JP2013188191A - 炭酸アルコール飲料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】野菜汁の含有量が0.5〜75質量%であり、柑橘類果汁の含有量が1〜5質量%であり、pHが3〜4.5であることを特徴とする炭酸アルコール飲料、及び野菜汁を含有する炭酸アルコール飲料において、野菜汁を0.5〜75質量%となるように含有させ、柑橘類果汁を1〜5質量%となるように含有させ、pHを3〜4.5とすることを特徴とする、炭酸アルコール飲料の噴きと香味の改善方法。
【選択図】なし
Description
また、特許文献2に記載の炭酸飲料では、特定の粒子径の果実パルプを含有させることにより、果汁含有炭酸飲料の噴きが改善し得ると記載されているが、当該文献に記載の果実パルプでは、果汁よりもはるかに不溶性固形分が多い野菜汁を含有する炭酸飲料の噴きを改善することは難しい。
一方で、特許文献3〜5に記載されているような予め不溶性固形分を除去した透明な野菜汁果汁を用いた炭酸アルコール飲料では、噴き性は改善されるものの、野菜汁の瑞々しさや果汁のすっきりした風味の点で満足のいくものではなかった。
(1) 野菜汁の含有量が0.5〜75質量%であり、柑橘類果汁の含有量が1〜5質量%であり、pHが3〜4.5であることを特徴とする炭酸アルコール飲料。
(2) 前記野菜汁がトマト汁であることを特徴とする、前記(1)の炭酸アルコール飲料。
(3) 前記トマト汁が、不溶性固形分を5容量%以下に調整されたトマト汁であることを特徴とする、前記(2)の炭酸アルコール飲料。
(4) 前記柑橘類果汁がレモン果汁であることを特徴とする、前記(1)〜(3)のいずれかの炭酸アルコール飲料。
(5) 苦味価が5〜20であることを特徴とする、前記(1)〜(4)のいずれかの炭酸アルコール飲料。
(6) さらに、シリコーンを0.03〜2.1ppm含有することを特徴とする、前記(1)〜(5)のいずれかの炭酸アルコール飲料。
(7) 容器詰飲料であることを特徴とする、前記(1)〜(6)いずれかの炭酸アルコール飲料。
(8) 野菜汁を含有する炭酸アルコール飲料において、
野菜汁を0.5〜75質量%となるように含有させ、柑橘類果汁を1〜5質量%となるように含有させ、pHを3〜4.5とすることを特徴とする、炭酸アルコール飲料の噴きと香味の改善方法。
炭酸アルコール飲料の噴きの測定は、以下方法により実施した。
4℃で正立保存した350mL缶入り炭酸アルコール飲料を、20℃で30分間保持後、約30cmのストロークにて激しく手で振り、室温で10分間静置した。その後開缶し、噴き量を記録し、4段階(◎:10g未満、○:10g以上20g未満、△:20g以上30g未満、×:30g以上)で評価した。
不溶性固形分を5容量%以下に調整したトマト汁を製造した。
市販のトマトペースト(カゴメ社製)を水で糖度5質量%に希釈してトマト汁とした。このトマト汁を遠心分離機(日立工機社製CR20、アングルローターR9AF)を用いて、1500rpmで10分間の条件で遠心分離し、不溶性固形分を分離した。得られたトマト汁の不溶性固形分は、4容量%であった。
トマトを破砕した後、直ちに高温度に昇温させた。次いで、当該トマト破砕物を搾汁し、遠心分離処理によって不溶物を除去した後、殺菌処理を行った。得られたトマト汁の不溶性固形分は、15〜25容量%であった。
ニンジンを洗浄した後、皮をむいた後、選別されたニンジンを破砕した。得られた破砕物を加熱して酵素を失活させた後、圧搾し、ろ過して搾汁を得た。この搾汁を殺菌した後、真空濃縮により濃縮し、濃縮ニンジン汁を得た。
製造例1及び2で得られたトマト汁とレモン果汁とをビールに添加したビールテイスト飲料の噴き性を調べた。
具体的には、製造例1又は2で得られたトマト汁を20質量%となるように、一般市販品であるレモン果汁(製品名:透明濃縮レモン果汁、サンミゲル社製)を2.5質量%となるように、市販のビールに添加し、ビールテイスト飲料を製造した。各ビールテイスト飲料(n=5)の1週間保存後及び2週間保存後の噴きを測定し、噴き量(g)の平均値から噴き性を評価した。噴き量の平均値(g)及び評価結果を表1に示す。この結果、不溶性固形分を5容量%以下に調整したトマト汁を原料としたビールテイスト飲料1では、2週間保存後でも噴きは観察されず、噴き性が良好であることがわかった。一方、不溶性固形分を10容量%以上含有するトマト汁を原料としたビールテイスト飲料2では、1週間保存後の時点で大量の噴きが観察された。
野菜汁として製造例1で得られたトマト汁又は製造例3で得られたニンジン汁を用い。柑橘類果汁として市販のレモン果汁(製品名:透明濃縮レモン果汁、サンミゲル社製)又は市販のライム果汁(製品名:透明濃縮ライム果汁、エスポルタツィオーネ社製)を用い、これらを一般市販品であるビールに添加し、ビールテイスト飲料を製造した。野菜汁及び柑橘類果汁は表2に示す含有量となるように、それぞれ配合した。全てのビールテイスト飲料は、噴き性と香味を評価する前に、65℃、10分間以上の条件で殺菌を行った。
