JP2007138031A - 固形描画材及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ナノ材料を少なくとも含有する固形描画材用配合組成物を焼成処理又は非焼成処理してなる固形描画材芯体を形成し、該固形描画材芯体の気孔内に潤滑剤を充填してなることを特徴とする固形描画材。
ナノ材料としては、例えば、ナノ粒子等を用いることができる。
【選択図】なし
Description
(1) ナノ材料を少なくとも含有する固形描画材用配合組成物を焼成処理又は非焼成処理してなる固形描画材芯体を形成し、該固形描画材芯体の気孔内に潤滑剤を充填してなることを特徴とする固形描画材。
(2) 潤滑剤として、ナノ材料を含有する潤滑剤を用いる上記(1)記載の固形描画材。
(3) 固形描画材用配合組成物を焼成処理又は非焼成処理してなる固形描画材芯体を形成し、該固形描画材芯体の気孔内にナノ材料を含有する潤滑剤を充填してなることを特徴とする固形描画材。
(4) ナノ材料が酸化物セラミック、窒化物セラミック、燐酸化物セラミック、炭化物セラミック、珪酸化物セラミック、ホウ化物セラミックから選ばれる少なくとも1種である上記(1)〜(3)の何れか一つに記載の固形描画材。
(5) ナノ材料が金属ナノ粒子である上記(1)〜(3)の何れか一つに記載の固形描画材。
(6) ナノ材料が、ダイヤモンドナノ粒子、カーボンナノ粒子である上記(1)〜(3)の何れか一つに記載の固形描画材。
(7) ナノ材料の粒径が0.7〜100nmの範囲である上記(1)〜(6)の何れか一つに記載の固形描画材。
(8) ナノ材料が、気相合成法、液相合成法、機械的粉砕法の何れかにより得られものである上記(1)〜(7)の何れか一つに記載の固形描画材。
(9) ナノ粒子の表面にアモルファス、黒鉛及びダイヤモンドの少なくともカーボンがコーティングされている上記(1)〜(8)の何れか一つに記載の固形描画材。
(10) ナノ材料がカーボンナノチューブである上記(1)〜(3)の何れか一つに記載の固形描画材。
(11) 固形描画材用配合組成物として黒鉛を含有し、黒鉛とカーボンナノチューブとの配合比が重量比で10:1〜1000:1の範囲である上記(10)記載の固形描画材。
(12) ナノ材料の含有量が、固形描画材全量に対して0.01〜5重量%である上記(1)、(4)〜(11)の何れか一つに記載の固形描画材。
(13) ナノ材料を含有する潤滑剤を用いる場合は、固形描画材全量に対して0.01〜5重量%分のナノ材料を潤滑剤中に含有する上記(2)又は(3)に記載の固形描画材。
(14) 固形描画材が黒鉛及び/又はカーボンブラックとアモルファス炭素を少なくとも含有するシャープペンシル用焼成鉛筆芯である上記(1)〜(13)の何れか一つに記載の固形描画材。
(15) 固形描画材が色材と油脂とワックス類とを少なくとも含有する非焼成鉛筆芯である上記(1)〜(13)の何れか一つに記載の固形描画材。
(16) 固形描画材が色材と体質材とセラミック結合材とを少なくとも含有する焼成鉛筆芯である上記(1)〜(13)の何れか一つに記載の固形描画材。
(17) (a)黒鉛又は黒鉛とカーボンブラック、(b)熱可塑性合成樹脂、(c)該熱可塑性合成樹脂を溶解し得る有機溶剤及び(d)ナノ材料を混練、成型、乾燥及び非酸化性雰囲気下で焼成して固形描画材芯体を得、該固形描画材芯体の気孔内に潤滑剤を充填することを特徴とする固形描画材の製造方法。
(18) (a)黒鉛又は黒鉛とカーボンブラック、(b)熱可塑性合成樹脂、(c)該熱可塑性合成樹脂を溶解し得る有機溶剤を混練、成型、乾燥及び非酸化性雰囲気下で焼成した固形描画材芯体を形成し、該固形描画材芯体の気孔内にナノ材料を含有する潤滑剤を充填することを特徴とする固形描画材の製造方法。
本発明の固形描画材は、第1発明として、ナノ材料を少なくとも含有する固形描画材用配合組成物を焼成処理又は非焼成処理してなる固形描画材芯体を形成し、該固形描画材芯体の気孔内に潤滑剤を充填してなることを特徴とするものであり、また、第2発明として、固形描画材用配合組成物を焼成処理又は非焼成処理してなる固形描画材芯体を形成し、該固形描画材芯体の気孔内にナノ材料を含有する潤滑剤を充填してなることを特徴とするものである。
以下において、「本発明」というときは、上記第1発明及び第2発明の両方をいう。
