JPH07145373A - 酸化防止剤 - Google Patents

酸化防止剤

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JPH07145373A
JPH07145373A JP5305613A JP30561393A JPH07145373A JP H07145373 A JPH07145373 A JP H07145373A JP 5305613 A JP5305613 A JP 5305613A JP 30561393 A JP30561393 A JP 30561393A JP H07145373 A JPH07145373 A JP H07145373A
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隆志 大西
Hiroaki Koiso
博昭 小磯
Toshitomo Tamiya
敏呂 田宮
Toshihiro Ishii
敏宏 石井
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 食品、医薬品、医薬部外品、化粧品、たば
こ、ペットフード、飼料など並びにプラスチック、ゴ
ム、石油製品のような各種工業製品に使用できる酸化防
止剤を提供すること。 【構成】 一般式(I) 【化1】 (式中、Rは同一又は異なって水素原子、ハロゲン原
子、ヒドロキシ基、低級アルキル基、低級アルカノイル
基又は低級アルコキシ基であり、nは0〜4の整数であ
り、Aは炭素数1〜5の直鎖又は分枝鎖の低級アルキレ
ン基である。)で示されるフェノキシアルカン酸もしく
はその塩を含有する酸化防止剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、酸化防止剤に関す
る。更に詳しくは、この発明の酸化防止剤は、食品、医
薬品、医薬部外品、化粧品、たばこ、ペットフード、飼
料など並びにプラスチック、ゴム、石油製品のような各
種工業製品などに使用できる。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】酸化
は化合物が電子を失い、すなわち脱電子して構成原子の
原子価(酸化数)が大きくなることによって起り、狭義
には物質が酸素と反応して酸素の含有量が多くなる。ま
た、水素を失うことも酸化と言われている。したがって
被酸化性である油脂、脂肪酸、タンパク質、ペプチド、
アミノ酸、炭水化物、ビタミン類などを含む食品、医薬
品、医薬部外品、化粧品、たばこ、ペットフード、飼料
などや、同じく被酸化性である精油、樹脂類、ゴム類、
石油類などを含む各種の工業製品は、製造工程中及び保
存中に酸化され、異味・異臭などの不快臭味の生成、粘
度の異常上昇又は下降、ゲル化、弾性の低下、伸長性及
び屈曲性の低下などのレオロジー変化、重合・分子量の
低下などの化学構造の変化、変色・着色などの色調の変
化、有毒物質の生成及び栄養価の低下などをひきおこ
し、品質の劣化及び機能性の低下が生じ商品価値を失う
ことはよく知られている。
【0003】このためグアヤク脂、ノルジヒドログアヤ
レチック酸、没食子酸プロピル、ブチルヒドロキシアニ
ソール、ジブチルヒドロキシトルエン、アスコルビン酸
又はその塩、エリソルビン酸またはその塩、プロトカテ
キユ酸エチル、トコフェロール、6−エトキシ-2,2,4-
トリメチル-1,2- ジヒドロキノリン、二酸化硫黄及び亜
硫酸化合物、フラボン誘導体、各種香辛料類、燐脂質、
レゾルシノールモノベンゾエードなどの光安定剤、N,N'
−ジフェニル−オキサミドなどの金属不活性化剤、N−
フェニル−N'−イソプロピル−P−フェニレンジアミン
などのオゾン劣化防止剤、α−ナフチルアミンなどのア
ミン系酸化防止剤、ジラウリルサルファイドなどの硫黄
系酸化防止剤、トリフェニルフォスファイトなどのりん
系酸化防止剤、その他の酸化防止剤が単独又はそれらを
併用して使用されてきた。
【0004】しかしながら、これらの酸化防止剤に要求
される条件としては、酸化防止力を有することは当然で
あるが、人の健康をそこなうおそれがなく、毒性がな
く、無毒であること、更に環境を汚染することなく、無
味無臭で異臭、異味を与えないことなどが重要視されて
いる。従来これらの酸化防止剤に要求される条件をすべ
て満たす酸化防止剤はなく、開発が要望されていた。
【0005】米国特許第5,045,336 号及び米国特許第4,
567,053 号公報には、芳香族アルカン酸およびこれらの
塩を、糖又は糖アルコールの甘味抑制に使用する方法が
開示されている。また、食塩代用顆粒を製造するにあた
り、その賦形剤としての糖又は糖アルコールの甘味減少
のために、フェノキシアルカン酸誘導体を使用すること
が知られている(ヨーロッパ特許出願第0414550A2号参
照)。
【0006】また、苦味減少剤として実質的に無味の甘
味抑制剤を含有するか、又は甘味減少剤として実質的に
無味の苦味抑制剤としてフェノキシアルカン酸誘導体を
使用することが知られている(米国特許第5232735号参
照)。また、経口可能物の不快味を抑制するために、実
質的に無味の物質として、フェノキシアルカン酸誘導体
を使用することが知られている(WO/93/10677 号参
照)。
【0007】更に、フェノキシアルカン酸誘導体は無味
無臭であり、我々が日常飲用しているコーヒーの中に含
まれていることが確認されている。またラットに5g/
kgを与えても死亡例はなく、無毒であることも確認され
ている(米国特許第5,045,336 号参照)。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の発明者等は、フ
ェノキシアルカン酸誘導体を検討するうちに、意外にも
酸化防止効果を有することを見出し、本発明に至った。
かくして本発明は、一般式(I)
【0009】
【化2】 (式中、Rは同一又は異なって水素原子、ハロゲン原
子、ヒドロキシ基、低級アルキル基、低級アルカノイル
基又は低級アルコキシ基であり、nは0〜4の整数であ
り、Aは炭素数1〜5の直鎖又は分枝鎖の低級アルキレ
ン基である。)で示されるフェノキシアルカン酸もしく
はその塩を有効成分とする酸化防止剤が提供される。
【0010】また、本発明は、被酸化性物質を含有する
製品または原料に、抗酸化有効量の一般式(I)のフェ
ノキシアルカン酸またはその塩を添加することからなる
酸化防止方法を提供するものである。上記の一般式
(I)の各定義において、詳細は次の通りである。「ハ
ロゲン原子」の好ましい例としては、フッ素、塩素、臭
素、ヨウ素などが挙げられる。
【0011】「低級アルキル基」の好ましい例として
は、炭素数1〜3の直鎖もしくは分枝鎖のアルキル基が
挙げられ、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロ
ピルなどが挙げられる。「低級アルカノイル基」の好ま
しい例としては、炭素数2〜4のアルカノイル基が挙げ
られ、例えばアセチル、プロピオニル、ブチリルなどが
挙げられる。
【0012】「低級アルコキシ基」の好ましい例として
は、炭素数1〜3の直鎖もしくは分枝鎖のアルコキシ基
が挙げられ、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキ
シ、イソプロポキシなどが挙げられる。「低級アルキレ
ン基」の好ましい例としては、炭素数1〜5の直鎖又は
分枝鎖のアルキレン基が挙げられ、例えばメチレン、エ
チレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレ
ン、ブチレン、アミレンなどが挙げられる。
【0013】また、一般式(I)中、nは1〜4の整数
