JP2013142099A - 鉛筆芯及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 鉛筆芯の表面に黒鉛結晶のc軸面が露出していることを特徴とする鉛筆芯。
この鉛筆芯の製造方法として、焼成前の鉛筆芯体を研削した後、焼成することにより鉛筆芯の表面に黒鉛結晶のc軸面を露出する製法、または、焼成後の鉛筆芯態の表面を機械加工することにより、鉛筆芯の表面に黒鉛結晶のc軸面を露出する製法などが挙げられる。
【選択図】なし
Description
本願出願人は、鉛筆芯などの固形描画材中の油含浸可能な有効細孔容積や表面積を大きくし、圧縮強度を更に向上させると共に、書き味が滑らかで、十分な発色性及び描線濃度を有し、しかも、磨耗量が少なく、消去性が良く、描線を手でこすっても汚れにくい固形描画材及びその製造方法を提供するために、ナノ材料(ナノ粒子)を少なくとも含有する固形描画材用配合組成物を焼成処理又は非焼成処理してなる固形描画材芯体を形成し、該固形描画材芯体の気孔内に潤滑剤を充填してなることを特徴とする固形描画材を提案している(例えば、特許文献1参照)。
すなわち、上記特許文献1等に記載される技術により、単純にナノ粒子を混合し、固形描画材を形成しても、より優れた描線濃度、実筆記における書き味及びその代表的な指標となる静・動摩擦係数の好適な評価等を得ることはできないものであった。単純にナノ粒子を混合した固形描画材において、静・動摩擦係数を測定する場合、上記した「書き味」あるいは「筆記感」と称している評価項目について、芯体の製造方法、構成等によっては、必ずしも再現しない、という課題が発見されたのである。
(1) 鉛筆芯の表面に黒鉛結晶のc軸面が露出していることを特徴とする鉛筆芯。
(2) 前記鉛筆芯の真円度が0.01〜5μmであることを特徴とする上記(1)に記載の鉛筆芯。
(3) 前記鉛筆芯の円柱度が0.012〜12μmであることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の鉛筆芯。
(4) 前記鉛筆芯の表面粗さが、芯長方向に対して算術平均粗さRaで0.01〜1μmであることを特徴とする上記(1)〜(3)の何れか一つに記載の鉛筆芯。
(5) 上記(1)〜(4)の何れか一つに記載の鉛筆芯に研磨材が複合されていることを特徴とする鉛筆芯。
(6) 研磨材がカーボン材であることを特徴とする上記(5)に記載の鉛筆芯。
(7) 鉛筆芯が黒鉛及び/又はカーボンブラックとアモルファス炭素を少なくとも含有するシャープペンシル用焼成鉛筆芯であることを特徴とする上記(1)〜(6)の何れか一つに記載の鉛筆芯。
(8) 焼成前の鉛筆芯形成用の芯体を研削した後、焼成することにより鉛筆芯の表面に黒鉛結晶のc軸面が露出してなる鉛筆芯を製造することを特徴とする鉛筆芯の製造方法。
(9) 焼成後の鉛筆芯の表面を機械加工することにより、鉛筆芯の表面に黒鉛結晶のc軸面が露出してなる鉛筆芯を製造することを特徴とする鉛筆芯の製造方法。
(10) 前記機械加工がセンタレス研削であることを特徴とする上記(9)に記載の鉛筆芯の製造方法。
本発明において、「鉛筆芯の真円度」とは、鉛筆芯の任意の断面において測った最大径と最小径との差をいう。
「鉛筆芯の円柱度」とは、鉛筆芯の円柱の最大内接円柱の半径と、最大外接円柱の半径の差をいう。
「算術平均粗さRa」は、JIS B0601:2001に準拠する算術平均粗さRaをいう。
本発明の鉛筆芯は、鉛筆芯の表面に黒鉛結晶のc軸面が露出していることを特徴とするものである。
なお、上記製法1及び2において、鉛筆芯形成用の芯体までの形成(又は製造)は、同じであり、その後の製法等が異なるものである。
用いることができる黒鉛としては、鱗片状などの天然黒鉛、人造黒鉛、キッシュ黒鉛、膨張黒鉛、膨張化黒鉛などが挙げられ、カーボンブラックとしては、オイルファーネスブラック、ガスファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック、及びランプブラックなどが挙げられる。
