JP3695767B2 - 酸化防止剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、酸化防止剤に関する。更に詳しくは、この発明の酸化防止剤は、食品、医薬品、医薬部外品、化粧品、たばこ、ペットフード、飼料など並びにプラスチック、ゴム、石油製品のような各種工業製品などに使用できる。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
酸化は化合物が電子を失い、すなわち脱電子して構成原子の原子価(酸化数)が大きくなることによって起り、狭義には物質が酸素と反応して酸素の含有量が多くなる。また、水素を失うことも酸化と言われている。したがって被酸化性である油脂、脂肪酸、タンパク質、ペプチド、アミノ酸、炭水化物、ビタミン類などを含む食品、医薬品、医薬部外品、化粧品、たばこ、ペットフード、飼料などや、同じく被酸化性である精油、樹脂類、ゴム類、石油類などを含む各種の工業製品は、製造工程中及び保存中に酸化され、異味・異臭などの不快臭味の生成、粘度の異常上昇又は下降、ゲル化、弾性の低下、伸長性及び屈曲性の低下などのレオロジー変化、重合・分子量の低下などの化学構造の変化、変色・着色などの色調の変化、有毒物質の生成及び栄養価の低下などをひきおこし、品質の劣化及び機能性の低下が生じ商品価値を失うことはよく知られている。
【0003】
このためグアヤク脂、ノルジヒドログアヤレチック酸、没食子酸プロピル、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、アスコルビン酸又はその塩、エリソルビン酸またはその塩、プロトカテキユ酸エチル、トコフェロール、6−エトキシ-2,2,4- トリメチル-1,2- ジヒドロキノリン、二酸化硫黄及び亜硫酸化合物、フラボン誘導体、各種香辛料類、燐脂質、レゾルシノールモノベンゾエードなどの光安定剤、N,N'−ジフェニル−オキサミドなどの金属不活性化剤、N−フェニル−N'−イソプロピル−P−フェニレンジアミンなどのオゾン劣化防止剤、α−ナフチルアミンなどのアミン系酸化防止剤、ジラウリルサルファイドなどの硫黄系酸化防止剤、トリフェニルフォスファイトなどのりん系酸化防止剤、その他の酸化防止剤が単独又はそれらを併用して使用されてきた。
【0004】
しかしながら、これらの酸化防止剤に要求される条件としては、酸化防止力を有することは当然であるが、人の健康をそこなうおそれがなく、毒性がなく、無毒であること、更に環境を汚染することなく、無味無臭で異臭、異味を与えないことなどが重要視されている。従来これらの酸化防止剤に要求される条件をすべて満たす酸化防止剤はなく、開発が要望されていた。
【0005】
米国特許第5,045,336 号及び米国特許第4,567,053 号公報には、芳香族アルカン酸およびこれらの塩を、糖又は糖アルコールの甘味抑制に使用する方法が開示されている。
また、食塩代用顆粒を製造するにあたり、その賦形剤としての糖又は糖アルコールの甘味減少のために、フェノキシアルカン酸誘導体を使用することが知られている(ヨーロッパ特許出願第0414550A2号参照)。
【0006】
また、苦味減少剤として実質的に無味の甘味抑制剤を含有するか、又は甘味減少剤として実質的に無味の苦味抑制剤としてフェノキシアルカン酸誘導体を使用することが知られている(米国特許第5232735号参照)。
また、経口可能物の不快味を抑制するために、実質的に無味の物質として、フェノキシアルカン酸誘導体を使用することが知られている(WO/93/10677 号参照)。
【0007】
更に、フェノキシアルカン酸誘導体は無味無臭であり、我々が日常飲用しているコーヒーの中に含まれていることが確認されている。またラットに5g/kgを与えても死亡例はなく、無毒であることも確認されている(米国特許第5,045,336 号参照)。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の発明者等は、フェノキシアルカン酸誘導体を検討するうちに、意外にも酸化防止効果を有することを見出し、本発明に至った。
かくして本発明は、一般式(I)
【0009】
【化2】
Figure 0003695767
(式中、Rは同一又は異なって水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、低級アルキル基、低級アルカノイル基又は低級アルコキシ基であり、nは0〜4の整数であり、Aは炭素数1〜5の直鎖又は分枝鎖の低級アルキレン基である。)で示されるフェノキシアルカン酸もしくはその塩を有効成分とする酸化防止剤が提供される。
【0010】
また、本発明は、被酸化性物質を含有する製品または原料に、抗酸化有効量の一般式(I)のフェノキシアルカン酸またはその塩を添加することからなる酸化防止方法を提供するものである。
上記の一般式(I)の各定義において、詳細は次の通りである。
「ハロゲン原子」の好ましい例としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などが挙げられる。
【0011】
「低級アルキル基」の好ましい例としては、炭素数1〜3の直鎖もしくは分枝鎖のアルキル基が挙げられ、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピルなどが挙げられる。
「低級アルカノイル基」の好ましい例としては、炭素数2〜4のアルカノイル基が挙げられ、例えばアセチル、プロピオニル、ブチリルなどが挙げられる。
【0012】
「低級アルコキシ基」の好ましい例としては、炭素数1〜3の直鎖もしくは分枝鎖のアルコキシ基が挙げられ、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシなどが挙げられる。
「低級アルキレン基」の好ましい例としては、炭素数1〜5の直鎖又は分枝鎖のアルキレン基が挙げられ、例えばメチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ブチレン、アミレンなどが挙げられる。
【0013】
また、一般式(I)中、nは1〜4の整数である。置換基Rは、1個の場合に4位、2個の場合2位と4位、2位と3位又は3位と4位、3個の場合に、2位、3位と4位に存在するのが好ましい。更に好ましくは、nが1であり、かつ置換基Rがp位に結合している場合である。
