JP7212576B2 - ビールテイスト飲料 - Google Patents
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Description
[1]キサントフモールの異性化率が90%以上であり、ルチン濃度が100ppb以上である、ビールテイスト飲料。
[2]ルチンを含有する食品素材及び/又はルチンを含有する植物原料をビールテイスト飲料の製造工程の少なくともいずれかの工程において添加するビールテイスト飲料の製造方法であって、前記ルチンを含有する植物原料として少なくともホップ以外の原料を使用する、ビールテイスト飲料の製造方法。
[3]ルチンを含有する食品素材及び/又はルチンを含有する植物原料をビールテイスト飲料の製造工程の少なくともいずれかの工程において添加するビールテイスト飲料のキレを向上させる方法であって、前記ルチンを含有する植物原料として少なくともホップ以外の原料を使用する、ビールテイスト飲料のキレ向上方法。
本発明にかかるビールテイスト飲料のうち、ノンアルコールビールテイスト飲料については、近年の低カロリー嗜好に合わせて、低カロリーであることが望ましい。従って、本発明にかかるビールテイスト飲料のカロリー数は、好ましくは5kcal/100mL未満、より好ましくは4kcal/100mL未満、更に好ましくは3kcal/100mL未満である。
本発明にかかるビールテイスト飲料に含まれる糖質とは、食品の栄養表示基準(平成15年厚生労働省告示第176号)に基づく糖質をいう。具体的には、糖質は、食品から、タンパク質、脂質、食物繊維、灰分、アルコール分及び水分を除いたものをいう。また、食品中の糖質の量は、当該食品の質量から、タンパク質、脂質、食物繊維、灰分及び水分の量を控除することにより算定される。この場合に、タンパク質、脂質、食物繊維、灰分及び水分の量は、栄養表示基準に掲げる方法により測定する。具体的には、タンパク質の量は窒素定量換算法で測定し、脂質の量はエーテル抽出法、クロロホルム・メタノール混液抽出法、ゲルベル法、酸分解法またはレーゼゴットリーブ法で測定し、食物繊維の量は高速液体クロマトグラフ法またはプロスキー法で測定し、灰分の量は酢酸マグネシウム添加灰化法、直接灰化法または硫酸添加灰化法で測定し、水分の量はカールフィッシャー法、乾燥助剤法、減圧過熱乾燥法、常圧加熱乾燥法またはプラスチックフィルム法で測定する。
本発明の製造方法において使用される酸味料としては、クエン酸、乳酸、リン酸、及びリンゴ酸からなる群より選ばれる1種以上の酸を用いることが好ましい。また、本発明の製造方法においては、前記酸以外の酸として、コハク酸、酒石酸、フマル酸および氷酢酸等も用いることができる。これらは食品に添加することが認められているものであれば制限なく用いることができる。本発明の製造方法においては、まろやかな酸味を適切に付与する観点から乳酸と、やや刺激感のある酸味を適切に付与する観点からリン酸との組み合わせを用いることが好ましい。
本発明の製造方法では、原料の一部にホップを用いることができる。香味がビールに類似する傾向にあることから、原料の一部にホップを用いることが望ましい。ホップを使用する際には、ビール等の製造に使用される通常のペレットホップ、粉末ホップ、ホップエキスを、所望の香味に応じて適宜選択して使用することができる。また、イソ化ホップ、還元ホップなどのホップ加工品を用いてもよい。本発明にかかるビールテイスト飲料に使用されるホップには、これらのものが包含される。また、ホップの添加量は特に限定されないが、典型的には、飲料全量に対して0.0001~1質量%程度である。
本発明の製造方法では、本発明の効果を妨げない範囲で、必要に応じて、その他の原料を用いてもよい。例えば、甘味料(高甘味度甘味料を含む)、苦味料、香料、酵母エキス、カラメル色素などの着色料、大豆サポニンやキラヤサポニン等の植物抽出サポニン系物質、コーンや大豆などの植物タンパク質およびペプチド含有物、乳清などの動物タンパク質、食物繊維やアミノ酸などの調味料、アスコルビン酸等の酸化防止剤を、本発明の効果を妨げない範囲で必要に応じて用いることができる。
本発明にかかるビールテイスト飲料は、容器詰めとすることができる。容器の形態は何ら制限されず、ビン、缶、樽、またはペットボトル等の密封容器に充填して、容器入り飲料とすることができる。
食品素材ルチン(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製)を食品添加用アルコール(アルコール度数95%)に溶解し、ルチン溶解液を得た。
キサントフモールを食品添加用アルコール(アルコール度数95%)に溶解し、キサントフモール溶解液を得た。
イソキサントフモールを食品添加用アルコール(アルコール度数95%)に溶解し、イソキサントフモール溶解液を得た。
調製例1で得られたルチン溶解液を表1に記載の添加濃度となるように麦芽比率49%のビールテイスト飲料(水準1)に添加し、ビールテイスト飲料を得た。
