JP7018073B2 - 飲料 - Google Patents

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Description

本発明は、カンファーおよびリナロールを含む飲料に関する。
清涼飲料やアルコール飲料には、その保存安定性、保湿性又は嗜好性等を向上させるために、ソルビトールなどの基剤を添加することが広く行われている。これら基剤はいずれも甘味を有しているが、飲料にこれら甘味を有する基剤を添加した場合、摂取時及び摂取後にこれらの基剤に由来するくどい甘味が残り、さっぱり感が得られず、嗜好性の高い飲料とはならないという問題がある。このような問題点を解決するため、飲料にキレや清涼感を付与する物質として、カンファー、メントールなどを添加することが知られている。
しかしながら、飲料中のカンファーの含有量が増すと苦味や薬品様の香りが際立ってしまうという問題がある(特開2005-143461号(特許文献1))。
特開2005-143461号
キレや清涼感を有しながら、薬品様の香りを抑制した飲料が求められている。また、キレや清涼感を有しながら、薬品様の香りを抑制したビールテイスト飲料が求められている。
本発明の発明者は、カンファーを一定量含有する飲料において、リナロールを添加すると当該飲料のキレや清涼感を有しながら、薬品様の香りを抑制でき、特に、飲料がビールテイスト飲料の場合、薬品様の香りを効果的に抑制できることを見出した。
本発明には以下の態様の発明が含まれる。
[1]
カンファーおよびリナロールを含む飲料であって、
カンファー濃度が1~155質量ppbであり、
リナロール濃度が220質量ppb以上である、飲料。
[2]
カンファーおよびリナロールを含む飲料であって、
カンファー濃度が1~150質量以上であり、
リナロール濃度が220~2000質量ppbである、飲料。
[3]
リナロール濃度が220~1500質量ppbである、[1]または[2]に記載の飲料。
[4]
リナロール濃度が230~1200質量ppbである、[1]または[2]に記載の飲料。
[5]
カンファー濃度が0.5~155質量ppbである、[1]~[4]のいずれかに記載の飲料。
[6]
カンファー濃度が15~145質量ppbである、[1]~[4]のいずれかに記載の飲料。
[7]
カンファー濃度が40~140質量ppbである、[1]~[4]のいずれかに記載の飲料。
[8]
麦芽飲料である、[1]~[7]のいずれかに記載の飲料。
[9]
麦芽発酵飲料である、[1]~[7]のいずれかに記載の飲料。
[10]
ビールテイスト飲料である、[1]~[9]のいずれかに記載の飲料。
[11]
[1]~[10]のいずれかに記載の飲料が容器詰めされた、容器詰飲料。
本発明の好ましい態様は、キレや清涼感を有しながら、薬品様の香りを抑制した飲料を提供する。また、本発明の好ましい態様は、キレや清涼感を有しながら、薬品様の香りを抑制したビールテイスト飲料を提供する。
1 カンファーおよびリナロールを含む飲料
本発明の飲料は、カンファーおよびリナロールを含む飲料であって、カンファー濃度が1~155質量ppbであり、リナロール濃度が220質量ppb以上である、飲料である。
本発明の飲料に含まれるカンファーは、樟脳(しょうのう)とも呼ばれる二環性モノテルペンケトンの一種であり、IUPAC命名法による系統名が1,7,7-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-オン(1,7,7-トリメチルノルカンファーである公知の化合物である。カンファーの濃度(カンファー濃度)は1~155質量ppbであり、1~150質量ppbが好ましく、15~145質量ppbがさらに好ましく、40~140質量ppbが特に好ましい。
