JP2021036811A - 分散安定化用組成物及びその応用 - Google Patents

分散安定化用組成物及びその応用 Download PDF

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聡 池上
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和寛 前田
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信悟 松山
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Abstract

【課題】液状部を含む飲食品において、比重の大きい固体物であっても液状部中に安定に分散させることができる、幅広い比重の固体物を分散安定化する組成物の提供。【解決手段】比重が0.1〜3の固体物を含有する液状部を有する飲食品のために用いられる、果実由来食物繊維及び水溶性多糖類を含有する、固体物の分散安定化用組成物。粘度が10〜400mPa・sである、該組成物。果実由来食物繊維1質量部に対する水溶性多糖類の含有量が、0.03〜40質量部である、該組成物。【選択図】図1

Description

本発明は、飲食品の固体物を分散安定化する組成物、固体物の分散安定化を向上させる方法、並びに、固体物が分散安定化された飲食品及びその製造方法に関する。
飲食品には、流動性を有する液状部に、固体物が加えられたものが数多く存在する。例えば、液状の加工食品やドレッシング等の調味料では野菜やスパイス等が加えられることがあり、また飲料等の粘性の低い液状の飲食品でも、独特の食感を付与するためにゼリーや果肉等が加えられることがある。
コロイド粒子より大きい固体物は、静置するとその比重によって徐々に沈降又は浮上していく。そのような固体物が飲食品の底又は上面にたまると、喫食時に飲食品を振り混ぜるなどして固体物を再分散しなければならず、また食感ムラが生じて嗜好性が低下する、見た目が悪くなる、といった問題も生じる。
そこで、飲食品の固体物を分散した状態で安定化するための手段として、例えば特許文献1には、ココア粉末又は果肉等を固体物として含有する飲食品において、固体物の分散安定化剤としてゼリー強度が1.5%寒天濃度で1,200g/cm以上の高強度寒天を含有させる手段が開示されている。
特開2012−139148号公報
しかし、上記の手段では、分散安定性は未だ十分とは言えず、特に比重の大きい固体物の分散安定性に改善の余地があることが判明した。
そこで、本発明は、液状部を含む飲食品において、比重の大きい固体物であっても液状部中に安定に分散させることができ、幅広い比重の固体物を分散安定化する手段に関する。
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、特定の比重の固体物を含有する液状部を有する飲食品の液状部に、果実由来食物繊維及び水溶性多糖類を含有させることにより、液状部中の固体物の分散安定性が向上することを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、以下の分散安定化用組成物を提供する。
[1]
(C)比重が0.1〜3の固体物を含有する液状部を有する飲食品、のために用いられる、
(A)果実由来食物繊維、及び(B)水溶性多糖類を含有する、固体物の分散安定化用組成物。
[2]
[1]に記載の分散安定化用組成物であって、該組成物を(A)成分が0.3質量%含有されるように水に溶解し、高圧ホモジナイザーにて圧力15MPaで1回均質化して得られる水溶液において、B型粘度計を用いて、20℃にて回転数60rpmで1分回転させることで測定される粘度が10mPa・s以上400mPa・s未満である、組成物。
[3]
(B)成分が、ペクチン、大豆多糖類、キサンタンガム、ジェランガム、カラギナン、アルギン酸、寒天、フコイダン、アガロペクチン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、カラヤガム、ポルフィラン、ウェランガム、ガラクトマンナン、タマリンドシードガム、グルコマンナン、サイリウムシードガム、マクロホモプシスガム、プルラン、カードラン、トラガントガム、ガティガム、アラビアガム、アラビノガラクタン、ファーセレラン、セルロース誘導体、澱粉類、及びデキストリン類、並びにこれらの塩からなる群より選ばれる1種又は2種以上である、[1]又は[2]に記載の組成物。
[4]
(A)成分1質量部に対する(B)成分の含有量が、0.03〜40質量部である、[1]〜[3]のいずれか1に記載の組成物。
[5]
さらに賦形剤を含有する、[1]〜[4]のいずれか1に記載の組成物。
また、本発明は、以下の飲食品を提供する。
[6]
(A)果実由来食物繊維、及び(B)水溶性多糖類を含有する、液状部と、
(C)比重が0.1〜3の固体物
とを含み、該固体物が前記液状部に分散されている、飲食品。
[7]
(A)成分の含有量が、前記液状部の全量に対して、0.03〜1質量%である、[6]に記載の飲食品。
さらに、本発明は、以下の飲食品の製造方法を提供する。
[8]
(A)果実由来食物繊維、(B)水溶性多糖類、及び(C)比重が0.1〜3の固体物を含有する液状混合物を調製する工程、並びに
少なくとも果実由来食物繊維を均質化する工程
を含む、飲食品の製造方法。
[9]
均質化が、高圧ホモジナイザーを用いて、圧力が5〜200MPaで行われる、[8]に記載の飲食品の製造方法。
