JPH05156250A - 抗酸化剤組成物 - Google Patents

抗酸化剤組成物

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JPH05156250A
JPH05156250A JP3350820A JP35082091A JPH05156250A JP H05156250 A JPH05156250 A JP H05156250A JP 3350820 A JP3350820 A JP 3350820A JP 35082091 A JP35082091 A JP 35082091A JP H05156250 A JPH05156250 A JP H05156250A
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acid
aliphatic carboxylic
carboxylic acid
oil
antioxidant composition
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JP3350820A
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Ken Washino
乾 鷲野
Emiko Matsumoto
恵美子 松本
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San Ei Kagaku Co Ltd
Sanei Kagaku Kogyo KK
Original Assignee
San Ei Kagaku Co Ltd
Sanei Kagaku Kogyo KK
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    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/90Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in food processing or handling, e.g. food conservation

Abstract

(57)【要約】 【目的】 天然物を起源とする抗酸化剤の取得法とその
利用方法。 【構成】 ヤマモモ科ヤマモモ属植物を有機溶媒で抽出
し、その抽出物からタンニン質などの水溶性物質を除去
した抗酸化剤と、脂肪族カルボン酸、脂肪族カルボン酸
塩及び脂肪族カルボン酸誘導体の中から選ばれる1種ま
たは2種以上を添加することを特徴とする抗酸化剤組成
物剤は、各種油脂に対して合成や天然の抗酸化剤に比べ
て強力な抗酸化作用を示した。本発明品を添加した食
品、医薬品、医薬部外品、化粧品、または飼料などの製
品は、油脂や油脂類の酸化による酸敗臭の発生、変色や
樹脂化などによる品質劣化を防止することができた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、食品、医薬品、医薬部
外品、化粧品または飼料等において使用できるヤマモモ
科植物抽出物と脂肪族カルボン酸、脂肪族カルボン酸
塩、脂肪族カルボン酸誘導体の中から選ばれる1種また
は2種以上からなる組成物を有効成分とする抗酸化剤組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術】油脂類、または油脂類を含有する食品、
化粧品、医薬品、医薬部外品、飼料などの製品が酸化さ
れ、樹脂化、異臭、着色、変色、毒性物質の生成あるい
は栄養価の低下を引き起こし、品質の劣化をまねくこと
はよく知られている。従来から抗酸化剤としてブチルヒ
ドロキシアニソール(以下、BHAという)やブチルヒ
ドロキシトルエン(以下、BHTという)などの合成抗
酸化剤が、また、天然物を起源とする抗酸化剤としてト
コフェロール類、L−アスコルビン酸、ゴマ油中のセザ
モリン、コーヒー酸誘導体、メラノイジン、アミノ酸、
フィチン酸、茶葉抽出物、ローズマリーやセージ等の香
辛料抽出物、その他等の単独物またはそれらの混合物が
用いられてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
のうち、BHAやBHTなどの合成抗酸化剤は、一般に
使用が敬遠される傾向にある。天然物由来の抗酸化剤
は、その効力が十分でないといった問題点があり、より
効力の強い天然物由来の抗酸化剤の開発が要望されてい
た。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
諸問題点を解決すべく鋭意に研究した結果、ヤマモモ科
植物抽出物中に抗酸化作用の強い物質が含まれておるこ
とを知り、更に詳細な検討を行った結果、ヤマモモ抽出
物と脂肪族カルボン酸、その塩またはそのグリセリドの
1種または2種以上からなる組成物が熱安定性の優れた
業界の要望に合致する抗酸化剤組成物であることを見出
し、本発明を完成させるに至った。
【0005】本発明において、抗酸化性効果を有する有
効成分物質を抽出する原料となるヤマモモ科植物として
は、ヤマモモ科ヤマモモ属のヤマモモ(Myrica
rubra Sieb. et Zucc.)及び/ま
たはヤチヤナギ(Myrica gale Lin
n.)が選ばれる。これらのヤマモモ科植物から抗酸化
効果を有する物質を得るには、樹皮、根茎、枝または葉
等を粉砕機を用いて粉砕し、次いで有機溶媒で抽出した
のち、溶媒を蒸発または他の一般的な手段により除去せ
しめればよい。この際、用いる炭素数1から5までの脂
肪族アルコール系有機溶媒としては、例えばメタノー
ル、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブ
タノール、イソブタノール、2−ブタノール、ペンタノ
ール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジ
オール、グリセリン、その他等が挙げられ、その他の有
機溶媒としては、炭素数3から5までのカルボニル化合
物であるアセトン、2−ブタノン、2−ペンタノン、3
−ペンタノンなど、水溶性酸アミドであるホルムアミ
ド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチル
ホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなど、水
溶性アミンとしてはピリジン、ブチルアミン等、その他
にジメチルスルホキシド等が挙げられ、その中から単独
でまたは適宜組合せて使用することができる。
【0006】また必要に応じて上記有機溶媒に適宜水を
併用してもよい。次いで、抽出液から溶媒を蒸発または
他の一般的な手段により除去する。このようにして得た
濃縮液および濃縮乾固物から、水溶性のタンニン、縮合
型タンニン、カテキン類、糖質及びその他等の水溶性物
質を除去する。除去法として、濃縮液または濃縮乾固物
に水を加えて混合して、水溶性の物質を水相側に移行さ
せ、水難溶性の目的とする抗酸化効果を有する固形物を
得る。水の添加量は、溶媒の種類、濃縮液中の抗酸化剤
物質量および夾雑物量により大きく変わるので一義的に
は決められないが一般的な例で示すと、濃縮乾固物1部
(重量、以下同じ)に対して水5部から100部でよ
い。
【0007】この際、有機溶媒として水溶性アミンを用
いて抽出した場合は、有機酸または鉱酸で混合物の系が
pH1から7の範囲になるよう、調整する。水不溶性の
抗酸化効果を有する固形物の分離法には濾過またはその
他常法手段が採用される。得られたものが本発明に使用
する抗酸化性効果を有する有効成分物質である。さら
に、水または熱水で洗浄精製してもよいし、クロマトグ
ラフィー、液液向流抽出法または有機溶媒もしくは含水
有機溶媒からの再結晶法などにより精製してもよい。
【0008】本発明に使用する脂肪族カルボン酸として
は、飽和の脂肪族カルボン酸が好ましく、特にクエン
酸、リンゴ酸、酒石酸、フマル酸、アジピン酸が挙げら
れ、脂肪族カルボン酸塩としては、クエン酸1ナトリウ
ム、クエン酸2ナトリウム、クエン酸3ナトリウム、ク
エン酸1カリウム、クエン酸2カリウム、クエン酸3カ