である。置換基Rは、1個の場合に4位、2個の場合2
位と4位、2位と3位又は3位と4位、3個の場合に、
2位、3位と4位に存在するのが好ましい。更に好まし
くは、nが1であり、かつ置換基Rがp位に結合してい
る場合である。一般式(I)で示されるフェノキシアル
カン酸の塩としては、無毒の、食品、医薬品などの分野
で許容される全ての塩を用いることができ、例えばナト
リウム、カリウムなどのアルカリ金属塩、カルシウム、
マグネシウムなどのアルカリ土類金属塩、又はアンモニ
ウム塩などが挙げられる。これらのうち、好ましい塩
は、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属塩であ
る。
【0014】一般式(I)の化合物の多くは、カルボキ
シル基に隣接する炭素にキラル中心を有し、通常2種の
光学異性体を生じる。本発明には、これら光学異性体や
ラセミ混合物もいずれも含まれる。この異性体のうち一
方は強い活性をもち、他方は弱い活性を有している。ま
た、上記化合物のラセミ混合物は、通常2種の光学異性
体の中間活性を示す。そこで、光学分割によって活性が
より強い方の化合物を分離し、その化合物を使用するこ
とによって酸化を防止することができる。
【0015】一般式(I)に属する化合物としては、次
のものが挙げられる。(±)−2−フェノキシプロピオ
ン酸、S−(−)−2−フェノキシプロピオン酸、
(±)−2−フェノキシ酪酸、S−(−)−2−フェノ
キシ酪酸、(±)−2−p−メトキシフェノキシ酪酸、
(±)−2−p−メチルフェノキシプロピオン酸、S−
(−)−2−p−メチルフェノキシプロピオン酸、
(±)−2−p−エチルフェノキシプロピオン酸、
(±)−2−p−メトキシフェノキシプロピオン酸、S
−(−)−2−p−メトキシフェノキシプロピオン酸、
2−p−メトキシフェノキシ−2−メチルプロピオン
酸、(±)−2−p−エトキシフェノキシプロピオン
酸、p−メチルフェノキシ酢酸、フェノキシ酢酸、p−
メトキシフェノキシ酢酸、p−エトキシフェノキシ酢
酸、(±)−2−p−クロロフェノキシプロピオン酸、
S−(−)−2−p−クロロフェノキシプロピオン酸、
(±)−2−フェノキシ−2−メチルプロピオン酸、
2,4−ジメチルフェノキシ酢酸、p−イソプロピルフ
ェノキシ酢酸、p−エチルフェノキシ酢酸、2−(p−
クロロフェノキシ)−2−メチルプロピオン酸、3,4
−ジクロロフェノキシ酢酸、p−クロロフェノキシ酢
酸、2−(2−メチル−4−クロロフェノキシ)−酢
酸、2−(3−クロロフェノキシ)−プロピオン酸、4
−フルオロフェノキシ酢酸、2,3−ジクロロフェノキ
シ酢酸、3−メチルフェノキシ酢酸、2−(3,4−ジ
メトキシフェノキシ)−プロピオン酸、2−(2,3,
4−トリメトキシフェノキシ)−酪酸、2−メチルフェ
ノキシ酢酸、2−ホルミルフェノキシ酢酸、p−エチル
フェノキシ酢酸、2−ヒドロキシフェノキシ酢酸、4−
ヨードフェノキシ酢酸、2−メトキシフェノキシ酢酸、
2−エチルフェノキシ酢酸、ジフェニル酢酸、ジフェニ
ルヒドロキシ酢酸(ジフェニルグリコール酸)、2−
(p−クロロフェニル)プロピオン酸、2−(p−イソ
プロピルフェニル)プロピオン酸、2−(2,4−ジメ
トキシフェニル)−2−メトキシ酢酸、2−(2,4−
ジメチルフェニル)−プロピオン酸、2−(2−メチル
フェニル)−プロピオン酸、2−(2−メチルフェニ
ル)−3−メチル酪酸などが挙げられる。
【0016】この内、好ましい化合物は、フェノキシ酢
酸、2−フェノキシプロピオン酸、2−フェノキシ酪
酸、2−(p−メトキシフェノキシ)プロピオン酸、2
−(p−エトキシフェノキシ)プロピオン酸、2−(p
−エチルフェノキシ)プロピオン酸、2−(p−メトキ
シフェノキシ)酪酸、p−メトキシフェノキシ酢酸、2
−(p−メチルフェノキシ)プロピオン酸、2−(p−
エチルフェノキシ)酪酸、p−メトキシフェノキシ酢
酸、2−(p−エトキシフェノキシ)酪酸のナトリウム
あるいはカリウム塩が挙げられる。これら化合物は、1
種又は2種以上を組み合わせることによって、酸化を防
止することができる。
【0017】一般式(I)の化合物又はその塩は、縮合
などによる既知の方法により合成することができる。例
えばジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサエ
ティ(J. Amer. Chem. Soc.), 53, 304 (1931)、ジャー
ナル・オブ・ケミカル・ソサエティ(J. Chem. Soc.),
1891 (1956)に記載の方法で合成することができるが、
アルドリッチ社から入手可能な化合物がある。
【0018】この発明の一般式(I)の化合物又はその
塩は、酸化防止剤としてそのまま使用することもできる
が、製剤として使用してもよい。例えば、それらを溶解
しうる媒体によって溶解あるいは懸濁した液状製剤、使
用する対象物に不活性で悪影響を与えない固形の担体ま
たは賦形剤で希釈した固形製剤とすることができる。
【0019】このような液状媒体として、水、エタノー
ル、オリザノール、オクタコサノールなどのアルコール
類、液糖、ホモオリゴ糖、ヘテロオリゴ糖などのオリゴ
糖類、水飴などの糖類;ソルビット、マルチトール、エ
リスリトール、還元パラチノース、還元キシロオリゴ
糖、還元ゲンチオオリゴ糖、還元乳糖などの糖アルコー
ル:グリセリン、プロピレングリコールなどの多価アル
コール類;グリセリン、ポリグリセリン、ソルビタン、
ポリオキシエチレン、プロピレングリコール、ショ糖な
どの脂肪族エステル;レシチンなどの乳化剤などが挙げ
られる。従って、フェノキシアルカン酸又はその塩は対
象とする製品を製造する時に、主原料及び副原料と同時
に添加してもよく、液状の主原料及び副原料にあらかじ
め溶解し使用してもよく又は出来上がった製品に添加・
混和・溶解してもよい。添加方法は特に限定されるもの
ではない。固形の担体または賦形剤としては、澱粉、ラ
クトース、シリカなどが挙げられる。
【0020】この発明の一般式(I)の化合物又はその
塩は、その酸化防止有効量が各種の被酸化性物質に用い
られる。その酸化防止有効量は、被酸化性物質の種類、
含有量、製品の種類などによって変化する。一般には、
被酸化性物質100重量部に対し、0.000001〜10重量
部に用いられる。以下にこの点に関して被酸化性物質又
はこれを含む製品の種類に分けて、代表的な事例を説明
する。
【0021】A)油脂、精油 被酸化性物質の代表的な例として、大豆油、ナタネ油、
トウモロコシ油、綿実油、ヤシ油、パーム油、サフラワ
ー油、米油、落花生油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ
油などの植物油脂;ラード、牛脂、豚脂、乳脂、魚油な
どの動物油脂、オレンジ油、レモン油、ライム油、グレ
ープフルーツ油、ベルガモット油、アニス油、クローブ
油、ローズ油、ジャコウ油その他の精油が挙げられる。
これらの油脂又は精油100重量部に対して一般に、化
合物(I)又はその塩を0.001 〜1重量部添加すること
によって、油の酸化が防止され、保存安定性が増加す
る。
【0022】B)食品 上記の植物油脂又は動物油脂を固有的に含有するか、植
物油脂又は動物油脂を意図的に使用した食品について説
明する。 i)揚物製品 豆腐の油揚類、揚かまぼこ類、コロッケ類、トンカツ
類、てんぷら類、調理冷凍食品類、ドーナツ類、揚あら
れ類、油菓類、ポテトチップおよびフレンチ・フライポ
テト類、フライビーンズ類、珍味フライ類及び即席麺類
その他が挙げられる。これらの揚物製品100重量部に
対して、一般に、化合物(I)又はその塩を0.0001〜1.