用いることができるナノ材料としては、種々のセラミック材料を用いることが可能であり、例えば、ケイ素、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、セリウム等の金属の酸化物セラミック、窒化物セラミック、燐酸化物セラミック、炭化物セラミック、珪酸化物セラミック、ホウ化物セラミックのいずれも用いることができるが、これらは単独で用いることとなるが、2種以上を混合して用いることも可能であり、目的とする成形体の形状や成形方法によって適宜選択される。
用いることができる金属ナノ粒子としては、種々の金属ナノ粒子を用いることが可能であり、例えば、銀(Ag)ナノ粒子、白金(Pt)ナノ粒子、金(Au)ナノ粒子、ニッケル(Ni)ナノ粒子、鉄(Fe)ナノ粒子などの単組成ナノ粒子、Fe−Pd、Fe−Pt、Pt−Pd、Pt−Au、Ni−Mn、In−Sn、Ni−Al、Mr−Zrなどの多組成複合ナノ粒子、アモルファスカーボン、黒鉛、ダイヤモンド及びセラミック材料などを被覆した被覆ナノ粒子のいずれも用いることができ、これらは単独で、または、2種以上を混合して用いることも可能であり、目的とする成形体の形状や成形方法によって適宜選択される。
また、用いることができるダイヤモンドナノ粒子としては、爆発法で作製したダイヤモンドナノ粒子、EACVD法、気相合成法及び液相成長法で作製したダイヤモンドナノ粒子などからなるものが挙げられ、具体的には、ナノテックシステムズ社製CD(Cluster Diamond)、CDS(Cluster Diamond Slurry)、GCD(Graphite Cluster Diamond)、GCDS(graphite Cluster Diamond slurry)、JETRO社製人口ダイヤモンド等を用いることができる。
更に、用いることができるカーボン粒子であるフラーレンとしては、例えば、C60、70、76、78、82、C84、C90等、種々の炭素数のものが上げられ、愚弟的には、フロンティアカーボン社製ナノムパープル、ナノムブラック、ナノムスペクトラなどの種々のフラーレン製品を使用でき、金属内包フラーレン、分子内包フラーレン等炭素以外の物質を含むものも用いることができる。
液相合成法は、電気メッキ法、液体急冷法などによりナノ材料を製造するものである。
機械的粉砕法は、強歪加工法、粉末冶金的手法、回転流動法などによりナノ材料を製造するものである。
これらの合成法は、ナノ材料の種類、固形描画材の実施形態により適宜選択して使用することができる。
また、ナノチューブの場合は、固形描画材用組成物とのバランスが重要となり、特に、固形描画材用組成物として黒鉛を含有する場合には、好ましくは、黒鉛との組織バランスが重要で、黒鉛:ナノチューブ=10:1〜1000:1、特に好ましくは、50:1〜200:1の範囲とすることが望ましい。
このナノ材料の含有量が0.01重量%未満であると、有効細孔容積が殆ど変化しなく、また、未添加の鉛筆芯との差が現れなくとなる。一方、ナノ材料の含有量が5重量%を超えると、有効細孔容積は大きくなるが、鉛筆芯の構造が崩れて強度が低下してしまい、好ましくない。
例えば、固形描画材がシャープペンシル用焼成鉛筆芯では、ナノ材料以外に、黒鉛及び/又はカーボンブラックとアモルファス炭素を少なくとも含有することが好ましく、また、非焼成鉛筆芯では、色材と油脂とワックス類とを少なくとも含有することが好ましく、更に、焼成鉛筆芯では、色材と体質材とセラミック結合材とを少なくとも含有することが好ましい。また、シャープペンシル用焼成鉛筆芯では、その他の成分として、α−オレフィンオリゴマー、脂肪酸エステル、スピンドル油、ワックス類、窒化ホウ素、タルク、シリコーンオイル、シリカ微粒子、金属石鹸等を用いることができ、非焼成鉛筆芯又は焼成鉛筆芯では、その他の成分として、シリコーンオイル、ラード、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、セルロイド及びその他の熱可塑性樹脂等を用いることができる。
