JP2007327069A - 油圧作動油組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 良好な耐スラッジ性を有するとともに優れた摩擦特性を有する油圧作動油組成物を提供する。
【解決手段】 鉱油、油脂および合成油の中から選ばれる少なくとも1種を基油とし、(A)フェノール系酸化防止剤及び/又はアミン系酸化防止剤を0.01〜5質量%、(B)リン系化合物及び/又は硫黄系化合物を0.01〜10質量%、および(C)下記一般式(1)〜(3)の中から選ばれる少なくとも1種の化合物を0.001〜5質量%含有し、かつ、ジチオリン酸亜鉛を実質的に含有しない油圧作動油組成物。
1−CO−NR2−(CH2n−COOX (1)
[R1−CO−NR2−(CH2n−COO]mY (2)
[R1−CO−NR2−(CH2n−COO]m−Z−(OH)m' (3)
【選択図】なし

Description

本発明は油圧作動油組成物に関し、詳しくは良好な耐スラッジ性を有するとともに優れた摩擦特性を有する油圧作動油組成物に関する。
油圧回路内にはポンプ、制御弁、油圧シリンダーなどに金属−金属や金属−ゴム(樹脂)などの摺動部分が存在する。このような油圧回路に用いられる油圧作動油には、耐摩耗性や耐焼き付き性など摩擦特性が良好であることが求められる。さらに、近年の省エネルギー指向の観点から、摺動部における抵抗を軽減することにより、損失エネルギーの低減や油温上昇の抑制など油圧作動油の高性能化が求められるようになってきた。
従来、摩擦特性の向上のために、ジチオリン酸亜鉛(ZnDTP)が添加されていたが、ZnDTPでは摩擦特性がまだ不十分であるばかりか、厳しい条件下で使用された時にスラッジ化しやすく、このスラッジが摺動面に入り込み摺動抵抗を上げる要因ともなっている。また、油圧回路のメンテナンスにかかるコスト削減のため、油圧作動油としては長期にわたり使用可能なものが求められており、良好な摩擦特性を有すると共に、その優れた効果が長期間持続できることが必要とされている。しかしながら、耐スラッジ性および摩擦特性の両方に優れ、かつその優れた摩擦特性が長期にわたり持続できるような油圧作動油は得られていなかった。
本発明は、耐スラッジ性および摩擦特性に優れ、長期間使用しても摩擦特性の低下が見られない油圧作動油組成物を提供することを目的とする。
本発明者は鋭意研究を重ねた結果、基油に特定の化合物を添加剤として使用することにより本発明の目的を効果的に達成しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、鉱油、油脂および合成油の中から選ばれる少なくとも1種を基油とし、(A)フェノール系酸化防止剤及び/又はアミン系酸化防止剤を0.01〜5質量%、(B)リン系化合物及び/又は硫黄系化合物を0.01〜10質量%、および(C)下記一般式(1)〜(3)の中から選ばれる少なくとも1種の化合物を0.001〜5質量%含有し、かつ、ジチオリン酸亜鉛を実質的に含有しないことを特徴とする油圧作動油組成物にある。
1−CO−NR2−(CH2n−COOX (1)
(式中、R1は炭素数6〜30のアルキル基又は炭素数6〜30のアルケニル基、R2は炭素数1〜4のアルキル基、Xは水素、炭素数1〜30のアルキル基又は炭素数1〜30のアルケニル基、nは1〜4の整数を示す。)
[R1−CO−NR2−(CH2n−COO]mY (2)
(式中、R1は炭素数6〜30のアルキル基又は炭素数6〜30のアルケニル基、R2は炭素数1〜4のアルキル基、Yはアルカリ金属又はアルカリ土類金属、nは1〜4の整数、mはYがアルカリ金属の場合は1、アルカリ土類金属の場合は2を示す。)
[R1−CO−NR2−(CH2n−COO]m−Z−(OH)m' (3)
(式中、R1は炭素数6〜30のアルキル基又は炭素数6〜30のアルケニル基、R2は炭素数1〜4のアルキル基、Zは2価以上の多価アルコールの水酸基を除いた残基、mは1以上の整数、m’は0以上の整数、m+m’はZの価数、nは1〜4の整数を示す。)
本発明の油圧作動油組成物は、さらに、(D)下記一般式(4)で表される化合物を0.001〜5質量%含有することが好ましい。
3−CH2COOH (4)
(式中、R3は炭素数7〜29のアルキル基、炭素数7〜29のアルケニル基または一般式(5)で表される基を示す)
R−C64O− (5)
(式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基または水素を示す)
本発明の油圧作動油組成物は摩擦特性に性に優れることから油圧システム内での摺動部分での抵抗を効果的に低減することができ、かつ耐スラッジ性が優れていることからスラッジ生成によるフィルター目詰まりなどのトラブルを回避できる。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明の油圧作動油組成物においては、鉱油、油脂および合成油の中から選ばれる少なくとも1種を基油として用いる。
ここで、鉱油としては、原油を常圧蒸留および減圧蒸留して得られた潤滑油留分に対して、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、接触脱ろう、水素化精製、硫酸洗浄、白土処理などの1種もしくは2種以上の精製手段を適宜組み合わせて適用して得られるパラフィン系またはナフテン系などの鉱油を挙げることができる。
また、油脂としては、例えば、牛脂、豚脂、ひまわり油、大豆油、菜種油、米ぬか油、ヤシ油、パーム油、パーム核油、あるいはこれらの水素添加物等が挙げられる。
また、合成油としては、例えば、ポリα−オレフィン(エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン、1−オクテンオリゴマー、1−デセンオリゴマー、およびこれらの水素化物等)、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、モノエステル(ブチルステアレート、オクチルラウレート)、ジエステル(ジトリデシルグルタレート、ジ−2−エチルヘキシルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジトリデシルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルセパケート等)、ポリエステル(トリメリット酸エステル等)、ポリオールエステル(トリメチロールプロパンカプリレート、トリメチロールプロパンペラルゴネート、ペンタエリスリトール−2−エチルヘキサノエート、ペンタエリスリトールペラルゴネート等)、ポリオキシアルキレングリコール、ポリフェニルエーテル、ジアルキルジフェニルエーテル、リン酸エステル(トリクレジルホスフェート等)、含フッ素化合物(パーフルオロポリエーテル、フッ素化ポリオレフィン等)、シリコーン油等が例示できる。
本発明の油圧作動油組成物の基油としては、上記した基油を単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせてもよい。
なお、これら基油の動粘度は、特に限定されず任意であるが、摩擦特性、冷却性(熱除去性)に優れ、かつ攪拌抵抗による摩擦ロスが少ない等の点から、通常、40℃における動粘度は好ましくは10〜10,000mm2/s、より好ましくは20〜1,000mm2/sである。またその粘度指数も任意であるが、高温における油膜低下の抑制等の点から、通常、その粘度指数は好ましくは80〜500、より好ましくは100〜300である。さらにその流動点も任意であるが、冬期におけるポンプ始動性等の点から、通常、その流動点は、好ましくは−5℃以下、より好ましくは−15℃以下である。
本発明の油圧作動油組成物における(A)成分は、(A−1)フェノール系酸化防止剤及び/又は(A−2)アミン系酸化防止剤である。
