JP7163521B2 - パン - Google Patents
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Description
しかし、パンにカテキン類を配合する場合には、カテキン類が有する化学的還元力の影響が問題となる。すなわち、パン生地にカテキン類を配合すると、カテキン類がグルテンのS-S結合を還元して当該結合を切断するため、パン生地が発酵ガスを十分に包み込むことができずにパン生地の膨らみが悪くなる。その結果、得られるパンは比容積が小さく、外観や食感に劣るものとなる。
また本発明は、アラビノキシランを有効成分とする、カテキン類を含有するパン生地の発酵膨張促進剤及び焼成膨張促進剤を提供するものである。
また、本発明のパンの製造方法によれば、カテキン類を高含有しながらも、比容積が十分に大きく、軽く柔らかな食感を感じるパンを得ることができる。
さらに、本発明の、カテキン類を含有するパン生地の発酵膨張促進剤ないし焼成膨張促進剤は、カテキン類を高含有するパン生地に配合することにより、得られるパンを、カテキン類を高含有しながらも、比容積が十分に大きく、軽く柔らかな食感を感じるものとすることができる。
本発明で「パン」という場合、穀粉発酵食品(穀粉を原料とする発酵食品)全般を広く包含する意味である。
本明細書において「パン」とは、例えば、食パン、菓子パン、特殊パン、調理パン等のパンであってカテキン類を含有するものや、カテキン類を含有するピザなどを含むものとする。食パンとしては、例えば白パン、黒パン、フランスパン、バラエティーブレッド、ロール類(テーブルロール、バンズ、バターロール等)が挙げられる。菓子パンとしては、例えばジャムパン、あんパン、クリームパン、レーズンパン、メロンパン、スイートロール、リッチグッズ(クロワッサン、ブリオッシュ、デニッシュ、ペストリー等)が挙げられる。特殊パンとしては、例えばマフィン等が挙げられる。調理パンとしては、例えばホットドック、ハンバーガー等が挙げられる。なかでも本発明のパンは、カテキン類を含有する食パンであることが好ましい。
なお、本発明において、パン(発酵させたパン生地を焼成して得られるパン)中の成分含有量の規定については、焼成前のパン生地に由来する部分における成分含有量を意味する。例えば、上記の「あんパン」であれば、「あん」を除いた部分における成分含有量を意味し、ホットドックであれば、パンに挟み込むソーセージ等の具材を除いた部分における成分含有量を意味する。
本発明に用いるカテキン類は、非重合体カテキン類が好ましい。非重合体カテキン類としては、例えば、エピガロカテキン、エピカテキン、ガロカテキン、カテキンなどの遊離型カテキン類や、これら遊離型カテキン類にガレート基が結合したガレート型カテキン類(エピガロカテキンガレート、エピカテキンガレート、ガロカテキンガレート、カテキンガレートなど)を用いることができる。本発明のパンは、エピガロカテキン、エピカテキン、ガロカテキン、カテキン、エピガロカテキンガレート、エピカテキンガレート、ガロカテキンガレート、及びカテキンガレートの1種又は2種以上を含むことが好ましい。
本発明のパンに含まれるカテキン類は、ガレート型カテキン類であることがより好ましい。
上記カテキン類含有植物としては、例えば茶、ブドウ、リンゴ、大豆、さくらんぼ、梨、ブラックベリー等のカテキン類を含有する植物が挙げられ、これらのうち茶が好ましい。茶としては、例えば緑茶、烏龍茶、紅茶、白茶、黄茶、黒茶等が挙げられ、これらのうち緑茶が好ましい。また、緑茶を用いる場合は、茶葉を使用することが好ましい。
本明細書において「カテキン類含有植物の破砕物」とは、上記カテキン類含有植物を所望のサイズまで破砕した破砕物である。破砕方法としては、カテキン類含有植物が破砕できれば特に制限されず、例えば、ナイフやカッター等でみじん切りにしても良いし、ミキサーやフードプロセッサーなどを用いて破砕しても良い。
本明細書において「カテキン類含有植物のスラリー状調製物」(カテキン類スラリー状調製物)とは、上記カテキン類含有植物の破砕物をスラリー状(液体媒体中に粉砕物を分散させた状態)に調製した調製物、又はカテキン類含有植物を液体の存在下で破砕して調製したスラリー状調製物である。
本明細書において「カテキン類スラリー状調製物の抽出物」(カテキン類抽出物)における「抽出物」とは、通常よりも広義の意味に用いている。すなわち、カテキン抽出物とは、上記スラリー状調製物を固液分離して得られた抽出液及び/又は抽出残渣を意味する(抽出物と抽出残渣の両方を包含する意味である)。本発明に用い得るカテキン類抽出物とは、液状、粉末状、ペースト状のいずれであってもよい。液状やペースト状の場合、さらに濃縮したものを用いることもできる。抽出方法等は特に制限されず、例えば、特開昭59-219384号公報、特開平4-20589号公報、特開平5-260907号公報、特開平5-306279号公報等を参照して抽出することができる。
本明細書において「カテキン類抽出物の精製物」(カテキン類精製物)とは、上記カテキン類抽出物をさらに精製したものである。精製方法としては、例えばゲル濾過、各種クロマトグラフィー、精密蒸留等により、生理活性の高い画分を分画する等の分離手段を取ることができる。また、当該精製物は液状、粉末状、ペースト状のいずれであってもよい。液状やペースト状の場合、さらに濃縮したものを用いることもできる。
また、市販のカテキン製剤を用いる場合は、付属の成分表等に記載のカテキン類の種類及び濃度を参照することができる。
また、上記と同様の観点から、本発明のパン中におけるカテキン類の含有量は、0.2~1.9質量%が好ましく、0.3~1.7質量%がより好ましく、0.4~1.3質量%がより好ましく、0.5~1.1質量%がより好ましく、0.6~0.9質量%がさらに好ましい。
