JP6814565B2 - ドーナツ用ミックス及びドーナツの製造方法 - Google Patents

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本発明はドーナツ用ミックスに関し、詳細には、日本産小麦由来の小麦粉を主体とするドーナツ用ミックス及びそれを用いた及びドーナツの製造方法に関する。
ドーナツは、小麦粉、砂糖、卵などを原料にして生地を調製し、調製した生地を油ちょうすることにより製造される揚げ菓子の一種であり、膨張剤によって生地を膨らませたケーキドーナツと、イーストを用いて発酵によって生地を膨らませたイーストドーナツの2種類がある。何れのドーナツにしても、その表層部のサクサクとした軽い食感が、ドーナツのおいしさを決定する重要なポイントの1つとなり得るが、一般にこのサクサク感が味わえるのは、ドーナツの製造直後から一定時間内に限られる。その理由は、ドーナツに含まれる水分が内部から表層部へと経時的に移行するためであり、ドーナツの製造時から長時間が経過すると、表層部が製造当初に有していたサクサク感が失われ、喫食する際にはべたついた食感になっていることが少なくない。このような食感の経時劣化の問題は、製造されてから喫食されるまでに一定の時間を要する市販のドーナツにおいて特に顕著である。
この点、家庭でドーナツを製造する場合は、揚げたてのドーナツを喫食することが可能であり、市販のドーナツではなかなか見られない、ふんわりと膨らんだボリューム感のある外観を有し且つ表層部がサクサクした軽い食感で内部はしっとりとした柔らかな食感のドーナツを楽しむことが可能である。しかしながら、そのような高品質のドーナツを製造するためには、べたつきやすくまとまりにくく取扱性の良くない、柔らかい生地を用い、これを型崩れしないよう油槽に投入するなどの高度な調理技術が必要であり、設備も十分ではない場合が多い一般家庭では実施困難である。また、柔らかい生地を家庭用の小さな油槽で油ちょうすると、油槽での対流が大きくなるため、ドーナツが意図した形状とは異なる形状に変形して外観が損なわれることがある。一方、こうした柔らかい生地の取扱性の悪さに鑑みて、生地の取扱性を高めるために、硬めの生地を調製してドーナツを製造すると、堅くぼそぼそとした食感のドーナツになってしまい、食感が低下するという問題がある。要するに、家庭でのドーナツ製造では、市販のドーナツよりも外観及び食感の両方に優れた高品質のドーナツを楽しめる可能性があるが、高度な調理技術も専用の設備もない一般家庭でこれを実施するのは困難であった。
ドーナツに関する改良技術に関し、例えば特許文献1には、ボール状のケーキドーナツを安定的に高歩留まりで製造する目的で、ドーナツ用原料に架橋澱粉を配合することが記載されている。また特許文献2には、ドーナツに使用可能なドウ組成物の保水性を改善する目的で、ドウ組成物に水溶性セルロースエーテルを配合することが記載されている。また特許文献3には、喫食したときに口中で咀嚼音が出るようにする目的で、ドーナツ生地にこんにゃく粉を配合することが記載されている。このように、ドーナツの生地原料に種々の添加物を加えることで、ドーナツ製造時の作業性の向上を図ることやドーナツに新たな風味を付与することなどは従来行われているが、作業性と品質とを高度にバランスさせ得る技術は未だ報告されていない。