さらに、本発明は以下の分散安定性を向上させる方法を提供する。
[10]
(A)果実由来食物繊維、及び(B)水溶性多糖類を、(C)比重0.1〜3の固体物を含有する液状部を有する飲食品に適用することを含む、固体物の分散安定性を向上させる方法。
本発明の構成によれば、飲食品の液状部に固体物が分散した状態を安定化し、幅広い比重の固体物の沈降又は浮上を抑制する。
試験例1において、ナイロンビーズを固体物として均一に分散させてから静置した後1時間及び20時間経過した時点の固体物の分布を示す写真である。 試験例2において、比重の異なるビーズ又は食品素材を固体物として均一に分散させてから静置した後1分及び20時間経過した時点の固体物の分布を示す写真である。
[定義]
本明細書において、固体物とは、定まった形をもち、コロイド粒子より大きく、水を主成分とする液状物中に静置すると重力によって浮上又は沈降する物体を表す。固体物は、特に限定されないが、例えば果肉や液体を封入したゼリーのように液状物(液体)を含んでいてもよく、また固体物内の液状物と固体物外の液状物とが交換し得る開口部を1つ以上有していてもよい。固体物の形状は、特に限定されず、例えば粉状、粒状、立方体状、直方体状、錘状、柱状、不定形状等の種々の形状をとることができる。また固体物は、例えばゼリー等のゲル状物のように、外部からの力によって変形してもよい。
本明細書において、固体物の分散安定化とは、固体物を液状物に均一になるように分散させてから静置した場合に、液状物中の固体物の沈降又は浮上の速度がより遅くなることを表す。
本明細書において、粘度は、特に記載がない限り、B型粘度計を用いて、20℃にて回転数60rpmで1分回転させることで測定される粘度である。より具体的には、粘度は、B型粘度計として、東機産業株式会社の粘度計TVB−10Mを用い、機器のマニュアルに従って、当該機器に対応するローターNo.1〜4の中から、サンプルの粘度に適切なローターを選択して用い、測定を行う。
[分散安定化用組成物]
本発明の分散安定化用組成物は、(A)果実由来食物繊維、及び(B)水溶性多糖類を含有することを特徴とし、(C)特定比重の固体物を含有する液状部を有する飲食品、において、固体物を分散安定化するために使用される。
((A)果実由来食物繊維)
本発明に用いられる果実由来食物繊維は、果実の食物繊維を含む画分を乾燥粉砕した組成物である。果実由来食物繊維は、果実を構成する細胞の細胞壁中のセルロース、ヘミセルロース等の不溶性食物繊維を多く含み、果実の持つ繊維組織構造を部分的に保持していることを特徴とする。
さらに、本発明に用いられる果実由来食物繊維は、果実から果汁を除いた残渣、又は残渣をろ過等により精製した精製物から調製することが好ましい。
果実由来食物繊維の粉末を60メッシュのふるいにかけた際の残分(メッシュオン)は、ふるいにかけた粉末全量に対して、好ましくは3.0質量%以下、より好ましくは2.5質量%以下、更に好ましくは2.0質量%以下である。
果実由来食物繊維1質量部を25℃の水に24時間浸した後の保水量は、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上、更に好ましくは15質量部以上、特に好ましくは20質量部以上である。なお、保水量は、水に浸した食物繊維を遠心して水気を除いた後の質量から、水に浸す前の質量を差し引いた質量である。
果実由来食物繊維の食物繊維含有量は、好ましくは85質量%以上である。
本発明に用いられる果実由来食物繊維の由来としては、本発明の効果を奏するものであれば特に限定されず、例えば柑橘類(レモン、ライム、ユズ、オレンジ、グレープフルーツ、夏ミカン、温州ミカン、スダチ、カボス、ハッサク、イヨカン、ブンタン、晩白柚、キンカン、ダイダイ等)、リンゴ、パイナップル、バナナ、グァバ、マンゴー、アセロラ、パパイヤ、パッションフルーツ、モモ、ブドウ(マスカット、巨峰等を含む)、イチゴ、ウメ、ナシ、アンズ、スモモ、キウイフルーツ、メロン、カキ、イチジク等が挙げられる。中でも柑橘類由来の食物繊維が好ましく、レモン、ライム、ユズ、オレンジ、グレープフルーツ、及び夏ミカンからなる群より選ばれる1種又は2種以上に由来する食物繊維がより好ましい。
本発明の分散安定化用組成物において、(A)成分の総含有量は、特に限定されないが、組成物の全量に対して、例えば0.1質量%以上、0.2質量%以上、0.5質量%以上、1質量%以上、2質量%以上、3質量%以上、4質量%以上、5質量%以上、10質量%以上、20質量%以上、30質量%以上、40質量%以上、50質量%以上、60質量%以上、70質量%以上、80質量%以上、90質量%以上とすることができ、また、90質量%以下、80質量%以下、70質量%以下、60質量%以下、50質量%以下、40質量%以下、30質量%以下、20質量%以下、10質量%以下、5質量%以下、4質量%以下、3質量%以下、2質量%以下、1質量%以下、0.5質量%以下、0.2質量%以下、0.1質量%以下とすることができる。
((B)水溶性多糖類)