(A−1)フェノール系酸化防止剤としては、潤滑油の酸化防止剤として用いられる任意のアルキルフェノール系化合物が使用可能であり、特に限定されるのもではないが、例えば、下記の一般式(6)又は一般式(7)で表される化合物の中から選ばれる1種または2種以上のアルキルフェノール化合物が好ましいものとして挙げられる。
Figure 2007327069

上記(6)式中、R4は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R5は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R6は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、下記の一般式(i)で表される基又は下記の一般式(ii)で表される基を示す。
Figure 2007327069

上記(i)式中、R7は炭素数1〜6のアルキレン基を、またR8は炭素数1〜24のアルキル基又はアルケニル基を示す。
Figure 2007327069

上記(ii)式中、R9は炭素数1〜6のアルキレン基を示し、R10は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R11は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、nは0または1の整数を示す。
Figure 2007327069


上記(7)式中、R12及びR16は、それぞれ個別に、炭素数1〜4のアルキル基を示し、R13及びR17は、それぞれ個別に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R14及びR15は、それぞれ個別に、炭素数1〜6のアルキレン基を示し、Aは炭素数1〜18のアルキレン基又は下記の一般式(iii)で表される基を示す。
−R18−S−R19− (iii)
上記(iii)式中、R18及びR19は、それぞれ個別に、炭素数1〜6のアルキレン基を示す。
一般式(6)において、R4は炭素数1〜4のアルキル基を示す。このようなアルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられるが、耐スラッジ性により優れる点からtert−ブチル基が好ましい。
また、R5は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す。このようなアルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。これらの中でも、耐スラッジ性により優れる点から水素原子、メチル基又はtert−ブチル基が好ましい。
一般式(6)において、R6は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、上記式(i)で表される基又は上記式(ii)で表される基を示す。
6が示す炭素数1〜4のアルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられるが、耐スラッジ性により優れる点からメチル基又はエチル基であるのが好ましい。
一般式(6)中のR6が(i)式で表される基である場合において、(i)式のR7で示される炭素数1〜6のアルキレン基は、直鎖状でも分枝状であっても良く、具体的には例えば、メチレン基、メチルメチレン基、エチレン基(ジメチレン基)、エチルメチレン基、プロピレン基(メチルエチレン基)、トリメチレン基、直鎖又は分枝のブチレン基、直鎖又は分枝のペンチレン基、直鎖又は分枝のヘキシレン基等が挙げられる。
7としては、これらの中でも一般式(6)で示される化合物が少ない反応工程で製造できる点で、炭素数1〜2のアルキレン基、具体的には例えば、メチレン基、メチルメチレン基、エチレン基(ジメチレン基)等であることがより好ましい。
一方、(i)式のR8で示される炭素数1〜24のアルキル基又はアルケニル基としては、直鎖状でも分枝状でも良く、具体的には例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシ基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル基等のアルキル基(これらのアルキル基は直鎖状でも分枝状でも良い);ビニル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、オクタデカジエニル基、ノナデセニル基、イコセニル基、ヘンイコセニル基、ドコセニル基、トリコセニル基、テトラコセニル基等のアルケニル基(これらのアルケニル基は直鎖状でも分枝状でも良く、また二重結合の位置も任意である)等が挙げられる。
8としては、これらの中でも基油に対する溶解性に優れる点から、炭素数4〜18のアルキル基、具体的には例えば、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシ基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基等のアルキル基(これらのアルキル基は直鎖状でも分枝状でも良い)が好ましく、炭素数6〜12の直鎖状又は分枝状アルキル基がより好ましく、炭素数6〜12の分枝状アルキル基が特に好ましい。
一般式(6)で表されるフェノール化合物の中で、R6が(i)式で表される基である場合の化合物としては、(i)式におけるR7が炭素数1〜2のアルキレン基であり、R8が炭素数6〜12の直鎖状又は分枝状アルキル基であるものがより好ましく、(i)式におけるR7が炭素数1〜2のアルキレン基であり、R8が炭素数6〜12の分枝状アルキル基であるものが特に好ましい。
一般式(6)中のR6が(ii)式で表される基である場合において、(ii)式中のR9は炭素数1〜6のアルキレン基を示す。このアルキレン基としては、直鎖状でも分枝状であっても良く、具体的には例えば、先にR7について例示した各種アルキレン基が挙げられる。R9としては、これらの中でも一般式(6)の化合物が少ない反応工程で製造できることやその原料が入手しやすいことから、炭素数1〜3のアルキレン基、具体的には例えば、メチレン基、メチルメチレン基、エチレン基(ジメチレン基)、エチルメチレン基、プロピレン基(メチルエチレン基)、トリメチレン基等がより好ましい。
また、(ii)式中のR10は炭素数1〜4のアルキル基を示す。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられるが、耐スラッジ性に優れる点からtert−ブチル基が好ましい。また、R11としては、水素原子又は上述したような炭素数1〜4のアルキル基が挙げられるが、耐スラッジ性に優れる点から水素原子、メチル基又はtert−ブチル基が好ましい。
(ii)式中のnは0または1の整数を示す。nが0の場合には、二つのベンゼン環が直接結合したビフェニル構造をとる。
一般式(6)において、上述した通りR6は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、上記式(i)で表される基又は上記式(ii)で表される基を示すが、これらの中でも炭素数1〜4のアルキル基または上記式(ii)で表される基であることが好ましく、メチル基、エチル基、または上記式(ii)で表される基であって、R9が炭素数1〜3のアルキレン基であり、R10がtert−ブチル基であって、R11が水素原子、メチル基またはtert−ブチル基であり、nが0または1の整数である基であることがより好ましい。
