JP2007143430A - 曝光耐性を有する可塑性油脂組成物及びこれを用いたベーカリー食品またはその生地 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、バター由来の油脂にトコフェロール及びポリフェノール系抗酸化剤を含有した曝光耐性可塑性油脂組成物であり、シート状の可塑性油脂組成物である。またこの可塑性油脂組成物を使用したベーカリー食品またはその生地である。そのベーカリー食品がペストリーである食品またはその生地である。可塑性油脂組成物中にトコフェロール、ポリフェノール系抗酸化剤(ルチン及び/又はヤマモモ)を含有するベーカリー食品にバター風味を損ねることなく賞味期限が延長でき、曝光耐性のある製品が得られる。
【選択図】なし
Description
本発明は曝光耐性のあるバター、コンパウンドマーガリン、可塑性油脂組成物及びその利用食品を提供することを目的とする。
可塑性油脂はバター由来の油脂の他に各種の動植物性油脂及びそれらの硬化油脂の単独又は2種以上の混合物或いはエステル交換、分別などの数々の化学処理又は物理処理を施したものが例示出来る。かかる油脂としては、大豆油、綿実油、コーン油、サフラワー油、オリーブ油、パーム油、菜種油、米ぬか油、ゴマ油、カポック油、ヤシ油、パーム核油、カカオ脂、乳脂、ラード、牛脂、魚油、鯨油等の加工油脂(融点10〜45℃程度のもの)が例示される。可塑性油脂は乳化剤、香料、着色料無添加でも使用出きる。
本発明の可塑性油脂組成物中に用いるトコフェノールの含量としては0.006〜0.7重量%、好ましくは0.03〜0.4重量%、最も好ましくは0.05〜0.2重量%の範囲で使用するのが望ましい。
本発明の可塑性油脂組成物中ルチン酵素処理品のルチンの含量は0.015〜0.4重量%、好ましくは0.025〜0.35重量%、最も好ましくは0.026〜0.3重量%の範囲で使用が望ましい。ルチンの使用量が少なすぎると、期待される効果が得られにくく、多すぎると、ベーカリー製品の風味が苦くなる。
本発明の可塑性油脂組成物中ヤマモモの含量は0.02〜0.5重量%、好ましくは0.03〜0.45重量%、最も好ましくは0.03〜0.4重量%の範囲で使用が望ましい。
パイ生地の製法には、折りパイ製法、練りパイ製法、練り折りパイ製法などがあるが、本発明においては何れの製法も実施できる。
澱粉含有物には小麦、大麦、米、トウモロコシ等の穀物、或いは、馬鈴薯、甘藷、タピオカ、レンコン等を原料とするスターチ、片栗粉等の澱粉、化工澱粉、デキストリン類等が挙げられ、目的の風味、食感等に応じて適宜選択し、これらを単独であるいは組み合わせて使用することができる。これらの原料の中で小麦粉が好ましく、ロール粉砕とふすまの篩別など常法により製造されたものであればその種類に制限はなく、例えば強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉、超薄力粉など含有グルテンの量を問わない。ペストリー生地には必要に応じ、全粉乳、脱脂粉乳、ホエイパウダー、牛乳などの乳製品や鶏卵、砂糖、香料、乳化剤などの食品素材、食品添加物が使用される。
加熱溶解したバター100部に対し、トコフェロール製剤0.1部(理研ビタミン社製 理研Eオイル805−D)、ヤマモモ抽出物0.6部(三栄源エフ・エフ・アイ社製 サンメリンYーАF)を添加し攪拌乳化する。これを急冷、レスチングチューブを通し、厚み2cmのシート状に伸ばした可塑性油脂組成物(可塑性油脂組成物に対しトコフェロール0.064重量%、ヤマモモ0.12重量%含有)を得た。このシート状の可塑性油脂組成物を賽の目より大きめに切った(2cmx4cmx2cm角)。パイ生地は一般的な練りパイの作成方法により作成した。強力粉1400部、薄力粉600部に上記可塑性用油脂組成物を1700部を加え低速で可塑性油脂組成物の表面に小麦粉が十分着くまでミキサー(愛工舎製作所製)にて攪拌した。その後食塩、水を加え中低速で全体がまとまるまで攪拌した。出来上がった生地を取り出し、麺棒でシート状に伸ばし、3つ折り、4つ折りを2回行い、最終的に厚み1.7mm〜1.9mmに伸ばしたパイ生地の調製した。パイの成型、焼成の調製はパイ生地の全面にピケを入れ、抜き型で木の葉型に成型した。成型したパイ生地を天板に置き、砂糖を振りかけ、オーブンで185〜195℃、20〜25分焼成した。焼成したパイの粗熱を取って、焼成したパイを、シリカゲル製乾燥剤を入れて、透明ビニール袋に入れ、ヒートシールし密閉しサンプルとした。作成したサンプルを18℃室温、1800ルックス蛍光灯下で保管し、曝光性テストの評価サンプルとした。
実施例2
加熱溶解したバター100部に対し、トコフェロール製剤0.1部(理研ビタミン社製 理研Eオイル805−D)、ルチン酵素処理品0.6部(三栄源エフ・エフ・アイ社製 サンメリンАOー1007)を添加した。実施例1と同様な方法により実施例2の可塑性油脂組成物(可塑性油脂組成物に対しトコフェロール0.064重量%、ルチン0.09重量%含有)を得た。実施例1と同様にパイ生地を作成し、パイを焼成して、曝光性テストを行った。