本発明の飲料に含まれるリナロールはモノテルペンアルコールの一種であり、一般的に香料として使用されている。飲料にリナロールをさらに加えることで、味わいを損なうことなくさらにスッキリさを向上させることができる。リナロールの濃度(リナロール濃度)は200~300質量ppbであるが、220~300質量ppbが好ましく、230~280質量ppbがさらに好ましい。
本発明のビールテイスト飲料は、ビール様の風味をもつ炭酸飲料をいう。本発明のビールテイスト飲料は、特に断わりがない場合、酵母による発酵工程の有無やアルコールの有無に拘わらず、ビール風味を有するいずれの炭酸飲料も包含する。本発明のビールテイスト飲料の種類としては、例えば、日本の酒税法上の名称における発泡酒、ビール、リキュール類、その他雑酒が含まれ、また、低アルコールの発酵飲料(例えばアルコール分1%未満の発酵飲料)、スピリッツ類、ノンアルコールのビールテイスト飲料、ビールテイストの清涼飲料なども含まれる。
本発明のビールテイスト飲料のアルコール分は特に限定されないが、好ましくは0~40質量%、より好ましくは1~15質量%である。特にビールや、発泡酒といったビールテイスト飲料として消費者に好んで飲用されるアルコールと同程度の濃度、すなわち、1~7質量%の範囲であることが望ましいが、特に限定されるものではない。
1.1 原材料
本発明の飲料は、得られる飲料がカンファーおよびリナロールを含めばその原材料は特に限定されない。したがって、主な原材料としてカンファー、リナロールまたはその両者を十分に含まない場合、これらを添加するなどによって、本発明の飲料を製造できる。
本発明のビールテイスト飲料の主な原材料は水、穀物、ホップ、糖類、水溶性食物繊維、ハーブ・スパイス類および各種添加物などである。
穀物としては、例えば、麦(大麦、小麦、ハト麦、ライ麦、エン麦、それらの麦芽など)、米(白米、玄米など)、とうもろこし、こうりゃん、ばれいしょ、豆(大豆、えんどう豆など)、そば、ソルガム、粟、ひえ、およびそれらから得られたデンプン、これらの抽出物(エキス)などがあげられる。
麦芽とは、大麦、小麦、ライ麦、カラス麦、オート麦、ハト麦、エン麦などの麦類の種子を発芽させて乾燥させ、除根したものをいい、産地や品種は、いずれのものであってもよい。本発明においては、好ましくは大麦麦芽を用いる。大麦麦芽は、日本のビールテイスト飲料の原料として最も一般的に用いられる麦芽の1つである。大麦には、二条大麦、六条大麦などの種類があるが、いずれを用いてもよい。さらに、通常麦芽のほか、色麦芽なども用いることができる。なお、色麦芽を用いる際には、種類の異なる色麦芽を適宜組み合わせて用いてもよいし、一種類の色麦芽を用いてもよい。
本発明のビールテイスト飲料の製造には、原材料として、麦を用いることが好ましく、麦芽を用いることがさらに好ましく、大麦および小麦の麦芽を用いることが特に好ましい。
ホップとは、ビールなどの製造に使用される通常のペレットホップ、ベールホップ、ホップエキス、ホップ加工品(イソ化ホップ、ヘキサホップ、テトラホップ)などをいう。
糖類としては、穀物由来のデンプンを酸または酵素などで分解した市販の糖化液や、市販の水飴などがあげられる。このとき、糖類の形態は、溶液などの液状、または粉末などの固形物状など、どのような形態であってもよい。また、デンプンの原料穀物の種類、デンプンの精製方法、および酵素や酸による加水分解などの処理条件についても特に制限はない。例えば、酵素や酸による加水分解の条件を工夫することにより、マルトースの比率を高めた糖類を用いてもよい。その他、スクロース、フルクトース、グルコース、マルチュロース、トレハルロース、マルトトリオースおよびこれらの溶液(糖液)などを用いることができる。
