JP5771385B2 - ホットケーキミックスのアレンジミックス、および、プレミックス食品 - Google Patents
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Description
しかしながら、ホットケーキを作るために最適化されたホットケーキミックスを、他の用途である、メロンパンを製造するために使用すると、できあがったメロンパンの味や食感などは、本来の作り方をしたメロンパンと比較して著しく劣るという欠点があった。また、他の食品を製造する場合であっても、ホットケーキミックスを材料としてホットケーキ以外の食品を作ると、本来の作り方をしたその食品が備える、特有の食感をだすことが困難であった。
(1)α化タピオカデンプンおよび/または加工タピオカデンプンを含有することを特徴とする、アレンジミックス。
(3)α化タピオカデンプンおよび/または加工タピオカデンプンを30重量%〜55重量%含有する、メロンパン製造用アレンジミックス。
(4)α化タピオカデンプンおよび/または加工タピオカデンプンを40重量%〜50重量%含有する、メロンパン製造用アレンジミックス。
(5)さらに、デキストリンを15重量%〜50重量%、トレハロースを10重量%〜20重量%、および、砂糖を10重量%〜30重量%含有する、(2)〜(4)のいずれか1項に記載のメロンパン製造用アレンジミックス。
(6)さらに、デキストリンを20重量%〜30重量%、トレハロースを10重量%〜20重量%、および、砂糖を10重量%〜20重量%含有する、(3)または(4)に記載のメロンパン製造用アレンジミックス。
(7)ホットケーキミックス150gに対して14g〜16g用いられる、(2)〜(6)のいずれか1項に記載のメロンパン製造用アレンジミックス。
(8)ホットケーキミックス150gに対して15g用いられる、(4)に記載のメロンパン製造用アレンジミックス。
(10)小麦粉100重量部に対して、α化タピオカデンプンおよび/または加工タピオカデンプンを4.0重量部〜7.3重量部含有する、メロンパンミックス。
(11)小麦粉100重量部に対して、α化タピオカデンプンおよび/または加工タピオカデンプンを5.3重量部〜6.7重量部含有する、メロンパンミックス。
(12)さらに、デキストリンを2.0重量部〜6.7重量部、トレハロースを1.3重量部〜2.7重量部、および、砂糖を1.3重量部〜4.0重量部含有する、(9)〜(11)のいずれか1項に記載のメロンパンミックス。
(13)さらに、デキストリンを2.7重量部〜4.0重量部、トレハロースを1.3重量部〜2.7重量部、および、砂糖を1.3重量部〜2.7重量部含有する、(10)または(11)に記載のメロンパンミックス。
(15)α化タピオカデンプンを15重量%〜35重量%含有する、ラスク製造用アレンジミックス。
(16)α化タピオカデンプンを20重量%〜30重量%含有する、ラスク製造用アレンジミックス。
(17)さらに、デキストリンを35重量%〜65重量%、トレハロースを10重量%〜25重量%、および、ホエイパウダーを0重量%〜15重量%含有する、(14)〜(16)のいずれか1項に記載のラスク製造用アレンジミックス。
(18)さらに、デキストリンを45重量%〜65重量%、トレハロースを10重量%〜25重量%、および、ホエイパウダーを0重量%〜15重量%含有する、(15)または(16)に記載のラスク製造用アレンジミックス。
(19)さらに、デキストリンを50重量%〜60重量%、トレハロースを15重量%〜20重量%、および、ホエイパウダーを0重量%〜10重量%含有する、(16)に記載のラスク製造用アレンジミックス。
(20)ホットケーキミックス150gに対して14g〜16g用いられる、(14)〜(19)のいずれか1項に記載のラスク製造用アレンジミックス。
(21)ホットケーキミックス150gに対して15g用いられる、(16)または(19)に記載のラスク製造用アレンジミックス。
(23)小麦粉100重量部に対して、α化タピオカデンプンを2.0重量部〜4.7重量部含有する、ラスクミックス。
