JP2003003194A - 可塑性油脂組成物 - Google Patents

可塑性油脂組成物

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JP2003003194A JP2001237707A JP2001237707A JP2003003194A JP 2003003194 A JP2003003194 A JP 2003003194A JP 2001237707 A JP2001237707 A JP 2001237707A JP 2001237707 A JP2001237707 A JP 2001237707A JP 2003003194 A JP2003003194 A JP 2003003194A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 乳脂を含有していても、硬さが経日的に硬く
なりにくく、風味、口溶けがよい可塑性油脂組成物を提
供する。 【解決手段】 乳脂、乳脂の分別油の中から選ばれた1
種又は2種以上の油脂(A)を油相中に5〜90重量
%、2位の構成脂肪酸がH(炭素数16以上の飽和脂肪
酸)であるトリグリセリドを20重量%以上含有する油
脂(B)を油相中に5重量%以上含有し、該油脂(A)
と該油脂(B)の重量比率が油脂(B)/油脂(A)≧
0.2であることを特徴とする可塑性油脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乳脂を含有したマ
ーガリン、ファットスプレッド、ショートニング等の可
塑性油脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】乳脂
は、それに含まれる成分によって、乳脂高融点部、乳脂
中融点部、乳脂低融点部の3つに分類される。この3つ
の成分の中で、乳脂低融点部は、結晶性が悪いことが知
られている。つまり、乳脂低融点部の結晶化が遅いた
め、乳脂の結晶性も遅く、低温で保管した場合、これが
徐々に結晶化し、経日的に硬くなる現象がみられる。
【0003】このため、乳脂を使用した可塑性油脂は、
急冷可塑化を行った後、結晶化していない部分(乳脂低
融点部)の結晶化が起きるため、経日的に可塑性油脂が
硬くなり、製品価値を著しく損なっていた。
【0004】このため、乳脂をエステル交換、硬化、分
別をすることによって、乳脂特有の結晶化の遅さを改良
する方法が提案されていた。
【0005】乳脂をエステル交換する方法は、乳脂に含
まれる短鎖の脂肪酸の影響で風味が悪くなること、さら
にエステル交換反応で生成する高融点成分の影響で口溶
け性が悪くなるため実用性の低い方法である。また、エ
ステル交換反応を行っても低融点成分の結晶化の促進は
それほど速まらない。
【0006】乳脂を硬化する方法は、当然のことながら
融点が高くなるため口溶けが悪くなること、さらに硬化
によって乳脂特有の風味がなくなってしまうという欠点
がある。
【0007】また、乳脂を分別して軟質油部分を除去し
結晶化を速める方法もあるが、乳脂特有の風味が軟質油
に濃縮除去されるため、分別高融点部分は乳脂特有の風
味が弱くなるという欠点がある。
【0008】さらに、乳脂に極度硬化油を配合すること
によって、結晶化を促進する方法もあるが、その方法で
は乳脂低融点部分の結晶を促進できないばかりか、口溶
けも非常に悪くなる。
【0009】つまり、現在のところ、乳脂の風味や口溶
け性を損なうことなく、乳脂の結晶性を改良する方法は
見つかっていない。
【0010】また、特開平10−1691号公報、特表
平11−506016号公報、特開昭58−16573
5号公報、特開昭60−180542号公報、特表平1
0−506535号公報、特開昭62−14743号公
報等には、トリグリセリドの2位にHを含有する油脂を
ハードストックとして可塑性油脂に応用する方法は提案
されているが、これを乳脂を含有したコンパンド油脂に
使用し、それの結晶化を促進化する例は見出せない。
【0011】従って、本発明の目的は、乳脂を含有して
いても、硬さが経日的に硬くなりにくく、風味、口溶け
がよい可塑性油脂組成物を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、乳脂の結
晶化機構について鋭意検討した結果、乳脂、特に乳脂の
軟質油に2位に炭素数16以上の飽和脂肪酸を含有した
トリグリセリドを含有する油脂を配合すると、その結晶
化が著しく促進され、経日変化が少なくなることを知見
した。
【0013】すなわち本発明は、乳脂、乳脂の分別油の
中から選ばれた1種又は2種以上の油脂(A)を油相中
に5〜90重量%、2位の構成脂肪酸がH(炭素数16
以上の飽和脂肪酸)であるトリグリセリドを20重量%
