JP6371035B2 - バラエティブレッド用油脂組成物 - Google Patents
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Description
一方、バラエティブレッドとは、特徴のある副原料を配合した食パンであり、副原料の風味が生かされていることが特徴である。このバラエティブレッドには、グラハムブレッドのように小麦粉を特殊挽きしたものを使用したパン、マルチシリアルブレッドのように小麦以外の穀物(ライ麦、米、とうもろこし等)を使用したパン、ブリオッシュブレッドのように糖類、乳製品、卵製品、油脂等、その他の製パン原料の特性が生かされるまで充分に配合したパン、或いは、レーズンブレッドのように果実、野菜粒、ナッツ、チョコ等の固形物を分散させたパン、更には、デニッシュブレッドのように食パン以外の生地を食パン用の型に詰めて焼成したパン等がある。
先ず、これらのバラエティブレッドは、各種副原料によって小麦粉が薄められるため、グルテンが脆弱なものとなったり、乾燥果実等の固形物によりグルテンの形成が妨げられたり、その固型物の重さにより、焼成後に腰折れを生じやすいという問題や体積がやや小さくなるという問題がある。
また、バラエティブレッドに使用される各種副原料は乾燥素材であるため、ミキシング終了時からホイロ終了時までの間にパン生地の水分を吸うため、焼き上がりがぱさついた食感になり、しとり感が不足し、更に焼成後の保管期間中にも徐々にクラム部分の水分を吸収し、しとり感の不足が更に増大するという問題がある。
また更に、クラム部分の水分減はパンの老化を促進させてしまうという問題もある。
そして更にバラエティブレッド用の総合的な改良方法として、例えば、アスコルビン酸、グリセリン脂肪酸エステル及びグリセリン脂肪酸有機酸エステルを併用する方法(例えば、特許文献1参照)や、ガム質、澱粉類、蛋白質を併用する方法(例えば、特許文献2参照)、乳清ミネラルを使用する方法(例えば、特許文献3参照)が提案されている。しかし、特許文献1及び2に記載の方法では、体積や老化耐性については一定の改良効果が見られるものの、しとり感の改善効果は見られないという問題、特に特許文献2の方法ではソフトな食感が失われるという問題があった。また、特許文献3に記載の方法では、体積の改善と色相や風味の改善が主であり、食感については大きな改善効果が見られないという問題があった。
先ず、本発明のバラエティブレッド用油脂組成物について述べる。尚、本発明において、25℃における基準SFCとは、油相を60℃で融解した後、0℃で30分、25℃で30分保持後のSFC(固体脂含量)をいう。
本発明のバラエティブレッド用油脂組成物は、60℃で融解した後、25℃で100分保持したときのSFC(固体脂含量)が、25℃における基準SFCの80%以下、好ましくは75%以下である油相を含有する。60℃で融解した後、25℃で100分保持したときのSFCが、25℃における基準SFCの80%超であると、本発明の効果が得られない。尚、下限については一般的には10%である。
具体的には、食用油脂に対して結晶化調整剤を添加する方法、及び/又は相溶性の低い食用油脂を組み合わせて配合する方法によって得ることができる。
(1)パーム系油脂と、ラウリン系油脂
(2)パーム系油脂と、豚脂系油脂及び/又は牛脂系油脂
(3)パーム系油脂と、ランダムエステル交換油脂
パーム油を分別する方法には特に制限はなく、溶剤分別、乾式分別、乳化分別の何れの方法を用いてもよい。本発明では上記のパーム系油脂の中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
本発明ではラウリン系油脂として、ヤシ油及び/又はパーム核油を用いることが好ましい。
85質量%、更に好ましくは48〜85質量%、最も好ましくは51〜80質量%である。
また、油相中のラウリン系油脂の含有量は好ましくは4〜30質量%、更に好ましくは8〜30質量%、最も好ましくは8〜20質量%である。
尚、油相中のSMSで表されるトリグリセリドの含有量と構成脂肪酸組成におけるラウリン酸の含有量の質量比率は、該SMSで表されるトリグリセリドの含有量を1としたときに、該ラウリン酸の含有量が好ましくは0.2〜1.2、更に好ましくは0.3〜1.0、最も好ましくは0.3〜0.5とする。