(24)小麦粉100重量部に対して、α化タピオカデンプンを2.7重量部〜4.0重量部含有する、ラスクミックス。
(25)さらに、デキストリンを4.7重量部〜8.7重量部、トレハロースを1.3重量部〜3.3重量部、および、ホエイパウダーを0重量部〜2.0重量部含有する、(22)〜(24)のいずれか1項に記載のラスクミックス。
(26)さらに、デキストリンを6.0重量部〜8.7重量部、トレハロースを1.3重量部〜3.3重量部、および、ホエイパウダーを0重量部〜2.0重量部含有する、(23)または(24)に記載のラスクミックス。
(27)さらに、デキストリンを6.7重量部〜8.0重量部、トレハロースを2.0重量部〜2.7重量部、および、ホエイパウダーを0重量部〜1.3重量部含有する、(24)に記載のラスクミックス。
(29)α化タピオカデンプンを45重量%〜100重量%、および/または、加工タピオカデンプンを0重量%〜50重量%含有する、(28)に記載のドーナッツ製造用アレンジミックス。
(30)α化タピオカデンプンを55重量%〜95重量%、および/または、加工タピオカデンプンを0重量%〜40重量%含有する、(28)に記載のドーナッツ製造用アレンジミックス。
(31)α化タピオカデンプンを60重量%〜95重量%、および/または、加工タピオカデンプンを0重量%〜35重量%含有する、(28)に記載のドーナッツ製造用アレンジミックス。
(32)さらに、乳化剤を0重量%〜10重量%、および、食塩を0重量%〜1重量%含有する、(28)〜(31)のいずれか1項に記載のドーナッツ製造用アレンジミックス。
(33)ホットケーキミックス150gに対して16g〜20g用いられる、(28)〜(32)のいずれか1項に記載のドーナッツ製造用アレンジミックス。
(34)ホットケーキミックス150gに対して18g用いられる、(31)に記載のドーナッツ製造用アレンジミックス。
(36)小麦粉100重量部に対して、α化タピオカデンプンを7.0重量部〜16重量部、および、加工タピオカデンプンを0重量部〜8.0重量部含有する、(35)に記載のドーナッツミックス。
(37)小麦粉100重量部に対して、α化タピオカデンプンを9.0重量部〜15重量部、および、加工タピオカデンプンを0重量部〜6.4重量部含有する、(35)に記載のドーナッツミックス。
(38)小麦粉100重量部に対して、α化タピオカデンプンを9.6重量部〜15重量部、および、加工タピオカデンプンを0重量部〜5.6重量部含有する、(35)に記載のドーナッツミックス。
(39)さらに、乳化剤を0重量部〜1.6重量部、および、食塩を0重量部〜0.16重量部含有する、(35)〜(38)のいずれか1項に記載のドーナッツミックス。
本明細書において、アレンジミックスという場合、市販あるいはホームメイドのホットケーキミックスと混ぜて用いることによって、ホットケーキミックスをホットケーキ以外の他の食品を作るのに適した生地、または、材料とすることができるものをいう。このアレンジミックスを用いることによって、目的とする食品の材料を一からそろえなくても、家庭などに広く普及しているホットケーキミックスから、さまざまな食品を、その食品の本来の味や食感を供えた状態で、または、これに近い状態で、非常に簡便に作ることが可能となる。例えば、メロンパン製造用アレンジミックスという場合、ホットケーキミックスとメロンパン製造用アレンジミックスとを混ぜて生地を作ることによって、ホットケーキミックスから、メロンパンを作るのに適した生地を簡便に作ることができる。このようにして作った生地を焼成することで、メロンパン製造用アレンジミックスを含まないホットケーキミックスから作った生地を焼成した場合よりも、ホットケーキミックスを使用しない、本来の方法で作ったメロンパンに近い、保型性、しっとり感、および、甘味と色味のバランスに優れたメロンパンを作ることができる。
なお、ホットケーキミックスとは、小麦粉や米粉などの穀物粉を主原料とし、膨張剤などを含む、ホットケーキの製造に適するように調製された粉末状の食品組成物をいう。この場合、小麦粉は、薄力粉であることが好ましい。また、膨張剤は、ベーキングパウダーや重曹であることが好ましい。
以下に、各アレンジミックスについて、用途別に詳述する。