また、本発明のビールテイスト飲料の原材料に、難消化性デキストリン、ポリデキストロース、グアーガム分解物、ペクチン、グルコマンナン、アルギン酸、ラミナリン、フコイジン、カラギーナンなどの水溶性食物繊維を用いることもできる。これらのうち、安定性や安全性などの汎用性の観点から、難消化性デキストリン、ポリデキストロースを原材料に用いることが好ましい。
ハーブ・スパイス類としては、例えばアグリモニー、アーベンス、ベトニー、ゴボウ、クローブ、ジュニパー、コストマリー、ドッグローズ、エレキャンペーン、アイブライト、ゲンチアン、グランドアイビー、マグワート、ルー、セント・ジョーンズ・ワート、ワームウッド、ヤロー、アルカネット、ペニーロイヤル、ハイビスカス、ステビア、レモングラス、レモンバーム、カモミール、しょうが、タイム、ペッパー、マロウ・ブルー、リンデンアニス、スターアニス、ローレル、ラベンダー、セージ、コリアンダー、コリアンダーシード、フェンネル、ヒソップ、オレガノ、ペパーミント、ローズマリー、スペアーミント、キャラウェー、オレンジピール、レモンピール、ヤチヤナギ、ジャスミン、バジル、ゆず皮、レモンマートル、山椒、またはこれらの天然物から得られた加工品(例えば抽出物)などを用いることができる。
コリアンダーおよびコリアンダーシード(乾燥したコリアンダー果実)には、カンファーおよびリナロールが含まれている。そこで、本発明のビールテイスト飲料の原材料に、ハーブ・スパイス類としてコリアンダー、コリアンダーシードまたはこれらの抽出物を用いることが好ましい。
コリアンダーとは、セリ目セリ科コエンドロ属コエンドロ種に属する植物の一種である。和名でコエンドロともカメムシソウともいわれる。葉(リーフ)と種子(シード、植物学上は果実)のいずれもが利用されるが、本発明では、コリアンダーシードを原材料に用いることが好ましい。コリアンダーシードは、一般に市販されているものを用いてもよい。乾燥した果実(ホール)をそのまま用いてもよいし、成分抽出が容易となるように粉砕処理されたパウダー状のものを用いてもよい。抽出時間の短縮という観点からは、パウダー状のものが好ましい。本明細書では、いずれの状態のものもコリアンダーシードと呼ぶ。
コリアンダーシード抽出物は、コリアンダーシードを、水やアルコールなどの溶媒またはこれらを混合した溶液にて抽出し、必要に応じて濃縮したものである。例えば抽出に用いるアルコールは、通常酒類に用いられるものが好ましい。配合後に設計品質を変化させないという目的から、抽出に用いるアルコールは、ほとんど無味無臭である連続式蒸留機を使用して得られる蒸留酒類が好ましい。連続式蒸留機を使用して得られる蒸留酒類としては、ウォッカや原料用アルコールなどのスピリッツ類、連続式蒸留焼酎(いわゆる甲類焼酎)が挙げられる。コリアンダーシード抽出物の製造方法は例えば特開2012-105572号に記載された公知の方法が用いられる。
1.2 その他の添加物
本発明では、本発明の効果を妨げない範囲で、必要に応じて、様々な添加物を添加してもよい。例えば、リナロールやカンファー等の香料、着色料、泡形成剤、発酵促進剤、甘味料、苦味料、酵母エキス、ペプチド含有物などのタンパク質系物質、アミノ酸などの調味料、アスコルビン酸などの酸化防止剤、各種酸味料などを本発明の効果を妨げない範囲で必要に応じて添加することができる。着色料は、飲料にビール様の色を与えるために使用するものであり、カラメル色素などを用いることができる。泡形成剤は、飲料にビール様の泡を形成させるため、あるいは飲料の泡を保持させるために使用するものであり、大豆サポニン、キラヤサポニンなどの植物抽出サポニン系物質、コーン、大豆などの植物タンパク、およびペプチド含有物、ウシ血清アルブミンなどのタンパク質系物質、酵母エキスなどを適宜使用することができる。香料は、ビール様の風味付けのために用いるものであり、ビール風味を有する香料を適量使用することができる。