本発明ではこれらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。本発明では特に豚脂を用いることが好ましい。
また、豚脂系油脂及び/又は牛脂系油脂の含有量は好ましくは20〜85質量%、更に好ましくは40〜80質量%、最も好ましくは51〜80質量%である。
また油相中のランダムエステル交換油脂の含有量は好ましくは25〜75質量%、より好ましくは40〜70質量%、更に好ましくは40〜60質量%、最も好ましくは40〜50質量%である。
尚、上記油相とは、油脂組成物の油分として測定される部分であり、ジエチルエーテルで抽出される部分である。
本発明の油脂組成物は、一般的な油脂組成物の製造方法と同様にして得ることができる。即ち、上記油相を溶解し、冷却し、結晶化させることにより製造することができる。
詳しくは、先ず油相を融点以上、好ましくは50〜70℃に加熱して溶解する。次に、油相に、必要により水相を混合乳化する。そして、次に殺菌処理するのが望ましい。殺菌処理の方法は、タンクでのバッチ式でも、プレート型熱交換機や掻き取り式熱交換機を用いた連続式でも構わない。続いて、冷却し、結晶化する。冷却条件は好ましくは−0.5℃/分以上、更に好ましくは−5℃/分以上である。冷却に用いる機器としては、密閉型連続式チューブ冷却機、例えば、ボテーター、コンビネーター、パーフェクター等の油脂組成物製造機やプレート型熱交換機等が挙げられ、また、開放型のダイアクーラーとコンプレクターの組み合わせ等も挙げられる。
また、本発明の油脂組成物を製造する際の何れかの製造工程で、窒素、空気等を含気させても、させなくても構わない。
本発明のバラエティブレッド生地は、上記本発明のバラエティブレッド用油脂組成物を、バラエティブレッド生地に使用する油脂の一部又は全部に使用したものである。
本発明のバラエティブレッド生地は、本発明のバラエティブレッド用油脂組成物を生地に練り込み、及び/又は、折り込むことにより、製造することができる。練り込み方法や折り込み方法は特に限定されず、通常のパン製造方法と同様に行うことができる。
本発明のバラエティブレッド生地は、中種法でも、直捏法でも、液種法でも製造することができる。
また、得られた本発明のバラエティブレッド生地は、冷蔵、冷凍保存することが可能である。
本発明のバラエティブレッドは、本発明のバラエティブレッド生地を焼型に入れて焼成することにより得られる。また、得られた本発明のバラエティブレッドを、冷蔵、冷凍保存したり、冷凍保存後に電子レンジ加熱したりすることも可能である。焼型の種類、容積、形状はとくに制限されず、またその材質もとくに制限されないが、プルマン型、ワンローフ型、イギリスパン型やパウンド型が好適に使用される。
本発明のバラエティブレッドの改良方法は、バラエティブレッドの製造の際に、60℃で融解した後、25℃で100分保持後のSFCが、25℃における基準SFCの80%以下である油相を含有する油脂組成物、即ち、本発明のバラエティブレッド用油脂組成物を使用することにより、バラエティブレッドに使用する、全粒粉、小麦粉以外の穀粉、ナッツ、乾燥果実、野菜等の副原料に起因する、体積減少、しとり感の減少、老化が促進される、といった諸問題を全て改善し、体積が大きく、ソフトであり、しとり感が長く持続し、老化が抑制された優れた品質のバラエティブレッドとするものである。
その際の、上記油脂組成物の使用量、使用方法については上述のとおりである。
〔製造例1〕
炭素数14(以下、「C14」と表す)以下の飽和脂肪酸含量が68%、炭素数16(以下、「C16」と表す)以上の飽和脂肪酸含量が11%であるパーム核油75%に、C14以下の飽和脂肪酸含量が0%、C16以上の飽和脂肪酸含量が99%であるパーム極度硬化油25%を配合し、C14以下の飽和脂肪酸含量が51%、C16以上の飽和脂肪酸含量が33%である油脂配合物を得た。この油脂配合物100部に対し、触媒として0.1部のナトリウムメチラートを添加し、80℃で30分間ランダムエステル交換反応を行い、常法により精製して、融点が32℃であるエステル交換油脂Aを得た。