アラビノキシランは一般的に、針葉樹やイネ(Poaceae)科の植物に多く含まれ、特に穀物の外皮に多く含まれる。アラビノキシラン含有植物としては、例えば小麦、大麦、エン麦、ライ麦、米、ヒエ、アワ、トウモロコシ、タケ、オーツ麦等が挙げられる。中でも、小麦や大麦由来のアラビノキシランを用いることが好ましく、小麦や大麦のふすま由来のアラビノキシランを用いることがさらに好ましい。
本明細書において「アラビノキシラン含有植物の破砕物」とは、上記アラビノキシラン含有植物を所望のサイズまで破砕した破砕物である。破砕方法としては、アラビノキシラン含有植物が破砕できれば特に制限されず、例えば、ナイフ等でみじん切りにしても良いし、ミキサーやフードプロセッサーなどを用いて破砕しても良い。また、例えばアラビノキシラン含有植物のうち、ふすまなどのアラビノキシランを多く含有する部分を粉砕し、この粉砕物を必要により常法により加工し、アラビノキシラン含有植物の破砕物として用いることもできる。
本明細書において「アラビノキシラン含有植物のスラリー状調製物」とは、上記アラビノキシラン含有植物の破砕物をスラリー状に調製した調製物、又はアラビノキシラン含有植物を液体の存在下で破砕して調製したスラリー状調製物である。
本明細書において「アラビノキシラン含有植物のスラリー状調製物の抽出物」(アラビノキシラン抽出物)とは、上記スラリー状調製物を固液分離して得られた抽出液及び/又は抽出残渣を意味する。本発明に用い得るアラビノキシラン抽出物とは、液状、粉末状、ペースト状のいずれであってもよい。液状やペースト状の場合、さらに濃縮したものを用いることもできる。抽出方法等は特に制限されず、常法に従い抽出することができる。
本明細書において「アラビノキシラン抽出物の精製物」(アラビノキシラン精製物)とは、上記アラビノキシラン抽出物をさらに精製したものである。精製方法としては、例えばゲル濾過、各種クロマトグラフィー、精密蒸留等により活性の高い画分を分画する等の分離手段を取ることができる。また、当該精製物は液状、粉末状、ペースト状のいずれであってもよい。液状やペースト状の場合、さらに濃縮したものを用いることもできる。
アラビノキシラン含有植物又はその処理物中のアラビノキシランの含有量は、例えば実施例に記載の方法等によって決定することができる。
また、本発明で用いるアラビノキシランを構成するアラビノースとキシロースとの比についても、本発明の効果を損なわない範囲で、適宜設定することができる。例えば、キシロースに対するアラビノースの比(Ara:Xyl比)は、質量基準で、0.01:1以上が好ましく、0.05:1以上がより好ましく、0.1:1以上がより好ましい。またその上限値は、10:1が好ましく、2:1がより好ましく、1.2:1がより好ましい。あるいは、0.01:1~10:1が好ましく、0.05:1~2:1がより好ましく、0.1:1~1.2:1がより好ましい。
なお、本発明で用いるアラビノキシランは、アラビノース及びキシロースに加えて、これらの単糖以外の糖が結合して構成されていてもよい。アラビノキシランを構成するアラビノース及びキシロース以外の糖としては、グルコース、ガラクトースなどが挙げられる。また、アラビノキシランにおける、これらのアラビノキシランを構成するアラビノース及びキシロース以外の糖の組成比は、10質量%以下が好ましく、7質量%以下がより好ましく、5質量%以下がより好ましい。
また、上記と同様の観点から、本発明のパンに含まれるアラビノキシランの含有量は0.1~4.5質量%が好ましく、0.2~3.3質量%がより好ましく、0.4~2.5質量%がより好ましく、0.7~2.2質量%がより好ましく、0.9~2.0質量%がより好ましく、1.0~1.9質量%がさらに好ましい。
また、上記と同様の観点から、当該比の値は0.5~4.7が好ましく、1.0~4.5がより好ましく、1.2~4.0がより好ましく、1.3~3.5がより好ましく、1.4~3.0がより好ましく、1.4~2.8がより好ましく、1.5~2.7がさらに好ましい。
例えば、本発明のパンは、パン生地の調製において、所望量の穀粉、水、上述したカテキン類供給源、並びに上述したアラビノキシラン供給源に加えて、さらにイースト、イーストフード、乳製品、食塩、糖類、油脂、膨剤、香料、乳化剤、結着剤、粉乳、アミノ酸、たん白、食用色素等を含有することができる。また、さらにチョコレート、ココア、乾燥野菜、乾燥果物、ナッツ類、肉類等を添加することもできる。これらの添加物の配合方法に特に制限はなく、生地に練りこんでもよいし、焼成後のパンに添加しても良い。なお、焼成後のパンに添加する形態の場合、パン中の各成分の含有量の決定において、焼成後のパンに添加した成分の量はパンの成分として考慮しないものとする。
<工程1:発酵工程>
本発明において「発酵工程」とは、少なくとも穀粉と、カテキン類と、アラビノキシランとを含有するパン生地を発酵させる工程である。各成分を配合するための原料については上記で説明した通りである。パン生地の調製における各成分の混合時間は適宜に調整されるものであり、通常は常温で30~60分間混合する。より詳細には、この混合においてイースト、水などが配合され、パン生地が調製される。また、必要に応じて上記材料以外の原料を適宜配合することができる。
本発明の混合は、例えばミキサー、ニーダーなどを用いて行うことができる。
上記各原料の混合により得られたパン生地の発酵温度は適宜に調整されるものであり、通常は25~40℃である。また、相対湿度も適宜に調整されるものであり、通常は相対湿度60~80%である。さらに、発酵時間も適宜に調整され、通常は60~180分間である。
本発明において「熟成工程」とは、前記発酵工程後のパン生地を成形し、熟成させる工程を意味する。熟成温度は適宜に調整されるものであるが、通常は25~40℃である。また、相対湿度も適宜に調整されるものであるが、通常は相対湿度60~80%である。さらに、熟成時間も適宜に調整され、通常は30~120分間である。製造するパンが、食パンなどの製パン型を用いるパンである場合は、パン生地を焼成工程において使用する製パン型に入れて熟成することも好ましい。