リウム、リンゴ酸1ナトリウム、リンゴ酸2ナトリウ
ム、リンゴ酸1カリウム、リンゴ酸2カリウム、酒石酸
1ナトリウム、酒石酸2ナトリウム、酒石酸1カリウ
ム、酒石酸2カリウム、フマル酸1ナトリウム、フマル
酸2ナトリウム、フマル酸1カリウム、フマル酸2カリ
ウム、アジピン酸1ナトリウム、アジピン酸2ナトリウ
ム、アジピン酸1カリウム、アジピン酸2カリウムが挙
げられ、また、脂肪族カルボン酸グリセリドとしては、
クエン酸モノグリセリド、リンゴ酸モノグリセリド、酒
石酸モノグリセリド、フマル酸モノグリセリド、アジピ
ン酸モノグリセリドが挙げられ、その中から、1種また
は2種以上の化合物が選ばれる。
【0009】脂肪族カルボン酸、脂肪族カルボン酸塩及
び脂肪族カルボン酸誘導体の添加量は、ヤマモモ抽出物
1部に対して0.01部から100部でよく、このうち
0.1部から10部の範囲のものが更に好適である。本
発明の抗酸化剤組成物は、対象とする製品の形状に応じ
て、混合粉末として対象とする製品に混和してもよく、
また適当な溶媒たとえばエタノール、プロピレングリコ
ール、グリセリンなどに溶解して使用してもよく、或い
は乳化液として使用することもできる。
【0010】本発明の抗酸化剤組成物は、他の抗酸化
剤、例えばトコフェロール、L−アスコルビン酸、L−
アスコルビン酸ステアレート、L−アスコルビン酸パル
ミテート、エリソルビン酸ナトリウム、BHA、カテキ
ン類、茶抽出物、ごま抽出物、その他等と併用して使用
することもできる。本発明の抗酸化剤組成物は、油脂
類、油脂を含有した飲食品、医薬品、医薬部外品、化粧
品または飼料等に添加して使用できる。その添加量は、
通常0.0002〜2重量%であり、好ましくは0.0
02〜0.05重量%である。
【0011】本発明の抗酸化剤組成物は、コーン油、ナ
タネ油、綿実油、大豆油、サフラワ油、ヒマワリ油、ゴ
マ油、小麦胚芽油、オリーブ油、月見草油、椿油、茶実
油、アボガド油、ひまし油、コーヒー油、カシューナッ
ツ油、カカオビーンズ油、落花生油、魚油、パーム油、
パーム核油、豚脂、牛脂、鶏脂などの動植物油脂やこれ
らの動植物油脂の部分水素添加油脂または完全水素添加
油脂、オレイン酸、リノール酸、α−リノレン酸、γ−
リノレン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン
酸などの不飽和脂肪酸及びそのエステルまたはその不飽
和アルコールに対して使用できるばかりか、バター、マ
ーガリン、ショートニング、ドレッシングなどの油脂加
工食品に使用することができる。また、油脂を多く含む
食品、例えば、ドーナツ、油揚げ、油揚げ菓子、チョコ
レート、即席ラーメンなどに添加使用することができ
る。
【0012】食品としては、おかき、センベイ、おこ
し、まんじゅう、飴などの和菓子、クッキー、ビスケッ
ト、クラッカー、パイ、スポンジケーキ、カステラ、ド
ーナツ、ワッフル、プリン、バタークリーム、カスター
ドクリーム、シュークリーム、チョコレート、チョコレ
ート菓子、キャラメル、キャンデー、チューインガム、
ゼリー、ホットケーキ、パンなどの各種洋菓子、ポテト
チップスなどのスナック菓子、アイスクリーム、アイス
キャンデー、シャーベットなどの氷菓、乳酸飲料、乳酸
菌飲料、濃厚乳性飲料、果汁飲料、無果汁飲料、果肉飲
料、機能性飲料、透明炭酸飲料、果汁入り炭酸飲料、果
実着色炭酸飲料などの清涼飲料水、緑茶、紅茶、インス
タントコーヒー、ココア、缶入りコーヒードリンク、業
務用コーヒーなどの嗜好飲料、発酵乳、加工乳、チーズ
などの乳製品、豆乳などの大豆加工食品、マーマレー
ド、ジャム、果実のシロップ漬、フラワーペースト、ピ
ーナツペースト、フルーツペーストなどのペースト類、
漬物類、ハム、ソーセージ、ベーコン、ドライソーセー
ジ、ビーフジャーキーなどの畜肉製品類、魚肉ハム、魚
肉ソーセージ、蒲鉾、チクワ、ハンペン、てんぷらなど
の魚貝類製品及びその干物、魚の干物、鰹、鯖、鯵など
の各種節、煮干、ウニ、イカの塩辛、スルメ、魚のみり
ん干、貝の干物、鱈の干物、鮭などの燻製品などの各種
