を増強する効果、マンゴーの青臭みを抑制する効果、および、マンゴーの油臭さを抑制する効果を大きくすることができる。従って、本発明に係るマンゴー風味増強用組成物は、本願糖組成の還元水飴と酒とを併用するものであってもよい。
ここで、本発明において、「酒」は、エタノールを含有する液体であって、主として飲用または飲食物の材料もしくは調味料として用いられるものをいう。酒は、一般に醸造酒、蒸留酒および混成酒に大別される。
醸造酒としては、ワイン、ビール、清酒、シードル、ペリー、マッコリ、紹興酒、ミード、馬乳酒、ヤシ酒などを例示することができる。また、蒸留酒としては、アクアビット、アラック、アルヒ、泡盛、ウイスキー、ウォッカ、カシャッサ、キルシュヴァッサー、コルン、焼酎、ジン、スピリタス、ソジュ、テキーラ、パイチュウ、マオタイ酒、ブランデー、アルマニャック、カルヴァドス、グラッパ、マール、コニャック、シンガニ、ピスコ、メスカル、ラク、ラム酒、ワラギなどを例示することができる。また、混成酒は、醸造酒や蒸留酒を原料として、これに植物の皮や果実、薬草、ハーブ、香辛料、甘味料、香料などの成分を配合した酒をいい、リキュール、ベルモット、梅酒、味醂、シェリー酒、白酒、桑酒、甘味葡萄酒、薬酒などを例示することができる。
本発明に係る酒は上記のうちのいずれであってもよいが、好ましくは、蒸留酒、蒸留酒を原料とする混成酒(リキュール)、または果実を原料とする醸造酒を挙げることができる。また、本発明に係る酒のアルコール度数(液体を100とした場合のエタノールの体積百分率)としては、1度〜96度を例示することができる。
次に、本発明に係るマンゴー風味増強用組成物の使用方法について述べる。本発明に係るマンゴー風味増強用組成物は、マンゴー風味を有する飲食物の製造過程において、その材料に添加して用いることができる。材料に添加するタイミングは特に限定されず、例えば、他の調味料や食品添加物等と同様のタイミングで添加することができる。
なお、「マンゴー風味を有する飲食物」とは、マンゴーの果実、果汁および/または香料を含有することによってマンゴー風味を呈する飲食物(主として加工食品)をいい、加熱・非加熱を問わない。係る飲食物として、具体的には、マンゴーの果実、果汁および/または香料を含有する、清涼飲料水やアルコール飲料、茶、乳酸菌飲料などの飲料、ピューレ、缶詰、ドライフルーツ、乳やヨーグルトなどの乳製品、プリンやアイスクリーム、シャーベット、グミ、ケーキ、ゼリー、チョコレート、スナック菓子、メレンゲ菓子、キャンディー、クッキー、ビスケット、ウエハース、クラッカーなどの菓子類、デザートベース、健康食品、ドレッシングやチリソース、チャツネ、ソースなどの調味料、カレーやサラダ、炒め物、揚げ物、スープなどの総菜等を例示することができる。
本願糖組成の還元水飴の飲食物における添加量は特に限定されないが、例えば、飲食物100質量%中、本願糖組成の還元水飴が1〜20質量%、好ましくは1〜15質量%、より好ましくは1〜10質量%の濃度とすることができる。また、本願糖組成の還元水飴と酒とを併用する場合において、飲食物における酒の添加量もまた特に限定されないが、例えば、飲食物100質量%中、酒が0.1〜5質量%、好ましくは0.1〜3質量%、より好ましくは0.1〜1質量%の濃度とすることができる。
なお、酒を併用する場合において、本願糖組成の還元水飴と酒とは、予め混合して用いてもよく、別個に飲食物材料に添加する形態で用いてもよい。
最後に、本発明は、マンゴー風味が増強された飲食物の製造方法を提供する。本製造方法は、本発明に係るマンゴー風味増強用組成物をマンゴー風味を有する飲食物材料に添加する工程を有する。本製造方法において、上述した本発明に係るマンゴー風味増強用組成物と同じまたは相当する発明特定事項については、再度の説明を省略する。
本発明において、「マンゴー風味を有する飲食物材料」とは、上述の、マンゴー風味を有する飲食物の材料をいう。
