JP2007126578A - 液晶ポリマー組成物、液晶ポリマーフィルム及びそれを用いた積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡便に得ることができると共に効果的に曲げ弾性率等が高められた主鎖型液晶ポリマーからなる液晶ポリマー組成物、液晶ポリマーフィルム及びそれを用いた積層体を提供する。
【解決手段】主鎖型液晶ポリマーと、該主鎖型液晶ポリマー100質量部に対して0.0001質量部〜0.2質量部のカーボンナノチューブと、を含有する液晶ポリマー組成物。この液晶ポリマー組成物で構成されたフィルムと、このフィルムから構成されたフィルム層及び当該フィルム層の少なくとも一方に配置された金属箔層を含む積層体。
【選択図】なし

Description

本発明は、液晶ポリマー組成物、液晶ポリマーフィルム及びそれを用いた積層体に関する。
半導体チップの高周波化が進んでおり、半導体パッケージ基板の絶縁層、裸のICチップをフィルムキャリアテープ上に直接搭載するCOF(チップ・オン・フィルム)、TAB(Tape Automated Bonding)用テープ、その他の絶縁用テープ、フレキシブル基板(FPC:Flexible Printed Circuit)材料などにおいても、高周波での誘電特性の一層の改善が必要になっている。従来のフレキシブル基板等の用途では、ポリイミドフィルムが一般的に使用されてきたが、1GHz以上の高周波での誘電性や耐湿性が不十分であり、この点の改善のため、これまで液晶ポリマーの開発が盛んに行われている。
一方、液晶ポリマー(LCP:Liquid Crystal Polymer)は高Tgであり、耐湿性、耐熱性、柔軟性に優れ、誘電特性においても高周波における低比誘電率及び低誘電正接を示し、フレキシブル基板などの用途に十分な性能を示すことが明らかになってきた(例えば、特許文献1)。一部の配線基板用途向けには実用的に使用されるようになってきた。
しかし、配線基板用途においては、パッケージやマザーボードなど用途に応じて高い曲げ弾性率(曲げ強度)が要求されることがある。液晶ポリマーフィルムの曲げ弾性率を更に高める方法として、液晶ポリマーフィルムを熱処理する方法が知られているが、後加工時に問題が発生する場合がある。例えば、フィルムに金属箔を熱圧着するとき、必要となる圧着温度が加工機の使用限界温度以上に高められていることがある。逆に、後加工時の問題を回避しようとして、熱処理の程度を抑えると、曲げ弾性率が十分に高められない場合が多い。
これを解消するための技術として、例えば特許文献2には、熱可塑性液晶ポリマーからなる成形体に重合性官能基を有する単量体を注入し、次いで単量体の重合処理を施すことによって、曲げ弾性率が高められることが開示されている。
特開2000−269616号公報 特開2003−128821号公報
しかしながら、上記の技術では、曲げ弾性率の向上のみを目的として成形体に単量体を注入するために、特殊な条件を設定する必要がある。またこのような条件下での重合では曲げ弾性率を効率よく制御することが困難である。
したがって、本発明は、簡便に得ることができると共に効果的に曲げ弾性率等が高められた主鎖型液晶ポリマーからなる液晶ポリマー組成物、液晶ポリマーフィルム及びそれを用いた積層体を提供することである。
本発明者らは、鋭意検討した結果、微量のカーボンナノチューブを含有する主鎖型液晶ポリマーを用いることによって上記課題を解決できることを見出した。
本発明の液晶ポリマー組成物は、主鎖型液晶ポリマーと、該主鎖型液晶ポリマー100質量部に対して0.0001質量部〜0.2質量部のカーボンナノチューブと、を含有するものである。
本発明のフィルムは、上記液晶ポリマー組成物で形成されたものである。
本発明の積層体は、上記液晶ポリマー組成物で形成されたフィルムから構成されたフィルム層と、該フィルム層の少なくとも一方に配置された金属箔層とを含むものである。
本発明によれば、簡便に得ることができると共に効果的に曲げ弾性率等が高められた主鎖型液晶ポリマーからなる液晶ポリマー組成物、液晶ポリマーフィルム及びそれを用いた積層体を提供することができる。
本発明の液晶ポリマー組成物は、主鎖型液晶ポリマーと、該主鎖型液晶ポリマー100質量部に対して0.0001質量部〜0.2質量部のカーボンナノチューブと、を含有するものである。
本発明の液晶ポリマー組成物は、主鎖型液晶ポリマーに、所定量のカーボンナノチューブを加えることによって、特別な条件を設定することなく、主鎖型液晶ポリマーの成形と共に曲げ弾性率等が高められた液晶ポリマーフィルム等の製品を提供可能にすることができる。
<カーボンナノチューブ>
カーボンナノチューブは、黒鉛シート(即ち、黒鉛構造の炭素原子価ないしグラフェンシート)がチューブ状に閉じた中空炭素物質であり、その直径はナノメートルスケールであり、壁構造は黒鉛構造を有している。カーボンナノチューブのうち、壁構造が一枚の黒鉛シートでチューブ状に閉じたものは単層カーボンナノチューブ(SMNT)と呼ばれ、複数枚の黒鉛シートがそれぞれチューブ状に閉じて、入れ子状になっているものは入れ子構造の多層カーボンナノチューブ(MWNT)と呼ばれている。本発明では、これら単層カーボンナノチューブ及び入れ子構造の多層カーボンナノチューブをいずれも使用できる。
本発明におけるカーボンナノチューブの外径は、特に制限はないが、例えば1〜200nmであり、得られるフィルムの曲げ弾性率の観点から好ましくは4〜150nmである。また長さは、直径の5〜10000倍程度のものであってもよく、得られるフィルムの曲げ弾性率の観点から好ましくは10〜1000倍程度である。また、その末端形状は必ずしても円筒状でなくてもよく、円錐状などであってもよく、末端は閉じた構造であっても開いた構造であってもよい。
