JPH0521885B2

JPH0521885B2 -

Info

Publication number: JPH0521885B2
Application number: JP58158223A
Authority: JP
Inventors: Yoichi Shirakawa; Makoto Ito; Keiji Koyama; Yoshio Minowa
Original assignee: Ajinomoto Co Inc; Asahi Denka Kogyo KK
Current assignee: Ajinomoto Co Inc; Adeka Corp
Priority date: 1983-08-30
Filing date: 1983-08-30
Publication date: 1993-03-25
Also published as: JPS6051104A

Description

【発明の詳細な説明】

本発明はビタミンＥ含有水性液剤に関する。ビタミンＥは、医薬、化粧品、食品等におい
て、ビタミンとして、又、抗酸化剤として広く用
いられているが、油溶性化合物である為、油脂に
相溶させて目的を達し得る場合は問題ないが、水
性液剤化する場合には種々の問題がある。医薬関係では、ビタミンＥの水性液剤化の為に
非イオン活性剤、溶解助剤を用いてビタミンＥの
水溶化を可能にしているが、他方、一般の食品分
野ではこれらの活性剤の使用は認められておら
ず、医薬関係における液剤の場合でも、熱殺菌に
対する安定性、経時変化等、問題は解決されてい
ない。本発明者等は、ビタミンＥの水溶化について従
来用いられて来た活性剤以外の天然系活性物質を
検討した結果、キラヤサポニンが特異的にビタミ
ンＥを可溶化することを発見し、本発明を完成し
た。即ち、本発明のビタミンＥ含有水性液剤は、キ
ラヤサポニンの存在下で水性相にビタミンＥが乳
化乃至可溶化されていることを特徴とするもので
ある。本発明で用いられるビタミンＥとしては合成
物、天然物いずれでもかまわないが、ビタミンＥ
としての効果を有するｄ−α−トコフエロールを
含有するものが好ましい。又、天然物より抽出さ
れたものは通常油脂を含有するが、本発明の水性
液剤を調製する場合には、トコフエロールが40％
以上含まれていることが好ましい。又、ビタミン
Ｅ中にトリグリセライド以外の薬理効果を有する
油溶性化合物、例えばレシチン、ビタミンＫ類、
ビタミンＡ、ビタミンＤ、ユビキノン等が共存し
てもかまわない。本発明で用いられるキラヤサポニンは飲料、特
にコーラ、ルートビア等の非アルコール性清涼飲
料の起泡剤に用いられているが、ビタミンＥの可
溶化能については全く知られていない。本発明の水性液剤は、キラヤサポニンと共に、
下記の活性剤等を併用することにより、更に安定
性の優れたものとなる。例えば、脂肪酸モノグリ
セライド、ポリグリセン脂肪酸エステル、蔗糖脂
肪酸エステルの如き界面活性剤および／または例
えばエチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、それ以上のポリエ
チレングリコール類、プロピレングリコール、ジ
プロピレングリコール、それ以上のポリプロピレ
ングリコール類、グリセリン、ジグリセリン、そ
れ以上のポリグリセリン、ソルビトール、マンニ
トール、キシリトール、マルチトール等の糖アル
コール、グルコース、ラクトース、シユークロー
ス、マルトース、ガラクトース等の単糖類、二糖
類、三糖類、デンプンの加水分解によつて得られ
る各種の転化糖、水あめ、デキストリン、異性化
糖、シラツプ、ハチミツ、及び上記の各種の化合
物にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド
等のアルキレンオキサイド付加物の如きポリヒド