0 重量部添加することによって、揚げ油の安定性、揚げ
油の色と風味、加熱安定性そしてこれらの油で揚げられ
た揚物製品の色、風味及び保存安定性が増加する。
【0023】ii)乳製品 牛乳、加工乳、煉乳、粉乳、バター、バタークリーム、
ホイップクリーム、サンドクリーム、生クリーム、コー
ヒーホイワトナー、ナチュラルチーズ、プロセスチーズ
など、化合物100重量部に対し、0.00001 〜0.005 重
量部添加され、貯蔵安定性の向上と製品固有の風味が保
持される。
【0024】iii)菓子 クッキー、ビスケット、パン類、焼菓子類など100重
量部に対し、化合物(I)又はその塩の0.0001〜0.001
重量部の添加により、油の変敗が防止され、製造直後の
風味が保持される。カステラ、スポンジケーキ、シフォ
ンケーキ、ケーキミックス、チーズケーキなど100重
量部に対し、化合物(I)又はその塩の0.0001〜0.001
重量部の添加で、卵に由来する硫黄臭や生ぐさい臭の生
成が防止され、風味のよいケーキ類が得られる。
【0025】キャラメル、トフィー、ファッジ、ヌガ
ー、グミキャンディーなどのキャンディー類、ゼリー菓
子類、チューイングガム類、その他の飴菓子類において
は、その100重量部に対して、フェノキシアルカン酸
又はその塩を0.0001〜0.01重量部添加することによっ
て、油の酸敗が防止され製造直後の新鮮な風味が保持さ
れるとともに、その風味には経時変化がみられない。
【0026】チョコレート菓子、冷菓及び洋生菓子用チ
ョコレートコーティング、チョコレートスプレット、コ
コアドリンク、その他のチョコレート類100重量部に
対して、化合物(I)又はその塩を0.001 〜0.02重量部
添加することによって酸化が防止され、チョコレート固
有の風味が保持される。アイスクリーム、ソフトクリー
ムミックスなどの冷菓においては、100重量部に対し
て、化合物(I)又はその塩を0.00001 〜0.01重量部添
加することにより、保存中の酸敗が防止されると共に添
加されたグリセリンの不飽和脂肪酸エステルの酸化も防
止される。
【0027】iv)調味料 ドレッシング、マヨネーズ、たれ類においては、その1
00重量部に対して、化合物(I)又はその塩を0.0001
〜0.01量部添加することにより、油の酸化が防止され、
新鮮な風味が長期間保持し、商品寿命を延長することが
できる。また、みそ、粉末みそ、醤油、粉末醤油、もろ
み、魚醤、その他の調味料類100重量部に対して、化
合物(I)又はその塩を0.0001〜0.01重量部添加するこ
とにより、保存中の褐変が防止され、色調が安定すると
共に新鮮な風味が長期間保持される。
【0028】v)飲料 コーヒー、紅茶、緑茶、ウーロン茶、ドリンクヨーグル
ト、果汁飲料、スポーツドリンク及び炭酸飲料、その他
の嗜好飲料100重量部に対してフェノキシアルカン酸
又はその塩を0.0001〜0.001 重量部添加することによっ
て、製造直後と同じ新鮮な風味が長期間保持され、経時
変化による品質の劣化が防止される。また、酒類、洋酒
類、ビール類、ワイン類、その他の酒精飲料100重量
部に対して、化合物(I)又はその塩を0.0001〜0.03重
量部添加することによって、保存中の褐色化反応が防止
されると共に新鮮な風味が長期間保持される。
【0029】vi)その他各種の食料品 ハム、ソーセージなどの畜肉加工品、魚肉ソーセージ、
蒲鉾、竹輪などの水産煉製品、煮干し、丸干し、塩干し
などの水産加工品100重量部に対して、化合物(I)
又はその塩を0.0001〜0.01 重量部添加することによっ
て、経時変化による油の酸化が防止され、新鮮な風味が
長期間保持される。
【0030】レトルトカレー、レトルトハンバーグ、レ
トルトスープ、レトルトたれ及び具類、果実、野菜、水
畜産物、その他の高圧高温度で処理された保存食品10
0重量部に対して、化合物(I)又はその塩を0.0001〜
0.01重量部添加することによって、加工中の化学的変化
が防止されると共に、酸化による保存中の風味の低下が
防止される。
【0031】ウニ、イカの塩辛、スルメ、魚のみりん
干、貝の干物、鱈の干物、鮭などの燻製品、さきいかな
どの各種珍味類100重量部に対して、化合物(I)又
はその塩を0.0001〜0.05重量部添加することによって、
褐色化が防止されると共に新鮮な風味が長期間保持され
る。のり、小魚、貝類、するめ、山菜、茸、昆布その他
の佃煮類100重量部に対して、化合物(I)又はその
塩0.0001〜0.05重量部添加することにより酸化による変
敗が防止され新鮮な色調と風味が長期間保持される。
【0032】奈良漬、福神漬、千枚漬、沢庵漬、はりは
り漬、つぼ漬、かうし漬、塩漬、たまり漬その他の漬物
類100重量部に対して、化合物(I)又はその塩を0.