本発明に用いられる水溶性多糖類としては、例えば、ペクチン(ハイメトキシル(HM)ペクチン、ローメトキシルペクチン(LM)ペクチン等)、大豆多糖類、キサンタンガム、ジェランガム(ネイティブ型ジェランガム、脱アシル型ジェランガム等)、カラギナン(例えば、カッパ型、イオタ型、ラムダ型等)、アルギン酸、寒天、フコイダン、アガロペクチン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、カラヤガム、ポルフィラン、ウェランガム、ガラクトマンナン(例えば、ローカストビーンガム、グァーガム、タラガム等)、タマリンドシードガム、グルコマンナン、サイリウムシードガム、マクロホモプシスガム、プルラン、カードラン、トラガントガム、ガティガム、アラビアガム、アラビノガラクタン、ファーセレラン、セルロース誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、水溶性ヘミセルロース等)、澱粉類(例えば、澱粉、カルボキシメチルスターチナトリウム、カルボキシメチルスターチ、ヒドロキシプロピルスターチ、α化澱粉、リン酸化澱粉、リン酸架橋澱粉、オクテニルコハク酸澱粉、酢酸澱粉等)、及びデキストリン類(例えば、ポリデキストロース、難消化性デキストリン等)、並びにこれらの塩からなる群より選ばれる1種又は2種以上を挙げることができる。
中でも、本発明の(B)成分としては、キサンタンガム、カラギナン、ペクチン、カルボキシメチルセルロース、大豆多糖類、アルギン酸、寒天、フコイダン、アガロペクチン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、リン酸化澱粉、酢酸澱粉、カラヤガム、ポルフィラン、及びこれらの塩からなる群より選ばれる1種又は2種以上が好ましく、キサンタンガム、λ−カラギナン、LMペクチン、カルボキシメチルセルロース、ネイティブ型ジェランガム、大豆多糖類、アルギン酸、寒天、及びこれらの塩からなる群より選ばれる1種又は2種以上がより好ましく、キサンタンガム、λ−カラギナン、カルボキシメチルセルロース、ネイティブ型ジェランガム、アルギン酸、寒天、及びこれらの塩からなる群より選ばれる1種又は2種以上が更に好ましい。
キサンタンガムとは、Xanthomonas campestrisが産生する発酵多糖類である。キサンタンガムは、β−1,4−D−グルカンを主鎖骨格とし、主鎖中のグルコース1分子おきにα−D−マンノース、β−D−グルクロン酸、β−D−マンノースからなる側鎖が結合した多糖類である。主鎖に結合したマンノースはC6位がアセチル化され、末端のマンノースはピルビン酸とアセタール結合している場合がある。本発明に用いられるキサンタンガムは特に限定されず、アセチル基含量が通常よりも低いあるいはアセチル基を含まないキサンタンガム、及びピルビン酸含量が通常よりも低いあるいはピルビン酸を含まないキサンタンガムも使用することができる。
カラギナンは、イバラノリ属(Hypnea属)、キリンサイ属(Eucheuma属)、ギンナンソウ属(Iridaea属)、スギノリ属(Gigartina属)又はツノマタ属(Chondrus属)の藻類の全藻から抽出、精製される天然高分子で、硫酸基を有し、分子量は通常、100,000〜1,500,000である。D−ガラクトースと、3,6アンヒドロ−D−ガラクトースから構成される多糖類であるカラギナンの基本構造単位の硫酸基の位置、アンヒドロ糖の有無によってλ、ι、κ、μ、ν等のカラギナンが存在する。本発明に用いられるカラギナンとしては、特に限定されないが、λ−カラギナンが好ましい。
ペクチンは、主鎖にガラクツロン酸とラムノースをもち、主鎖中のラムノースに中性糖を中心とした側鎖が結合する構造をとっている。また、主鎖の大部分を構成するガラクツロン酸の一部がメチル基又はアセチル基でエステル化されている。ガラクツロン酸の全モル数に対するメチルエステル化されたガラクツロン酸のモル含有率(%)であるメチルエステル化度(DE)が50%以上のメチルエステル基高含有率ペクチンが、ハイメトキシルペクチン(HMペクチン)と呼ばれる。一方、HMペクチンを酸、アルカリ又は酵素で処理することによりDE50%未満に減少させたものは、ローメトキシルペクチン(LMペクチン)と呼ばれる。なおメチルエステル化度(DE)は、WO2015/159990号の実施例で採用した方法に従って測定することができる。本発明に用いられるペクチンは、特に限定されないが、好ましくはLMペクチンである。
大豆多糖類は、大豆に由来する水溶性の多糖類であり、特に限定されるものではないが、別名大豆食物繊維又は水溶性大豆ヘミセルロース等と称されるものが包含される。構成糖は、主に、ガラクトース、アラビノース、ガラクツロン酸からなる。大豆多糖類は、ペクチンと異なり、二価の金属イオンによってゲル化や増粘しにくいことを特徴とする。当該大豆多糖類は、通常、大豆から分離大豆蛋白質を製造する過程で生成する不溶性食物繊維から抽出・精製され、必要に応じて殺菌して調製することができる。大豆多糖類は、簡便には、例えば不二製油株式会社製のソヤファイブ−S、又は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社から水溶性大豆多糖類SM−700という名称で商業的に入手可能である。
ジェランガムは、シュードモナス エロデア(Pseudomonas elodea)ATCC31461又はその変異株により生産される発酵多糖類であり、2つのD−グルコース残基と1つのL−ラムノース残基と1つのD−グルクロン酸残基からなる四糖を構成単位とする。ジェランガムは、菌株の培養物から得られるネイティブ型ジェランガムと、ネイティブ型ジェランガムを脱アシル処理して得られる脱アシル型ジェランガムに大きく分けられる。本発明に用いられるジェランガムとしては、特に限定されないが、ネイティブ型ジェランガムが好ましい。
アルギン酸は、海藻から抽出した多糖類であり、β−D−マンヌロン酸とα−L−グルロン酸を構成糖とする。アルギン酸の塩としては、特に限定されないが、例えばアルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸アンモニウム等が知られている。