一般式(I)で示されるフェノキシアルカン酸の塩としては、無毒の、食品、医薬品などの分野で許容される全ての塩を用いることができ、例えばナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属塩、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属塩、又はアンモニウム塩などが挙げられる。これらのうち、好ましい塩は、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属塩である。
【0014】
一般式(I)の化合物の多くは、カルボキシル基に隣接する炭素にキラル中心を有し、通常2種の光学異性体を生じる。本発明には、これら光学異性体やラセミ混合物もいずれも含まれる。この異性体のうち一方は強い活性をもち、他方は弱い活性を有している。また、上記化合物のラセミ混合物は、通常2種の光学異性体の中間活性を示す。そこで、光学分割によって活性がより強い方の化合物を分離し、その化合物を使用することによって酸化を防止することができる。
【0015】
一般式(I)に属する化合物としては、次のものが挙げられる。
(±)−2−フェノキシプロピオン酸、S−(−)−2−フェノキシプロピオン酸、(±)−2−フェノキシ酪酸、S−(−)−2−フェノキシ酪酸、(±)−2−p−メトキシフェノキシ酪酸、(±)−2−p−メチルフェノキシプロピオン酸、S−(−)−2−p−メチルフェノキシプロピオン酸、(±)−2−p−エチルフェノキシプロピオン酸、(±)−2−p−メトキシフェノキシプロピオン酸、S−(−)−2−p−メトキシフェノキシプロピオン酸、2−p−メトキシフェノキシ−2−メチルプロピオン酸、(±)−2−p−エトキシフェノキシプロピオン酸、p−メチルフェノキシ酢酸、フェノキシ酢酸、p−メトキシフェノキシ酢酸、p−エトキシフェノキシ酢酸、(±)−2−p−クロロフェノキシプロピオン酸、S−(−)−2−p−クロロフェノキシプロピオン酸、(±)−2−フェノキシ−2−メチルプロピオン酸、2,4−ジメチルフェノキシ酢酸、p−イソプロピルフェノキシ酢酸、p−エチルフェノキシ酢酸、2−(p−クロロフェノキシ)−2−メチルプロピオン酸、3,4−ジクロロフェノキシ酢酸、p−クロロフェノキシ酢酸、2−(2−メチル−4−クロロフェノキシ)−酢酸、2−(3−クロロフェノキシ)−プロピオン酸、4−フルオロフェノキシ酢酸、2,3−ジクロロフェノキシ酢酸、3−メチルフェノキシ酢酸、2−(3,4−ジメトキシフェノキシ)−プロピオン酸、2−(2,3,4−トリメトキシフェノキシ)−酪酸、2−メチルフェノキシ酢酸、2−ホルミルフェノキシ酢酸、p−エチルフェノキシ酢酸、2−ヒドロキシフェノキシ酢酸、4−ヨードフェノキシ酢酸、2−メトキシフェノキシ酢酸、2−エチルフェノキシ酢酸、ジフェニル酢酸、ジフェニルヒドロキシ酢酸(ジフェニルグリコール酸)、2−(p−クロロフェニル)プロピオン酸、2−(p−イソプロピルフェニル)プロピオン酸、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−2−メトキシ酢酸、2−(2,4−ジメチルフェニル)−プロピオン酸、2−(2−メチルフェニル)−プロピオン酸、2−(2−メチルフェニル)−3−メチル酪酸などが挙げられる。
【0016】
この内、好ましい化合物は、フェノキシ酢酸、2−フェノキシプロピオン酸、2−フェノキシ酪酸、2−(p−メトキシフェノキシ)プロピオン酸、2−(p−エトキシフェノキシ)プロピオン酸、2−(p−エチルフェノキシ)プロピオン酸、2−(p−メトキシフェノキシ)酪酸、p−メトキシフェノキシ酢酸、2−(p−メチルフェノキシ)プロピオン酸、2−(p−エチルフェノキシ)酪酸、p−メトキシフェノキシ酢酸、2−(p−エトキシフェノキシ)酪酸のナトリウムあるいはカリウム塩が挙げられる。これら化合物は、1種又は2種以上を組み合わせることによって、酸化を防止することができる。
【0017】
一般式(I)の化合物又はその塩は、縮合などによる既知の方法により合成することができる。例えばジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサエティ(J. Amer. Chem. Soc.), 53, 304 (1931)、ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサエティ(J. Chem. Soc.), 1891 (1956)に記載の方法で合成することができるが、アルドリッチ社から入手可能な化合物がある。
【0018】
この発明の一般式(I)の化合物又はその塩は、酸化防止剤としてそのまま使用することもできるが、製剤として使用してもよい。例えば、それらを溶解しうる媒体によって溶解あるいは懸濁した液状製剤、使用する対象物に不活性で悪影響を与えない固形の担体または賦形剤で希釈した固形製剤とすることができる。
【0019】
このような液状媒体として、水、エタノール、オリザノール、オクタコサノールなどのアルコール類、液糖、ホモオリゴ糖、ヘテロオリゴ糖などのオリゴ糖類、水飴などの糖類;ソルビット、マルチトール、エリスリトール、還元パラチノース、還元キシロオリゴ糖、還元ゲンチオオリゴ糖、還元乳糖などの糖アルコール:グリセリン、プロピレングリコールなどの多価アルコール類;グリセリン、ポリグリセリン、ソルビタン、ポリオキシエチレン、プロピレングリコール、ショ糖などの脂肪族エステル;レシチンなどの乳化剤などが挙げられる。従って、フェノキシアルカン酸又はその塩は対象とする製品を製造する時に、主原料及び副原料と同時に添加してもよく、液状の主原料及び副原料にあらかじめ溶解し使用してもよく又は出来上がった製品に添加・混和・溶解してもよい。添加方法は特に限定されるものではない。固形の担体または賦形剤としては、澱粉、ラクトース、シリカなどが挙げられる。
【0020】
この発明の一般式(I)の化合物又はその塩は、その酸化防止有効量が各種の被酸化性物質に用いられる。その酸化防止有効量は、被酸化性物質の種類、含有量、製品の種類などによって変化する。一般には、被酸化性物質100重量部に対し、0.000001〜10重量部に用いられる。以下にこの点に関して被酸化性物質又はこれを含む製品の種類に分けて、代表的な事例を説明する。
【0021】
A)油脂、精油
被酸化性物質の代表的な例として、大豆油、ナタネ油、トウモロコシ油、綿実油、ヤシ油、パーム油、サフラワー油、米油、落花生油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油などの植物油脂;ラード、牛脂、豚脂、乳脂、魚油などの動物油脂、オレンジ油、レモン油、ライム油、グレープフルーツ油、ベルガモット油、アニス油、クローブ油、ローズ油、ジャコウ油その他の精油が挙げられる。