また炭素以外の原子、例えば鉄を含み、炭化鉄又は鉄を中空部分に含有するものであってもよい。この場合、中空部に内包される炭化鉄又は鉄の充填率は、得られるフィルムの誘電特性の観点から10〜90容量%であることが好ましい。カーボンナノチューブにおける炭化鉄の含有量は、誘電特性の観点から好ましくは1〜30質量%、更に好ましくは2〜20質量%である。
本発明におけるカーボンナノチューブは、炭素含有ガスの気相分解反応や、炭素棒・炭素繊維等を用いたアーク放電法等によって得ることができ(例えば特許第3569806号)、またハイペリオン・カタリシス・インターナショナル社からGraphite Fibrils Grades BN(商品名)、CarboLex Inc.からCarboLex-AP(商品名)、Steam Chemicals Inc.からSCI-SWNT(商品名)、Rosseter Holdings Ltd.からROS-SWNT(商品名)、CarboNanotech Inc.からCNI-SWNT(商品名)などとして入手してもよい。
本発明においてカーボンナノチューブの本発明の液晶ポリマー組成物における含有量は、後述する主鎖型液晶ポリマー100質量部に対して、0.0001質量部〜0.2質量部である。0.0001質量部よりも少ないとカーボンナノチューブ添加による曲げ弾性率の向上を充分に得ることができず、一方、0.2質量部よりも多いと、引っ張り強度とのバランスが損なわれ、また誘電特性に劣る。また、曲げ弾性率、引っ張り強度、誘電特性のバランスの観点から0.001質量部〜0.05質量部であることが好ましく、0.005〜0.01質量部であることが更に好ましい。
<主鎖型液晶ポリマー>
主鎖型液晶ポリマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、環状基を少なくとも含む基本骨格を繰り返し単位として有するものなどが挙げられ、具体的には環状基と連結基と官能基とスペーサ部とを含む基本骨格を繰り返し単位として有するものなどが好適に挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、高耐熱性フィルムが得られやすいことからポリエステルがより好ましく、芳香族ポリエステルが特に好ましい。
前記芳香族ポリエステルとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、表1に示すような、芳香族ジオール、芳香族ジカルボン酸及びヒドロキシカルボン酸から選択される少なくとも一種をモノマーユニットとして含むもの、などが好適に挙げられる。
Figure 2007126578
前記芳香族ポリマーとしては、例えば、下記一般式Iで表される構造を含むものが特に、耐熱性であり、好適に挙げられる。
Figure 2007126578
一般式I中、m及びnは繰り返し単位の組成比を表す。m:nは特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば90:10〜50:50が熱安定性やその他の引っ張り強度などの膜物性から好ましく、80:20〜60:40がより好ましい。
前記芳香族ポリマーとしては、前記一般式Iで表される構造を含むもの以外に、下記一般式で表される構造を含むものなどが好適に挙げられる。
なお、本明細書中の表記において、カッコは繰り返し単位(ユニット)を示す。また各液晶ポリマーでは、表示されたユニットが主鎖に含まれているものであればよく、ランダムに含まれるものであってもブロックとして含まれるものであってもよい。複数のユニットで表示されているものは、特に示されない限り、個々のユニットはいずれの割合を有するものをすべて含むことを意味する。ただし、必要な分子量を得るために、主鎖を構成する繰り返し単位の末端−O−基の合計モルと末端−CO−基の合計モルとの比は、少なくとも1±0.02、好ましくは1±0.01の範囲内で含まれることが好ましい。
Figure 2007126578
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前記主鎖型液晶ポリマーの合成方法としては、例えば下記スキームにより表される様な合成方法などが挙げられる。
Figure 2007126578
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これらの主鎖型液晶ポリマーの分子量は、Tgや引っ張り強度などの膜物性の観点から、質量平均分子量として、10,000〜1,000,000とすることが好ましく、30,000〜500,000がさらに好ましい。質量平均分子量は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフ)装置を用いて、液晶ポリマー溶液を注入し、得られる分子量分布曲線から、標準単分散ポリスチレンにより校正して、ポリスチレン換算の質量平均分子量として求めることができる。
前記主鎖型液晶ポリマーは、適宜合成したものであってもよいし、市販品であってもよい。なお、前記市販品としては、具体的には、XydarSRT−300、SRT−500、FSR−315、RC−210、FC−110、FC−120、FC−130(以上、日本石油化学(株)製、商品名)、エコノールE2000(住友化学工業(株)製、商品名)シリーズ、エコノールE6000(住友化学工業(株)製、商品名)シリーズ、ベクトラA900、ベクトラA950、ベクトラA130、ベクトラC130、ベクトラA230、ベクトラA410(以上、ポリグラステックス(株)製、商品名)、EPE−240G30(三菱化成(株)製、商品名)、ロッドランLC−5000H(ユニチカ(株)製、商品名)、ノバキュレートE322G30、E335G30、EPE−240G30(以上、三菱化学(株)製、商品名)、BIAC(ジャパンゴアテックス(株)製、商品名)などが好適に挙げられる。