本発明に係るマンゴー風味増強用組成物が、マンゴー風味を増強するとともにマンゴーの青臭みを抑制するための組成物である場合、本製造方法により、マンゴー風味が増強されるとともにマンゴーの青臭みが抑制された飲食物を製造することができる。また、本発明に係るマンゴー風味増強用組成物が、マンゴー風味を増強するとともにマンゴーの油臭さを抑制するための組成物である場合、本製造方法により、マンゴー風味が増強されるとともにマンゴーの油臭さが抑制された飲食物を製造することができる。
以下、本発明について、各実施例に基づいて説明する。なお、本発明の技術的範囲は、これらの実施例によって示される特徴に限定されない。
<試験方法>
(1)単位
本実施例では、特段の記載のない限り、パーセント(%)は質量%((w/w)%)を示す。また、還元水飴の「粘度」は、糖の濃度が70質量%である液体状の還元水飴が25℃にて示す粘度であり、ミリパスカル秒(mPa・s)を単位として示す。
(2)還元水飴
本実施例において、還元水飴は、表1に記載の1〜9番(市販、製品形態:液体、製造者:物産フードサイエンス)を用いた。
Figure 2019103418
(3)官能試験
本実施例において、官能試験は、分析型パネル6名において試料を喫食することにより実施した。評価項目は「マンゴー風味の強度」、「青臭みの抑制の程度」および「油臭さの抑制の程度」のうちの1−3項目とした。各評価項目において、還元水飴を添加しない試料(基準試料)を比較対照(1点)として、「非常に強い(4点)、強い(3点)、やや強い(2点)、比較対照と同等(1点)」の4段階のいずれに該当するかを各パネルが判断して採点した。その後、試料ごとに、全パネルによる採点結果の平均値を求めた。
<実施例1>効果を有する還元水飴の検討
(1)マンゴー風味の強度
市販のマンゴーの果実の皮を剥き、ミキサーにかけてマンゴーピューレを作製した。このマンゴーピューレに、1〜8番の還元水飴を3%の濃度となるように添加して攪拌することにより試料を作製し、A−1〜A−8とした。同様に、1〜8番の還元水飴を5%の濃度となるように添加して試料を作製し、B−1〜B−8とした。これらの試料および還元水飴を添加しないマンゴーピューレ(基準試料)について、「マンゴー風味の強度」を評価項目とする官能試験を行った。基準試料およびA−1〜A−8についての結果を表2に、基準試料およびB−1〜B−8についての結果を表3に、それぞれ示す。
Figure 2019103418
Figure 2019103418
表2に示すように、マンゴー風味の強度は、基準試料の1.0に対して、A−1では1.8、A−2では2.8、A−3では2.3、A−4では2.5、A−5では2.7であり、A−1〜A−5では基準試料よりも顕著に大きかった。その一方で、A−6〜A−8では基準試料と同じ1.0であった。また、表3に示すように、B−1では2.3、B−2では3.7、B−3およびB−4では2.7、B−5では3.0であり、B−1〜B−5では基準試料よりも顕著に大きかった。その一方で、B−6〜B−8では基準試料と同じ1.0であった。
すなわち、1〜5番の還元水飴を添加したマンゴーピューレは、還元水飴を添加しないものや6〜8番の還元水飴を添加したものよりも、マンゴー風味が顕著に強かった。この結果から、単糖および2糖の合計が47質量%以上の糖組成である還元水飴は、マンゴー風味を増強する効果を有することが明かになった。
(2)青臭みおよび油臭さの抑制
本実施例1(1)に記載の方法により、基準試料およびA−2、A−5およびA−6の試料を作製し、「青臭みの抑制の程度」および「油臭さの抑制の程度」を評価項目とする官能試験を行った。その結果を表4に示す。
Figure 2019103418
表4に示すように、青臭みの抑制の程度は、基準試料の1.0に対して、A−2では2.5、A−5では2.7であり、A−2およびA−5では基準試料よりも顕著に大きかった。これに対して、A−6では1.3であり、基準試料よりも大きいものの、その差は顕著ではなかった。