発酵促進剤は、酵母による発酵を促進させるために使用するものであり、例えば、酵母エキス、米や麦などの糠成分、ビタミン、ミネラル剤などを単独または組み合わせて使用することができる。甘味料は、天然甘味料および合成甘味料のいずれの高甘味度甘味料も使用することができ、ショ糖誘導体、例えばスクラロースなど;合成甘味料、例えばアセスルファムK、サッカリンなどが挙げられ、これらは単独または2種以上組み合せて用いることができる。苦味料は、飲料に配合することによって味覚に苦味を知覚せしめる植物体あるいは植物抽出物であればよい。苦味料としては、姫茴香、杜松実、セージ、迷迭香、マンネンタケ、月桂樹、迷迭香、マンネンタケ、クワシン、ナリンギン、柑橘抽出物、ニガキ抽出物、コーヒー抽出物、茶抽出物、ゴーヤ抽出物、ハス胚芽抽出物、キダチアロエ抽出物、ニガヨモギ抽出物、ローレル抽出物などを用いることができる。
本発明においては、飲料に含まれるカンファーおよびリナロールの濃度の調整のために、これらを添加することが好ましい。
1.3 炭酸ガス
本発明の飲料は炭酸ガスを含んでもよく、その炭酸ガスは、原材料に含まれる炭酸ガスを利用してもよく、また、炭酸水との混和または炭酸ガスの添加などで溶解させてもよい。
本発明のビールテイスト飲料に含まれる炭酸ガスは、原材料に発酵液を用いた場合、発酵工程で炭酸ガスが発生するため、当該炭酸ガスをそのまま用いることができる。また、原材料に非発酵液を用いた場合、発酵工程で発生する炭酸ガスを利用できないため、非発酵液と炭酸水との混和、または非発酵液に炭酸ガスの添加によって、ビールテイスト飲料に炭酸ガスを溶解させることができる。
本発明の飲料に含まれる炭酸ガスの量は、飲料の炭酸ガス圧によって表され、これは、本発明の効果を妨げない限り、特に限定されない。典型的には、飲料の炭酸ガス圧の上限は4.0kg/cm、3.4kg/cm、または2.8kg/cmであり、下限は0.2kg/cm、0.9kg/cm、または1.5kg/cmであり、これらの上限および下限のいずれを組み合わせてもよい。例えば、飲料の炭酸ガス圧は、0.2kg/cm以上4.0kg/cm以下、0.2kg/cm以上3.4kg/cm以下、0.9kg/cm以上2.8kg/cm以下、または1.5kg/cm以上2.8kg/cm以下であってよい。本明細書におけるガス圧とは、特別な場合を除き、容器内におけるガス圧をいう。圧力の測定は、当業者によく知られた方法、例えば20℃にした試料をガス内圧計に固定した後、一度ガス内圧計の活栓を開いてガスを抜き、再び活栓を閉じ、ガス内圧計を振り動かして指針が一定の位置に達したときの値を読み取る方法を用いて、または市販のガス圧測定装置を用いて測定することができる。
2 飲料の製造方法
本発明の飲料の製造方法は、特に限定されないが、カンファーの含有量の多いまたは少ない原材料を選択し、これらの原材料の使用量を増減させることによって、カンファー濃度を調整することができる。カンファーの含有量が多い原材料として、コリアンダーシード、クスノキ等が挙げられる。同様に、リナロールの含有量の多いまたは少ない原材料を選択し、これらの原材料の使用量を増減させることによって、リナロール濃度を調整することができる。リナロールの含有量が多い原材料として、ホップ、コリアンダー、コリアンダーシード等が挙げられる。さらに、本発明の製造方法において、ビールテイスト飲料の製造途中で希釈、濾過、フィルタリング等を行うことによって、カンファー濃度やリナロール濃度を調整してもよい。
本発明のビールテイスト飲料の製造には、発酵工程を経て得られた発酵液、発酵工程を経ていない非発酵液を用いることができるが、発酵液を用いる方が得られる飲料の香味が優れるので好ましい。