これらの油脂又は精油100重量部に対して一般に、化合物(I)又はその塩を0.001 〜1重量部添加することによって、油の酸化が防止され、保存安定性が増加する。
【0022】
B)食品
上記の植物油脂又は動物油脂を固有的に含有するか、植物油脂又は動物油脂を意図的に使用した食品について説明する。
i)揚物製品
豆腐の油揚類、揚かまぼこ類、コロッケ類、トンカツ類、てんぷら類、調理冷凍食品類、ドーナツ類、揚あられ類、油菓類、ポテトチップおよびフレンチ・フライポテト類、フライビーンズ類、珍味フライ類及び即席麺類その他が挙げられる。これらの揚物製品100重量部に対して、一般に、化合物(I)又はその塩を0.0001〜1.0 重量部添加することによって、揚げ油の安定性、揚げ油の色と風味、加熱安定性そしてこれらの油で揚げられた揚物製品の色、風味及び保存安定性が増加する。
【0023】
ii)乳製品
牛乳、加工乳、煉乳、粉乳、バター、バタークリーム、ホイップクリーム、サンドクリーム、生クリーム、コーヒーホイワトナー、ナチュラルチーズ、プロセスチーズなど、化合物100重量部に対し、0.00001 〜0.005 重量部添加され、貯蔵安定性の向上と製品固有の風味が保持される。
【0024】
iii)菓子
クッキー、ビスケット、パン類、焼菓子類など100重量部に対し、化合物(I)又はその塩の0.0001〜0.001重量部の添加により、油の変敗が防止され、製造直後の風味が保持される。
カステラ、スポンジケーキ、シフォンケーキ、ケーキミックス、チーズケーキなど100重量部に対し、化合物(I)又はその塩の0.0001〜0.001重量部の添加で、卵に由来する硫黄臭や生ぐさい臭の生成が防止され、風味のよいケーキ類が得られる。
【0025】
キャラメル、トフィー、ファッジ、ヌガー、グミキャンディーなどのキャンディー類、ゼリー菓子類、チューイングガム類、その他の飴菓子類においては、その100重量部に対して、フェノキシアルカン酸又はその塩を0.0001〜0.01重量部添加することによって、油の酸敗が防止され製造直後の新鮮な風味が保持されるとともに、その風味には経時変化がみられない。
【0026】
チョコレート菓子、冷菓及び洋生菓子用チョコレートコーティング、チョコレートスプレット、ココアドリンク、その他のチョコレート類100重量部に対して、化合物(I)又はその塩を0.001 〜0.02重量部添加することによって酸化が防止され、チョコレート固有の風味が保持される。
アイスクリーム、ソフトクリームミックスなどの冷菓においては、100重量部に対して、化合物(I)又はその塩を0.00001 〜0.01重量部添加することにより、保存中の酸敗が防止されると共に添加されたグリセリンの不飽和脂肪酸エステルの酸化も防止される。
【0027】
iv)調味料
ドレッシング、マヨネーズ、たれ類においては、その100重量部に対して、化合物(I)又はその塩を0.0001〜0.01量部添加することにより、油の酸化が防止され、新鮮な風味が長期間保持し、商品寿命を延長することができる。
また、みそ、粉末みそ、醤油、粉末醤油、もろみ、魚醤、その他の調味料類100重量部に対して、化合物(I)又はその塩を0.0001〜0.01重量部添加することにより、保存中の褐変が防止され、色調が安定すると共に新鮮な風味が長期間保持される。
【0028】
v)飲料
コーヒー、紅茶、緑茶、ウーロン茶、ドリンクヨーグルト、果汁飲料、スポーツドリンク及び炭酸飲料、その他の嗜好飲料100重量部に対してフェノキシアルカン酸又はその塩を0.0001〜0.001 重量部添加することによって、製造直後と同じ新鮮な風味が長期間保持され、経時変化による品質の劣化が防止される。
また、酒類、洋酒類、ビール類、ワイン類、その他の酒精飲料100重量部に対して、化合物(I)又はその塩を0.0001〜0.03重量部添加することによって、保存中の褐色化反応が防止されると共に新鮮な風味が長期間保持される。
【0029】
vi)その他各種の食料品
ハム、ソーセージなどの畜肉加工品、魚肉ソーセージ、蒲鉾、竹輪などの水産煉製品、煮干し、丸干し、塩干しなどの水産加工品100重量部に対して、化合物(I)又はその塩を0.0001〜0.01 重量部添加することによって、経時変化による油の酸化が防止され、新鮮な風味が長期間保持される。
【0030】
レトルトカレー、レトルトハンバーグ、レトルトスープ、レトルトたれ及び具類、果実、野菜、水畜産物、その他の高圧高温度で処理された保存食品100重量部に対して、化合物(I)又はその塩を0.0001〜0.01重量部添加することによって、加工中の化学的変化が防止されると共に、酸化による保存中の風味の低下が防止される。
【0031】
ウニ、イカの塩辛、スルメ、魚のみりん干、貝の干物、鱈の干物、鮭などの燻製品、さきいかなどの各種珍味類100重量部に対して、化合物(I)又はその塩を0.0001〜0.05重量部添加することによって、褐色化が防止されると共に新鮮な風味が長期間保持される。
のり、小魚、貝類、するめ、山菜、茸、昆布その他の佃煮類100重量部に対して、化合物(I)又はその塩0.0001〜0.05重量部添加することにより酸化による変敗が防止され新鮮な色調と風味が長期間保持される。
【0032】
奈良漬、福神漬、千枚漬、沢庵漬、はりはり漬、つぼ漬、かうし漬、塩漬、たまり漬その他の漬物類100重量部に対して、化合物(I)又はその塩を0.0001〜0.01重量部添加することによって、褐変が防止され、酸化による変敗臭の生成が防止され各々固有の新鮮な風味が保持される。
【0033】
B)医薬品及び医薬部外品
医薬品及び医薬部外品には、被酸化性物質として、油脂、ロウ、脂肪酸、脂肪エステル、色素、香料、ビタミンなどが含まれている。
これらの被酸性物質が用いられる医薬品の製剤としては、エリキシル基、カプセル剤、顆粒剤、丸剤、眼軟膏剤、懸濁剤、乳剤、硬膏剤、坐剤、細粒剤、散剤、酒精剤、錠剤、シロップ剤、軟膏、パップ剤、チンキ剤、軟膏剤などが挙げられる。これらの製剤各100重量部に対し、一般に、一般式(I)化合物又はその塩が0.01〜5重量部添加される。それによって、これら製剤の変色、酸敗、その他の化学的変性が防止される。
【0034】
また、医薬部外品には、口内清涼剤、液臭防止剤、てんか粉類、養毛剤、除毛剤、染毛剤、浴用剤、薬用石けんシャンプー・リンス・化粧水・クリーム・乳液・ハンドクリーム・化粧用油・ひげそり用剤・日やけ止め剤・パック・洗顔料などの薬用化粧品、殺虫剤、殺鼠剤、パーマネント・ウエーブ用剤、薬用歯磨類などがある。これらの医薬部外品100重量部に対してフェノキシアルカン酸又はその塩を0.001 〜5重量部添加することによって、空気に接触しても自動酸化しない安定な製品が得られる。