ヨウ素価60のパーム軟部油100%からなる油脂配合物100部に対し、触媒として0.1部のナトリウムメチラートを添加し、80℃で30分間ランダムエステル交換反応を行い、常法により精製して、融点が34℃であるエステル交換油脂Bを得た。
〔実施例1〕
ヨウ素価51のパーム油60%、ヤシ油10.3%、ナタネ液状油29%、及びハイエルシンナタネ極度硬化油0.7%からなる油相を、溶解、混合及び急冷可塑化して、トランス酸の含有量は2%未満であり、乳化剤を含有しない本発明のバラエティブレッド用油脂組成物1を得た。
得られたバラエティブレッド用油脂組成物1において、油相中のSMSで表されるトリグリセリド(1,3位がS、2位がMであるトリグリセリド。但し、S=炭素数16〜24の飽和脂肪酸、M=炭素数16〜24のモノ不飽和脂肪酸)(以後SMSという)の含有量(油相基準)は15.0%、構成脂肪酸組成におけるラウリン酸の含有量は5.3%、トランス酸の含有量は1.2%、該SMSの含有量を1としたときの該ラウリン酸の含有量(油相基準)は0.35であった。
また得られたバラエティブレッド用油脂組成物1の油相を60℃で融解した後、0℃で30分、25℃で30分保持後のSFC(25℃における基準SFC)は10%であるのに対し、60℃で融解した後、25℃で100分保持後のSFCは7.4%であり、25℃における基準SFCの74%であった。
ヨウ素価51のパーム油43%、豚脂55%、及びハイエルシンナタネ極度硬化油2%からなる油相を、溶解、混合及び急冷可塑化して、トランス酸の含有量が1%未満であり、乳化剤を含有しない本発明のバラエティブレッド用油脂組成物2を得た。
得られたバラエティブレッド用油脂組成物2において、SMSの含有量(油相基準)は13%、MSMで表されるトリグリセリド(1,3位がM、2位がSであるトリグリセリド。但し、S=炭素数16〜24の飽和脂肪酸、M=炭素数16〜24のモノ不飽和脂肪酸)(以後MSMという)の含有量は13%であり、構成脂肪酸組成におけるトランス酸の含有量は1.5%であった。
また得られたバラエティブレッド用油脂組成物2の油相を60℃で融解した後、0℃で30分、25℃で30分保持後のSFC(25℃における基準SFC)は14.5%であるのに対し、60℃で融解した後、25℃で100分保持後のSFCは9.5%であり、25℃における基準SFCの66%であった。
ヨウ素価51のパーム油35%、ヨウ素価35のパーム中融点部20%、エステル交換油脂A18%、エステル交換油脂B25%、及び大豆極度硬化油2%からなる油相を、溶解、混合、急冷可塑化して、トランス脂肪酸含量は1%未満である、乳化剤を含有しない本発明のバラエティブレッド用油脂組成物3を得た。
得られたバラエティブレッド用油脂組成物3において、SMSの含有量(油相基準)は24%、MSMで表されるトリグリセリドの含有量は2.9%であり、構成脂肪酸組成におけるトランス酸の含有量は0.8%であった。
得られたバラエティブレッド用油脂組成物3の油相を60℃で融解した後、0℃で30分、25℃で30分保持後のSFC(25℃における基準SFC)は27.8%であるのに対し、60℃で融解した後、25℃で100分保持後のSFCは19.5%であり、25℃における基準SFCの70%であった。
パームステアリン15質量%、及びエステル交換油脂A85質量%からなる油相を、溶解、混合、急冷可塑化して、トランス脂肪酸含量は1%未満である、乳化剤を含有しない比較例のバラエティブレッド用油脂組成物4を得た。
得られたバラエティブレッド用油脂組成物4の油相を60℃で融解した後、0℃で30分、25℃で30分保持後のSFC(25℃における基準SFC)は41.5%であるのに対し、60℃で融解した後、25℃で100分保持後のSFCは35.7%であり、25℃における基準SFCの86%であった。
パームステアリン15質量%、及びエステル交換油脂B85質量%からなる油相を、溶解、混合、急冷可塑化して、トランス脂肪酸含量は1%未満である、乳化剤を含有しない比較例のバラエティブレッド用油脂組成物5を得た。