また従来、ドーナツの製造においては生地に卵を配合することが多く、例えば特許文献1〜3に記載されているドーナツの実施例でも、卵が配合された生地を調製している。生地に卵を配合することで、卵に由来する風味や色をドーナツに付与することができるため、ドーナツの風味や外観は良好になり得るが、その反面、作業性が低下したり、食感がパサついたり、硬くなったりする場合が少なくない。即ち、生地の調製に卵を用いた場合、粘調な卵を生地に均一に分散させる必要があるところ、一般にこの作業は非常に手間がかかり、また、卵の均一分散の観点から生地原料を撹拌しすぎると、得られるドーナツが硬すぎる食感になることがある。従って、卵無しで、製造の際の操作を簡便にしながら、外観及び食感の良好なドーナツを製造できる技術が求められている。
特開平10−304815号公報 特開2005−218409号公報 特開2007−60942号公報
本発明の課題は、外観及び食感に優れた高品質のドーナツを製造することができ、しかもドーナツ製造時の作業性に優れ、一般家庭でも高品質のドーナツを簡便に製造することができるドーナツ用ミックス及びドーナツの製造方法を提供することに関する。
本発明者らは、卵無しで、製造の際の操作を簡便にしながら、外観及び食感の良好なドーナツを製造できる技術を開発するべく、種々検討した結果、普通系(中力系)に分類される日本産小麦由来の小麦粉、いわゆる「うどん粉」をドーナツ用ミックスに一定量配合することが有効であるとの知見を得た。従来ドーナツ原料として使用されている小麦粉は、もっぱら薄力系に分類される外国産小麦由来の小麦粉であり、日本産小麦由来の小麦粉は、現状では、ドーナツをはじめ、パンやケーキなどの菓子又はベーカリー食品には実質的にほとんど使用されていない。普通系の日本産小麦由来の小麦粉の多くは従来、うどん粉などとも呼ばれているように、もっぱらうどんに使用されており、うどんなどの麺類以外の用途にはあまり向いていないというのが当業者の常識である。
そして、本発明者らは前記知見に基づき、うどん粉が配合されたドーナツ用ミックスについてさらに検討した結果、該ミックスにさらに植物油脂を一定量配合することで、ふんわりと膨らんだボリューム感のある外観を有し且つ表層部がサクサクした軽い食感で内部はしっとりとした柔らかな食感のドーナツが得られることを知見した。
本発明は前記知見に基づきなされたもので、日本産小麦に由来する小麦粉を45〜75質量%及び植物油脂を1〜10質量%含有するドーナツ用ミックスである。
また本発明は、前記の本発明のドーナツ用ミックス100質量部に対し、ミルク20〜40質量部を配合して生地を調製し、該生地を油ちょうする工程を有する、ドーナツの製造方法である。
本発明によれば、外観及び食感に優れた高品質のドーナツを製造することができ、しかもドーナツ製造時の作業性に優れ、一般家庭でも高品質のドーナツを簡便に製造することができるドーナツ用ミックス及びドーナツの製造方法が提供される。
本発明の主たる特徴の1つは、日本産小麦由来の小麦粉を主体的に使用する点にあるところ、近年、食の安全性に対する国民の意識の高まりにより、種々の小麦粉食品において、農薬を大量に使用しているなどの印象と結びつきやすい外国産小麦よりも日本産小麦を選択する気運が非常に高まっており、本発明はこうした日本産小麦に対するニーズにマッチした待望の技術であるといえる。
本発明のドーナツ用ミックスは、日本産小麦に由来する小麦粉(以下、「日本産小麦粉」ともいう)を含有する。別の観点から言えば、本発明のドーナツ用ミックスは、外国産小麦に由来する小麦粉(以下、「外国産小麦粉」ともいう)を全く含有しないか、又は含有するとしても少量である。小麦の品質は、栽培される土壌や気候などの影響を受けて大きく変化し、同じ品種の小麦でも産地が異なれば品質が異なる。日本産小麦と外国産小麦とにおいても品質に大きな違いがある。