【0035】
C)化粧品
化粧品には、被酸化性物質として香料、ビタミン、油脂、脂肪酸、ロウ、脂肪族、エステル、その他が使用されており、空気と接すると酸化し酸敗することがある。
【0036】
化粧品の中には、毛髪用化粧品類として、石けん、シャンプー、髪洗い粉などの洗髪料、ヘアローション、ヘアトニックなどの頭髪香料、ポマード、髪油類、コスメチック、ヘアクリームなどの油性整髪料、コールドパーマネントウエーブソリエーションなどのパーマネントウエーブ用品類、酸化染料染毛剤などの染毛剤、抜去脱毛剤、化学的脱毛剤などの脱毛剤、シェービングクリーム、シェービングローションなどのひげそり用品類などがある。皮膚用化粧品類として、石けん、シンデットバー、クレンジングクリーム、洗粉などの皮膚洗浄料、エモリエント・クリーム、エモリエント・ローション、オールパーパスクリーム、ハンドクリームおよびローション、ホルモンクリーム、コールドクリーム、バニシングクリーム、マッサージクリームなどの化粧クリームおよびローション、オイルパックなどのパック類、クリーム白粉、油性白粉、練白粉、パンケーキ、ベビーパウダーなどの白粉、打粉類などがある。メーキャップ製品類として、口紅、ほお紅、目およびまゆの化粧品などがある。美爪化粧品類には美爪ラッカー、エナメル除去剤、クチクラ除去剤、ネイルクリーム、ネイルホワイトナー、ネイルポリッシュなどがある。芳香製品類として、香水、オーデコロン、ローション、トイレットウォーター、スメリングソルト、浴用芳香剤などの液体芳香料、固形芳香品、香粉またはにおい袋、練香、薫香、バスソルトなどの固体芳香料がある。
【0037】
口腔用製品類として、歯磨き類、口洗料などの口腔用製品類がある。その他にきび用品、日焼け止め、しみ・そばかす治療剤、臭気止めなどの特殊化粧用品類がある。
これらの化粧品類100重量物質に対して、一般に0.01〜1重量物質の(±)−2−P−メトキシフェノキシプロピオン酸ナトリウムを添加することによって、空気にふれることにより生じる自動酸化が防止される。
【0038】
D)飼料、ペットフード
飼料ならびにペットフードには、とうもろこし、マイロ、小麦などの穀類;米ぬか、小麦胚芽などのそうこう類;大豆油脂、綿実油脂、サフラワー油脂などの植物性油脂類;魚粉、骨粉、フェザーミール、脱脂粉乳、カゼインなどの動物性飼料;牛脂、骨油、ラード、スケソウダラ肝油、ヤシ油、パーム油、大豆油などの油脂;その他糖みつ、ビール粕、ビール酵母、柑きつ加工粕、乾燥パン屑、海藻、アルファルファミール、コーングルテンミール、でん粉粕、コーヒー粕、各種ビタミン、各種アミノ酸香料などが使用されており空気に接触すると酸状変質する。飼料の例としては、牛用として、哺乳期子牛用、幼令期子牛育成用、肉用牛脂育成用飼料など、その他馬、めんよう、山羊、ミンク、ウサギなどの家畜用配合飼料;鶏用として産卵鶏用、ブロイラー用配合飼料など、その他七面鳥、アヒル、ウズラなど家畜用配合飼料;マス、コイ、アユ、ウナギ、ハマチ、マダイ、クルマエビなどの魚用配合飼料などがある。これらの飼料100重量物質に対して、0.01〜1重量部のフェノキシアルカン酸又はその塩を添加することによって酸化による変質が防止される。
【0039】
ペットフードの例としては代表的には犬、猫用としてドライタイプとウエットタイプがあり、上記原料の他に、特にウェットタイプには生の肉、魚、内臓物が使用される場合が多い。その他カナリア、インコ、ハト、オームなどの小鳥用配合飼料;キンギョ、ニシキゴイなどの鑑賞魚用配合飼料などがある。
これらの飼料100重量部に対して、一般に、一般式(I)の化合物又はその塩を0.001 〜1重量部を添加することによって酸化による変質防止される。
【0040】
E)プラスチック、ゴム、石油製品
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレンAS樹脂、ABS樹脂、MBS樹脂などのプラスチック100重量部に対し一般に、一般式(I)の化又はその塩0.01〜10重量部添加することにより、酸化が防止でき強度低下、粘度低下、分子量低下、軟化、着色、ガスの発生、硬化が防止でき、それらを利用した製品例えばパイプ、化学装置、電気部品、屋根材、壁材、目盛板、がん具、レコード盤、ヘアカール、ペン軸、接着剤、塗料、チューインガムベース、包装用フィルム、ホース、ビン、ラジオ・テレビ・電蓄部品、キャビネット、銘板、つまみ、電気冷蔵庫部品、クーラー部品、電気掃除機部品、蓄電池・乾電池ケース、自動車部品、食品容器、化粧品容器、薬品容器、箱、ブラシ柄、時計部品、家具部品、照明器具、絶縁材料、ガスケット、パッキング、テープ、写真フィルム、カメラ部品、メーターケース、文房具、キャップ、ボタン、マージャンぱい、機械部分、建材用波板、自動車部品、装身具、スポーツ用具などの品質の低下を防止できる。
【0041】
天然ゴム、合成ゴム、ラテックスなど100重量部に対して、フェノキシアルカン酸又はその塩を0.01〜10重量部添加することにより、酸化を防止し、酸化・ゲル化・ガムの発生による弾性の低下、亀裂の発生、結晶性の変化、電気特性の低下、粘着性の増大、屈曲性の低下、伸長性の低下が防止される。それらを利用した製品、例えばタイヤ、タイヤチューブ、ゴムバンド、フォームラバー、ファンベルト、電線ホース、パッキング、防振ゴム、サドル、ペダル、ブレーキパッド、制動ホース、給水ホース、耐圧ホース、窓わくゴム、カットレスベアリング、ゴムマット、舗装アスファルト、セメントラテックス塗料、ゴム引き布、業務用雨衣、レインコート、学童用雨衣、ゴムカタン、ゴムテープ、ガーター、くつ下、ブラジャー、シミーズ、ズロース、コルセット、海水着、潜水服、潜水マスク、布ぐつ、総ゴムぐつ、地下たび、運動ぐつ、製靴用品、手袋、コンベア、ベルト、ゴム栓、防毒マスク、エボナイト、漁業用浮き子、手術用手袋、止血管、麻酔マスク、手術用前掛、輸血用ゴム管、X線しゃへいゴム板、水枕、氷のう、注射薬びんゴムキャップ、各種ゴム製ボール軟式テニスボール、軟式野球ボール、硬式テニスボール、硬式野球ボール、ゴルフボール、ソフトボール、革製ゴムチューブ入りボール、浮き輪、ゴム製玩具、字消しゴム、電気用ゴム手袋などが挙げられ、それらの品質の低下を防止することができる。
【0042】