0001〜0.01重量部添加することによって、褐変が防止さ
れ、酸化による変敗臭の生成が防止され各々固有の新鮮
な風味が保持される。
【0033】B)医薬品及び医薬部外品 医薬品及び医薬部外品には、被酸化性物質として、油
脂、ロウ、脂肪酸、脂肪エステル、色素、香料、ビタミ
ンなどが含まれている。これらの被酸性物質が用いられ
る医薬品の製剤としては、エリキシル基、カプセル剤、
顆粒剤、丸剤、眼軟膏剤、懸濁剤、乳剤、硬膏剤、坐
剤、細粒剤、散剤、酒精剤、錠剤、シロップ剤、軟膏、
パップ剤、チンキ剤、軟膏剤などが挙げられる。これら
の製剤各100重量部に対し、一般に、一般式(I)化
合物又はその塩が0.01〜5重量部添加される。それによ
って、これら製剤の変色、酸敗、その他の化学的変性が
防止される。
【0034】また、医薬部外品には、口内清涼剤、液臭
防止剤、てんか粉類、養毛剤、除毛剤、染毛剤、浴用
剤、薬用石けんシャンプー・リンス・化粧水・クリーム
・乳液・ハンドクリーム・化粧用油・ひげそり用剤・日
やけ止め剤・パック・洗顔料などの薬用化粧品、殺虫
剤、殺鼠剤、パーマネント・ウエーブ用剤、薬用歯磨類
などがある。これらの医薬部外品100重量部に対して
フェノキシアルカン酸又はその塩を0.001 〜5重量部添
加することによって、空気に接触しても自動酸化しない
安定な製品が得られる。
【0035】C)化粧品 化粧品には、被酸化性物質として香料、ビタミン、油
脂、脂肪酸、ロウ、脂肪族、エステル、その他が使用さ
れており、空気と接すると酸化し酸敗することがある。
【0036】化粧品の中には、毛髪用化粧品類として、
石けん、シャンプー、髪洗い粉などの洗髪料、ヘアロー
ション、ヘアトニックなどの頭髪香料、ポマード、髪油
類、コスメチック、ヘアクリームなどの油性整髪料、コ
ールドパーマネントウエーブソリエーションなどのパー
マネントウエーブ用品類、酸化染料染毛剤などの染毛
剤、抜去脱毛剤、化学的脱毛剤などの脱毛剤、シェービ
ングクリーム、シェービングローションなどのひげそり
用品類などがある。皮膚用化粧品類として、石けん、シ
ンデットバー、クレンジングクリーム、洗粉などの皮膚
洗浄料、エモリエント・クリーム、エモリエント・ロー
ション、オールパーパスクリーム、ハンドクリームおよ
びローション、ホルモンクリーム、コールドクリーム、
バニシングクリーム、マッサージクリームなどの化粧ク
リームおよびローション、オイルパックなどのパック
類、クリーム白粉、油性白粉、練白粉、パンケーキ、ベ
ビーパウダーなどの白粉、打粉類などがある。メーキャ
ップ製品類として、口紅、ほお紅、目およびまゆの化粧
品などがある。美爪化粧品類には美爪ラッカー、エナメ
ル除去剤、クチクラ除去剤、ネイルクリーム、ネイルホ
ワイトナー、ネイルポリッシュなどがある。芳香製品類
として、香水、オーデコロン、ローション、トイレット
ウォーター、スメリングソルト、浴用芳香剤などの液体
芳香料、固形芳香品、香粉またはにおい袋、練香、薫
香、バスソルトなどの固体芳香料がある。
【0037】口腔用製品類として、歯磨き類、口洗料な
どの口腔用製品類がある。その他にきび用品、日焼け止
め、しみ・そばかす治療剤、臭気止めなどの特殊化粧用
品類がある。これらの化粧品類100重量物質に対し
て、一般に0.01〜1重量物質の(±)−2−P−メトキ
シフェノキシプロピオン酸ナトリウムを添加することに
よって、空気にふれることにより生じる自動酸化が防止
される。
【0038】D)飼料、ペットフード 飼料ならびにペットフードには、とうもろこし、マイ
ロ、小麦などの穀類;米ぬか、小麦胚芽などのそうこう
類;大豆油脂、綿実油脂、サフラワー油脂などの植物性
油脂類;魚粉、骨粉、フェザーミール、脱脂粉乳、カゼ
インなどの動物性飼料;牛脂、骨油、ラード、スケソウ
ダラ肝油、ヤシ油、パーム油、大豆油などの油脂;その
他糖みつ、ビール粕、ビール酵母、柑きつ加工粕、乾燥
パン屑、海藻、アルファルファミール、コーングルテン
ミール、でん粉粕、コーヒー粕、各種ビタミン、各種ア
ミノ酸香料などが使用されており空気に接触すると酸状
変質する。飼料の例としては、牛用として、哺乳期子牛
用、幼令期子牛育成用、肉用牛脂育成用飼料など、その
他馬、めんよう、山羊、ミンク、ウサギなどの家畜用配
合飼料;鶏用として産卵鶏用、ブロイラー用配合飼料な
ど、その他七面鳥、アヒル、ウズラなど家畜用配合飼
料;マス、コイ、アユ、ウナギ、ハマチ、マダイ、クル
マエビなどの魚用配合飼料などがある。これらの飼料1
00重量物質に対して、0.01〜1重量部のフェノキシア
ルカン酸又はその塩を添加することによって酸化による
変質が防止される。
【0039】ペットフードの例としては代表的には犬、
猫用としてドライタイプとウエットタイプがあり、上記
原料の他に、特にウェットタイプには生の肉、魚、内臓
物が使用される場合が多い。その他カナリア、インコ、
ハト、オームなどの小鳥用配合飼料;キンギョ、ニシキ
ゴイなどの鑑賞魚用配合飼料などがある。これらの飼料
100重量部に対して、一般に、一般式(I)の化合物
又はその塩を0.001 〜1重量部を添加することによって
酸化による変質防止される。
【0040】E)プラスチック、ゴム、石油製品 ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ
スチレンAS樹脂、ABS樹脂、MBS樹脂などのプラスチック
100重量部に対し一般に、一般式(I)の化又はその
塩0.01〜10重量部添加することにより、酸化が防止で
き強度低下、粘度低下、分子量低下、軟化、着色、ガス
の発生、硬化が防止でき、それらを利用した製品例えば
パイプ、化学装置、電気部品、屋根材、壁材、目盛板、
がん具、レコード盤、ヘアカール、ペン軸、接着剤、塗
料、チューインガムベース、包装用フィルム、ホース、
ビン、ラジオ・テレビ・電蓄部品、キャビネット、銘
板、つまみ、電気冷蔵庫部品、クーラー部品、電気掃除
機部品、蓄電池・乾電池ケース、自動車部品、食品容
器、化粧品容器、薬品容器、箱、ブラシ柄、時計部品、
家具部品、照明器具、絶縁材料、ガスケット、パッキン
グ、テープ、写真フィルム、カメラ部品、メーターケー
ス、文房具、キャップ、ボタン、マージャンぱい、機械
部分、建材用波板、自動車部品、装身具、スポーツ用具
などの品質の低下を防止できる。
【0041】天然ゴム、合成ゴム、ラテックスなど10
0重量部に対して、フェノキシアルカン酸又はその塩を
0.01〜10重量部添加することにより、酸化を防止し、
酸化・ゲル化・ガムの発生による弾性の低下、亀裂の発
生、結晶性の変化、電気特性の低下、粘着性の増大、屈
曲性の低下、伸長性の低下が防止される。それらを利用
した製品、例えばタイヤ、タイヤチューブ、ゴムバン
ド、フォームラバー、ファンベルト、電線ホース、パッ
キング、防振ゴム、サドル、ペダル、ブレーキパッド、
制動ホース、給水ホース、耐圧ホース、窓わくゴム、カ
ットレスベアリング、ゴムマット、舗装アスファルト、
セメントラテックス塗料、ゴム引き布、業務用雨衣、レ
インコート、学童用雨衣、ゴムカタン、ゴムテープ、ガ
ーター、くつ下、ブラジャー、シミーズ、ズロース、コ
ルセット、海水着、潜水服、潜水マスク、布ぐつ、総ゴ
ムぐつ、地下たび、運動ぐつ、製靴用品、手袋、コンベ
ア、ベルト、ゴム栓、防毒マスク、エボナイト、漁業用
浮き子、手術用手袋、止血管、麻酔マスク、手術用前
掛、輸血用ゴム管、X線しゃへいゴム板、水枕、氷の
う、注射薬びんゴムキャップ、各種ゴム製ボール軟式テ
ニスボール、軟式野球ボール、硬式テニスボール、硬式
野球ボール、ゴルフボール、ソフトボール、革製ゴムチ
ューブ入りボール、浮き輪、ゴム製玩具、字消しゴム、
電気用ゴム手袋などが挙げられ、それらの品質の低下を
防止することができる。
【0042】また、燃料ガソリン、ジェット燃料、灯
油、軽油及び重油などの燃料油、ラッカーシンナー用希