メロンパン製造用アレンジミックスは、α化タピオカデンプンおよび/または加工タピオカデンプンを、メロンパン製造用アレンジミックス全体に対して、20重量%〜55重量%含有することが好ましく、30重量%〜55重量%含有していることがより好ましく、40重量%〜50重量%含有していることがさらに好ましい。この範囲のα化タピオカデンプンおよび/または加工タピオカデンプンを含有することによって、メロンパン製造用アレンジミックスをホットケーキミックスに加えて作った生地からメロンパンを製造した時に、保型性が改善され、メロンパン特有のドーム形を保持したメロンパンを作ることができる。
メロンパン製造用アレンジミックスは、砂糖を含んでいても良く、その含有量は、メロンパン製造用アレンジミックス全体に対して、10重量%〜30重量%であることが好ましく、10重量%〜20重量%であることがより好ましい。この数値範囲の砂糖を含有することによって、甘味や色味のバランスが改善され、メロンパン特有の甘味と、色づき過ぎていない適度な色とを有するメロンパンを作ることができる。なお、砂糖としては、グラニュー糖が好ましい。
ラスク製造用アレンジミックスは、α化タピオカデンプンを、ラスク製造用アレンジミックス全体に対して、15重量%〜45重量%含有することが好ましく、15重量%〜35重量%含有することがより好ましく、20重量%〜30重量%含有することが特に好ましい。この範囲のα化タピオカデンプンを含有することによって、ラスク製造用アレンジミックスをホットケーキミックスに加えて作った生地からラスクを製造した時に、保型性が改善され、パンのような形を保持したラスクを製造することができる。
ドーナッツ製造用アレンジミックスは、α化タピオカデンプンおよび/または加工タピオカデンプンを、ドーナッツ製造用アレンジミックス全体に対して、90重量%〜100重量%含有することが好ましい。この際、α化タピオカデンプンを45重量%〜100重量%、および/または、加工タピオカデンプンを0重量%〜50重量%含有することが好ましく、α化タピオカデンプンを55重量%〜95重量%、および/または、加工タピオカデンプンを0重量%〜40重量%含有することがより好ましく、α化タピオカデンプンを60重量%〜95重量%、および/または、加工タピオカデンプンを0重量%〜35重量%含有することが特に好ましい。この範囲のα化タピオカデンプンおよび/または加工タピオカデンプンを含有することによって、ドーナッツ製造用アレンジミックスをホットケーキミックスに加えて作った生地からドーナッツを製造した時に、ドーナッツの食感が改善され、もちもちしたドーナッツを作ることができる。
アレンジミックスを用いて、例えば以下に記載の方法で、メロンパン・ラスク・ドーナッツを製造することができる。なお、これは、製造する量も含めて製造方法の一例であって、当業者や各家庭などの実際の作り手によって、材料の追加・削除・増減や、時間の変更、温度の変更、および、製品の形の変更などを含めて、適宜変更することが可能である。
卵1個分の溶き卵と、溶かしたバター30gとを加えて混ぜた後、メロンパン製造用アレンジミックス15gとホットケーキミックス150gとをあらかじめ混合したものを加えて、さらに良く混ぜ合わせる。混ぜあがった生地を6等分にし、それぞれを丸める。丸めた生地を、上側の表面が平らになるように押さえつけた後、平らにした表面に格子状の切れ目をしっかり入れ、さらに、飾り用にグラニュー糖を上からかける。このようにして成形した生地を、140℃〜180℃のオーブンで、8分〜15分うっすらと焼き色が付くまで焼成する。
なお、メロンパンミックスを用いる場合には、メロンパン製造用アレンジミックス15gとホットケーキミックス150gとの代わりに、メロンパンミックス165gを使えばよい。
ラスク製造用アレンジミックス15gとホットケーキミックス150gとを混ぜ合わせてから、牛乳100ccを加えて混ぜ、さらに、溶かしたバター30gを加えて良く混ぜ合わせる。混ぜあがった生地を、クッキングシートを敷いた天板に伸ばしてのせ、160℃〜200℃のオーブンで、程よいキツネ色になるまで20分〜30分焼成する。焼きあがった生地のあら熱がとれたら、厚さ1cm程度にスライスし、クッキングシートを敷いた天板に断面を上にして並べて上からグラニュー糖をかけ、さらに140℃〜160℃のオーブンで、30分〜45分かりかりになるまで焼成する。