顔料としては、例えば、酸化チタン、鉄黒、カーボンブラック、紺青、群青、青色1号、弁柄、黄酸化鉄、酸化クロム、水酸化クロム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化コバルト、魚鱗箔、オキシ塩化ビスマス、雲母チタン、青色2号、青色404号、赤色2号、赤色3号、赤色102号、赤色104号、赤色105号、赤色106号、DPPレッド、黄色4号、黄色5号、緑色3号等の顔料等が挙げられ、これらは単独で、又は2種以上混合して用いることができる。
潤滑油としては、例えば、エンジンオイル等の鉱物油、α−オレフィンオリゴマー、シリコーンオイル、エステルオイル等の合成油、ヒマシオイル等の植物油などが挙げられ、グリースとしては、例えば、カルシウム石鹸グリース、リチウム石鹸グリース等の石鹸系、ベントングリース、シリカゲルグリース等の非石鹸系が挙げられるが、必ずしもこれに限定されるものではない。
用いる有機溶剤は、上記熱可塑性合成樹脂を溶解し得るものが好ましく、具体的には、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、トリクレジルホスフェート、ジオクチルアジペート、ジアリルイソフタレート、プロピレンカーボネート、アルコール類、ケトン類、エステル類などを用いることができる。
本第1発明において、例えば、固形描画材がシャープペンシル用焼成鉛筆芯の製造では、好ましくは、強度、濃度、書き味の点から、(a)黒鉛又は黒鉛とカーボンブラックとが合計で30〜60重量%と、(b)熱可塑性合成樹脂30〜60重量%と、(c)該熱可塑性合成樹脂を溶解し得る有機溶剤10〜30重量%及び(d)ナノ材料0.01〜5重量%とをヘンシェルミキサーで分散混合し、加圧ニーダー、二本ロールで混練し、押出成型機により成型した後、電気炉で110〜250℃で乾燥し、次いで、非酸化性雰囲気下(窒素ガス雰囲気下、不活性ガス雰囲気下)で800〜1400℃、20〜40時間で焼成して固形描画材芯体を得、該固形描画材芯体の気孔内にα−オレフィンオリゴマー、シリコーンオイル、エステルオイル等の合成油、ヒマシオイル等の植物油、グリース等の潤滑剤を含浸などにより充填することにより製造することが望ましい。
このナノ材料を含有する潤滑剤を用いる場合のナノ材料の含有量は、製造される固形描画材全量に対して、好ましくは、0.01〜5重量%、更に好ましくは、0.1〜3重量%、特に好ましくは、0.1〜2重量%となるように潤滑剤中に含有せしめて該固形描画材芯体の気孔内にナノ材料を充填せしめることが望ましい。
このナノ材料の含有量が0.01重量%未満であると、本発明の効果を発揮せず、一方、ナノ材料の含有量が5重量%を超えても、本発明の効果を発揮されうるが、芯体内に充填することが難しくなるという製造面でのデメリットが生じることとなる。
なお、本発明において、ナノ材料としてカーボンナノチューブを用いることができるものである点で、従来の鉛筆芯の製造方法において、少なくとも体質材の一部として、直径が1〜50nm、長さが0.5〜50μmのカーボンナノチューブ(微細なチューブ状のグラファイト)を使用する点で近接するものであるが、本発明では、体質材として鉛筆芯全体の構造を作るのでなく、鉛筆芯本来の構造を損なうことなく、体質材との配合バランスを検討し、その微細孔をターゲットとしてナノレベルで細孔形状を設計している点で異なり、両者の技術思想は異なるものである(この点に関しては、後述する実施例で更に詳述する)。
天然鱗状黒鉛(平均粒径7μm) 47重量部
セリアナノ粒子(酸化セリウムナノ粒子、平均粒径10nm) 3重量部
ポリ塩化ビニル 50重量部
ステアリン酸ナトリウム 1重量部
ジオクチルフタレート 20重量部
上記材料をヘンシェルミキサーで混合分散し、加圧ニーダー、二本ロールで混練し線状体に押出成形した後、残留する可塑剤を除去すべく空気中で熱処理して固化(乾燥)した後に、窒素ガス雰囲気中にて1000℃で焼成し、最後にα−オレフィンオリゴマー(ライオン社製、リポループ20)中に浸漬して油漬させて、直径が0.570mmのシャープペンシル用芯HBを得た。
上記実施例1において、黒鉛47重量部を48重量部、セリアナノ粒子3重量部を2重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして直径が0.570mmのシャープペンシル用芯HBを得た。
上記実施例1において、黒鉛47重量部を45重量部、セリアナノ粒子3重量部を5重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして直径が0.570mmのシャープペンシル用芯HBを得た。