日本産小麦粉をドーナツ用ミックスに使用することで、従来ドーナツ用ミックスにおいて多用されている外国産小麦粉を使用した場合に比して、得られるドーナツの品質(外観、食感)及びドーナツ製造時の作業性が向上し、また、これらの効果は、卵を使用するドーナツの製造方法はもとより、卵を使用しないドーナツの製造方法においても発現し、特に後者において有効である。外国産小麦粉を主体とする従来のドーナツ用ミックスは、汎用されているだけあって、一定レベルの品質を備えたドーナツを提供し得るが、本発明のドーナツ用ミックスと比較すると、特に、ドーナツの膨らみが足りない点で外観に劣り、またドーナツ内部のしっとり感が足りない点で食感に劣り、さらにはドーナツ製造時の作業性にも劣る。この点は、後述する実施例1と比較例1との対比からも明らかである。
日本産小麦は、品種の特性や製粉性等の観点から、「普通系(中力系)」と「強力系」とに大別される。本発明で用いる日本産小麦粉は、普通系が特に好ましい。一般に、普通系の日本産小麦はグルテンの水和性が極めて鋭敏な上に、澱粉は強じんで粘弾性に富むことから、これを由来とする小麦粉は保水性に優れ、もっちりとした食感が要望される小麦粉食品に適した性質を有している。そのため、普通系の日本産小麦由来の小麦粉は従来、麺類特にうどんが主たる用途であり、「うどん粉」などとも呼ばれている。
本発明で用いる日本産小麦としては、普通系小麦が良好であり、特に、軟質、あるいは中間質の小麦が好ましい。また、本発明で用いる日本産小麦のタンパク質含量は、7.5〜12.0質量%の範囲がより好ましい。また、本発明で用いる日本産小麦として、下記の品種名を例示できる。本発明では、下記の品種名の日本産小麦に由来する小麦粉の1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。尚、下記に示す日本産小麦は、農林水産省の農林認定品種データベース等を用いて調べることができる。
(日本産小麦の具体例)
あおばの恋、あきたっこ、アブクマワセ、あやひかり、イワイノダイチ、キタカミコムギ、きたさちほ、キタノカオリ、きたほなみ、きたもえ、キタ力ミコムギ、きぬあかり、きぬあずま、きぬいろは、きぬの波、キヌヒメ、コユキコムギ、さとのそら、さぬきの夢2000、さぬきの夢2009、しゅんよう、シラサギコムギ、シラネコムギ、シロガネコムギ、せときらら、タイセツコムギ、タクネコムギ、ダブル8号、タマイズミ、チクゴイズミ、ちくしW2号、チホクコムギ、つるきち、つるぴかり、ナンブコムギ、ニシノカオリ、ニシホナミ、ネノリゴシ、ネバリゴシ、ハナマンテ、ハルイブ、はるきらり、はるひので、ハルユタカ、ハレイブキ、ハレユタカ、バンドウワセ、フウセツ、ふくあかり、ふくさやか、ふくはるか、ふくほのか、ホクシン、ホロシリコムギ、もち姫、ゆきちから、ゆきはるか、ゆめあかり、ユメアサヒ、ゆめかおり、ゆめきらり、ユメシホウ、ユメセイキ、ゆめちから、銀河のちから、香育21号、春のかがやき、春よ恋、長崎W2号、東海103号、東海104号、東山42号、農林61号、福井県大3号、利根3号、ダブレ8号、ミナミノカオリ。
本発明のドーナツ用ミックスにおいて、日本産小麦粉の含有量は、該ミックスの全質量に対して45〜75質量%であり、好ましくは47〜65質量%である。日本小麦粉の含有量が45質量%未満であると、日本産小麦粉を使用する意義に乏しく、日本小麦粉の含有量が75質量%を超えると、得られるドーナツの外観及び食感の向上効果が頭打ちとなり、また、ドーナツ用ミックスを用いて生地を調製する際、特に卵無しで生地を調製する際に、該ミックスに添加するミルクの量を増やさないとドーナツ製造時に生地がまとまりにくくなるところ、ドーナツ用ミックスへのミルクの添加量が多くなると、生地がべたついて、作業性が悪くなるおそれがある。