なお、熟成工程には、例えば恒温調湿槽を用いることができる。
本発明において「焼成工程」とは、前記発酵工程後のパン生地、又は前記熟成工程後のパン生地を、オーブン等を用いて焼成する工程を意味する。焼成温度は適宜に調整されるものであるが、通常は180~240℃である。また焼成時間も適宜に調整されるものであるが、通常は10~60分間である。
工程1:少なくとも穀粉と、カテキン類と、アラビノキシランとを含有するパン生地を発酵させる工程;
工程2:工程1により得られた発酵後のパン生地を焼成する工程。
工程1:少なくとも穀粉と、カテキン類と、アラビノキシランとを含有するパン生地を発酵させる工程;
工程2:工程1により得られた発酵後のパン生地を焼成する工程。
工程1:少なくとも穀粉と、カテキン類と、アラビノキシランとを含有するパン生地を発酵させる工程;
工程2:工程1により得られた発酵後のパン生地を焼成する工程。
工程1:少なくとも穀粉と、カテキン類と、アラビノキシランとを含有するパン生地を発酵させる工程;
工程2:工程1により得られた発酵後のパン生地を焼成する工程。
工程1:少なくとも穀粉と、カテキン類と、アラビノキシランとを含有するパン生地を発酵させる工程;
工程2:工程1により得られた発酵後のパン生地を焼成する工程。
工程1:少なくとも穀粉と、カテキン類と、アラビノキシランとを含有するパン生地を発酵させる工程;
工程2:工程1により得られた発酵後のパン生地を焼成する工程。
工程3:前記工程1後のパン生地を成形し、熟成させる工程。
パン生地中(焼成前のパン生地中;配合した水を含む)のカテキン類の含有量は、0.1~2.0質量%が好ましく、0.3~1.8質量%がより好ましく、0.5~1.5質量%がより好ましく、0.6~1.0質量%がさらに好ましい。なお、当該パン生地中のカテキン類の含有量は、焼成後のパン中に好ましくは0.1~2.2質量%、より好ましくは0.2~1.9質量%、さらに好ましくは0.3~1.7質量%、さらに好ましくは0.4~1.3質量%、さらに好ましくは0.5~1.1質量%、さらに好ましくは0.6~0.9質量%となる量である。
また、上記と同様の観点から、当該比の値は0.5~4.7が好ましく、1.0~4.5がより好ましく、1.2~4.0がより好ましく、1.3~3.5がより好ましく、1.4~3.0がより好ましく、1.5~2.8がより好ましく、1.5~2.7がさらに好ましい。
また、パン生地中(焼成前のパン生地中;配合された水分を含む)への本発明の発酵膨張促進剤の配合量は、パン生地中において、アラビノキシランの含有量が、0.1質量%以上となるようにすることが好ましく、0.2質量%以上となるようにすることがより好ましく、0.4質量%以上となるようにすることがより好ましく、0.6質量%以上となるようにすることがより好ましく、0.8質量%以上となるようにすることがより好ましく、0.9質量%以上となるようにすることがさらに好ましい。また、当該配合量は、4.0質量%以下となるようにすることが好ましく、3.0質量%以下となるようにすることがより好ましく、2.5質量%以下となるようにすることがより好ましく、2.0質量%以下となるようにすることがより好ましく、1.8質量%以下となるようにすることがより好ましく、1.7質量%以下となるようにすることがさらに好ましい。
また、当該配合量は、パン生地中において、アラビノキシランの含有量が0.1~4.0質量%となるようにすることが好ましく、0.2~3.0質量%となるようにすることがより好ましく、0.4~2.5質量%となるようにすることがより好ましく、0.6~2.0質量%となるようにすることがより好ましく、0.8~1.8質量%となるようにすることがより好ましく、0.9~1.7質量%となるようにすることがさらに好ましい。なお、当該パン生地中に配合されたアラビノキシラン量は、焼成後のパン中に好ましくは0.1~4.5質量%、より好ましくは0.2~3.3質量%、より好ましくは0.4~2.5質量%、より好ましくは0.7~2.2質量%、より好ましくは0.9~2.0質量%、さらに好ましくは1.0~1.9質量%となる量とすることができる。
本発明の焼成膨張促進剤の組成、使用方法等は、本発明の発酵膨張促進剤における説明をそのまま適用できる。
本発明の発酵膨張促進方法及び焼成膨張促進方法におけるアラビノキシラン、カテキン類等の由来や使用量等は、本発明のパンの製造方法、本発明の発酵膨張促進剤、本発明の焼成膨張促進剤における説明を適宜適用できる。
カテキン類を含有するパンであって、
前記パンはアラビノキシランを含有し、前記パン中において、前記カテキン類の含有量が0.1~2.2質量%、かつ、前記カテキン類の含有量に対する前記アラビノキシランの含有量の比の値が、質量比で0.1~5.5である、パン。
前記パン中の前記カテキン類の含有量が、好ましくは0.2質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上、より好ましくは0.4質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは0.6質量%以上である、前記<1>記載のパン。
<3>
前記パン中の前記カテキン類の含有量が、好ましくは1.9質量%以下、より好ましくは1.7質量%以下、より好ましくは1.3質量%以下、より好ましくは1.1質量%以下、さらに好ましくは0.9質量%以下である、前記<1>又は<2>記載のパン。
<4>
前記パン中の前記カテキン類の含有量が、好ましくは0.2~1.9質量%、より好ましくは0.3~1.7質量%、より好ましくは0.4~1.3質量%、より好ましくは0.5~1.1質量%、さらに好ましくは0.6~0.9質量%以下である、前記<1>~<3>のいずれか1項記載のパン。
<5>