<その他の添加剤>
本発明の液晶ポリマー組成物には、公知の各種無機微粒子を滑り剤として添加することも可能である。無機微粒子としては、BET吸着法による比表面積が1m/g以上であることがポリマーフィルムからのブリード防止の観点から好ましく、例えば、各種アルミナ(例えばα、γ、δ型など)、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化クロムなどの金属酸化物や炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、タルク、雲母、リン酸ジルコニウム、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、あるいは金、銀、白金などの金属超微粒子が挙げられるが、前記比表面積を満たせば、これらに限定されるものではない。これらの中で各種アルミナ(α、γ、δ型など)、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムが好ましい。
さらに、該無機微粒子は2次凝集が起こりにくく、粗大な突起を形成しない点で平均粒径が、0.001〜5.0μmであることが好ましい。より好ましい平均粒径は0.01〜2.0μmである。また、含有量は該共重合ポリエステルに対して、0.01〜5.0質量%であることが必要である。
またこれらの無機粒子は、液晶ポリマー100重量部に対して、0.01質量部〜5.0質量部で含有されることが好ましい。0.01質量%未満では地肌補強効果が十分ではない場合があり、5.0質量%を越えると表面が荒れて逆に耐摩耗性を悪化させてしまう場合がある。より好ましくは0.05〜4.0質量部、さらに好ましくは0.018〜3.5質量部である。
本発明の液晶ポリマー組成物には、さらに赤燐や有機臭素化物や燐化合物などの公知の難燃剤を使用することができる。有機臭素化物としては通常難燃剤として使用される有機臭素化合物を含み、特に臭素含量20質量%以上のものが好ましい。具体例としてはヘキサブロモベンゼン、ペンタブロモトルエン、ヘキサブロモビフェニル、デカブロモビフェニル、ヘキサブロモシクロデカン、デカブロモジフェニルエーテル、オクタブロモジフェニルエーテル、ヘキサブロモジフェニルエーテル、ビス(ペンタブロモフェノキシ)エタン、エチレン−ビス(テトラブロモフタルイミド)、テトラブロモビスフェノールAなどの低分子量有機臭素化合物、臭素化ポリカーボネート(例えば臭素化ビスフェノールAを原料として製造されたポリカーボネートオリゴマーあるいはそのビスフェノールAとの共重合物)、臭素化エポキシ化合物(例えば臭素化ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジエポキシ化合物や臭素化フェノール類とエピクロルヒドリンとの反応によって得られるものエポキシ化合物)、ポリ(臭素化ベンジルアクリレート)、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化ビスフェノールA、塩化シアヌルおよび臭素化フェノールの縮合物、臭素化ポリスチレン(ポリ臭素化スチレンを含む)、架橋臭素化ポリスチレン、架橋臭素化ポリα−メチルスチレンなどのハロゲン化されたポリマーやオリゴマーあるいは、これらの混合物が挙げられ、なかでもエチレンビス(テトラブロモフタルイミド)、臭素化エポキシオリゴマーまたはポリマー、臭素化ポリスチレン、架橋臭素化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンエーテルおよび臭素化ポリカーボネートが、配合した液晶ポリマーとの相溶性や、得られるフィルムの難燃性の確保の観点から、好ましく、臭素化ポリスチレンが最も好ましく使用できる。
上記難燃剤を含める場合には、液晶ポリマー100重量部に対して、1〜30質量部であることが好ましく、0.5〜10質量部であることがさらに好ましい。
本発明の液晶ポリマー組成物には、離型性を向上させる目的で離型剤を添加することが可能である。離型剤としては種々の公知の離型剤を添加することができるが、中でもオレフィン系重合体および/または炭素数11以上の脂肪酸と脂肪族第1級アルコールからなるエステル化合物が、液晶ポリマーとの相溶性、及び得られるフィルムの離型性確保の観点から好ましい。
本発明で用いるオレフィン系重合体としてはポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンまたはプロピレンと炭素数が3以上のα−オレフィンからなる共重合体およびエチレンまたはプロピレンと炭素数が3以上のα−オレフィンおよび非共役ジエンからなる共重合体から選ばれた一種以上のものである。
炭素数が3以上のα−オレフィンとは、好ましくはプロピレン、ブテン−1、ペンテン−1,3−メチルペンテン−1、オクタセン−1などであり、プロピレンおよびブテン−1がさらに好ましく、これらは二種以上併用して使用できる。
非共役ジエンとは、好ましくは5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン等が使用できる。
非共役ジエンを含有しない場合、エチレンと炭素数3以上のα−オレフィンの共重合比は通常、40/60〜99/1(モル比)、好ましくは70/30〜95/5(モル比)である。
非共役ジエンを含有する場合、炭素数3以上のα−オレフィンの共重合量は、通常、3〜80モル%、好ましくは15〜60モル%であり、非共役ジエンの共重合量は、通常、0.1〜15モル%、好ましくは0.5〜10モル%である。