また、燃料ガソリン、ジェット燃料、灯油、軽油及び重油などの燃料油、ラッカーシンナー用希釈剤、合成樹脂塗料用溶剤などの石油溶剤、エンジン油、ギヤ油、タービン油、シリンダー油、スピンドル油、ダイナモ油、コンプレッサー油、冷凍機油、マシン油、車軸油などの潤滑油、グリース、電気絶縁油、作動油、フラッシング油、切削油、焼入れ油、さび止め油、液化石油ガス、流動パラフィル、固形パラフィン、ペトロラタム、アスファルトなどの石油製品100重量部に対し、フェノキシアルカン酸又はその塩を0.01〜10重量部添加することによって酸化が防止され、酸敗、粘度の増大、油査の発生、界面張力の減少、スラッジの発生、膠着性カーボンの発生が防止できる。
【0043】
一般に酸化防止剤は、単独で用いた時よりも、2種以上の併用で効果が増大するが、本発明のフェノキシアルカン酸も既知の酸化防止剤との併用で効果を増大させることができる。
【0044】
例えばエチレンジアミン四酢酸カルシウム二ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、クエン酸イソプロピル、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸プロピル、亜硫酸ナトリウム、次亜硫酸ナトリウム、二酸化硫黄、ピロ亜硫酸カリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ナトリウム、L−アスコルビン酸ステアリン酸エステル、dl−α−トコフェロール、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、ロンガリット、イソアスコルビン酸、チオグリセロール、チオソルビトール、塩酸シスシィン、ノルジヒドログアヤレチック酸、トリエタノールアミン、アオイ花抽出物、アスペルギルステレウス抽出物、イソケルセチンエラグ酸、γ−オリザノール、カテキン、甘草油性抽出物、クローブ抽出物、クァヤク脂、酵素処理ルチン、生コーヒー豆抽出物、米ヌカ油抽出物、米ヌカ酵素分解物、ゴマ油抽出物、ゴマ油不ケン化物、セザモリン、セザモール、食用カンナ抽出物、セージ抽出物、セリ抽出物、テンペ抽出物、糖・アミノ酸複合物トコトリエノール、抽出トコフェロール、ミックストコフェロール、d−α−トコフェロール、d−γ−トコフェロール、d−S−トコフェロール、菜種油抽出物、ピメンタ抽出物、ブルーベリー菜抽出物、プロポリス抽出物、ヘスペレチン、ペパー抽出物、没食子酸、メラロイカ精油、モリン、ユーカリ葉抽出物、リンドウ根抽出物、ルチン抽出物、エンジェ抽出物、ソバ全草抽出物、アズキ全草抽出物、ルチン分解物、ローズマリー抽出物などの酸化防止剤が挙げられる。
【0045】
又、酸化防止剤だけでなく、それ自身は酸化防止効果はないが、或いは極めて小さいが、共存する酸化防止剤の効果を増大させるシネルギストも本発明のフェノキシアルカン酸及びその塩にとって有効である。
【0046】
上記シネルギストには、アラニン、シスラインなどのアミノ酸、クエン酸、洒石酸などの有機酸及びその塩類、リン酸及びその塩類、メタリン酸、ピロリン酸などの重合リン酸塩類、グリセリンクエン酸脂肪酸エステル、フィチン酸などが挙げられる。
上記の如く、フェノキシアルカン酸又はその塩が無味、無臭で無毒であって、卓越した酸化防止力を有し、酸化防止剤として有用である。
【0047】
【実施例】
本発明の効果を試験例と実施例で説明するが、本発明はこれらに限定されない。
試験例1
ラード90重量部に、表1に示すような各重量部の(±)−2−p−メトキシフェノキシプロピオン酸を蒸留モノグリセライド10重量部に溶解した混合物を加え、活性酸素法(AOM)で試験し、過酸化物価が100meq/kgに達するまでの時間を測定した。得られた結果を表1に示す。
【0048】
【表1】
Figure 0003695767
表1より、フェノキシアルカン酸がラードの酸化防止作用を有していることがわかる。
【0049】
試験例2
大豆油490重量部に、表2に示すような各重量部の(±)−2−p−メトキシフェノキシ酪酸を蒸留モノグリセライド50重量部に溶解した混合物を加え、180℃で20時間加熱しながら、直径3cm厚さ1.0mm に成型したポテト20gを2時間ごとに揚げて、成型ポテトチップに含まれる油脂の酸価を測定した。得られた結果を表2に示す。
【0050】
【表2】
Figure 0003695767
表2より、フェノキシアルカン酸の添加により、大豆油が優れた加熱安定性を有することがわかる。
【0051】
試験例3
冷凍すり身100重量部、食塩3重量部、馬れいしょ澱粉15重量部、大豆タンパク質2重量部、ソルビン酸カリウム0.1重量部及び表3に示すような(±)−2−p−メトキシフェノキシプロピオン酸ナトリウムを添加混合した後、常法通りかまぼこを調製し、ナタネ油に入れて130℃、次いで200℃で揚げた。
【0052】
揚げた直後及び10℃の冷蔵庫で10日間保存した後、(±)−2−p−メトキシフェノキシプロオン酸ナトリウム無添加区と添加区について、どちらの添加区が油っぽい匂いがなく、軽いすっきりした風味であるか、及びどちらの添加区が変敗臭がないかを、20名の専門パネラーにてp<0.1で官能検査した。得られた結果を表3に示す。
【0053】
【表3】
Figure 0003695767
表3より、フェノキシアルカン酸の添加により、揚かまぼこが優れた保存安定性を有することがわかる。
ナタネ油に(±)−2−p−メトキシフェノキシプロピオン酸ナトリウムを添加しても同様な結果を得られた。
【0054】
試験例4
コーンサラダ油に表4に示す各重量部の(±)−2−p−ヒドロキシフェノキシプロピオン酸を、蒸留モノグリセライド1重量部に溶解させた混合物を加え油脂安定性試験を行った。
【0055】
油脂安定化試験は、メトローム社製のランシマット(自動油脂安定性試験装置)を使用した。この原理は加熱した油脂に空気を吹込み、この空気を次いで純水中に吹込む。油脂の酸化に伴って揮発性二次生成物質が生じてくる。油脂層をバブリングさせた空気により二次生成物質が運ばれ、水層に移行する。それに伴って水の導電率が変化する。時間に対して導電率をプロットして、得られた曲線の変曲点を求め、この時間を誘導時間とする。
油脂の安定性の判定は、油脂の安定性の増加に伴って誘導時間が伸びることにより誘導時間の長短の比較によりおこなうものである。測定条件として加熱温度120℃、空気流量20L/時、試料量3.5 gで行い、表4に示す結果を得た。
【0056】
【表4】
Figure 0003695767
【0057】
試験例5