以上含有する油脂(B)を油相中に5重量%以上含有
し、該油脂(A)と該油脂(B)の重量比率が油脂
(B)/油脂(A)≧0.2であることを特徴とする可
塑性油脂組成物を提供するものである。
【0014】
【発明の実施形態】以下、本発明の可塑性油脂組成物に
ついて詳細に説明する。
【0015】本発明の可塑性油脂組成物は、乳脂、乳脂
の分別油の中から選ばれた1種又は2種以上の油脂
(A)を含有する。
【0016】上記の乳脂として、牛乳、クリーム、バタ
ー、チーズ等の乳脂を含有する乳製品をそのまま使用し
ても、これらから脂質分だけを抽出した乳脂そのものも
使用してもよい。また上記の乳脂を乾式分別、溶剤分別
した分別乳脂硬部油、分別乳脂中部油、分別乳脂軟部油
等を使用しても構わない。上記の油脂(A)の含有量
は、本発明の可塑性油脂組成物の油相中、5〜90重量
%、好ましくは10〜80重量%、さらに好ましくは1
5〜75重量%である。可塑性油脂組成物中の上記の油
脂(A)の油相中の含有量が5重量%未満であると可塑
性油脂の乳風味が弱くなるので好ましくなく、上記の油
脂(A)の油相中の含有量が90重量%を超えると油脂
(B)を配合しても経日的に可塑性油脂組成物が硬くな
るので好ましくない。
【0017】本発明の可塑性油脂組成物は、2位の構成
脂肪酸がH(炭素数16以上の飽和脂肪酸、好ましくは
炭素数16〜18の飽和脂肪酸)であるトリグリセリド
を20重量%以上、好ましくは25重量%以上、さらに
好ましくは30重量%以上含む油脂(B)を含有する。
【0018】また上記の油脂(B)として、2位の構成
脂肪酸がステアリン酸であるトリグリセリド(S重量
%)と2位の構成脂肪酸がパルミチン酸のトリグリセリ
ド(P重量%)に対する、2位の構成脂肪酸がステアリ
ン酸であるトリグリセリド(S重量%)の重量比率S/
(P+S)が、好ましくは0.03以上、さらに好まし
くは0.05以上、最も好ましくは0.1以上、一層好
ましくは0.2以上である油脂を用いるのがよい。
【0019】上記油脂(B)の含有量は、本発明の可塑
性油脂組成物の油相中、5重量%以上、好ましくは7重
量%以上、さらに好ましくは10重量%以上である。可
塑性油脂組成物の油相中、上記油脂(B)の含有量が5
重量%未満であると経日的に可塑性油脂組成物が硬くな
るので好ましくない。
【0020】また上記油脂(B)は、MHH、MHM、
UHM、HHH、HHU、UHUで表されるトリグリセ
リドの中から選ばれた1種又は2種以上の混合物を好ま
しくは20重量%以上、さらに好ましくは25重量%以
上、最も好ましくは30重量%以上、一層好ましくは3
5重量%以上含有する油脂であることがよい(H:上記
と同じ、M:炭素数8〜14の飽和脂肪酸、U:炭素数
16以上の不飽和脂肪酸、好ましくは炭素数16〜18
のモノエン酸及び/又はジエン酸である)。
【0021】上記油脂(B)として、特にMHH、MH
M、UHM、HHHで表されるトリグリセリドを主成分
とする油脂(以下、油脂(B1)という)、MHH、M
HMで表されるトリグリセリドを主成分とする油脂(以
下、油脂(B2)という)、HHU、HHHで表される
トリグリセリドを主成分とする油脂(以下、油脂(B
3)という)、HHU、UHUで表されるトリグリセリ
ドを主成分とする油脂(以下、油脂(B4)という)、
UHUで表されるトリグリセリドを主成分とする油脂
(以下、油脂(B5)という)を使用するのが好まし
い。
【0022】上記の油脂(B1)としては、パーム油、
パームステアリン、パームオレイン、大豆油、低エルカ
酸なたね油、高エルカ酸なたね油等の構成脂肪酸の90
重量%以上が炭素数16以上の脂肪酸からなる油脂の硬
化油、好ましくは極度硬化油と、ヤシ油、パーム核油、
パーム核ステアリン、パーム核オレインやそれらの極度
硬化油等の構成脂肪酸中炭素数14以下の飽和脂肪酸が
55重量%以上の油脂を酵素や化学触媒を用いて、ラン
ダムエステル交換や、1,3位選択的エステル交換を行
って得られたエステル交換油が挙げられる。また、この
エステル交換油を乾式もしくは溶剤分別して、MHH、
MHMの含量を高めたものを使用しても構わない。
【0023】上記の油脂(B1)のMHH、MHM、U
HM、HHHで表されるトリグリセリドの含有量は、好
ましくは20重量%以上、さらに好ましくは25重量%
以上、最も好ましくは30重量%以上、一層好ましくは
35重量%以上含有する油脂であるのがよい。
【0024】上記の油脂(B2)としては、パーム油、
パームステアリン、パームオレイン、大豆油、低エルカ
酸なたね油、高エルカ酸なたね油等の構成脂肪酸の90
重量%以上が炭素数16以上からなる油脂の硬化油、好
ましくは極度硬化油と、炭素数8〜14の脂肪酸もしく
はその脂肪酸低級アルコールエステルとを酵素を用いて