これらの共重合体の具体例としてはエチレン/プロピレン共重合体、エチレン/ブテン−1共重合体、エチレン/ペンテン−1共重合体、エチレン/プロピレン/ブテン−1共重合体、エチレン/プロピレン/5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体、エチレン/プロピレン/1,4−ヘキサジエン共重合体、エチレン/プロピレン/ジシクロペンタジエン共重合体などであり、なかでもエチレン/プロピレン共重合体およびエチレン/ブテン−1共重合体が耐熱性に優れより好ましい。最も好ましく用いられるものはポリエチレン、ポリプロピレンである。また、上記オレフィン系重合体2種以上併用することもできる。オレフィン系重合体の分子量は特に規定はされないが、好ましくは数平均分子量(Mn)が4,000〜20,000の範囲内、さらに好ましくは5,000〜17,000の範囲内、最も好ましいのは5,000〜10,000の範囲内である。また、数平均分子量(Mn)と質量平均分子量(Mw)の比率(Mw/Mn)が好ましくは10〜40の範囲内、より好ましくは12〜37の範囲内、さらに好ましくは25〜35の範囲内である。
分子量は、ポリエチレンが可溶な溶媒を使用してGPC−LS(ゲル浸透クロマトグラフ−光散乱)法により測定することが可能である。
本発明に用いるエステル化合物をなす脂肪酸および脂肪族第1級アルコールの炭素数は11以上、好ましくは14以上である。エステルに用いる脂肪酸および脂肪族アルコールの炭素数が10以下の場合、離型性、高温での成形のために分解ガスが発生し、良好な成形品が得られなくなるので好ましくない。エステルに用いる炭素数11以上の脂肪酸の具体例はウンデシル酸、ラウリル酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ノナデカン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキジン酸、べヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、メリシン酸などが挙げられ、特にラウリル酸、ステアリン酸、オレイン酸、アラキジン酸、べヘン酸、モンタン酸などが好適である。また、炭素数11以上の脂肪族第1級アルコールの具体例はウンデカノール、ドデカノール、トリデカノール、テトラデカノール、ペンタデカノール、ヘキサデカノール、ヘプタデカノール、オレイルアルコール、オクタデカノール、ノナデカノール、エイコサノール、ヘネイコサノール、トリコサノール、テトラコサノール、ヘキサコサノール、オクサコサノール、エチレングリコール、ブチレングリコールなどが挙げられ、ウンデカノール、ヘキサデカノール、ヘプタデカノール、オレイルアルコール、オクサコサノール、エチレングリコール、ブチレングリコールなどが好適である。
本発明において離型剤、例えば、オレフィン系重合体および/または炭素数11以上の脂肪酸と脂肪族第1級アルコールからなるエステル化合物の添加量は、液晶ポリマー100質量部に対して0.01〜2質量部、好ましくは0.03〜1.5質量部とすることができる。また、オレフィン系重合体および炭素数11以上の脂肪酸と脂肪族アルコールからなるエステル化合物を液晶ポリマーに添加する場合、その比率は1/9〜9/1が、両成分及び液晶ポリマーとの相溶性の観点から好ましく、より好ましくは3/7〜7/3である。
更に、本発明の液晶ポリマー組成物には、本発明の目的を損なわない程度の範囲で、酸化防止剤および熱安定剤(例えば、ヒンダードフェノール、ヒドロキノン、ホスファイト類およびこれらの置換体など)、紫外線吸収剤(たとえばレゾルシノール、サリシレート、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノンなど)、滑剤および離型剤(モンタン酸およびその塩、そのエステル、そのハーフエステル、ステアリルアルコール、ステアラミド、ポリエチレンおよびポリエチレンワックスなど)、染料(たとえばニトロシンなど)および顔料(たとえば硫化カドミウム、フタロシアニン、カーボンブラックなど)を含む着色剤、エポキシ化合物などの相溶化剤、可塑剤、帯電防止剤、結晶核剤、難燃剤、難燃助剤などの通常の添加剤を添加して、所定の特性を付与することができる。
上記難燃剤、添加剤を添加する方法は溶融混練することが好ましく、具体的には、マスターバッチを製造する際に同時に溶融混練する方法、マスターバッチと液晶ポリマーを溶融混練する際同時に溶融混練する方法、あるいはマスターバッチと液晶ポリマーを溶融混練した後、それと上記赤燐以外の難燃剤、添加剤と溶融混練する方法等いずれでもよい。溶融混練には公知の方法を用いることができる。たとえば、バンパリーミキサー、ゴムロール機、ニーダー、単軸もしくは二軸押出機などを用い、溶融混練して組成物とすることができる。
<混練>
本発明の主鎖型液晶ポリマー組成物の製造方法は、特に限定されるものではないが溶融混練により製造することが好ましく、溶融混練には公知の方法を用いることができる。例えば、バンバリーミキサー、ゴムロール機、ニーダー、単軸もしくは二軸押出機などを用い、200〜400℃の温度で溶融混練して組成物とすることが推奨される。
溶融混練時には、あらかじめ液晶ポリエステルに高濃度でカーボンナノチューブを含有して成る液晶樹脂組成物を溶融混練により製造したもの(以下マスターバッチと称す)を用いる方法が好ましい。液晶ポリエステル100質量部に対してカーボンナノチューブを0.01〜50質量部、より好ましくは0.05〜10質量部含有するように調製する。