純ラードに表5に示す各濃度になるよう(±)−2−p−メトキシフェノキシプロピオン酸、トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン、クエン酸モノグリセライドを蒸留モノグリセライド1重量部に溶解させた混合物を加え、試験例4と同様の油脂安定化試験を行った。測定条件は加熱温度110℃、空気流量20リットル/時、試料量3.5 gとした。
結果を表5に示す。
【0058】
【表5】
Figure 0003695767
【0059】
試験例6
5倍濃縮オレンジ果汁に対し、表6に示す2−P−エトキシフェノキシ酢酸を各重量部を加え、90℃30分間加熱殺菌を行った。更に60℃で72時間保存して試料とした。得られた試料を5倍に希釈し、試験例3と同様の官能検査を行ったところ、表6に示す結果を得た。
【0060】
【表6】
Figure 0003695767
【0061】
試験例7
調合レモン香料に表7を示す各重量部の(±)−2−P−メトキシフェノキシプロピオン酸ナトリウムを添加し、試験管中で46時間屋外で、20リットル/時間の流量の空気を送り込んだ。
【0062】
得られた試料をガスクロマトグラフィーに供し、酸化生成物であるレモネン1,2 ジオールの生成量を求めた。
空気を送り込む前の試料のレモネン1,2 ジオールの量を100とし、それぞれの試験区の生成量を算出した値を表7に示す。
【0063】
【表7】
Figure 0003695767
【0064】
試験例8
ヤシ油100重量部、粉糖200重量部、脱脂粉乳10重量部、食塩0.2 重量部、レシチン0.5 重量部に、表8に示す各種のフェノキシアルカン酸又はその塩を0.003 重量部を溶解した混合液を加え、常法通りサンドクリームを調製し、40℃の温度で10日間保存した後、試験例3と同様に官能検査し、表8に示す結果を得た。
【0065】
【表8】
Figure 0003695767
【0066】
実施例1
食塩8.5重量部、かん水0.4重量部、キサンタンガム0.5重量部、水80重量部、小麦粉250重量部及び(±)−2−p−エトキシフェノキシプロピオン酸ナトリウム0.015重量部を加えて常法通り中華麺を調製した。この中華麺を、トウモロコシ油90重量部とラード10重量部の混合油脂の中で、130℃の温度で3分揚げた。得られた即席麺は、油っぽい匂いがなく、軽い匂いのすっきりした風味であり、60℃で長時間保存しても変敗することなく安定であった。
(±)−2−p−エトキシフェノキシプロピオン酸ナトリウムを混合油に添加して調製した即席麺においても、上記と類似の結果が得られた。
【0067】
実施例2
小麦粉100重量部、でんぷん25重量部、食塩5重量部、水250重量部及びフェノキシ酢酸ナトリウム0.005重量部及びp−メチルフェノキシ酢酸ナトリウム0.005重量部のバッターミックスに、細断したのしするめをつけて、170℃の大豆油の中に入れて3分間揚げた。得られた珍味揚するめは、油っぽさがなく、あっさりした軽い風味を有し、長時間保存しても変敗臭がなく安定であった。フェノキシ酢酸ナトリウム及びp−メチルフェノキシ酢酸ナトリウムを大豆油の中に添加して珍味揚するめを調製しても、上記と類似の結果が得られた。
【0068】
実施例3
小麦粉100重量部、水60重量部、イースト7重量部、砂糖10重量部、ヤシ油10重量部、卵10重量部及び(±)−2−p−エチルフェノキシプロピオン酸ナトリウム0.003重量部から常法通り調製したドーナツ生地を、185℃のラードの中で3分間揚げた。得られたドーナツは、油っぽい匂いがなく、さっぱりした、こおばしい軽い風味のドーナツであり、保存安定性も良好であった。
【0069】
実施例4
じゃがいも45重量部、合挽肉15重量部、たまねぎ5重量部、小麦粉3重量部、バター3重量部、卵5重量部、生パン粉10重量部、キャベツ14重量部、食塩0.3重量部及び(±)−2−p−メチルフェノキシプロピオン酸ナトリウム0.003重量部を添加し、常法通り冷凍コロッケを調製して1ケ月間冷凍室で貯蔵した。冷凍貯蔵したコロッケを200℃の温度の大豆油の中で3分間揚げた。得られたコロッケは、軽い匂いのすっきりした風味であり、冷凍貯蔵中の変性もみられなかった。
【0070】
実施例5
大豆から常法通り得た豆乳100重量部に(±)−2−p−エチルフェノキシ酪酸ナトリウム0.01重量部を加え、硫酸カルシウムで凝固させて、固めのとうふを作った。このものを110℃のなたね油の中で3分間揚げ、次いで200℃で3分間揚げた。得られた油揚は、油っぽさがなく、すっきりした軽い風味を有していた。この油揚を乾燥し、長期間保存して湯戻しした結果、保存前と何等変りなく、保存安定性が優れていた。
【0071】
実施例6
小麦粉100重量部、砂糖50重量部、炭酸アンモニウム4重量部及び水50重量部を加えて、常法通りかりんとうの生地を調製した。コメ油83重量部及びパーム油12重量部に、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル5重量部に2−フェノキシプロピオン酸0.5重量部を添加混和して分散又は溶解させたものを添加混和する。この油を、180℃の温度に加熱し、かりんとう生地を投入して15分間揚げた。得られたかりんとうは、油っぽさがなく、こおばしい香りを有する、軽い匂いのすっきりした風味のかりんとうであった。このかりんとうを長時間保存しても、変敗臭が生成せず、揚げた直後の風味が保持され、保存安定性が良好であった。
【0072】
実施例7
サフラワー油(リノール酸含量70%)81重量部、脱脂粉乳17重量部、食塩2重量部、グリセリン脂肪酸エステル0.2重量部、レシチン0.1重量部、(±)−2−p−メトキシフェノキシプロピオン酸ナトリウム0.001重量部を添加し、常法通りマーガリンを調製した。このものを常温で6ケ月間保存した所、油脂の酸化が生成せず、新鮮な風味を保持した。これに対して、無添加の場合は著しく酸敗した。
【0073】
実施例8
パーム油20重量部、カゼインナトリウム3重量部、液糖2重量部、グリセリン脂肪酸エステル0.3重量部、カラギーナン0.05重量部、水75重量部及び(±)−2−p−メトキシフェノキシ酪酸0.005重量部を添加し、常法通りコーヒーホワイトナーを調製した。このものを40℃で30日間保存しても油脂の麦敗臭がなく、新鮮な風味が保持されていた。これに対して、無添加区は著しく変敗した。
【0074】
実施例9
ヤシ油30重量部、カゼインナトリウム2重量部、砂糖7重量部、液糖3重量部、安定剤0.3重量部、乳化剤0.2重量部、水58重量部及び(±)−2−p−エトキシフェノキシプロピオン酸ナトリウム0.01重量部添加し、常法通りホイップクリームを調製した。これを40℃で30日間保存しても酸敗臭のない新鮮な風味を有するホイップクリームであった。これに対して、無添加区は著しく酸敗した。