1,3位選択的エステル反応をすることにより得られた
エステル交換油、もしくは得られたエステル交換油の分
別軟部油を挙げることができる。
【0025】上記の油脂(B2)のMHH、MHMで表
されるトリグリセリドの含有量は、好ましくは20重量
%以上、さらに好ましくは25重量%以上、最も好まし
くは30重量%以上、一層好ましくは35重量%以上含
有する油脂であるのがよい。
【0026】上記の油脂(B3)としては、パームステ
アリンや、パームステアリン、パーム油、パームオレイ
ンの中から選ばれた1種又は2種以上を酵素や化学触媒
を用いて、ランダムエステル交換や選択的なエステル交
換を行って得られたエステル交換油、及び得られたエス
テル交換油の分別硬部油、或いは大豆油、低エルカ酸な
たね油、高エルカ酸なたね油等の構成脂肪酸の90重量
%以上が炭素数16以上飽和脂肪酸からなる極度硬化油
と、大豆油、低エルカ酸なたね油、米糠油、ヒマワリ
油、ハイオレイックヒマワリ油等の常温で液状の油脂を
酵素や化学触媒を用いて、ランダムエステル交換を行っ
て得られたエステル交換油、もしくは得られたエステル
交換油の分別硬部油を挙げることができる。
【0027】また、上記の油脂(B3)は、パーム油、
パームステアリン、パームオレイン、大豆油、低エルカ
酸なたね油、高エルカ酸なたね油等の構成脂肪酸の90
重量%以上が炭素数16以上からなる油脂の硬化油、好
ましくは極度硬化油と、炭素数16以上の不飽和脂肪酸
もしくはその脂肪酸低級アルコールエステルを酵素を用
いて、1,3位選択的エステル交換を行って得られたエ
ステル交換油、もしくは得られたエステル交換油の分別
硬部油を挙げることができる。
【0028】上記の油脂(B3)のHHU、HHHで表
されるトリグリセリドの含有量は、好ましくは20重量
%以上、さらに好ましくは25重量%以上、最も好まし
くは30重量%以上、一層好ましくは35重量%以上含
有する油脂であるのがよい。
【0029】上記の油脂(B4)としては、ラード、そ
の分別軟部油、又はパームオレイン、大豆油、低エルカ
酸なたね油、高エルカ酸なたね油等の構成脂肪酸の90
重量%以上が炭素数16以上飽和脂肪酸からなる極度硬
化油と、大豆油、低エルカ酸なたね油、米糠油、ヒマワ
リ油、ハイオレイックヒマワリ油等の常温で液状の油脂
を酵素や化学触媒を用いて、ランダムエステル交換や、
1,3位選択的エステル交換を行って得られたエステル
交換油、もしくは得られたエステル交換油の分別軟部油
を挙げることができる。
【0030】また、上記の油脂(B4)は、パーム油、
パームステアリン、パームオレイン、大豆油、低エルカ
酸なたね油、高エルカ酸なたね油等の構成脂肪酸の90
重量%以上が炭素数16以上からなる油脂の極度硬化油
と、炭素数16以上の不飽和脂肪酸もしくはその脂肪酸
低級アルコールエステルを酵素を用いて1,3位選択的
なエステル交換を行うことによって得られたエステル交
換油、もしくは得られたエステル交換油の分別軟部油を
挙げることができる。
【0031】上記の油脂(B4)のHHU、UHUで表
されるトリグリセリドの含有量は、好ましくは20重量
%以上、さらに好ましくは25重量%以上、最も好まし
くは30重量%以上、一層好ましくは35重量%以上含
有する油脂であるのがよい。
【0032】上記の油脂(B5)としては、ラードオレ
イン、パームオレイン、また大豆油、低エルカ酸なたね
油、高エルカ酸なたね油等の構成脂肪酸の90重量%以
上が炭素数16以上飽和脂肪酸からなる極度硬化油と、
大豆油、低エルカ酸なたね油、米糠油、ヒマワリ油、ハ
イオレイックヒマワリ油等の常温で液状の油脂を酵素や
化学触媒を用いて、ランダムエステル交換や、1,3位
選択的エステル交換を行って得られたエステル交換油、
もしくは得られたエステル交換油の分別軟部油を挙げる
ことができる。
【0033】また、上記の油脂(B5)は、パーム油、
パームステアリン、パームオレイン、大豆油、低エルカ
酸なたね油、高エルカ酸なたね油等の構成脂肪酸の90
重量%以上が炭素数16以上からなる油脂の硬化油、好
ましくは極度硬化油と、炭素数16以上の不飽和脂肪酸
もしくはその脂肪酸低級アルコールエステルを酵素を用
いて、1,3位選択的なエステル交換を行って得られた
エステル交換油、もしくは得られたエステル交換油を分
別して得られた分別油軟部油を挙げることができる。
【0034】上記の油脂(B5)のUHUで表されるト
リグリセリドの含有量は、好ましくは20重量%以上、
さらに好ましくは25重量%以上、最も好ましくは30
重量%以上、一層好ましくは35重量%以上含有する油
脂であるのがよい。
【0035】また、本発明の可塑性油脂組成物は、上記
の油脂(A)と上記油脂(B)の重量比率が、油脂
(B)/油脂(A)≧0.2、好ましくは油脂(B)/