珍味類、のり、小魚、貝類、するめ、山菜、茸、昆布な
どで作られる佃煮類、即席カレー、レトルトカレー、缶
詰カレーなどのカレー類、みそ、粉末みそ、醤油、粉末
醤油、もろみ、魚醤、ソース、ケチャップ、マヨネー
ズ、固形ブイヨン、蛎油、焼肉のタレ、カレールー、シ
チューの素、スープの素、ダシの素などの各種調味料
類、油脂を含有する各種レンジ食品及び冷凍食品などの
各種飲食物、嗜好品に使用することができる。その他、
医薬品、医薬部外品、化粧品としてはトローチ、肝油ド
ロップ、うがい薬、歯磨き、口中清涼剤、口臭防止剤、
日焼け止めスキンローション、クリーム類、口紅、その
他に使うことができるし、更に飼料としては、各種キャ
ットフード、ドッグフード、観賞魚の餌、養殖魚の餌な
どに添加して使うことができる。
【0013】次に実施例及び抗酸化性効果を有する有効
成分物質の抽出例を挙げて本発明を更に詳しく具体的に
説明する。
【0014】
【実施例】
抽出例1 ヤマモモ樹皮乾燥物の粉砕物1kgにメタノ
ール10kgを加え、約60℃で5時間抽出したのち濾
過し、残渣をメタノール3kgで洗浄し、メタノール抽
出液約10kgを得た。この抽出液を濃縮後別の容器に
移し替え、真空度5mmHg、浴温60℃で減圧乾燥し
て黄色の粉末0.25kgを得た。得られた固形物を粉
砕後、室温で水5Lと懸濁したのち濾過し、残った固形
物を95℃の熱水5Lで洗浄した。次いで固形物を真空
度5mmHg、浴温80℃で減圧乾燥して黄白色の固形
物からなる抗酸化物質(ヤマモモ科抽出物1という)を
0.1kgを得た。
【0015】抽出例2 ヤマモモ小枝乾燥物の粉砕物5
0gにピリジン200gを加え、室温で1夜抽出したの
ち濾過し、残渣を少量のピリジンで洗浄し、ピリジン抽
出液180gを得た。この抽出液を減圧下で濃縮後別の
容器に移し替え、水300mlを加えたのち希塩酸でp
H3に調整した。析出してきた固形物を濾過して集め、
水100mlで洗浄した。この固形物を真空度5mmH
g、浴温80℃で乾燥して黄白色の固形物(ヤマモモ科
抽出物2という)3.8gを得た。得られた固形物は、
抗酸化物質の混合物からなっていた。
【0016】抽出例3 ヤチヤナギ樹皮乾燥物の粉砕物
100gにエタノール800gを加え、約80℃で5時
間抽出したのち濾過し、残渣をエタノール200gで洗
浄し、エタノール抽出液800gを得た。この抽出液を
濃縮後別の容器に移し替え、真空度5mmHg、浴温6
0℃で減圧乾燥して黄褐色の粉末20gを得た。得られ
た固形物を粉砕後、室温で80℃の熱水200mlと懸
濁したのち濾過し、残った固形物を水100mlで洗浄
した。次いで固形分を真空度5mmHg、浴温80℃で
減圧乾燥して黄褐色の固形物(ヤマモモ科抽出物3とい
う)からなる抗酸化物質を8.5gを得た。
【0017】実施例1 コーン油に対する安定化試験
(自動油脂安定化試験) 油脂安定化試験は、メトローム社製のランシマット(自
動油脂安定性試験装置)を使用した。この原理は加熱し
た油脂に空気を吹込み、この空気を次いで純水中に吹込
む。油脂の酸化に伴って揮発性二次生成物質が生じてく
る。油脂層をバブリングさせた空気により二次生成物質
が運ばれ、水層に移行する。それに伴って水の導電率が
変化する。時間に対して導電率をプロットして、得られ
た曲線の変曲点を求め、この時間を誘導時間とする。
【0018】油脂の安定性の判定は、油脂の安定性の増
加に伴って誘導時間が伸びることにより誘導時間の長短
の比較によりおこなうものである。測定条件として加熱
温度100℃、空気流量20L/時、試料量3.5gで
行った。尚、被試験抗酸化剤であるヤマモモ科抽出物
1、ヤマモモ抽出物2とヤマモモ抽出物3と比較のため
のBHTはエタノールに溶かして油脂に添加した。ま
た、比較のための天然ビタミンEは、分析の結果α、
β、γ、δトコフェロールの混合物で構成されており、
その含量は70%であった。コーン油に対して、抗酸化
剤と脂肪酸を組み合せて実験した結果を表1に示した。
【0019】
【表1】
【0020】抗酸化剤及びカルボン酸の数字は添加量
(ppm)を表し、誘導時間における数字の単位は時間