本発明のドーナツ用ミックスは、日本産小麦粉に加えてさらに、植物油脂を含有する。ドーナツ用ミックスに日本産小麦粉及び植物油脂の双方を配合することで、ドーナツの品質(外観、食感)及びドーナツ製造時の作業性に関して良好な結果が得られるようになる。この日本産小麦粉と植物油脂との組み合わせは、特に、口溶けの良いさっくりとした食感の向上と、ドーナツ内部のしっとりとした食感の向上に有効である。後述する比較例2で示されるように、動物油脂では十分な効果は得られない。
本発明で用いる植物油脂は、植物に由来するものであれば特に限定されず、コーン油、綿実油、パーム油、ゴマ油等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明のドーナツ用ミックスにおいて、植物油脂の形態は、常温常圧で液状又はペースト状である。従って、本発明のドーナツ用ミックスの製造において植物油脂を配合する際には、常温常圧で液状の植物油脂をミックス中の粉体成分(例えば小麦粉)に添加して撹拌する方法が好ましい。この方法に代えて、植物油脂を粉末油脂の形態で配合する方法でも良い。
本発明のドーナツ用ミックスにおいて、植物油脂の含有量は、該ミックスの全質量に対して1〜10質量%であり、好ましくは2〜7質量%である。植物油脂の含有量が1質量%未満であると、植物油脂を使用する意義に乏しく、植物油脂の含有量が10質量%を超えると、ドーナツ製造時の作業性の向上効果が頭打ちとなる一方で、得られるドーナツの吸油が多くなり、不快な油っぽさを感じてしまう。
本発明のドーナツ用ミックスは、日本産小麦粉及び植物油脂に加えてさらに、レシチン、モノグリセリド及びプロピレングリコール脂肪酸エステルからなる群から選択される1種以上の乳化剤を含有しても良い。ドーナツ用ミックスにこれら特定の乳化剤が配合されることで、特に、得られるドーナツについて口溶けの良いさっくりとした食感が高まる。
本発明のドーナツ用ミックスにおいて、前記特定の乳化剤の含有量は、該ミックスの全質量に対して、好ましくは0.1〜2質量%、さらに好ましくは0.2〜1質量%である。前記特定の乳化剤の含有量が少なすぎると、これを使用する意義に乏しく、前記特定の乳化剤が多すぎると、ドーナツ製造時の作業性並びに得られるドーナツの外観及び食感の向上効果が頭打ちとなる。
本発明のドーナツ用ミックスは、前記成分(日本産小麦粉、植物油脂、特定の乳化剤)に加えて、必要に応じて、ドーナツ用ミックスの製造に通常用いられ得るその他の原料、例えば、外国産小麦粉、澱粉、糖類、卵粉、食塩、増粘剤、膨張剤等を配合することができる。これらその他の原料の配合量は、本発明のドーナツ用ミックス中、0〜59質量%程度とすることが好ましい。外国産小麦粉を使用する場合、日本産小麦粉の特徴を活かす観点から、ドーナツ用ミックス中の全小麦粉に占める外国産小麦粉の割合は20質量%以下とすることが好ましい。
本発明のドーナツ用ミックスを用いたドーナツの製造は常法に従う。前述したように、本発明のドーナツ用ミックスは、卵無しでのドーナツの製造で効果を発揮するが、卵を使用した一般的なドーナツの製造にも好適である。また、本発明のドーナツ用ミックスは、膨張剤を用いたケーキドーナツ及びイーストを用いたイーストドーナツの何れにも適用できる。
本発明のドーナツ用ミックスを用いたドーナツの製造方法の好ましい一実施態様として、本発明のドーナツ用ミックス100質量部に対し、ミルクを20〜40質量部を配合して生地を調製し、該生地を油ちょうする工程を有する製造方法が挙げられる。この製造方法においては、卵を使用せずに生地を調製することが可能であり、そうすることによって、粘調な卵を生地に均一に分散させる作業が不要となり、また、ドーナツがパサついたり、硬すぎる食感になる不都合を回避し得る。具体的には例えば、ボールに本発明のドーナツ用ミックス及び牛乳などのミルクを入れて攪拌して生地を調製し、その生地を手でこねるなどして混練した後、型抜きや手などで生地を成形して所望のドーナツ形状としてから油ちょうするだけで良く、このような極めて簡便な操作で高品質のドーナツを製造することができから、一般家庭でも簡単に実施できる。本発明のドーナツ用ミックスに対して配合するミルクとしては、牛、ヤギ等に由来する動物性の乳や、豆乳等の植物由来の乳を使用することができる。