なお、ラスクミックスを用いる場合には、ラスク製造用アレンジミックス15gとホットケーキミックス150gとの代わりに、ラスクミックス165gを使えばよい。
以下は、ドーナッツの1例として、棒状のドーナッツを製造する場合である。成形の形や材料を適宜変更することで、様々な種類のドーナッツを製造することが可能である。
ドーナッツ製造用アレンジミックス18gとホットケーキミックス大さじ2杯とを混ぜ合わせた後、沸騰したお湯150ccを加えて、さらに良く混ぜ合わせる。混ぜあがった生地を、500W〜700Wの電子レンジで30秒〜50秒間加熱した後、再度混ぜ合わせる。ここに、ホットケーキミックス150gから大さじ2杯をとった残りを加えて良く混ぜ合わせる。出来上がった生地を絞り袋に入れ、丸型の絞り口からクッキングシートに直線状に搾り出し、160℃〜190℃の油で、こんがりした色が付くまで揚げる。
なお、ドーナッツミックスを用いる場合には、ドーナッツ製造用アレンジミックス18gとホットケーキミックス150gとの代わりに、ドーナッツミックス168gを使えばよい。
様々な組成のメロンパン製造用アレンジミックスを調製し、各種メロンパン製造用アレンジミックスとホットケーキミックスとを用いて、メロンパンを製造した。これにより、本願発明に係るメロンパン製造用アレンジミックスが特に優れていることを、以下に示す。
==材料==
メロンパン製造用アレンジミックス 15g
ホットケーキミックス(森永製菓株式会社、小麦粉含有量約75%) 150g
卵(Mサイズ、正味約50g) 1個
バター 30g
グラニュー糖 適量(飾り用)
==製造方法==
1.下準備として、メロンパン製造用アレンジミックス15gとホットケーキミックス150gとをボールに入れて、泡だて器を用いて良く混ぜ合わせ、目視で均一な状態にした。また、卵1個を異なるボールに割り、溶いて、溶き卵にした。さらに、バター30gを加熱し、液体状態の溶かしバターにした。
2.1.で調製した溶き卵と溶かしバターとをボールに入れて、目視で均一な状態になるまで混ぜた。ここに、1.で混ぜ合わせたメロンパン製造用アレンジミックスとホットケーキミックスとを加え、ゴムベラを用いて、粉の固まりが見えなくなるまで良く混ぜ合わせることによって、メロンパンの生地を作った。
3.2.で作った生地を6等分にし、それぞれを丸めた。丸めた生地を、上側の表面が平らに(直径5cm程度に)なるように押さえつけた後、包丁を用いて、平らにした表面に縦3本横3本の格子状の切れ目をしっかり入れた。切り目を入れた表面に、飾り用に、グラニュー糖をかけた。
4.3.で成形した生地を、160℃に予熱しておいた家庭用の3段オーブンの中段で、うっすらと焼き色が付くまで13分間焼成した。
5.焼きあがったメロンパンをオーブンから取り出し、クーラー(金網)の上に乗せて、あら熱がとれるまで放置した。
◎:とても保型性がある
○:保型性がある
△:保型性が悪い
×:保型性が非常に悪い
==しっとり感==
◎:しっとりしている
○:ややしっとりしている
△:パサつき気味である
×:パサついている
==甘味と色味のバランス==
◎:甘味及び色がとてもメロンパンらしい(色づき過ぎていない)
○:甘味及び色が適度にある
△:甘味及び色が適度ではない
×:甘味及び色が全く適度ではない
このように、メロンパン製造用アレンジミックスにおける、α化タピオカデンプンおよび加工タピオカデンプンの配合量の合計は、20重量%〜55重量%であることが好ましく、30重量%〜55重量%であることがより好ましい。また、メロンパン製造用アレンジミックスにおける、デキストリンの配合量は、15重量%〜50重量%であることが好ましく、20重量%〜30重量%であることがより好ましい。
このように、メロンパン製造用アレンジミックスにおける、トレハロースの配合量は、10重量%〜20重量%であることが好ましい。また、メロンパン製造用アレンジミックスにおける、グラニュー糖の配合量は、10重量%〜30重量%であることが好ましく、10重量%〜20重量%であることがより好ましい。