を示す。
【0021】コーン油に対する試験において、ヤマモモ
科抽出物1に対する脂肪族カルボン酸の添加効果は、脂
肪族カルボン酸のみでは誘導時間を遅延させる効果が認
められなかったが、併用することにより相乗効果を発揮
してコーン油の酸敗誘導時間の遅延をもたらした。
【0022】実施例2 パーム油に対する安定化試験
(自動油脂安定化試験) パーム油に対する安定化試験を実施例1と同様の条件で
実施し、その結果を表2に示した。
【表2】
【0023】抗酸化剤及びカルボン酸の数字は添加量
(ppm)を表し、誘導時間における数字の単位は時間
(hr)を示す。
【0024】パーム油に対して、ヤマモモ科抽出物2に
対する脂肪族カルボン酸の添加効果は、脂肪族カルボン
酸のみでは誘導時間を殆ど遅延させる効果が認められな
かったが、併用することにより相乗効果を発揮して誘導
時間の延長をもたらした。
【0025】実施例3 純ラードに対する安定化試験
(油脂自動安定化試験) 純ラードに対する安定化試験を測定温度を110℃に変
えた以外は実施例1と同様の条件で実施し、その結果を
表3に示した。
【表3】
【0026】抗酸化剤及びカルボン酸の数字は添加量
(ppm)を表し、誘導時間における数字の単位は時間
(hr)を示す。
【0027】純ラードに対する安定化試験において、ヤ
マモモ科抽出物2に対する脂肪族カルボン酸の添加効果
は、脂肪族カルボン酸のみでは誘導時間を遅延させる効
果が認められなかったが、併用することにより相乗効果
を発揮して純ラード酸敗の誘導時間の延長をもたらし
た。
【0028】実施例4 ヤマモモ科抽出物1の1重量部
に対してクエン酸モノグリセリド3重量部からなる抗酸
化剤組成物0.02%を添加した市販サラダ油で生麺を
170±5℃で約1分間フライして揚げ麺を調製した。
同様に無添加の市販サラダ油でフライした揚げ麺対照品
として調製した。フライ麺をポリエチレン袋にいれて5
0℃の孵卵器のなかで1カ月保存したのち取りだして官
能比較を行ったところ、本発明品の抗酸化剤組成物を添
加したものは製造直後のものと殆ど変化していなかった
が、無添加のものは油の酸化臭がして、また味も変わっ
ていた。
【0029】実施例5 ヤマモモ科抽出物2の1重量部
に対してクエン酸1ナトリウムの2重量部からなる抗酸
化剤組成物を用意した。牛、豚の合挽肉670g、牛脂
30g、パン粉50g、全卵50g、玉葱170g、食
塩7g、ビーフエキス3g、ホワイトペパー末1.5
g、ナツメグ0.5gと本抗酸化剤組成物を0.02%
を添加して十分に混合し、成型した。対照品として本抗
酸化剤組成物の無添加のものを同様に調製した。両面に
平均的に焼き色が着くように焼き上げたのち、ポリエチ
レン袋に入れて−20℃の冷凍庫で6カ月間保存したの
ち取りだし、解凍後官能評価を行ったところ本抗酸化剤
組成物を添加したものは製造直後と殆ど変わっていなか
ったが、無添加のものは油やけの臭いがして、また味も
少し変わっていた。
【0030】実施例6 ヤマモモ科抽出物1の1重量部
に対してクエン酸モノグリセリド3重量部からなる抗酸
化剤組成物と下記処方の薬用バニシングクリーム用原料
を用意した。 A,Bを80℃に加熱して溶解した。A
を撹拌しながらBをAに加え、乳化した。混合物の内温
が40℃になるまで撹拌を続け、次いで広口瓶に移し替
えた。同様にして本発明品3を添加していない対照品を
調製した。それぞれを12カ月35℃で保存したとこ
ろ、本発明品を添加した物は調製直後の物と全く変らな
かったが、対照品である無添加の物は油の酸化に由来す
る異臭が生じていた。
【0031】 バニシングクリームの処方 (重量比) A ポリエチレングリコールモノステアレート 2.8 ソルビタンモノパルミテート 1.2 脱水ラノリン 1.0 スクワラン 3.0 ステアリン酸 8.5 オリーブ油 2.0 セタノール 4.0 ワセリン 4.0 ジフェンヒドラミン 1.0 流動パラフィン 3.0 メチルパラベン 0.1 抗酸化剤組成物 2.5 B プロピレングリコール 5.0 ホウ酸 0.3 精製水 61.6
【0032】実施例7 ヤマモモ科抽出物1の1重量部