【0075】
実施例10
溶融した市販のクリームチーズ100重量部に(±)−2−p−メトキシフェノキシプロピオン酸ナトリウム0.006重量部を添加混和し、室温で6ケ月間保存した所、新鮮な風味が保持され、変敗臭味のないクリームチーズであった。これに対して、無添加区は著しく変敗した。
【0076】
実施例11
小麦粉100重量部、ショートニング100重量部、砂糖100重量部、全卵100重量部及び2−p−エトキシフェノキシ酢酸カリウム0.004重量部を加え、常法どうりパウンドケーキを調製した。これを−30℃の冷凍室で3ケ月間保存し、解凍した所、新鮮な風味が保持され、変敗臭味はしなかった。これに対して、無添加区は変敗していた。
【0077】
実施例12
砂糖20重量部、水飴31重量部、練乳40重量部、硬化植物油9重量部、レシチン0.03重量部、食塩0.5重量部、バニラフレーバー0.1重量部及び(±)2−p−メトキシフェノキシ酪酸ナトリウム0.001重量部を加え、125℃の温度まで煮つめ常法通りキャラメルを調製した。このものを35℃で90日間保存しても変敗臭味のない新鮮な風味のキャラメルであった。これに対して、無添加区は変敗臭味があった。
【0078】
実施例13
除核したさくらんぼを5分間煮沸した後、1%(W/V)のピロ亜硫酸ナトリウム水溶液に24時間浸し、水洗し脱気し、着色処理を行う。続いて、砂糖50:ブドウ糖50からなる糖度30%の糖液100重量部に対して(±)−2−p−エトキシフェノキシ酪酸カリウム0.01重量部を加えた糖液に、着色処理したさくらんぼを浸漬し公知の方法で糖濃度75%で仕上げる。得られたさくらんぼは40℃の温度で30日間褐変せず、鮮明な赤色を呈していた。これに対して、無添加区は褐変し赤褐色を呈した。
【0079】
実施例14
3%の食塩水100重量部に(±)−2−p−メチルフェノキシプロピオン酸ナトリウム0.1重量部を添加溶解し沸騰する。沸騰したこの食塩水に洗浄、水切りしたシラスを投入し、再沸騰させ浮上したシラスを採取し、天日で3時間乾燥する。このシラスは保存中も変色しなかった。これに対して、無添加区は変色した。
【0080】
実施例15
トウモロコシ54.799重量部、大豆油かす15重量部、ふすま15重量部、糖密10重量部、食塩2重量部、クエン酸0.1重量部、炭酸カルシウム2重量部、リン酸カルシウム1重量部、調合香料ミルクフレーバー0.1重量部及び(±)−2−p−メトキシフェノキシプロピオン酸ナトリウム0.001重量部を配合し、常法通りに作成した子豚用飼料は、長期間保存して変化が無かったが、無添加区は変色及び異臭が感じられた。
【0081】
実施例16
Figure 0003695767
上記配合の内用液剤を60℃で10日間保存しても、調製直後と変化はほとんど感じられなかったが、無添加区は松ヤニ臭い酸化臭が感じられた。
【0082】
実施例17
Figure 0003695767
上記配合にて常法通り作成したシャンプーを60℃にて30日間保存しても香調に変化はほとんど感じられなかったが、無添加区は香りが減少し変敗臭が強かった。
【0083】
実施例18
窒素含有率11.0%のニトロセルロース75重量部、ショウノウ25重量部に2−p−メトキシフェノキシプロピオン酸0.5重量部を溶解させた。アルコール75重量部に溶解させ、練混、ロ過、圧延、乾燥の工程を経てセルロイド板を得た。このセルロイド板は2−p−メトキシフェノキシプロピオン酸無添加のものに比して、長期間日光下に放置しても変色が少なく弾力性も変化がなかった。
【0084】
実施例19
オレンヂ油3重量部、レモン油1重量部、ショ糖280重量部、タルク35重量部、(±)−2−フェノキシプロピオン酸ナトリウム1重量部、アルコール300重量部及び水380重量部を加えて、調製した芳香エリキシル剤は、40℃の温度で90日間保存してもオレンヂ油及びレモン油が酸化されず芳香性に富んでいた。
【0085】
実施例20
微粉カオリン520重量部、ホウ酸80重量部、グリセリン400重量部、チモール0.5重量部、サリチル酸メチル2重量部、ハッカ油1重量部及びS−(−)−2−フェノキシプロピオン酸カリウム0.5重量部を加えて、常法通り調製したカオリンパップを、40℃の温度で120日間保存しても酸化されず、安定であった。
【0086】
実施例21
クエン酸0.5重量部、ショ糖7重量部、レモン香料0.2重量部、S−(−)−2−フェノキシ酪酸ナトリウム0.1重量部及び水93重量部を加えて、常法通り調製したクエン酸リモナーデを、60℃の温度で60日間保存してもレモン香料が酸化されずに芳香性を有していた。
【0087】
実施例22
サラシミツロウ0.1重量部、セチルアルコール2重量部、ラウリル硫酸ナトリウム0.5重量部、グリセリン6重量部、S−(−)−2−p−メチルフェノキシプロピオン酸ナトリウム0.1重量部及び水91.3重量部を加えて、常法通り調製した、乳剤性ローション基剤を常温で60日間保存してもサラシミツロウが酸化されずに酸敗臭がみられなかった。
【0088】
実施例23
塩化ベンザルコニウム液0.1重量部、メントール0.06重量部、チモール0.06重量部、ユーカリ油0.2重量部、レモン油0.2重量部、p−メトキシフェノキシ酢酸ナトリウム0.1重量部及び乳糖99.3重量部を加えて、常法通り調製したトローチ剤を60度で60日間保存してもレモン油及びユーカリ油が酸化されず安定であった。
【0089】
実施例24
肝油30重量部、ソルビタン脂肪酸エステル3重量部、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル2重量部、p−エチルフェノキシ酢酸ナトリウム0.3重量部及び水64.7重量部を加えて、常法通り調製した肝油製剤を40℃の温度で40日間保存しても肝油が酸化されず、酸敗臭が生成しなかった。
【0090】
実施例25
酸化亜鉛100重量部、イクタモール50重量部、精製ラノリン80重量部、黄色ワセリン770重量部、2−ヒドロキシフェノキシ酢酸0.5重量部を加えて、常法通り調製した軟膏は、40℃の温度で180日間保存しても酸化されず酸敗臭が生成しなかった。
【0091】
実施例26
アンモニア水(10W/V%)170 重量部、ウイキョウ油30重量部、(±)−2−p−メトキシフェノキシ酪酸3重量部及びエタノール800重量部を加えて、常法通り調製した酒精剤を30℃の温度で180日間保存してもウイキョウ油の変敗臭は生成しなかった。
【0092】
実施例27