また、カンファー濃度およびリナロール濃度を調整するために、本発明の製造方法はカンファーやリナロールを添加する工程を含んでもよい。当該製造方法において、カンファーやリナロールを添加するタイミングは限定されない。具体的には、ビールテイスト飲料の製造に発酵液を用いる場合、カンファーおよびリナロールの添加のタイミングは発酵工程の前後または発酵工程中であってもよい。また、カンファーおよびリナロールは、麦芽等の原材料と一緒に添加してもよい。
原材料自体にカンファーおよびリナロールが含まれている場合、原材料由来のカンファーおよびリナロールの含有量と添加するカンファーおよびリナロールの含有量の合計が、所定の含有量になるようにカンファーおよびリナロールを添加する。
以下、本発明のビールテイスト飲料の製造方法を説明する。
2.1 発酵液、非発酵液の製造
(1) 発酵液の製造
本発明のビールテイスト飲料の製造方法に用いられる発酵液は、例えば、仕込み工程、発酵工程、貯酒工程、ろ過工程、および容器詰工程などの当業者に周知のビールテイスト飲料の製造工程によって得られる。
具体的には、原料を仕込釜または仕込槽に投入し、必要に応じてアミラーゼなどの酵素を添加し、糊化、糖化を行わせ、ろ過して煮沸し、清澄タンクにて凝固タンパクなどの固形分を取り除く。その後、さらに酵母を添加して発酵させ、ろ過機などで酵母を取り除き、必要に応じて水、醸造用アルコールや添加剤などを加え、発酵液を得る。
発酵工程は、麦、麦芽エキス、大豆ペプチド、ホップなどと水を含む麦汁などの原液に酵母を添加し、発酵を行う工程であればよく、発酵温度、および発酵期間などの諸条件は、自由に設定することができる。例えばビールテイスト発酵飲料を製造する場合、通常のビールや発泡酒の製造のための発酵条件である、8~25℃、5~10日間、の条件で発酵させてもよい。発酵工程の途中で発酵液の温度(昇温、または降温)、または圧力を変化させてもよい。
発酵工程で用いる酵母は、製造すべき発酵飲料の種類、目的とする香味や発酵条件などを考慮して選択することができる。例えばWeihenstephan-34株など、市販の酵母を用いることができる。酵母は、酵母懸濁液のまま麦汁に添加しても良いし、遠心分離あるいは沈降により酵母を濃縮したスラリーを麦汁に添加しても良い。また、遠心分離の後、完全に上澄みを取り除いたものを添加しても良い。酵母の麦汁への添加量は適宜設定できるが、例えば、5×106cells/ml~1×108cells/ml程度である。
本明細書において、発酵液を用いたビールテイスト飲料を、発酵飲料または発酵ビールテイスト飲料という。また、麦芽を発酵させた発酵液を用いたビールテイスト飲料を、麦芽発酵飲料または麦芽発酵ビールテイスト飲料という。
(2) 非発酵液の製造
本発明のビールテイスト飲料の製造方法に用いられる非発酵液の製造工程は、発酵工程を含まず、麦、麦芽エキス、大豆ペプチド、ホップなどと水を含む麦汁などの原液に、炭酸水または炭酸ガスと、アルコールとを混和する混和工程によって得られる。非発酵液は混和工程の他に、さらに、仕込み工程、貯酒工程、および容器詰工程などの当業者に周知のビールテイスト飲料の製造工程を含んでもよい。
本明細書において、非発酵液を用いたビールテイスト飲料を、非発酵飲料または非発酵ビールテイスト飲料という。
2.2 カンファー含有量、リナロール含有量の調整
本発明の飲料におけるカンファー含有量およびリナロール含有量を所定の範囲内に調整するために、飲料やその原飲料等にカンファー、リナロール、または、カンファーとリナロールが添加されてもよい。カンファーおよびリナロールの添加のタイミングは特に限定されず、発酵液または非発酵液の製造前、製造途中または製造後であってもよい。また、カンファーおよびリナロールの添加は複数回に分けられてもよい。添加されるカンファーおよびリナロールは、これらを含む組成物であっても、単離生成された化合物であってもよく、これらは天然物由来であっても人工的な合成物であってもよい。
3 容器詰飲料