各ビールテイスト飲料の噴き性と香味を評価し、両評価から総合評価を行った。噴き性は、各ビールテイスト飲料(n=5)に対して噴き試験を実施し、噴き量(g)の平均値から実施例1と同様にして噴き性を評価した。香味は、各ビールテイスト飲料に対して、8名のパネリストにより、9段階の官能評価(9が最も官能評価が高く、1が最も低い。)を実施し、官能評点の平均値から、4段階(◎:7.5以上、○:7以上7.5未満、△:6以上7未満、×:6未満)で評価した。総合評価は、噴き性評価と香味評価の結果を踏まえて、4段階(◎:優、○:良、△:可、×:不良)で判断した。各ビールテイスト飲料の噴き量の平均値(g)及び噴き性評価結果、香味の官能評点の平均値及び香味評価結果、並びに総合評価結果を表2〜5に示す。
トマト汁、ニンジン汁の添加濃度が高くなるにつれ、噴き性が増大することが確認された。一方で、香味については、トマト汁、ニンジン汁の添加濃度を高くすると、ビールらしさ・風味を損なうことなく、野菜本来の味・瑞々しさが増強する傾向が観察された。野菜汁濃度が香味特性に影響を与えていることがわかった。添加濃度上限付近では、後に残る味、臭みが増強される傾向にあり、香味バランスを保つ上で適切な野菜汁濃度があると考えられた。
また、レモン果汁、ライム果汁については、添加濃度依存的に、スッキリ感・瑞々しさを感じやすくなる傾向にあり、柑橘果汁が香味特性に影響を与えていることがわかった。
添加濃度上限付近では、酸味が増強され、香味のバランスを崩す傾向にあり、香味バランスを保つ上で適切な柑橘果汁濃度があると考えられた。
一般市販品であるビールに代えて、アルコール、異性化糖、クエン酸、クエン酸ナトリウム、及び香料から構成される炭酸アルコール飲料を用いた以外は、実施例2と同様にして炭酸アルコール飲料を製造し、各炭酸アルコール飲料の噴き性と香味を評価し、両評価から総合評価を行った。各炭酸アルコール飲料の噴き量の平均値(g)及び噴き性評価結果、香味の官能評点の平均値及び香味評価結果、並びに総合評価結果を表6〜9に示す。
炭酸アルコール飲料のpHが噴き性及び香味に与える影響を調べた。
具体的には、製造例1で得られたトマト汁を25質量%となるように、一般市販品であるレモン果汁(製品名:透明濃縮レモン果汁、サンミゲル社製)を5質量%となるように、一般市販品であるビールに添加し、表10に示すpHに調整し、ビールテイスト飲料を製造した。pH調整には、クエン酸及びクエン酸ナトリウムを使用した。pH2.5〜3.5の各ビールテイスト飲料は65℃、10分間以上の条件で、pH4〜4.5の各サンプルは85℃、30分間以上の条件で、pH5の各サンプルは120℃、4分間以上の条件で殺菌を行った。
実施例2と同様にして各ビールテイスト飲料の噴き性と香味を評価し、両評価から総合評価を行った。各ビールテイスト飲料の噴き量の平均値(g)及び噴き性評価結果、香味の官能評点の平均値及び香味評価結果、並びに総合評価結果を表10に示す。
炭酸アルコール飲料の苦味価が香味に与える影響を調べた。
具体的には、製造例1で得られたトマト汁を25質量%となるように、一般市販品であるレモン果汁(製品名:透明濃縮レモン果汁、サンミゲル社製)を5質量%となるように、苦味価が表11に示す値である5種類の一般市販品のビールにそれぞれ添加し、pH3.8に調整したビールテイスト飲料を製造した。なお、苦味価の測定は、EBC(European Brewery Convention)のAnalytica−EBC標準法に準じて行った。
炭酸アルコール飲料にシリコーンを添加した場合に噴き性に与える影響を調べた。
具体的には、製造例2で得られたトマト汁を25質量%となるように、一般市販品であるレモン果汁(製品名:透明濃縮レモン果汁、サンミゲル社製)を5質量%となるように、シリコーンを有効成分とする消泡剤(製品名:KM72F、信越化学工業社製)を表12に示す濃度となるように、それぞれ一般市販品であるビールに添加し、pH3.8に調整したビールテイスト飲料を製造した。
実施例1と同様にして各ビールテイスト飲料(n=5)の1週間保存後及び2週間保存後の噴き性を評価した。さらに、泡持ちや見た目について、目視により4段階(◎:優、○:良、△:可、×:不良)で評価を行った。
Claims (8)
- 野菜汁の含有量が0.5〜75質量%であり、柑橘類果汁の含有量が1〜5質量%であり、pHが3〜4.5であることを特徴とする炭酸アルコール飲料。
- 前記野菜汁がトマト汁であることを特徴とする、請求項1に記載の炭酸アルコール飲料。
- 前記トマト汁が、不溶性固形分を5容量%以下に調整されたトマト汁であることを特徴とする、請求項2に記載の炭酸アルコール飲料。
- 前記柑橘類果汁がレモン果汁であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の炭酸アルコール飲料。
- 苦味価が5〜20であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の炭酸アルコール飲料。
- さらに、シリコーンを0.03〜2.1ppm含有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の炭酸アルコール飲料。
- 容器詰飲料であることを特徴とする、請求項1〜6いずれか一項に記載の炭酸アルコール飲料。
- 野菜汁を含有する炭酸アルコール飲料において、
野菜汁を0.5〜75質量%となるように含有させ、柑橘類果汁を1〜5質量%となるように含有させ、pHを3〜4.5とすることを特徴とする、炭酸アルコール飲料の噴きと香味の改善方法。
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