すなわち、2番または5番の還元水飴を添加したマンゴーピューレは、還元水飴を添加しないものや6番の還元水飴を添加したものよりも、青臭みが顕著に小さかった。この結果から、単糖および2糖の合計が47質量%以上の糖組成である還元水飴は、マンゴーの青臭みを抑制する効果を有することが明かになった。
また、表4に示すように、油臭さの抑制の程度は、基準試料の1.0に対して、A−2およびA−5では2.6であり、A−2およびA−5では基準試料よりも顕著に大きかった。これに対して、A−6では1.4であり、基準試料よりも大きいものの、その差は顕著ではなかった。
すなわち、2番または5番の還元水飴を添加したマンゴーピューレは、還元水飴を添加しないものや6番の還元水飴を添加したものよりも、油臭さが顕著に小さかった。この結果から、単糖および2糖の合計が47質量%以上の糖組成である還元水飴は、マンゴーの油臭さを抑制する効果を有することが明かになった。
<実施例2>酒を併用した場合における効果の検討
(1)マンゴー風味の強度
実施例1(1)に記載の方法で作製したマンゴーピューレに、1〜8番の還元水飴と酒とを添加して攪拌することにより、試料を作製した。還元水飴の濃度は3%、酒の濃度は0.5%となるよう添加した。酒は、ラム酒(製品名「ネプチューン ラム・ホワイト」、原材料:醸造アルコール、コルバホワイトラム原酒、香料、アルコール度数:45度、合同酒精)およびリキュール(製品名「ネプチューン りんご物語」、原材料:糖類、アップル原酒、りんご果汁(王林)、ブランデー原酒、醸造アルコール、香料、酸味料、アルコール度数:25度、合同酒精)を用いた。1〜8番の還元水飴およびラム酒を添加した試料をC−1〜C−8とし、1〜8番の還元水飴およびリキュールを添加した試料をD−1〜D−8とした。また、実施例1に記載の方法で作製したマンゴーピューレに、還元水飴を添加せず、ラム酒またはリキュールのみを0.5%となるよう添加して攪拌することにより試料を作製し、これを、C−0およびD−0とした。
C−0〜C−8、D−0〜D−8、ならびに還元水飴および酒のいずれも添加しないマンゴーピューレ(基準試料)について、「マンゴー風味の強度」を評価項目とする官能試験を行った。基準試料およびC−0〜C−8についての結果を表5に、基準試料およびD−0〜D−8についての結果を表6に、それぞれ示す。
Figure 2019103418
Figure 2019103418
表5に示すように、マンゴー風味の強度は、基準試料の1.0に対して、C−0では1.7であり、基準試料よりも大きいものの、その差は顕著ではなかった。その一方で、C−1では3.2、C−2では3.3、C−3、C−4およびC−5では3.0であり、C−1〜C−5では基準試料よりも顕著に大きかった。また、C−6〜C−8では、1.0〜1.2であり、基準試料と同等または基準試料よりも少し大きい程度であった。また、表6に示すように、D−0では1.5であり、基準試料よりも大きいものの、その差は顕著ではなかった。その一方で、D−1およびD−3では3.0、D−2およびD−5では3.2、D−4では2.8であり、D−1〜D−5では基準試料よりも顕著に大きかった。また、D−6〜D−8では1.0〜1.3であり、基準試料と同等または基準試料よりも少し大きい程度であった。
すなわち、1〜5番の還元水飴と酒とを添加したマンゴーピューレは、還元水飴および酒のいずれも添加しないもの、酒のみを添加したもの、および6〜8番の還元水飴と酒とを添加したもののいずれよりも、マンゴー風味が顕著に強かった。この結果から、単糖および2糖の合計が47質量%以上の糖組成である還元水飴と酒とを併用すると、マンゴー風味を増強する効果が大きくなることが明かになった。
(2)青臭みおよび油臭さの抑制