マスターバッチは、液晶ポリエステルとカーボンナノチューブを溶融混練することにより製造するが、溶融混練には公知の方法を用いることができる。例えば、バンバリーミキサー、ゴムロール機、ニーダー、単軸もしくは二軸押出機などを用い、溶融混練して組成物とすることができる。好ましい方法としては、二軸押出機を使用し、液晶ポリマーおよび赤燐あるいはさらに酸化チタンを元込めにして溶融混練する方法が挙げられる。そして液晶ポリマーに対して上記のようにして製造したマスターバッチを溶融混練して所望の赤燐含有量に調整する方法が挙げられる。液晶ポリマー組成物は液晶ポリマー100質量部に対してマスターバッチを0.001〜0.5質量部、より好ましくは0.002〜0.2質量部含有してなるように調製することが好ましい。
このマスターバッチの溶融混練にも上記の公知の方法を用いることができ、また、好ましい方法としては、二軸押出機を使用し、液晶ポリマーおよびマスターバッチなどを元込めにして液晶ポリマーを溶融させたところに、充填材などをサイドフィーダーにより供給し、混練する方法が挙げられる。二軸押出機のスクリューアレンジとしては、充填材をできるだけ折損しないようにサイドフィーダー供給部以降の練りはあまり強くしないことが望ましい。
本発明の液晶ポリマー組成物は、フレキシブルプリント配線板用基材やTAB用テープ、絶縁テープなどの製造用だけでなく、各種フィラーを充填することにより、各種ギア、各種ケース、センサー、LEDランプ、コネクター、ソケット、抵抗器、リレーケース、スイッチ、コイルボビン、コンデンサー、バリコンケース、光ピックアップ、光コネクター、発振子、各種端子板、変成器、プラグ、プリント配線板、チューナー、スピーカー、マイクロフォン、ヘッドフォン、小型モーター、磁気ヘッドベース、パワーモジュール、ハウジング、半導体、液晶ディスプレー部品、FDDキャリッジ、FDDシャーシ、HDD部品、モーターブラッシュホルダー、パラボラアンテナ、コンピューター関連部品などに代表される電気・電子部品;VTR部品、テレビ部品、アイロン、ヘアードライヤー、炊飯器部品、電子レンジ部品、音響部品、オーディオ・レーザーディスク・コンパクトディスクなどの音声機器部品、照明部品、冷蔵庫部品、エアコン部品、タイプライター部品、ワードプロセッサー部品などに代表される家庭、事務電気製品部品、オフィスコンピューター関連部品、電話機関連部品、ファクシミリ関連部品、複写機関連部品、分離爪、洗浄用治具、オイルレス軸受、船尾軸受、水中軸受、などの各種軸受、モーター部品、ライター、タイプライターなどに代表される機械関連部品、顕微鏡、双眼鏡、カメラ、時計などに代表される光学機器、精密機械関連部品;オルタネーターターミナル、オルタネーターコネクター、ICレギュレーター、排気ガスバルブなどの各種バルブ、燃料関係・排気系・吸気系各種パイプ、エアーインテークノズルスノーケル、インテークマニホールド、燃料ポンプ、エンジン冷却水ジョイント、キャブレターメインボディー、キャブレタースペーサー、排気ガスセンサー、冷却水センサー、油温センサー、スロットルポジションセンサー、クランクシャフトポジションセンサー、エアーフローメーター、ブレーキバット摩耗センサー、エアコン用サーモスタットベース、暖房温風フローコントロールバルブ、ラジエーターモーター用ブラッシュホルダー、ウォーターポンプインペラー、タービンペイン、ワイパーモーター関係部品、デュストリビュター、スタータースイッチ、スターターリレー、トランスミッション用ワイヤーハーネス、ウィンドウオッシャーノズル、エアコンパネルスイッチ基板、燃料関係電磁気弁用コイル、ヒューズ用コネクター、ホーンターミナル、電装部品絶縁板、ステップモーターローター、ランプソケット、ランプリフレクター、ランプハウジング、ブレーキピストン、ソレノイドボビン、エンジンオイルフィルター、点火装置ケースなどの自動車・車両関連部品、その他各種用途に有用である。中でも本発明の液晶ポリマー組成物は、優れた薄肉流動性を有し、通常の成形方法(射出成形、プレス成形など)により、電気・電子部品を封止することができる。例えば、IC、トランジスター、バリスター、ダイオード、コンデンサー、サーミスター、サイリスター、フォトカプラー、フォトリフレクター、トランスコイル、整流素子、抵抗器、ボリューム抵抗、パワーアンプモジュール、センサー、モーター、半導体レーザー、光デバイスなどのディスクリート部品、HDD部品、FDD部品、CDピックアップ部品などの封止部品用途に有用である。
このようにして構成された本発明の液晶ポリマー組成物は、優れた成形性を有し、通常の成形方法(射出成形、押出成形、ブロー成形、プレス成形、インジェクションプレス成形など)により、三次元成形品、シート、容器パイプなどに加工することができ、特に押出成形や射出成形により得られた精密成形品に有効である。
特に、本発明の液晶ポリマー組成物は、高周波特性に優れた、半導体パッケージ基板の絶縁層、COF、TAB用テープ、その他の絶縁用テープ、FPC材料の提供に適している。
本発明のフィルムは、上記液晶ポリマー組成物で形成されたことを特徴とするものである。
本発明のフィルムを構成する液晶ポリマー組成物の組成は、その用途に応じて、本発明の範囲内で適宜変更することが可能である。例えばフィルムの所望の耐熱性および加工性を得る目的においては、約200〜約400℃の範囲内、とりわけ約250〜約350℃の範囲内に融点を有する液晶ポリマー組成物を上述した範囲から選択することが好ましいが、フィルム製造の観点からは、比較的低い融点を有するものが好ましい。したがって、より高い耐熱性や融点が必要な場合には、一旦得られたフィルムを加熱処理することによって、所望の耐熱性や融点にまで高めることが有利である。加熱処理の条件の一例を説明すれば、一旦得られたフィルムの融点が283℃の場合でも、260℃で5時間加熱すれば、融点は320℃になる。