以下、実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。尚、実施例1、3〜10、16及び19は参考例である。
〔実施例1〜19及び比較例1〜6〕
下記表1〜表3に示す原料を適宜混合・攪拌して、各実施例及び比較例のドーナツ用ミックスを製造した。使用した原料の詳細は下記の通り。
・日本産小麦粉(品種名「きたほなみ」又は「ホクシン」由来の小麦粉)
・外国産小麦粉(日清製粉製、商品名「フラワー」)
・植物油脂(ショートニング、ミヨシ油脂製、商品名「エンブレム」)
・動物油脂(ラード、ミヨシ油脂製、商品名「ミヨシ純製ラード」)
・馬鈴薯澱粉(ホクレン製、商品名「ばれいしょでん粉」)
・レシチン(乳化剤、理研ビタミン製、商品名「レシチンLP−1」)
・モノグリセリド(乳化剤、理研ビタミン製、商品名「リケマールS−100P」)
・プロピレングリコール脂肪酸エステル(乳化剤、理研ビタミン製、商品名「リケマールPS−100」)
・ショ糖脂肪酸エステル(乳化剤、三菱化学フーズ 製、商品名「S−1170」)
〔試験例〕
10名のパネラーに、各実施例及び比較例のドーナツ用ミックスを用いて、下記製造方法A及びBの2種類の方法でドーナツを製造してもらい、その際の作業性を下記評価基準で評価してもらうと共に、製造されたドーナツの外観及び食感を下記評価基準で評価してもらった。その結果を10名の平均値として下記表1〜表3に示す。
(製造方法A:卵を使用しないドーナツの製造方法)
ドーナツ用ミックス100質量部に対して牛乳28質量部を混合し、混練して生地を調製し、その生地を厚さ8mmの板状に伸ばし、直径7cmのドーナツ用型枠で切り出してリング状の成形生地を得、この成形生地を170℃の油槽で片面1分30秒ずつ油ちょうして、目的のドーナツを得る。
(製造方法B:卵を使用するドーナツの製造方法)
ドーナツ用ミックス100質量部に対して牛乳20質量部及び全卵液10質量部を混合し、混練して生地を調製し、その生地を厚さ8mmの板状に伸ばし、直径7cmのドーナツ用型枠で切り出してリング状の成形生地を得、この成形生地を170℃の油槽で片面1分30秒ずつ油ちょうして、目的のドーナツを得る。
<作業性の評価基準>
5点:べたつきが少なく、生地がまとまりやすく、生地表面も滑らかで極めて良好。
4点:ややべたつきがあるが生地はまとまりやすく、生地表面も滑らかで良好。
3点:ややべたつきがあり、生地はまとまるものの、生地表面にわずかに凸凹がある。
2点:生地がまとまりにくい、又は、べたつきがあり、生地はまとまっても生地表面に 凸凹があり不良。
1点:生地がまとまらない、又は、べたつきが強く、生地はまとまりにくく、生地表面 に凸凹が多く極めて不良。
<ドーナツの外観の評価基準>
5点:全体に均一なボリューム感があり、変形もなく非常に良好な外観。
4点:全体にボリューム感があり、変形も少なく良好な外観。
3点:全体にボリューム感があるが、やや変形がある外観。
2点:ボリューム感がやや物足りないか、変形があり不良な外観。
1点:ボリューム感に欠けるか、変形が多く極めて不良な外観。
<ドーナツの食感>
5点:非常にサクサク感があり、内相はしっとりとしており、極めて良好な食感。
4点:サクサク感と内相のしっとり感が十分にあり、良好な食感。