調製例1で得られたルチン溶解液、調整例2で得られたキサントフモール溶解液、調整例3で得られたイソキサントフモール溶解液を表2に記載の添加濃度およびキサントフモール異性化率となるように麦芽比率100%のビールテイスト飲料(水準11)に添加し、ビールテイスト飲料を得た。
(キレの評価)
キレ 定義: 後味の好ましくない苦味・甘味・香りの消失が速い
1:全く感じられない
2:あまり感じられない
3:どちらとも言えない
4:感じられる
5:非常に感じられる
(良質な苦みの評価)
良質な苦み 定義: 後味に嫌な苦み・渋味が残らない好ましい苦み
1:全く感じられない
2:あまり感じられない
3:どちらとも言えない
4:感じられる
5:非常に感じられる
麦芽100質量%の原料を用い、常法どおりに麦汁を製造した。具体的には、麦芽の粉砕物を糖化し、得られた糖化液を濾過し、得られた濾液にホップとアスパラガス乾燥粉末を5kg/100kL濃度で加えて煮沸を行い、エキス分11.4質量%の麦汁を得た。次いで、これにラガー酵母を添加して常法により発酵させたものに炭酸ガスを適量添加してから、濾過・瓶詰めの工程を経て、ビールテイスト飲料(ア)を得た。なお、濾液にアスパラガス乾燥粉末を加えず、ホップのみを加えて製造したビールテイスト飲料(イ)をコントロールとした。ビールテイスト飲料(ア)はビールテイスト飲料(イ)に比べて、明確に後味の好ましくない苦味・甘味・香りの消失が速く、キレの効果が増強されることを確認することが出来た。
麦芽24質量%、未発芽大麦10質量%、糖液66質量%の組成の原料を用い常法どおりに麦汁を製造した。具体的には、麦芽及び未発芽麦芽の粉砕物を糖化し、得られた糖化液を濾過し、得られた濾液にホップ、レモンピール乾燥粉末25kg/100kLと糖液を加えて煮沸を行い、エキス分11.4質量%の麦汁を得た。次いで、これにラガー酵母を添加して常法により発酵させたものに炭酸ガスを適量添加してから、濾過・瓶詰めの工程を経てビールテイスト飲料(ウ)を得た。なお、濾液にレモンピール乾燥粉末を加えず、ホップのみを加えて製造したビールテイスト飲料(エ)をコントロールとした。ビールテイスト飲料(ウ)はビールテイスト飲料(エ)に比べて、明確に後味の好ましくない苦味・甘味・香りの消失が速く、キレの効果が増強されることを確認することが出来た。
麦芽24質量%、未発芽大麦10質量%、糖液66質量%の組成の原料を用い常法どおりに麦汁を製造した。具体的には、麦芽及び未発芽麦芽の粉砕物を糖化し、得られた糖化液を濾過し、得られた濾液にホップ、ソバの葉エキス0.3kg/100kLと糖液を加えて煮沸を行い、エキス分11.4質量%の麦汁を得た。次いで、これにラガー酵母を添加して常法により発酵させたものに小麦スピリッツを加え、炭酸ガスを適量添加してから、濾過・瓶詰めの工程を経てビールテイスト飲料(オ)を得た。なお、濾液にソバの葉エキスを加えず、ホップのみを加えて製造したビールテイスト飲料(カ)をコントロールとした。ビールテイスト飲料(オ)はビールテイスト飲料(カ)に比べて、明確に後味の好ましくない苦味・甘味・香りの消失が速く、キレの効果が増強されることを確認することが出来た。
麦芽100質量%の原料を用い、常法どおりに麦汁を製造した。具体的には、麦芽の粉砕物を糖化し、得られた糖化液を濾過し、得られた濾液にホップ加えて煮沸を行ったのち加水を行いエキス分2.1質量%の麦汁を得た。得られた麦汁に、糖、酸、カラメル、香料を添加して香味を調えた後、炭酸ガスを適量添加してから、濾過前にルチン酵素処理物質であるα-グルコシルイソクエルシトリンをルチン換算で120ppb添加してノンアルコールビールテイスト飲料(キ)を作成した。α-グルコシルイソクエルシトリンを添加せずに製造したノンアルコールビールテイスト飲料(ク)をコントロールとした。ノンアルコールビールテイスト飲料(キ)はノンアルコールビールテイスト飲料(ク)に比べて、明確に後味の好ましくない苦味・甘味・香りの消失が速く、キレの効果が増強されることを確認することが出来た。
Claims (4)
- キサントフモールの異性化率が90%以上であり、ルチン濃度が100ppb以上1060ppb以下である、ビールテイスト飲料。
- ルチン濃度が600ppb以下である、請求項1に記載のビールテイスト飲料。
- ルチンを含有する食品素材及び/又はルチンを含有する植物原料をビールテイスト飲料の製造工程の少なくともいずれかの工程において添加するビールテイスト飲料の製造方法であって、前記ルチンを含有する植物原料として少なくともホップ以外の原料を使用し、キサントフモールの異性化率を90%以上、ルチン濃度を100ppb以上1060ppb以下とする、ビールテイスト飲料の製造方法。
- ルチンを含有する食品素材及び/又はルチンを含有する植物原料をビールテイスト飲料の製造工程の少なくともいずれかの工程において添加するビールテイスト飲料のキレを向上させる方法であって、前記ルチンを含有する植物原料として少なくともホップ以外の原料を使用し、キサントフモールの異性化率を90%以上、ルチン濃度を100ppb以上1060ppb以下とする、ビールテイスト飲料のキレ向上方法。
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