一般式(6)で表される化合物としては、上述の通り各種化合物が含まれるが、これらの中で好ましいものを列挙すれば、R6が炭素数1〜4のアルキル基である場合の化合物として、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール等;R6が一般式(i)で表される基である場合の化合物として、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸n−ヘキシル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸イソヘキシル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸n−ヘプチル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸イソヘプチル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸n−オクチル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸イソオクチル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸2−エチルヘキシル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸n−ノニル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸イソノニル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸n−デシル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸イソデシル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸n−ウンデシル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸イソウンデシル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸n−ドデシル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸イソドデシル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸n−ヘキシル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸イソヘキシル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸n−ヘプチル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸イソヘプチル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸n−オクチル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸イソオクチル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸2−エチルヘキシル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸n−ノニル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸イソノニル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸n−デシル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸イソデシル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸n−ウンデシル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸イソウンデシル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸n−ドデシル、(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸イソドデシル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸n−ヘキシル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸イソヘキシル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸n−ヘプチル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸イソヘプチル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸n−オクチル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸イソオクチル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸2−エチルヘキシル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸n−ノニル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸イソノニル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸n−デシル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸イソデシル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸n−ウンデシル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸イソウンデシル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸n−ドデシル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸イソドデシル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸n−ヘキシル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸イソヘキシル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸n−ヘプチル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸イソヘプチル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸n−オクチル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸イソオクチル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸2−エチルヘキシル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸n−ノニル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸イソノニル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸n−デシル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸イソデシル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸n−ウンデシル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸イソウンデシル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸n−ドデシル、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸イソドデシル等;
6が(ii)式で表される基である場合の化合物として、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,3−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン等;及びこれらの混合物等が挙げられる。
一方、上記の一般式(7)において、R12及びR16は、それぞれ個別に、炭素数1〜4のアルキル基を示す。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等を示すが、耐スラッジ性により優れる点から、ともにtert−ブチル基であるのが好ましい。
また、R13及びR17としては、それぞれ個別に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す。このようなアルキル基としては、上述した基が挙げられる。これらの中でも、耐スラッジ性により優れる点から、それぞれ個別に、水素原子、メチル基又はtert−ブチル基であるのが好ましい。
また、一般式(7)において、R14及びR15が示す炭素数1〜6のアルキレン基としては、直鎖状でも分枝状であっても良く、具体的には、それぞれ個別に、R7について上述した各種アルキレン基が挙げられる。R14及びR15としては、これらの中でも一般式(7)で表される化合物が少ない反応工程で製造できる点およびその原料の入手が容易である点で、それぞれ個別に、炭素数1〜2のアルキレン基、具体的には例えば、メチレン基、メチルメチレン基、エチレン基(ジメチレン基)等がより好ましい。
また、一般式(7)において、Aは炭素数1〜18のアルキレン基または上記式(iii)で表される基を示す。Aが示す炭素数1〜18のアルキレン基としては、具体的には例えば、メチレン基、メチルメチレン基、エチレン基(ジメチレン基)、エチルメチレン基、プロピレン基(メチルエチレン基)、トリメチレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ウンデシレン基、ドデシレン基、トリデシレン基、テトラデシレン基、ペンタデシレン基、ヘキサデシレン基、ヘプタデシレン基、オクタデシレン基等(これらのアルキレン基は直鎖状でも分枝状でも良い)が挙げられるが、原料入手の容易さ等から、炭素数1〜6のアルキレン基、具体的には例えば、メチレン基、メチルメチレン基、エチレン基(ジメチレン基)、エチルメチレン基、プロピレン基(メチルエチレン基)、トリメチレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基等(これらのアルキレン基は直鎖状でも分枝状でも良い)がより好ましく、エチレン基(ジメチレン基)、トリメチレン基、直鎖ブチレン基(テトラメチレン基)、直鎖ペンチレン基(ペンタメチレン基)、直鎖ヘキシレン基(ヘキサメチレン基)等の炭素数2〜6の直鎖アルキレン基が特に好ましい。
一般式(7)で表されるアルキルフェノールの中で、Aが炭素数1〜18のアルキレン基である場合の化合物として特に好ましいものは、下記の(8)式で示される化合物である。
Figure 2007327069
また、一般式(7)中のAが(iii)式で表される基である場合において、(iii)式中のR18及びR19で示される炭素数1〜6のアルキレン基は、直鎖状でも分枝状であっても良く、具体的には、それぞれ個別に、先にR7について上述したような各種アルキレン基が挙げられる。R18及びR19としては、これらの中でも一般式(7)の化合物を製造する際の原料が入手しやすいことから、それぞれ個別に、炭素数1〜3のアルキレン基、具体的には例えば、メチレン基、メチルメチレン基、エチレン基(ジメチレン基)、エチルメチレン基、プロピレン基(メチルエチレン基)、トリメチレン基等であるのがより好ましい。
一般式(7)で表されるアルキルフェノールの中で、Aが(iii)式で表される基である場合の化合物として特に好ましいものは、下記の(9)式で示される化合物である。
Figure 2007327069
上述した通り、一般式(7)において、Aは炭素数1〜18のアルキレン基または一般式(iii)で表される基を示すが、耐スラッジ性により優れることから、Aは一般式(iii)で表される基であることが好ましい。
一方、(A−2)アミン系酸化防止剤としては、潤滑油の酸化防止剤として用いられる任意の芳香族アミン系化合物が使用可能であり、特に限定されるものではないが、例えば、下記の一般式(10)で表されるフェニル−α−ナフチルアミン類又は一般式(11)で表されるp,p’−ジアルキルジフェニルアミンの中から選ばれる1種又は2種以上の芳香族アミンが好ましいものとして挙げられる。
Figure 2007327069
上記(10)式中、R20は水素原子又は炭素数1〜16のアルキル基を示す。
Figure 2007327069
上記(11)式中、R21及びR22は、それぞれ個別に、炭素数1〜16のアルキル基を示す。
上記(10)式中、R20は水素原子又は炭素数1〜16の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基を示す。R20の炭素数が16を超える場合には分子中に占める官能基の割合が小さくなり、耐スラッジ性が弱くなる恐れがある。
20のアルキル基としては、具体的には例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシ基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基等(これらのアルキル基は直鎖状でも分枝状でも良い)が挙げられる。
一般式(10)で表される化合物の中でもR20がアルキル基である場合は、基油に対するそれ自身の酸化生成物の溶解性に優れる点から、炭素数8〜16の分枝アルキル基が好ましく、さらに炭素数3又は4のオレフィンのオリゴマーから誘導される炭素数8〜16の分枝アルキル基がより好ましい。ここでいう炭素数3又は4のオレフィンとしては、具体的にはプロピレン、1−ブテン、2−ブテン及びイソブチレンが挙げられるが、基油に対するそれ自身の酸化生成物の溶解性に優れる点から、プロピレン又はイソブチレンが好ましい。さらに、R20がアルキル基である場合は、基油に対するそれ自身の酸化生成物の溶解性により優れる点から、イソブチレンの2量体から誘導される分枝オクチル基、プロピレンの3量体から誘導される分枝ノニル基、イソブチレンの3量体から誘導される分枝ドデシル基、プロピレンの4量体から誘導される分枝ドデシル基またはプロピレンの5量体から誘導される分枝ペンタデシル基がさらにより好ましく、イソブチレンの2量体から誘導される分枝オクチル基、イソブチレンの3量体から誘導される分枝ドデシル基またはプロピレンの4量体から誘導される分枝ドデシル基が最も好ましい。
上記した通り、R20は水素原子であっても、アルキル基であっても良いが、酸化防止能力の点からは水素原子であることが好ましく、それ自身の酸化生成物の溶解性の点からはアルキル基であることが好ましい。
(10)式で表される芳香族アミンのうちR20がアルキル基である化合物は、このフェニル−α−ナフチルアミン類としては市販のものを用いても良い。またフェニル−α−ナフチルアミンと炭素数1〜16のハロゲン化アルキル化合物、炭素数2〜16のオレフィン、又は炭素数2〜16のオレフィンオリゴマーとフェニル−α−ナフチルアミンをフリーデル・クラフツ触媒を用いて反応させることにより、容易に合成することができる。この際のフリーデル・クラフツ触媒としては、具体的には例えば、塩化アルミニウム、塩化亜鉛、塩化鉄などの金属ハロゲン化物;硫酸、リン酸、五酸化リン、フッ化ホウ素、酸性白土、活性白土などの酸性触媒;などを用いることができる。