釈剤、合成樹脂塗料用溶剤などの石油溶剤、エンジン
油、ギヤ油、タービン油、シリンダー油、スピンドル
油、ダイナモ油、コンプレッサー油、冷凍機油、マシン
油、車軸油などの潤滑油、グリース、電気絶縁油、作動
油、フラッシング油、切削油、焼入れ油、さび止め油、
液化石油ガス、流動パラフィル、固形パラフィン、ペト
ロラタム、アスファルトなどの石油製品100重量部に
対し、フェノキシアルカン酸又はその塩を0.01〜10重
量部添加することによって酸化が防止され、酸敗、粘度
の増大、油査の発生、界面張力の減少、スラッジの発
生、膠着性カーボンの発生が防止できる。
【0043】一般に酸化防止剤は、単独で用いた時より
も、2種以上の併用で効果が増大するが、本発明のフェ
ノキシアルカン酸も既知の酸化防止剤との併用で効果を
増大させることができる。
【0044】例えばエチレンジアミン四酢酸カルシウム
二ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、
エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、クエン酸
イソプロピル、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒ
ドロキシアニソール、没食子酸プロピル、亜硫酸ナトリ
ウム、次亜硫酸ナトリウム、二酸化硫黄、ピロ亜硫酸カ
リウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、L−アスコルビン酸、
L−アスコルビン酸ナトリウム、L−アスコルビン酸ス
テアリン酸エステル、dl−α−トコフェロール、チオ
硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、ロンガリッ
ト、イソアスコルビン酸、チオグリセロール、チオソル
ビトール、塩酸シスシィン、ノルジヒドログアヤレチッ
ク酸、トリエタノールアミン、アオイ花抽出物、アスペ
ルギルステレウス抽出物、イソケルセチンエラグ酸、γ
−オリザノール、カテキン、甘草油性抽出物、クローブ
抽出物、クァヤク脂、酵素処理ルチン、生コーヒー豆抽
出物、米ヌカ油抽出物、米ヌカ酵素分解物、ゴマ油抽出
物、ゴマ油不ケン化物、セザモリン、セザモール、食用
カンナ抽出物、セージ抽出物、セリ抽出物、テンペ抽出
物、糖・アミノ酸複合物トコトリエノール、抽出トコフ
ェロール、ミックストコフェロール、d−α−トコフェ
ロール、d−γ−トコフェロール、d−S−トコフェロ
ール、菜種油抽出物、ピメンタ抽出物、ブルーベリー菜
抽出物、プロポリス抽出物、ヘスペレチン、ペパー抽出
物、没食子酸、メラロイカ精油、モリン、ユーカリ葉抽
出物、リンドウ根抽出物、ルチン抽出物、エンジェ抽出
物、ソバ全草抽出物、アズキ全草抽出物、ルチン分解
物、ローズマリー抽出物などの酸化防止剤が挙げられ
る。
【0045】又、酸化防止剤だけでなく、それ自身は酸
化防止効果はないが、或いは極めて小さいが、共存する
酸化防止剤の効果を増大させるシネルギストも本発明の
フェノキシアルカン酸及びその塩にとって有効である。
【0046】上記シネルギストには、アラニン、シスラ
インなどのアミノ酸、クエン酸、洒石酸などの有機酸及
びその塩類、リン酸及びその塩類、メタリン酸、ピロリ
ン酸などの重合リン酸塩類、グリセリンクエン酸脂肪酸
エステル、フィチン酸などが挙げられる。上記の如く、
フェノキシアルカン酸又はその塩が無味、無臭で無毒で
あって、卓越した酸化防止力を有し、酸化防止剤として
有用である。
【0047】
【実施例】本発明の効果を試験例と実施例で説明する
が、本発明はこれらに限定されない。 試験例1 ラード90重量部に、表1に示すような各重量部の(±)
−2−p−メトキシフェノキシプロピオン酸を蒸留モノ
グリセライド10重量部に溶解した混合物を加え、活性酸
素法(AOM)で試験し、過酸化物価が100meq/kgに達
するまでの時間を測定した。得られた結果を表1に示
す。
【0048】
【表1】 表1より、フェノキシアルカン酸がラードの酸化防止作
用を有していることがわかる。
【0049】試験例2 大豆油490重量部に、表2に示すような各重量部の
(±)−2−p−メトキシフェノキシ酪酸を蒸留モノグ
リセライド50重量部に溶解した混合物を加え、180℃で2
0時間加熱しながら、直径3cm厚さ1.0mm に成型したポ
テト20gを2時間ごとに揚げて、成型ポテトチップに含
まれる油脂の酸価を測定した。得られた結果を表2に示
す。
【0050】
【表2】 表2より、フェノキシアルカン酸の添加により、大豆油
が優れた加熱安定性を有することがわかる。
【0051】試験例3 冷凍すり身100重量部、食塩3重量部、馬れいしょ澱粉1
5重量部、大豆タンパク質2重量部、ソルビン酸カリウ
ム0.1重量部及び表3に示すような(±)−2−p−メ
トキシフェノキシプロピオン酸ナトリウムを添加混合し
た後、常法通りかまぼこを調製し、ナタネ油に入れて13
0℃、次いで200℃で揚げた。
【0052】揚げた直後及び10℃の冷蔵庫で10日間保存
した後、(±)−2−p−メトキシフェノキシプロオン
酸ナトリウム無添加区と添加区について、どちらの添加
区が油っぽい匂いがなく、軽いすっきりした風味である
か、及びどちらの添加区が変敗臭がないかを、20名の専
門パネラーにてp<0.1で官能検査した。得られた結果
を表3に示す。
【0053】
【表3】 表3より、フェノキシアルカン酸の添加により、揚かま
ぼこが優れた保存安定性を有することがわかる。ナタネ
油に(±)−2−p−メトキシフェノキシプロピオン酸
ナトリウムを添加しても同様な結果を得られた。
【0054】試験例4 コーンサラダ油に表4に示す各重量部の(±)−2−p
−ヒドロキシフェノキシプロピオン酸を、蒸留モノグリ
セライド1重量部に溶解させた混合物を加え油脂安定性
試験を行った。
【0055】油脂安定化試験は、メトローム社製のラン
シマット(自動油脂安定性試験装置)を使用した。この
原理は加熱した油脂に空気を吹込み、この空気を次いで
純水中に吹込む。油脂の酸化に伴って揮発性二次生成物
質が生じてくる。油脂層をバブリングさせた空気により
二次生成物質が運ばれ、水層に移行する。それに伴って
水の導電率が変化する。時間に対して導電率をプロット
して、得られた曲線の変曲点を求め、この時間を誘導時
間とする。油脂の安定性の判定は、油脂の安定性の増加
に伴って誘導時間が伸びることにより誘導時間の長短の
比較によりおこなうものである。測定条件として加熱温
度120℃、空気流量20L/時、試料量3.5 gで行
い、表4に示す結果を得た。
【0056】
【表4】
【0057】試験例5 純ラードに表5に示す各濃度になるよう(±)−2−p
−メトキシフェノキシプロピオン酸、トコフェロール、
ジブチルヒドロキシトルエン、クエン酸モノグリセライ
ドを蒸留モノグリセライド1重量部に溶解させた混合物
を加え、試験例4と同様の油脂安定化試験を行った。測
定条件は加熱温度110℃、空気流量20リットル/
時、試料量3.5 gとした。結果を表5に示す。
【0058】
【表5】
【0059】試験例6 5倍濃縮オレンジ果汁に対し、表6に示す2−P−エト
キシフェノキシ酢酸を各重量部を加え、90℃30分間
加熱殺菌を行った。更に60℃で72時間保存して試料
とした。得られた試料を5倍に希釈し、試験例3と同様
の官能検査を行ったところ、表6に示す結果を得た。
【0060】
【表6】
【0061】試験例7 調合レモン香料に表7を示す各重量部の(±)−2−P
−メトキシフェノキシプロピオン酸ナトリウムを添加
し、試験管中で46時間屋外で、20リットル/時間の
流量の空気を送り込んだ。
【0062】得られた試料をガスクロマトグラフィーに
供し、酸化生成物であるレモネン1,2 ジオールの生成量
を求めた。空気を送り込む前の試料のレモネン1,2 ジオ