油脂(A)≧0.3、さらに好ましくは油脂(B)/油
脂(A)≧0.5となるように配合する。上記の油脂
(A)と上記油脂(B)の重量比率が、油脂(B)/油
脂(A)<0.2であると、経日的に可塑性油脂組成物
が硬くなるので好ましくない。
【0036】そして、本発明の可塑性油脂組成物の油相
において、構成脂肪酸残基の総炭素数が40〜46であ
るトリグリセリド(X)と構成脂肪酸残基の総炭素数が
30〜38であるトリグリセリド(Y)の重量比率
(X)/(Y)が好ましくは0.75〜4、さらに好ま
しくは0.8〜3.5、一層好ましくは0.85〜3、
最も好ましくは0.9〜2.5であるのがよい。
【0037】さらに、本発明の可塑性油脂組成物では、
油相にさらに実質的に20℃で固体脂のない油脂(C)
を含有させてもよい。上記の実質的に20℃で固体脂の
ない油脂(C)とは20℃で液状の油脂であるのが好ま
しい。
【0038】上記油脂(C)としては、例えば大豆油、
菜種油、綿実油、サフラワー油、サンフラワー油、ハイ
オレイックサンフラワー油、ハイオレイックサフラワー
油、米糠油等の液状油やこれらの液状油を分別した分別
軟質油の硬化油、ヨウ素価64以上のパームオレイン、
シア脂、マンゴー脂、サル脂の分別軟質油を用いること
ができる。上記油脂(C)の含有量は、本発明の可塑性
油脂組成物の油相中、好ましくは0〜60重量%、さら
に好ましくは5〜55重量%、最も好ましくは10〜5
0重量%である。また上記油脂(C)は、上記油脂
(A)、上記油脂(B)の硬さによってその使用量が異
なる。つまり、油脂(A)、(B)が軟らかいものであ
る場合、油脂(C)を使用しなくても構わないし、油脂
(A)、(B)が硬いものである場合、その使用量が多
くなる。
【0039】そして、本発明の可塑性油脂組成物では、
融点25℃以上の油脂(D)を含有させてもよい。
【0040】上記油脂(D)としては、例えば大豆油、
菜種油、綿実油、サフラワー油、サンフラワー油、ハイ
オレイックサンフラワー油、米糠油等の液状油の硬化
油、パーム油、パーム中融点部、シア脂、シアステアリ
ン、マンゴー脂、マンゴーステアリン、サル脂、サルス
テアリン、カカオ脂、イリッペ脂、牛脂等やこれらの硬
化油、魚硬化油等を用いることができる。また、これら
の油脂の極度硬化油を使用しても構わない。上記油脂
(D)の含有量は、本発明の可塑性油脂組成物の油相
中、好ましくは0〜60重量%、さらに好ましくは5〜
55重量%、最も好ましくは10〜50重量%である。
【0041】但し、上記油脂(D)として、構成脂肪酸
の90重量%以上が炭素数16以上の飽和脂肪酸からな
る油脂とエステル交換されていないラウリン系油脂(パ
ーム核油、パーム核ステアリン、パーム核オレイン、ヤ
シ油、及びこれらの硬化油等)は使用しない。
【0042】本発明の可塑性油脂組成物の油相の含有量
は、好ましくは35〜100重量%、さらに好ましくは
40〜100重量%、最も好ましくは45〜100重量
%である。
【0043】その他の本発明の可塑性油脂組成物に含有
させることができる成分としては、例えば水、乳化剤、
増粘安定剤、食塩、塩化カリウム等の塩味剤、酢酸、乳
酸、グルコン酸等の酸味料、糖類や糖アルコール類、ス
テビア、アスパルテーム等の甘味料、β−カロチン、カ
ラメル、紅麹色素等の着色料、トコフェロール、茶抽出
物等の酸化防止剤、小麦蛋白や大豆蛋白といった植物蛋
白、卵及び各種卵加工品、着香料、乳製品、調味料、p
H調整剤、食品保存料、日持ち向上剤、果実、果汁、コ
ーヒー、ナッツペースト、香辛料、ココアマス、ココア
パウダー、穀類、豆類、野菜類、肉類、魚介類等の食品
素材や食品添加物が挙げられる。
【0044】上記乳化剤としては、グリセリン脂肪酸エ
ステル、蔗糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステ
ル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン
有機酸脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステ
ル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ステ
アロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウ
ム、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエ
チレンソルビタン脂肪酸エステル、レシチン、サポニ
ン、植物ステロール類等が挙げられ、この中から選ばれ
た1種又は2種以上を用いることができる。上記乳化剤
の含有量は、特に制限はないが、本発明の可塑性油脂組