コレステロール0.05重量部、サリチル酸0.4重量部、ヒマシ油1重量部、レゾルシン2重量部、薄荷油0.5重量部、(±)−2−p−エトキシフェノキシプロピオン酸0.1重量部及びアルコール96重量部を加えて、常法通り調製した塗布剤を40℃の温度で90日間保存しても酸敗臭は生成されなかった。
【0093】
実施例28
白色ワセリン40重量部、セタノール20重量部、セスキオレイン酸ソルビタン5重量部、ポリオキシエチレンラウリルアルコールエーテル0.5重量部、パラオキシ安息香酸プロピルエステル0.2重量部、p−エチルフェノキシ酢酸0.3重量部及び水34重量部を加えて、常法通り調製した軟膏を60℃の温度で30日間保存したが酸化臭の生成はみられなかった。
【0094】
実施例29
塩酸クロルヘキジン0.3重量部、ラウリル硫酸ナトリウム6重量部、ラウリン酸ジエタノールアミド4重量部、クエン酸0.05重量部、パラオキシ安息香酸ブチルエチル0.5重量部、ペパーミント油0.6重量部、水89重量部及び(±)−2−p−メトキシフェノキシプロピオン酸カリウム0.1重量部を加えて、常法通り調製した水はみがきを40℃の温度で40日間保存しても酸敗臭が生じなかった。
【0095】
実施例30
アラントイン0.4重量部、トリクロサン0.4重量部、ラウリン酸ジエタノールアミド6重量部、エタノールアミン0.2重量部、パラオキシ安息香酸ブチルエステル0.8重量部、アルコール1重量部、レモン香料1重量部、水90.1 重量部及び(±)−2−p−エチルフェノキシ酪酸ナトリウム0.1重量部を加えて、常法によりジメチルエーテルなどの噴射剤70重量部を充填し調製したシェービングクリームは2年間常温で保存しても酸化されず安定であった。
【0096】
実施例31
ジンクピリチオン1重量部、アルキル硫酸トリエタノールアミン18重量部、ラウリン酸ジエタノールアミド8重量部、エタノールアミン0.5重量部、パラオキシ安息香酸ブチルエステル0.8重量部、ジャスミン香料1重量部、水70.2重量部及び(±)−2−p−メチルフェノキシ酪酸カリウム0.5重量部を加えて、常法通り調製したシャンプーは40℃の温度で50日間保存しても酸化されずに安定であった。
【0097】
実施例32
l−メントール0.05重量部、ショ糖1重量部、スペアミント香料0.5重量部、アルコール20重量部、水77.95 重量部及び(±)−2−p−エチルフェノキシプロピオン酸カリウム0.5重量部を加えて、常法通り調製した口中清涼を40℃の温度で60日間保存しても酸化されずに安定であった。
【0098】
実施例33
流動パラフィン17重量部、サラシミツロウ5重量部、白色ワセリン30重量部、アーモンド油18重量部、脱水ラノリン12重量部、二酸化チタン20重量部、ローズ油0.1重量部及び(±)−2−p−エトキシフェノキシ酪酸ナトリウム0.1重量部を加えて、常法により調製した油性白粉を40℃の温度で30日間保存しても酸敗臭は生じなかった。
【0099】
実施例34
サラシミツロウ23重量部、流動パラフィン42重量部、エチルアルコール1重量部、コレステロール1.5重量部、カカオ脂9重量部、パラオキシ安息香酸ブチルエステル0.2重量部、ホウ砂1重量部、ベルガモット油0.5重量部、水20重量部及び(±)−2−p−メチルフェノキシプロピオン酸カリウム0.1重量部を加えて、常法により調製したコールドクリームを40℃の温度で60日間保存しても酸敗臭は生じなかった。
【0100】
実施例35
サラシミツロウ3重量部、精製ラノリン2重量部、白色ワセリン15重量部、流動パラフィン30重量部、乳化剤8重量部、パラオキシ安息香酸ブチルエステル0.1重量部、ホウ砂0.5重量部、プロピレングリコール3重量部、水40重量部及び(±)−2−p−メチルフェノキシ酪酸ナトリウム0.5重量部を加えて、常法通り調製したヘヤクリームは40℃の温度で30日間保存しても酸敗臭は生じなかった。
【0101】
実施例36
市販煎茶10重量部を70℃の熱水100重量部で3分間抽出を行い、炉過して得られた抽出液に対し、(±)−2−p−メトキシフェノキシプロピオン酸0.001重量部とアルコルビン酸ナトリウム0.01重量部を加えて、120℃20分間殺菌した後60℃で5日間保存したものは、無添加アルコルビン酸ナトリウム単品を添加したものより芳香が強く、緑色を維持していた。
【0102】
実施例37
市販のウーロン茶10重量部を0.01重量部の(±)−2−p−メトキシフェノキシ酪酸カリウムを添加した90℃の熱水100重量部で5分間抽出し、炉過した抽出液を120℃20分間殺菌し、更に60℃3日間保存したものは、無添加のものに比して香気に変質がなく、香ばしい乾否様の香りを維持していた。
【0103】
実施例38
中煎のコーヒー豆を挽き粉5重量部を90℃の熱水100重量部でドリップ抽出、炉過し得られた抽出液に調合コーヒー香料を0.01重量部加え、(±)−2−p−エチルフェノキシ酪酸ナトリウム0.001重量部加えて、120℃20分間殺菌した後、60℃で5日間保存したものは、(±)−2−p−エチルフェノキシ酪酸ナトリウム無添加のものに比して香調の変化が少なかった。
【0104】
実施例39
茶の工程中、蒸熱、露切、廻転揉を終えた茶葉100重量部に0.002重量部の(±)−2−p−メトキシフェノキシプロピオン酸ナトリウムと0.003重量部の(±)−2−p−エチルフェノキシプロピオン酸ナトリウムを添加し、中揉し、ホイロ上でよじり形にもみ、仕上げ揉、及び乾燥を行って得られた茶を、更に60℃で3日間保存した。このようにして得られた茶葉は、無添加のもにに比して変色が少なく、又、茶葉に対し、10倍量の80℃の熱水で1分間抽出して得られた茶は濃醇な芳香性のある煎茶特有の香りを維持していた。
【0105】
【発明の効果】
この発明によれば、良好な酸化防止力を有すると共に、人の健康をそこなうおそれがなく、毒性がなく、無毒であり、更に環境を汚染することなく、無味無臭で異臭、異味を与えない酸化防止剤に要求される条件をすべて満たす酸化防止剤が得られる。

Claims (3)

  1. 一般式(I)
    Figure 0003695767
    (式中、nは1であり、Rはパラ位置に結合したメチル基、メトキシ基、エチル基あるいはエトキシ基から選択され、Aは炭素数1〜5の直鎖または分岐鎖の低級アルキレン基である。)で示されるフェノキシアルカン酸またはその塩を有効成分とする酸化防止剤。
  2. 一般式(I)において、Aがメチレン、エチレン又はトリメチレンである請求項1記載の酸化防止剤。
  3. 食品に使用される請求項1又は2に記載の酸化防止剤。
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