ールの量を100とし、それぞれの試験区の生成量を算
出した値を表7に示す。
【0063】
【表7】
【0064】試験例8 ヤシ油100重量部、粉糖200重量部、脱脂粉乳10
重量部、食塩0.2 重量部、レシチン0.5 重量部に、表8
に示す各種のフェノキシアルカン酸又はその塩を0.003
重量部を溶解した混合液を加え、常法通りサンドクリー
ムを調製し、40℃の温度で10日間保存した後、試験
例3と同様に官能検査し、表8に示す結果を得た。
【0065】
【表8】
【0066】実施例1 食塩8.5重量部、かん水0.4重量部、キサンタンガム0.5
重量部、水80重量部、小麦粉250重量部及び(±)−2
−p−エトキシフェノキシプロピオン酸ナトリウム0.01
5重量部を加えて常法通り中華麺を調製した。この中華
麺を、トウモロコシ油90重量部とラード10重量部の混合
油脂の中で、130℃の温度で3分揚げた。得られた即席
麺は、油っぽい匂いがなく、軽い匂いのすっきりした風
味であり、60℃で長時間保存しても変敗することなく安
定であった。(±)−2−p−エトキシフェノキシプロ
ピオン酸ナトリウムを混合油に添加して調製した即席麺
においても、上記と類似の結果が得られた。
【0067】実施例2 小麦粉100重量部、でんぷん25重量部、食塩5重量部、
水250重量部及びフェノキシ酢酸ナトリウム0.005重量部
及びp−メチルフェノキシ酢酸ナトリウム0.005重量部
のバッターミックスに、細断したのしするめをつけて、
170℃の大豆油の中に入れて3分間揚げた。得られた珍
味揚するめは、油っぽさがなく、あっさりした軽い風味
を有し、長時間保存しても変敗臭がなく安定であった。
フェノキシ酢酸ナトリウム及びp−メチルフェノキシ酢
酸ナトリウムを大豆油の中に添加して珍味揚するめを調
製しても、上記と類似の結果が得られた。
【0068】実施例3 小麦粉100重量部、水60重量部、イースト7重量部、砂
糖10重量部、ヤシ油10重量部、卵10重量部及び(±)−
2−p−エチルフェノキシプロピオン酸ナトリウム0.00
3重量部から常法通り調製したドーナツ生地を、185℃の
ラードの中で3分間揚げた。得られたドーナツは、油っ
ぽい匂いがなく、さっぱりした、こおばしい軽い風味の
ドーナツであり、保存安定性も良好であった。
【0069】実施例4 じゃがいも45重量部、合挽肉15重量部、たまねぎ5重量
部、小麦粉3重量部、バター3重量部、卵5重量部、生
パン粉10重量部、キャベツ14重量部、食塩0.3重量部及
び(±)−2−p−メチルフェノキシプロピオン酸ナト
リウム0.003重量部を添加し、常法通り冷凍コロッケを
調製して1ケ月間冷凍室で貯蔵した。冷凍貯蔵したコロ
ッケを200℃の温度の大豆油の中で3分間揚げた。得ら
れたコロッケは、軽い匂いのすっきりした風味であり、
冷凍貯蔵中の変性もみられなかった。
【0070】実施例5 大豆から常法通り得た豆乳100重量部に(±)−2−p
−エチルフェノキシ酪酸ナトリウム0.01重量部を加え、
硫酸カルシウムで凝固させて、固めのとうふを作った。
このものを110℃のなたね油の中で3分間揚げ、次いで2
00℃で3分間揚げた。得られた油揚は、油っぽさがな
く、すっきりした軽い風味を有していた。この油揚を乾
燥し、長期間保存して湯戻しした結果、保存前と何等変
りなく、保存安定性が優れていた。
【0071】実施例6 小麦粉100重量部、砂糖50重量部、炭酸アンモニウム4
重量部及び水50重量部を加えて、常法通りかりんとうの
生地を調製した。コメ油83重量部及びパーム油12重量部
に、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル5重
量部に2−フェノキシプロピオン酸0.5重量部を添加混
和して分散又は溶解させたものを添加混和する。この油
を、180℃の温度に加熱し、かりんとう生地を投入して1
5分間揚げた。得られたかりんとうは、油っぽさがな
く、こおばしい香りを有する、軽い匂いのすっきりした
風味のかりんとうであった。このかりんとうを長時間保
存しても、変敗臭が生成せず、揚げた直後の風味が保持
され、保存安定性が良好であった。
【0072】実施例7 サフラワー油(リノール酸含量70%)81重量部、脱脂粉
乳17重量部、食塩2重量部、グリセリン脂肪酸エステル
0.2重量部、レシチン0.1重量部、(±)−2−p−メト
キシフェノキシプロピオン酸ナトリウム0.001重量部を
添加し、常法通りマーガリンを調製した。このものを常
温で6ケ月間保存した所、油脂の酸化が生成せず、新鮮
な風味を保持した。これに対して、無添加の場合は著し
く酸敗した。
【0073】実施例8 パーム油20重量部、カゼインナトリウム3重量部、液糖
2重量部、グリセリン脂肪酸エステル0.3重量部、カラ
ギーナン0.05重量部、水75重量部及び(±)−2−p−
メトキシフェノキシ酪酸0.005重量部を添加し、常法通
りコーヒーホワイトナーを調製した。このものを40℃で
30日間保存しても油脂の麦敗臭がなく、新鮮な風味が保
持されていた。これに対して、無添加区は著しく変敗し
た。
【0074】実施例9 ヤシ油30重量部、カゼインナトリウム2重量部、砂糖7
重量部、液糖3重量部、安定剤0.3重量部、乳化剤0.2重
量部、水58重量部及び(±)−2−p−エトキシフェノ
キシプロピオン酸ナトリウム0.01重量部添加し、常法通
りホイップクリームを調製した。これを40℃で30日間保
存しても酸敗臭のない新鮮な風味を有するホイップクリ
ームであった。これに対して、無添加区は著しく酸敗し
た。
【0075】実施例10 溶融した市販のクリームチーズ100重量部に(±)−2
−p−メトキシフェノキシプロピオン酸ナトリウム0.00
6重量部を添加混和し、室温で6ケ月間保存した所、新
鮮な風味が保持され、変敗臭味のないクリームチーズで
あった。これに対して、無添加区は著しく変敗した。
【0076】実施例11 小麦粉100重量部、ショートニング100重量部、砂糖100
重量部、全卵100重量部及び2−p−エトキシフェノキ
シ酢酸カリウム0.004重量部を加え、常法どうりパウン
ドケーキを調製した。これを−30℃の冷凍室で3ケ月間
保存し、解凍した所、新鮮な風味が保持され、変敗臭味
はしなかった。これに対して、無添加区は変敗してい
た。
【0077】実施例12 砂糖20重量部、水飴31重量部、練乳40重量部、硬化植物
油9重量部、レシチン0.03重量部、食塩0.5重量部、バ
ニラフレーバー0.1重量部及び(±)2−p−メトキシ
フェノキシ酪酸ナトリウム0.001重量部を加え、125℃の
温度まで煮つめ常法通りキャラメルを調製した。このも
のを35℃で90日間保存しても変敗臭味のない新鮮な風味
のキャラメルであった。これに対して、無添加区は変敗
臭味があった。
【0078】実施例13 除核したさくらんぼを5分間煮沸した後、1%(W/
V)のピロ亜硫酸ナトリウム水溶液に24時間浸し、水洗
し脱気し、着色処理を行う。続いて、砂糖50:ブドウ糖
50からなる糖度30%の糖液100重量部に対して(±)−
2−p−エトキシフェノキシ酪酸カリウム0.01重量部を
加えた糖液に、着色処理したさくらんぼを浸漬し公知の
方法で糖濃度75%で仕上げる。得られたさくらんぼは40
℃の温度で30日間褐変せず、鮮明な赤色を呈していた。
これに対して、無添加区は褐変し赤褐色を呈した。
【0079】実施例14 3%の食塩水100重量部に(±)−2−p−メチルフェ
ノキシプロピオン酸ナトリウム0.1重量部を添加溶解し
沸騰する。沸騰したこの食塩水に洗浄、水切りしたシラ
スを投入し、再沸騰させ浮上したシラスを採取し、天日
で3時間乾燥する。このシラスは保存中も変色しなかっ
た。これに対して、無添加区は変色した。
【0080】実施例15 トウモロコシ54.799重量部、大豆油かす15重量部、ふす
ま15重量部、糖密10重量部、食塩2重量部、クエン酸0.