用いることができる研磨材となるナノ材料としては、種々のセラミック材料を用いることが可能であり、例えば、ケイ素、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、セリウム等の金属の酸化物セラミック、窒化物セラミック、燐酸化物セラミック、炭化物セラミック、珪酸化物セラミック、ホウ化物セラミックのいずれも用いることができるが、これらは単独で用いることとなるが、2種以上を混合して用いることも可能であり、目的とする成形体の形状や成形方法によって適宜選択される。
用いることができる金属ナノ粒子としては、種々の金属ナノ粒子を用いることが可能であり、例えば、銀(Ag)ナノ粒子、白金(Pt)ナノ粒子、金(Au)ナノ粒子、ニッケル(Ni)ナノ粒子、鉄(Fe)ナノ粒子などの単組成ナノ粒子、Fe−Pd、Fe−Pt、Pt−Pd、Pt−Au、Ni−Mn、In−Sn、Ni−Al、Mr−Zrなどの多組成複合ナノ粒子、アモルファスカーボン、黒鉛、ダイヤモンド及びセラミック材料などを被覆した被覆ナノ粒子のいずれも用いることができ、これらは単独で、または、2種以上を混合して用いることも可能であり、目的とする成形体の形状や成形方法によって適宜選択される。
また、用いることができるダイヤモンドナノ粒子としては、爆発法で作製したダイヤモンドナノ粒子、EACVD法、気相合成法及び液相成長法で作製したダイヤモンドナノ粒子などからなるものが挙げられ、具体的には、ナノテックシステムズ社製CD(Cluster Diamond)、CDS(Cluster Diamond Slurry)、GCD(Graphite Cluster Diamond)、GCDS(graphite Cluster Diamond slurry)、JETRO社製人口ダイヤモンド等を用いることができる。
更に、用いることができるカーボン粒子であるフラーレンとしては、例えば、C60、70、76、78、82、C84、C90等、種々の炭素数のものが上げられ、愚弟的には、フロンティアカーボン社製ナノムパープル、ナノムブラック、ナノムスペクトラなどの種々のフラーレン製品を使用でき、金属内包フラーレン、分子内包フラーレン等炭素以外の物質を含むものも用いることができる。
また、上記以外のカーボンナノチューブでは、直径が0.7〜200nm、長さが100μm以下となるものが好ましく、更に好ましくは、直径が50〜200nm、長さが50μm以下となるものが望ましい。
なお、本発明において、「粒径」は、体積平均値(mv値)をいう。
液相合成法は、電気メッキ法、液体急冷法などによりナノ材料を製造するものである。
機械的粉砕法は、強歪加工法、粉末冶金的手法、回転流動法などによりナノ材料を製造するものである。
これらの合成法は、研磨材となるナノ材料の種類、鉛筆芯の実施形態により適宜選択して使用することができる。
この研磨材の含有量が0.01質量%未満であると、添加効果が得られず、研磨材の含有量が1質量%を超えると、鉛筆芯の書き味や強度に問題が発生し、好ましくない。
例えば、鉛筆芯がシャープペンシル用焼成鉛筆芯では、鱗片状黒鉛などの黒鉛以外に、カーボンブラックとアモルファス炭素を少なくとも含有せしめることができ、また、焼成鉛筆芯では、体質材とセラミック結合材とを少なくとも含有することができる。
熱可塑性合成樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩素化塩化ビニル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエーテルエーテルケトンなどを挙げられる。
有機溶剤としては、上記熱可塑性合成樹脂を溶解し得るものが好ましく、具体的には、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、トリクレジルホスフェート、ジオクチルアジペート、ジアリルイソフタレート、プロピレンカーボネート、アルコール類、ケトン類、エステル類などを用いることができる。
上記製法1及び2における焼成処理は、非酸化性雰囲気下で焼成処理、または、非焼成処理(50〜120℃で低温乾燥)することにより行うことができる。
また、上記製法2における焼成処理後の鉛筆芯体を機械加工する手段としては、研磨石による加工(乾式バレル研磨、湿式バレル研磨)、バフ研磨、ブラシ研磨、電解研磨、センタレス研削、ラップ研磨、ブラスト研磨、ベルト研磨などを挙げることができる。
センタレス研削は、研削(砥石車を回転させて工作物を削ること)の一種であり、工作物に研削を施す際に、チャックやセンタを使わずに工作物を保持して研削を行う加工