寒天は、テングサ(天草)、オゴノリなどの紅藻類の粘液質を凍結・乾燥して得られる多糖であり、中性のアガロースと酸性多糖であるアガロペクチンの混合物である。アガロペクチンは部分的に硫酸基、ピルビン酸基を有する。
本発明の分散安定化用組成物において、(B)成分の総含有量は、特に限定されないが、組成物の全量に対して、例えば0.1質量%以上、0.2質量%以上、0.5質量%以上、1質量%以上、2質量%以上、3質量%以上、4質量%以上、5質量%以上、10質量%以上、20質量%以上、30質量%以上、40質量%以上、50質量%以上、60質量%以上、70質量%以上、80質量%以上、90質量%以上とすることができ、また、90質量%以下、80質量%以下、70質量%以下、60質量%以下、50質量%以下、40質量%以下、30質量%以下、20質量%以下、10質量%以下、5質量%以下、4質量%以下、3質量%以下、2質量%以下、1質量%以下、0.5質量%以下、0.2質量%以下、0.1質量%以下とすることができる。
本発明の分散安定化用組成物の(A)成分1質量部に対する(B)成分の総含有量は、特に限定されないが、本発明の効果を顕著に奏する観点から、好ましくは0.03質量部以上、より好ましくは0.05質量部以上、更に好ましくは0.1質量部以上である。
本発明の分散安定化用組成物の(A)成分1質量部に対する(B)成分の総含有量は、特に限定されないが、本発明の効果を顕著に奏する観点から、好ましくは40質量部以下、より好ましくは30質量部以下、更に好ましくは23質量部以下である。
(賦形剤)
本発明の分散安定化用組成物には、(A)成分及び(B)成分以外に、更に賦形剤を含有させることができる。賦形剤としては、例えば、澱粉分解物(デキストリン、粉飴等)、糖類(単糖(グルコース、フルクトース等)、二糖(例えば、ショ糖、乳糖、麦芽糖、トレハロース等)、オリゴ糖(セロオリゴ糖、マルトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖等)、糖アルコール(キシリトール、ソルビトール、ラクチトール、マルチトール等)、還元糖化物等)が挙げられる。これらの賦形剤は、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の分散安定化用組成物における賦形剤の総含有量は、特に限定されないが、組成物の全量に対して、例えば、0〜90質量%が挙げられ、好ましくは3〜80質量%、より好ましくは4〜75質量%、更に好ましくは5〜70質量%である。
(乳化剤)
本発明の分散安定化用組成物には、(A)成分、(B)成分、及び賦形剤以外に、更に乳化剤を含有させることができる。乳化剤としては、特に限定されないが、例えば、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル(例えば、モノグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル、有機酸モノグリセリド等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、レシチン、酵素分解レシチン、酵素処理レシチン、ステアロイル乳酸ナトリウム、ステアロイル乳酸カルシウム、キラヤ抽出物、サポニン、ポリソルベート(例えば、ポリソルベート20、ポリソルベート60、ポリソルベート65、ポリソルベート80)等が挙げられる。これらの乳化剤は、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の分散安定化用組成物における乳化剤の総含有量は、特に限定されないが、組成物の全量に対して、好ましくは0.01〜2質量%、より好ましくは0.05〜1質量%、更に好ましくは0.1〜0.5質量%である。
(その他成分)
本発明の分散安定化用組成物には、本発明の効果を損なわない限りにおいて、(A)成分、(B)成分、賦形剤、及び乳化剤以外に、さらに公知の栄養成分、塩類、呈味成分、エキス、甘味料、糖アルコール、高甘味度甘味料、苦味料、酸味料、香料、着色料、食品添加物(pH調整剤、保存料、酸化防止剤、増粘剤、安定化剤等)等を1種又は2種以上配合することができる。
(形態)
本発明の分散安定化用組成物の形状は、特に限定されず、例えば、固体形状(例えば、粉末状、顆粒状及び錠剤状等)、液体形状(例えば、溶解液、分散液等)等が挙げられるが、好ましくは固体形状であり、より好ましくは粉末状である。
本発明の分散安定化用組成物を(A)成分が0.3質量%含有されるように水に溶解し、高圧ホモジナイザーにて圧力15MPaで1回均質化して得られる水溶液において、B型粘度計を用いて、20℃にて回転数60rpmで1分回転させることで測定される粘度は、本発明の効果を顕著に奏する観点から、好ましくは10mPa・s以上、より好ましくは20mPa・s以上、更に好ましくは40mPa・s以上である。
本発明の分散安定化用組成物を(A)成分が0.3質量%含有されるように水に溶解し、高圧ホモジナイザーにて圧力15MPaで1回均質化して得られる水溶液において、B型粘度計を用いて、20℃にて回転数60rpmで1分回転させることで測定される粘度は、対象とする食品の液状部の流動性を良好とする観点から、好ましくは400mPa・s未満、より好ましくは300mPa・s未満、更に好ましくは250mPa・s未満である。
(製造方法)