本発明の主鎖型液晶ポリマーフィルムは、任意の厚みのものでよく、5mm以下の板状またはシート状のものをも包含する。ただし、高周波回路用フレキシブル基板に使用する場合には、厚みが厚いほど伝送損失が小さくなるので、できるだけ厚みを厚くする必要がある。しかしながら、電気絶縁層として本発明の主鎖型液晶ポリマーフィルムを単独で用いる場合、そのフィルムの膜厚は、10〜150μmの範囲内にあることが好ましく、15〜75μmの範囲内がより好ましい。フィルムの厚さが薄過ぎる場合には、フィルムの剛性や強度が小さくなることから、フィルム膜厚10〜150μmの範囲のフィルムを積層させて任意の厚みとするのが適当である。
本発明の主鎖型液晶ポリマー組成物から成るフィルムは、上記主鎖型液晶ポリマー組成物を押出成形して得られる。任意の押出成形法がこの目的のために適用されるが、周知の二軸押出し法、インフレーション法等が工業的に有利である。特にインフレーション法では、フィルムの機械軸方向(以下、MD方向と略す)だけでなく、これと直交する方向(以下、TD方向と略す)にも応力が加えられるため、MD方向とTD方向における機械的性質および熱的性質のバランスのとれたフィルムを得ることができる。
また、フィルムの少なくとも一方の面を支持体と接触させた状態で液晶フィルムを加熱してポリマーを溶融する工程、溶融ポリマーを冷却して固化したポリマー層を形成する工程、及び該固化したポリマー層を該支持体から分離する工程を含んで成る液晶ポリマーの処理方法(特開平8−90570号公報記載)によっても有利に形成することができる。
カーボンナノチューブを含有する主鎖型液晶ポリマーフィルムのなかでも、分子配向度SORが1.3以下のフィルムは、MD方向とTD方向との間における機械的性質および熱的性質のバランスが良好であり、吸湿や加熱によりフィルム内に発生する内部応力を少なくとも面方向に分散するため、必要な寸法変化率の等方性が確保できるので、より実用性が高い。
ここで、分子配向度SORは、マイクロ波分子配向度測定機において、主鎖型液晶ポリマーフィルムを、マイクロ波の進行方向にフィルム面が垂直になるように、マイクロ波共振導波管中に挿入し、該フィルムを透過したマイクロ波の電場強度を検出することによって測定される、分子配向の度合いを与える指標である。本発明の主鎖型液晶ポリマーフィルムの適用分野によって、必要とされる分子配向度SORは当然異なるが、SOR≧1.5の場合は主鎖型液晶ポリマー分子の配向の偏りが著しいためにフィルムが硬くなり、かつMD方向に裂け易い。加熱時の反りがないなどの形態安定性が必要とされる適用分野の場合には、0.90≦SOR≦1.3であることが望ましく、特に加熱時の反りをほとんど無くす必要がある場合には、0.97≦SOR≦1.03であることが望ましい。
<積層体>
本発明の積層体は、上記液晶ポリマー組成物で形成された上記フィルムから構成されたフィルム層と、該フィルム層の少なくとも一方に配置された金属箔層とを含むものである。ここで本発明の液晶ポリマー組成物で形成された層は、電気絶縁層を構成する。
用いられる金属箔の材質としては、電気的接続に使用されるような金属が好適であり、銅、金、銀、ニッケル、アルミニウム及びこれらの金属を含む合金などを挙げることができる。合金の例として、銅−亜鉛合金,銅−ニッケル合金,亜鉛−ニッケル合金等を挙げることができる。特に好ましい金属箔の具体例として、純銅、無酸素銅、その他には、銅95重量%以上のFe、Sn、P、Cr、Zr、Zn等との合金などを挙げることができる。また、42アロイ等の合金の表面を銅メッキした金属板等も使用され得る。例えば銅箔としては、圧延法、電気分解法などによって製造される何れのものでも用いることができるが、表面粗さの大きい電気分解法によって製造されるものを用いるのが好ましい。金属箔には、銅箔に対して通常施される酸洗浄などの化学的処理が施されていてもよい。用いられる金属箔の厚さは、4〜100μmの範囲内が、配線の導電性及び経済性の観点から好ましく、10〜35μmの範囲内がより好ましい。
主鎖型液晶ポリマーフィルムと金属箔との積層体を製造するには、エポキシ系接着剤等を用いて接着させる方法、および蒸着、スパッタリング、めっきなどによりフィルム上に金属層を直接形成する方法の他、真空プレス装置等を用いて熱圧着させる方法等を採用することができる。
本発明の積層体を高周波回路用フレキシブル基板とした場合、基板にスルーホールを形成する方法としては、ドリルによる加工法や、炭酸ガスレーザー、YAGレーザー、紫外レーザー、エキシマレーザーなどのレーザーによる加工法を採用することができる。スルーホール形成時の発熱で、穴内に付着した主鎖型液晶ポリマーの切削クズ(スミヤ)は、汎用の市販薬剤を用いて、化学的に除去することが好ましい。また、基板のスルーホールにめっきを施す方法としては、従来周知の方法を採用することができ、無電解銅めっきと電解銅めっきによるパターンめっきおよび/またはパネルめっきを順次施せばよい。
<主鎖型液晶ポリマーフィルムと金属箔の積層体の製造>
本発明の主鎖型液晶ポリマー組成物よりなるフィルムと金属箔との接着は、加圧ロールによる熱圧着法によって行うことができる。このとき、圧着温度は該液晶高分子の融点より80℃低い温度から該融点より5℃低い温度までの範囲内の温度であることが必要である。
本発明において、加圧ロールとして、例えば、金属製ロール、ゴム製ロール、ゴム、ポリイミドなどの樹脂を表面にコートした金属ロールなどの公知のプレスロールから適宜選択して使用することが可能である。