前記カテキン類の含有量に対する前記アラビノキシランの含有量の比の値が、質量比で好ましくは0.5以上、より好ましくは1.0以上、より好ましくは1.2以上、より好ましくは1.3以上、より好ましくは1.4以上、さらに好ましくは1.5以上である、前記<1>~<4>のいずれか1項記載のパン。
<6>
前記カテキン類の含有量に対する前記アラビノキシランの含有量の比の値が、質量比で好ましくは4.7以下、より好ましくは4.5以下、より好ましくは4.0以下、より好ましくは3.5以下、より好ましくは3.0以下、より好ましくは2.8以下、さらに好ましくは2.7以下である、前記<1>~<5>のいずれか1項記載のパン。
<7>
前記カテキン類の含有量に対する前記アラビノキシランの含有量の比の値が、質量比で好ましくは0.5~4.7、より好ましくは1.0~4.5、より好ましくは1.2~4.0、より好ましくは1.3~3.5、より好ましくは1.4~3.0、より好ましくは1.5~2.8、さらに好ましくは1.5~2.7である、前記<1>~<6>のいずれか1項記載のパン。
<8>
前記パン中の前記アラビノキシランの含有量が、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、より好ましくは0.4質量%以上、より好ましくは0.7質量%以上、より好ましくは0.9質量%以上、さらに好ましくは1.0質量%以上である、前記<1>~<7>のいずれか1項記載のパン。
<9>
前記パン中の前記アラビノキシランの含有量が、好ましくは4.5質量%以下、より好ましくは3.3質量%以下、より好ましくは2.5質量%以下、より好ましくは2.2質量%以下、より好ましくは2.0質量%以下、さらに好ましくは1.9質量%以下である、前記<1>~<8>のいずれか1項記載のパン。
<10>
前記パン中の前記アラビノキシランの含有量が、好ましくは0.1~4.5質量%、より好ましくは0.2~3.3質量%、より好ましくは0.4~2.5質量%、より好ましくは0.7~2.2質量%、より好ましくは0.9~2.0質量%、さらに好ましくは1.0~1.9質量%である、前記<1>~<9>のいずれか1項記載のパン。
<11>
前記カテキン類が、好ましくは茶、ブドウ、リンゴ、大豆、さくらんぼ、梨、及びブラックベリーからなる群より選ばれる少なくとも1種の植物、より好ましくは茶に由来する、前記<1>~<10>のいずれか1項記載のパン。
<12>
前記カテキン類が好ましくは非重合体カテキン類、より好ましくはガレート型カテキン類である、前記<1>~<11>のいずれか1項記載のパン。
<13>
前記非重合体カテキン類が、好ましくは茶カテキン、より好ましくはエピガロカテキンガレート、エピカテキンガレート、ガロカテキンガレート、カテキンガレート、エピガロカテキン、エピカテキン、ガロカテキン、及びカテキンからなる群より選ばれる少なくとも1種である、前記<12>記載のパン。
<14>
前記アラビノキシランが、好ましくは小麦、大麦、エン麦、ライ麦、米、ヒエ、アワ、トウモロコシ、タケ、及びオーツ麦からなる群より選ばれる少なくとも1種の植物、より好ましくは小麦又は大麦に由来する、前記<1>~<13>のいずれか1項記載のパン。
<15>
前記アラビノキシランの重量平均分子量が、好ましくは3,000以上、より好ましくは10,000以上、さらに好ましくは50,000以上である、前記<1>~<14>のいずれか1項記載のパン。
<16>
前記アラビノキシランの重量平均分子量が、好ましくは1,000,000以下、より好ましくは500,000以下、さらに好ましくは200,000以下である、前記<1>~<15>のいずれか1項記載のパン。
<17>
前記アラビノキシランの重量平均分子量が、好ましくは3,000~500,000、より好ましくは50,000~200,000である、前記<1>~<16>のいずれか1項記載のパン。
<18>
前記アラビノキシラン中の、キシロースに対するアラビノースの比が、質量基準で
0.01:1以上、好ましくは0.1:1以上である、前記<1>~<17>のいずれか1項記載のパン。
<19>
前記アラビノキシラン中の、キシロースに対するアラビノースの比が、質量基準で
10:1以下、好ましくは2:1以下、より好ましくは1.2:1以下である、前記<1>~<18>のいずれか1項記載のパン。
<20>
前記アラビノキシラン中の、キシロースに対するアラビノースの比が、質量基準で
0.01:1~10:1、好ましくは0.05:1~2:1、より好ましくは0.1:1~1.2:1である、前記<1>~<19>のいずれか1項記載のパン。
<21>
前記パンが、カテキン類を含有する食パン、菓子パン、特殊パン、調理パン等のパン、又はカテキン類を含有するピザである、前記<1>~<20>のいずれか1項記載のパン。
下記工程1及び2を含む、前記<1>~<21>に記載のパンの製造方法。
工程1:少なくとも穀粉と、カテキン類と、アラビノキシランとを含有するパン生地を発酵させる工程;
工程2:工程1により得られた発酵後のパン生地を焼成する工程。
<23>
前記パンの製造方法が、前記工程1の後、前記工程2の前に、さらに下記工程3を含み、かつ前記工程2において使用するパン生地が、下記工程3により得られるパン生地である、前記<22>に記載のパンの製造方法。
工程3:前記工程1後のパン生地を成形し、熟成させる工程。
<24>
前記工程1が、好ましくは発酵温度が25~40℃、相対湿度が60~80%、発酵時間が60~180分間である、前記<22>又は<23>記載のパンの製造方法。
<25>
前記工程2が、好ましくは焼成温度が180~240℃、焼成時間が10~60分間である、前記<22>~<24>のいずれか1項記載のパンの製造方法。
<26>
前記工程3が、好ましくは熟成温度が25~40℃、相対湿度が60~80%、熟成時間が30~120分間である、前記<22>~<25>のいずれか1項記載のパンの製造方法。
<27>