3点:サクサク感と内相のしっとり感のいずれかが不十分な食感。
2点:吸油がやや多く油っぽく感じるか、又は、サクサク感と内相のしっとり感のいず れかが劣り、不良な食感。
1点:吸油が多く不快な油っぽさを感じるか、又は、サクサク感と内相のしっとり感の いずれも劣っており、極めて不良な食感。
Figure 0006814565
表1に示す各実施例及び比較例においては、ドーナツ用ミックスにおける小麦粉又は油脂の種類が互いに異なっている。表1に示す通り、日本産小麦粉及び植物油脂の組み合わせを使用した実施例1及び2のミックスは、製造方法A及びBの何れにおいても、比較例1及び2のミックスに比して、作業性並びにドーナツの外観及び食感に優れていた。特に、卵を使用しない製造方法Aの方が、卵を使用する製造方法Bに比べて作業性並びにドーナツの外観及び食感に優れていた。
外国産小麦粉を使用した比較例1のミックスは、生地のまとまりが悪く作業性に劣り、また、得られたドーナツのボリューム感が足りず外観に劣り、さらに、しっとり感が足りず食感に劣るものであった。また、動物油脂を使用した比較例2のミックスは、生地のまとまりが悪く作業性に劣り、また、得られたドーナツが硬くしっとり感が足りず食感に劣るものであった。
Figure 0006814565
表2に示す各実施例及び比較例においては、ドーナツ用ミックスにおける日本産小麦粉又は植物油脂の含有量が互いに異なっている。実施例1、3〜6と比較例3〜4との対比から、日本産小麦粉の含有量は45〜75質量%程度、特に50〜70質量%程度が好ましいことがわかる。また、実施例7〜9と比較例5〜6との対比から、植物油脂の含有量は1〜7質量%程度、特に2〜7質量%程度が好ましいことがわかる。
Figure 0006814565
表3に示す各実施例においては、ドーナツ用ミックスにおける乳化剤の種類又は含有量が互いに異なっている。実施例1及び10〜16間での対比から、乳化剤(レシチン)の使用が作業性並びにドーナツの外観及び食感の向上に効果があること、また、乳化剤の含有量は0.1〜2質量%程度が好ましいことがわかる。また、実施例13及び17〜19間での対比から、乳化剤としては、ショ糖脂肪酸エステル(実施例19)よりも、レシチン、モノグリセリド又はプロピレングリコール脂肪酸エステルの方が有効であることがわかる。

Claims (6)

  1. 日本産小麦に由来する小麦粉を45〜75質量%及び植物油脂を1〜10質量%含有し、該日本産小麦が、ホクシンである、ドーナツ用ミックス。
  2. さらに、レシチン、モノグリセリド及びプロピレングリコール脂肪酸エステルからなる群から選択される1種以上の乳化剤を0.1〜2質量%含有する請求項1に記載のドーナツ用ミックス。
  3. 日本産小麦に由来する小麦粉を45〜75質量%、植物油脂を1〜10質量%、並びにレシチン、モノグリセリド及びプロピレングリコール脂肪酸エステルからなる群から選択される1種以上の乳化剤を0.1〜2質量%含有し、且つ卵を含有せず、該日本産小麦が、きたほなみである、ドーナツ用ミックス。
  4. 請求項1又は2記載ドーナツ用ミックス100質量部に対し、ミルク20〜40質量部を配合して生地を調製し、該生地を油ちょうする工程を有する、ドーナツの製造方法。
  5. 卵を使用せずに前記生地を調製する請求項に記載のドーナツの製造方法。
  6. 請求項3に記載のドーナツ用ミックス100質量部に対し、卵を使用せずに、ミルク20〜40質量部を配合して生地を調製し、該生地を油ちょうする工程を有する、ドーナツの製造方法。
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