加圧ロールによりフィルム及び金属箔に加えられる圧力は、加圧部位で実質的に変形が生じないロール同士の組み合わせである場合には、線圧換算で5kg/cm以上が、十分な層間剥離強さを実現させる上で好ましいさらに好ましくは10kg/cm以上である。また加圧ロールが、金属ロールまたは表面にゴムコーティング層を有する金属ロールと表面にゴムコーティング層を有する金属ロールまたはゴム製ロールとの組み合せである場合のように少なくとも1個の少なくともロール面がゴムからなるロールを含む場合には、コーティング層のゴム材質、ゴム製ロールの材質、加圧ロールに加える力などにより、加圧時における該コーティング層および/またはゴム製ロールの変形の程度が変化するので、加圧ロールによってフィルムおよび金属箔に加えられる圧力は線圧換算ではなく、面圧換算において20kg/cm以上であることが好ましい。面圧が20kg/cm以上である場合には、前述のように充分な層間剥離強さを斑の発生を抑制して発現させる効果が特に高められる。
加圧力の上限は特に限定されるものではないが、加圧力が高すぎても、それに見合うだけの高い接着力を発現させることができず、逆にフィルムの破断が生じる場合さえあること、ロールの構造および材質によっては加圧能力に限界があることなどの理由から、上記線圧換算で400kg/cmを越えないか、または上記面圧換算で100kg/cmを越えないことが望ましい。
なお、加圧ロールの線圧とは、加圧ロールに付与したカ(圧着荷重)を加圧ロールの有効幅で除した値である。また上記の面圧とは、圧着時に加圧ロールの変形により形成される加圧面の面積で圧着荷重を除した値である。
加圧ロールの回転速度は、30m/分以下とすることが好ましく、20m/分以下がより好ましい。
本発明の積層体は、液晶高分子よりなるフィルムと金属箔との二層構造に限られることなく、例えば金属箔/フィルム/金属箔、フィルム/金属箔/フィルムあるいはフィルム/フィルム/金属箔のような三層構造や金属箔/フィルム/金属箔/フィルム/金属箔のような五層構造のように少なくとも一層のフィルムと少なくとも一層の金属箔を含む多層構造を含むものである。
また、等方性及び寸法安定性の改良のため、フィルム長手方向の分子配向度SORが0.90以上1.15未満の範囲の熱可塑性液晶ポリマーフィルムと金属シートを、熱可塑性液晶ポリマーフィルムを緊張状態又は無緊張状態で加熱ロール間により圧着させる第一工程と、第一工程で得られた積層板を熱可塑性液晶ポリマーフィルムの融点以上で加熱処理する第二工程を備える方法(特開2000−343610号公報記載)なども好適に使用できる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1]
<カーボンナノチューブの合成>
特許第3569806号公報に記載の方法に従い製造された。得られたカーボンナノチューブは、鉄−炭素複合体のナノフレークカーボンナノチューブであり、チューブ内空間部に炭化鉄を部分的に内包しており、次の物性を有する。
外径:20〜100nm
長さ:5μm以下
炭化鉄の含有量:10質量%
炭化鉄の充填率:40容量%
<主鎖型液晶ポリエステルの合成>
4−アセトキシ安息香酸137質量部、6−アセトキシ−2−ナフトエ酸63質量部、及び酢酸カリウム0.01質量部を反応容器に仕込み、撹拌しながら150℃まで温度を上昇させ、十分に窒素置換させた。更に撹拌しながら300℃まで温度を上昇させ、発生する酢酸を除去させながら反応容器内を徐々に減圧させた。この状態で1時間撹拌し続け、下記構造式(I−1)で表される主鎖型液晶ポリマーAを合成した。
該主鎖型液晶ポリマーAを少量取り2枚のガラスにはさみ、加熱しながら偏光顕微鏡で軟化が始まる温度を観察したところ、約310℃であった。
なお、下記構造式(I−1)におけるm及びnはモル比を表し、m:n=73:27であった。
Figure 2007126578
<マスターバッチ>
前記カーボンナノチューブ:10質量部とβ−ヒドロキシナフトエ酸とp−ヒドロキシ安息香酸から構成されたポリエステルからなる液晶ポリマーA:90質量部とを、380℃で二軸押出機を用いて混練した後で、ストランドカットしてマスターバッチのペレットを得た。
<主鎖型液晶ポリマーフィルムの製造>
前記主鎖型液晶ポリマーのペレット100質量部と、前記カーボンナノチューブ含有マスターバッチ0.1質量部を混練し、インフレーション成型法により、厚み50μmのフィルムに成形した(実施例1のフィルム、カーボンナノチューブ:0.01質量部)。このフィルムの融点は280℃であった。このフィルムに対して、以下に示すように各種特性を調べた。
(融点)
示差走査熱量計(DSC)を用いて、フィルムを20℃/分の速度で昇温して完全に溶融させた後、溶融物を50℃/分の速度で50℃まで急冷し、再び20℃/分の速度で昇温した時に現れる吸熱ピーク温度を測定した。
(曲げ弾性率)
厚みがミクロンオーダーのフィルムの曲げ弾性率の測定は、通常の厚板で行われる曲げ弾性率の試験方法では困難である。そこで片持ち梁による方法を用いて測定した。すなわち、フィルムを巾1cm、長さ4cmのサイズに裁断し、フィルムの一端を固定し、他端は自由として、その自由端の垂れ下がりの高さを測定した。この数値が小さいほど曲げ弾性率は向上していることを意味する。
(引張強度)
ASTMD882に準拠して測定した。
(誘電特性)
主鎖型液晶ポリマーとカーボンナノチューブからの主鎖型液晶ポリマー組成物から、前記と同様にして、厚み2mm、幅150mm、長さ50mmの板状成形体を得た。さらにこの成形体より切断して2mm×2mm×150mmの誘電特性評価サンプルを得た。
得られたサンプルについて、空洞共振器法(JIS R1641 ファインセラミックス基板のマイクロ波誘電特性の試験方法)に従い、比誘電率(εr)及び誘電正接(tanδ)を測定した。
これらの結果を表2に示す。
[実施例2〜4、比較例1〜2]
カーボンナノチューブの含有量を表2に記載されているように変更した以外は、実施例1と同様にして、フィルムを作製し、各種試験を実施した。これらの結果を表2に合わせて示す。