得られたバラエティブレッド用油脂組成物5の油相を60℃で融解した後、0℃で30分、25℃で30分保持後のSFC(25℃における基準SFC)は17.4%であるのに対し、60℃で融解した後、25℃で100分保持後のSFCは14.8%であり、25℃における基準SFCの85%であった。
上記バラエティブレッド用油脂組成物1〜5を練り込み油脂として使用し、下記の配合及び製法によりブリオッシュ生地及びブリオッシュブレッドを得た。得られたブリオッシュブレッドは下記の評価方法及び評価基準に従い、体積、及び食感(ソフト性及びしとり感)を評価した。
強力粉100質量部、生イースト4質量部、上白糖13質量部、食塩2質量部、全卵(正味)20質量部、卵黄20質量部、及び牛乳30質量部をミキサーボウルに投入し、フックを使用し、低速で3分、中速で5分混合し、バラエティブレッド用油脂組成物30質量部を投入し、低速で3分、中速で5分混合、更にバラエティブレッド用油脂組成物30質量部を投入し、低速3分、中速10分ミキシングを行ない、ブリオッシュ生地を得た。
ここで、フロアタイムを20分とった後、5℃の冷蔵庫で12時間リタードした後、50gに分割・丸目を行ない、次いでベンチタイムを20分とった後、パウンド型に3個並べて入れ、34℃、相対湿度75%で60分ホイロをとった後、表面に塗り卵をし、上火195℃、下火205℃に設定した固定窯に入れ、18分焼成して、レーズンブリオッシュブレッドであるバラエティブレッドを得た。
焼成後1時間25℃で放冷したバラエティブレッドの体積、及び食感(ソフト性及びしとり感)について、それぞれ下記の4段階の評価を行い、結果を〔表1〕に記載した。
放冷1時間後のバラエティブレッドの一部をポリエチレンの袋に密封し、3日後に開封し、同様の評価を行ない、その結果を併せて〔表1〕に記載した。
◎:焼き落ちや腰折れが全く見られず、良好な体積である。
○:側面に若干の筋が入っているが良好な体積である。
△:明らかな腰折れが見られ、体積が不良である。
×:激しい焼き落ち又は激しい腰折れが発生し、体積が極めて不良である。
食感(ソフト性)の評価基準:
◎:極めて良好。
○:良好。
△:やや不良である。
×:不良である。
食感(しとり感)の評価基準:
◎:ジューシー感があり、極めて良好である。
○:しとりが感じられ、良好である。
△:ぱさつき感が感じられ、やや不良である。
×:ぱさつき感があり、不良である。
上記バラエティブレッド用油脂組成物1〜5を折り込み油脂及び練り込み油脂として使用し、下記の配合及び製法によりデニッシュ生地及びデニッシュブレッドを得た。得られたデニッシュブレッドは下記の評価方法及び評価基準に従い、体積、及び食感(ソフト性及びしとり感)を評価した。
強力粉100質量部、生イースト4質量部、上白糖18質量部、食塩2質量部、脱脂粉乳4質量部、全卵(正味)4質量部、及び水55質量部をミキサーボウルに投入し、フックを使用し、低速で3分、中速で4分混合し、バラエティブレッド用油脂組成物10質量部を投入し、低速で3分、中速で4分ミキシングを行ない、デニッシュ用生地を得た。
ここで、フロアタイムを20分とった後、5℃の冷蔵庫で12時間リタードした後、リバースシーターを用いて圧延し、あらかじめ厚さ10mmのシート状に成形しておいたバラエティブレッド用油脂組成物50質量部(対生地27質量%)を積置し、包み込み、3つ折り2回後、ここにレーズン25質量部を散布し、更に3つ折り1回行ない、バラエティブレッド生地を得た。5℃の冷蔵庫で1時間リタード後、リバースシーターを用いて15mm厚まで圧延し、35×250mmにカットし、ツイスト後、パウンド型に入れ、34℃、相対湿度75%で70分ホイロをとった後、190℃に設定した固定窯に入れ、18分焼成して、レーズンデニッシュブレッドであるバラエティブレッドを得た。
焼成後1時間25℃で放冷したバラエティブレッドの体積、及び食感(ソフト性及びしとり感)について、それぞれ下記の4段階の評価を行い、結果を〔表2〕に記載した。
放冷1時間後のバラエティブレッドの一部をポリエチレンの袋に密封し、3日後に開封し、同様の評価を行ない、その結果を併せて〔表2〕に記載した。
◎:焼き落ちや腰折れが全く見られず、良好な体積である。
○:側面に若干の筋が入っているが良好な体積である。
△:明らかな腰折れが見られ、体積が不良である。