本発明の分散安定化用組成物の製造方法は、少なくとも(A)成分及び(B)成分を含有させる工程を含む。(A)成分及び(B)成分は、製剤の形態に応じて、粉末として含有させてもよく、溶液状態にしてから含有させてもよい。本発明の分散安定化用組成物の製造方法には、必要に応じてさらに希釈工程、乾燥工程、乳化工程、粉末化工程等を設けることができる。
((C)固体物を含有する液状部を有する飲食品)
本発明の分散安定化用組成物の対象である飲食品は、流動性を有する部分(液状部)を有し、該液状部に固体物を分散させる形態をとるものであれば特に限定されない。好ましい形態の具体例としては、例えば、飲料(清涼飲料、アルコール飲料)、野菜加工品(野菜漬物等)、果物加工品(シロップ漬けフルーツ等)、菓子類(洋生菓子等)、酪農製品(ヨーグルト等)、調理食品(カレーソース、シチューソース、スープ類、みそ汁等)、調味料(つゆ類、ソース、ドレッシング、ジャム、マーマレード等)等を挙げることができ、中でも飲料又は調味料がより好ましい。
本明細書において、清涼飲料とは、特に限定されないが、例えば、乳性飲料(乳飲料、発酵乳、乳酸菌飲料等)、エネルギー飲料、健康飲料(薬系ドリンク、健康サポート飲料、機能性清涼飲料、スポーツドリンク、ビネガードリンク、麦芽ドリンク等)、植物性飲料(米、豆乳、アーモンドを主原料とする穀物飲料等)、ノンアルコール系飲料(ノンアルコールビール等)、炭酸飲料、果汁飲料、野菜飲料(青汁、トマトジュース等)、野菜入り混合果汁飲料、果肉飲料、コーヒー飲料、麦芽飲料、スポーツ飲料、茶系飲料(抹茶、緑茶、紅茶、ウーロン茶等)、ゼリー飲料、ココア飲料、チョコドリンク、甘酒、しるこ、スープ飲料等のアルコール度数1度未満の飲料を指す。
本明細書において、アルコール飲料は、飲料中のアルコール含量が1度以上の飲料であり、例えば、酒税法上の「酒」を指すアルコール飲料が挙げられる。特に限定されないが、具体的には、清酒類(清酒、合成清酒)、焼酎、ビール、果実酒類(果実酒、梅酒等の甘味果実酒)、ウイスキー類(ウイスキー、ブランデー)、スピリッツ類(スピリッツ)、リキュール類、発泡酒、その他の醸造酒(マッコリ等)、雑酒(粉末酒、その他の雑酒)等を挙げることができる。
本発明が分散安定化する固体物の比重は、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上、更に好ましくは0.4以上である。
本発明が分散安定化する固体物の比重は、液状部の比重及び粘度によって適宜設定され得るが、本発明の効果を顕著に奏する観点から、好ましくは3以下、より好ましくは2.5以下、更に好ましくは2以下である。
本発明が分散安定化する固体物の大きさは、レーザー回折式粒度分布測定装置で測定される粒子径が、本発明の効果を顕著に奏する観点から、好ましくは1μm以上、より好ましくは2μm以上、更に好ましくは10μm以上である。
本発明が分散安定化する固体物の最大径は、好ましくは5cm以下、より好ましくは3cm以下、更に好ましくは2cm以下である。
本発明が分散安定化する固体物の具体例としては、特に限定されないが、例えば、ゼリー;寒天;果物又はその加工品;野菜(きのこ、海藻、穀類を含む)又はその加工品;ココアパウダー;茶葉又はその加工品(抹茶等);タピオカ;ナタデココ;スパイス類(こしょう、山椒、唐辛子等);パン類(クルトン等);こんにゃく;豆腐;肉又はその加工品;魚肉又はその加工品;卵加工品;及び乳製品(チーズ等)から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
(用量)
本発明の分散安定化用組成物は、上記飲食品の液状部に配合される。
本発明の分散安定化用組成物の、上記飲食品の液状部全量に対する配合量は、特に限定されないが、本発明の効果を顕著に奏する観点から、(A)成分換算量で、例えば0.03質量%以上、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上である。
本発明の分散安定化用組成物の、上記飲食品の液状部全量に対する配合量は、特に限定されないが、液状部の流動性を良好とする観点から、(A)成分換算量で、例えば1質量%以下、好ましくは0.75質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下である。
(使用方法)
本発明の分散安定化用組成物を飲食品に用いる場合には、本発明の効果を高める観点から、均質化処理を行うことが好ましい。
本明細書において、均質化(ホモジナイズ)とは、例えば、高圧流体を狭いギャップを通して流したときに液体が受けるせん断力を利用する高圧ホモジナイザー、液体に超音波を作用させたときに生じる気泡の破裂による衝撃波を利用する超音波ホモジナイザー、内外の回転刃の高速回転による遠心力を利用した外刃によるせん断・破砕作用と超音波作用を利用する高速ホモジナイザー等を用いて、液体中の粒子を分散させて均一な懸濁液を調製することを指し、いわゆるミキサー、ホモミキサー、回転羽根等による攪拌とは区別される。
高圧ホモジナイザーを用いる場合は、均質化に用いる圧力は、特に限定されず、例えば5MPa〜200MPa、好ましくは7.5〜100MPa、より好ましくは10〜50MPaである。
高圧ホモジナイザーのホモバルブの形状は、特に限定されず、例えば山型、平型、テーパー型、網キャップ式等の形状のものを用いることができる。
均質化時の温度は、特に限定されず、好ましくは10〜90℃、より好ましくは15〜80℃である。
[飲食品]
本発明の飲食品は、(A)果実由来食物繊維、及び(B)水溶性多糖類を含有する、液状部と、(C)比重0.1〜3の固体物とを含み、該固体物が前記液状部に分散されていることを特徴とする。