Figure 2007126578
[実施例5〜8及び比較例3〜4]
<フレキシブル基板の製造>
表3に示されるように、各液晶ポリマーフィルムと18μm厚みの電解銅箔(表面粗度11μm)とを重ね、フィルム側には硬度90度のシリコーンゴム製ロールが接し、銅箔側にはクロムメッキされた鉄製ロールが接するように、両ロールからなる加圧ロール間に供給して、クロムメッキされた鉄製ロールの表面温度250℃、面圧25Kg/cm、線圧38Kg/cm、線速度1m/分で加熱圧着して、積層体を得た。この積層体に対して、以下に示すように各種特性を調べた。
(はんだ耐熱性)
積層体から採取した2.5cm×2.5cmの試験片を260℃のはんだ浴中に10秒間浸漬したのち、フクレ、剥がれを目視観察した。
判定基準
○:フクレ・剥がれ無し
×:フクレ・剥がれあり
(耐屈曲性試験)
主鎖型液晶ポリマー組成物より成るフィルムと銅箔との積層体の銅箔側に、JPCA規格の耐屈曲性試験片と同じパターンを、常法により形成した(図1参照)。
すなわち、積層体の銅箔面側にスピンコート法によりフォトレジストの溶液を厚さが均一になるように塗布した。溶媒を除去したのち、形成されたフォトレジスト膜の上にJPCA規格「片面フレキシブルプリント配線板」の耐屈曲性試験片と同じパターンを有する露光用原版を密着させてその背面から紫外線を照射することにより、銅箔表面上のフォトレジスト膜にパターンを焼き付けた。次に、非露光部分のフォトレジスト膜を溶解除去し、400g/lの塩化第2鉄水溶液に40℃で20分間浸漬することにより、パターン部以外の銅箔のみを溶解した。
上記の方法により作製された試験片を使用して、図2に示す方法により強制屈曲試験を行った。
すなわち、25mm×180mmの試験片10の一端から5mmまでの部分を、固定された保持具12に狭持し(このフィルムの一端を固定端と称する)、屈曲部の曲げ径が10mmとなるようにフィルムを屈曲させた状態で試験片の他端から5mmまでの部分を、可動な保持具14に狭持した(このフィルムの一端を移動端と称する)。移動端を、曲げ径10mmに維持した状態で、フィルム中央部とその周辺が屈曲されるようにストローク長50mmで、固定端に対して平行に往復移動させた。移動端を1000回往復させたのち、パターン部を形成している金属箔部の浮上がりの程度を肉眼で観察し、下記のように判定した。結果を表3に示す。
判定基準
◎:浮き上がり全くなし
○:コーナー部にわずかの浮き上がり有り、直線部に浮き上がり無し
△:コーナー部に浮き上がり有り、直線部に僅かに浮き上がり有り
×:コーナー部に浮き上がり有り、直線部に飽きあがり有り
Figure 2007126578
本発明にかかる液晶ポリマーフィルム(実施例1〜4)は、表2に示されるように、比較例1のフィルムと比較して、曲げ弾性率と引っ張り強度が向上しており、誘電特性も劣化しないことが明らかであった。このような効果は、比較例1から、カーボンナノチューブの添加によるものであることは明らかである。
また、本発明にかかる液晶ポリマーフィルムから得られたフレキシブル基板は、表3に示すように、優れたはんだ耐熱性と耐屈曲性を示すことは明らかであった。
一方で比較例2の様に、本発明の範囲外のカーボンナノチューブ添加量では、誘電特性が劣化することも明らかであった。
従って、本発明の液晶ポリマーフィルムは、主鎖型液晶ポリマー中に微量のカーボンナノチューブを含む液晶ポリマー組成物から得られるため、曲げ弾性率が高く、高周波領域(数十GHz)においても低比誘電率と低誘電正接を示すことがわかった。従って、本発明の誘電層組成物からなるフィルムはCOFやTABテープとして有用であり、該フィルムと金属箔との積層体は高周波回路用フレキシブル基板材料として良好である。
本発明の実施例にかかるフレキシブル基板の耐屈曲評価用パターンを示す平面図である。 本発明の実施例にかかる強制屈曲試験方法の概略を示す模式図である。
符号の説明
10 試験片
12 保持具
14 保持具

Claims (9)

  1. 主鎖型液晶ポリマーと、
    該主鎖型液晶ポリマー100質量部に対して0.0001質量部〜0.2質量部のカーボンナノチューブと、
    を含有する液晶ポリマー組成物。
  2. 前記カーボンナノチューブが、0.001質量部〜0.05質量部であることを特徴とする請求項1記載の液晶ポリマー組成物。
  3. 前記主鎖型液晶ポリマーが、芳香族ジオール、芳香族時カルボン酸及びヒドロキシカルボン酸から選択される少なくとも1種をモノマーユニットとして含むものであることを特徴とする請求項1又は2記載の液晶ポリマー組成物。
  4. 前記主鎖型液晶ポリマーが、下記の一般式Iで表される構造を含むものであることを特徴とする請求項1又は2記載の液晶ポリマー組成物。
    Figure 2007126578
    (上記式中、m及びnは繰り返し単位の組成比を表す。)
  5. 請求項1〜4のいずれか1項記載の液晶ポリマー組成物で形成されたフィルム。
  6. 前記フィルムの膜厚が10〜150μmであることを特徴とする請求項5記載のフィルム。
  7. 請求項1〜4のいずれか1項記載の液晶ポリマー組成物で形成されたフィルムから構成されたフィルム層と、該フィルム層の少なくとも一方に配置された金属箔層とを含む積層体。
  8. 前記金属箔層を形成する金属が、銅、金、銀、ニッケル、アルミニウム及びこれらの金属を含む合金から選択された少なくとも1つであることを特徴とする請求項7記載の積層体。
  9. 前記金属薄層の厚みが、4〜100μmであることを特徴とする請求項7又は8記載の積層体。
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