ロキシル化合物等。特に、本発明のビタミンＥ含有水性液剤の熱安
定性やPHが酸性側の水性媒体で、希釈する場合の
希釈安定性等を向上させるためには、炭素原子数
６〜12の脂肪酸のモノグリセライドをキラヤサポ
ニンと併用することが好ましく、更にポリグリセ
リン脂肪酸エステルを併用することにより、前記
の安定性は飛躍的に向上する。本発明において、ビタミンＥとして用いるトコ
フエロールを含む油脂中にトリグリセライド等の
油脂が多い場合は、トコフエロールのみが可溶化
されて油脂が不溶物として残り均一な製剤化が不
十分になるが、この場合は使用可能な活性剤を併
用することによつて、水性液剤を安定化出来る。
しかし、他方、液剤の熱安定性、PH耐性、希釈安
定性等、活性剤自体の性質に由来する問題が、活
性剤の使用量によつては起こり得るので、活性剤
を併用する場合にはこれらの点を留意すべきであ
る。本発明において、ビタミンＥの水溶化に用いる
キラヤサポニンの量は、ビタミンＥに対して重量
で0.3〜10倍量、好ましくは0.5〜４倍量である
が、併用可能な活性剤の添加によつてキラヤサポ
ニンの量は低減しうる。また、炭素原子数６〜12の脂肪酸のモノグリセ
ライド及び（又は）とポリグリセリン脂肪酸エス
テルを、キラヤサポニンと併用する場合のそれら
の量は、ビタミンＥに対してそれぞれ0.01〜0.5
倍量が好ましい。本発明のビタミンＥ含有水性液剤に、キラヤサ
ポニンの効果を妨げない範囲で、糖類、有機酸、
アミノ酸等目的に応じて存在させてもかまわな
い。本発明のビタミンＥ含有水性液剤の調製法は、
種々の方法をとれるが、最も簡単には、キラヤサ
ポニンの0.1〜40％、好ましくは１〜30％水溶液
にビタミンＥを撹拌下、滴下混合することによ
り、均一なビタミンＥ含有水性液剤が得られる。
ビタミンＥの可溶化に際し、キラヤサポニンの水
溶液を加温すれば可溶化が早まるが、本質的には
十分量のキラヤサポニンが存在していればどのよ
うな混合法でも究極的にはビタミンＥの可溶化は
達成される。本発明のビタミンＥ含有水性液剤中のビタミン
Ｅの濃度は、上記濃度のキラヤサポニン水溶液等
により0.001〜15％程度まで調製可能であるが、
１〜10％程度に調製すれば種々の用途に対して十
分であり、実用的には濃厚な水性液剤を一旦得て
おき、使用時に希釈して用いるのがよい。本発明のビタミンＥ含有水性液剤は、そのまま
又はさらに水に希釈して、例えば食品、医薬品、
化粧品、飼料等に、添加混合、浸漬、塗布、噴霧
等の手段によつて、均質に含有させたり、含浸さ
せたり、あるいは表面を被覆したり、担持させた
りすることができ、その結果、ビタミンＥを強化
した製品、抗酸化性に優れた製品等を得ることが
でき、このようにして得られた製品は、ビタミン
Ｅが超微粒子状で分散しているため、その外観や
品質が損なわれることがない。本発明のビタミンＥ含有水性液剤を使用しうる
食品、医薬品、化粧品及び飼料を例示すると、下
記のものが挙げられる。食品として：牛乳、加工乳、例えばコーヒー乳飲料、フルー
ツ乳飲料の如き乳飲料、例えばヨーグルト、フル
ーツヨーグルトの如き醗酵乳、乳酸菌飲料、アイ
スクリーム、例えばナチユラルチーズ、プロセス
チーズ、チーズフードの如きチーズ、例えば加糖
練乳、無糖練乳の如き練乳、例えば全脂粉乳、脱
脂粉乳、調製粉乳、ホエーパウダー、育児用粉乳
の如き粉乳等の乳製品；ハム、ベーコン、ソーセ
ージ、ハンバーガー等の食肉加工製品、マーガリ
ン、シヨートニング等の油脂加工製品、即席め
ん、マカロニ、スパゲツテイ、乾めん等のめん
類、例えばビスケツト、クラツカー、せんべい、
クツキーの如き焼菓子、キヤンデー、チヨコレー
ト、チユーインガム、和生菓子、洋生菓子、米
菓、インスタントプリン、インスタントゼリー、
パン等の菓子・パン類、味噌、醤油、ソース、食