(液状部)
本発明の飲食品の液状部とは、特定の比重を有する固体物が分散された、流動性を有する部分を表す。本発明の飲食品は、液状部を1つだけ有しても、2以上を有していてもよい。また、本発明の飲食品には、本発明の効果を損なわない限りにおいて、液状部とは別に、流動性のない部分又は固体物が分散されていない別の液状部を、1以上有していてもよい。
本発明の(A)成分である果実由来食物繊維及び(B)成分である水溶性多糖類は、本発明の飲食品の液状部に含有される。但し、これらの成分は、液状部以外の部分に含有されていてもよい。
本発明の飲食品の(A)成分である果実由来食物繊維の性状及び具体例は、上記の[分散安定化用組成物]の項に記載した(A)成分の果実由来食物繊維と同じである。
本発明の(A)成分の果実由来食物繊維は、均質化物であることが好ましい。均質化物とは、均質化処理を受けたことを表す。果実由来食物繊維の均質化物には、果実由来食物繊維のみを水に溶解したものを均質化処理して得られるものに限定されず、例えば果実由来食物繊維に加えて(B)成分、固体物及びその他の成分からなる群より選ばれる1種又は2種以上を含む液状物を均質化して得られる果実由来食物繊維も包含される。なお、均質化処理は、上記の[分散安定化用組成物]の項の使用方法の項に記載した均質化処理と同じである。
本発明の飲食品の(A)成分の総含有量は、特に限定されないが、本発明の効果を顕著に奏する観点から、固体物が分散された液状部の全量に対して、好ましくは0.03質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上である。
本発明の飲食品の(A)成分の総含有量は、特に限定されないが、流動性を良好とする観点から、固体物が分散された液状部の全量に対して、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.75質量%以下、更に好ましくは0.5質量%以下である。
本発明の飲食品の(B)成分である水溶性多糖類の性状及び具体例は、上記の[分散安定化用組成物]の項に記載した(B)成分と同じである。
本発明の飲食品の(B)成分の総含有量は、特に限定されないが、本発明の効果を顕著に奏する観点から、固体物が分散された液状部の全量に対して、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.03質量%以上、更に好ましくは0.05質量%以上である。
本発明の飲食品の(B)成分の総含有量は、特に限定されないが、本発明の効果を顕著に奏する観点から、固体物が分散された液状部の全量に対して、好ましくは2.0質量%以下、より好ましく1.0質量%以下、更に好ましくは0.5質量%以下である。
本発明の飲食品の(A)成分1質量部に対する(B)成分の総含有量は、特に限定されないが、本発明の効果を顕著に奏する観点から、好ましくは0.03質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上、更に好ましくは0.5質量部以上である。
本発明の飲食品の(A)成分1質量部に対する(B)成分の総含有量は、特に限定されないが、本発明の効果を顕著に奏する観点から、好ましくは40質量部以下、より好ましくは30質量部以下、更に好ましくは23質量部以下である。
本発明の飲食品の液状部の粘度は、特に限定されないが、本発明の効果を顕著に奏する観点から、B型粘度計を用いて、20℃にて回転数60rpmで1分回転させることで測定される粘度が、好ましくは10mPa・s以上、より好ましくは20mPa・s以上、更に好ましくは40mPa・s以上である。
本発明の飲食品の液状部の粘度は、特に限定されないが、流動性を良好とする観点から、B型粘度計を用いて、20℃にて回転数60rpmで1分回転させることで測定される粘度が、好ましくは1100mPa・s未満、より好ましくは1050mPa・s未満、更に好ましくは1000mPa・s未満、更により好ましくは300mPa・s未満、特に好ましくは250mPa・s未満である。
(固体物)
本発明の飲食品の固体物は、上記液状部に分散されている。固体物の性状及び具体例と、これらの好ましい態様は、上記の[分散安定化用組成物]の項の使用対象の項に記載した固体物と同じである。
(その他成分)
本発明の飲食品は、本発明の効果を損なわない限りにおいて、(A)成分、(B)成分以外に、飲食品に用いられ得る公知の栄養成分、アルコール、酒類、塩類、呈味成分、果汁、果肉、野菜、野菜汁、ピューレ、エキス(動物、植物、微生物等由来)、香辛料、甘味料、糖アルコール、高甘味度甘味料、苦味料、酸味料、香料、着色料、その他食品添加物(食物繊維、pH調整剤、保存料、酸化防止剤、増粘剤、安定化剤等)等を、液状部、固体物、又はそれ以外の部分に、1種又は2種以上含有してもよい。
(形態)
本発明の飲食品の形態の具体例及び好ましい態様は、上記の[分散安定化用組成物]の項の使用対象に記載した飲食品と同じである。
(容器)
本発明の飲食品の容器としては、特に限定されないが、固体物の分散が外観に与える影響が大きい態様として、透明若しくは半透明容器、又は透明若しくは半透明の窓付き容器等のように、液状部及び固体物が外部から視認できる態様の容器が好ましい。この場合、容器の材質としてはプラスチック又はガラスが好ましい。