前記穀粉が、好ましくは小麦粉、米粉、大麦粉、ライ麦粉、トウモロコシ粉、及びひえ粉の少なくとも1種、より好ましくは小麦粉、大麦粉及びライ麦粉の少なくとも1種、さらに好ましくは小麦粉である、前記<22>~<26>のいずれか1項記載のパンの製造方法。
<28>
前記パン生地にイーストを配合する、前記<22>~<27>のいずれか1項記載のパンの製造方法。
<29>
前記イーストが、ドライイースト、生イースト、及びインスタントドライイーストの少なくとも1種である、前記<28>記載のパンの製造方法。
<30>
前記イーストの配合量が、前記穀粉100質量部に対して好ましくは0.2~5.5質量部、より好ましくは0.5~2.0質量部である、前記<28>又は<29>記載のパンの製造方法。
アラビノキシランを有効成分とする、カテキン類を含有するパン生地の発酵膨張促進剤。
<32>
アラビノキシランを有効成分とする、カテキン類を含有するパン生地の焼成膨張促進剤。
<33>
前記カテキン類が、好ましくは前記<11>~<13>のいずれか1項に記載のカテキン類である、前記<31>又は<32>記載の剤。
<34>
前記アラビノキシランが、好ましくは前記<14>~<20>のいずれか1項に記載のアラビノキシランである、前記<31>~<33>のいずれか1項記載の剤。
<35>
前記剤中のアラビノキシランの含有量が、好ましくは2.0質量%以上、より好ましくは5.0質量%以上、さらに好ましくは10.0質量%以上である、前記<31>~<34>のいずれか1項記載の剤。
<36>
前記剤中のアラビノキシランの含有量が、好ましくは90.0質量%以下、好ましくは50.0質量%以下、さらに好ましくは30.0質量%以下である、前記<31>~<35>のいずれか1項記載の剤。
<37>
前記剤中のアラビノキシランの含有量が、好ましくは2.0~90.0質量%、より好ましくは5.0~50.0質量%、さらに好ましくは10.0~30.0質量%である、前記<31>~<36>のいずれか1項記載の剤。
<38>
カテキン類の含有量に対する前記アラビノキシランの含有量の比の値が、質量比で好ましくは0.1以上、より好ましくは0.5以上、より好ましくは1.0以上、より好ましくは1.2以上、より好ましくは1.3以上、より好ましくは1.4以上、さらに好ましくは1.5以上である、前記<31>~<37>のいずれか1項記載の剤。
<39>
カテキン類の含有量に対する前記アラビノキシランの含有量の比の値が、質量比で好ましくは5.5以下、より好ましくは4.7以下、より好ましくは4.5以下、より好ましくは4.0以下、より好ましくは3.5以下、より好ましくは3.0以下、より好ましくは2.8以下、さらに好ましくは2.7以下である、前記<31>~<38>のいずれか1項記載の剤。
<40>
カテキン類の含有量に対する前記アラビノキシランの含有量の比の値が、質量比で好ましくは0.1~5.5、より好ましくは0.5~4.7、より好ましくは1.0~4.5、より好ましくは1.2~4.0、より好ましくは1.3~3.5、より好ましくは1.4~3.0、より好ましくは1.5~2.8、さらに好ましくは1.5~2.7である、前記<31>~<39>のいずれか1項記載の剤。
<41>
前記パン生地において、前記アラビノキシランの含有量が、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、より好ましくは0.4質量%以上、より好ましくは0.6質量%以上、より好ましくは0.8質量%以上、さらに好ましくは0.9質量%以上となるように配合される、前記<31>~<40>のいずれか1項記載の剤。
<42>
前記パン生地において、前記アラビノキシランの含有量が、好ましくは4.0質量%以下、より好ましくは3.0質量%以下、より好ましくは2.5質量%以下、より好ましくは2.0質量%以下、より好ましくは1.8質量%以下、さらに好ましくは1.7質量%以下となるように配合される、前記<31>~<41>のいずれか1項記載の剤。
<43>
前記パン生地において、前記アラビノキシランの含有量が、好ましくは0.1~4.0質量%、より好ましくは0.2~3.0質量%、より好ましくは0.4~2.5質量%、より好ましくは0.6~2.0質量%、より好ましくは0.8~1.8質量%、さらに好ましくは0.9~1.7質量%となるように配合される、前記<31>~<42>のいずれか1項記載の剤。
<44>
前記パン生地において、カテキン類の含有量に対する前記アラビノキシランの含有量の比の値が、質量比で好ましくは0.1以上、より好ましくは0.5以上、より好ましくは1.0以上、より好ましくは1.2以上、より好ましくは1.3以上、より好ましくは1.4以上、さらに好ましくは1.5以上となるように配合される、前記<31>~<43>のいずれか1項記載の剤。
<45>
前記パン生地において、カテキン類の含有量に対する前記アラビノキシランの含有量の比の値が、質量比で好ましくは5.5以下、より好ましくは4.7以下、より好ましくは4.5以下、より好ましくは4.0以下、より好ましくは3.5以下、より好ましくは3.0以下、より好ましくは2.8以下、さらに好ましくは2.7以下となるように配合される、前記<31>~<44>のいずれか1項記載の剤。
<46>
前記パン生地において、カテキン類の含有量に対する前記アラビノキシランの含有量の比の値が、質量比で好ましくは0.1~5.5、より好ましくは0.5~4.7、より好ましくは1.0~4.5、より好ましくは1.2~4.0、より好ましくは1.3~3.5、より好ましくは1.4~3.0、より好ましくは1.5~2.8、さらに好ましくは1.5~2.7となるように配合される、前記<31>~<45>のいずれか1項記載の剤。
パン生地中にカテキン類とアラビノキシランとを共存させて該パン生地を発酵させることを含む、カテキン類を含有するパン生地の発酵膨張促進方法。
<48>
パン生地中にカテキン類とアラビノキシランとを共存させて発酵させたパン生地を焼成することを含む、カテキン類を含有するパン生地の焼成膨張促進方法。