酢等の醗酵食品、砂糖、はちみつ、デンプン糖等
の糖類、例えばかまぼこ、ちくわ、魚肉ハム・ソ
ーセージの如き水産ねり製品、魚肉すり身、例え
ば海苔、わかめ、昆布、鰹節、花かつお、素干
品、煮干品等の海産乾物等の水産加工品、例えば
ラムネ、サイダー、コーラ飲料の如き炭酸飲料、
例えば濃縮果汁、果実ピユーレー、天然果汁、果
汁飲料、果肉飲料、果汁入り清涼飲料の如き果実
飲料、例えばコーヒー、ココア、紅茶、緑茶の如
き嗜好飲料、スポーツドリンク等の清涼飲料・嗜
好飲料、清酒、合成清酒、焼酎、ビール、ウイス
キー、果実酒等の酒類、佃煮、漬物、珍味、米、
小麦粉、缶びん詰、デンプン、例えばトマトジユ
ース、トマトピユーレー、トマトソース、トマト
ケチヤツプの如きトマト加工品、野菜ジユース、
例えばハンバーグ類、カツ類、フライ、コロツ
ケ、蒲焼類、卵製品、シチユー類、てんぷら、カ
レー、米飯、パイ類、ギヨーザ、めん類等の冷
蔵・冷凍食品、半調理済・調理済食品またはイン
スタント食品、果実類、野菜類、魚類、肉類、例
えば豆腐、納豆、豆類、大豆蛋白等の大豆加工
品、例えばクリーミーパウダー、ホイツプクリー
ム、合成クリーム、合成チーズの如き乳製品代替
物、鶏卵、各種惣菜、例えばポテトフライ、ポテ
トチツプス等のポテト加工品、スープ類、ソース
類、たれ類、つゆ類、ドレツシング類、ぽん酢、
味噌汁、ガム類、スナツク菓子類、デザート類、
栄養ドリンク、健康食品、麦芽飲料等。医薬品（人間またはその他の動物に使用される
もの）として：例えば生薬を水、アルコール、その他の溶媒で
浸出した浸出液、又はその濃縮液からなる例えば
チンキ剤、エキス剤、流エキス剤の如きガレヌス
製剤、粉末剤、顆粒剤、錠剤、コーテイング錠
剤、トローチ剤、バツカル錠、舌下錠、ペレツ
ト、カプセル剤、丸剤、軟膏剤、ローシヨン剤、
リニメント剤、パツプ剤、バンソウ膏、座薬、エ
アゾル製剤、、注射剤、点眼液、点鼻液、点耳液、
シロツプ剤、内服用懸濁剤、内服用乳剤、エリキ
シル剤、溶液剤、ドリング剤、ビタミン剤等。化粧品として：例えばアストリンゼンローシヨン、スキンフレ
ツシユナー、トーニングローシヨン、マイルドス
キンローシヨン、アフターシエービングローシヨ
ンの如き化粧水、例えばマツサージクリーム、ク
レンジングクリーム、オールパーパスクリーム、
エモリエントクリーム、モイスチユアクリーム、
ナリシングクリーム、栄養クリーム、コールドク
リーム、バニシングクリーム、ナイトクリーム、
リツプクリーム、アフターシエービングクリー
ム、シエービングクリーム、ハンドクリームの如
きクリーム、乳液、例えば化粧石鹸、透明石鹸、
過脂肪石鹸、デオドラント石鹸の如き石鹸、例え
ば白粉、フアンデーシヨンの如きメーキヤツプ製
品、例えば透明液状シヤンプー、クリーム状シヤ
ンプー、オイルシヤンプー、酸性シヤンプー、ふ
けとりシヤンプー、ベビーシヤンプーの如きシヤ
ンプー、例えばオイルリンス、クリームリンスの
如きリンス、ヘアコンデイシヨナー、ヘアトニツ
ク、ヘアクリーム、ヘアトリートメント、ポマー
ド、チツク、ヘアリキツド等の毛髪用化粧品、例
えばパツク、にきび用品、制汗剤、制臭剤、サン
タン製品、日焼け止め製品の如き特殊化粧品、歯
研き、香水、オーデコロン、ボデイケア化粧品、
浴用剤、洗顔フオーム・クレンジングクリーム
等。飼料として：例えばブロイラー養鶏用飼料、採卵養鶏用飼料
の如き養鶏飼料；例えば哺乳期子牛育成用代用乳
または人工乳、乳用牛飼育用飼料、肉牛用飼料の
如き養牛用飼料；例えば哺乳期子豚育成用人工
乳、子豚、若豚又は種豚用飼料の如き養豚用飼
料；例えば養鱒用餌料、養鯉用餌料、養鮎用餌
料、養鰻用餌料、はまち用餌料、鑑賞魚用餌料の
如き養魚用餌料；例えばドツクフードの如きペツ
トフード；例えばミンク用飼料の如き毛皮獣用飼
料；例えば実験動物用飼料、鶉用飼料、雉用飼