一方、p,p’−ジアルキルジフェニルアミンを表す上記(11)式中、R21及びR22は、それぞれ個別に、炭素数1〜16のアルキル基を示す。
21及びR22の一方または双方が水素原子の場合にはそれ自身が酸化によりスラッジとして沈降する恐れがあり、一方、炭素数が16を超える場合には分子中に占める官能基の割合が小さくなり、耐スラッジ性が弱くなる恐れがある。
21及びR22としては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシ基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基等(これらのアルキル基は直鎖状でも分枝状でも良い)が挙げられる。これらの中でもR21及びR22としては、基油に対するそれ自身の酸化生成物の溶解性に優れる点から、炭素数3〜16の分枝アルキル基が好ましく、さらに炭素数3又は4のオレフィン、又はそのオリゴマーから誘導される炭素数3〜16の分枝アルキル基がより好ましい。
ここでいう炭素数3又は4のオレフィンとしては、具体的にはプロピレン、1−ブテン、2−ブテンおよびイソブチレン等が挙げられるが、それ自身の酸化生成物の潤滑油基油に対する溶解性に優れる点から、プロピレン又はイソブチレンが好ましい。
さらに、R21及びR22としては、それ自身の酸化生成物の潤滑油基油に対する溶解性により優れる点から、プロピレンから誘導されるイソプロピル基、イソブチレンから誘導されるtert−ブチル基、プロピレンの2量体から誘導される分枝ヘキシル基、イソブチレンの2量体から誘導される分枝オクチル基、プロピレンの3量体から誘導される分枝ノニル基、イソブチレンの3量体から誘導される分枝ドデシル基、プロピレンの4量体から誘導される分枝ドデシル基又はプロピレンの5量体から誘導される分枝ペンタデシル基がさらにより好ましく、イソブチレンから誘導されるtert−ブチル基、プロピレンの2量体から誘導される分枝ヘキシル基、イソブチレンの2量体から誘導される分枝オクチル基、プロピレンの3量体から誘導される分枝ノニル基、イソブチレンの3量体から誘導される分枝ドデシル基又はプロピレンの4量体から誘導される分枝ドデシル基が最も好ましい。
(11)式で表されるp,p’−ジアルキルジフェニルアミンとしては市販のものを用いても良い。また(10)式で表されるフェニル−α−ナフチルアミンと同様に、ジフェニルアミンと炭素数1〜16のハロゲン化アルキル化合物、炭素数2〜16のオレフィン、又は炭素数2〜16のオレフィン又はこれらのオリゴマーとジフェニルアミンをフリーデル・クラフツ触媒を用いて反応させることにより、容易に合成することができる。この際のフリーデル・クラフツ触媒としては、具体的には例えば、フェニル−α−ナフチルアミン合成の際に列挙したような金属ハロゲン化物や酸性触媒等が用いられる。
当然のことではあるが、本発明の(A)成分としては、フェノール系酸化防止剤およびアミン系酸化防止剤の中から選ばれる1種の化合物を単独で用いても良く、さらには、上記の中から選ばれる2種以上の化合物の任意混合割合での混合物等を用いても良いが、より耐スラッジ性に優れることから、フェノール系酸化防止剤とアミン系酸化防止剤を併用することが好ましい。
本発明の油圧作動油組成物における(A)成分の含有量は任意であるが、その上限値は、組成物全量基準で、好ましくは5質量%、より好ましくは3質量%、さらに好ましくは1質量%、最も好ましくは0.5質量%である。含有量が5質量%を越えても、含有量に見合うだけのスラッジ抑制効果のさらなる向上効果はみられず、また基油に対する溶解性が低下するため好ましくない。
一方、(A)成分の含有量の下限値は、組成物全量基準で、好ましくは0.01質量%、より好ましくは0.02質量%、さらに好ましくは0.05質量%、最も好ましくは0.1質量%である。(A)成分の含有量が0.01質量%に満たない場合は、その添加効果が見られず、油圧作動油の耐スラッジ性が悪化する恐れがあるため好ましくない。
本発明の油圧作動油組成物における(B)成分はリン系化合物及び/又は硫黄系化合物である。
本発明でいうリン系化合物としては、具体的には、リン酸モノエステル、リン酸ジエステル、リン酸トリエステル等のリン酸エステル類;亜リン酸モノエステル、亜リン酸ジエステル、亜リン酸トリエステル等の亜リン酸エステル類;これらリン酸エステル類や亜リン酸エステル類の塩;及びこれらの混合物等が挙げられる。
上述したリン酸エステル類や亜リン酸エステル類は、通常、炭素数2〜30、好ましくは3〜20の炭化水素基を1個(モノエステル)、2個(ジエステル)または3個(トリエステル)含有する化合物である。
この炭素数2〜30の炭化水素基としては、具体的には例えば、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基等のアルキル基(これらアルキル基は直鎖状でも分枝状でも良い);ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基等のアルケニル基(これらアルケニル基は直鎖状でも分枝状でも良く、また二重結合の位置も任意である);シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等の炭素数5〜7のシクロアルキル基;メチルシクロペンチル基、ジメチルシクロペンチル基、メチルエチルシクロペンチル基、ジエチルシクロペンチル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、メチルエチルシクロヘキシル基、ジエチルシクロヘキシル基、メチルシクロヘプチル基、ジメチルシクロヘプチル基、メチルエチルシクロヘプチル基、ジエチルシクロヘプチル基等の炭素数6〜11のアルキルシクロアルキル基(アルキル基のシクロアルキル基への置換位置も任意である);フェニル基、ナフチル基等のアリール基:トリル基、キシリル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、ウンデシルフェニル基、ドデシルフェニル基等の炭素数7〜18の各アルキルアリール基(アルキル基は直鎖状でも分枝状でも良く、またアリール基への置換位置も任意である);ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、フェニルペンチル基、フェニルヘキシル基等の炭素数7〜12の各アリールアルキル基(これらアルキル基は直鎖状でも分枝状でも良い);等が挙げられる。
(B)成分として好ましい化合物としては、具体的には例えば、モノプロピルホスフェート、モノブチルホスフェート、モノペンチルホスフェート、モノヘキシルホスフェート、モノペプチルホスフェート、モノオクチルホスフェート等のリン酸モノアルキルエステル(アルキル基は直鎖状でも分枝状でも良い);モノフェニルホスフェート、モノクレジルホスフェート等のリン酸モノ(アルキル)アリールエステル;ジプロピルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジペンチルホスフェート、ジヘキシルホスフェート、ジペプチルホスフェート、ジオクチルホスフェート等のリン酸ジアルキルエステル(アルキル基は直鎖状でも分枝状でも良い);ジフェニルホスフェート、ジクレジルホスフェート等のリン酸ジ(アルキル)アリールエステル;トリプロピルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリペンチルホスフェート、トリヘキシルホスフェート、トリペプチルホスフェート、トリオクチルホスフェート等のリン酸トリアルキルエステル(アルキル基は直鎖状でも分枝状でも良い);トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート等のリン酸トリ(アルキル)アリールエステル;モノプロピルホスファイト、モノブチルホスファイト、モノペンチルホスファイト、モノヘキシルホスファイト、モノペプチルホスファイト、モノオクチルホスファイト等の亜リン酸モノアルキルエステル(アルキル基は直鎖状でも分枝状でも良い);モノフェニルホスファイト、モノクレジルホスファイト等の亜リン酸モノ(アルキル)アリールエステル;ジプロピルホスファイト、ジブチルホスファイト、ジペンチルホスファイト、ジヘキシルホスファイト、ジペプチルホスファイト、ジオクチルホスファイト等の亜リン酸ジアルキルエステル(アルキル基は直鎖状でも分枝状でも良い);ジフェニルホスファイト、ジクレジルホスファイト等の亜リン酸ジ(アルキル)アリールエステル;トリプロピルホスファイト、トリブチルホスファイト、トリペンチルホスファイト、トリヘキシルホスファイト、トリペプチルホスファイト、トリオクチルホスファイト等の亜リン酸トリアルキルエステル(アルキル基は直鎖状でも分枝状でも良い);トリフェニルホスファイト、トリクレジルホスファイト等の亜リン酸トリ(アルキル)アリールエステル;及びこれらの混合物等が挙げられる。