成物中、好ましくは0.01〜5重量%、さらに好まし
くは0.05〜3重量%、最も好ましくは0.1〜1重
量%である。また本発明の可塑性油脂組成物において、
上記乳化剤が必要でなければ、乳化剤を用いなくてても
よい。
【0045】上記増粘安定剤としては、グアーガム、ロ
ーカストビーンガム、カラギーナン、アラビアガム、ア
ルギン酸類、ペクチン、キサンタンガム、プルラン、タ
マリンドシードガム、サイリウムシードガム、結晶セル
ロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロー
ス、寒天、グルコマンナン、ゼラチン、澱粉、化工澱粉
等が挙げられ、この中から選ばれた1種又は2種以上を
用いることができる。上記増粘安定剤の含有量は、特に
制限はないが、本発明の可塑性油脂組成物中、好ましく
は0〜10重量%、さらに好ましくは0〜5重量%であ
る。また、本発明の可塑性油脂組成物において、上記増
粘安定剤が必要でなければ、増粘安定剤を用いなくても
よい。
【0046】次に本発明の可塑性油脂の製造方法を説明
する。本発明の可塑性油脂組成物は、その製造方法が特
に制限されるものではなく、上記に記載した油相、必要
により水相を混合乳化する。そして、次に殺菌処理する
のが望ましい。殺菌方法はタンクでのバッチ式でも、プ
レート型熱交換機や掻き取り式熱交換機を用いた連続式
でも構わない。次に、冷却可塑化する。本発明において
冷却条件は好ましくは−0.5℃/分以上、さらに好ま
しくは−5℃/分以上である。この際、徐冷却より急速
冷却の方が好ましいが、本発明では、徐冷却であって
も、経日的な硬さの変化がない安定した可塑性油脂組成
物を得ることができる。冷却する機器としては、密閉型
連続式チューブ冷却機、例えばボテーター、コンピネー
ター、パーフェクター等のマーガリン製造機やプレート
型熱交換機等が挙げられ、また、開放型のダイアクーラ
ーとコンプレクターの組み合わせが挙げられる。
【0047】また、本発明の可塑性油脂組成物を製造す
る際のいずれかの製造工程で、窒素、空気等を含気させ
ても、させなくても構わない。
【0048】得られた本発明の可塑性油脂組成物は、マ
ーガリンタイプでもショートニングタイプでもよく、ま
たその乳化形態は油中水型、水中油型及び二重乳化型の
いずれでも構わない。
【0049】本発明の可塑性油脂組成物は、食パン、菓
子パン、デニッシュ、クロワッサン、パイ、フライドパ
イ、シュー、ドーナッツ、ケーキ、クッキー、ハードビ
スケット、ワッフル、スコーン等のベーカリー製品への
練りこみ用、ロールイン用、フィリング用、サンド用、
トッピング用、スプレッド用として使用することができ
【0050】本発明の可塑性油脂組成物をロールイン用
として用いる場合は、その形状を、シート状、ブロック
状、円柱状等の形状としてもよい。各々の形状について
の好ましいサイズは、シート状:縦50〜1000m
m、横50〜1000mm、厚さ1〜50mm、ブロッ
ク状:縦10〜1000mm、横10〜1000mm、
厚さ10〜500mm、円柱状:直径1〜25mm、長
さ5〜100mmである。
【0051】また、本発明の可塑性油脂組成物の上記用
途における使用量は、使用用途により異なるものであ
り、特に限定されるものではない。
【0052】
【実施例】以下に、実施例をもって本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例により何等制限され
るものではない。また、下記に示す%は重量%を表す。
【0053】〔製造例1〕パーム核油70%と大豆極度
硬化油30%の配合油をNaOMeを触媒として、ラン
ダムエステル交換反応を行った。反応後、漂白、脱臭
し、油脂B−1を調製した。
【0054】得られた油脂B−1は、2位の構成脂肪酸
が炭素数16以上の飽和脂肪酸含量であるトリグリセリ
ドが43.3%であった。2位の構成脂肪酸がステアリ
ン酸であるトリグリセリド(S重量%)と2位の構成脂
肪酸がパルミチン酸のトリグリセリド(P重量%)に対
する、2位の構成脂肪酸がステアリン酸であるトリグリ
セリド(S重量%)の重量比率S/(P+S)は0.7
4であった。また、トリグリセリド組成は、MHHが2
3.4%、MHMが9.0%、UHUが0.4%、HH
Uが2.6%、UHMが4.3%、HHHが3.6%で
あった。
【0055】〔製造例2〕大豆極度硬化油30%とオレ
イン酸エチル(和光純薬(株)製)70%をLipas
eEG(天野製薬(株))を触媒として、1,3選択的
なエステル交換反応を行った。反応後、分子蒸留で脂肪
酸エチルを除去した。次に、これを3倍量のアセトンに
溶解し、−3℃で結晶化し、結晶部と濾液部に濾別し
た。その後、濾液部を漂白、脱臭し、油脂B−2を、結
晶部を漂白、脱臭し、油脂B−3をそれぞれ調製した。