また、本発明の飲食品の容器としては、特に限定されないが、固体物の分散が飲食品の摂取のしやすさに与える影響が大きい態様として、例えば、缶、瓶、スパウトパウチ等の狭口の容器に充填された態様、又はブリックパックのように摂取時にストロー等で吸い上げる態様もまた好ましい。この場合、容器の材質としては紙、プラスチック、ガラス又は金属(鉄、アルミニウム等)が好ましい。
[飲食品の製造方法]
本発明の製造方法は、
(A)果実由来食物繊維、(B)水溶性多糖類、及び(C)比重0.1〜3の固体物を含む、液状混合物を調製する工程、並びに、少なくとも果実由来食物繊維を均質化する工程(「均質化工程」と呼ぶ)を含む。
本発明の飲食品の製造方法における(A)及び(B)成分、及び(C)成分の固体物の種類及び好ましい態様は、上記の[飲食品]の項と同じである。また得られる液状混合物における、液状部の好ましい態様は、上記の[飲食品]の項の液状部と同じである。
混合物調製工程は、(A)〜(C)成分から選ばれる2種以上を一度に混合しても良いし、(A)〜(C)成分を全て別々に混合しても良い。固体物の形状を維持する観点から、(A)成分及び(B)成分を含有する混合物に、(C)成分を含有させることが好ましい。少なくとも(A)成分及び(B)成分を含有する液状物の調製のために、特に限定されないが、例えば本発明の分散安定化用組成物が好適に用いられる。
均質化工程は、少なくとも(A)成分の果実由来食物繊維を含有する液状物を均質化する工程である。本均質化工程には、果実由来食物繊維単独を含む液状物を均質化する場合の他、果実由来食物繊維に加えて(B)成分、(C)成分、及びその他の成分からなる群より選ばれる1種以上を含有する液状物を均質化する場合も含まれる。中でも製造のしやすさの観点から、(A)成分単独を含有する液状物、又は(A)成分及び(B)成分を含有する液状物を均質化することが好ましい。また、固体物の形状を維持する観点から、少なくとも(C)成分を含まない液状物を均質化することが好ましい。
均質化の方法及び好ましい態様は、上記の[分散安定化用組成物]の項の使用条件の項に記載したものと同じである。均質化工程の回数は特に限定されないが、本発明の効果をさらに高める観点から、好ましくは2回以上、より好ましくは3回以上、更に好ましくは4回以上設けることができる。
本発明の飲食物の製造方法には、さらに固体物を準備する工程を含むことが好ましい。
その他工程として、飲食品の製造に用いられる工程を適宜導入することができる。特に限定されないが、例えば、液状物の保存安定性の観点から、加熱殺菌工程を含むことが好ましい。加熱殺菌工程は、混合物調製工程及び均質化工程よりも後に設けられることが好ましい。
[分散安定性を向上させる方法]
本発明の分散安定性を向上させる方法は、(A)果実由来食物繊維、及び(B)水溶性多糖類を、(C)比重0.1〜3の固体物を含有する液状部を含む飲食品に適用することを含む。(A)成分、(B)成分、賦形剤、乳化剤、その他成分、及び対象となる液状部を含む飲食品の固体物、物性等の具体例及び好ましい態様は、上記の[分散安定化用組成物]の項の記載と同じである。
以下に、実施例を用いて本発明を更に詳しく説明する。ただし、これらの例は本発明を制限するものではない。なお、実施例中の「部」「%」は、それぞれ「質量部」「質量%」を意味する。また、文中「*」印は、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製であることを示し、文中「※」印は、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の登録商標であることを示す。
[試験方法]
(サンプル調製)
(1)終濃度が各試験例の表の処方となるように、果実由来食物繊維としてシトラスファイバー、及び各種水溶性多糖類を脱イオン水に加え、90℃で10分間加熱攪拌して溶解した。そして、脱イオン水で溶液の全量を1000gに調整した。水溶性多糖類として、キサンタンガム、λ−カラギナン、LMペクチン、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、大豆多糖類、アルギン酸ナトリウム、又は寒天を用いた。
(2)得られた水溶液に対して、高圧ホモジナイザー(ゴーリンタイプ)を用いて、15MPa、75℃でそれぞれの試験例で記載された回数均質化処理を行い、冷却して、サンプルとした。
(サンプルの粘度測定)
サンプルの粘度は、20℃にて、B型粘度計(東機産業株式会社製、型式TVB−10M)を用いて、回転数6rpm及び60rpmで粘度の測定を行った。ローターには、機器に対応したNo.1〜4ローターから、機器のマニュアルに従って、サンプルの粘度に適切なローターを選択して用いた。なお、いずれのサンプルも調製直後及び保存試験後に流動性を有することを確認している。
(サンプルの分散安定性の評価)
(1)上記の方法で得られたサンプルを直径4cm×高さ12cmのバイアル瓶に、高さ9cmまで入れ、さらに試験例1、2ではナイロン製ビーズ(比重1.14、直径3.2mm)を10個、試験例3では表2に記載の各種ビーズ又は食品固体物を入れて、それぞれ均等に分散するようによく振り混ぜてから、室温に静置した。
(2)静置1分後、1時間後、20時間後のサンプルの外観を記録した。そして、20時間後の固体物の分布から、以下の評価基準に従って分散安定性を評価した。
<分散安定性の評価基準>
◎:固体物の分布が静置直後とほぼ変わらず、均等に分散している。
〇:固体物が静置後1時間に比べてやや沈降又は浮上しているが、均等に分散している。
×:固体物の少なくとも一部が完全に瓶の底又は上面に局在している。
[試験例1.果実由来食物繊維と水溶性多糖類の併用による効果の検証]