また、上述したリン酸エステル類や亜リン酸エステル類の塩としては、具体的には、リン酸モノエステル、リン酸ジエステル、亜リン酸モノエステル、亜リン酸ジエステル等に、アンモニアや炭素数1〜8の炭化水素基又は水酸基含有炭化水素基のみを分子中に含有するアミン化合物等の含窒素化合物を作用させて、残存する酸性水素の一部又は全部を中和した塩等が挙げられる。
この含窒素化合物としては、具体的には例えば、アンモニア;モノメチルアミン、モノエチルアミン、モノプロピルアミン、モノブチルアミン、モノペンチルアミン、モノヘキシルアミン、モノヘプチルアミン、モノオクチルアミン、ジメチルアミン、メチルエチルアミン、ジエチルアミン、メチルプロピルアミン、エチルプロピルアミン、ジプロピルアミン、メチルブチルアミン、エチルブチルアミン、プロピルブチルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン等のアルキルアミン(アルキル基は直鎖状でも分枝状でも良い);モノメタノールアミン、モノエタノールアミン、モノプロパノールアミン、モノブタノールアミン、モノペンタノールアミン、モノヘキサノールアミン、モノヘプタノールアミン、モノオクタノールアミン、モノノナノールアミン、ジメタノールアミン、メタノールエタノールアミン、ジエタノールアミン、メタノールプロパノールアミン、エタノールプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、メタノールブタノールアミン、エタノールブタノールアミン、プロパノールブタノールアミン、ジブタノールアミン、ジペンタノールアミン、ジヘキサノールアミン、ジヘプタノールアミン、ジオクタノールアミン等のアルカノールアミン(アルカノール基は直鎖状でも分枝状でも良い);及びこれらの混合物等が挙げられる。
上記リン系化合物としては、リン酸エステル類、亜リン酸エステル類、及びこれらの塩等の中から選ばれる化合物が用いられるが、より厳しい条件下で使用される場合でも摩擦特性に優れるなどの点から、リン酸エステル類およびリン酸エステル類の塩の中から選ばれる化合物を用いることがより好ましい。
また、本発明の(B)成分として用いられる硫黄系化合物としては、具体的には、ジハイドロカルビルポリサルファイド、硫化エステル(硫化油脂を含む)、硫化鉱油等が挙げられる。
本発明の(B)成分としては、リン系化合物及び/又は硫黄系化合物が用いられるが、耐スラッジ性がより優れることからリン系化合物が好ましく用いられる。
また、本発明においては、上記のリン系化合物および硫黄系化合物の中から選ばれる2種以上の化合物を任意の割合で混合した混合物を用いても良い。
本発明の油圧作動油組成物における(B)成分の含有量の上限値は、組成物全量基準で10質量%であり、好ましくは5質量%、より好ましくは3質量%、最も好ましくは1質量%である。(B)成分の含有量が10質量%を越えても含有量に見合うだけの摩擦特性のさらなる向上は見られず、また耐スラッジ性を低下するため好ましくない。
一方、(B)成分の含有量の下限値は、組成物全量基準で0.01質量%であり、好ましくは0.05質量%、さらに好ましくは0.1質量%である。(B)成分の含有量が0.01質量%に満たない場合は、その添加効果が見られず、油圧作動油組成物の摩擦特性が悪化する恐れがあるため好ましくない。
本発明の(C)成分は下記一般式(1)〜(3)で表される化合物である。
1−CO−NR2−(CH2n−COOX (1)
(式中、R1は炭素数6〜30のアルキル基又は炭素数6〜30のアルケニル基、R2は炭素数1〜4のアルキル基、Xは水素、炭素数1〜30のアルキル基又は炭素数1〜30のアルケニル基、nは1〜4の整数を示す。)
[R1−CO−NR2−(CH2n−COO]mY (2)
(式中、R1は炭素数6〜30のアルキル基又は炭素数6〜30のアルケニル基、R2は炭素数1〜4のアルキル基、Yはアルカリ金属又はアルカリ土類金属、nは1〜4の整数、mはYがアルカリ金属の場合は1、アルカリ土類金属の場合は2を示す。)
[R1−CO−NR2−(CH2n−COO]m−Z−(OH)m' (3)
(式中、R1は炭素数6〜30のアルキル基又は炭素数6〜30のアルケニル基、R2は炭素数1〜4のアルキル基、Zは2価以上の多価アルコールの水酸基を除いた残基、mは1以上の整数、m’は0以上の整数、m+m’はZの価数、nは1〜4の整数を示す。)
一般式(1)〜(3)中、R1は炭素数6〜30のアルキル基又は炭素数6〜30のアルケニル基を表す。基油への溶解性などの点から、炭素数6以上のアルキル基又はアルケニル基であることが必要であり、炭素数7以上であることが好ましく、炭素数8以上であることがより好ましい。また、貯蔵安定性などの点から、炭素数30以下のアルキル基又はアルケニル基であることが必要であり、炭素数24以下であることが好ましく、炭素数20以下であることがより好ましい。
このようなアルキル基及びアルケニル基としては、具体的には例えば、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基等のアルキル基(これらアルキル基は直鎖状でも分枝状でも良い);ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、ノナデセニル基、イコセニル基等のアルケニル基(これらアルケニル基は直鎖状でも分枝状でも良く、また二重結合の位置も任意である)等が挙げられる。
一般式(1)〜(3)中、R2は炭素数1〜4のアルキル基を表す。貯蔵安定性などの点から、炭素数4以下のアルキル基であることが必要であり、炭素数3以下であることが好ましく、炭素数2以下であることがより好ましい。
一般式(1)〜(3)中、nは1〜4の整数を表す。貯蔵安定性などの点から、4以下の整数であることが必要であり、3以下であることが好ましく、2以下であることがより好ましい。
一般式(1)中、Xは水素、炭素数1〜30のアルキル基又は炭素数1〜30のアルケニル基を表す。
Xが表すアルキル基又はアルケニル基としては、貯蔵安定性などの点から炭素数30以下であることが必要であり、炭素数20以下であることが好ましく、炭素数10以下であることがより好ましい。
このようなアルキル基又はアルケニル基としては、具体的には例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基(これらアルキル基は直鎖状でも分枝状でも良い);エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基等のアルケニル基(これらアルケニル基は直鎖状でも分枝状でも良く、また二重結合の位置も任意である)等が挙げられる。また、耐スラッジ性に優れるなどの点から、アルキル基であることが好ましい。