【0056】得られた油脂B−2は、2位の構成脂肪酸
が炭素数16以上の飽和脂肪酸含量であるトリグリセリ
ドが79.8%であった。2位の構成脂肪酸がステアリ
ン酸であるトリグリセリド(S重量%)と2位の構成脂
肪酸がパルミチン酸のトリグリセリド(P重量%)に対
する、2位の構成脂肪酸がステアリン酸であるトリグリ
セリド(S重量%)の重量比率S/(P+S)は0.9
2であった。
【0057】また、トリグリセリド組成は、UHUが7
3.7%、HHUが6.1%であった。得られた油脂B
−3は、2位の構成脂肪酸が炭素数16以上の飽和脂肪
酸含量であるトリグリセリドが96.5%であった。2
位の構成脂肪酸がステアリン酸であるトリグリセリド
(S重量%)と2位の構成脂肪酸がパルミチン酸のトリ
グリセリド(P重量%)に対する、2位の構成脂肪酸が
ステアリン酸であるトリグリセリド(S重量%)の重量
比率S/(P+S)は0.89であった。また、トリグ
リセリド組成は、UHUが7.2%、HHUが65.3
%、HHHが24.0%であった。
【0058】〔製造例3〕ラードを3倍量のアセトンに
溶解し、3℃で結晶化し、結晶部と濾液部に濾別した。
その後、濾液部を漂白、脱臭し、油脂B−4を調製し
た。
【0059】得られた油脂B−4は、2位の構成脂肪酸
が炭素数16以上の飽和脂肪酸含量であるトリグリセリ
ドが70.7%であった。2位の構成脂肪酸がステアリ
ン酸であるトリグリセリド(S重量%)と2位の構成脂
肪酸がパルミチン酸のトリグリセリド(P重量%)に対
する、2位の構成脂肪酸がステアリン酸であるトリグリ
セリド(S重量%)の重量比率S/(P+S)は0.0
4であった。また、トリグリセリド組成は、UHUが6
0.1%、HHUが10.6%であった。
【0060】〔製造例4〕パーム核極度硬化油60%と
大豆極度硬化油40%の配合油をNaOMeを触媒とし
て、ランダムエステル交換反応を行った。反応後、漂
白、脱臭し油脂B−5を調製した。
【0061】得られた油脂B−5は、2位の構成脂肪酸
が炭素数16以上の飽和脂肪酸含量であるトリグリセリ
ドが58.9%であった。2位の構成脂肪酸がステアリ
ン酸であるトリグリセリド(S重量%)と2位の構成脂
肪酸がパルミチン酸のトリグリセリド(P重量%)に対
する、2位の構成脂肪酸がステアリン酸であるトリグリ
セリド(S重量%)の重量比率S/(P+S)は、0.
74であった。また、トリグリセリド組成は、MHHが
28.5%、MHMが9.9%、HHHが20.5%で
あった。
【0062】〔実施例1〕可塑性油脂組成物の油脂相と
して以下の油脂を使用した。 油脂(A):乳脂 30% 油脂(B):油脂B−1 30% 油脂(C):大豆油 25% 油脂(D):パーム硬化油(融点45℃) 15% この油脂相中の油脂(B)/油脂(A)=1.0であ
り、(X)/(Y)=1.12である。
【0063】上記(X)/(Y)は、構成脂肪酸残基の
総炭素数が40〜46であるトリグリセリド(X重量
%)と構成脂肪酸残基の総炭素数が30〜38であるト
リグリセリド(Y重量%)の重量比率であり、以下の実
施例及び比較例においても同様である。
【0064】この油脂相85%と水13.3%、食塩1
%、脱脂粉乳0.5%、フレーバー0.2%を乳化、急
冷可塑化によりマーガリンを作成した。なお、冷却条件
は−30〜−40℃/分とした。またマーガリンの経日
的な硬さの変化を表1に示す。乳脂に油脂B−1を配合
すると、経日的な硬さの変化がほとんど起きないことが
分かる。
【0065】〔実施例2〕可塑性油脂組成物の油脂相と
して以下の油脂を使用した。 油脂(A):乳脂 50% 油脂(B):油脂B−1 25% 油脂(C):大豆油 25% この油脂相中の油脂(B)/油脂(A)=0.5であ
り、(X)/(Y)=0.94である。
【0066】この油脂相85%と水13.3%、食塩1
%、脱脂粉乳0.5%、フレーバー0.2%を乳化、急
冷可塑化によりマーガリンを作成した。なお、冷却条件
は−30〜−40℃/分とした。またマーガリンの経日
的な硬さの変化を表1に示す。乳脂に油脂B−1を配合
すると、経日的な硬さの変化がほとんど起きないことが
分かる。
【0067】〔実施例3〕可塑性油脂組成物の油脂相と
して以下の油脂を使用した。 油脂(A):乳脂 30% 油脂(B):油脂B−2 30% 油脂(D):パーム硬化油(融点45℃) 20% 油脂(D):大豆硬化油(融点36℃) 20% この油脂相中の油脂(B)/油脂(A)=1.0であ
る。
【0068】この油脂相85%と水13.3%、食塩1
%、脱脂粉乳0.5%、フレーバー0.2%を乳化、急
冷可塑化によりマーガリンを作成した。なお、冷却条件
は−30〜−40℃/分とした。またマーガリンの経日
的な硬さの変化を表1に示す。乳脂に油脂B−2を配合