上記実施例1において、黒鉛47重量部を49.9重量部、セリアナノ粒子3重量部を0.1重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして直径が0.570mmのシャープペンシル用芯HBを得た。
上記実施例1において、黒鉛47重量部を40重量部、セリアナノ粒子3重量部を10重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして直径が0.570mmのシャープペンシル用芯HBを得た。
上記実施例1において、黒鉛47重量部を49.995重量部、セリアナノ粒子3重量部を0.005重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして直径が0.570mmのシャープペンシル用芯HBを得た。
上記実施例1において、黒鉛47重量部を49.99重量部、セリアナノ粒子3重量部を0.01重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして直径が0.570mmのシャープペンシル用芯HBを得た。
上記実施例1において、黒鉛47重量部を49重量部、セリアナノ粒子3重量部を1重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして直径が0.570mmのシャープペンシル用芯HBを得た。
上記実施例1において、黒鉛47重量部を49重量部、セリアナノ粒子3重量部をカーボンナノチューブ(三井物産社製、直径60nm、長さ50μm)1重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして直径が0.570mmのシャープペンシル用芯HBを得た。
上記実施例1において、黒鉛47重量部を49重量部、セリアナノ粒子3重量部を銀ナノ粒子(平均粒径:8nm)1重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして直径が0.570mmのシャープペンシル用芯HBを得た。
上記実施例1において、黒鉛47重量部を49重量部、セリアナノ粒子3重量部をダイヤモンドナノ粒子(平均粒径:5nm)1重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして直径が0.570mmのシャープペンシル用芯HBを得た。
上記実施例1において、黒鉛47重量部を49重量部、セリアナノ粒子3重量部をフラーレンC60(平均粒径:0.7nm)1重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして直径が0.570mmのシャープペンシル用芯HBを得た。
上記実施例1において、黒鉛47重量部を49重量部、セリアナノ粒子3重量部をダイヤモンドナノ粒子に黒鉛をコーティングした粒子(平均粒径:15nm)1重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして直径が0.570mmのシャープペンシル用芯HBを得た。
上記実施例1において、黒鉛47重量部を49重量部、セリアナノ粒子3重量部をGSI Creos社製のカーボンナノチューブ(カルベール、直径200nm、長さ10μm)1重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして直径が0.570mmのシャープペンシル用芯HBを得た。
上記実施例1において、黒鉛47重量部を45重量部、セリアナノ粒子3重量部をカーボンナノチューブ(HYPERION社製、「GRAPHITE FIBRILS」、直径10nm、長さ10μm)5重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして直径が0.570mmのシャープペンシル用芯HBを得た。
上記実施例1において、黒鉛47重量部を50重量部、セリアナノ粒子3重量部を削除した以外は、上記実施例1と同様の配合にし、混合、混練、成型、乾燥、焼成後、α−オレフィンオリゴマーに銀ナノ粒子(平均粒径:8nm)を分散した液中に浸漬して油漬させ、全体重量に対して銀ナノ粒子が1重量部混入されている直径が0.570mmのシャープペンシル用芯HBを得た。