Xとしては、摩擦特性が向上する、摩擦特性効果の持続性が向上するなどの点から、水素、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数1〜20のアルケニル基であることが好ましく、水素または炭素数1〜20のアルキル基であることがより好ましく、水素または炭素数1〜10のアルキル基であることがさらにより好ましい。
一般式(2)中、Yはアルカリ金属またはアルカリ土類金属を表し、具体的には例えば、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム等が挙げられる。これらの中でも、摩擦特性効果の持続性の向上の点から、アルカリ土類金属が好ましい。一般式(2)中、mはYがアルカリ金属の場合は1を示し、Yがアルカリ土類金属の場合は2を示す。
一般式(3)中、Zは2価以上の多価アルコールの水酸基を除いた残基を表す。このような多価アルコールとしては、具体的には例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、1,8−オクタンジオール、イソプレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ソルバイト、カテコール、レゾルシン、ヒドロキノン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、ダイマージオール等の2価のアルコール;グリセリン、2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、1,2,3−ブタントリオール、1,2,3−ペンタントリオール、2−メチル−1,2,3−プロパントリオール、2−メチル−2,3,4−ブタントリオール、2−エチル−1,2,3−ブタントリオール、2,3,4−ペンタントリオール、2,3,4−ヘキサントリオール、4−プロピル−3,4,5−ヘプタントリオール、2,4−ジメチル−2,3,4−ペンタントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,4−ペンタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等の3価アルコール;ペンタエリスリトール、エリスリトール、1,2,3,4−ペンタンテトロール、2,3,4,5−ヘキサンテトロール、1,2,4,5−ペンタンテトロール、1,3,4,5−ヘキサンテトロール、ジグリセリン、ソルビタン等の4価アルコール;アドニトール、アラビトール、キシリトール、トリグリセリン等の5価アルコール;ジペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、イジトール、イノシトール、ダルシトール、タロース、アロース等の6価アルコール;ポリグリセリン又はこれらの脱水縮合物等が挙げられる。
一般式(3)中、mは1以上の整数、m’は0以上の整数であり、かつm+m’はZの価数と同じである。つまり、Zの多価アルコールの水酸基のうち、全てが置換されていても良く、その一部のみが置換されていても良い。
本発明の(C)成分は、一般式(1)〜(3)の中から選ばれる少なくとも1種の化合物であるが、摩擦特性効果の持続性の向上などの点から、一般式(1)および(2)の中から選ばれる少なくとも1種の化合物であることが好ましい。また、一般式(1)〜(3)の中から選ばれる1種の化合物のみを単独で使用しても良く、2種以上の化合物の混合物を使用しても良い。
本発明の油圧作動油組成物における(C)成分の含有量の上限値は、組成物全量基準で5質量%、好ましくは2質量%、より好ましくは1質量%である。含有量が5質量%を越えた場合、含有量に見合うだけの摩擦特性のさらなる向上はみられず、貯蔵安定性が低下することから好ましくない。
一方、(C)成分の含有量の下限値は、組成物全量基準で0.001質量%、好ましくは0.003質量%、さらに好ましくは0.005質量%である。(C)成分の含有量が0.001質量%に満たない場合は、摩擦特性の向上効果がみられないため好ましくない。
本発明の油圧作動油組成物は、基油に上記した(A)〜(C)成分を含有すると共に、ジチオリン酸亜鉛(ZnDTP)を実質的に含有しないものである。ZnDTPを含有する場合には、耐スラッジ性が低下するばかりか、摩擦特性の向上効果もみられないため好ましくない。
また、実質的に含有しないとは、ZnDTPの添加効果が現れない量以下であることを表し、特に数値限定されるものではないが、具体的にはZnDTPの含有量が組成物全量基準で0.001質量%以下である。
本発明の油圧作動油組成物は、基油に(A)成分、(B)成分および(C)成分を含有してなるものであるが、さらに摩擦特性がより向上する、摩擦特性効果の持続性が向上するなどの点から、(D)下記一般式(4)で表される化合物を含有することが好ましい。
3−CH2COOH (4)
(式中、R3は炭素数7〜29のアルキル基、炭素数7〜29のアルケニル基または一般式(5)で表される基を示す。)
R−C64O− (5)
(式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基または水素を示す。)
一般式(4)中、R3は炭素数7〜29のアルキル基、炭素数7〜29のアルケニル基または一般式(5)で表される基を示す。
3が示すアルキル基としては、炭素数7〜29であることが必要である。基油への溶解性などの点から、炭素数7以上であることが必要であり、炭素数9以上であることが好ましい。また、貯蔵安定性などの点から、炭素数29以下であることが必要であり、炭素数22以下であることが好ましく、炭素数19以下であることがより好ましい。
このようなアルキル基としては、具体的には例えば、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基等(これらアルキル基は直鎖状でも分枝状でも良い)が挙げられる。
3が示すアルケニル基としては、炭素数7〜29であることが必要である。基油への溶解性などの点から、炭素数7以上であることが必要であり、炭素数9以上であることが好ましい。また、貯蔵安定性などの点から、炭素数29以下であることが必要であり、炭素数22以下であることが好ましく、炭素数19以下であることがより好ましい。
このようなアルケニル基としては、具体的には例えば、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、ノナデセニル基等(これらアルケニル基は直鎖状でも分枝状でも良い)が挙げられる。
一般式(5)中、Rは炭素数1〜20のアルキル基または水素を表す。Rが示すアルキル基としては、貯蔵安定性などの点から炭素数20以下であることが必要であり、炭素数19以下であることが好ましく、炭素数15以下であることがより好ましい。また、基油への溶解性などの点から炭素数3以上であることが好ましく、炭素数5以上であることがより好ましい。
また、Rがアルキル基の場合において、その置換位置は任意であるが、摩擦特性の向上効果により優れる点からパラ位またはメタ位であることが好ましく、パラ位であることがより好ましい。
一般式(4)において、R3は上記したように、炭素数7〜29のアルキル基であっても、炭素数7〜29のアルケニル基であっても、一般式(5)で表される基であっても良いが、摩擦特性により優れるなどの点から、一般式(5)で表される基であることが好ましい。
本発明の油圧作動油組成物において、(D)成分を配合する場合の含有量は任意であるが、多量に配合すると耐スラッジ性が低下する恐れがあることから、組成物全量基準で5質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましく、0.5質量%以下であることがさらにより好ましい。
一方、摩擦特性の向上効果を十分に発揮させるなどの点から、組成物全量基準で0.001質量%以上であることが好ましく、0.003質量%以上であることがより好ましく、0.005質量%以上であることがさらにより好ましい。