すると、経日的な硬さの変化がほとんど起きないことが
分かる。
【0069】〔実施例4〕可塑性油脂組成物の油脂相と
して以下の油脂を使用した。 油脂(A):乳脂 30% 油脂(B):油脂B−3 15% 油脂(C):大豆油 20% 油脂(D):大豆硬化油(融点36℃) 35% この油脂相中の油脂(B)/油脂(A)=0.5であ
る。
【0070】この油脂相85%と水13.3%、食塩1
%、脱脂粉乳0.5%、フレーバー0.2%を乳化、急
冷可塑化によりマーガリンを作成した。なお、冷却条件
は−30〜−40℃/分とした。またマーガリンの経日
的な硬さの変化を表1に示す。乳脂に油脂B−3を配合
すると、経日的な硬さの変化がほとんど起きないことが
分かる。
【0071】〔実施例5〕可塑性油脂組成物の油脂相と
して以下の油脂を使用した。 油脂(A):乳脂 30% 油脂(B):油脂B−4 30% 油脂(D):パーム硬化油(融点45℃) 20% 油脂(D):大豆硬化油(融点36℃) 20% この油脂相中の油脂(B)/油脂(A)=1.0であ
る。
【0072】この油脂相85%と水13.3%、食塩1
%、脱脂粉乳0.5%、フレーバー0.2%を乳化、急
冷可塑化によりマーガリンを作成した。なお、冷却条件
は−30〜−40℃/分とした。またマーガリンの経日
的な硬さの変化を表1に示す。乳脂に油脂B−4を配合
すると、経日的な硬さの変化がほとんど起きないことが
分かる。
【0073】〔実施例6〕可塑性油脂組成物の油脂相と
して以下の油脂を使用した。 油脂(A):乳脂 30% 油脂(B):油脂B−2 30% 油脂(C):大豆油 13% 油脂(D):シアステアリン 13% 油脂(D):大豆硬化油(融点36℃) 14% この油脂相中の油脂(B)/油脂(A)=1.0であ
る。
【0074】この油脂相85%と水13.3%、食塩1
%、脱脂粉乳0.5%、フレーバー0.2%を乳化、急
冷可塑化によりマーガリンを作成した。なお、冷却条件
は−30〜−40℃/分とした。またマーガリンの経日
的な硬さの変化を表1に示す。乳脂に油脂B−2を配合
すると、経日的な硬さの変化がほとんど起きないことが
分かる。
【0075】〔実施例7〕可塑性油脂組成物の油脂相と
して以下の油脂を使用した。 油脂(A):乳脂軟質油 15% 油脂(B):油脂B−1 45% 油脂(C):大豆油 10% 油脂(D):パーム硬化油(融点45℃) 15% 油脂(D):大豆硬化油(融点36℃) 15% この油脂相中の油脂(B)/油脂(A)=3.0であ
り、(X)/(Y)=1.42である。
【0076】この油脂相85%と水13.3%、食塩1
%、脱脂粉乳0.5%、フレーバー0.2%を乳化、急
冷可塑化によりマーガリンを作成した。なお、冷却条件
は−30〜−40℃/分とした。またマーガリンの経日
的な硬さの変化を表1に示す。乳脂軟質油に油脂B−1
を配合すると、経日的な硬さの変化がほとんど起きない
ことが分かる。
【0077】〔実施例8〕可塑性油脂組成物の油脂相と
して以下の油脂を使用した。 油脂(A):乳脂 30% 油脂(B):油脂B−5 30% 油脂(C):大豆油 30% 油脂(D):大豆硬化油(融点36℃) 10% この油脂相中の油脂(B)/油脂(A)=1.0であ
り、(X)/(Y)=1.80である。
【0078】この油脂相85%と水13.3%、食塩1
%、脱脂粉乳0.5%、フレーバー0.2%を乳化、急
冷可塑化によりマーガリンを作成した。なお、冷却条件
は−30〜−40℃/分とした。またマーガリンの経日
的な硬さの変化を表1に示す。乳脂に油脂B−5を配合
すると、経日的な硬さの変化がほとんど起きないことが
分かる。
【0079】〔実施例9〕可塑性油脂組成物の油脂相と
して以下の油脂を使用した。 油脂(A):乳脂 30% 油脂(B):油脂B−5 10% 油脂(C):大豆油 25% 油脂(D):大豆硬化油(融点36℃) 35% この油脂相中の油脂(B)/油脂(A)=0.33であ
り、(X)/(Y)=1.10である。
【0080】この油脂相85%と水13.3%、食塩1
%、脱脂粉乳0.5%、フレーバー0.2%を乳化、急
冷可塑化によりマーガリンを作成した。なお、冷却条件
は−30〜−40℃/分とした。またマーガリンの経日
的な硬さの変化を表1に示す。乳脂に油脂B−5を配合
すると、経日的な硬さの変化がほとんど起きないことが
分かる。
【0081】〔比較例1〕可塑性油脂組成物の油脂相と
して以下の油脂を使用した。 油脂(A):乳脂 30% 油脂(C):大豆油 20% 油脂(D):大豆硬化油(融点36℃) 30% 油脂(D):パーム硬化油(融点45℃) 20% この油脂相中の油脂(B)/油脂(A)=0であり、
(X)/(Y)=0.67である。
【0082】この油脂相85%と水13.3%、食塩1