上記実施例1において、黒鉛47重量部を49重量部、セリアナノ粒子3重量部を銀ナノ粒子(平均粒径:8nm)1重量部に変更した以外は、実施例1と同様の配合とし、混合、混練、成型、乾燥、焼成後、α−オレフィンオリゴマーに銀ナノ粒子(平均粒径:8nm)を分散した液中に浸漬して油漬させ、全体重量に対して銀ナノ粒子が2重量部混入されている直径が0.570mmのシャープペンシル用芯HBを得た。
窒化ホウ素(平均粒径6μm) 39重量部
塩化ビニル樹脂 43重量部
ジオクチルフタレート 16重量部
オレイン酸アミド 1重量部
セリアナノ粒子(酸化セリウムナノ粒子、平均粒径10nm) 1重量部
上記配合組成物をヘンシェルミキサーで分散混合し、加圧ニーダー、二本ロールで混練した後、スクリュー型押出機にて押出温度を100℃に設定し、細線状に押出成形し、これらから残留する可塑材を除去すべく、空気中で180℃にて10時間熱処理して、しかる後窒素雰囲気中にて1000℃まで昇温して1000℃で1時間焼成した。次に、大気中にて700℃で加熱焼成し、炭素化物を除去して白色芯材を得た。この芯体100gをぺルヒドロポリシラザンのキシレン溶液(20重量%)150gが入った容器に浸漬後、窒素ガス中1200℃で1時間焼成し、直径0.57mmの白色焼成芯体を得た。更に、赤色陰気に白色芯体を浸し、70℃で24時間放置した。このインキが充填された焼成芯体表面を洗浄し、直径0.570mmの赤色焼成鉛筆芯を得た。
上記実施例1において、セリアナノ粒子0.5重量部を黒鉛に代え、黒鉛の使用量を50重量部とした以外は、実施例1と同様にして直径が0.570mmのシャープペンシル用芯HBを得た。
上記実施例1において、セリアナノ粒子(平均粒径10nm)をセリア粒子(平均粒径1μm)に変更した以外は、実施例1と同様にして直径が0.570mmのシャープペンシル用芯HBを得た。
上記実施例18において、窒化ホウ素39重量部を40重量、セリアナノ粒子1重量部を削除した以外は、実施例18と同様にして直径が0.570mmのシャープペンシル用芯HBを得た。
上記実施例1において、黒鉛47重量部を49重量部、セリアナノ粒子3重量部をグラファイトウィスカー〔日機装社製「グラスカー」、直径500nm、長さ20μm〕1重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして直径が0.570mmのシャープペンシル用芯HBを得た。
上記実施例1において、黒鉛47重量部を49重量部、セリアナノ粒子3重量部を気相成長炭素繊維〔直径100nm、長さ1000μm〕1重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして直径が0.570mmのシャープペンシル用芯HBを得た。
これらの結果を下記表1に示す。
α−オレフィンオリゴマーを含浸した際のα−オレフィンオリゴマーの含液率、または、ナノ材料含有したα−オレフィンオリゴマーを含浸した際のα−オレフィンオリゴマーの含液率を含浸前の重量と含浸後の重量から重量%で算出した。
(圧縮強度の測定方法)
テンシロン(ORIENTEC RTC−1150A)で芯を横から2mm×∞で圧縮試験して測定した(n=100)。
筆記角度75°、荷重300gf、筆記距離5m筆記した際の芯の磨耗長さを測定した(n=10)。
(濃度の測定方法)
磨耗試験で筆記した描線を濃度計(sakura DENSI TOMETER PDA65)で測定した値である(n=10×4ヵ所)。
(消去率の測定方法)
磨耗試験で筆記した描線を消しゴム(EP−105E)で5往復させた後の描線消去率を求めた(n=10)。
水銀ポロシメータ(QUANTACHROM社製 Pore Master GT型)で測定した(n=10)。
(有効細孔容積指数の算出方法)
有効細孔容積指数は、水銀ポロシメータで測定した細孔容積(有効細孔容積)から算出した気孔率(cc%)を材料密度と固形描画材密度の比率から算出した実気孔率で除算して示した。この値は、比較例と比較して、本発明により有効細孔容積が向上していることがこのデータから示されるものである(n=10)。
筆記感と手の汚れにくさ(汚れ難さ)は、木軸に組み込んだ鉛筆形状で10名のモニターにより、下記評価基準(平均値)で評価した。