<49>
前記カテキン類が、好ましくは前記<11>~<13>のいずれか1項に記載のカテキン類である、前記<47>又は<48>記載の方法。
<50>
前記アラビノキシランが、好ましくは前記<14>~<20>のいずれか1項に記載のアラビノキシランである、前記<47>~<49>のいずれか1項記載の方法。
<51>
前記パン生地において、前記アラビノキシランの含有量を、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、より好ましくは0.4質量%以上、より好ましくは0.6質量%以上、より好ましくは0.8質量%以上、さらに好ましくは0.9質量%以上とする、前記<47>~<50>のいずれか1項記載の方法。
<52>
前記パン生地において、前記アラビノキシランの含有量を、好ましくは4.0質量%以下、より好ましくは3.0質量%以下、より好ましくは2.5質量%以下、より好ましくは2.0質量%以下、より好ましくは1.8質量%以下、さらに好ましくは1.7質量%以下とする、前記<47>~<51>のいずれか1項記載の方法。
<53>
前記パン生地において、前記アラビノキシランの含有量を、好ましくは0.1~4.0質量%、より好ましくは0.2~3.0質量%、より好ましくは0.4~2.5質量%、より好ましくは0.6~2.0質量%、より好ましくは0.8~1.8質量%、さらに好ましくは0.9~1.7質量%とする、前記<47>~<52>のいずれか1項記載の方法。
<54>
前記カテキン類の含有量に対する前記アラビノキシランの含有量の比の値を、質量比で好ましくは0.1以上、より好ましくは0.5以上、より好ましくは1.0以上、より好ましくは1.2以上、より好ましくは1.3以上、より好ましくは1.4以上、さらに好ましくは1.5以上とする、前記<47>~<53>のいずれか1項記載の方法。
<55>
前記カテキン類の含有量に対する前記アラビノキシランの含有量の比の値を、質量比で好ましくは5.5以下、より好ましくは4.7以下、より好ましくは4.5以下、より好ましくは4.0以下、より好ましくは3.5以下、より好ましくは3.0以下、より好ましくは2.8以下、さらに好ましくは2.7以下とする、前記<47>~<54>のいずれか1項記載の方法。
<56>
前記カテキン類の含有量に対する前記アラビノキシランの含有量の比の値を、質量比で好ましくは0.1~5.5、より好ましくは0.5~4.7、より好ましくは1.0~4.5、より好ましくは1.2~4.0、より好ましくは1.3~3.5、より好ましくは1.4~3.0、より好ましくは1.5~2.8、さらに好ましくは1.5~2.7とする、前記<47>~<55>のいずれか1項記載の方法。
カテキン類を含有するパン生地の発酵膨張を促進させるための、アラビノキシランの使用。
<58>
カテキン類を含有するパン生地の焼成膨張を促進させるための、アラビノキシランの使用。
<59>
前記カテキン類が、好ましくは前記<11>~<13>のいずれか1項に記載のカテキン類である、前記<57>又は<58>記載の使用。
<60>
前記アラビノキシランが、好ましくは前記<14>~<20>のいずれか1項に記載のアラビノキシランである、前記<57>~<59>のいずれか1項記載の使用。
<61>
前記パン生地において、前記アラビノキシランの含有量が、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、より好ましくは0.4質量%以上、より好ましくは0.6質量%以上、より好ましくは0.8質量%以上、さらに好ましくは0.9質量%以上となるように用いる、前記<57>~<60>のいずれか1項記載の使用。
<62>
前記パン生地において、前記アラビノキシランの含有量が、好ましくは4.0質量%以下、より好ましくは3.0質量%以下、より好ましくは2.5質量%以下、より好ましくは2.0質量%以下、より好ましくは1.8質量%以下、さらに好ましくは1.7質量%以下となるように用いる、前記<57>~<61>のいずれか1項記載の使用。
<63>
前記パン生地において、前記アラビノキシランの含有量が、好ましくは0.1~4.0質量%、より好ましくは0.2~3.0質量%、より好ましくは0.4~2.5質量%、より好ましくは0.6~2.0質量%、より好ましくは0.8~1.8質量%、さらに好ましくは0.9~1.7質量%となるように用いる、前記<57>~<62>のいずれか1項記載の使用。
<64>
前記カテキン類の含有量に対する前記アラビノキシランの含有量の比の値が、質量比で好ましくは0.1以上、より好ましくは0.5以上、より好ましくは1.0以上、より好ましくは1.2以上、より好ましくは1.3以上、より好ましくは1.4以上、さらに好ましくは1.5以上となるように用いる、前記<57>~<63>のいずれか1項記載の使用。
<65>
前記カテキン類の含有量に対する前記アラビノキシランの含有量の比の値が、質量比で好ましくは5.5以下、より好ましくは4.7以下、より好ましくは4.5以下、より好ましくは4.0以下、より好ましくは3.5以下、より好ましくは3.0以下、より好ましくは2.8以下、さらに好ましくは2.7以下となるように用いる、前記<57>~<64>のいずれか1項記載の使用。
<66>
前記カテキン類の含有量に対する前記アラビノキシランの含有量の比の値が、質量比で好ましくは0.1~5.5、より好ましくは0.5~4.7、より好ましくは1.0~4.5、より好ましくは1.2~4.0、より好ましくは1.3~3.5、より好ましくは1.4~3.0、より好ましくは1.5~2.8、さらに好ましくは1.5~2.7となるように用いる、前記<57>~<65>のいずれか1項記載の使用。
少なくとも穀粉と、カテキン類と、アラビノキシランと、イーストと、水とを混合することを含む、パン生地の調製方法。
<68>
前記カテキン類が、好ましくは前記<11>~<13>のいずれか1項に記載のカテキン類である、前記<67>記載のパン生地の調製方法。