料、七面鳥用飼料、小鳥用試料等の如きその他の
動物用飼料等。本発明によれば、ビタミンＥを、水溶液の形で
実質的に透明な状態で用いることが可能となり、
本発明のビタミンＥ含有水性液剤は、食品、医薬
品、化粧品、飼料等へ寄与するところ大である。特に：．本発明のビタミンＥ含有水性液剤は飲
料に添加した場合に加熱による風味劣化を防止で
き、コーヒー、ココア等の嗜好飲料、果汁飲料、
栄養飲料に添加した時に効果がある。以下実施例により本発明を説明する。実施例１天然トコフエロール（日本化学飼料製、総トコ
フエロール90％）５ｇを、キラヤサポニン15ｇを
含む水溶液95ｇ中にマグネチツクスターラーで撹
拌しながら添加し、濁りがなくなるまで撹拌を続
けると、黄褐色の透明性のある溶液が得られた。
これを水で10、100、1000倍に希釈したものは、
色調の変化は有るものの実質的に透明の溶液であ
つた。実施例２イーミツクス−80（エーザイ製、トコフエロー
ル同族体80％、大豆油20％）５ｇにポエムＭ−
100（理研ビタミン製、炭素原子数８の脂肪酸のモ
ノグリセライド）0.3ｇを均一に混合し、これを、
75％水あめ30ｇ、キラヤサポニン９ｇ及び水56ｇ
からなる液にガラス棒で撹拌しながら混合する
と、透明性のある黄赤色溶液が得られた。この液
を水で500倍に希釈したものは、かすかに青味の
ある透明溶液で、クエン酸を用いてPH４にしても
全く変化なく、95℃で30分間加熱後室温に戻して
も変化はなかつた。実施例３ 75％水あめ140ｇ、キラヤサポニン20ｇ、水216
ｇからなる液に、イーミツクス−8020ｇ、ML−
750（坂本薬品製、ポリグリセリン脂肪酸エステ
ル）3.2ｇ、ポエムＭ−100 0.8ｇを混合した油相
を、ホモミキサーでゆるく撹拌しながら混合する
と透明性のある黄赤色溶液が得られた。この溶液
から、実施例２と同様にして希釈物を調製した
が、実施例２で得られたものと同様な透明性、PH
安定性及び熱安定性があつた。参考例１ 75％水あめ100ｇ、茶サポニン15ｇ、水155ｇか
らなる液に、イーミツクス−80 15ｇ、ML−750
2.3ｇ、ポエムＭ−100 0.7ｇを混合した油相を、
ホモミキサーでゆるく撹拌しながら混合すると透
明性のある黄赤色溶液が得られた。この溶液か
ら、実施例２と同様にして希釈物を調製したとこ
ろ、実施例２で得られたものと同様な透明性、PH
安定性及び熱安定性があつた。使用例下記表１に示したコーヒー飲料に対し、実施例
１で得られたビタミンＥ含有水性液剤及び市販の
ビタミンＥ乳化物(A)（Ａ社製）、及びビタミンＥ
乳化物(B)（Ｂ社製）を、それぞれビタミンＥに換
算して0.0018ｇ／dlとなるように添加し、それら
をオートクレーブにて加熱処理（120℃、１時間）
した。官能評価は、乳化物無添加の未加熱品をコント
ロールとして５名のパネルにより５点法で評価し
た。その結果を下記表２に示す。

【表】

Claims

【特許請求の範囲】１キラヤサポニンの存在下で、水性相にビタミ
ンＥが乳化乃至可溶化されていることを特徴とす
るビタミンＥ含有水性液剤。２キラヤサポニンと共に、脂肪酸モノグリセラ
イドを存在させてある、特許請求の範囲第１項記
載のビタミンＥ含有水性液剤。３脂肪酸モノグリセライドの構成脂肪酸が炭素
原子数６〜12の脂肪酸である、特許請求の範囲第
２項記載のビタミンＥ含有水性液剤。４キラヤサポニンと共に、ポリグリセロール脂
肪酸エステルを存在させてある、特許請求の範囲
第１〜３項の何れかに記載のビタミンＥ含有水性
液剤。５キラヤサポニンと共に、ポリヒドロキシル化
合物を存在させてある、特許請求の範囲第１〜４
項の何れかに記載のビタミンＥ含有水性液剤。６ポリヒドロキシル化合物が水あめである、特
許請求の範囲第５項記載のビタミンＥ含有水性液
剤。