この適切な量および配合は、先ほどの表1を、小麦粉100重量部に対する添加量(重量部)に算出し直した下記表2から求めることができる。
さらに、小麦粉100重量部に対する、トレハロースの添加量は、1.3重量部〜2.7重量部であることが好ましい。また、小麦粉100重量部に対する、グラニュー糖の添加量は、1.3重量部〜4.0重量部であることが好ましく、1.3重量部〜2.7重量部であることがより好ましい。
様々な組成のラスク製造用アレンジミックスを調製し、各種ラスク製造用アレンジミックスとホットケーキミックスとを用いて、ラスクを製造した。これにより、本願発明に係るラスク製造用アレンジミックスが特に優れていることを、以下に示す。
==材料==
ラスク製造用アレンジミックス 15g
ホットケーキミックス(森永製菓株式会社、小麦粉含有量約75%) 150g
牛乳 100cc
バター 30g
グラニュー糖 適量(飾り用)
==製造方法==
1.下準備として、ラスク製造用アレンジミックス15gとホットケーキミックス150gとをボールに入れ、泡だて器を用いて良く混ぜ合わせ、目視で均一な状態にした。また、バターを加熱し、液体状態の溶かしバターにした。
2.1.で混ぜ合わせたラスク製造用アレンジミックスとホットケーキミックスとをボールに入れ、ここに牛乳100ccを加えて、ゴムベラを用いて目視で均一な状態になるまで混ぜた。さらに、溶かしバター30gを加え、ゴムベラを用いてバターがなじむまでしっかり混ぜ合わせることによって、ラスクの生地を作った。
3.2.で作った生地を、クッキングシートを敷いた天板に、ゴムベラを用いて7cmx20cm程度の長方形に伸ばしながらのせた。天板に伸ばした生地を、180℃に予熱しておいた家庭用の3段オーブンの中段で、30分間焼成した(1度焼き)。
4.焼きあがった生地をオーブンから取り出し、クーラー(金網)の上に乗せて、あら熱がとれるまで放置した。あら熱がとれた生地を、厚さ1cm程度にスライスした後、クッキングシートを敷いた天板に、断面を上にして互いに重ならないように並べた。
5.4.で並べた生地の断面に、グラニュー糖をまぶし、150℃に予熱しておいた家庭用の3段オーブンの中段で、かりかりになるまで35分間焼成した(2度焼き)。
6.焼きあがったラスクをオーブンから取り出し、クーラーの上に乗せて、あら熱がとれるまで放置した。
◎:とても保型性がある
○:保型性がある
△:保型性が悪い
×:保型性が非常に悪い
==スライスのしやすさ==
◎:とてもスライスしやすい
○:スライスしやすい
△:スライスしにくい
×:とてもスライスしにくい
==水抜けのしやすさ==
◎:とても水抜けが良い(食感が軽く、かつ、焼成時間が短い)
○:水抜けが良い
△:やや水抜けが悪い
×:水抜けがとても悪い
==ラスクらしい色合い==
◎:とてもラスクらしい(周縁部がキツネ色であり、中心部がうすいキツネ色である)
○:ラスクらしい
△:ややラスクらしくない
×:全くラスクらしくない
このように、ラスク製造用アレンジミックスにおける、α化タピオカデンプンの配合量は、15重量%〜45重量%であることが好ましく、15重量%〜35重量%であることがことより好ましい。
このように、ラスク製造用アレンジミックスにおける、デキストリンの配合量は、35重量%〜65重量%であることが好ましく、45重量%〜65重量%であることがより好ましい。
このように、ラスク製造用アレンジミックスにおいて、ホエイパウダーが配合されていても良く、その配合量は、0重量%〜15重量%が好ましい。また、ラスク製造用アレンジミックスにおける、トレハロースの配合量は、10重量%〜25重量%が好ましい。
この適切な量および配合は、先ほどの表3を、小麦粉100重量部に対する添加量(重量部)に算出し直した下記表4から求めることができる。
さらに、小麦粉100重量部に対する、ホエイパウダーの添加量は、0重量部〜2.0重量部であることが好ましい。また、小麦粉100重量部に対する、トレハロースの添加量は、1.3重量部〜3.3重量部が好ましい。さらに、α化タピオカデンプンの配合量は、3.3重量部〜4.7重量部であることがより好ましい。