<69>
前記アラビノキシランが、好ましくは前記<14>~<20>のいずれか1項に記載のアラビノキシランである、前記<67>又は<68>記載のパン生地の調製方法。
<70>
前記穀粉が、好ましくは前記<27>記載の穀粉である、前記<67>~<69>のいずれか1項記載のパン生地の調製方法。
<71>
前記イーストが、好ましくは前記<29>又は<30>記載のイーストである、前記<67>~<70>のいずれか1項記載のパン生地の調製方法。
<72>
前記パン生地において、前記カテキン類の含有量が、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは0.6質量%以上である、前記<67>~<71>のいずれか1項記載のパン生地の調製方法。
<73>
前記パン生地において、前記カテキン類の含有量が、好ましくは2.0質量%以下、より好ましくは1.8質量%以下、より好ましくは1.5質量%以下、さらに好ましくは1.0質量%以下である、前記<67>~<72>のいずれか1項記載のパン生地の調製方法。
<74>
前記パン生地において、前記カテキン類の含有量が、好ましくは0.1~2.0質量%、より好ましくは0.3~1.8質量%、より好ましくは0.5~1.5質量%、さらに好ましくは0.6~1.0質量%である、前記<67>~<73>のいずれか1項記載のパン生地の調製方法。
<75>
前記パン生地において、前記アラビノキシランの含有量が、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、より好ましくは0.4質量%以上、より好ましくは0.6質量%以上、より好ましくは0.8質量%以上、さらに好ましくは0.9質量%以上である、前記<67>~<74>のいずれか1項記載のパン生地の調製方法。
<76>
前記パン生地において、前記アラビノキシランの含有量が、好ましくは4.0質量%以下、より好ましくは3.0質量%以下、より好ましくは2.5質量%以下、より好ましくは2.0質量%以下、より好ましくは1.8質量%以下、さらに好ましくは1.7質量%以下である、前記<67>~<75>のいずれか1項記載のパン生地の調製方法。
<77>
前記パン生地において、前記アラビノキシランの含有量が、好ましくは0.1~4.0質量%、より好ましくは0.2~3.0質量%、より好ましくは0.4~2.5質量%、より好ましくは0.6~2.0質量%、より好ましくは0.8~1.8質量%、さらに好ましくは0.9~1.7質量%である、前記<67>~<76>のいずれか1項記載のパン生地の調製方法。
<78>
前記カテキン類の含有量に対する前記アラビノキシランの含有量の比の値が、質量比で好ましくは0.1以上、より好ましくは0.5以上、より好ましくは1.0以上、より好ましくは1.2以上、より好ましくは1.3以上、より好ましくは1.4以上、さらに好ましくは1.5以上である、前記<67>~<77>のいずれか1項記載のパン生地の調製方法。
<79>
前記カテキン類の含有量に対する前記アラビノキシランの含有量の比の値が、質量比で好ましくは5.5以下、より好ましくは4.7以下、より好ましくは4.5以下、より好ましくは4.0以下、より好ましくは3.5以下、より好ましくは3.0以下、より好ましくは2.8以下、さらに好ましくは2.7以下である、前記<67>~<78>のいずれか1項記載のパン生地の調製方法。
<80>
前記カテキン類の含有量に対する前記アラビノキシランの含有量の比の値が、質量比で好ましくは0.1~5.5、より好ましくは0.5~4.7、より好ましくは1.0~4.5、より好ましくは1.2~4.0、より好ましくは1.3~3.5、より好ましくは1.4~3.0、より好ましくは1.5~2.8、さらに好ましくは1.5~2.7である、前記<67>~<79>のいずれか1項記載のパン生地の調製方法。
パンの製造のための、前記<31>~<46>のいずれか1項記載の剤の使用。
<82>
前記<31>~<46>のいずれか1項記載の剤の製造のための、アラビノキシランの使用。
固形分(配合した水を除いた成分)中の穀粉の含有量が好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上のパン生地を焼成して得られる、<1>~<21>のいずれか1項記載のパン。
<84>
穀粉の含有量が好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%以上、さらに好ましくは50質量%以上である、<1>~<21>のいずれか1項記載のパン。
<85>
前記穀粉が、前記<27>に記載の穀粉である、前記<83>又は<84>記載のパン。
<試料溶液の調製>
焙煎小麦ブラン10mgに対して1mol/Lの塩酸を2mL加え、30分間撹拌した。撹拌後、100℃に加熱し、次いで15分以上かけて放冷した。放冷後、1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を2mL、超純水を2mL加えて撹拌した。撹拌後、3000rpmで10分間遠心分離を行い、上澄み液を回収した。上澄み液回収後、残った残渣については、上記の手順(1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を2mL、超純水を2mL加えて撹拌)をもう一度行い、遠心後の上澄み液を1回目に回収した上澄み液とあわせ、下記の液体クロマトグラフィー(LC)を用いた分析に供した。
-移動相の調製-
1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液100mLと超純水900mLをよく混和して脱気し、移動相とした。
機種 :DIONEX DX320(日本ダイオネクス株式会社製)
検出器 :ペルスドアンペロメトリック検出器(PAD)
カラム :CarboPAC PA1 (4×250mm)
カラム温度:室温