表1の組成で各サンプルを作製し、粘度及び分散安定性を評価した。評価結果を同じ表1に示す。
果実由来食物繊維単独を用いた場合(比較例1−1)、キサンタンガム単独を用いた場合(比較例1−2)、及び寒天単独を用いた場合(比較例1−3、1−4)は、ビーズが全て沈降してしまい、分散安定性は低かった。一方、果実由来食物繊維とキサンタンガムを併用した場合(実施例1−1)、あるいは果実由来食物繊維と寒天を併用した場合(実施例1−7、1−8)では、静置後20時間経過してもビーズは静置直後のビーズ分布から均一なままほとんど変化しておらず、高い分散安定性を有していることが分かった。比較例1−2と実施例1−1を比較すると、回転数6rpmで測定した粘度にはほとんど差異がないことから、かかる効果は液状部の粘度のみに起因するものではないと考えられた。
実施例1−2〜1−8に示すように、果実由来食物繊維と水溶性多糖類を併用した場合には、いずれもビーズの沈降が抑えられており、分散安定化効果を有していた。LMペクチン(実施例1−3)及び大豆多糖類(実施例1−5)では、1時間後までに若干のビーズの沈降が見られたものの、完全に沈降はしなかった。そして、これらの実施例の1時間静置後と20時間静置後を比較すると、ビーズの分布はあまり変化しておらず、十分なビーズの分散安定化効果が認められた。他の実施例では、20時間後までビーズは均一なままであり、極めて高い分散安定性を有していた。
[試験例2.添加量を変化させたときの効果の検証]
表2の実施例2−1〜4のように、果実由来食物繊維としてシトラスファイバーを、水溶性食物繊維としてキサンタンガムを用いて、上記の方法を用いて分散安定化を検討した。その結果、シトラスファイバーが低い濃度であっても、またキサンタンガムが0.01質量%と低い濃度であっても、高い分散安定性を示した。
[試験例3.比重の異なる固体物の分散安定化]
果実由来食物繊維と水溶性食物繊維の混合液を80℃で10分間加熱攪拌すること以外は、上記と同じ方法で、表2に示されるサンプルを作製した。即ち、果実由来食物繊維及びキサンタンガムを含むサンプル(実施例3−1〜5)、果実由来食物繊維のみのサンプル(比較例3−1〜5)を作製した。それぞれに、表2に示した比重の異なる固体物を加えて試験を行った。その結果を表2及び図2に示した。いずれの場合も比較例は分散安定化が不十分であり、固体物が底面に沈殿、又は上面に浮上分離した。一方、実施例は良好な分散安定性を示し、分散直後から20時間後まで固体物の沈降又は浮上分離はほとんどなかった。従って、果実由来食物繊維及び水溶性多糖類を含むことによって、果実由来食物繊維単独に比べて、比重が小さい固体物と、比重が比較的大きい固体物の両方が顕著に分散安定化できることが示された。

Claims (10)

  1. (C)比重が0.1〜3の固体物を含有する液状部を有する飲食品、のために用いられる、
    (A)果実由来食物繊維、及び(B)水溶性多糖類を含有する、固体物の分散安定化用組成物。
  2. 請求項1に記載の分散安定化用組成物であって、該組成物を(A)成分が0.3質量%含有されるように水に溶解し、高圧ホモジナイザーにて圧力15MPaで1回均質化して得られる水溶液において、B型粘度計を用いて、20℃にて回転数60rpmで1分回転させることで測定される粘度が10mPa・s以上400mPa・s未満である、組成物。
  3. (B)成分が、ペクチン、大豆多糖類、キサンタンガム、ジェランガム、カラギナン、アルギン酸、寒天、フコイダン、アガロペクチン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、カラヤガム、ポルフィラン、ウェランガム、ガラクトマンナン、タマリンドシードガム、グルコマンナン、サイリウムシードガム、マクロホモプシスガム、プルラン、カードラン、トラガントガム、ガティガム、アラビアガム、アラビノガラクタン、ファーセレラン、セルロース誘導体、澱粉類、及びデキストリン類、並びにこれらの塩からなる群より選ばれる1種又は2種以上である、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. (A)成分1質量部に対する(B)成分の含有量が、0.03〜40質量部である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. さらに賦形剤を含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. (A)果実由来食物繊維、及び(B)水溶性多糖類を含有する、液状部と、
    (C)比重が0.1〜3の固体物
    とを含み、該固体物が前記液状部に分散されている、飲食品。
  7. (A)成分の含有量が、前記液状部の全量に対して、0.03〜1質量%である、請求項6に記載の飲食品。
  8. (A)果実由来食物繊維、(B)水溶性多糖類、及び(C)比重が0.1〜3の固体物を含む液状混合物を調製する工程、並びに
    少なくとも果実由来食物繊維を均質化する工程
    を含む、飲食品の製造方法。
  9. 均質化が、高圧ホモジナイザーを用いて、圧力が5〜200MPaで行われる、請求項8に記載の飲食品の製造方法。
  10. (A)果実由来食物繊維、及び(B)水溶性多糖類を、(C)比重0.1〜3の固体物を含有する液状部を有する飲食品に適用することを含む、固体物の分散安定性を向上させる方法。
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