様々な組成のドーナッツ製造用アレンジミックスを調製し、各種ドーナッツ製造用アレンジミックスとホットケーキミックスとを用いて、ドーナッツを製造した。これにより、本願発明に係るドーナッツ製造用アレンジミックスが特に優れていることを、以下に示す。
==材料==
ドーナッツ製造用アレンジミックス 18g
ホットケーキミックス(森永製菓株式会社、小麦粉含有量約75%) 150g
沸騰したお湯 150cc
グラニュー糖 適量(飾り用)
揚げ油 適量
==製造方法==
1.電子レンジに使用できる耐熱性のボールに、ドーナッツ製造用アレンジミックス18gとホットケーキミックス大さじ2杯を入れ、泡だて器を用いて良く混ぜ合わせ、目視で均一な状態にした。
2.1.のボールに沸騰したお湯150ccを加え、泡だて器を用いて良く混ぜ合わせた。
3.2.のボールを、500Wの電子レンジで40秒間加熱した。加熱したボールを電子レンジから取り出し、泡だて器を用いて約1分間良く混ぜ合わせた。
4.3.のボールに、残りのホットケーキミックスを加え、ゴムベラを用いて、粉が見えなくなるまで切るようにして良く混ぜ合わせることによって、ドーナッツの生地を作った。
5.4.で作った生地を、絞り袋に入れ、丸型の絞り口からクッキングシートに直線状に搾り出した。
6.5.で搾り出した生地を、クッキングシートごと180℃の揚げ油に入れた。途中ではがれてきたクッキングシートは揚げ油から取り除き、残った生地をさらにこんがり色がつくまで揚げた。
7.揚げ上がった生地を揚げ油から取り出し、油切り網の上に乗せて過剰な油を切った後、生地が暖かいうちにグラニュー糖をまぶすことによって、ドーナッツを製造した。
◎:とてももちもちする
○:もちもちする
△:あまりもちもちしない
×:全くもちもちしない
==油切れとさくさく感==
◎:油にじみがなく、さくさくしている
○:油にじみがさほどなく、ややさくさくしている
△:油にじみがややあり、あまりさくさくしていない
×:油にじみがあり、さくさくしていない
次に、α化タピオカデンプンと加工タピオカデンプンとの他に、さらに乳化剤(エマアップKM−100、理研ビタミン)を含む、サンプル3〜6について評価した。サンプル3〜6は、α化タピオカデンプンと加工タピオカデンプンとの配合量の合計が95重量%であり、乳化剤の配合量が5重量%であるという点では同じであるが、α化タピオカデンプンと加工タピオカデンプンとの配合量の内訳が、サンプル3はα化タピオカデンプンが95重量%であり、サンプル4はα化タピオカデンプンが75重量%および加工タピオカデンプンが20重量%であり、サンプル5はα化タピオカデンプンが60重量%および加工タピオカデンプンが35重量%であり、そして、サンプル6はα化タピオカデンプンが50重量%および加工タピオカデンプンが45重量%である点で異なっている。このサンプル3〜6においては、乳化剤を添加することによって、もちもち感は保ったまま、油切れとさくさく感が著しく向上した。さらに、サンプル3〜5においては、もちもち感、および、油切れとさくさく感ともに、極めて良好な結果を示した。
このように、ドーナッツ製造用アレンジミックスにおいて、食塩が配合されていても良く、その配合量は、0重量%〜1重量%が好ましい。
この適切な量および配合は、先ほどの表5を、小麦粉100重量部に対する添加量(重量部)に算出し直した下記表6から求めることができる。
さらに、小麦粉100重量部に対する、食塩の添加量は、0重量部〜0.16重量部が好ましい。
Claims (16)
- α化タピオカデンプンおよび/または加工タピオカデンプンを20重量%〜55重量%含有し、さらに、デキストリンを15重量%〜50重量%、トレハロースを10重量%〜20重量%、および、砂糖を10重量%〜30重量%含有する、メロンパン製造用アレンジミックス。
- α化タピオカデンプンおよび/または加工タピオカデンプンを30重量%〜55重量%含有し、さらに、デキストリンを15重量%〜50重量%、トレハロースを10重量%〜20重量%、および、砂糖を10重量%〜30重量%含有する、メロンパン製造用アレンジミックス。