本発明においては、上述したとおり、潤滑油基油に(A)成分、(B)成分及び(C)成分、並びに必要に応じて(D)成分をそれぞれ特定量含有させることにより、耐スラッジ性及び摩擦特性に優れた非Zn系油圧作動油組成物を得ることができるが、その性能を更に向上させる目的で、必要に応じて、さらにさび止め剤、金属不活性化剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、消泡剤等に代表される各種添加剤を単独で、又は数種類組み合わせて含有させても良い。
さび止め剤としては、具体的には、脂肪酸金属塩、ラノリン脂肪酸金属塩、酸化ワックス金属塩等の金属石けん類;ソルビタン脂肪酸エステル等の多価アルコール部分エステル類;ラノリン脂肪酸エステル等のエステル類;カルシウムスルフォネート、バリウムスルフォネート等のスルフォネート類;酸化ワックス;アミン類;リン酸;リン酸塩等が例示できる。本発明においては、これらのさび止め剤の中から任意に選ばれた1種類あるいは2種類以上の化合物を、任意の量で含有させることができるが、通常、その含有量は、油圧作動油組成物全量基準で0.01〜1質量%であるのが望ましい。
金属不活性化剤としては、具体的には、ベンゾトリアゾール系、チアジアゾール系、イミダゾール系化合物等が例示できる。本発明においては、これらの金属不活性化剤の中から任意に選ばれた1種類あるいは2種類以上の化合物を、任意の量で含有させることができるが、通常、その含有量は、油圧作動油組成物全量基準で0.001〜1質量%であるのが望ましい。
粘度指数向上剤としては、具体的には、各種メタクリル酸エステルから選ばれる1種又は2種以上のモノマーの共重合体若しくはその水添物、エチレン−α−オレフィン共重合体(α−オレフィンとしてはプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン等が例示できる。)若しくはその水素化物、ポリイソブチレン若しくはその水添物、スチレン−ジエン共重合体の水素化物及びポリアルキルスチレン等の、いわゆる非分散型粘度指数向上剤等が例示できる。本発明においては、これらの粘度指数向上剤の中から任意に選ばれた1種類あるいは2種類以上の化合物を、任意の量で含有させることができるが、通常、その含有量は、油圧作動油組成物全量基準で0.01〜10質量%であるのが望ましい。
流動点降下剤としては、具体的には、各種アクリル酸エステルやメタクリル酸エステルから選ばれる1種又は2種以上のモノマーの共重合体若しくはその水添物等が例示できる。本発明においては、これらの流動点降下剤の中から任意に選ばれた1種類あるいは2種類以上の化合物を、任意の量で含有させることができるが、通常、その含有量は、油圧作動油組成物全量基準で0.01〜5質量%であるのが望ましい。
消泡剤としては、具体的には、ジメチルシリコーン、フルオロシリコーン等のシリコーン類が例示できる。本発明においては、これらの消泡剤の中から任意に選ばれた1種類あるいは2種類以上の化合物を、任意の量で含有させることができるが、通常、その含有量は、油圧作動油組成物全量基準で0.001〜0.05質量%であるのが望ましい。
本発明の油圧作動油組成物は、射出成型機、工作機械、建設機械、製鉄設備等の油圧機器に用いる油圧作動油として特に好適に用いられるものであるが、その他の油圧機器、例えば産業用ロボット、油圧エレベータ等の油圧機器用の油圧作動油としても良好な性能を示すものである。
以下、実施例及び比較例により本発明の内容をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1〜6及び比較例1〜8]
表1に示す組成により本発明に係る油圧作動油組成物を調製した(実施例1〜6)。また、表2に示す組成により比較のための組成物を調製した(比較例1〜8)。
なお、実施例及び比較例で用いた各成分は以下の通りである。
基油;水素化精製パラフィン系鉱油
(動粘度46mm2/s(@40℃)、粘度指数102、流動点−12.5℃)
(A)成分;A1:2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール
A2:4−ブチル−4’−オクチルジフェニルアミン
(B)成分;B1:トリクレジルホスフェート
B2:ジオクチルホスフェート
(C)成分;C1:N−オレオイルサルコシン
C2:N−オレオイルサルコシンのメチルエステル化物
(D)成分;D1:オレイン酸
D2:ノニルフェノキシ酢酸
これらの実施例と比較例の組成物に対して、以下に示す試験方法によりその耐スラッジ性、摩擦特性を評価した。結果を表1及び表2に示す。
(1)耐スラッジ性:熱安定度試験
JIS K 2540 に規定する「潤滑油熱安定度試験方法」に準じ、容量50mlのビーカーに試料油を45g採取し、その中に銅及び鉄触媒を入れ、140℃の空気恒温層に480時間放置後、試料油中のスラッジ量を測定した。生成スラッジ量は、試験後の潤滑油をn−ヘキサンで希釈し、0.8μmのメンブランフィルターにてろ過し、捕集物重量を測定することにより求めた。
なお、銅及び鉄触媒はタービン油酸化安定度試験(JIS K 2514)に使用する触媒を8巻(長さ約3.5cm)に切断したものを利用した。
(2)摩擦特性:ボールオンディスク摩擦試験
Optimol社製SRV試験機を使用し、1/2インチSUJ2鋼球およびSUJ2ディスク(φ10mm)間の摩擦係数を測定した。試験条件は、荷重200N、振幅1.5mm、周波数50Hzとした。試験開始15分後の摩擦係数を測定した。
Figure 2007327069
Figure 2007327069
表1及び表2から本発明の油圧作動油組成物(実施例1〜6)は、比較例1〜8の組成物に比較して、耐スラッジ性及び摩擦特性に大きく優れるという良好な性能を兼ね備えていることがわかる。

Claims (2)

  1. 鉱油、油脂および合成油の中から選ばれる少なくとも1種を基油とし、(A)フェノール系酸化防止剤及び/又はアミン系酸化防止剤を0.01〜5質量%、(B)リン系化合物及び/又は硫黄系化合物を0.01〜10質量%、および(C)下記一般式(1)〜(3)の中から選ばれる少なくとも1種の化合物を0.001〜5質量%含有し、かつ、ジチオリン酸亜鉛を実質的に含有しないことを特徴とする油圧作動油組成物。
    1−CO−NR2−(CH2n−COOX (1)
    (式中、R1は炭素数6〜30のアルキル基又は炭素数6〜30のアルケニル基、R2は炭素数1〜4のアルキル基、Xは水素、炭素数1〜30のアルキル基又は炭素数1〜30のアルケニル基、nは1〜4の整数を示す。)
    [R1−CO−NR2−(CH2n−COO]mY (2)
    (式中、R1は炭素数6〜30のアルキル基又は炭素数6〜30のアルケニル基、R2は炭素数1〜4のアルキル基、Yはアルカリ金属又はアルカリ土類金属、nは1〜4の整数、mはYがアルカリ金属の場合は1、アルカリ土類金属の場合は2を示す。)
    [R1−CO−NR2−(CH2n−COO]m−Z−(OH)m' (3)
    (式中、R1は炭素数6〜30のアルキル基又は炭素数6〜30のアルケニル基、R2は炭素数1〜4のアルキル基、Zは2価以上の多価アルコールの水酸基を除いた残基、mは1以上の整数、m’は0以上の整数、m+m’はZの価数、nは1〜4の整数を示す。)
  2. さらに、(D)下記一般式(4)で表される化合物を0.001〜5質量%含有する請求項1記載の油圧作動油組成物。
    3−CH2COOH (4)
    (式中、R3は炭素数7〜29のアルキル基、炭素数7〜29のアルケニル基または一般式(5)で表される基を示す)
    R−C64O− (5)
    (式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基または水素を示す)
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