本実施例2(1)に記載の方法により、基準試料およびC−0、C−2、C−5およびC−6、ならびにD−0、D−2、D−5およびD−6の試料を作製し、「青臭みの抑制の程度」および「油臭さの抑制の程度」を評価項目とする官能試験を行った。基準試料ならびにC−0、C−2、C−5およびC−6についての結果を表7に、基準試料ならびにD−0、D−2、D−5およびD−6についての結果を表8に、それぞれ示す。
Figure 2019103418
Figure 2019103418
表7に示すように、青臭みの抑制の程度は、基準試料の1.0に対して、C−0では2.3であり、C−0は基準試料よりも比較的大きかった。これに対して、C−2では3.0、C−5では3.2であり、C−2およびC−5は基準試料よりも顕著に大きかった。その一方で、C−6では1.3であり、基準試料よりも大きいものの、その差は顕著ではなかった。また、表8に示すように、D−0では2.3であり、D−0は基準試料よりも比較的大きかった。これに対して、D−2およびD−5では3.2であり、D−2およびD−5は基準試料よりも顕著に大きかった。その一方で、D−6では1.5であり、基準試料よりも大きいものの、その差は顕著ではなかった。
すなわち、2番または5番の還元水飴と酒とを添加したマンゴーピューレは、還元水飴および酒のいずれも添加しないもの、酒のみを添加したもの、および6番の還元水飴と酒とを添加したもののいずれよりも、青臭みが顕著に小さかった。この結果から、単糖および2糖の合計が47質量%以上の糖組成である還元水飴と酒とを併用すると、マンゴーの青臭みを抑制する効果が大きくなることが明かになった。
また、表7に示すように、油臭さの抑制の程度は、基準試料の1.0に対して、C−0では2.3であり、C−0は基準試料よりも比較的大きかった。これに対して、C−2では3.7、C−5では3.2であり、C−2およびC−5は基準試料よりも顕著に大きかった。その一方で、C−6では1.2であり、基準試料よりも大きいものの、その差は顕著ではなかった。また、表8に示すように、D−0では2.6であり、D−0は基準試料よりも比較的大きかった。これに対して、D−2では3.8、D−5では3.6であり、D−2およびD−5は基準試料よりも顕著に大きかった。その一方で、D−6では1.2であり、基準試料よりも大きいものの、その差は顕著ではなかった。
すなわち、2番または5番の還元水飴と酒とを添加したマンゴーピューレは、還元水飴および酒のいずれも添加しないもの、酒のみを添加したもの、および6番の還元水飴と酒とを添加したもののいずれよりも、油臭さが顕著に小さかった。この結果から、単糖および2糖の合計が47質量%以上の糖組成である還元水飴と酒とを併用すると、マンゴーの油臭さを抑制する効果が大きくなることが明かになった。

Claims (6)

  1. 単糖および2糖の合計が47質量%以上の糖組成である還元水飴を有効成分とする、マンゴー風味増強用組成物。
  2. 前記還元水飴は、糖の濃度が70質量%である液体の条件下で、25℃にて350ミリパスカル秒以下の粘度を示す還元水飴である、請求項1に記載のマンゴー風味増強用組成物。
  3. マンゴー風味を増強するとともにマンゴーの青臭みを抑制するための組成物である、請求項1または請求項2に記載のマンゴー風味増強用組成物。
  4. マンゴー風味を増強するとともにマンゴーの油臭さを抑制するための組成物である、請求項1〜3のいずれかに記載のマンゴー風味増強用組成物。
  5. 酒を併用することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のマンゴー風味増強用組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のマンゴー風味増強用組成物を、マンゴー風味を有する飲食物材料に添加する工程を有する、マンゴー風味が増強された飲食物の製造方法。
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