である。
研磨石による加工(バレル研磨)における研磨石の運動方法には、回転、振動、渦流、遠心などがあり、また、乾式、湿式とに分けれ、例えば、遠心バレル研磨機水平式、遠心バレル研磨機乾式仕様、回転バレル研磨機水平式、磁気式などである。
バフ研磨は、センタレス研削における、砥石の代わりに積層バフを用いて、その弾力を活かした研磨法である。
ブラシ研磨は、研磨材入りナイロン線、鋼線、真鍮線などの線材のホイール型、カップ型のブラシを高速で回転させ、所定の切り込み深さで工作物に擦り付ける研磨法であり、例えば、センタレスタイプとなるスルーフィード方式またはインフィード方式などにより行うことができる。
電解研磨は、工作物をプラス側に、対向する電極をマイナス側とし、両極間に電解液を流し通電することにより工作物のバリを溶解する研磨法である。
この削りしろが10μm未満であると、鉛筆芯の最表面が残ってしまい、均一に摩耗しなくなる。一方、300μmを越えると、鉛筆芯として有用な部分まで削れてしまうとともに、研削が安定しなくなってしまうため、好ましくない。
また、上記製法2では、製法1と同様に、焼成前の鉛筆芯形成用の芯体を成形した後、次いで、非酸化性雰囲気下(窒素ガス雰囲気下、不活性ガス雰囲気下)で800〜1400℃、20〜40時間で焼成することにより鉛筆芯体を形成し、この鉛筆芯体をセンタレス研削などを含む上記各種機械加工を行った後、該鉛筆芯体の気孔内に、α−オレフィンオリゴマー、ジメチルシリコーンオイルなどのシリコーンオイル、エステルオイル等の合成油、ヒマシオイル等の植物油、グリース等の潤滑剤を含浸などにより充填することにより、鉛筆芯の表面に黒鉛結晶のc軸面が露出した目的の鉛筆芯を製造することができる。
本発明において、鉛筆芯の表面に黒鉛結晶のc軸面が露出していることの確認は、製造された鉛筆芯をエチルアルコールに浸漬した後、超音波洗浄を5〜10分間行い、電子顕微鏡(SEM、500倍)で得た画像(鉛筆芯の外周面画像となる端面、側面等)により、鉛筆芯の表面に黒鉛結晶のc軸面が露出していること、具体的には、黒鉛板状結晶の側面部分が観察されることにより確認することができる。
また、本発明の鉛筆芯は、筆記安定性とクルトガでの回転安定性の点から、真円度が0.01〜5μmであることが好ましく、更に好ましくは、2μm以下であることが望ましい。
更に、本発明の鉛筆芯は、筆記安定性とクルトガでの回転安定性の点から、円柱度が0.012〜12μmであることが好ましく、更に好ましくは、5μm以下であることが望ましい。
ものである。
また、本発明では、鉛筆芯の表面層と内部が同一構造になっているため、均一に摩耗し、筆記の度に芯体が回転して、常に新しい部分によって筆記されるタイプのシャープペンシルで尖りやすい構造となる。
更に、本発明では、更に、上記作用効果と共に、上記で挙げた特許文献1〜3に開示された鉛筆芯を上回る、尖りやすさ、運筆、静・動摩擦係数の低い鉛筆芯となるものであり、特に、筆記の度に芯体が回転して、常に新しい部分によって筆記されるタイプのシャープペンシルなどに使用される鉛筆芯であっても、更に、より良い滑らかな筆記感を有し、更に高い描線濃度を有し、尖りやすい鉛筆芯及びその製造方法が得られるものとなる(この点に関しては、後述する実施例及び比較例で更に詳述する)。
鱗片状天然黒鉛A(粒径8μm) 40質量部
研磨材:ダイヤモンドナノ粒子(粒径:50nm) 0.4質量部
ポリ塩化ビニル 40質量部
ステアリン酸ナトリウム 1質量部
フタル酸ジイソブチル 15質量部
上記ナノ粒子とジオクチルフタレートをビーズミルで180分間分散させ、他の上記材料をヘンシェルミキサーで混合分散(混合分散時間20分、以下同様)し、加圧ニーダー、ロールで混練し、押出成形後、ジオクチルフタレートを乾燥後、窒素ガス雰囲気中にて1000℃、10時間で焼成処理することによって、直径0.605mm、長さ60mmの焼成鉛筆芯体を製造した。
次いで、直径0.565mm(削りしろ40μm)までセンタレス研削し、ジメチルシリコーンオイルKF96−30CS(動粘度30mm2/s、信越化学社製)を120℃−24h浸漬含浸し、シャープペンシル用鉛筆芯を製造した。
なお、上記焼成鉛筆芯体、研削後等の焼成鉛筆芯体の直径(芯径)は、レーザ外径測定器〔キーエンス社製、LS−3030で測定した。(n=100)、以下の実施例、比較例においても同様。〕