評価基準:
◎:比較例1より非常に良い。
○:比較例1より良い。
○´:比較例1と同程度。
△:比較例1より悪い。
×:比較例1より非常に悪い。
−:比較例1が基準(コントロール)。
なお、実施例18の評価は、比較例1に代え比較例3を評価基準にして評価した。
これに対して、比較例2のように粒径の大きいセリア粒子(1μm)を用いると、含液率は高くなるが、強度が低下してしまい、適していないものである。また、比較例4のように直径が太いカーボンファイバーを用いても同様に強度が低下してしまうことが判った。更に、比較例5は、従来技術で例示した文献2の組成である。曲げ強度は強くなっているようであるが、実使用上重要になる圧縮強度が小さい。また、官能評価による筆記感、汚れ難さの項目が、実施例と比較して効果が小さいことが判った。
更に、焼成色鉛筆芯を示す実施例18においても、有効細孔容積が増大することによって、インクの含液率が高くなり、結果として発色(濃度)が良くなり、結果として筆記感も向上している。
Claims (18)
- ナノ材料を少なくとも含有する固形描画材用配合組成物を焼成処理又は非焼成処理してなる固形描画材芯体を形成し、該固形描画材芯体の気孔内に潤滑剤を充填してなることを特徴とする固形描画材。
- 潤滑剤として、ナノ材料を含有する潤滑剤を用いる請求項1記載の固形描画材。
- 固形描画材用配合組成物を焼成処理又は非焼成処理してなる固形描画材芯体を形成し、該固形描画材芯体の気孔内にナノ材料を含有する潤滑剤を充填してなることを特徴とする固形描画材。
- ナノ材料が酸化物セラミック、窒化物セラミック、燐酸化物セラミック、炭化物セラミック、珪酸化物セラミック、ホウ化物セラミックから選ばれる少なくとも1種である請求項1〜3の何れか一つに記載の固形描画材。
- ナノ材料が金属ナノ粒子である請求項1〜3の何れか一つに記載の固形描画材。
- ナノ材料が、ダイヤモンドナノ粒子、カーボンナノ粒子である請求項1〜3の何れか一つに記載の固形描画材。
- ナノ材料の粒径が0.7〜100nmの範囲である請求項1〜6の何れか一つに記載の固形描画材。
- ナノ材料が、気相合成法、液相合成法、機械的粉砕法の何れかにより得られものである請求項1〜7の何れか一つに記載の固形描画材。
- ナノ粒子の表面にアモルファス、黒鉛及びダイヤモンドの少なくともカーボンがコーティングされている請求項1〜8の何れか一つに記載の固形描画材。
- ナノ材料がカーボンナノチューブである請求項1〜3の何れか一つに記載の固形描画材。
- 固形描画材用配合組成物として黒鉛を含有し、黒鉛とカーボンナノチューブとの配合比が重量比で10:1〜1000:1の範囲である請求項10記載の固形描画材。
- ナノ材料の含有量が、固形描画材全量に対して0.01〜5重量%である請求項1、4〜11の何れか一つに記載の固形描画材。
- ナノ材料を含有する潤滑剤を用いる場合は、固形描画材全量に対して0.01〜5重量%分のナノ材料を潤滑剤中に含有する請求項2又は3に記載の固形描画材。
- 固形描画材が黒鉛及び/又はカーボンブラックとアモルファス炭素を少なくとも含有するシャープペンシル用焼成鉛筆芯である請求項1〜13の何れか一つに記載の固形描画材。
- 固形描画材が色材と油脂とワックス類とを少なくとも含有する非焼成鉛筆芯である請求項1〜13の何れか一つに記載の固形描画材。
- 固形描画材が色材と体質材とセラミック結合材とを少なくとも含有する焼成鉛筆芯である請求項1〜13の何れか一つに記載の固形描画材。
- (a)黒鉛又は黒鉛とカーボンブラック、(b)熱可塑性合成樹脂、(c)該熱可塑性合成樹脂を溶解し得る有機溶剤及び(d)ナノ材料を混練、成型、乾燥及び非酸化性雰囲気下で焼成して固形描画材芯体を得、該固形描画材芯体の気孔内に潤滑剤を充填することを特徴とする固形描画材の製造方法。
- (a)黒鉛又は黒鉛とカーボンブラック、(b)熱可塑性合成樹脂、(c)該熱可塑性合成樹脂を溶解し得る有機溶剤を混練、成型、乾燥及び非酸化性雰囲気下で焼成した固形描画材芯体を形成し、該固形描画材芯体の気孔内にナノ材料を含有する潤滑剤を充填することを特徴とする固形描画材の製造方法。
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