1重量部、炭酸カルシウム2重量部、リン酸カルシウム
1重量部、調合香料ミルクフレーバー0.1重量部及び
(±)−2−p−メトキシフェノキシプロピオン酸ナト
リウム0.001重量部を配合し、常法通りに作成した子豚
用飼料は、長期間保存して変化が無かったが、無添加区
は変色及び異臭が感じられた。
【0081】実施例16 重量(%) グルクロン酸 0.8 アスコルビン酸 1.0 リン酸リボフラビン 0.005 ニコチン酸アミド 0.01 パントラン酸カルシウム 0.05 カフェイン 0.08 調合香料ハニーフレーバー 0.1 エチルアルコール 0.5 2−メトキシフェノキシ酢酸 0.005 水にて 100 上記配合の内用液剤を60℃で10日間保存しても、調製直
後と変化はほとんど感じられなかったが、無添加区は松
ヤニ臭い酸化臭が感じられた。
【0082】実施例17 重量% ポリエキシエチレンラウリルエーテル硫酸塩 15 トリエタノールアミン 2 プロピレングリコール 10 調合油性香料ジャスミンオイル 0.5 2−p−ヒドロキシフェノキシプロピオン酸 0.01 水にて 100 上記配合にて常法通り作成したシャンプーを60℃にて30
日間保存しても香調に変化はほとんど感じられなかった
が、無添加区は香りが減少し変敗臭が強かった。
【0083】実施例18 窒素含有率11.0%のニトロセルロース75重量部、ショウ
ノウ25重量部に2−p−メトキシフェノキシプロピオン
酸0.5重量部を溶解させた。アルコール75重量部に溶解
させ、練混、ロ過、圧延、乾燥の工程を経てセルロイド
板を得た。このセルロイド板は2−p−メトキシフェノ
キシプロピオン酸無添加のものに比して、長期間日光下
に放置しても変色が少なく弾力性も変化がなかった。
【0084】実施例19 オレンヂ油3重量部、レモン油1重量部、ショ糖280重
量部、タルク35重量部、(±)−2−フェノキシプロピ
オン酸ナトリウム1重量部、アルコール300重量部及び
水380重量部を加えて、調製した芳香エリキシル剤は、4
0℃の温度で90日間保存してもオレンヂ油及びレモン油
が酸化されず芳香性に富んでいた。
【0085】実施例20 微粉カオリン520重量部、ホウ酸80重量部、グリセリン4
00重量部、チモール0.5重量部、サリチル酸メチル2重
量部、ハッカ油1重量部及びS−(−)−2−フェノキ
シプロピオン酸カリウム0.5重量部を加えて、常法通り
調製したカオリンパップを、40℃の温度で120日間保存
しても酸化されず、安定であった。
【0086】実施例21 クエン酸0.5重量部、ショ糖7重量部、レモン香料0.2重
量部、S−(−)−2−フェノキシ酪酸ナトリウム0.1
重量部及び水93重量部を加えて、常法通り調製したクエ
ン酸リモナーデを、60℃の温度で60日間保存してもレモ
ン香料が酸化されずに芳香性を有していた。
【0087】実施例22 サラシミツロウ0.1重量部、セチルアルコール2重量
部、ラウリル硫酸ナトリウム0.5重量部、グリセリン6
重量部、S−(−)−2−p−メチルフェノキシプロピ
オン酸ナトリウム0.1重量部及び水91.3重量部を加え
て、常法通り調製した、乳剤性ローション基剤を常温で
60日間保存してもサラシミツロウが酸化されずに酸敗臭
がみられなかった。
【0088】実施例23 塩化ベンザルコニウム液0.1重量部、メントール0.06重
量部、チモール0.06重量部、ユーカリ油0.2重量部、レ
モン油0.2重量部、p−メトキシフェノキシ酢酸ナトリ
ウム0.1重量部及び乳糖99.3重量部を加えて、常法通り
調製したトローチ剤を60度で60日間保存してもレモン油
及びユーカリ油が酸化されず安定であった。
【0089】実施例24 肝油30重量部、ソルビタン脂肪酸エステル3重量部、ポ
リオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル2重量部、
p−エチルフェノキシ酢酸ナトリウム0.3重量部及び水6
4.7重量部を加えて、常法通り調製した肝油製剤を40℃
の温度で40日間保存しても肝油が酸化されず、酸敗臭が
生成しなかった。
【0090】実施例25 酸化亜鉛100重量部、イクタモール50重量部、精製ラノ
リン80重量部、黄色ワセリン770重量部、2−ヒドロキ
シフェノキシ酢酸0.5重量部を加えて、常法通り調製し
た軟膏は、40℃の温度で180日間保存しても酸化されず
酸敗臭が生成しなかった。
【0091】実施例26 アンモニア水(10W/V%)170 重量部、ウイキョウ油
30重量部、(±)−2−p−メトキシフェノキシ酪酸3
重量部及びエタノール800重量部を加えて、常法通り調
製した酒精剤を30℃の温度で180日間保存してもウイキ
ョウ油の変敗臭は生成しなかった。
【0092】実施例27 コレステロール0.05重量部、サリチル酸0.4重量部、ヒ
マシ油1重量部、レゾルシン2重量部、薄荷油0.5重量
部、(±)−2−p−エトキシフェノキシプロピオン酸
0.1重量部及びアルコール96重量部を加えて、常法通り
調製した塗布剤を40℃の温度で90日間保存しても酸敗臭
は生成されなかった。
【0093】実施例28 白色ワセリン40重量部、セタノール20重量部、セスキオ
レイン酸ソルビタン5重量部、ポリオキシエチレンラウ
リルアルコールエーテル0.5重量部、パラオキシ安息香
酸プロピルエステル0.2重量部、p−エチルフェノキシ
酢酸0.3重量部及び水34重量部を加えて、常法通り調製
した軟膏を60℃の温度で30日間保存したが酸化臭の生成
はみられなかった。
【0094】実施例29 塩酸クロルヘキジン0.3重量部、ラウリル硫酸ナトリウ
ム6重量部、ラウリン酸ジエタノールアミド4重量部、
クエン酸0.05重量部、パラオキシ安息香酸ブチルエチル
0.5重量部、ペパーミント油0.6重量部、水89重量部及び
(±)−2−p−メトキシフェノキシプロピオン酸カリ
ウム0.1重量部を加えて、常法通り調製した水はみがき
を40℃の温度で40日間保存しても酸敗臭が生じなかっ
た。
【0095】実施例30 アラントイン0.4重量部、トリクロサン0.4重量部、ラウ
リン酸ジエタノールアミド6重量部、エタノールアミン
0.2重量部、パラオキシ安息香酸ブチルエステル0.8重量
部、アルコール1重量部、レモン香料1重量部、水90.1
重量部及び(±)−2−p−エチルフェノキシ酪酸ナ
トリウム0.1重量部を加えて、常法によりジメチルエー