移動相 :A液 100mmol/L水酸化ナトリウム水溶液
:B液 超純水
流速 :1.0mL/min
注入量 :25μL
上記の条件で、保持時間12.5分(アラビノース)、21.9分(キシロース)のピーク面積からアラビノースとキシロースの含有量を定量し、両者の合計量をアラビノキシランの量とした。
表1及び2に示す原料配合量に従ってパン生地を調製し、実施例1~8、参考例1及び比較例1~3のパンを得た。以下に具体的な手順を示す。
カメリヤ(強力粉、日清製粉社製)250g、ルナフェノンT-100(カテキン含有量:36質量%)(登録商標、花王株式会社製)9g、バター(食塩不使用)(商品名:北海道よつ葉バター食塩不使用、よつ葉乳業社製)10g、砂糖(上白糖)17g、塩2.5g、水200g、ドライイースト(商品名:スーパーカメリヤドライイースト、日清フーズ社製)3g、焙煎小麦ブラン5.0~76.6gを計量した。ホームベーカリーSD-MDX102(パナソニック社製)を使用した。メニュー1の焼成プログラムを使用し、オールインミックスで配合した。吸水、混捏、熟成し得られたパン生地は、28℃、2時間30分発酵させた。発酵処理後、200℃で30分間焼成し、実施例1~5のパン(食パン)を得た。
上記「カテキン含有量」は、ルナフェノンT-100に含まれるカテキン類の含有量である。また、上記ルナフェノンT-100に含まれるカテキン類は、非重合体カテキンからなるものであり、重合体カテキンを実質的に含まないものである。
前記焙煎小麦ふすまに代えて日食アラビノキシラン(アラビノキシラン含有量:82.1質量%)(商品名、日本食品化工株式会社製)3.8gを用いたこと以外は、上記実施例1~5と同様にして、実施例6のパンを得た。
前記強力粉を200g又は175g、前記ルナフェノンT-100を20g、並びに前記焙煎小麦ブランを37.5g又は100g配合したこと以外は、上記実施例1~5と同様にして、実施例7及び8のパンを得た。
表2に記載の原料配合量に従い、カテキン類、アラビノキシラン及び焙煎小麦ブランを含まない成分組成として、上記実施例1~5と同様にして、参考例1のパンを得た。
表2に記載の原料配合量とした以外は、上記実施例1~5と同様にして、比較例1~3のパンを得た。
上記実施例1~8、参考例1、及び比較例1~3のパンを、30分間室温に放置し、品温が20℃となったところでパンの比容積を測定した。上記「比容積」は、パン1gあたりの容積(単位:cm3/g)として算出され、この値が大きいほど、パン生地の膨らみが大きいことを意味する。パンの比容積は、レーザー体積計測機WinVM2000(ASTEX社製)を用いて測定した。
得られた各パンの比容積の値を下記評価基準に当てはめ、パンの膨らみを評価した。結果を下記表1及び2に示す。
また、参考例1、比較例1及び実施例3のパンを縦方向にスライスした断面写真を、図1に示す。
(評価基準)
5:比容積が2.8cm3/g以上
4:比容積が2.3cm3/g以上2.8未満cm3/g未満
3:比容積が1.8cm3/g以上2.3未満cm3/g未満
2:比容積が1.6cm3/g以上1.8未満cm3/g未満
1:比容積が1.6cm3/g未満
焼成後の上記実施例1~8、参考例1、及び比較例1~3のパンを室温で3日間静置した後、厚みが20mmになるようにスライスし、これを食した際のパンの柔らかさを、参考例1及び比較例1のパンを基準として下記評価基準により3名のパネリストからなる専門パネルが評価した。各パネリストの評価結果はすべて同じであった。結果を表1及び2に示す。
(評価基準)
5:参考例1と同等の、柔らかな食感
4:参考例1よりも硬く、比較例1よりも柔らかいが、参考例1に近い食感
3:参考例1と比較例1のちょうど中間程度の食感
2:参考例1よりも硬く、比較例1よりも柔らかいが、比較例1に近い食感
1:比較例1と同等の、ぼそぼそとして硬い食感
また、比較例1のパンにおいて、さらに多量の焙煎小麦ブランを加えたパン(比較例2)でも、穀粉の量に対してパンは膨らみにくく、結果、比容積が小さかった(評価:「1」)。この比較例2のパンもまた、ぼそぼそとした食感を感じるものであった(評価:「2」)。
さらに、カテキン類の含有量に対するアラビノキシランの含有量の比の値が本発明の規定の範囲内であっても、カテキン類を過剰量配合したパン(比較例3)では、やはり焼成後の膨らみが悪く(評価:「1」)、ぼそぼそとした食感を感じるものであった(評価:「1」)。
Claims (8)
- カテキン類を含有するパンであって、
前記パンはアラビノキシランを含有し、前記パン中において、前記カテキン類の含有量が0.1~2.2質量%、かつ、前記カテキン類の含有量に対する前記アラビノキシランの含有量の比の値が、質量比で0.1~5.5である、パン。 - 前記カテキン類が、非重合体カテキン類である、請求項1記載のパン。
- 前記パン中のアラビノキシランの含有量が0.1~4.5質量%である、請求項1又は2記載のパン。
- 下記工程1及び2を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載のパンの製造方法。
工程1:少なくとも穀粉と、カテキン類と、アラビノキシランとを含有するパン生地を発酵させる工程;
工程2:工程1により得られた発酵後のパン生地を焼成する工程。 - アラビノキシランを有効成分とする、カテキン類を含有するパン生地の発酵膨張促進剤。
- アラビノキシランを有効成分とする、カテキン類を含有するパン生地の焼成膨張促進剤。
- パン生地中にカテキン類とアラビノキシランとを共存させて該パン生地を発酵させることを含む、カテキン類を含有するパン生地の発酵膨張促進方法。
- パン生地中にカテキン類とアラビノキシランとを共存させて発酵させたパン生地を焼成することを含む、カテキン類を含有するパン生地の焼成膨張促進方法。
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