実施例3
加熱溶解したバター100部に対し、トコフェロール製剤0.1部(理研ビタミン社製 理研Eオイル805−D)、ヤマモモ抽出物0.6部(三栄源エフ・エフ・アイ社製 サンメリンYーАF)、ルチン酵素処理品0.6部(三栄源エフ・エフ・アイ社製 サンメリンАOー1007)を添加した。実施例1と同様な方法により実施例3の可塑性油脂組成物(可塑性油脂組成物に対しトコフェロール0.064重量%、ヤマモモ0.12重量%含有、ルチン0.09重量%含有)を得た。実施例1と同様にパイ生地を作成し、パイを焼成して、曝光性テストを行った。
実施例4
加熱溶解したバター100部に対し、トコフェロール製剤0.1部(理研ビタミン社製 理研Eオイル805−D)、ヤマモモ抽出物0.2部(三栄源エフ・エフ・アイ社製 サンメリンYーАF)、ルチン酵素処理品0.2部(三栄源エフ・エフ・アイ社製 サンメリンАOー1007)を添加した。実施例1と同様な方法により実施例4の可塑性油脂組成物(可塑性油脂組成物に対しトコフェロール0.064重量%、ヤマモモ0.04重量%含有、ルチン0.03重量%含有)を得た。実施例1と同様にパイ生地を作成し、パイを焼成して、曝光性テストを行った。
実施例5
加熱溶解したバター100部に対し、トコフェロール製剤0.1部(理研ビタミン社製 理研Eオイル805−D)、ヤマモモ抽出物1.8部(三栄源エフ・エフ・アイ社製 サンメリンYーАF)、ルチン酵素処理品1.8部(三栄源エフ・エフ・アイ社製 サンメリンАOー1007)を添加した。実施例1と同様な方法により実施例3の可塑性油脂(可塑性油脂全体に対しトコフェロール0.064重量%、ヤマモモ0.36重量%含有、ルチン0.27重量%含有)を得た。実施例1と同様にパイ生地を作成し、パイを焼成して、曝光性テストを行った。
加熱したバター100部に対しトコフェロールやポリフェノール系抗酸化剤を含まない、従来の製法であった。実施例1と同様にパイ生地を作成し、パイを焼成して、曝光性テストを行った。
比較例2
加熱したバター100部に対しトコフェロール製剤0.1部(理研ビタミン社製 理研Eオイル805−D)のみ添加した。実施例1と同様な方法により比較例2の可塑性油脂組成物(可塑性油脂組成物に対しトコフェロール0.064重量%)を得た。実施例1と同様にパイ生地を作成し、パイを焼成して、曝光性テストを行った。
比較例3
加熱したバター100部に対しトコフェロール製剤0.1部(理研ビタミン社製 理研Eオイル805−D)、ヤマモモ抽出物3部(三栄源エフ・エフ・アイ社製 サンメリンYーАF)、ルチン酵素処理品4部(三栄源エフ・エフ・アイ社製 サンメリンАOー1007)を添加した。実施例1と同様な方法により比較例3の可塑性油脂組成物(可塑性油脂組成物に対しトコフェロール0.064重量%、ヤマモモ0.6重量%含有、ルチン0.6重量%含有)を得た。実施例1と同様にパイ生地を作成し、パイを焼成して、曝光性テストを行った。
比較例4
加熱したバター100部に対しトコフェロールを添加しないで、ヤマモモ抽出物4.5部(三栄源エフ・エフ・アイ社製 サンメリンYーАF)、ルチン酵素処理品0.6部(三栄源エフ・エフ・アイ社製 サンメリンАOー1007)を添加した。実施例1と同様な方法により比較例4の可塑性油脂組成物組成物(可塑性油脂組成物に対し、ヤマモモ0.12重量%含有、ルチン0.09重量%含有)を得た。実施例1と同様にパイ生地を作成し、パイを焼成して、曝光性テストを行った。
トコフェロールやポリフェノール系抗酸化剤を加熱したバターに添加しないで、直接パイ生地配合中に実施例3と同配合の抗酸化剤を可塑性油脂組成物100部対しトコフェロール製剤0.1部を、水にはポリフェノール系抗酸化剤(ヤマモモ抽出物0.6部、ルチン酵素処理品0.6部)を添加しての効果を見た。パイ生地中に可塑性油脂組成物に対しトコフェロール0.064重量%、ヤマモモ0.12重量%含有、ルチン0.09重量%含有されている。実施例1と同様にパイ生地を作成し、パイを焼成して、曝光性テストを行った。パイの保管テストでは、2日目では実施例3と違いバター風味が悪く、劣化臭が出て曝光耐性のないのものが出来た。
Claims (5)
- バター由来の油脂、トコフェロール及びポリフェノール系抗酸化剤を含有す ることを特徴とする可塑性油脂組成物。
- ポリフェノール系抗酸化剤がルチン及び/又はヤマモモである請求項1の組成物。
- シート状である請求項1の可塑性油脂組成物。
- 請求項1の可塑性油脂組成物を使用してなる曝光耐性のあるベーカリー食品 またはその生地。
- ベーカリー食品がペストリーである請求項4の食品またはその生地。
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