テルなどの噴射剤70重量部を充填し調製したシェービン
グクリームは2年間常温で保存しても酸化されず安定で
あった。
【0096】実施例31 ジンクピリチオン1重量部、アルキル硫酸トリエタノー
ルアミン18重量部、ラウリン酸ジエタノールアミド8重
量部、エタノールアミン0.5重量部、パラオキシ安息香
酸ブチルエステル0.8重量部、ジャスミン香料1重量
部、水70.2重量部及び(±)−2−p−メチルフェノキ
シ酪酸カリウム0.5重量部を加えて、常法通り調製した
シャンプーは40℃の温度で50日間保存しても酸化されず
に安定であった。
【0097】実施例32 l−メントール0.05重量部、ショ糖1重量部、スペアミ
ント香料0.5重量部、アルコール20重量部、水77.95 重
量部及び(±)−2−p−エチルフェノキシプロピオン
酸カリウム0.5重量部を加えて、常法通り調製した口中
清涼を40℃の温度で60日間保存しても酸化されずに安定
であった。
【0098】実施例33 流動パラフィン17重量部、サラシミツロウ5重量部、白
色ワセリン30重量部、アーモンド油18重量部、脱水ラノ
リン12重量部、二酸化チタン20重量部、ローズ油0.1重
量部及び(±)−2−p−エトキシフェノキシ酪酸ナト
リウム0.1重量部を加えて、常法により調製した油性白
粉を40℃の温度で30日間保存しても酸敗臭は生じなかっ
た。
【0099】実施例34 サラシミツロウ23重量部、流動パラフィン42重量部、エ
チルアルコール1重量部、コレステロール1.5重量部、
カカオ脂9重量部、パラオキシ安息香酸ブチルエステル
0.2重量部、ホウ砂1重量部、ベルガモット油0.5重量
部、水20重量部及び(±)−2−p−メチルフェノキシ
プロピオン酸カリウム0.1重量部を加えて、常法により
調製したコールドクリームを40℃の温度で60日間保存し
ても酸敗臭は生じなかった。
【0100】実施例35 サラシミツロウ3重量部、精製ラノリン2重量部、白色
ワセリン15重量部、流動パラフィン30重量部、乳化剤8
重量部、パラオキシ安息香酸ブチルエステル0.1重量
部、ホウ砂0.5重量部、プロピレングリコール3重量
部、水40重量部及び(±)−2−p−メチルフェノキシ
酪酸ナトリウム0.5重量部を加えて、常法通り調製した
ヘヤクリームは40℃の温度で30日間保存しても酸敗臭は
生じなかった。
【0101】実施例36 市販煎茶10重量部を70℃の熱水100重量部で3分間抽出
を行い、炉過して得られた抽出液に対し、(±)−2−
p−メトキシフェノキシプロピオン酸0.001重量部とア
ルコルビン酸ナトリウム0.01重量部を加えて、120℃20
分間殺菌した後60℃で5日間保存したものは、無添加ア
ルコルビン酸ナトリウム単品を添加したものより芳香が
強く、緑色を維持していた。
【0102】実施例37 市販のウーロン茶10重量部を0.01重量部の(±)−2−
p−メトキシフェノキシ酪酸カリウムを添加した90℃の
熱水100重量部で5分間抽出し、炉過した抽出液を120℃
20分間殺菌し、更に60℃3日間保存したものは、無添加
のものに比して香気に変質がなく、香ばしい乾否様の香
りを維持していた。
【0103】実施例38 中煎のコーヒー豆を挽き粉5重量部を90℃の熱水100重
量部でドリップ抽出、炉過し得られた抽出液に調合コー
ヒー香料を0.01重量部加え、(±)−2−p−エチルフ
ェノキシ酪酸ナトリウム0.001重量部加えて、120℃20分
間殺菌した後、60℃で5日間保存したものは、(±)−
2−p−エチルフェノキシ酪酸ナトリウム無添加のもの
に比して香調の変化が少なかった。
【0104】実施例39 茶の工程中、蒸熱、露切、廻転揉を終えた茶葉100重量
部に0.002重量部の(±)−2−p−メトキシフェノキ
シプロピオン酸ナトリウムと0.003重量部の(±)−2
−p−エチルフェノキシプロピオン酸ナトリウムを添加
し、中揉し、ホイロ上でよじり形にもみ、仕上げ揉、及
び乾燥を行って得られた茶を、更に60℃で3日間保存し
た。このようにして得られた茶葉は、無添加のもにに比
して変色が少なく、又、茶葉に対し、10倍量の80℃の熱
水で1分間抽出して得られた茶は濃醇な芳香性のある煎
茶特有の香りを維持していた。
【0105】
【発明の効果】この発明によれば、良好な酸化防止力を
有すると共に、人の健康をそこなうおそれがなく、毒性
がなく、無毒であり、更に環境を汚染することなく、無
味無臭で異臭、異味を与えない酸化防止剤に要求される
条件をすべて満たす酸化防止剤が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A23C 11/04 A23D 7/02 500 A23F 3/14 3/16 5/24 A23G 3/00 101 108 A23K 1/16 301 F 9123−2B A23L 1/16 C 1/19 1/20 108 Z 1/22 C 1/272 1/325 101 F 1/333 Z 1/48 2/44 3/3508 A61K 7/00 C 7/16 7/50 9/06 35/407 7431−4C C10M 129/32 9159−4H C11B 5/00 2115−4H // C10N 30:10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般(I) 【化1】 (式中、Rは同一または異なって水素原子、ハロゲン原
    子、ヒドロキシ基、低級アルキル基、低級アルカノイル
    基または低級アルコキシ基であり、nは0〜4の整数で
    あり、Aは炭素数1〜5の直鎖または分岐鎖の低級アル
    キレン基である。)で示されるフェノキシアルカン酸ま
    たはその塩を有効成分とする酸化防止剤。
  2. 【請求項2】 一般式(I)において、Aがメチレン、
    エチレン又はトリメチレンである請求項1記載の酸化防
    止剤。
  3. 【請求項3】 一般式(I)において、nが1であり、
    Rがパラ位置に結合しており、Rがメチル基、メトキシ
    基、エチル基又はエトキシ基から選択される請求項1又
    は2に記載の酸化防止剤。
  4. 【請求項4】 食品に使用される請求項1〜3の何れか
    1つに記載の酸化防止剤。
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