に対してリンゴ酸モノグリセリド3重量部からなる抗酸
化剤組成物と下記の処方のコールドクリーム用原料を用
意した。A,Bを82℃まで加熱し、均一に溶解した。
Aをよく撹 しながらBをAに加え、乳化した。対照品
として本抗酸化剤組成物を添加していないものを同様に
して調製した。それぞれを広口瓶に移し替え、35℃で
6カ月保存したところ、抗酸化剤組成物を添加したもの
は調製直後のものと変りがなかったが、抗酸化剤の無添
加のものは、油脂の酸化による異臭を生じていた。
【0033】 コールドクリームの処方 (重量比) A ソルビタンモノステアレート 1.0 ソルビタンモノイソステアレート 4.0 モノステアリン酸バチル 1.0 流動パラフィン 25.0 セタノール 4.0 ミツロウ 15.0 ワセリン 5.0 メチルパラベン 0.1 B ホウ砂 0.8 本抗酸化剤組成物 0.5 精製水 42.1
【0034】実施例8 北洋漁粉600g、魚肝末50
g、カゼイン100g、α−デンプン150g、ビタミ
ンミネラル混合物100g、コーン油50gからなる混
合物に、ヤマモモ科抽出物3の1重量部とクエン酸1重
量部からなる抗酸化剤組成物0.5gを加えてよく混合
し、顆粒化後乾燥して養殖魚用飼料を調製した。対照品
として本抗酸化剤組成物を添加していない飼料を同様に
して調製した。ビニール袋にそれぞれを入れて35℃で
2カ月保存してところ、本抗酸化剤組成物を添加したも
のは調製直後のものと殆ど変化がなかったが、対照品の
無添加物は、変色して油脂の酸化臭が強くして、変質し
ていた。
【0035】
【発明の効果】ヤマモモ科植物抽出物と、脂肪族カルボ
ン酸、脂肪族カルボン酸塩及び脂肪族カルボン酸誘導体
の中から選ばれる1種または2種以上からなる組成物で
ある本発明品は、ヤマモモ科抽出物と、脂肪族カルボン
酸、脂肪族カルボン酸塩及び脂肪族カルボン酸誘導体の
中から選ばれる1種または2種以上からなる物質を組合
せることにより、相乗効果が発揮されることを見出し、
従来から知られている合成抗酸化剤やトコフェロールな
どの天然物を起源とする抗酸化剤と比較して、各種油
脂、例えばパーム油等の飽和系油脂或いはコーンオイ
ル、魚油等の不飽和系もしくは多不飽和系油脂のいずれ
に対してもより強力な抗酸化効果を発揮する。食品、医
薬品、医薬部外品、化粧品及び飼料などに本発明の抗酸
化剤組成物を添加することにより酸化による品質の劣化
を防止することができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヤマモモ科ヤマモモ属植物から炭素数1
    から5までの脂肪族アルコール系有機溶媒及び/または
    その他の有機溶媒の1種以上を用いて抽出した抗酸化性
    効果を有する有効成分物質と、脂肪族カルボン酸、脂肪
    族カルボン酸塩、脂肪族カルボン酸誘導体の中から選ば
    れる1種または2種以上を添加することを特徴とする抗
    酸化剤組成物。
  2. 【請求項2】 脂肪族カルボン酸が飽和多価カルボン
    酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、フマル酸またはアジ
    ピン酸である請求項1記載の抗酸化剤組成物。
  3. 【請求項3】 脂肪族カルボン酸塩が請求項2に記載の
    脂肪族カルボン酸のナトリウム塩、カリウム塩である請
    求項1記載の抗酸化剤組成物。
  4. 【請求項4】 脂肪族カルボン酸誘導体が請求項2に記
    載の脂肪族カルボン酸のモノグリセリドである請求項1
    記載の抗酸化剤組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1の抗酸化剤組成物を含有する食
    品、医薬品、医薬部外品、化粧品または飼料。
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JP (1) JPH05156250A (ja)

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