鱗片状天然黒鉛A(粒径8μm) 40質量部
ナノ粒子A:ダイヤモンドナノ粒子(粒径mv値50nm) 0.4質量部
ポリ塩化ビニル 40質量部
ステアリン酸ナトリウム 1質量部
フタル酸ジイソブチル 15質量部
上記ナノ粒子とジオクチルフタレートをビーズミルで180分間分散させ、他の上記材料をヘンシェルミキサーで混合分散(混合分散時間20分、以下同様)し、加圧ニーダー、ロールで混練し、押出成形後、ジオクチルフタレートを乾燥後、直径換算で30μmセンタレス研削する。
次いで、窒素ガス雰囲気中にて1000℃、10時間で焼成処理することによって、直径0.565mm、長さ60mmの焼成鉛筆芯体を製造し、ジメチルシリコーンオイルKF96−30CS(動粘度30mm2/s、信越化学社製)を120℃−24h浸漬含浸し、シャープペンシル用鉛筆芯を製造した。
上記実施例1と同様に製造した直径0.605mm、長さ60mmの焼成鉛筆芯体を、センタレス研削を乾式バレル研磨(遠心バレル研磨機乾式仕様、以下同様)に代えて、直径0.565mmまで研磨し、上記実施例1と同様にして、ジメチルシリコーンオイルKF96−30CS(動粘度30mm2/s、信越化学社製)を120℃−24h浸漬含浸し、シャープペンシル用鉛筆芯を製造した。
上記実施例2と同様に製造した直径0.605mm、長さ60mmの焼成鉛筆芯体を、センタレス研削を乾式バレル研磨に代えて、直径0.565mmまで研磨し、上記実施例2と同様にして、ジメチルシリコーンオイルKF96−30CS(動粘度30mm2/s、信越化学社製)を120℃−24h浸漬含浸し、シャープペンシル用鉛筆芯を製造した。
上記実施例1で用いたダイヤモンドナノ粒子に代えて、同量となる粒径50nmのSiCを用いる以外は、上記実施例1と同様にして、シャープペンシル用鉛筆芯を製造した。
上記実施例2で用いたダイヤモンドナノ粒子に代えて、同量となる粒径50nmのSiCを用いる以外は、上記実施例2と同様にして、シャープペンシル用鉛筆芯を製造した。
上記実施例1と同様に製造した直径0.605mm、長さ60mmの焼成鉛筆芯体を、センタレス研削をバフ研磨(連続バフ研磨方式)に代えて、直径0.565mmまで研磨し、上記実施例1と同様にして、ジメチルシリコーンオイルKF96−30CS(動粘度30mm2/s、信越化学社製)を120℃−24h浸漬含浸し、シャープペンシル用鉛筆芯を製造した。
上記実施例1と同様に製造した直径0.605mm、長さ60mmの焼成鉛筆芯体を、センタレス研削を湿式バレル研磨(湿式回転バレル研磨)に代えて、直径0.565mmまで研磨し、上記実施例1と同様にして、ジメチルシリコーンオイルKF96−30CS(動粘度30mm2/s、信越化学社製)を120℃−24h浸漬含浸し、シャープペンシル用鉛筆芯を製造した。
上記実施例1と同様に製造した直径0.605mm、長さ60mmの焼成鉛筆芯体を、センタレス研削を電解研磨(連続電解研磨装置)に代えて、直径0.565mmまで研磨し、上記実施例1と同様にして、ジメチルシリコーンオイルKF96−30CS(動粘度30mm2/s、信越化学社製)を120℃−24h浸漬含浸し、シャープペンシル用鉛筆芯を製造した。
上記実施例1と同様に製造した直径0.605mm、長さ60mmの焼成鉛筆芯体を、センタレス研削をブラシ研磨(センタレスタイプ:スルーフィード方式)に代えて、直径0.565mmまで研磨し、上記実施例1と同様にして、ジメチルシリコーンオイルKF96−30CS(動粘度30mm2/s、信越化学社製)を120℃−24h浸漬含浸し、シャープペンシル用鉛筆芯を製造した。
上記実施例1と同様に製造した直径0.575mm、長さ60mmの焼成鉛筆芯体を、センタレス研削をラッピングフィルム(#1000〜10000)による磨き加工に代えて、直径0.565mmまで研磨し、上記実施例1と同様にして、ジメチルシリコーンオイルKF96−30CS(動粘度30mm2/s、信越化学社製)を120℃−24h浸漬含浸し、シャープペンシル用鉛筆芯を製造した。
上記実施例1において、センタレス研削をグラインダーによる手動研削とした以外は、実施例1と同様にしてシャープペンシル用鉛筆芯を得た。
上記実施例1において、センタレス研削を円筒研削盤に代えた以外は、実施例1と同様にしてシャープペンシル用鉛筆芯を得た。