×:激しい焼き落ち又は激しい腰折れが発生し、体積が極めて不良である。
食感(ソフト性)の評価基準:
◎:極めて良好。
○:良好。
△:やや不良である。
×:不良である。
食感(しとり感)の評価基準:
◎:ジューシー感があり、極めて良好である。
○:しとりが感じられ、良好である。
△:ぱさつき感が感じられ、やや不良である。
×:ぱさつき感があり、不良である。
Claims (4)
- 乾燥果実を分散させたブリオッシュ生地の焼成品であるバラエティブレッド用の油脂組成物であって、
25℃における基準SFCが10〜27.8であり、60℃で融解した後、25℃で100分保持後のSFC(固体脂含量)が、25℃における基準SFCの80%以下であり、且つトランス酸含量が全構成脂肪酸中5質量%未満である油相を含有し、
上記油相が、下記(1)又は(3)の何れかを満たすバラエティブレッド用油脂組成物。
(1)ヨウ素価30〜65のパーム系油脂40〜85質量%、ラウリン系油脂4〜30質量%及び極度硬化油脂0.3〜9質量%を含有し、油相中のSMSで表されるトリグリセリド(1,3位がS、2位がMであるトリグリセリド。但し、S=炭素数16〜24の飽和脂肪酸、M=炭素数16〜24のモノ不飽和脂肪酸)の含有量が、油相基準で10〜25質量%となる量であり、且つ、構成脂肪酸組成においてラウリン酸が2〜12質量%となる量であり、上記ラウリン系油脂はヤシ油、パーム核油、ババス油、及びこれらの分別油の中から選ばれた1種又は2種以上である。(3)ヨウ素価30〜65のパーム系油脂20〜70質量%、ランダムエステル交換油脂25〜75質量%及び極度硬化油脂0.3〜9質量%を含有し、油相中のSMSで表されるトリグリセリド(1,3位がS、2位がMであるトリグリセリド。但し、S=炭素数16〜24の飽和脂肪酸、M=炭素数16〜24のモノ不飽和脂肪酸)の含有量が、油相基準で20〜34質量%となる量であり、且つ、MSMで表されるトリグリセリド(1,3位がM、2位がSであるトリグリセリド。但し、S=炭素数16〜24の飽和脂肪酸、M=炭素数16〜24のモノ不飽和脂肪酸)含有量が、油相基準で3.5質量%以下となる量である。 - 請求項1に記載のバラエティブレッド用油脂組成物を使用したことを特徴とするバラエティブレッド生地。
- 請求項2に記載のバラエティブレッド生地の焼成品であるバラエティブレッド。
- 乾燥果実を分散させたブリオッシュ生地の焼成品であるバラエティブレッドの改良方法であって、
25℃における基準SFCが10〜27.8であり、60℃で融解した後、25℃で100分保持後のSFC(固体脂含量)が、25℃における基準SFCの80%以下であり、且つトランス酸含量が全構成脂肪酸中5質量%未満である油相を含有し、
上記該油相が、下記(1)又は(3)の何れかを満たす油脂組成物を使用するバラエティブレッドの改良方法。
(1)ヨウ素価30〜65のパーム系油脂40〜85質量%、ラウリン系油脂4〜30質量%及び極度硬化油脂0.3〜9質量%を含有し、油相中のSMSで表されるトリグリセリド(1,3位がS、2位がMであるトリグリセリド。但し、S=炭素数16〜24の飽和脂肪酸、M=炭素数16〜24のモノ不飽和脂肪酸)の含有量が、油相基準で10〜25質量%となる量であり、且つ、構成脂肪酸組成においてラウリン酸が2〜12質量%となる量であり、上記ラウリン系油脂はヤシ油、パーム核油、ババス油、及びこれらの分別油の中から選ばれた1種又は2種以上である。(3)ヨウ素価30〜65のパーム系油脂20〜70質量%、ランダムエステル交換油脂25〜75質量%及び極度硬化油脂0.3〜9質量%を含有し、油相中のSMSで表されるトリグリセリド(1,3位がS、2位がMであるトリグリセリド。但し、S=炭素数16〜24の飽和脂肪酸、M=炭素数16〜24のモノ不飽和脂肪酸)の含有量が、油相基準で20〜34質量%となる量であり、且つ、MSMで表されるトリグリセリド(1,3位がM、2位がSであるトリグリセリド。但し、S=炭素数16〜24の飽和脂肪酸、M=炭素数16〜24のモノ不飽和脂肪酸)含有量が、油相基準で3.5質量%以下となる量である。
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