本発明の飲料は、容器に充填・密閉して、容器詰めとすることができる。いずれの形態・材質の容器を用いてもよく、容器の例としては、ビン、缶、樽、またはペットボトルが挙げられる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例によっては制限されない。
[カンファー濃度およびリナロール濃度の測定]
カンファーおよびリナロール濃度は、J. Agric. Food Chem., 2013, 61 (47), pp 11303-1131(Characterization of the Key Aroma Compounds in Two Bavarian Wheat Beers by Means of the Sensomics Approach)に記載のガスクロマトグラフ質量分析装置(GC-MS)を用いて測定した。
[実施例1~22]
市販されているビール製品をベース飲料とし、このベース飲料にカンファー(ナカライテスク社製07045-04)およびリナロールを添加して、表1に記載のカンファー濃度およびリナロール濃度を有するビールテイスト飲料を調製した。添加したリナロールとして、R体とS体の混合物を用いた。
[比較例1~5]
実施例1~22と同様に、前記ベース飲料にカンファーおよびリナロールを添加して、表1に記載のカンファー濃度およびリナロール濃度を有するビールテイスト飲料を調製した。
このようにして得られた飲料について、訓練されたパネラー5名によって、薬品様の香りの強さ、参考例に対する香味改善効果、および、ビールテイスト飲料としての総合評価について官能評価を実施した。薬品様の香りの強さについて、1~5(1刻み)で評価した。
1:弱い
2:やや弱い
3:普通
4:やや強い
5:強い

また、ビールテイスト飲料としての総合評価について、1~5(1刻み)で評価した。
1:不可
2:可
3:良
4:優良
5:非常に優良
で評価した。総合評価については2.8以上を香味として優れていると判断できる合格ラインとした。
これらの結果は表1のとおりであった。
Figure 0007018073000001
通常、飲料のカンファー濃度が上昇すると薬品様の香りが際立つ傾向にあるが、カンファー濃度が1~155質量の飲料において、リナロール濃度を220質量ppb以上に調整することによって、当該飲料の薬品様の香りを効果的にマスキングできることを確認できた。
本発明は、香味の優れた飲料を提供できる。

Claims (10)

  1. カンファーおよびリナロールを含む飲料であって、
    カンファー濃度が0.5~155質量ppbであり、
    リナロール濃度が220質量ppb以上であり、
    ビールテイスト飲料である、飲料(ただし、コリアンダーシードをアルコール水溶液に浸漬して得られるコリアンダー抽出物を混合して得られるビールテイスト発酵飲料を除く)
  2. ナロール濃度が220~2000質量ppbである、請求項1に記載の飲料。
  3. リナロール濃度が220~1500質量ppbである、請求項1に記載の飲料。
  4. リナロール濃度が230~1200質量ppbである、請求項1に記載の飲料。
  5. カンファー濃度が150質量ppbである、請求項1~4のいずれかに記載の飲料。
  6. カンファー濃度が15~145質量ppbである、請求項1~4のいずれかに記載の飲料。
  7. カンファー濃度が40~140質量ppbである、請求項1~4のいずれかに記載の飲料。
  8. 麦芽ビールテイスト飲料である、請求項1~7のいずれかに記載の飲料。
  9. 麦芽発酵ビールテイスト飲料である、請求項1~7のいずれかに記載の飲料。
  10. 請求項1~のいずれかに記載の飲料が容器詰めされた、容器詰飲料。
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