上記実施例1において、センタレス研削を回転カッターに代え、えぐり研削とした以外は、実施例1と同様にしてシャープペンシル用鉛筆芯を得た。
上記実施例1において、芯体内に研磨材を添加しないこと以外は、実施例1と同様にしてシャープペンシル用鉛筆芯を得た。
上記実施例1において、焼成後の直径を0.565mmに代え、センタレス研削を行なわないとした以外は、実施例1と同様にしてシャープペンシル用鉛筆芯を得た。
上記比較例1において、成形方法(押出成形)を射出成形とした以外は、比較例1と同様にしてシャープペンシル用鉛筆芯を得た。
上記比較例1において、黒鉛の粒経を2μmとした以外は、比較例1と同様にしてシャープペンシル用鉛筆芯を得た。
これらの結果を下記表1に示す。
各鉛筆芯の研磨断面、側面をFE−SEM(日立ハイテク社製、S−4700型、加速電圧5kV−電流値10μA)を用いて確認した。図1〜図3は、実施例1及び比較例1の各鉛筆芯の断面状態、側面状態を示すものである。
(真円度、円柱度の測定方法)
真円度、円柱度計(東京精密サーフコム社製、ロンコム65A)により測定した。
鉛筆芯の表面粗さ(算術平均粗さRa)の測定は、表面粗さ計(東京精密サーフコム社製、5000DX)により、r=25μmの芯棒を芯長方向1mm測定した。
上記真円度、円柱度計(東京精密サーフコム社製、ロンコム65A)により測定した芯径の算術標準偏差を計算した。
JIS S 6005:2007に規定されている曲げ強度試験:テンシロン(ORIENTEC RTC−1150A)で支点間40mmで測定した。
JIS S 6005:2007、JIS S 6006:2007に規定されている画線機を用いた画線方法における画線中の全摩擦力の平均値を筆記荷重で割った値(n=10)を「動摩擦係数」とし、画線初期の摩擦力を筆記荷重で割った値を「静摩擦係数」とした。
なお、本発明で規定する「JIS S 6005:2007」に規定されている画線機は、芯体を75度の角度に傾け、自転させながら描画させるものであり、前記した筆記の度に芯体が回転して、常に新しい部分によって筆記されるタイプのシャープペンシルの筆記時、描画時の態様に近いものである。
10人の被験者が三菱鉛筆社製のシャープペンシル〔商品名「クルトガ」〕を使用して400字詰め原稿用紙を1枚「三菱鉛筆」と繰り返し筆記し、当社既存品(三菱鉛筆社製、「ナノダイヤ」0.5mm−HB)と比較して下記各項目の相対評価を行った。
滑らかさは、滑らかに感じるか否かで比較し下記評価基準で評価した。
運筆は、引っかかりなく自由に字が書きやすいかを比較し下記評価基準で評価した。
尖りやすさは、上記シャープペンシル〔商品名「クルトガ」〕に使用した際に尖りやすいかどうかを比較し下記評価基準で評価した。
評価基準(平均値):
◎:非常に良い
○:既存品より良い
△:既存品と同等
×:既存品より悪い
Claims (10)
- 鉛筆芯の表面に黒鉛結晶のc軸面が露出していることを特徴とする鉛筆芯。
- 前記鉛筆芯の真円度が0.01〜5μmであることを特徴とする請求項1に記載の鉛筆芯。
- 前記鉛筆芯の円柱度が0.012〜12μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の鉛筆芯。
- 前記鉛筆芯の表面粗さが、芯長方向に対して算術平均粗さRaで0.01〜5μmであることを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載の鉛筆芯。
- 請求項1〜4の何れか一つに記載の鉛筆芯に研磨材が複合されていることを特徴とする鉛筆芯。
- 研磨材がカーボン材であることを特徴とする請求項5に記載の鉛筆芯。
- 鉛筆芯が黒鉛及び/又はカーボンブラックとアモルファス炭素を少なくとも含有するシャープペンシル用焼成鉛筆芯であることを特徴とする請求項1〜6の何れか一つに記載の鉛筆芯。
- 焼成前の前躯体を研削した後、焼成することにより鉛筆芯の表面に黒鉛結晶のc軸面が露出してなる鉛筆芯を製造することを特徴とする鉛筆芯の製造方法。
- 焼成後の鉛筆芯の表面を機械加工することにより、鉛筆芯の表面に黒鉛結晶のc軸面が露出してなる鉛筆芯を製造することを特徴とする鉛筆芯の製造方法。
- 前記機械加工がセンタレス研削であることを特徴とする請求項9に記載の鉛筆芯の製造方法。
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