%、脱脂粉乳0.5%、フレーバー0.2%を乳化、急
冷可塑化によりマーガリンを作成した。なお、冷却条件
は−30〜−40℃/分とした。またマーガリンの経日
的な硬さの変化を表2に示す。乳脂に対して油脂(B)
を配合しないと、経日的に硬くなることが分かる。
【0083】〔比較例2〕可塑性油脂組成物の油脂相と
して以下の油脂を使用した。 油脂(A):乳脂 30% 油脂(B):油脂B−1 3% 油脂(C):大豆油 20% 油脂(D):パーム硬化油(融点45℃) 20% 油脂(D):大豆硬化油(融点36℃) 27% この油脂相中の油脂(B)/油脂(A)=0.1であ
り、(X)/(Y)=0.73である。
【0084】この油脂相85%と水13.3%、食塩1
%、脱脂粉乳0.5%、フレーバー0.2%を乳化、急
冷可塑化によりマーガリンを作成した。なお、冷却条件
は−30〜−40℃/分とした。またマーガリンの経日
的な硬さの変化を表2に示す。乳脂に対して油脂(B)
を配合しても、その量が十分でないと、経日的に硬くな
ることが分かる。
【0085】下記表1及び表2の硬さの変化とは、得ら
れたマーガリンを5℃に保管したときの硬さの変化を示
し、5℃に1週間保管したときの硬さを1.00とし
た。また、硬さは、2cm×2cm×2cmのマーガリ
ンをレオメーター(不動工業社製)にて、直径5mmの
円板型アダプターを用い、試料台上昇速度20mm/分
で最大応力を測定し、これを硬さとした。
【0086】
【表1】
【0087】
【表2】
【0088】
【発明の効果】本発明は、乳脂を含有していても、硬さ
が経日的に硬くなりにくく、風味、口溶けがよい可塑性
油脂組成物を提供するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 根津 亨 東京都荒川区東尾久7丁目2番35号 旭電 化工業株式会社内 (72)発明者 山本 幸子 東京都荒川区東尾久7丁目2番35号 旭電 化工業株式会社内 Fターム(参考) 4B026 DC06 DG15 DH05 DX05 4H059 BA26 BA30 BA33 BB02 BB03 BB06 BC03 BC05 BC13 BC48 CA06 CA34 CA35 CA37 DA02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乳脂、乳脂の分別油の中から選ばれた1
    種又は2種以上の油脂(A)を油相中に5〜90重量
    %、2位の構成脂肪酸がH(炭素数16以上の飽和脂肪
    酸)であるトリグリセリドを20重量%以上含有する油
    脂(B)を油相中に5重量%以上含有し、該油脂(A)
    と該油脂(B)の重量比率が油脂(B)/油脂(A)≧
    0.2であることを特徴とする可塑性油脂組成物。
  2. 【請求項2】 上記油相が35〜100重量%である請
    求項1の可塑性油脂組成物。
  3. 【請求項3】 上記油相に、さらに実質的に20℃で固
    体脂のない油脂(C)を含有させる請求項1又は2記載
    の可塑性油脂組成物。
  4. 【請求項4】 上記油相に、さらに融点25℃以上の油
    脂(D)を含有させる請求項1〜3の何れかに記載の可
    塑性油脂組成物。
  5. 【請求項5】 上記油脂(B)がMHH、MHM、UH
    M、HHH、HHU、UHU(H:上記と同じ、M:炭
    素数8〜14の飽和脂肪酸、U:炭素数16以上の不飽
    和脂肪酸)の中から選ばれた1種又は2種以上の混合物
    を20重量%以上含有する請求項1〜4の何れかに記載
    の可塑性油脂組成物。
  6. 【請求項6】 上記油相において、構成脂肪酸残基の総
    炭素数が40〜46であるトリグリセリド(X)と構成
    脂肪酸残基の総炭素数が30〜38であるトリグリセリ
    ド(Y)の重量比率(X)/(Y)が0.75〜4であ
    る請求項1〜5の何れかに記載の可塑性油脂組成物。
  7. 【請求項7】 乳脂、乳脂の分別油の中から選ばれた1
    種又は2種以上の油脂(A)を油相中に5〜90重量
    %、2位の構成脂肪酸がH(炭素数16以上の飽和脂肪
    酸)であるトリグリセリドを20重量%以上含有する油
    脂(B)を油相中に5重量%以上含有し、該油脂(A)
    と該油脂(B)の重量比率が油脂(B)/油脂(A)≧
    0.2である油相を冷却可塑化することを特徴とする可
    塑性油脂組成物の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜6の何れかに記載の可塑性油
    脂組成物を用いた食品。
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