- α化タピオカデンプンおよび/または加工タピオカデンプンを20重量%〜55重量%含有し、さらに、デキストリンを20重量%〜30重量%、トレハロースを10重量%〜20重量%、および、砂糖を10重量%〜20重量%含有する、メロンパン製造用アレンジミックス
- α化タピオカデンプンおよび/または加工タピオカデンプンを30重量%〜55重量%含有し、さらに、デキストリンを20重量%〜30重量%、トレハロースを10重量%〜20重量%、および、砂糖を10重量%〜20重量%含有する、メロンパン製造用アレンジミックス。
- 小麦粉100重量部に対して、α化タピオカデンプンおよび/または加工タピオカデンプンを2.7重量部〜7.3重量部含有し、さらに、デキストリンを2.0重量部〜6.7重量部、トレハロースを1.3重量部〜2.7重量部、および、砂糖を1.3重量部〜4.0重量部含有する、メロンパンミックス。
- 小麦粉100重量部に対して、α化タピオカデンプンおよび/または加工タピオカデンプンを4.0重量部〜7.3重量部含有し、さらに、デキストリンを2.0重量部〜6.7重量部、トレハロースを1.3重量部〜2.7重量部、および、砂糖を1.3重量部〜4.0重量部含有する、メロンパンミックス。
- 小麦粉100重量部に対して、α化タピオカデンプンおよび/または加工タピオカデンプンを2.7重量部〜7.3重量部含有し、さらに、デキストリンを2.7重量部〜4.0重量部、トレハロースを1.3重量部〜2.7重量部、および、砂糖を1.3重量部〜2.7重量部含有する、メロンパンミックス。
- 小麦粉100重量部に対して、α化タピオカデンプンおよび/または加工タピオカデンプンを4.0重量部〜7.3重量部含有し、さらに、デキストリンを2.7重量部〜4.0重量部、トレハロースを1.3重量部〜2.7重量部、および、砂糖を1.3重量部〜2.7重量部含有する、メロンパンミックス。
- α化タピオカデンプンを15重量%〜45重量%含有し、さらに、デキストリンを35重量%〜65重量%、トレハロースを10重量%〜25重量%、および、ホエイパウダーを0重量%〜15重量%含有する、ラスク製造用アレンジミックス。
- α化タピオカデンプンを15重量%〜35重量%含有し、さらに、デキストリンを35重量%〜65重量%、トレハロースを10重量%〜25重量%、および、ホエイパウダーを0重量%〜15重量%含有する、ラスク製造用アレンジミックス。
- α化タピオカデンプンを15重量%〜45重量%含有し、さらに、デキストリンを45重量%〜65重量%、トレハロースを10重量%〜25重量%、および、ホエイパウダーを0重量%〜15重量%含有するラスク製造用アレンジミックス。
- α化タピオカデンプンを15重量%〜35重量%含有し、さらに、デキストリンを45重量%〜65重量%、トレハロースを10重量%〜25重量%、および、ホエイパウダーを0重量%〜15重量%含有するラスク製造用アレンジミックス。
- 小麦粉100重量部に対して、α化タピオカデンプンを2.0重量部〜6.0重量部含有し、さらに、デキストリンを4.7重量部〜8.7重量部、トレハロースを1.3重量部〜3.3重量部、および、ホエイパウダーを0重量部〜2.0重量部含有するラスクミックス。
- 小麦粉100重量部に対して、α化タピオカデンプンを2.0重量部〜4.7重量部含有し、さらに、デキストリンを4.7重量部〜8.7重量部、トレハロースを1.3重量部〜3.3重量部、および、ホエイパウダーを0重量部〜2.0重量部含有するラスクミックス。
- 小麦粉100重量部に対して、α化タピオカデンプンを2.0重量部〜6.0重量部含有し、さらに、デキストリンを6.0重量部〜8.7重量部、トレハロースを1.3重量部〜3.3重量部、および、ホエイパウダーを0重量部〜2.0重量部含有するラスクミックス。
- 小麦粉100重量部に対して、α化タピオカデンプンを2.0重量部〜4.7重量部含有し、さらに、デキストリンを6.0重量部〜8.7重量部、トレハロースを1.3重量部〜3.3重量部、および、ホエイパウダーを0重量部〜2.0重量部含有するラスクミックス。
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